表紙 資料1-2 《囲み開始》添付資料《囲み終わり》 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書 令和6年5月29日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会 1ページ目 目次 1名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の概要 P2 2検証部会の設置 P5 (1)設置目的 (2)設置経過 (3)部員構成 (4)開催経過 3資料調査 P8 (1)対象資料 (2)調査結果 (3)ヒアリング調査に向けた検討 4ヒアリング調査 P11 (1)対象者 (2)ヒアリング結果 5ヒアリング結果を踏まえた分析及び評価 P28 (1)平成30年度におけるやり取りの詳細 (2)平成30年度におけるやり取りの背景事情 (3)平成30年度におけるやり取りに際しての双方の認識 (4)市長の発言を受けた局の対応 (5)平成30年度という発言の時期 (6)平成30年度をはじめとする各回の市民向け説明会の運営 6結論 P30 参考資料 ヒアリング内容 P31 (1)令和6年3月18日(月)の経済水道委員会における答弁 (2)平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会 ア平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者 イ市長 2ページ目 1名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の概要 《以下表形式で会の名称、内容、日付、会場、参加者を年度別で記載》 (1)平成28年度 名称:報告会 内容: ・開会挨拶(市長、市会議長) ・天守閣映像(DVD)の上映 ・整備概要の説明 ・優先交渉権者の提案 ・質疑 ・総括コメント(市長、市会議長) 日付・会場・参加者: 5月10日(火)名東文化小劇場 130名 5月11日(水)西文化小劇場 256名 5月12日(木)港文化小劇場 123名 5月13日(金)緑文化小劇場 182名 5月15日(日)鯱城ホール 185名 計5日 5会場 876名 (2)平成29年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(所長) ・整備概要の説明 ・質疑 日付・会場・参加者: 1月16日(火)西文化小劇場 100名 1月18日(木)港文化小劇場 55名 1月19日(金)北文化小劇場 65名 1月23日(火)名東文化小劇場 88名 1月24日(水)南文化小劇場 38名 名称:シンポジウム 内容: ・開会挨拶(市長) ・基調講演 ・整備概要の説明 ・質疑 ・総括コメント(市長) 日付・会場・参加者: 1月28日(日)鯱城ホール 313名 計 6日 6会場 659名 3ページ目 (3)平成30年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(市長) ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 1月17日(木)熱田区役所講堂 38名 1月19日(土)中区役所ホール 131名 1月22日(火)瑞穂文化小劇場 45名 1月23日(水)緑文化小劇場 41名 1月25日(金)東文化小劇場 43名 名称:シンポジウム 内容: ・開会挨拶(市長) ・基調講演 ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 1月27日(日)鯱城ホール 121名 計 6日 6会場 419名 (4)令和元年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(市長) ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 11月28日(木)中村文化小劇場 41名 11月29日(金)今池ガスホール 73名 11月30日(土)天白区役所講堂 59名 12月2日(月)守山区役所講堂 46名 12月3日(火)中川文化小劇場 46名 12月4日(水)昭和区役所講堂 56名 12月5日(木)市民会館 70名 12月7日(土)公会堂 57名 計 8日 8会場 448名 4ページ目 (5)令和2年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(市長) ・学芸員による講演 ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 1月22日(金)名東文化小劇場 57名 1月23日(土)港文化小劇場 36名 1月31日(日)西文化小劇場 60名 計 3日 3会場 153名 (6)令和3年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(市長) ・学芸員による講演 ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 1月19日(水)能楽堂 64名 1月20日(木)公会堂 61名 1月22日(土)鯱城ホール 83名 計 3日 3会場 208名 (7)令和4年度 名称:説明会 内容: ・開会挨拶(市長) ・学芸員による講演 ・整備概要、進捗状況の説明 ・質疑(市長参加) 日付・会場・参加者: 1月21日(土)艫城ホール 217名 名称:シンポジウム 内容: ・開会挨拶(局長) ・講談 ・基調講演 ・整備概要、進捗状況の説明 ・パネルデイスカッション 1月28日(土)中区役所ホール 445名 計 2日 2会場 662名 《表終わり》 ※入場は全て先着順 ※累計33日間、33会場、参加者3,425名 5ページ目 2 検証部会の段置 (1)設置目的 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会(以下「検証部会」という。)は、令和6年2月定例会における質疑及び附帯決議を踏まえ、名古屋市職員の倫理の保持に関する条例の趣旨に則り、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保すべく、観光文化交流局が実施した名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会(シンポジウムを含む。以下「市民向け説明会」という。)に係る取り組みを総点検するために、観光文化交流局行政監理委員会のもとに設置されたものである。 検証部会は、平成28年度から令和4年度に実施された市民向け説明会に係る取り組みにおける次に掲げる事項について検証する。 ア公平性及び公正性に疑念を持つような働きかけ及び発言等の有無 イ市民の疑惑や不信を招くような行為の有無 (2)設置経過 《以下表形式で日程と当該日付に発生した出来事の内容を記載》 令和6年3月15日(金) 総務環境委員会(総括質疑)において、令和元年12月3日(火)に中川文化小劇場で開催された市民向け説明会に天守閣木造復元に賛同する方の動員依頼が市長特別秘書からあった旨の発言が中川委員からなされる。 経済水道委員会(総括質疑)では、総務環境委員会での議論を踏まえ、観光文化交流局により事実関係を確認するため暫時休憩に入り、その再開後、総務環境委員会での発言について整理ができないと審議に入れないと判断され、18日(月)に改めて総括質疑が行われることとなる。 6ページ目 3月18日(月) 経済水道委員会(総括質疑)において、所属委員から、市長から反対派ばかりではいけないので賛成派も集めろという指示があったのかとの質問があり、観光文化交流局から、そのような発言があったことを過去の担当職員に確認した旨の答弁がなされる。 また、所属委員から、総点検をした方がよいのではないかとの質問があり、観光文化交流局から、市民の疑念を払拭するためには何かしらの精査が必要であり、どういった点検の仕方があるかしっかり検討したうえで進めてまいりたい旨の答弁がなされる。 3月19日(火) 経済水道委員会(意思決定)において、賛成多数により附帯決議を付すべきものと議決される。 3月21日(木) 本会議において、委員長報告どおり附帯決議を付した議決がなされる。 4月8日(月) 観光文化交流局行政監理委員会を開催し、局行政監理委員会のもとに検証部会を設置して検証作業を進めることを決定する。 《表終わり》 (3)部員構成 《以下表形式で区分と職名、氏名を記載》 区分:部会長 職名・氏名:観光文化交流局長 佐治独歩 区分:部員 職名・氏名: 観光交流部長 鈴木康生 担当部長(都市魅カ・国際都市化)遠藤剛 文化歴史まちづくり部長 大島吉清 総務課長 片岡進矢 課長補佐(庶務)内田祐太郎《表終わり》 7ページ目 (4)開催経過 《以下表形式で開催日程と当該日付に行った内容を記載》 令和6年4月8日(月) 第1回検証部会 調査内容やスケジュールについて協議 4月15日(月)〜26日 (金) 資料調査の実施 5月2日 (木)〜21 (火) ヒアリング調査の実施 対象者(延べ29名) ・令和6年3月18日の経済水道委員会における答弁調整に関わった職員(6名) ・平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者及び市長(23名) 5月13 (月) 第2回検証部会 調査の進捗状況について共有 5月27 (月) 第3回検証部会 ヒアリング結果の共有 報告書の内容を協議 5月29日(水) 第4回検証部会 報告書の内容を協議、決定 観光文化交流局行政監理委員会へ報告 観光文化交流局行政監理委員会へ報告書を提出《表終わり》 8ページ目 3 資料調査 検証部会開催要綱第4条第6項の規定に基づき検証部会から指名された監理主幹(総務課長)及び監理主査(課長補佐(庶務))が調査を行った。なお、市民向け説明会に関する文書の保存年限が経過しているものもあるが、事務参考用に保存してあったものを含め、電子又は紙媒体で保管されていた資料すべてを対象とした。 (1)対象資料 ア事実確認資料 ・開催当日の配布資料 ・報告書 イ事業企画から開催に至るまでの調整経過がわかる資料一式(決裁、打ち合わせ資料、打ち合わせの記録・メモ、電子メールなど) ※職員(市長や特別秘書を含む)間だけではなく、受託業者や司会者、その他の関係者等との調整経過を含む ウ開催案内の内容、発送先がわかる資料一式 エ開催当日の配布資料以外の資料一式(従事マニュアル、役割分担表、タイムテーブル、シナリオなど) オ回収したアンケート <参考> (単位:ページ) 《以下表形式で平成28年から令和4年までそれぞれの年度で対象資料が何ページ保管されていたか、3(1)で示したア〜オまでに分類して記載》 28年度 ア117 イ207 ウ34 エ98 オ1 計457 29年度 ア44 イ237 ウ117 エ112 オ74 計584 30年度 ア189 イ558 ウ113 エ147 オ27 計1,034 元年度 ア294 イ900 ウ803 エ123 オ37 計2,157 2年度 ア113 イ1,030 ウ69 エ268 オ121 計1,601 3年度 ア124 イ1,853 ウ404 エ206 オ178 計2,765 4年度 ア80 イ1,179 ウ443 エ177 オ36 計1,909 合計 10,513《表終わり》 (2)調査結果 資料調査からは、公平性・公正性に疑念を抱かせるような働きかけ・発言などの記録は確認されなかった。また、市民の疑惑や不信を招くような内容や調整経過が不自然な点も確認されなかった。 9ページ目 (3)ヒアリング調査に向けた検討 資料調査を踏まえ、ヒアリング調査における聞き取り項目を以下のとおり整理した。 《以下表形式で年度別に聞き取り項目を記載》 共通聞き取り項目 ・特定の方への参加の呼びかけや発言の依頼など、公平・公正な運営に市民の疑念を抱かせるようなことを企図したり、行動をとったりしたことはないか。また、そのようなことについて、市長や副市長を含む上司からの指示、他の職員等からの働きかけを受けたことはないか。 ・それらのことについて、他の職員や関係者において何らかの伝聞や噂等を見聞きしたことはないか。 ・司会者や受託事業者を含む関係者に対して、誰を指名するか等についての指示や依頼、相談、助言等をしたことはないか。 ・参加者の人数や構成、発言内容等について課題意識はあったか。また、そうした課題に対して何かを検討したり、行動を起こしたことはあったか。 28年度 ・発言者を指名する基準はどうなっていたか。 ・発言を希望する方全員を指名することができていたか。 29年度 ・アンケート用紙の様式や車いすの席数などからバリアフリ一が大きなテーマになることを想定した会のように見受けられるが、開催に際しての背景事情はどうだったか。 ・車いすの方を優先して指名していたのか。 ・発言者を指名する基準はどうなっていたか。 ・発言を希望する方全員を指名することができていたか。 30年度 ・最後に発言する方が初めから決まっていたということはないか。 ・発言者を指名する基準はどうなっていたか。 ・これまでの説明会で一度も発言していない方を優先して指名するようになったのは、どのような経緯で決定されたのか。 元年度 ・指名する方が予め決まっていたり、特定の方を指名しないようにしていたということはなかったか。 ・発言者の指名の基準等について、司会者と市の間で打ち合わせ等は行われていたか。 10ページ目 2年度 ・コロナ禍でも中止にはせず、会場数を減らし、オンラインを併用しての開催にしたのはなぜか。 ・不規則発言やルールを外れた発言があっても制止しがたい雰囲気があったのか。 ・発言者の指名の基準等について、司会者と市の間で打ち合わせ等は行われていたか。 3年度 ・持ち時間のオーバーや不規則発言がしばしばある中で司会者の運営は比較的寛容に見受けられるが、事前の決め事等はあったか。 4年度 ・1回のみの開催となったのはなぜか。誰かの指示によるものか。 ・多くの来場者があったのはなぜか。《表終わり》 11ページ目 4 ヒアリング調査 検証部会開催要綱第4条第6項の規定に基づき検証部会から指名された監理主幹(総務課長)及び監理主査(課長補佐(庶務))が調査を行った。なお、市長に対するヒアリング調査は倫理監(局長)が調査に加わった。 ヒアリング調査を進めるにあたり、まずは答弁した事案の当時の状況及びどのような経緯で総点検を実施するに至ったのかということを十分に把握したうえで調査に臨むべきであるとの考えから、令和6年3月18日(月)の経済水道委員会における観光文化交流局の答弁調整に関わった職員に対してヒアリング調査を行った。 そのうえで、過去の市民向け説明会の運営に関わった当時の役職者に対してヒアリング調査を実施した。 (1)対象者 ア 令和6年3月18日経済水道委員会における答弁調整に関わった職員 計6名 イ 平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者及び市長 計23名 《以下表形式で23名中のそれぞれの区分(役職)と人数を記載》 市長 1人 観光文化交流局長 3人 名古屋城総合事務所長 3人 復元推進主幹 4人 整備主幹 5人 昇降技術主幹 2人 調査研究センター副所長 1人 誘客・活用主査 3人 復元推進主査 1人 合計 23人《表終わり》 注 区分は、主な年度における略称 12ページ (2)ヒアリング結果 ア令和6年3月18日経済水道委員会における答弁 令和6年3月18日(月)の経済水道委員会における答弁調整に関わった職員に対するヒアリング内容の要旨は以下のとおりである。 《以下表形式で区分と内容を記載》 区分:答弁調整の経緯 内容: ・市民向け説明会において働きかけがあったかを確認するため、自分から順次遡って歴代担当者に主に電話でヒアリングした。「市長及び市長特別秘書から賛成派の人を集めるようにといった働きかけがあったか」ということを聞いた。このうち職員Aから、市長よりそういう話があったということを聞いた。特にメモは取っておらず、記憶の新しいうちに想定QAのかたちに起こした。想定QAを考える過程の中で、市長の言ったことがぼやきなのか指示なのか判然としないので二ュアンスに迷った。ただ、市長としても強い思いがあったのではないかと職員Aから聞いていたので、一定「指示」という要素が強かったんじゃないかと考え、市長からも議会からも意図が不明確にならないようファクトベースの答えを作成した。 ・総括質疑の日、市民向け説明会に関する過去の経緯を調べてこいという話になって、職員Bが過去の担当者に個別に聞いたところ、市長特別秘書からの働きかけは何もなかったけど、職員Aから市長がそんなニュアンスのことを言っていた、という話があった。職員Aだから市長もそういうことを言うことがあるのかなと私は思ったし、他の人からもそういう発言が出たかと思う。当該職員のソースなら間違いないかなという思いがあった。市議Cは総務環境の話が飛んできて、正直悩んでいる感じで、どういう質疑にしようかと言っていた。市長から話を聞いた人がいるということがいつ市議Cに伝わっていたかということは覚えていない。委員会では市長の発言があったことを素直に認めないと閉じないと思うという話が市議Cからあった記憶はある。とにかく嘘はつくわけにはいかないというのが局長以下の共通認識だった。あと、市議Cが言っていたのは、犯人捜しになっちやいかんので、職員が特定されるようなことはやめてくれということだった。 ・職員Aと市長の間には、それまでの信頼関係のなかでいろいろ積み上げたものがあったと思っていたから、信ぴょう性が高いだろうなと思った。あえて確認する必要もないなと考えた。3月15日の委員会の後で、委員会での質疑をどう行って、どう収めるかについて市議Cと 13ページ目 話をした記憶がある。その時点で、職員Aが市長からそういうことを言われて断ったという事実関係は、前後関係ははっきり覚えていないが、その段階で職員Aの名前は明かさずに市議Cと共有していた記憶がある。市議Cとは、局長の方から再点検をするくらいのことを言ってもらわないといかんなと、やりとりをした気がする。まず、市長特別秘書が今回関わった件への局の受け止め方について「大変遺憾だ」くらいのことは言ってもらわないといかん、それに加えて、市長から発言があったということに対しても、きちんと市民からの信頼を得るために過去の説明会について総点検しますと言ってもらわないと収まらんねと言われた。その後、答弁の調整を行ったが、職員Aと市長とのやりとりであれば事実であろうという思いがあり、市議Cも事実を知っている話だから、そのまま進めた。 ・平成30年度当時に、職員Aが対応していた中身のことは知らなかった。職員Bが直接職員A本人にヒアリングしたということを聞き、ことばのニュアンスはともかく、そういう受け止めをするような発言があったんだと思った。 ・委員会の後、職員Bが職員Aから聞き取った話については、ただ事実として受けとめた。調査の結果あったことは議員に報告しないといけないなと思った。市議Cからは、月曜の議論をどうしようかという相談を3月15日に受けた。急にそういう話が総務環境で出たこともあって、市議C自身もおそらくどういう展開にするか頭の中がまとまらなかったのだろう。市長から職員Aに対する発言があったということは、その前かそのときに市議Cに話をしたと思う。市議Cからは、あったことについては、ちゃんと断言してほしいと言われたと思う。当局としては、当時想定QAを作成する中で、事実と違うことは言えない、答弁が事実として間違ってないかということに軸足を置いていた。事実が出てきたというところで、事実を碗曲なく、誤ることなく答弁をつくることが重要視された。当日は「指示」とは答弁しておらず、「発言」とのことばを使っている。それは明確な指示を受けたかはわからなかったので、あくまで「発言」とした。附帯決議をつけたいと会派Dからもらった案に「指示」と書いてあったので、「発言」に直してくれと市議Cと交渉した記憶がある。これは事実と違うと。最後は結果的に「指示」から「発言」になった。あとは、大前提として市議Cから職員の特定につながるので時期を言わないでほしいと言われており、時期を言わないことによって、中川市議や市長特別秘書との関係の中で、ちょっと裏目に出たという気がしている。 14ページ目 聞き取りの内容 ・3月に行った聞き取りでは、「市長もしくは市長特別秘書から働きかけがあったか」という形で伺った。その際、職員Aが「市長からはそういう発言があったな」とおっしゃった。「市長特別秘書からは何もない」と言われた。職員Aから聞いたのは、市民向け説明会の少し前、進行について市長に説明するため、市長応接に一人で入った際に、「こういう説明会は通常反対派ばかりなので、もっと賛成派を集めないといかん」ということを市長が言い、それに対し「行政としてそんなことはできません」と返したら、少し言い合いになったということ。また、「そういうことは減税の議員に言えばよいのではないですか」と申し上げたとも聞いた。これは、平成30年度のことだという話であった。 ・聞き取りを受けたときには聞かれたことにしか答えなかった。電話で端的に「市長からの働きかけはあったか」と質問されたので、「あった。賛成派を呼べと言われたけど行政としてはできませんと答えた」とだけ答えた。聞き取りの際に、市長からだけでなく市長特別秘書からも働きかけがあったかと聞かれたかは全然覚えていない。市長特別秘書とのやりとりは全くなかったので、市長とのやりとりのイメージしか頭に残らなかったのかもしれない。 答弁内容の確認 ・職員Aとは何回か電話のやりとりをし、その中で事実に相違がないか確認をした。想定QAの中身は、職員Eが委員会前に職員Aと会った際、確認をしたと聞いている。答弁内容を調整する中で、市長に確認すべきではないかというやりとりは出なかった。そういうやりとりがあったということは事実なので、その事実を答弁するのだとみんな理解していたと思う。 ・当日の朝、東庁舎と本庁舎をつなぐ踊り場で職員Aに会って、今日内容が委員会で出ますのでお願いしますねと言って、ああわかったと。これでいいですかという確認ではなく仁義をきっただけ。 ・答弁内容をどうやって喋るかということの確認は口頭であったかもしれない。正直いって自分も委員会中だったのではっきり覚えてない。市長に確認をしたのかどうかは知らない。自分に対してもそうだが、確認が甘いと思う。 ・答弁内容について、市長に確認するということについては議論がなかった。そういう発言があったということを職員Aから聞いたのは事実だから、事実を事実として発言することについては、職員の立場上はそういうものだろうと思った。それが具体的にどういう意図で発言されたかというところは当然市長に確認するべきことで、必要に応じて参考人とかで市長を呼んでもらうべきなので、あくまで職員としての発言が求められる場面だったと思う。 ・指示なのかボヤキなのかそうしてほしいとの願望なのか、という点に 15ページ目 ついては、そういうやりとりがあったのは事実だろうということですり合わせはしておらず、「指示」とは言わずに「発言」ということばで議論をしていた。事実を端的に想定QAとして整理した。 答弁後に行われた市長とのやりとり ・観光文化交流局の総括質疑の後に、市長から事情を聴きたいから来いと言われて行ったときに、市長から「賛成派を呼べというような動員みたいなことは、俺は言っとらんぞ」と言われ、「言ったじゃないですか」と少し言い合いになった。市長の執務室に入った瞬間から「俺はそんなこと言っとらん」と。賛成派を呼べということは言ってないということだと思ったので「言いました」と申し上げ、市長から「よっぽど気を付けているので、そんな変なこと言うはずない」と言われたので「でも言いましたよ」と返した。更に市長から「いつ言ったんだ、どういうシチュエーションで言ったんだ」と問われたので「市民向け説明会がいよいよ始まる直前ぐらいのところで、まさにこの部屋で、市長と対面で喋った時に、こういうことをやると反対派ばかり来るんで賛成派を呼べ、それははっきり言いましたよ。だけど私は、広く広報するのが行政の仕事なので一方の主張の人に声掛けをすることはできませんとお断りしました。そのあとに、減税に言ったらどうですか、とも言いましたよね」と答えたら、市長は次第に「始まる前だったら、ここでか…、言ったかもしれんな…言ったか…」と言った、というやりとりがあった。その時に市長の温度を下げるという意味もあり、「一対一のやりとりだったし、簡便的に反対派、賛成派ということばをおそらく使ったんでしよう。今思うと、説明会なので、これまでの経験則からすると反対派の人が参加されることが多いので、それではよくない、多くの人に説明を聞いてもらいたいので賛成派の人も呼んでくれんかという趣旨だったんですかね」と、そういうことを言った。そしたら、「そうだったかもしれんな」と言っていた。《表終わり》 平成30年度、市長から職員Aに対し、市民向け説明会に賛成派も呼べないかとの発言があったという事実は、ヒアリングにより改めて確認された。 かなり時期を遡るやり取りであるため、市長の方は当初記憶にあいまいな部分もあったようだが、令和6年3月18日(月)の経済水道委員会での答弁の後、市長は職員Aを呼んで話をしており、その中で市長も当時の様子を一定程度、思い出したようである。ただし、当時のやり取りは、基本的に市長と職員A、一対一で行われている。 場所も市長の執務室という他の職員による証言が期待できない場であるため、今後、言った側と言われた側の証言や認識が一致するかを中心に、慎重にヒアリング調査を行うこととした。 16ページ目 答弁内容の作成に当たり、職員Bは過去の歴代担当職員に対し、ごく端的な確認を電話でしたにとどまっている。市長の発言がいかなる場と状況において発せられたものであるか、丁寧な把握は行われていないため、その点についても今後、慎重なヒアリング調査を行うこととした。 答弁調整に関わった担当者は全員、過去の担当者に確認した内容を、あくまで事実ベースで答弁するだけという理解に立っており、やり取りの一方の当事者である市長に確認を取るという必要性は感じていなかった。市長と職員Aとの関係性から、やり取りに十分な信ぴょう性があると思ったとの証言もあった。今後のヒアリング調査では、市長の証言や認識についてもしっかり把握したうえで分析評価を行っていく必要がある。 なお、答弁調整の過程において、関係者からの圧力や恣意的な調整を疑う事実は確認されなかった。 イ 平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会 (ア)平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者 平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の役職者に対するヒアリング内容の要旨は以下のとおりである。 《以下表形式で年度と区分、要旨を記載》 年度:28年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・特定の人を呼ぶような指示を受けておらず、自分の耳には入ってこなかったし、サクラを入れるという感覚は全くなかった。 ・特定の方への参加の呼びかけや発言の依頼などはなく、見聞きしたこともない。 ・特に気になるところはなく、疑わしいことはないし、不公平だという感じは受けなかった。 ・広く市民向け説明会への参加や意見表明の啓発は行っていたが、特定の意見だけに偏った参加の呼びかけや発言依頼はない。 年度:28年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・反対派や賛成派がいたとしても、当時は天守の意義を誠実に説明することに注力していた時代だった。 ・2万人アンケートをやることと市民向け説明会が連動していた。 ・まだ予算が通っておらず、市長の冒頭挨拶から、竹中工務店の提案や市の考えを説明し、市民から意見をもらうかたちで開催した。 17ページ目 ・まずは市として何をやっていくのかを、どなたにもわかりやすく、丁寧に説明することが役割だと思っていた。 年度:28年度 区分:参加者 要旨: ・天守閣木造復元の黎明期で、市民からも応援する立場や課題があるという立場等、いろいろな意見があった。 ・賛成も反対も二分していたイメージ。 ・当時は盛り上がっていたからこそ、木造復元に期待する方の参加は多く、反対派も何回も会場に来てくれる人がおり、双方の意見には考えさせられることがあった。 年度:28年度 区分:運営 要旨: ・発言を希望したすべての方が当たるのではなく、「行ったけど、結局、発言は当たらなかったわ」と市民の方から聞いた記憶もある。 ・発言者を指名する際の不自然さは特に無かった。発言が行き過ぎる人を司会者が制止したり、揉めていたりした記憶はある。また、市長を支持すると思われる市民が、市長の思いと同じことを発言してくると感じたことはある。 ・司会をされていた方々は、木造復元の詳細が確定していない段階だったので、特定の意見に肩入れするのではなく、賛成的な人、否定的な人両方の意見を聞くというところで苦労されているなとの印象はあった。 年度:29年度 区分:働きかけの有無 要旨: ・市長から賛成の人を呼ぶように言われた事はない。直接誰かに働きかけるとか声をかけて参加してもらうということは一切やっていない。 ・市長に、どうしても賛成の立場の意見よりも反対の立場の意見の方が多いということは報告していたが、市長から「もっと賛成派を集めろ」と言われたのはなかったと思う。他の職員がそのような指示を受けたことも、見聞きしたことはない。 ・反対派と賛成派のバランスをとるという認識は無かった。反対派ばかり集まるのではいけないので賛成派を、ということは無かったと思う。 ・疑念を抱くようなことはないと確信している。 年度:29年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・議会からの市民の方にもっと積極的に説明する必要があるとの指摘を踏まえ、市民向け説明会を企画した。 ・何をどう説明するかというところが重要であり、あまり市民の意見が賛成だ、反対だというところに意識を置いていなかった。 ・予算も通り、実際に進めていくために、その進捗状況を説明していく市民向け説明会であり、市民の意見で何かを決めるという認識ではない。 18ページ目 年度:29年度 区分:参加者 要旨: ・本市が階段昇降機にしてエレベーターをつけないことを公表したことが影響しているのではないかと思うが、もともと障害者団体の方からは反対意見があったので、参加された方が多かったこともあり、当日の発言者としても車いすの方の発言が一定数あったと思う。 ・市職員が司会進行で、持ち時間を決めてやっていた。毎回来ていたグループが、「俺に当てろ」と散々言っていたが、「あなたは前回の会場で当てたので他の方に当てます」ということを、質疑応答の時にやっていた。賛成派の人も発言していたし、反対派の人も発言していた。 年度:29年度 区分:運営 要旨: ・各会場に何度も来られている方が結構いた。司会者は、一度発言したことがある人には当てず、時間が余れば当てる、という方法でやっていた。それぞれの意見が賛成か反対かはわからないが、多くの人からご意見を聞きたいので、今回初めて喋られる方を優先させていただきたいとお願いしていた。 ・いろいろな属性の方から声を聴けるように、時間いっぱい多くの方から意見を聞こうと思っていた。 ・男女、年齢、障害の有無とかは発言者のバランスを意識して指名していた。さまざまな人に幅広く聞こうという意思統一はあったが、運営は司会者に任せられていた。 ・なぜ当ててくれないのかというご意見は何回も言われたけれど、「あなたの意見は以前に伺ったので、より多くの方のご意見を伺いたいので申し訳ないですが、ご理解ください」と、市民向け説明会の中だけでなく後でも、たずねられれば話をしている。 ・出来るだけ多くの方の話を聞きたいので、制限時間の直前に合図を鳴らし、それでも続いたのならば、「ここで質問を切らせていただきます」というような運営をしていたと思う。 年度:30年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などのようなことはなかった。そのよう指示は受けていないし、こちらから働きかけたこともない。古い記憶だが、伝聞とか噂等を含めて見聞きしたことはないと思う。 ・反対派の意見が多かったので「たまには賛成してくれる人の意見もほしいなあ」というようなことは感想として市長が言っていたことはある。ただそれで、何かこちらに動けという話はなかった。 ・特定の人に来てくださいとか話をしてくださいということを当然やったことがない。 19ページ目 ・1回目の市民向け説明会が開催されるちょっと前だったと思うけれども、市民向け説明会をこうやってやるのでという話に伺ったときに、市長から「こういう説明会をやると反対派ばっかり来るので、賛成派を呼べんのか」というような話があった。その時には「行政の職員としては一方の主義主張の方により多くお声がけをするようなことはできません。いろんなツールや機会を通じて、多くの方にこういう説明会をやっているということを知ってもらうためには最大限の努力をして広報しますけど、片方とかこちら側とか偏って参加を呼びかけるということは残念ながら行政としてはできません」と、対応できない旨をはっきりお答えした。その時に、「どうしてもということだったら、市長は減税の党首でもあるので、そこの議員さんに話せばいいのではないですか」というようなことは、あわせて申し上げたことも記憶している。時期は年内だったと思う。それまでにいろいろな資料でレクは構えていると思うが、この時は、こんな感じでよろしくという確認で、観光文化交流局としては私一人で市長の執務室に入った。市長秘書の特命主幹・主査は部屋の中にいたかもしれないが。市長から感じたニュアンスは、指示でもないし、私との関係性の中で出たというような軽いものでもなく、その中間くらい。おそらくご自身の経験則上、こういうことをやると反対派ばかり集まって騒がれて終わっちやうので賛成派を呼べんかということを、それなりに本気で思っていたんだろうと思う。絶対やれというものではないけれども、それなりに強い思いはあって言われた。断っても市長は納得しておらず、ぶつぶつは言ってはいた。市長から「そんなこと言ってもなんとか呼べんのか」と言われ、「できません」と言って首尾一貫お断りをした。「賛成派を呼べないか」との発言に際して、「賛成の意見を言ってもらう人」というような意図は、明確には感じられなかった。来てほしいというような希望的なものよりは強い意思を感じたが、賛成の意見を言う人というほどの意味ではなく、賛成の意思を持った人たちを呼んで来れないかという意味だと受け取った。 年度:30年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・非常に反対の意見が多く、特定の人ばかりの発言が続いたり、強硬に反対する方が毎回手を挙げて発言されていたりする状況があった。 20ページ目 年度:30年度 区分:参加者 要旨: ・同じ人たちから毎回反対意見が出る。それは職員全体の共通認識。だんだん反対派のグループの人数が増えていった感じであった。ただそれに対して賛成派をいれるとかの動きはしていない。 年度:30年度 区分:運営 要旨: ・年度途中から市民向け説明会の趣旨を踏まえて、初めての方を優先したいと考え、運営を改善した。それぞれのお住まいに近い会場に住民の方に来てもらって意見を聴取する場だからという趣旨の話を司会者と共有したような記憶がある。 ・開始前に司会者を含め関係者で話をする中で、誰が発言したかは分からないが「特定の人に偏ることなく、幅広く公平に意見を聞けるようにして欲しい。」との意見があったということを聞いたことはある。 ・具体的に基準を決めた記憶はなく、手を挙げた方からランダムに、くらいしか覚えていない。途中から司会者が初めて発言する人に配慮するようになったのはあったが、事前には市職員とこういう方向でやりたいという話をしたのではないか。市長からも「同じ人ばかりが当たって発言しているようではいかんのじゃないか」と言われた記憶がある。 ・いつ誰を当てるかというような事前の取り決めはまったくない。あの人を指名したいとかしないとかも一切なかった。 ・発言者の指名について、事前に司会者に指示はしていない。基本的に時間が許す限り、手が挙がった人全員に話してもらう方針で、恣意的な人選はもちろんのこと質問の仕込みといった作為的な操作は全くしていない。 ・直接司会者に対して「あの人は当てないでほしい」という要請はしたことはない。 ・「できるだけ同じ人には当てないようにします」と司会者から言ってもらい、バランスよくいろいろな人から意見が聞けるような配慮はした。出席者に対しては何もなかったと思う。積極的に手を挙げられて当てた人は、その年度のそれ以降の回では当てないということはあったと思うが、1回は当てている。 ・特定の方が積極的に手を挙げて非常に大きい声で意見を言う。それはあまり会として良くないよねという雰囲気をこちらが持ってしまうくらいの言い方をしてくる。意見を遮るというより、いろいろな人の意見が聞きたいというのがあるので、今まで当てていない人を当てていた。 ・講演会の捌きに慣れている学識経験者等をコーディネータ一に選定しており、基本的にはお任せで、不測の事態につい 21ページ目 て聞かれたら対応するために職員を近くに配置していた。開催の趣旨を考慮し、終了時間になったからといって直ちに発言を打ち切らないなどの配慮もしている。 年度:元年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・市民の疑念をいだかせるようなことは一切ない。そういうような話があれば当然止める。 ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などは、記憶の中では一切ない。 ・特に誰かを呼ぶとかはなく、上司からそういう参加者の方に関する指示はなかった。周りについても、事前に誰かを呼ぶとか声がけをするとかは聞いたことはない。 年度:元年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・6月定例会で議案を撤回するという事態があって、議会からも幅広く市民の意見を聞きながら、議会とよく相談をしてやらなければならないと言われていた。急遽開催回数を増やしたり会場を設けたりしていたので準備に精一杯だったが、できるだけ幅広く意見を聞きたいというのは市長も同じ気持ちだったと思う。 年度:元年度 区分:参加者 要旨: ・出席する人数が少なく、どうすれば幅広い意見が聞けるかは考えていた。賛成派に呼びかけるようなことはしないが、本当に適切な説明会になっているかは常に自問自答していた。 ・賛成派、反対派それぞれがグループで来ていたので、だれかが働きかけて呼んだという認識はなかった。 ・それぞれ賛成派、反対派がひたすらそれぞれの主張を述べる会で、もう少し建設的にやれないものかと思っていたが、何人かの方はご自身の素直な感情を言われて、それは参考になった。 ・会場に有識者Fが来ており、一個人、市民の一人というわけでもなく話をされた。多分こちらから来てもらっているのだけれど、市民の方からするとどう見えたのかなという不安はあった。 ・当時、障害者団体の方々に、市民向け説明会は賛成派の方の参加が多いと説明していたことから、団体の代表者は「我々が行って、エレベータ一をつけろ!と言ったら、えらいことになるわな」と参加を躊躇していたので、そのようなことがあれば、きちんと制止しますよと述べた。結局、団体の方は手を挙げて発言することはなかったが、会場で声を掛けると「恐る恐るだけど来たぞ」とやり取りをした記憶かある。障害者団体としては近寄りにくかったかもしれない。 22ページ目 年度:元年度 区分:運営 要旨: ・手がたくさん挙がったという回があまり記憶に無くて、多くの方が発言できなかったという印象ではなかった。 ・毎回同じ人ばかりから同じ意見をもらうのではなく、できるだけ幅広い方からご意見をもらうよう、と司会に申し上げたこともあった。ただ、司会も開催ごとに変わるのでなかなか難しかった。 ・司会者が恣意的にやっていた印象はなかった。どういう原則でというのは、特に事前に話もしていなかった気がする。市職員からすると、参加者には誰だか分かっている人はいて、そういう人たちにも均等に、ランダムに当てているなという気はした。 ・市職員があの人は当てないでくださいとか、あの人を当ててくださいとかの指示はしておらず、司会者が判断していた。厳密にはできていなかったけれど、毎回来る人で前回当てた人よりは当たっていない人を優先してくださいね、というような話を打ち合わせの時にしていた。 ・発言者を覚えている職員から「前回あの人は言ってたから」というのを教えてもらい、他の人を優先してくださいと直前の舞台袖で司会者に言うのはあったが、結局同じ人に当たっていたりもしていた。 ・市長特別秘書や減税日本の市議が動いていたような記憶はないし、ずっと袖にいたがそんなやりとりを見た覚えはない。 年度:2年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・市民の疑念を抱かせるようなことは、自分からそういうことをしたこともないし、指示を受けたこともない。見聞きしたこともない。 ・特定の誰かを呼ぶとか呼ばないといった話は記憶にない。 年度:2年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・名古屋城木造復元は市の一大事業でもあり、多額のお金も時間もかかるので、市職員として市民の方々には理解をしていただかなくてはいけないといったところで、コロナ禍ではあったが工夫して会を催した。 ・参加者を増やす工夫が必要だということは毎回議論していて、コロナ禍ということもあって、開催回数と会場となる方面を絞ったかたちで運営した記憶がある。 ・誰が聞いても分かりやすい資料にしようと大幅に変えた。説明もおもてなし武将隊の徳川家康にナレーションをしてもらって、より名古屋城に親しみをもってもらおうという工夫をした。 ・コロナ禍でありオンラインを導入し、時間と場所を選ばす聞ける方策をとった。会場を減らすので、16区をブロックで考えて周辺区の方が来やすいところを選んだと思う。 23ページ目 年度:2年度 区分:参加者 要旨: ・過去の議事録を読んで、どういう意見を持った人が参加され、どのような質疑や反対意見が述べられるかということは事前にある程度把握し、資料等を準備していた。また、反対派やマスコミ関係の参加状況などは、当日の受付や案内をはじめとする職員間の情報交換でできるだけ把握するようにしていた。 ・参加人数がそんなに多くないので、毎回参加されている方などが判るようになってきたが、だからといってそのような特定の方々をどうこうするということはなかった。そういう方々は質疑応答では、たいてい勢いよく挙手されるので、指名されて質問することも多かったように思う。 ・反対派の方が単独で質疑応答の時間を占有してしまうと問題があるが、そういったことでもなかった。 ・反対意見を持った方の発言が多くなるのは、説明会に参加する方々の動機付けの強さを考えればやむを得ないと思う。 年度:2年度 区分:運営 要旨: ・誰を指名するか等について、特にこちらから指示をしたことはなく、より多くの方の意見をお聞きする場である趣旨と司会者のノウハウによって発言をされる方を当てていた。 ・広く意見を聞くためには、同じ方に聞いて同じような質疑応答になるよりは、違う人から優先的に質問をもらうようにしていきましょうという話は司会者としており、そういったアナウンスも当日の質疑応答前に司会者からしていたはず。司会者も回数を重ねているので毎回参加している方々、質問履歴のある方々は分かっていたと思う。 年度:3年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などのようなことはなかったし、そんな噂を他の職員からも聞いたことはなかった。 ・市民向け説明会の運営に不自然な点は無かったと思う。 年度:3年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・本丸の整備構想を策定したり、できるだけ早い段階で整備計画をまとめて文化庁の復元検にかけたりしたいという思いもあったので、工夫しながらやった。バリアフリーに関してもまだ準備段階であったがその考え方を、できる範囲でスライドを使いながら説明していった。 年度:3年度 区分:参加者 要旨: ・どちらかといえば、反対意見が多かったものの比較的落ち着いた雰囲気で質疑応答ができたように思う。 24ページ目 年度:3年度 区分:運営 要旨: ・普通にフラットに説明をし、公平に意見聴取をしていた。賛成派と反対派の両方から、いろんな意見があったので、公平、公正性は担保しながら運営していた記憶がある。 ・とかく同じ方が何度もいらっしやるので、事前の打ち合わせの中で、あまり同じ人ばかりがあたらないようにといったくらいの話をした記憶があって、受託業者側もそうですよねという感じで話をした。 ・同じ方がみえていたら当てないようにというのはあったかもしれないが、個別に避けるといった感じではなかった。 ・発言を途中で遮るということもしていない。当然最後まで聞く。なんらか意図的に短くさせようとか質問を一人何点までとした記憶はない。平穏というか、わりと賛否半々というか、そんなイメージだった。 ・「皆さんに万遍なく当てるんだけれども1回発言された方にはご遠慮というかちょっと優先順位が」ということを司会者がおっしゃっていたように思う。運営を委託している中で、進行については司会にお任せをしていた。ブツッと切るのは失礼なので、その場の雰囲気で判断していただいていた。 ・司会者にやってくれと依頼したことはないが、バリアフリーの話になると障害のある方からのご意見も当然必要と思っている中で、実際言葉が喋りにくい方、お付きの方がいる方が当たっており、質問の内容に応じて司会の方が選んでくれていたのかなという気はする。 年度:4年度 区分:働きかけ等の有無 要旨: ・市長から参加を動員するような発言に類似したことはないし、そもそも賛成派を多く集めようという発想には全くならなかった。会場が寂しくない程度に人がきたほうがいいとは話していたけれど、参加者数としては想定通り集まったかなと思う。 年度:4年度 区分:経緯及び概要 要旨: ・少人数で複数回やってきたけれど、どちらかというと関心が高い人とか、よほど自分の持論を持っている人たちが積極的に足を運ぶ。市民に広く参加を呼び掛けるという意味において、どうなのかというのがあった。 ・シンポジウムに変更したのは、名古屋城木造復元の状況が十分伝わっておらず、その内容を丁寧に市民に説明するという会本来の役割を果たすためだった。 ・説明することも大事だけども名古屋城の魅力自体を伝えていけるような仕立てを考えられないかという流れで内容を改めて、その代わり説明会の記録映像をウェブサイトに掲 25ページ目 載することになった。前の年だと大きな会場を借りても全然入らず会場と参加者の規模が見合わないということもあった。 ・令和5年度に全体計画を提出してこれから盛り上げていきたいとの狙いがあったので、今まで興味がなかった人にどうやって来てもらうかとか関心をもってもらうことに目的が移りかけていたと記憶している。違うやり方を模索した年だった。 ・その時の趣旨としては木造復元の価値を話をするということ。その方向性は当局と市長とで一致している。少なくとも価値自体についての総論的な情報提供ができたし、そこについては市長も好評価だった。 ・だんだん中身が固まってきて、木造天守の復元がどういうことを目指していて、どういう中身なのかということを情報提供する場面だとするスタンスだから、反対派、賛成派という色分けになることを想定していなかった。賛成派の人をたくさん集めようとか、反対派の人も必要だろうとか、そういう発想にはなっていない。 年度:4年度 区分:参加者 要旨: ・賛成、反対が半々ぐらいのバランスの取れた質疑応答であったと記憶しており、明らかにこれまでと違うと感じた。頭ごなしに否定されるような質問・意見はなかった印象がある。《表終わり》 (イ)市長 市長に対するヒアリング内容の要旨は以下のとおりである。 ・名古屋城という非常に重要なテーマにも関わらず、市民向け説明会の参加者が少ないと思っていた。その時に言ったのは、「同じ人が常に発言を求めている。反対派の意見。いくらなんでも同じ人ばっかりではいかん。」ということ。司会にそれはちゃんと言ったらないかん、と言った記憶がある。確かにそうだということで、司会者から今回初めて意見を言われる方を優先したい、と言うようになった。 ・自分と職員Aとの話の中では、「名古屋城に非常に関心の深い人たちには声をかけておいたらどうだ、来てもらったらどうだ」のように言ったんじやないかなと思う。それに対して「できません」と言われたから「そんなことあるか」と言った。 ・採決したり決定したりするようなところだといかんかわからんけど、勉強会とか意見交換会みたいなところは、別に特定の人が来てもらっていてもいいんじゃないか。 26ページ目 ・名古屋城は、金城温故録や昭和実測図などがあるということを市民は知らんと思う。そういう人たちに説明する会を、木造復元をせっかくやるならやらなかんがやという気持ちが非常に強かった。 ・少なくともわし自身の認識として、サクラを動員しろといったことは絶対ない。いろんな程度があると思うけど、一番いかんのはまずアルバイト代でも払って、こちらの意向に沿う意見を喋ってもらうというのはいかん。これは犯罪だと思う。それは知っていたから自分がそんなことを言うのはあり得ない。 ・捏造ではなくて、賛成者に来てもらうということが本当に悪いことなのかという気持ちがある。それは一度ガイドラインを作った方がいいのではないか。こういう市民集会においてだぞ。採決したりする場合は別だわ。そういうところに意見を言える人たちを呼ぶのは悪いのか良いのか、ハッキリさせておいてほしい。捏造以外で、多様な意見を聞くために色んなグループに来てもらうということは、俺はそう悪いことではないと思う。賛成の人も来てもらえと言ったのだろうが、その中には絶対的にサクラという表現を使ったり、捏造につながるようなニュアンスは無いと断言できる。採決で誤魔化してやろうかというなら別だが、あんなところで捏造の話をしてもらっても何にも意味はない。偽物を入れる必要はないので、絶対にない。 ・職員Aは俺に「特定の人たちを呼ぶわけにはいきません」と言ったんだろうな。そうなると相当論争になったんじゃないかと思われる。そんなことないだろうと。賛成の人を呼んでくれといって何がいかんのだと。そこでもし職員Aが「いやいや、特定のやつはいけません」と言ったとすると、「そんなことないだろう」と。それで彼は「もしそういうことやるなら市長は減税日本の党首なので、そちらに言ってください」と言ったと。もしかしたら俺の方から「それだったらしようがないので減税のやつに俺が言ってやるわ」と言った可能性はある。確たる思いではないけれどもその可能性はある。ただ、このことを職員Aが市議(当時)Gに言ったとしても、10か月も後になるんだろう、サクラ発言は。それがよくわからない。市議(当時)Gに2回電話したけど出ない。あの人のメールでは河村さんが寂しがっていると書いてあるんだろう。なので人を呼んでくれと。市議Hも持っていた、市議(当時)Gのメールの本物を。あと本物があるのは中川区の中川市議のサクラメール。確か今池のガスビルのところでやったことになっていて、市議(当時)Gはその時は減税の市議団長だったので、ガラガラではいかんで本人は絶対来ないといけないが後援者を呼んでくれと言った可能性はある。それを受けて市議(当時)Gがメールを送ったのだろう。そのときにサクラを動員しろとか、バイト代を払って賛成だと喋らせろなんていうことは絶対的にない。 ・市民向け説明会は反対の意見が多いのでぼやいたことはあるかもしれん。ぼろかす言われるとこっちもぼやきたくなるけど、市民意見の捏造工作はさらさらないし、そんなことをいうんだったらこれは業務妨害罪。名誉棄損だ。裁判やってもいい。議会と役人と両方。市議Iと市議Jに言ったら、それはまず局長の答弁の 27ページ目 方を、と言っとった。役人が言ったとしてもそれがなんでそのまま真実になるんだ、そんなばかなことあるんか。代表というか市長やっとるもんで俺に聞かなあかんがや。 ・局長に午前中にいっぺん電話した。附帯決議の話を。とんでもねえといって。俺が言ったのはそんな議会だったら河村さんの不利益というか名誉棄損になる、嘘だったら。議会は公然中の公然ですから。局長が河村さんもそんな気があったんでしょとか言ったもんだから、俺はそんな気があるわけないがや、何言っとるんだと言った。 ・この間議長にもそう言った。改めて言って訂正しろと。附帯決議を取り消して謝罪しろと。本人の確認なく名誉棄損をするような附帯決議を議決するのは、憲法31条の適正手続きの保障に反している。適正手続きは議会の原点だ。 ・議会側は局長が言っとるのでいかんがやと。だが、役人があの人は殺人犯だと言ったら議会で議決するのかいと。そんなひどい話聞いたことない。 ・市議Kのブログも、河村が捏造したというようなニュアンスで書いてある。最後にあんたらの捏造性をさらに疑わしめるけど、河村本人はそんなつもりで言ったんではないと。ようけ来てくれというつもりで言ったんだと。かっこ付けでわざわさ書いてある。わしからするとこの辺の一連のところについて、議員と当局がいつ答弁の打ち合わせみたいなこと、何時間かけて、どこで、どういう話をしたか明らかにしてほしい。文脈からいってわしがサクラ動員による賛成派を集めるよう言ったととれるがね。河村さんは10か月前に話し合いの中で、ガラガラではいかんで賛成の人やら反対の人やらとにかくきてもらっていろんな意見を、ということは言われたけども、サクラ動員という言葉の中には普通は発言の捏造を含む。そういった意味で言ったのではないと答弁しないかん。当然あの流れだったら。言う義務がある。説明会だもんで、ようけの人に来てもらって、いろんな話を聞いてもらう。誤解されんように。市長の名誉棄損もあるけど市民が誤解する。当然公開されるもんで。議事録からテープ、音声そのまま残る。市民が見るわけだから誤解されんように訂正していく必要があったんではないかと思いますけど。 ・職員Aは、職員Bから電話があって、サクラの意味なのか賛成派の意味なのか不正確だけど、発言捏造みたいな指示があったんではないかと言われたけど、全然ないよと答えたと言っとった。職員Lが聞いていた。職員Aはサクラということではないとはっきり言ったと言っとった。 ・先の委員会での発言の趣旨が違う。いったん取り消して正確に言い直してくれ。 令和6年3月18日(月)の経済水道委員会において答弁された、平成30年度における市長と職員Aとの間でなされたやり取り以外に、公平性・公正性に疑念を抱かせるような事項は確認されなかった。 従って、上記のやり取りに関する背景事情や関係者の認識等を中心に、ヒアリング結果の分析及び評価を行った。 28ページ目 5 ヒアリング結果を踏まえた分析及び評価 (1)平成30年度におけるやり取りの詳細 市民向け説明会は、平成27年度に全16区で開催されたタウンミーティングを前身として、平成28年度より開催されている。平成28年度は、市長が最初と最後に挨拶をし、質疑応答は観光文化交流局職員によって行われた。翌29年度は、市長が出席せずに市民向け説明会が開催された。そういう経過の中、平成30年度は、市長が質疑応答に参加し、市民からの質問にも答える形で開催することとなった。 平成30年度1回目の市民向け説明会(1月17日/熱田区役所講堂)が開催される少し前(12月頃)、職員Aは単独で市長の執務室に赴き、説明会当日の進め方について市長に説明、最終確認を行った。当該職員が単独で説明に行ったのは、当日の開催方法については調整が終わっており、あくまで当日の進行の最終確認だったからである。 この場において、市長から職員Aに「こういう説明会をやると反対派ばかり来るので、賛成派を呼べないか」という話があった。これに対し、職員Aからは「行政の職員としては、一方の主義主張の方に声かけをするようなことはできない。いろいろなツール・機会を通じ、最大限の努力で広報するが、偏って参加を呼びかけるということはできない」と答えた。 その後、市長から、なぜできないのかといった趣旨の発言はあったものの、最終的にそれ以上、市長が職員Aに対応を求めることはなかった。 なお、このやり取りの際、職員Aは市長に対して、「そういうことは減税の議員に言えばよいのでは」とあわせて申し上げたということを証言している。 (2)平成30年度におけるやり取りの背景事情 平成29年度の市民向け説明会の参加人数は、6会場で計659名、最少の会場では38名であったのをはじめ、5会場で100名以下であった。当時、こうした状況を市長は残念に思っており、市長に対する聞き取りの中では「会場がガラガラではいけない」「名古屋城のことを詳しく知らない市民にしっかり説明をする会にしなくてはならない」「反対の人ばかりではなく、賛成の人にも来てもらわなくてはならない」と考えていたことを確認した。 参加者が総じて少なく、質疑応答では反対の意見を持った方々が積極的に発言していたとの認識は、当時の、あるいは他の年度の市民向け説明会を担当した職員からも複数確認された。 (3)平成30年度におけるやり取りに際しての双方の認識 職員Aは、市長の発言を指示とまで捉えることはなかったが、市長自身の経験から、こういう会には反対派ばかりが集まるので賛成派を呼べないかということを、それなりに強い思いがあって言っているものと認識していた。 一方、市長は、採決したり決定したりする場合は別だが、誰でも参加することができる市民向け説明会において、賛成の人に来てもらうことは悪いことではないと考え 29ページ目 ていた。こちらの意に沿う意見をしゃべってもらう、意見を捏造することがサクラであり、それは絶対にやっていないと証言している。 いわゆるサクラが具体的に何を指すのかは、個人によって認識が異なるものと思われるが、職員Aは、市長が求める「賛成派」について、「賛成の意見を言う人」というほどの意味ではなく、賛成の意思を持った人を呼べないかという意味に受け取っていた。 (4)市長の発言を受けた局の対応 職員Aは、市長からの話に対し、一貫して行政としては対応ができない旨を申し上げて対応を断っており、市長がそれでもなお対応を求めることはなかった。また、他の職員に同様の対応を求めるということも、今回ヒアリングを行った関係職員からは確認されなかった。 結果として、市長の発言により、市民向け説明会の公平性・公正性に疑念が生じたり、市民の疑惑や不信を招くような行為が行われたりすることはなかった。 (5)平成30年度という発言の時期 職員Aは、市長とのやり取りがあった時期を「平成30年度のこと」と明確に記憶している。一方、令和6年3月15日(金)の総務環境委員会において、中川委員から発言のあった「中川文化小劇場で開催された市民向け説明会において木造天守復元に賛同する方の動員依頼が市長特別秘書からあった件」は、令和元年12月3日のことであり、1年近く時期の開きがある。このため、両件について、直接の関係はないと解するのが妥当であろう。 (6)平成30年度をはじめとする各回の市民向け説明会の運営 市民向け説明会における質疑応答では、様々な立場の方からできるだけ広く意見や質問が出るように司会者による発言者の指名が行われており、不自然に思われる場面もなかったことが、複数の証言から確認された。 平成30年度からは、司会者を外部の第三者に依頼するようになっており、運営の客観性が一層担保されるように改善されている。また、市民向け説明会は毎年度、複数の会場で開催されていることを踏まえ、質疑応答の冒頭、司会者がこれまでの説明会で一度も発言していない方を優先したいので、これまでに発言されていない方から挙手していただくようアナウンスを行っている。このことはあくまで、より多くの方から多様な意見をいただくために行われており、繰り返し来場し発言を求めていることが分かっている方に対しても指名をしないということはなく、恣意的に特定の方を排除するような運用にはなっていないことが確認された。 また、発言にはおおむね3分という持ち時間が設定され、3分を超過することが極力ないように司会者から発言者に対する適宜の声かけが行われていたが、持ち時間を超過したとしても、発言を突然に打ち切るようなことはなく、市民からの質問、意見を真摯にお聞きする場としての運営が心がけられていた。 30ページ目 6 結論 今回の調査では、平成28年度から令和4年度に開催された市民向け説明会において、公平・公正な会の運営に市民の疑念を抱かせるような事実は確認されなかった。 平成30年度の市長と職員Aとのやり取りでは、市長の「賛成派を呼べないか」との発言を指示とは認識していなかったこと、ここでいう「賛成派を呼ぶこと」が「市民向け説明会において賛成の意見を言わせること」という意味には捉えられていなかったことが、言った側と言われた側、双方において確認された。 平成30年度の市長の発言は、結果として職員による何らかの行動につながることがなく、市民向け説明会の公平性・公正性に疑念が生じることはなかった。 市長の発言のあった平成30年度と、中川文化小劇場における中川市議と市長特別秘書による動員依頼が指摘された令和元年度には、時期的な開きがあり、両件に直接の関わりはないものと解される。 今回の検証により、以上のことが明らかとなったが、ここで今回、市民の疑念を招くこととなった令和6年3月18日(月)の経済水道委員会の答弁を振り返ると、答弁内容の作成に当たり、職員Bは過去の歴代担自職員に対し「市長及び市長特別秘書から賛成派の人を集めるようにといった働きかけがあったか」とのみ問い、これに対して職員A1名から「市長から、こういう説明会をやると反対派ばっかり来るので、賛成派を呼べんのか、という話があった」との答えがあった。これは、ごく端的な電話でのやり取りである。市長の発言がいかなる場と状況において発せられたものであるか、丁寧な把握は行われていなかった。 また、答弁は職員からの聞き取り結果に基づいて調整されたが、それのみでは正確な事実が伝わらない可能性があることに鑑み、適正を期す手続きとして、一方の当事者である市長にも事情を確認すべきであった。 答弁当日は、このことを証言した職員の特定を避けるために、市長の発言の時期がわからないように答弁をした。これにより「中川文化小劇場で開催された市民向け説明会において木造天守復元に賛同する方の動員依頼が市長特別秘書からあった件」とは時期が異なっていることが明確にならず、両件が直接関係しているかのような誤解を生じさせる可能性がある答弁となった。 観光文化交流局としては、過去の担当者に確認した内容を、あくまで事実ベースで答弁したという認識であったが、市長の発言がいかなる場と状況において発せられたものであるか、また、市長の発言がその後、局においてどう扱われたかが丁寧に答弁されていれば、委員会審議に際し、より正確な事実を示すことができたと考える。 本報告書の内容は、当時の答弁の不十分な点を正し、かつ補うものであり、これにより、市民向け説明会に対する市民の疑念を払拭することができたと考える。 名古屋城天守閣木造復元事業は本市にとって非常に重要な事業である。その事業推進に際し、市民の疑念が生じたということを観光文化交流局として重く受け止め、今後、市民の信頼のもとで事業を進めていくため、今回の反省を胸に刻んでまいりたい。 31ページ目 参考資料 ヒアリング内容 (1)令和6年3月18日(月)の経済水道委員会における答弁 答弁調整経緯 ・市民向け説明会において働きかけがあったかを確認するため、自分から順次遡って歴代担当者に主に電話でヒアリングした。私からは単問で「市長及び市長特別秘書から賛成派の人を集めるようにといった働きかけがあったか」ということを聞いた。このうち、職員Aから、市長よりそういう話があったということを聞いた。話を聞きながら、特にメモは取っておらず、記憶の新しいうちに想定QAのかたちに起こした。自分が想定QAを考える過程の中で、市長の言ったことがぼやきなのか指示なのか判然としないのでニュアンスに迷った。ただ、市長から強い発言があり、できませんと返したことに対し言い合いが発生するような状況だったので、市長としても強い思いがあったのではないかと職員Aから聞いていた。なので、一定「指示」という要素が強かったんじやないかと考え、市長からも議会からも意図が不明確にならないようファクトベースの答えを作成した。 ・総括質疑の日、市民向け説明会に関する過去の経緯を調べてこいという話になって、職員Bが過去の担当者に個別に聞いたところ、市長特別秘書からの働きかけは何もなかったけど、職員Aから市長がそんなニュアンスのことを言っていた、という話があった。その後の局長室でのやりとりの中では、職員Aだから市長もそういうことを言うことがあるのかなと私は思ったし、局長室にいた他の人からもそういう発言が出たかと思う。職員Aではない人からそういう発言が出たら若干クエスチョンマークが出たかもしれないが、職員Aのソースなら間違いないかなという思いがあった。市議Cは総務環境の話が飛んできて、正直悩んでいる感じで、どういう質疑にしようかと言っていた。市長から話を聞いた人がいるということがいつ議員に伝わっていたかということは覚えていない。委員会では市長の発言があったことを素直に認めないと閉じないと思うという話が市議Cからあった記憶はある。とにかく嘘はつくわけにはいかないというのが局長以下の共通認識だった。あと、市議Cが言っていたのは、犯人捜しになっちやいかんので、職員が特定されるようなことはやめてくれということだった。 ・職員Aと市長の間でそういったやりとりがあったと聞いたときに、それまでの信頼関係のなかでいろいろ積み上げたものがあったと思っていたから、職員Aがそういう発言をするというのは信ぴようt生が高いだろうなと思った。それは事実だったんだろう、あえて確認する必要もないなと考えた。3月15日の委員会の後で、委員会での質疑をどう行って、どう収めるかについて市議Cと話をした記憶がある。その時点で、職員Aが市長からそ 32ページ目 ういうことを言われて断ったという事実関係は、前後関係ははっきり覚えていないが、その段階で職員Aの名前は明かさずに市議Cと共有していた記憶がある。市議Cとは、局長の方から再点検をするくらいのことを言ってもらわないといかんなと、やりとりをした気がする。まず、市長特別秘書が今回関わった件への局の受け止め方について「大変遺憾だ」くらいのことは言ってもらわないといかん、それに加えて、市長から発言があったということに対しても、きちんと市民からの信頼を得るために過去の説明会について総点検しますと言ってもらわないと収まらんねと言われた。その後、答弁の調整を行ったが、職員Aと市長とのやりとりであれば事実であろうという思いがあり、市議Cも事実を知っている話だから、そのまま進めた。 ・平成30年度当時に、職員Aが対応していた中身のことは知らなかった。職員Bが直接職員A本人にヒアリングしたということを聞き、ことばの二ュアンスはともかく、そういう受け止めをするような発言があったんだと思った。 ・委員会の後、職員Bが職員Aから聞き取った話については、ただ事実として受けとめた。調査の結果あったことは議員に報告しないといけないなと思った。市議Cからは、月曜の議論をどうしようかという相談を3月15日に受けた。急にそういう話が総務環境で出たこともあって、市議C自身もおそらくどういう展開にするか頭の中がまとまらなかったのだろう。市長から職員Aに対する発言があったということは、その前かそのときに市議Cに話をしたと思う。市議Cからは、あったことについては、ちやんと断言してほしいと言われたと思う。当局としては、当時想定QAを作成する中で、事実と違うことは言えない、答弁が事実として間違ってないかということに軸足を置いていた。事実が出てきたというところで、事実を碗曲なく、誤ることなく答弁をつくることが重要視された。事実はぶれないので。当日は「指示」とは答弁しておらず、「発言」とのことばを使っている。それは明確な指示を受けたかはわからなかったので、あくまで「発言」とした。附帯決議をつけたいと会派Dからもらった案に「指示」と書いてあったので、これはいかんとなって、「発言」に直してくれと市議Cと交渉した記憶がある。これは事実と違うと。最後は結果的に「指示」から「発言」になった。あとは、大前提として市議Cから職員の特定につながるので時期を言わないでほしいと言われており、時期を言わないことによって、中川市議や市長特別秘書との関係の中で、市長の問題意識につな がったかもしれず、そこがちょっと裏目に出たというか、申し訳ない気がしている。 33ページ目 聞き取りの内容 ・過去の市民向け説明会担当者に昨年3月に行った聞き取りでは、「市長もしくは市長特別秘書から働きかけがあったか」という形で伺った。その際、職員Aからは「市長からはそういう発言があったな」とおっしゃって、その時点では市長特別秘書に関しての言及はなかった。改めて確認した時に「市長特別秘書からは何もない」と言われた。職員Aから聞いたのは、市民向け説明会の少し前、進行について市長に説明するため、市長応接に一人で入った際に、「こういう説明会は通常反対派ばかりなので、もっと賛成派を集めないといかん」ということを市長が言い、それに対し「行政としてそんなことはできません」と返したら、少し言い合いになったということ。また、「そういうことは減税の議員に言えばよいのではないですか」と申し上げたとも聞いた。これは、平成30年度のことだという話であった。具体的な時期までは正確には覚えておらず、秋口だったかなということだった。 ・聞き取りを受けたときには聞かれたことにしか答えなかった。電話で端的に「市長からの働きかけはあったか」と質問されたので、「あった。賛成派を呼べと言われたけど行政としてはできませんと答えた」とだけ答えた。聞き取りの際に、市長からだけでなく市長特別秘書からも働きかけがあったかと聞かれたかは全然覚えていない。仮に、一緒に聞かれたのだとしても、市長特別秘書とのやりとりは全くなかったので、市長とのやりとりのイメージしか頭に残らなかったのかもしれない。 答弁内容の確認 ・職員Aとは何回か電話のやりとりをし、その中で事実に相違がないか確認をした。想定QAの中身は私が直接ではなく、職員Eが委員会前に職員Aと会った際、こういう答弁するとの確認をしたと、職員Eから聞いている。答弁内容を調整する中で、市長に確認すべきではないかというやりとりは出なかった。そういうやりとりがあったということは事実なので、その事実を答弁するのだとみんな理解していたと思う。 ・当日の朝、委員会のはじまる直前だと思うが、東庁舎と本庁舎をつなぐ踊り場で職員Aに会って、今日内容が委員会で出ますのでお願いしますねと言って、ああわかったと。これでいいですかという確認ではなく仁義をきっただけ。想定QAをお渡しする機会もなく、内容がシンプルだったのでそこまで追求しなかった。市長に確認するかというのは振り返ってみてもなかったかと思う。 ・答弁内容をどうやって喋るかということの確認は口頭であったかもしれない。正直いって自分も委員会中だったのではっきり覚えてない。委員会が終わってから、職員Bが時系列にまとめたものは見た。市長に確認をしたのかどうかは知らない。自分に対してもそうだが、確認が甘いと思う。 ・答弁内容について、市長に確認するということについては議論がなかった。 34ページ目 そういう発言があったということを職員Aから聞いたのは事実だから、事実を事実として発言することについては、職員の立場上はそういうものだろうと思った。委員会のなかで議員側がどう解釈し結論づけたかはともかく、少なくともそういうやりとりがあったということは事実だから。それが具体的にどういう意図で発言されたかというところは当然市長に確認するべきことで、必要に応じて参考人とかで市長を呼んでもらうべきなので、あくまで職員としての発言が求められる場面だったと思う。 ・そのまま包み隠さす聞いたことを議会に報告する、あとは議会の判断だと。その上で、市長を呼ぶということも議会の判断であるから、市長の言い分を聞くというならば呼べばいい話。当局はあくまでも職員のヒアリング内容を出しましたということで、市長に確認しなくていいかという議論はなかった。 ・指示なのかボヤキなのかそうしてほしいとの願望なのか、という点については、そういうやりとりがあったのは事実だろうということですり合わせはしておらず、「指示」とは言わずに「発言」ということばで議論をしていた。事実を端的に想定QAとして整理した。 答弁後に行われた市長とのやりとり ・観光文化交流局の総括質疑の後に、市長から事情を聴きたいから来いと言われて行ったときに、市長から「賛成派を呼べというような動員みたいなことは、俺は言っとらんぞ」と言われ、「言ったじゃないですか」と少し言い合いになった。市長の執務室に入った瞬間から「俺はそんなこと言っとらん」と。賛成派を呼べということは言ってないということだと思ったので「言いました」と申し上げ、市長から「よっぽど気を付けているので、そんな変なこと言うはずない」と言われたので「でも言いましたよ」と返した。更に市長から「いつ言ったんだ、どういうシチュエーションで言ったんだ」と問われたので「市民向け説明会がいよいよ始まる直前ぐらいのところで、まさにこの部屋で、市長と対面で喋った時に、こういうことをやると反対派ばかり来るんで賛成派を呼べ、それははっきり言いましたよ。だけど私は、広く広報するのが行政の仕事なので一方の主張の人に声掛けをすることはできませんとお断りしました。そのあとに、減税に言ったらどうですか、とも言いましたよね」と答えたら、市長は次第に「始まる前だったら、ここでか…、言ったかもしれんな…言ったか…」と言った、というやりとりがあった。その時に市長の温度を下げるという意味もあり、「一対一のやりとりだったし、簡便的に反対派、賛成派ということばをおそらく使ったんでしよう。今思うと、説明会なので、これまでの経験則からすると反対派の人が参加されることが多いので、それではよくない、多くの人に説明を聞いてもらいたいので賛成派の人も呼んでくれんかという趣旨だったんですかね」と、そういうことを言った。そしたら、「そうだったかもしれんな」と言っていた。 35ページ目 (2)平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会 ア 平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者 (ア)平成28年度 働きかけ等の有無 ・特定の人を呼ぶようなことは指示を受けていない。自分の耳には入ってこなかった。サクラを入れるという感覚は全くなかった。 ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などのようなことはない。他の職員とか市民向け説明会の関係者のことを含めて見聞きしたこともない。 ・参加を呼びかけたようなことは、特段ない。市民向け説明会の中でも、特に気になるところはなく、疑わしいことはない。不公平だという感じは受けなかった。 ・広く市民向け説明会への参加や意見表明の啓発は行っていたが、特定の意見だけに偏った参加の呼びかけや発言依頼はない。 経緯及び概要 ・当時は、観光文化交流局全体で天守の意義を誠実に説明する会だった。反対派や賛成派がいたとしても、説明することに注力していた時代だった。 ・平成28年度に2万人アンケートをやるというのがあって、それと説明会が連動していた。 ・まだ予算が通っていないので、5月に、市長に冒頭挨拶してもらって、竹中工務店の提案とか市の考えを説明して、市民から意見をもらうというかたちで開催した。 ・始まったばかりだったので、まずは内容をきちんと理解していただくことが第一だった。市として何をやっていくのかを、どなたにもわかりやすく、丁寧に説明することが役割だと思っていた。 参加者 ・機運醸成を含め、天守閣木造復元の黎明期でバタバタする中で、市民からも応援する立場や課題があるという立場等、いろいろな意見があった。また、当時の所管は名古屋城だけでなくて名古屋の都市魅力全体を盛り上げようという部署だったので、そういう他の事業に積極的に参加してくれる方や団体もあった。 ・賛成も反対も二分していたイメージ。 ・当時は盛り上がっていたからこそ、純粋に木造復元に期待する方の参加は多く、反対派も何回も会場に来てくれる人がおり、双方の意見には考えさせられることがあった。 36ページ目 運営 ・発言を希望したすべての方が当たるのではなく、実際に、事業を応援してくれるところや前向きな団体も全員が当たったわけではない。行く限りは発言したいという人が多かったため、「行ったけど、結局、発言は当たらなかったわ」と市民の方から聞いた記憶もある。 ・発言者を指名する際の不自然さは特に無かった。中には発言が行き過ぎる人はいて、その人の発言を司会者が制止したり、その場や、あるいは終わってからも揉めていたりした記憶はある。また、市長を支持すると思われる市民が、市長の思いと同じことを発言してくると感じたことはある。 ・司会をされていた方々は、賛成的な人、否定的な人の意見をちゃんと両方聞いて運営されていると思った。両方の意見を聞くというところで苦労されているなとの印象はあった。また、木造復元の詳細が確定していない段階だったので、特定の意見に肩入れするのではなく、本市の計画を正しく説明した上で、事業全体に対して両方の意見がうまく出るようにやられていた。 (イ)平成29年度 働きかけ等の有無 ・市長から賛成の人を呼ぶように言われた事はない。仮に言われたとしても、直接誰かに働きかけるとか声をかけて参加してもらうということは一切やっていない。 ・2、3年の間で市内全区を一通り回るのかなということで5、6区くらい回ったかと思う。そのときに、市長に、どうしても賛成の立場の意見よりも反対の立場の意見の方が多いということは報告していたが、市長から「もっと賛成派を集めろ」とかそういうことを言われたことはなかったと思う。他の職員がそのような指示を受けたということも、見聞きしたことはない。 ・反対派と賛成派のバランスをとってどうのこうのという認識は無かった。賛成派も自然に来ていたと記憶している。反対派ばかり集まって、それではいけないので賛成派を、ということは無かったと思う。 ・疑念を抱くようなことはないと確信している。 経緯及び概要 ・平成28年度末に予算が認められ、その際の議会からの市民の方にもっと積極的に説明する必要があるとの指摘を踏まえ、市民向け説明会を企画した。 ・市民向け説明会のマネジメントは、本庁側の部署が中心になっていた。市民向け説明会がとりたててどうこう問題になって、というイメージはない。平成29年度以降はどう進めるかに焦点を置いていた。市民向け説明会では、何をどう説明するかというところが重要であり、あまり市民の意見が賛成だ、反対だというところに、そんなに意識を置いていなかった。 ・予算も通り、実際に進めていくために、その進捗状況を説明していくことでの市民向け説明会だった。市民の意見で何かを決めるという認識ではない。 37ページ目 参加者 ・車いすの方の発言が多いのは恐らく、市民向け説明会をやったのは1月で、前年の11月か12月に本市が階段昇降機にしてエレベーターをつけないということを公表したことが影響しているのではないかと思う。まずは本市としての判断を決めたうえで障害者団体に意見を聞いていきます、というかたちでスタートしている。もともと障害者団体の方からは反対意見があったので、当日参加された方が多かったこともあり、当日の発言者としても一定数あったと思う。 ・バリアフリーに関する質問もあったが、メインは木造化の賛否に関する質疑応答だった。市職員が司会進行で、持ち時間を決めてやっていた。毎回来ていたいわゆる反木造化グループが、座席が固まらないようにバラバラに座って、ランダムに手を挙げていた。反木造化グループのリーダーは司会者のことをよく知っているみたいで、「俺に当てろ」ということを散々言っていたが、「あなたは前回の会場で当てたので他の方に当てます」ということを、質疑応答の時に公衆の面前でやっていた。賛成派の人も発言していたし、反対派の人も発言していた。 運営 ・各会場に何度も来られている方が結構いた。司会者は、一度発言したことがある人には当てないようにしていた。まずは発言したことがない人に当て、時間が余れば発言したことがある人にも当てる、という方法でやっていた。それぞれの意見が賛成か反対かはわからない。ただ反対の意見が多かった。反対派の人から当ててほしいと言われても、多くの人からご意見を聞きたいので、今回初めて喋られる方を優先させていただきたいとお願いしていた。 ・障害のある方だけでなく障害のない方にも当てるというかたちで、手を挙げたなかでバランスよくいろいろな属性の方から声を聴けるように、時間いっぱい多くの方から意見を聞こうと思っていた。 ・手を挙げられた方の中でいろいろな層のご意見を聞きたかったので、男女、年齢、障害の有無とかは発言者のバランスを意識して指名していた。さまざまな人に幅広く聞こうという意思統一はあったが、運営は司会者に任せられていた。 ・なぜ当ててくれないのかというご意見は何回も言われたけれど、「あなたの意見は以前に伺ったので、より多くの方のご意見を伺いたいので申し訳ないですが、ご理解ください」と、市民向け説明会の中だけでなく後でも、たずねられれば本人に話をしている。 ・出来るだけ多くの方の話を聞きたいので、制限時間の直前に合図を鳴らして「そろそろまとめてください」と言いながら、それでも続いたのならば、「ここで質問を切らせていただきます」というような、明確な記憶はないけれども、そういう運営をしていたと思う。途中でマイクの音を切ったりしたことはない。 38ページ目 (ウ)平成30年度 働きかけ等の有無 ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などの市民の疑念を抱かせるようなことはなかった。そのよう指示は受けていないし、こちらから働きかけたこともない。古い記憶だが、他の職員とか市民向け説明会の関係者からの伝聞とか噂等を含めて見聞きしたことはないと思う。 ・反対派の意見が多かったので「たまには賛成してくれる人の意見もほしいなあ」というようなことは感想として市長が言っていたことはある。市民向け説明会の報告か始まる前のレクかのどちらか、みんながいる中で。もう少し賛成やら応援してくれる意見もほしいようなことは言っていた。ただそれで、何かこちらに動けという話はなかった。 ・参加の呼びかけなどはない。 ・特定の人に来てくださいとか話をしてくださいということを当然やったことがない。 ・市民向け説明会を市長に先頭に立ってやっていただこうということになり質疑にも答えて、自らの思いを伝えてもらうという方向で説明会をやりましょうと舵を切っていく中で、1回目の市民向け説明会が開催されるちょっと前だったと思うけれども、市民向け説明会をこうやってやるのでという話に伺ったときに、市長から「こういう説明会をやると反対派ばっかり来るので、賛成派を呼べんのか」というような話があった。その時には「行政の職員としては一方の主義主張の方により多くお声がけをするようなことはできません。いろんなツールや機会を通じて、多くの方にこういう説明会をやっているということを知ってもらうためには最大限の努力をして広報しますけど、片方とかこちら側とか偏って参加を呼びかけるということは残念ながら行政としてはできません」と、対応できない旨をはっきりお答えした。その時に、「どうしてもということだったら、市長は減税の党首でもあるので、そこの議員さんに話せばいいのではないですか」というようなことは、あわせて申し上げたことも記憶している。時期は年内だったと思う。それまでにいろいろな資料でレクは構えていると思うが、この時は、こんな感じでよろしくという確認で、観光文化交流局としては私一人で市長の執務室に入った。市長秘書の特命主幹・主査は部屋の中にいたかもしれないが。市長から感じたニュアンスは、指示でもないし、私との関係性の中で出たというような軽いものでもなく、その中間くらい。おそらくご自身の経験則上、こういうことをやると反対派ばかり集まつて騒がれて終わっちゃうので賛成派を呼べんかということを、それなりに本気で思っていたんだろうと思う。絶対やれというものではないけれども、そ 39ページ目 れなりに強い思いはあって言われた。断っても市長は納得しておらず、ぶつぶつは言ってはいた。市長から「そんなこと言ってもなんとか呼べんのか」と言われ、「できません」と言って首尾一貫お断りをした。当時は、断ったのと減税に言ったらどうですか、それで終わっている。「賛成派を呼べないか」との発言に際して、「賛成の意見を言ってもらう人」というような意図は、明確には感じられなかった。来てほしいというような希望的なものよりは強い意思を感じたが、賛成の意見を言う人というほどの意味ではなく、賛成の意思を持った人たちを呼んで来れないかという意味だと受け取った。 経緯及び概要 ・非常に反対の意見が多く、特定の人ばかりの発言が続いていたり、強硬に反対する方が毎回手を挙げて発言されていたりする状況があった。 参加者 ・市長に対する反対派で声が大きい人が毎回来ており、ちょっとひどいよねという会話はあった。同じ人たちから毎回反対意見が出る。それは職員全体の共通認識。市民向け説明会が終わって、そういう人たち同士が話をしたりするようなことがおそらくあって、だんだん反対派のグループの人数が増えていった感じであった。次は誰が質問するといったことも含めてやっていたのではと、こちらが受け止められるような感じだった。ただそれに対して賛成派をいれるとかの動きはしていない。 運営 ・年度途中から市民向け説明会の趣旨を踏まえて、初めての方を優先したいと考え、運営を改善した。基本的には区ごとに開催しているので、本来であれば同じ方が来ることはあまりないはず。もちろん誰が来てもよいのだが、それぞれのお住まいに近い会場に住民の方に来てもらって意見を聴取する場だから、という趣旨の話を司会者と共有したような記憶がある。何度も会場に足を運び同じことを話す人がいて、時間切れにより発言機会が失われる方がいるという不公平を低減するというねらいは市民向け説明会の趣旨から当然出てくる帰結なので、組織で相談して初めての人を優先するという方金十を決めた。 ・基本的には当日の開会の直前でないと司会者と話をする機会がないので、開始前に司会者を含め関係者で話をする中で、誰が発言したかは分からないが「特定の人に偏ることなく、幅広く公平に意見を聞けるようにして欲しい。」との意見があったということを聞いたことはある。 ・具体的に基準を決めた記憶はなく、手を挙げた方からランダムに、くらいしか覚えていない。途中から司会者が初めて発言する人に配慮するようになったのはあった。はっきり覚えていないが、突如会場で、アドリブでやられるということはあまり想定しにくいので、司会者の方から発案があったとしても、事前には市職員とこういう方向でやりたいという話をしたの 40ページ ではないか。市長からも同じことを言われたことがあって、ボヤキの中だと思うけれど「同じ人ばかりが当たって発言しているようではいかんのじゃないか」と言われた記憶がある。ただそれを受けて司会者と打ち合わせまでした記憶はないので、時期がただ重なっていただけかもしれない。 ・いつ誰を当てるかというような事前の取り決めはまったくない。あの人を指名したいとかしないとかも一切なかった。 ・発言者の指名について、事前に司会者に指示はしていない。基本的には時間が許す限り、手が挙がった人全員に話してもらう方針だったし、恣意的な人選はもちろんのこと質問の仕込みといった作為的な操作は全くしていない。司会者は、特に意図はなく、ランダムで当てていた。 ・直接司会者に対して「あの人は当てないでほしい」という要請はしたことはない。 ・場の空気があって、賛成意見も反対意見もあればいいと思うけれど、挙手と同時に発言趣旨を口にする参加者が結構いる。賛成派を喋らせたいかどうかでなく会場の状況を見てバランスを考慮した発言者の人選になったのではないか。運営者側の仕込みなどは全然ない。 ・同じ人に当てるといわゆる反対派を毎回当てることになってしまい、純粋に賛成していて本当に話が聞きたい人の意見を聞くことができなくなるので、「できるだけ同じ人には当てないようにします」というのは司会者から言ってもらって、バランスよくいろんな人から意見が聞けるような配慮はした。質問者に対してだけの話なので、出席者に対しては何もなかったと思う。そういう方だからといって質問の機会が制限されるということはなかった。市民向け説明会はその年度にだいたい5、6回開催する。1、2回目の開催時に積極的に手を挙げられて当てた人は、その年度のそれ以降の回では当てないということはあったと思うが、全く当てないということはない。1回は当てている。 ・特定の方が積極的に手を挙げて非常に大きい声で意見を言う。それはあまり会として良くないよねという雰囲気をこちらが持ってしまうくらいの言い方をしてくる。純粋に話を聞きたい人、事業に対して応援してものを言いたい人の話が聞けなくなってしまう。反対している人の意見を遮るというより、反対派の方の意見であったとしても、同じ人の意見ではなくて、いろいろな人の意見が聞きたいというのがあるので、今まで当てていない人を当てていた。その人が必ずしも賛成派ではないので、そういう意味。多くの人から意見を聞きたい。 ・講演会の捌きに慣れている学識経験者等をコーディネータ一に選定している。場の雰囲気に合わせたり、趣旨を踏まえてある程度自律的に運営することが想定されているので基本的にはお任せで、当然に「あと何分で終わ 41ページ目 ります」といった進行に必要な耳打ちなどをするほか、不測の事態について聞かれたら対応するために職員を近くに配置していた。なお、開催の趣旨を考慮し、終了時間になったからといって直ちに発言を打ち切らないなどの配慮もしている。不公平を感じさせることなく、会場にお越しいただいた市民の方に事業の目指すところや中身が正しく伝わり、言いたいことをちやんと発言していただける環境が整っていることで初めて説明会をやる意味があると思っていた。 (エ)令和元年度 働きかけ等の有無 ・特定の方への参加の呼びかけや発言の依頼などといった公平、公正な市民向け説明会の運営に市民の疑念をいだかせるようなことは、思い当たること、伝聞とか噂等も一切ない。そういうような話があれば当然止める。 ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などの市民向け説明会の公平、公正な運営に市民の疑念を抱かせるようなことは、記憶の中では一切ない。 ・特段そのようなことは聞き及んでいない。 ・特に誰かを呼ぶとかはなかった。上司からそういう参加者の方に関する指示はなかった。周りについても、特にそういう記憶はない。事前に誰かを呼ぶだとか声がけをするだとかは聞いたことはない。 経緯及び概要 ・6月定例会で議案を撤回するという事態があって、議会からも幅広く市民の意見を聞きながら、議会とよく相談をしてやらなければならないと言われていた。なので、仮に説明会の終了の時間が来たとしても、発言をしたいという方がいれば、賛成か反対かわからないけど、寛容にやってあげなくては、との立場だった。急遽開催回数を増やしたり会場を設けたりしていたので準備に精一杯だったが、できるだけ幅広く意見を聞きたいというのは市長も同じ気持ちたったと思う。 参加者 ・出席する人数が少ないということは常に思っていたし、発言される方がどっちかというと反対の意見だったり、よく来てくれた方も同じような顔ぶれもみえたりするものだから、どうすれば幅広い意見が聞けるかは常に考えていた。賛成派に呼びかけるようなことはしないが、本当に適切な説明会になっているかは常に自問自答していた。 ・平成30年度から令和の最初のころまで、賛成派、反対派それぞれがグループで、動員しなくても来ていたので、だれかが働きかけて呼んだという認識はなかった。名前を名乗るときに「どこどこのだれそれです」との発言を聞いて、そういう関係者が来てるんだな、というところ。 42ページ目 ・それぞれ賛成派、反対派がひたすらそれぞれの主張を述べる会で、もう少し建設的にやれないものかと思っていた。中には、反対のための反対、賛成のための賛成ではなくて、自分の思いを打ち明けられ、こういうことを思われてたんたなという方がいらっしやる。特定の意見を固うために来たのではなくて、事業についての意見を言いたいとか。何人かの方はご自身の素直な感情を言われたなと思って、それは参考になった。 ・当時から気になっていたのは、会場に、有識者Fが来ている。どういう位置づけだったのかというのが不安ではあった。一個人で自主参加、市民の一人というわけでもなく話をされた。多分こちらから来てもらっているのだけれど、市民の方からするとどう見えたのかなという不安は当時からあった。普通の委員会だと有識者ですといって、紹介があって話をされるので、そこがあいまいだったかなと思う。 ・特定の障害者団体にとって、開発しようとしているバリアフリー昇降技術を「エレベーター」と呼ばないことから、言葉の議論になっていた。当時、障害者団体の方々に、市民向け説明会は賛成派の方の参加が多いと説明していたことから、団体の代表者は「我々が行って、エレべータ一をつけろと言ったら、えらいことになるわな」と参加を躊躇していたので、そのようなことがあれば、きちんと制止しますよと述べた。結局、団体の方は手を挙げて発言することはなかったが、会場で声を掛けると「恐る恐るだけど来たぞ」とやり取りをした記憶かある。会場の様子を各障害者団体へ説明していたことから、障害者団体としては近寄りにくかったかもしれない。 運営 ・手がたくさん挙がったという回があまり記憶に無くて、むしろ手があまり挙がらなくて、誰かいませんか、と促してちょっとずつ、というのはあった。多くの方が発言できなかったという印象ではなかった。 ・あまり期間を空けずに連続して市民向け説明会をやっていたので、参加できる人数も限られている中で、できるだけ幅広い方にご意見を頂戴したいとの思いが常にあった。毎回同じ人ばかりから同じ意見をもらうのではなく、できるだけ幅広い方からご意見をもらうよう、と司会進行の方に配慮してほしいと申し上げたこともあった。ただ、司会進行される方も開催ごとに変わるのでなかなか難しかった。 ・司会者が恣意的にやっていた印象はなかった。どういう原則でというのは、特に事前に話もしていなかった気がする。司会者が気づいた中で早かった順くらいかなと思う。恣意的に排除しよう、どうしても当てようという姿勢は感じたことはなかった。市職員からすると、参加者には誰だか分かっている人はいて、そういう人たちにも均等に、ランダムに当てているなという気はした。 ・市職員が司会者にあと何人ですとか、今の方は3分経つので合図をお願い 43ページ目 しますとか、そういうことはしていた。あの人は当てないでくださいとか、あの人を当ててくださいとかの指示はしておらず、司会者が判断していた。男性を当てたら次は女性を当てるとかはあったかなと思う。あとは、厳密にはできていなかったけれど、前回来られた方で当てた方や当てた記憶がある方は後回しにして、みたいな意識はあったと思う。毎回来る人で前回当てた人よりは当たっていない人を優先してくださいね、わかる範囲でいいので、というような話を打ち合わせの時にしていた。 ・発言者を覚えている職員から「前回あの人は言ってたから」というのを教えてもらい、他の人を優先してくださいと直前の舞台袖で司会者に言うのはあったが、結局同じ人に当たっていたりもしていた。 ・市長特別秘書や減税日本の市議が動いていたような記憶はない。そんなことを本当にやられていたとすると舞台袖だろうけれど、ずっと袖にいたがそんなやりとりを見た覚えはない。 (オ)令和2年度 働きかけ等の有無 ・市民向け説明会の公平、公正な運営に、特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などの市民の疑念を抱かせるようなことは、自分からそういうことをしたこともないし、指示を受けたこともない。他の職員とか市民向け説明会の関係者から見聞きしたこともない。 ・特定の誰かを呼ぶとか呼ばないといった話は記憶にない。 経緯及び概要 ・名古屋城木造復元は市の一大事業でもあるし、多額のお金も時間もかかるので、市職員として市民の方々には理解をしていただかなくてはいけないといったところで、コロナ禍ではあったが工夫して会を催した。 ・参加者を増やす工夫が必要だということは毎回議論していて、令和2年度からは名古屋城調査研究センターの職員の講演を前半にもってきて、そのあとに現況の報告を名古屋おもてなし武将隊の徳川家康のナレーションによる動画を使って名古屋城総合事務所長からして質疑応答、というかたちに変えた。またコロナ禍ということもあって、前年度は短い期間で6〜8回やったが、開催回数と会場となる方面を絞ったかたちで運営した記憶がある。 ・何回も開催を重ねると声が大きい方の参加に偏ってきてしまうので、いろんな方に来てもらうという意味で元の資料から変えるという工夫をしてみようとした覚えがある。 ・資料が細かく初めて聞きに来る市民には難しかったので、誰が聞いても分かりやすい資料にしようと大幅に変えた。説明もおもてなし武将隊の徳川 44ページ目 家康にナレーションをしてもらって、より名古屋城に親しみをもってもらおうという工夫をした。 ・コロナ禍でありオンラインを導入し、時間と場所を選ばず聞ける方策をとった。高齢者の方にはそれが難しいということもあるので、場所は限定したが、リアルでもハイブリッド的に開催をした。会場を減らすので、16区をブロックで考えて周辺区の方が来やすいところを選んだと思う。 参加者 ・過去の議事録を読んで、どういう意見を持った人が参加され、どのような質疑や反対意見が述べられるかということは事前にある程度把握し、資料等を準備していた。また、反対派やマスコミ関係の参加状況などは、当日の受付や案内をはじめとする職員間の情報交換でできるだけ把握するようにしていた。 ・参加人数がそんなに多くないので、前の会場にもいらっしゃったなという方は概ね判る。回を重ねるごとに毎回参加されている方などが判るようになってきたが、だからといってそのような特定の方々をどうこうするということはなかった。なお、そういう方々は質疑応答では、たいてい勢いよく挙手されるので、指名されて質問することも多かったように思う。 ・反対派の方が単独で質疑応答の時間を占有してしまうと問題があるが、そういったことでもなかった。 ・反対意見を持った方の発言が多くなるのは、説明会に参加する方々の動機付けの強さを考えればやむを得ないと思う。 運営 ・誰を指名するか等について、特にこちらから指示をしたことはない。司会者の裁量に任されていた。会の趣旨からすればより多くの方の意見をお聞きする場であるので、そのような趣旨と司会者のノウハウによって発言をされる方を当てていた。 ・広く意見を聞くためには、1回目の会場で質問された方が2回目や3回目の会場にも参加されている場合などに、同じ方に聞いて同じような質疑応答になるよりは、いったん外して、違う人から優先的に質問をもらうようにしていきましようという話は司会者としており、そういったアナウンスも当日の質疑応答前に司会者からしていたはず。司会者も回数を重ねているので毎回参加している方々、質問履歴のある方々は分かっていたと思う。 45ページ目 (カ)令和3年度 働きかけ等の有無 ・市民向け説明会の公平・公正な運営に、特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などの市民の疑念を抱かせるようなことはなかったし、そんな噂を他の職員からも聞いたことはなかった。 ・市民向け説明会の公平、公正な運営に、特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などの市民の疑念を抱かせるようなことは、まったくない。他の職員とか市民向け説明会の関係者から伝聞とか噂等含めて見聞きしたこともない。 ・特定の方への参加の呼びかけであるとか、発言の依頼などのようなことや、他の職員とか市民向け説明会の関係者のことを含めて見聞きしたことも、特にはない。出席者をどうするこうするというのは全くなかった。 ・市民向け説明会の運営に不自然な点は無かったと思う。 ・市民の疑念を抱かせるようなことは全く思い当たることはない。他の職員とか会の関係者から伝聞とか噂等含めて見聞きしたこともない。 経緯及び概要 ・本丸の整備構想を策定したり、できるだけ早い段階で整備計画をまとめて文化庁の復元検にかけたりしたいという思いもあったので、工夫しながらやった。バリアフリーに関してもまだ準備段階であったがその考え方を、できる範囲でスライドを使いながら説明していった。 参加者 ・はっきりとした印象は残っていないが、賛成と反対が半々だったかと聞かれるとそのようには記憶していない。どちらかといえば、反対意見が多かったものの比較的落ち着いた雰囲気で質疑応答ができたように思う。 運営 ・普通にフラットに説明をし、公平に意見聴取をしていた。賛成派と反対派の両方から、いろんな意見があったので、公平、公正性は担保しながら運営していた記憶がある。 ・説明会でどういう方に当てるかというところで、とかく同じ方が何度もいらっしやるので、なるべくいろいろな方の意見が聞けるようにということは業者さんと話した記憶はある。事前の打ち合わせの中で、あんまり同じ人ばかりがあたらないようにといったくらいの話をした記憶があって、受託業者側もそうですよねという感じで話をした。 ・ 3回とも同じ方がみえていたら同じ方をあてないようにというのはあったかもしれないが、個別にさけるといった感じではなかった。 ・発言を途中で遮るということもしていない。当然最後まで聞く。当日一人で4つも5つも質問をする人がいてすごく長くなってしまったのは記憶しているが、なんらか意図的に短くさせようとか質問を一人何点までとした記憶はない。平穏というか、わりと賛否半々というか、そんなイメージだ 46ページ目 った。 ・確か最初の段階で、「皆さんに万遍なく当てるんだけれども1回発言された方にはご遠慮というかちよつと優先順位が」ということを司会者がおっしゃっていたように思う。運営を委託している中で、進行については司会にお任せをしていた。ブツッと切るのは失礼なので、その場の雰囲気で判断していただいていた。 ・司会者にやってくれと依頼したことはないが、バリアフリーの話になると障害のある方からのご意見も当然必要と思っている中で、実際言葉が喋りにくい方、お付きの方がいる方が当たっており、質問の内容に応じて司会の方が選んでくれていたのかなという気はする。 (キ)令和4年度 働きかけ等の有無 ・市長から参加を動員するような発言に類似したことはないし、そもそも賛成派を多く集めようという発想には全くならなかった。会場が寂しくない程度に人がきたほうがいいとは話していたけれど、参加者数としては想定通り集まったかなと思う。 経緯及び概要 ・少人数で複数回やってきたけれど、事業の効果としてどうなのかと感じていた。単純に言うとやる分手間はかかるし、そのたびに会場近くの地域の方々も参加するかもしれないけれど、どちらかというと関心が高い人とか、よほど自分の持論を持っている人たちが積極的に足を運ぶ。市民に広く参加を呼び掛けるという意味において、どうなのかというのがあった。 ・市民向け説明会が始まったころは、きめ細かく地域に出向いてやることに一定の価値があったけれど、だんだん中身が固まってきていたので、むしろ反対賛成の議論ではなくて、木造天守の復元がどういうことを目指していて、どういう中身なのかということを情報提供する場面だとすると、もう少し大きな会場でまとめてやってもいいんじゃないかという話をして、1月のシンポジウム・市民向け説明会にしようかとなった。元々そういうスタンスだから、反対派、賛成派という色分けになることを想定していなくて、本市としては概略の中身、全体としての復元のための方向性について説明しましょう、という会だった。賛成派の人をたくさん集めようとか、反対派の人も必要だろうとか、そういう発想にはなっていない。 ・シンポジウムに変更したのは、名古屋城木造復元がこういう状況にあるということが市民に十分伝わっておらず、市民に分かるようにしてほしいとの意見があったので、状況説明に重点を置かないといけないのではとなっ 47ページ目 た。もうすぐ計画もまとまるので、その内容を丁寧に市民に説明するという会本来の役割を果たすためだった。 ・説明会を同じ内容で何回もやっていたので参加者も重なっており、説明することも大事だけども名古屋城の魅力自体を伝えていけるような仕立てを考えられないかという流れだった。それで内容を改めて、その代わり説明会の記録映像をウェブサイトに掲載することになった。前の年だと大きな会場を借りても全然入らず会場と参加者の規模が見合わないということもあった。 ・令和5年度に全体計画を提出してこれから盛り上げていきたいとの狙いがあったので、今まで興味がなかった人にどうやって来てもらうかとか関心をもってもらうことに目的が移りかけていたと記憶している。それでシンポジウムのようなちょっとイベントのようなものだったり、著名な方の講演をつけたり、違うやり方を模索した年だった。 ・その時の市民向け説明会の趣旨としては木造復元の価値をきちっと話をするということ。その方向性は当局と市長とで一致している。木造復元を否定する声は若干あったし、施策として説明会にコストをかけるのがどうなのという意見があった気はするけれど、どの事業でもそういうのはあるから、少なくとも価値自体についての総論的な情報提供ができたし、そこについては市長も好評価だった。 参加者 ・鯱城ホールで開催した市民向け説明会は賛成、反対が半々ぐらいのバランスの取れた質疑応答であったと記憶しており、潮目が変わったのかなと感じた。明らかにこれまでと違うと感じた。頭ごなしに否定されるような質問・意見はなかった印象がある。 48ページ目 イ 市長 ・だいぶ前だで覚えとらん部分はあるが、名古屋城という非常に重要なテーマにも関わらず、市民向け説明会の参加者が少ないと思っていた。その時に言ったのは、「同じ人が常に発言を求めている。反対派の意見。いくらなんでも同じ人ばっかりではいかん。」ということ。このときに言ったのか、その後かはあまりはっきりしとらんけど、それは覚えている。司会を学者だか民間事業者がやっていたので、それはちゃんと言ったらないかん、と言った記憶がある。確かにそうだということで、意見を伺うときに司会者から今回初めて意見を言われる方を優先したい、と言うようになった。 ・記憶は定かではないが、自分と職員Aとの話の中では、「名古屋城に非常に関心の深い人たちには声をかけておいたらどうだ、来てもらったらどうだ」のように言ったんじやないかなと思う。それに対して「できません」と言われたから「そんなことあるか」と言った。 ・例えば、今やっている木曽川導水路でもそうだが、採決したり決定したりするようなところだといかんかわからんけど、勉強会とか意見交換会みたいなところは、別に特定の人が来てもらっていてもいいんじやないか。 ・とりわけ名古屋城は、わしでもそうだけど、金城温故録や昭和実狽?などがあるということを市民は知らんと思う。燃えてしまったし、コンクリートだし、一番上まで上って望遠鏡でウチが見えるかなというくらいの楽しみだわ。そういう人たちに説明する会を、木造復元をせっかくやるならやらなかんがやという気持ちが非常に強かった。反対の人は反対の人で、それなりによく勉強している場合が多いけれど。 ・少なくともわし自身の認識として、サクラというか、サクラということばがどの程度の内容を指すのか知らんけど、サクラを動員しろといったことは絶対ない。わしも国会議員のときによく言っていたけど、富山のあたりの高速道路のなんやらで、国土交通省がいわゆるインチキの動員をやった。いろんな程度があると思うけど、一番いかんのはまずアルバイト代でも払って、自分の意見でない意見でも、こちらの意向に沿う意見を喋ってもらうというのはいかん。これは犯罪だと思う、偽計業務妨害罪。それは知っていたから自分がそんなことを言うのはあり得ない。 ・そうではなく、捏造ではなくて、賛成者に来てもらうということが本当に悪いことなのかという気持ちがある。それは一度ガイドラインを作った方がいいのではないか、役所としても。こういう市民集会においてだぞ。採決したりする場合は別だわ。そういうところに意見を言える人たちを呼ぶのは悪いのか良いのか、ハッキリさせておいてほしい。ガイドラインを、市として。それでいけないということなら、そのようにしたと思う。捏造は別。捏造以外で、多様な意見を聞くために色んなグループに来てもらうということは、俺はそう悪いことではないと思う。ガイドラインを作ってもらえばいいが、そういうものが無い状況において、ガラガラの会場で、どういう言い方をしたかわからんけど、賛成の人も来てもらえと言ったのだろうが、その中には絶対 49ページ目 的にサクラという表現を使ったり、捏造につながるようなニュアンスは無いと断言できる。今から採決なら別、採決で誤魔化してやろうかというなら別だが、あんなところで捏造の話をしてもらっても何にも意味はない。偽物を入れる必要はないので、絶対にない。 ・職員Aは俺に「特定の人たちを呼ぶわけにはいきません」と言ったんだろうな、よう知らんけど。そうなると相当論争になったんじやないかと思われる。そんなことないだろうと。賛成の人を指定して、例えば商工会議所の商売を発展させるところとか、分かりやすいのはタクシー業界とか、そういう人間を呼んでくれといって何がいかんのだと。そこでもし職員Aが「いやいや、特定のやつはいけません」と言ったとすると、「そんなことないだろう」と、揉めたといってもそういう言い方だけど。それで彼は「もしそういうことやるなら市長は減税日本の党首なので、そちらに言ってください」と言ったと。もしかしたら俺の方から言ったかもしれない。「それだったらしようがないので減税のやつに俺が言ってやるわ」と言った可能性はある。まず本人は来ないといけないし、支援者や後援者の人も何人か呼んでくるだろうなといって。そう言われると確たる思いではないけれどもその可能性はある。ただ、このことを職員Aが市議(当時)Gに言ったとしても、10か月も後になるんだろう、サクラ発言は。それがよくわからない。市議(当時)Gに2回電話したけど出ない。あの人のメールでは河村さんが寂しがっていると書いてあるんだろう。なので人を呼んでくれと。市議Hも持っていた、市議(当時)Gのメールの本物を。あと本物があるのは中川区の中川市議のサクラメール。確か今池のガスビルのところでやったことになっていて、市議(当時)Gは離党してしまったけどその時は減税の市議団長だったので、ガラガラではいかんで本人は絶対来ないといけないが後援者を呼んでくれと言った可能性はある。ある気がする。言ったかな。それを受けて市議(一時)Gがメールを送ったのだろう。そのときにサクラを動員しろとか、バイト代を払って賛成だと喋らせろなんていうことはありえない。それは絶対的にない。だから、市議(当時)Gのメールはあのときわしが言ったことをそのまま書いたんだろう。残っている本物だから、あれについては。 ・その後については、市民向け説明会は反対の意見が多いのでぼやいたことはあるかもしれん。ぼろかす言われるとこっちもぼやきたくなるけど、市民意見の捏造工作はさらさらないし、そんなことをいうんだったらこれは業務妨害罪。名誉棄損だ。裁判やってもいい。議会と役人と両方。市議Iと市議Jに言ったら、それはまず局長の答弁の方を、と言っとった。役人が言ったとしてもそれがなんでそのまま真実になるんだ、そんなばかなことあるんか。代表というか市長やっとるもんで俺に聞かなあかんがや。 ・局長に午前中にいっぺん電話した。附帯決議の話を。とんでもねえといって。俺が言ったのはそんな議会だったら河村さんの不利益というか名誉棄損になる、嘘だったら。議会は公然中の公然ですから。局長が河村さんもそんな気があったんでしょとか言ったもんだから、何を言っとるんだと怒った。その内容について意見の実際の食い違い 50ページ目 があったかもわからない。賛成派に来てもらうという意見と、サクラが、どこまでのことかしらんけど捏造すると。俺はそんな気があるわけないがや、何言っとるんだと言った。 ・この間議長にもそう言った。改めて言って訂正しろと。附帯決議を取り消して謝罪しろと。本人の確認なく名誉棄損をするような附帯決議を議決するのは、憲法31条の適正手続きの保障に反している。適正手続きは議会の原点だ。 ・議会側は局長が言っとるのでいかんがやと。だが、役人があの人は殺人犯だと言ったら議会で議決するのかいと。そんなひどい話聞いたことない。 ・市議Kのブログも、河村が捏造したというようなニュアンスで書いてある。最後にあんたらの捏造性をさらに疑わしめるけど、河村本人はそんなつもりで言ったんではないと。ようけ来てくれというつもりで言ったんだと。かっこ付けでわざわざ書いてある。わしからするとこの辺の一連のところについて、議員と当局がいつ答弁の打ち合わせみたいなこと、何時間かけて、どこで、どういう話をしたか明らかにしてほしい。そのことをはっきりしてほしい、しとかなあかん。文脈からいってわしがサクラ動員による賛成派を集めるよう言ったととれるがね、どう考えたって。河村さんは10か月前に話し合いの中で、ガラガラではいかんで賛成の人やら反対の人やらとにかくきてもらっていろんな意見を、ということは言われたけども、サクラ動員という言葉の中には普通は発言の捏造を含む。そういった意味で言ったのではないと答弁しないかん。当然あの流れだったら。言う義務がある。説明会だもんで、ようけの人に来てもらって、いろんな話を聞いてもらう。説明員の仕事として。誤解されんように。市長の名誉棄損もあるけど市民が誤解する。当然公開されるもんで。議事録からテープ、音声そのまま残る。市民が見るわけだから誤解されんように訂正していく必要があったんではないかと思いますけど。 ・市民討論会とか説明会とか、普通の意見交換会みたいなだれでも入ってこれる席において、説明なんかするときに一つの意見に偏らんように他の派の人たちを呼んでくるようにと言うのが良いのか悪いのか、はっきりさせてもらいたい。あんたらの運用のルールとしてガイドラインを。 ・職員Aは、職員Bから電話があって、サクラの意味なのか賛成派の意味なのか不正確だけど、発言捏造みたいな指示があったんではないかと言われたけど、全然ないよと答えたと言っとった。職員Lが聞いていた。職員Aはサクラということではないとはっきり言ったと言っとった。 ・先の委員会での発言の趣旨が違う。いったん取り消して正確に言い直してくれ。