表紙 資料3 名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募 公募要項 2022年4月 2022年7月修正 名古屋市観光文化交流局 《名古屋城のイラスト添付》 改ページ 【目次】 はじめに............................................................1 1.技術公募の目的等................................................2 1−1.背景................................................................2 1−2.目的................................................................2 1−3.基本方針............................................................2 1−4.公募要項等..........................................................5 2.技術公募の概要..................................................6 2−1.募集する技術.........................................................6 2−2.想定される技術例.....................................................6 2−3.事業期間............................................................7 (1)公募期間..............................................................8 (2)協議期間.............................................................10 (3)実用化期間...........................................................10 2−4.昇降技術開発........................................................10 2−5.昇降技術導入........................................................11 2−6.最優秀者以外の技術の採用............................................11 3.技術公募に関する説明の機会.....................................12 3−1.公募説明動画の公開..................................................12 3−2.質問回答...........................................................12 3−3.技術相談...........................................................12 4.審査...........................................................13 4−1.審査目的...........................................................13 4−2.評価員.............................................................13 4−3.審査手順...........................................................13 4−4.利用者等からの意見聴取(ワークショップの開催)......................15 4−5.技術対話...........................................................15 4−6.審査申請書類の再提出................................................15 4−7.審査...............................................................15 (1)書類審査...........................................................15 改ページ (2)プレゼンテーション審査..............................................15 4−8.審査結果の通知及び公表..............................................16 5.協議...........................................................17 5−1.協議の目的.........................................................17 5−2.基本協定の締結......................................................17 5−3.契約条件の整理......................................................17 5−4.見積書の提出........................................................17 5−5.資料提供等.........................................................17 6.実用化.........................................................18 6−1.昇降技術開発の契約までの流れ........................................18 6−2.昇降技術開発契約....................................................18 6−3.昇降技術導入契約....................................................18 6−4.契約金の支払時期....................................................19 6−5.契約の中止・取り消し................................................19 7.公募参加者への支援体制.........................................20 7−1.技術相談...........................................................20 (1)概要...............................................................20 (2)技術相談の具体的な流れ..............................................20 (3)技術相談員..........................................................21 7−2.技術対話...........................................................21 (1)概要...............................................................21 (2)内容...............................................................21 7−3.階段体験館の利用....................................................22 8.申請手続き等...................................................23 8−1.参加資格...........................................................23 8−2.異なる技術での複数の提案及び複数の技術を組み合わせた提案............24 8−3.途中辞退...........................................................24 8−4.様式一覧...........................................................25 8−5.申請方法...........................................................29 (1)参加提出書類の提出について..........................................29 (2)審査申請書類の提出について..........................................29 8−6.資料等の提出先......................................................29 8−7.技術公募ホームページ................................................29 改ページ 9.本市から提供する情報(守秘義務対象資料).......................30 10.禁止事項等...................................................31 10−1.審査申請書類の虚偽記載の禁止......................................31 10−2.評価員及び技術相談員との接触の禁止 ................................31 10−3.木造天守復元設計・施工者及び発注者支援業務受託者との接触の禁止....31 10−4.第三者への情報提供の禁止..........................................31 11.その他.......................................................32 11−1.使用言語、通貨、時間、使用単位....................................32 (1)使用言語...........................................................32 (2)通貨...............................................................32 (3)時間...............................................................32 (4)使用単位 ...........................................................32 11−2.遵守すべき基準、法令等............................................32 11−3.知的財産権等......................................................33 11−4.情報管理.........................................................33 (1)情報管理体制........................................................33 (2)情報取扱いにおける責任の所在........................................33 (3)参加提出書類及び審査申請書類等の取扱い..............................33 11−5.応募に係る費用の負担..............................................33 11−6.技術開発に係る事故の責任..........................................34 11−7.失格事由.........................................................34 11−8.名古屋城天守閣整備事業の進捗状況の考慮............................34 11−9.日本語の優先......................................................34 11−10.木造天守復元の設計・施工者及び技術公募における支援業務受託者等.34 別紙一覧...........................................................34 1ページ はじめに 名古屋市(以下「本市」という。)は、特別史跡名古屋城跡において、史実に基づき木造復元を行う天守に昇降技術を導入するために「名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募」(以下「技術公募」という。)を行います。 2ページ 1.技術公募の目的等 1−1.背景 名古屋城の敷地は1932年(昭和7年)に旧史蹟名勝天然紀念物保存法により史跡に指定され、1952年(昭和27年)に現文化財保護法により特別史跡として指定されています。 名古屋城天守は、1612年に完成し1930年(昭和5年)に城郭建築として旧国宝第1号に指定されましたが、1945年(昭和20年)に戦災により焼失しました。 その後、1959年に現在の鉄骨鉄筋コンクリート造で再建されましたが、再建から半世紀以上が経過し、コンクリートの劣化や設備の老朽化、耐震性の確保等様々な問題が顕在化している状況です。 天守を木造により復元する名古屋城天守閣整備事業は、このような現天守閣の課題を解決するだけでなく、豊富な史料を基に史実に忠実な復元を行うことにより、復元された本丸御殿と相まって、特別史跡名古屋城跡の本質的価値の理解を促進させ、観光面の魅力を向上させるものです。 また、現代社会において、障害のある人もない人も共に文化財を快適に楽しむことができるようなバリアフリーは重要です。そのため、木造天守の史実に忠実な復元とバリアフリーの両立が求められています。 1−2.目的 前項の背景を踏まえ、木造天守を昇降できるよう、史実に忠実な復元とバリアフリーの両立を目指し、昇降技術を世界中から募り、実用化して木造天守へ導入することを目的とします。 1−3.基本方針 本市は、木造天守の昇降について「木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針」を2018年5月30日に定めており、技術公募はこれに基づき行います。また、2020年4月3日衆議院国土交通委員会、5月12日参議院国土交通委員会において、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」が施行されており、この趣旨を踏まえることとします。 3ページ 図表1 「木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針」 1.基本的な考え方 ・本事業は、歴史時代の建築物等の遺跡に基づき、当時の規模・構造等により再現する「歴史的建造物の復元」を行うものである。 ・名古屋城天守閣は、法隆寺のころから始まった日本の木造建築のひとつの到達点、究極の木造建築とも言われ、豊富な歴史資料をもとに外観の再現に留まらない史実に忠実な完全な復元を行うことの選択を議会、行政における検討や市長選挙での市民の信託を得て推し進めることとしたものである。 ・市民の皆さまの中には、「一旦は焼失しているので復元しても本物の天守閣ではない」との意見もあるが、名古屋城天守閣は城郭として国宝第一号であったものが、大戦中多くの市民の命とともに昭和20年5月14日に空襲で焼失してしまったものの、残された石垣には空襲による傷跡も残っており、焼失中の写真も残されている。その上で、市民の精神的基柱であり、誇りである名古屋城の天守閣を、悲しい歴史的史実を経て、昭和実測図や金城温古録等、豊富な歴史資料に基づき、戦災で焼失する前の本物の姿に復元すると世界に主張するものである。 したがって、過去の天守閣と今回の木造復元の同一性について、歴史的な分断を感じさせない復元を成し遂げる事が、事業の価値を決定づける大きな要素となる。 ・50〜100年で再度「国宝」になることを目指す。 ・ゆえに、史実に忠実な復元を確保した上で、まず、2022年の完成時期に、その先においても世界の模範とされるべき改善を重ね、観覧、体験、バリアフリー環境を整備するための付加設備とする。 2.現天守閣の現状 ・現天守閣は5階までエレベーターで上がれるが、内部は博物館施設であり、本来の木造天守閣の内観を観覧することはできない。また、展望については、1階の東側及び北側の一部と7階の展望室からに限られているが、7階へは階段でなければ行くことができないため、車いすの方は展望ができない状況である。 3.内部エレベーター ・内部エレベーターについては、柱、梁を傷めないものとして、史実に忠実に復元する天守閣とするためには、乗員が4人程度、かご(乗用部分)の大きさが幅80cm、奥行き100cm程度となり、乗ることができる車いすも小型なものに限定され、よく使用されている幅65cm、長さ100cm程度(電動車いすは幅65cm、長さ105cm程度)のものは利用できない。したがって、バリアフリー法の建築物移動円滑化基準に対応するエレベーターは設置できない。 4ページ 4.外部エレベーター ・都市景観条例を定めて、すぐれた都市景観の形成を進めている中で、景観計画により名古屋城の眺望景観の保全を図ることとしている。 ・その眺望の対象である天守閣の歴史的な外観を損なうことから、外部エレベーターは設置しない。 5.基本方針 ・史実に忠実に復元するためエレベーターを設置せず、新技術の開発などを通してバリアフリーに最善の努力をする。 ・今回、木造復元に伴い、本来の天守閣の内部空間を観覧できるようにする。また、電動か否かによらず、車いすの方が見ることのできる眺望としては、現状は1階フロアまでだが、様々な工夫により、可能な限り上層階まで昇ることができるよう目指し、現状よりも天守閣のすばらしさや眺望を楽しめることを保証する。 ・例えば、昇降装置を有する特殊車両を応用し、外部から直接出入りすることや、ロボット技術を活用し内部階段を昇降するなどが挙げられる。併せてVR技術を活用した体感施設の設置を行う。 ・新技術の開発には、国内外から幅広く提案を募る。 ・また、協議会を新たに設置し、障害者団体等当事者の意見を丁寧に聞くことにより、誰もが利用できる付加設備の開発を行う。 ・姫路城や松本城など現存する木造天守にも転用可能な新技術の開発に努力する。 ・再建後は元来の姿を見ることができるようになり、介助要員、補助具を配置することなどにより、今より、快適に観覧できるようにする。 (参考)2022年の完成時期は2018年5月30日時点での予定時期となっており、現時点での木造天守への昇降技術の導入時期は未定です。 図表2 高齢者、障害者の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(令和2年4月3日衆議院国土交通委員会、5月12日参議院国土交通委員会) 衆議院国土交通委員会:第十四項、参議院国土交通委員会:第十八項 障害者権利条約に則り、歴史的建造物のバリアフリー化を進めるため、歴史的建造物を再現する場合等におけるバリアフリー整備の在り方について、高齢者、障害者等の参画の下検討が行われるよう、必要な措置を講ずること。 5ページ 1−4.公募要項等 技術公募のため開示する資料は、以下の通り(@からDを総称して、以下「公募要項等」という。)です。 @公募要項(本書及び下記別紙1〜4) 公募に関する事項をまとめた資料です。 ア 別紙1 名古屋城木造天守の復元に係る仕様・諸元等 技術公募で募集する昇降技術を導入する木造天守の仕様・諸元等についての説明資料 イ 別紙2 「名古屋城木造天守閣階段体験館」の利用及び設備の仕様・諸元等について 後述のプレゼンテーション審査(詳細は「4−7(2)プレゼンテーション審査」参照。)において参考となる資料等を作成するにあたり利用することができる名古屋城木造天守閣階段体験館(以下「階段体験館」という。)の設備の仕様・諸元等についての説明資料 ウ 別紙3 参考となる資料等作成の際の注意点 後述のプレゼンテーション審査(詳細は「4−7(2)プレゼンテーション審査」参照。)において参考となる資料等を作成する際の注意点についての説明資料 エ 別紙4 名古屋城郭の諸条件 技術公募で募集する昇降技術を導入する木造天守を含む特別史跡名古屋城跡全体の付近案内図・配置図・想定される敷地内動線についての説明資料 A要求水準書 技術公募で募集する昇降技術に求める技術水準を定めたもの。 B審査基準 公募参加者から提出された技術を審査するための基準を定めたもの。 C様式集 後述の参加提出書類及び審査申請書類(詳細は「8−4様式一覧」参照。)を作成するための様式を定めたもの。 D本市から提供する資料 技術開発の参考となるよう、必要様式を提出した公募参加者に対して個別に開示する資料(詳細は「9本市から提供する情報(守秘義務対象資料)」参照。)。 6ページ 2.技術公募の概要 2−1.募集する技術 本市は、高さ約36mとなる木造の高層建築物である名古屋城木造天守の史実に基づく復元にあたり、柱や梁を傷めることなくバリアフリーを実現することができる昇降技術を募集します。 募集する技術は、大天守地階又は地上から可能な限り上層階まで昇降できる技術とします。 2−2.想定される技術例 以下の3つの技術例を想定しています。なお、以下の技術は例示であり、ここに含まれない技術の応募を妨げるものではありません。 図表3 想定される技術例 《名古屋城天守を横から見た図、右に図に合わせて地上〜5階までの記載》 5階 4階 3階 2階 1階 地階 《5階〜地階の範囲の説明》 技術例: ・大天守の内部を垂直に昇降する技術 ・大天守の階段を直接昇降する技術 ・外部から直接大天守1階以上に入城できる技術 等 幅広く技術を募集 地上 《地上についての説明》 地上から大天守地階までのバリアフリーは、木造天守復元の設計・施工者にて別途対応予定 注 柱や梁を傷めることなく床・壁に開口を設けることを可とし、特定の技術(エレベーター技術を含む)を対象から排除するものではありません。