(資料4-2) 1ページ 〇「名古屋城天守閣の整備」市民向け報告会における市民等の発言 ※「名古屋城天守閣の整備市民向け報告会」報告書より、バリアフリーに関する発言のみ抜すい 1 平成28年5月10日(名東文化小劇場) ・市民B 瑞穂区から来た■■■である。このまま天守閣の木造化に進んでいくと思うので、今回の提案書について疑問に思ったことについて質問したい。 ほとんどの人が思っていることだと思うが、熊本の地震を受けて今出されている案で大丈夫なのか。構造計算をやり直した方がいいのではないかと思っている。 竹中案の提案書に載っている日程表だと、調査や協議などで実質的に経費が既にかかっており、他のプロジェクト同じような結果として、名古屋城の整備を止めたことにより幾らか費用を出す、出さないという議論が生まれるのではないか。 障害者用の昇降機について、市長が「人が運べばいいと」(タウンミーティングで)話をしていたけれども、これをつける必要があるのかどうか。 竹中案では国産と外材の比率を50:50としていたが、そうすると「国産を中心に」という要求水準とは違ってくるのではないか。 提案書に書かれた予定表で、議会で経済水道委員会などを進めていくと、最終の可決は7月にずれ込むのではないか。予定表は6月でなく7月の間違いではないか。 提案書では、収蔵庫の考え方が示されているが、乃木倉庫が使えるのであればそこに保管し、今新たに設置を考えている倉庫をつくらない、あるいは規模を縮小するなど考えられないか。 あと1つだけ。提案書の39ページにある4、5階の補助動線について、もう1本の線は必要なのか。 ・名古屋城事務所 所長 2人目の方のご質問について、熊本で地震があったものの、先ほど竹中工務店の提案でもお聞きいただいたように耐震性については十分配慮してつくられると我々も認識をしている。 《囲み開始》エレベーターについては、実際に史実に忠実ということであればないものだが、上に上りたいという方、階段では上がれないという方もいらっしゃるため取り外しもできる仮設的なエレベーターを提案されたと聞いている。一つの提案としては意義があるものだと思う。ただし、実際にこれをつくるとなると、それが適切かどうかという話を学識経験者あるいは文化庁との協議が必要で、最終的にはそういったところにも委ねられてくると思う。《囲み終わり》 議会の承認については、名古屋市では6月市会において、竹中工務店さんの提案に基づいて工事を進めるかどうか、設計予算、仮設工事の予算などを示して、そこで認めていただければ次に進むという方向で考えている。 収蔵庫として乃木倉庫が使えないかというという点について、収蔵庫は本丸御殿にあった障壁画など重要文化財を収納するためのものであり、劣化を防ぐ温度管理、湿度管理などの要件が求められ、乃木倉庫を活用するのは難しいと考えている。 ・市民E 千種区から来た■■■■である。入場料の話が出ているが、私も市民とそれ以外で差を 2ページ つけるのはおかしいと考える。姫路城が1,000円ということであるならば、そこは中をとって800円ぐらいで一律にした方が気持ちよくやっていけるのではないか。名古屋市民の私も各地から来た人たちを連れて名古屋城に行くことが多いので、入場料は一律にしていただいてより来やすくするなら800円の設定の方がよりよいのではないか。 木造建築ということで地震のことも大丈夫だと言われるが、やはり心配になる点があること。 それから、エレベーターが付きにくいのではないかという点が最大のネックだと考えている。高齢化が進んできて4人かそこらしか乗れないエレベーターがあるだけでは心もとない。エレベーターがないのは最大の弱点ではないかと考える。 1年間に来る人が300万人以上となり、木造建築に登って何百年も本当に耐えられるのか。耐久性がどれだけあるのかは非常に心配である。 ・事務局 入場料に差をつけるのはおかしいという主旨は十分理解できるが、私どもの今の考えは先ほど申し上げた通りで、名古屋市民の方が他地域の方にアピールしていただき何度も足を運んでいただけることを念頭に置いて設定した。このことをご理解いただければと思う。 木造の耐震については、後ほど竹中工務店からお答えいただこうと思う。 300万人ずっと来てどうかということについても竹中工務店にお答えいただきたいと思う。今後は何百年持たせて行こうと考えていけば、メンテナンスや改修をきちんとやっていき、危険がないように対応して行くことを考えている。 ・竹中工務店 竹中工務店の■■より、耐震性について考え方を回答したい。提案の際に要求されていた性能は、現行の建築基準法と同等以上の性能を付与することと定められた。中小の地震が発生した時には損傷起こさず、大きな地震が起こった場合はある程度の損傷は発生するが、城郭そのものが崩壊することはない。この基本的な性能に加え、私どもも詳細に把握できていない木造架構の性能があると考えている。なぜかというと、1750年代の半ばに宝暦の大改修をしている。それ以降、1854年に南海トラフの地震として安政の地震、1891年に濃尾地震、1944年に昭和の東南海地震が起こっているが、これらの地震を経験しても城郭が倒壊したという事実はない。まだ把握できていない架構の性能や減衰性能を評価しながら必要な補強を構築していきたいと考えている。 《囲み開始》竹中工務店の■■より、エレベーターの件について回答をしたい。確かにご指摘いただいたように今回は4人ということで提案させていただいている。これは史実に忠実な内部構造にしたいということと、バリアフリーという本来相異なる価値観をどういう風にミックスさせるかという一つのアイデアである。今後、関係者と協議させていただきながら方針を決めていきたい。エレベーターだけに限らず、有識者の一部の先生からは階段に緩降機を付けたらどうだとかというアイデアも提出させていただいており、いかに使いやすい施設にしていくかを今後の設計段階で検討させていただこうと考えている。《囲み終わり》 竹中工務店の■■より、加えて耐久性について沿説明する。当然、建てた形のままで400年持つという話ではない。きちんと調査をして状況を把握しながら修復をして、400年の長い時間この城郭を持たせるということになっていくと思う。 基礎構造については、私どもは500年コンクリートといって非常に劣化の進行が遅くなるようなコンクリートを使うことを提案しており、メンテナンスが難しい部分については 3ページ 耐久性の長い材料を適用して行くことを考えている。 2 平成28年5月11日西文化小劇場 ・市民A 中川区の■■■である。エレベーターについて取り外し可能であるということだが、可能であるようならあってもよいと思う。イメージ図があれば見せてほしい。 木造復元する場合、屋根とシャチホコは再利用するのか、新しく作るのか。 工期のために夜間作業するということだが、24時間を交代でやるということか。 ・市民B 中村区の■■■である。私は慌ててつくらなくてもよいと思う。市長が江戸城を木造でつくるとなったら木が集まらなくなると言っていたが、皇居があるところにつくれるわけがない。今は熊本の石垣が壊れて問題になっている。名古屋城も北側の石垣が崩れている。平成16年からということだが、未だに修復がされていない。竹中工務店の説明では、天守閣を直してから石垣を修復するとのことだが、新しくしても石垣が崩れては意味がない。先に石垣をやってほしい。天守閣は補強だけで結構だと思う。 エレベーターをつけるならば厳密的な復元ではなくなるのだから、きちんと検討してほしい。木にこだわる必要もない。木も今の機械で削れば昔のような面影はなくなる。 ・市民C 中村区の■■■である。今、地球は森林資源が枯渇していて、木材をたくさん使う天守閣の復元をやっていい時代とは思えない。熊本も福島も、日本中いたるところで生活に苦しんでいる人がたくさんいる中で、名古屋だけこんな贅沢豪勢な計画をやっていいとは思えない。市長の得意な名古屋弁でいえば「やってはいかんことだがね」と思う。 木造復元反対の思いは名古屋市民の大半を占めている。現状を知るためにはたかだか200人のアンケートで済ますのではなく、住民投票にしてはどうだろうか。その結果反対が多数になった場合、潔く方針転換をすることに同意してもらえるか。 ・竹中工務店 《囲み開始》竹中工務店の■■がエレベーターをどの位置につけるかという質問について回答する。 説明資料に大天守の平面図の右に位置を示しているが、規模は4人程度のものを計画している。2人目の方より、エレベーターは現代的なので木造にふさわしくないのではという意見があった。エレベーターが必要か不必要かという問題もあるが、4人乗りならば小規模なので、木造の大梁をできるだけ切らない位置に設置できる。健常者の方は階段で、車いすの方にも上っていただけるように最低限のものを提案している。市民の皆様や学識経験者のご意見を踏まえながら議論をさせていただければと考えており、今は計画段階である。 ・名古屋城総合事務所 主幹 木造復元にあたるシャチホコについて、現段階では新しいものを作る提案になっている。 新たにつくるのかどうか、検討を踏まえながら考えていきたい。 ・竹中工務店 竹中工務店の■■が回答する。提案で示した金シャチについては、史実に忠実な提案を 4ページ しているが、全体工費の縮減という話もあるので、VE提案としては現状の金シャチを再利用する案も提示している。今後協議のうえ決定していく。 24時間やるかという話だが、我々がいただいた課題は2020年7月に天守閣木造復元を完成させるというものである。時間を有効に活用して木造復元をしていきたいと考える。土壁の乾燥など必ず時間を要するものもあるので、一部の工程については夜間作業も考えている。 ・名古屋城総合事務所 主幹 石垣について、今の城はケーソンという基礎で持たせてある状態であるため、石垣に力は伝わっていない状態である。現状北側のはがれている部分に関しては、石垣の調査を実施し、結果を踏まえてどのように対策していくのか検討していきたい。 ・名古屋城総合事務所 所長 3人目の方の、今やってよいことなのか、住民投票にしてはどうかという意見について答える。名古屋城の天守閣は昭和34年に再建したものであり、老朽化が進んでおり、耐震性が低いという問題があるので、放置することができない。耐震改修工事をするという案もあるが、文化財を保存活用するために復元という考え方もある。名古屋城は戦争で本丸を焼失したが、昭和実測図という精密な図面が残っており、史実に忠実な復元が可能な他にはない城である。名古屋市民にとっても木造復元は大変意義のあるものではないかと考え、木造復元を検討している。 アンケートは2万人を対象としている。多くの市民の意見を聞いたうえで、方向性を考えていきたい。 3 平成28年5月12日港文化小劇場 ・市民C 熱田区から来た■■■である。私は木造復元に大賛成である。というのも、最近、名古屋城に行ってきたが、外国人の観光客がとても多いと感じたからである。外国の方へのPRは本物である方がインパクトは強いと考えている。「尾張名古屋は城で持つ」と言うが、残念ながら私は今の名古屋城に誇りを持つことができない。それは鉄筋コンクリートで、常設のエレベーターがあり、中に入ると現代の建築であり、普通のビルと変わらない。ぜひ木造建築にして、本物を子どもや孫の世代に見せてやりたい。 私は熱田区から来たが、熱田区には本物である熱田神宮がある。名古屋城も本物にしていただくと、大きな柱として2つの観光名所ができる。今年度、観光文化交流局が立ちあがったと聞いているが、名古屋城天守閣整備の他に、名古屋全体の魅力を発信するのに秘訣があれば、教えていただきたい。 ・名古屋城事務所 所長 私の方から、■■さんの最初のご質問と■■■さんのご質問についてコメントさせていただく。名古屋を世界にアピールしていくという意味で、名古屋はものづくりのメッカということで取り組んできているが、もっと交流という視点で、多くの方に名古屋に来ていただく、多くの方に名古屋を知っていただくという観点で4月から観光文化交流局ができた。これからいろいろ戦略を練ってシティプロモーションを図っていきたい。その一つの大きな要素として名古屋城天守閣の木造復元がある。説明にもあるように、昭和実測図が残っており、史実に忠実な復元ができる他にない天守閣であり、そういったことを世界に 5ページ 向けてアピールしていき、今後の名古屋は交流が盛んな都市となっていく上で非常に大事であると考えている。 4 平成28年5月13日緑文化小劇場 (該当発言なし) 5 平成28年5月15日鯱城ホール (該当発言なし)