1ページ目 資料1-4 非公開 経済水道委員会説明資料 特別史跡名古屋城跡バリアフリー基本方針(案)について 平成30年5月15日 観光文化交流局 2ページ目 6特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議における主な意見 《以下表形式で区分(発言者)と主な意見を記載》 名古屋工業大学 小野徹郎名誉教授 ・現在あるいろんな技術を駆使して、その時代の技術をある意味では写した形で復元するというのは当然 ・バリアフリーについてもそういう視点で史実に忠実な復元とイチゼロの対立構図ではなく、何等かの妥協点を見出していく必要がある 中部大学 片岡靖夫名誉教授 ・天守閣は歴史に限りなく忠実に復元するということが大前提だが、バリアフリーが独立しているものではない ・両方共可能になるような、双方が一体となった議論を進めた方が良い 川地建築設計室 川地正数主宰 ・老若男女が復元された天守閣に出入りして体感をしていただくのは当然だが、エレベーターは非常時使用できない。その代りに緩勾配の階段を利用する階段昇降設備が使えるのではないか ・仮にエレベーターを設置するのであれば、4人乗りではなく、介助者が同乗できるサイズが必要 ・史実に忠実な復元が大前提。エレベーターについても柱や梁等の構造体に全く影響なく、専ら床の一部を開口するのみで装置としてのエレベーターが可能であればそれも一つある 名古屋工業大学大学院 小松義典准教授 ・城の寿命が数百年あるのに対して、設備は数十年の寿命しかない。取外し、更新をしていかなければならないということを考えておく必要がある。例えば100年後の昇降設備が、現在のエレベーターなのかというような視点を持って、選択をしていくことも大切ではないか 関西大学 西形達明名誉教授 ・災害時のことを考えれば、テンポラリー(一時的)な装置を十分完備しておくことが必要 ・バリアフリーに完全に対応するというスタイルをとるのであれば、11人乗りを採用するのも一つ 3ページ目 広島大学 三浦正幸名誉教授 ・エレベーターは急病人の緊急搬出のためにも必要 ・緊急避難の為にも天守の1階から外部に直接避難する階段が必要ではないか ・史実に忠実は100パーセントではない。どの部分の史実を守って、どの部分を守らず利便性を優先するかをしっかりと議論が必要 ・守らないといけない史実の例としては天守の骨組 中部大学 磯部友彦教授 ・中部空港方式という、いろんな障害当事者の方々と一緒になって設計から議論した方式が、世界から高い評価を受けている ・出来る出来ないの問題は、出来ないから我慢しますではなく、できなかったらなぜ出来ないかと前提条件から直していくことが技術者の立場。市民に押し付けるのは恥 ・史実という言葉は暗い歴史であり、またそれを押し付けるのかという意見になってくる ・実物大の階段を作って実験をするべき 東洋大学 橋儀平教授 ・保存と公開の原則に対して、社会的な公平性という概念が現在の社会の中にあるということを是非記憶に留めておいていただきたい ・これからの文化財を歴史の中でどういう風に造っていくか。今ある人達が評価するよりもずっと後世の人たちがどう評価するかに着眼していかなければならない ・4人乗りでは問題。現在国会で法改正が審議中であるが、ガイドラインでは最低でも15人乗りにしていく方向が意見されている ・歴史的に様々な加工方法の中で、どこまで実現可能かということになる。エレベーターをつけても、お互い助け合うということは当然である。ソフト面も含めた形で議論していくべきでは ・現在の名古屋城よりアクセシビリティが後退していけない 4ページ目 日本福祉大学 渡辺崇史教授 ・教育的視点から歴史的建造物を残すという意味もあるのであれば、小学生の見学会の際、クラスで上まで行けない子供をどう対処するのか、そういう視点から考える必要がある ・エレベーターは通常時利用のためにもちろん付けた方がいいが、災害時の移動方法に対する議論も必要 ・議論には当事者参加が不可欠 ・色々な方が多く参加してオープンにしていくことでみんなが納得できる歴史的建造物になっていくと思う 名古屋工業大学大学院 佐野明人教授 ・VRといってもいつも同じものを再生するのではなく、その日の天候等で色々な状況が変わると思うが、それを分身ロボットで五感を通じて体験共有できるのかが一つのポイント ・最優先は障がい者の方や高齢者の方などの要望をどう技術によってサポートしていくか ・将来可能な技術というのがある程度予測できるので、要望を議論する中で、将来実現できそうだということになれば、将来実現議論が活性化するのではないか 名古屋大学大学院 山田陽滋教授 ・通常時と避難時の技術は分けるべき ・避難時は新しい技術は入れるべきではない。想定外も考慮して、使い古された技術で安全が一番確保されるべき ・通常時はいす式の階段昇降機だとか段差解消機など技術はどんどん発達してきているので、そういうものを取り入れる ・寄り添いロボットといういわゆる免荷装置で人を釣り上げて階段を登るという技術提案が一つとしてあるのでは ・最初から技術開発者側と新しい技術を社会的に受容する一般の方が離反の関係になってしまうと、必要以上にバイアスがかかってよろしくない。社会技術観点で、相互に理解を深めるためのスキームに沿った話し合いの場を設けてはいかがか ・障害者の取扱いの問題だとか、まだ色々固まっていないところがいっぱいある訳だから、情報公開はきちんとしていただきたい 5ページ目 特定非営利活動法人わっぱの会 斎藤縣三理事長 ・バリアフリーはこの時代にとって最大の価値。人間の幸せや安全を考えた時に欠かせない ・史実に忠実な復元と強調するが、地震対策や火災対策など現代の技術を利用しない復元はあり得ない。高齢者や障害者の安全安心のために、エレベーターという今日の技術を中心にバリアフリー対策をするという事は必然である 愛知県重度障害者の生活をよくする会 近藤佑次会員 ・これだけお金のかかる公共事業であれば、全ての市民が安心して利用できることが第一 ・古い時代は障害者のことを排除してきた。その時代の建物を忠実に再現することによって、そういった差別的な一面もどんどん残していくことになるのではないか ・ハートフルデイだとか、障害のある人だけと考えること自体も差別である《表終わり》