427ページから428ページ 施策34 世界に誇れる都市としてふさわしい都心機能・交流機能を高めます 施策の柱1 世界に誇れる都心のまちづくりの推進 リニア中央新幹線が形成する巨大交流圏の中心都市として、圏域や国の成長をけん引していくため、名古屋駅のスーパーターミナル化を推進するとともに、名古屋駅・栄・金山地区、また名城・三の丸地区などの拠点機能の強化や民間再開発の促進等により、世界から人や企業をひきつけ、魅力と活力にあふれるまちづくりを進めます。 現状と課題 リニア中央新幹線の開業に向け、本市では名古屋駅のターミナル機能強化や公共空間の再整備、民間再開発などまちづくりが進められています。引き続き、交通結節機能の強化や民間再開発を誘導していくとともに、リニア中央新幹線開業後を見据え、圏域の成長をけん引する都心機能強化や民間投資の誘導などをさらに進める必要があります。 施策の柱2 中部国際空港の機能強化及び利用促進 国際的・広域的機能を強化するため、中部国際空港の第二滑走路の整備等の空港の機能強化及び航空路線の拡充に向けた取り組みを実施します。 現状と課題 中部国際空港における航空旅客数、発着回数はいずれも新型コロナウイルス感染症の影響により激減しましたが、現在は、水際対策の緩和に伴い徐々に回復しています。国際拠点空港としてのさらなる発展をめざし、空港機能の強化と需要拡大を図ることが必要です。 施策の柱3 名古屋港の整備促進 中部圏のものづくり産業を物流面で支える「国際産業戦略港湾」の実現に向け、コンテナ物流機能などの港湾機能強化の取り組みを促進します。 現状と課題 名古屋港は、貿易黒字額が25年連続国内第1位を記録するなど、日本の港湾の中で大きな役割を果たしています。国際競争力向上に向け、引き続き、一層の港湾物流の機能強化を促進する必要があります。 施策の柱4 名古屋大都市圏を支える広域交通ネットワークの強化 名古屋駅や名古屋港、中部国際空港へのアクセス向上により、圏域の発展を支えるため、道路ネットワークを強化し、利便性の向上を図ります。 現状と課題 名古屋高速道路及び名古屋環状2号線専用部が全線開通しました。引き続き、名古屋駅と名古屋港・中部国際空港や市域外の拠点都市とのアクセスを支える道路ネットワークを強化し、国際的・広域的な拠点機能・交流機能を高めることが必要です。 成果指標 1 主要駅の乗客数 現状値 1日あたり91万人(令和4年度) 目標値 1日あたり114 万人(令和9年度) 2 中部国際空港の国際線旅客便就航都市数 現状値 19都市 目標値 44都市 3 名古屋港の貿易額 現状値 22兆5,123億円(令和5年(確々報値)) 目標値 22兆8,500億円(令和10年) 図1 中部国際空港の旅客数、発着回数の推移 図2 名古屋港の貿易額の推移 429ページから434ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 世界に誇れる都心のまちづくりの推進 事業411 リニア中央新幹線の整備促進 事業概要 東京と大阪を結び新たな大動脈となるリニア中央新幹線の早期全線開業を図るため、東海旅客鉄道株式会社が実施している品川-名古屋間のリニア中央新幹線の整備を促進 事業412 名古屋駅ターミナル機能の強化 事業概要 リニア中央新幹線の開業により形成される巨大交流圏の中心拠点にふさわしい交通機能と空間機能を兼ね備えたスーパーターミナルの実現のため、駅へのアクセス性の向上や交通結節機能の強化、ユニバーサルデザイン等に基づく空間形成を実施 事業413 リニア駅周辺の面的整備 事業概要 名古屋大都市圏の玄関口にふさわしい魅力や風格のある駅前空間を形成するため、リニア駅上部空間を、広場利用を主とした公共的空間として活用するとともに、道路の再配置を行いながら周辺の面的整備を実施 脚注 名古屋大都市圏:名古屋市を中心におおむね30~50キロメートルの範囲で、産業、観光、防災など分野ごとに柔軟に捉えたエリア。 事業414 名古屋駅周辺の地域資源を活かしたまちづくりの推進 事業概要 名古屋駅周辺、ささしまライブ24地区、納屋橋・堀川周辺などの地域をつなげ、魅力や回遊性の向上とにぎわい創出を図るため、名駅南地区のウォーカブルなまちづくりや柳橋界隈等の地域資源を活かしたまちづくりを進めるとともに、名古屋駅周辺の自動車交通ネットワークの強化を図るため、笹島線(東側区間)の整備を推進 事業415 ささしまライブ24地区まちづくり・アクセス改善の推進 事業概要 国際歓迎・交流拠点の形成をめざした官民連携によるまちづくりを進めるため、土地区画整理事業によるささしまライブ24地区の都市基盤や親水空間の整備を進めるとともに、名古屋駅からささしまライブ24地区・名駅南地区へのにぎわい創出とあわせたアクセス改善を推進 事業416 栄地区まちづくりプロジェクトの推進 事業概要 都心部の核である栄地区において、多様な主体との連携のもと、にぎわいに満ちた空間づくりを進めるため、栄地区まちづくりプロジェクトを推進 事業417 金山駅周辺まちづくりの推進 事業概要 「人・文化・芸術とともに育つまち」をコンセプトとした金山まちづくりの具体化を図るため、金山駅北側にある市有地を核とした整備、ウォーカブルなまちの形成及び交通結節点としての機能強化を推進 事業418 名城エリアにおける観光推進 事業概要 名城エリアを名古屋第一級の歴史・観光・文化・スポーツ拠点とするため、名城エリア観光拠点基本構想の策定等を実施し、エリアへのさらなる観光誘客を推進 事業419 名城エリアの魅力向上に資する道路環境整備 事業概要 名城エリアを名古屋第一級の歴史・観光・文化・スポーツ拠点とするため、周辺道路の再整備や渋滞対策、地下横断歩道の整備による安全な経路の確保など、名城エリアの魅力向上に資する道路環境整備を実施 事業420 三の丸地区まちづくりの推進 事業概要 ポストリニアを見据え、三の丸地区において名古屋の顔にふさわしい拠点の形成を図るため、名古屋駅・栄・久屋大通など三の丸地区周辺で開発が進む好機を捉え、市民や民間事業者への機運醸成を図りつつ、さまざまな関係者とまちづくりの意識・将来像を共有し、戦略的にまちづくりを推進 事業421 民間再開発の促進 事業概要 リニア時代にふさわしい魅力にあふれた名古屋都心の形成を図るため、都市再生特別地区などの活用や事業費補助の実施などにより、民間再開発を促進 施策の柱2 中部国際空港の機能強化及び利用促進 事業422 中部国際空港の機能強化及び利用促進 事業概要 中部国際空港の国際的・広域的機能を強化するため、第二滑走路をはじめとする空港の機能強化を推進しつつ、関係団体とともに空港の利用促進や航空会社へのエアポートセールスなど、航空路線の拡充に向けた取り組みを実施 施策の柱3 名古屋港の整備促進 事業423 名古屋港の整備促進 事業概要 コンテナ貨物はじめバルク貨物や完成自動車を取り扱う総合港湾である名古屋港において、物流機能の国際競争力を強化し、この地域の産業競争力を高めるため、国及び名古屋港管理組合が行う港湾整備を促進 施策の柱4 名古屋大都市圏を支える広域交通ネットワークの強化 事業424 名古屋高速道路の利便性の向上 事業概要 名古屋高速道路のさらなる利便性の向上を図るため、出入口及び渡り線の整備による名古屋駅とのアクセス性の向上を実施 435ページから438ページ 施策35 国際的に開かれたまちづくりを進めます 施策の柱1 国際交流の推進 姉妹友好都市やパートナー都市などの各分野において提携する都市をはじめ、令和8年の愛知・名古屋におけるアジア・アジアパラ競技大会などを契機として諸外国との交流を推進します。また、留学生や研究者の受け入れを促進し、グローバル人材の育成や国際的な共同研究を活性化することにより、国際交流を推進し、市民の国際感覚の醸成を図ります。 現状と課題 本市は現在、ロサンゼルス市、メキシコ市、南京市、シドニー市、トリノ市及びランス市の6都市と幅広い分野で連携する姉妹友好都市提携を、台中市及びタシケント市とは特定分野で連携するパートナー都市提携を結び、多彩な交流活動を展開しています。こうした提携都市との間で教育、経済、観光、文化などさまざまな分野についてPRする機会を設け、市民間の積極的な交流を促進するなどして、国際間の理解と親善を深めることが重要です。 施策の柱2 国際貢献の推進 国際的な都市としての役割を推進するため、外国人留学生の生活基盤整備や交流促進支援などを行うとともに、新しい留学生の誘致にもつなげます。また、JICA(国際協力機構)等と連携した研修員の受け入れや技術指導・助言を行う職員の海外派遣などにより、国際貢献を推進します。 現状と課題 本市で生活する留学生の支援や開発途上国からの研修員受け入れや職員の海外派遣を通じた技術協力などを行っています。引き続き、留学生同士の交流や日本で就職を希望する留学生の支援を行うことなどにより、さらなる留学生の誘致につなげるとともに、開発途上国の水問題解決に向けて技術協力を実施するなど、国際貢献を推進していくことが必要です。 成果指標 1 本市と姉妹友好都市及び パートナー都市との交流事業件数 現状値 58件 目標値 70件 2 外国人留学生数 現状値 6,623人(令和4年度) 目標値 12,500人 写真1 ロサンゼルス姉妹友好都市訪問記念セレモニー 写真2 JICA等を通じた国際協力活動 脚注 外国人留学生数:市内の高等教育機関(大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)・日本国内の大学に入学するための準備教育課程を設置する教育施設)及び日本語教育機関に通う外国人留学生数を指す。出典は日本学生支援機構による。 437ページから438ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 国際交流の推進 事業425 外国諸都市との交流推進 事業概要 外国諸都市とのつながりを深め、市民の国際感覚の醸成を図るため、幅広い交流を通じて両市民の相互理解と友好親善を促進する姉妹友好都市交流を実施するとともに、周年記念事業を契機としてより一層の友好親善と交流を促進し、令和8年のアジア・アジアパラ競技大会の開催による交流機運の高揚を見据えた、アジアを中心とした都市と分野を特定した交流を行うパートナー都市連携など、外国諸都市との交流を推進 事業426 市立大学における受け入れ環境・支援体制の整備を通じた国際的に開かれたまちづくりの推進 事業概要 世界から人や企業をひきつけるまちづくりに貢献するため、市立大学において留学生・研究者の受け入れ環境や支援体制の整備を行うとともに、グローバル人材の育成や国際的な共同研究の活性化による、留学生・研究者の派遣・受け入れを促進 施策の柱2 国際貢献の推進 事業427 留学生の支援 事業概要 留学生が安心して勉強に専念することができるよう支援するため、国際留学生会館の運営に対し補助を実施するとともに、留学生の誘致につなげるため、ニーズを把握した上で本市に関する情報提供や学生同士の交流を促進 事業428 JICA等と連携した国際協力 事業概要 開発途上国の水問題解決に寄与するため、JICA等と連携した海外からの研修員の受け入れや、技術指導・助言を行う職員の海外派遣を実施 439ページから442ページ 施策36 港・水辺の魅力向上を図ります 施策の柱1 名古屋港の魅力向上に向けた拠点整備 名古屋大都市圏のものづくりを支える名古屋港では物流機能との調和を図りつつ、市民や来訪者に親しまれる親水性の高い魅力とにぎわいのある拠点整備を進めます。 金城ふ頭やガーデンふ頭では、既存施設なども活用しながら、開発を進めていくことにより、さらなるにぎわい創出と活性化を図り、まちの魅力向上を図ります。 現状と課題 金城ふ頭では、レゴランド®・ジャパン・リゾートや国際展示場第1展示館が開業するなどにぎわい拠点の形成が進んでいます。また、ガーデンふ頭は、みなとの景観や情緒を感じられる場所であり、名古屋港水族館をはじめとしたにぎわい施設が立地しています。引き続き、開発を着実に推進し、さらなるにぎわい創出と活性化により、まちの魅力向上を図る必要があります。 施策の柱2 名古屋三川(堀川・新堀川・中川運河)の再生・活用 堀川・新堀川では、市民団体との協働による水質浄化の取り組みなどにより、良好な水辺環境の形成を図るとともに、水辺空間を利活用することでにぎわいづくりを進め、魅力向上を図ります。 中川運河では、沿岸用地へのにぎわい施設の誘導や民間まちづくりの推進などにより、うるおいや憩い、にぎわいをもたらす運河へと再生を図ります。また、堀川や中川運河において、名古屋港などと連携する水上交通の定着を図るなど、水辺を活かしたまちづくりを進めます。 現状と課題 名古屋三川では、水質の浄化など水辺環境のさらなる改善の取り組みが進められています。堀川では水辺空間の整備などに取り組むとともに、中川運河では周辺まちづくりとの連携などによるにぎわい創出に向けて沿岸用地への民間施設の誘導を図るなど、さまざまな取り組みを進めています。引き続き、名古屋三川での取り組みを進めるとともに、沿川の資源を活用しながら、ウォーカブルやグリーンインフラなど、新たな価値や役割を見出し、水辺の再生を図っていく必要があります。 成果指標 1 ガーデンふ頭、金城ふ頭の施設等 来場者数の合計 現状値 850万人 目標値 1,050万人 2 名古屋の港や臨海部が魅力的な空間であると感じる市民の割合 現状値 45.3% 目標値 60% 3 中川運河の再生をサポートする人々(運河びと)の認定数 現状値 652人 目標値 900人 写真1 金城ふ頭 写真2 ガーデンふ頭 写真3 堀川 写真4 中川運河(クルーズ名古屋) 脚注 グリーンインフラ:自然環境が有する多様な機能(生きものの生息・生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制など)を積極的に活用して、さまざまな効果を得ようとする取り組み。 441ページから442ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 名古屋港の魅力向上に向けた拠点整備 事業429 金城ふ頭開発の推進 事業概要 世界の技術・情報・人々が交流する拠点の形成をめざすため、国際展示場の再整備によるコンベンション機能の強化、アミューズメント施設など都市機能の誘導を一体的に進めるなど、国際交流拠点として開発を推進 事業430 ガーデンふ頭の再開発の推進 事業概要 既存施設を活かした再開発の取り組みを進めるため、名古屋港管理組合とともに、近隣地域との一体的な魅力創出に向けたまちづくりを推進 施策の柱2 名古屋三川(堀川・新堀川・中川運河)の再生・活用 事業431 うるおいと活気のある堀川・新堀川の再生 事業概要 水辺空間に親しむ機会を増やすため、民産学官の協働により、河川空間を利活用することでにぎわいづくりや水質浄化を進め、良好な水辺空間の形成を推進 事業432 中川運河の再生 事業概要 うるおいや憩い、にぎわいをもたらす中川運河へと再生を図るため、にぎわい施設の誘導、水質の改善、市民活動への支援、沿線資源の活用などにより、中川運河の再生を図るとともに、ささしまライブ24地区と名駅南地区に近接するにぎわいゾーンにおける、ウォーカブルなまちづくりの実現に向けた再生の加速化を推進 事業433 水上交通の活性化 事業概要 堀川沿川などの歴史資産や、ささしまライブ24地区、ガーデンふ頭、金城ふ頭などの拠点をめぐる水上交通網の実現を図るため、中川運河、堀川と名古屋港などを連絡する水上交通の運航を推進 443ページから444ページ 施策37 魅力的な都市景観の形成を進めます 施策の柱1 良好な景観形成の誘導 名古屋のまちをさらに美しく魅力にあふれた快適な都市に育てていくため、景観法に基づく届出等における助言指導、景観アドバイザー制度の実施、ウォーカブルなまちづくりの視点を取り入れた景観形成等により、良好な景観形成を誘導します。 現状と課題 景観計画に基づき、特に良好な景観の形成を進める都市景観形成地区等において、景観誘導を実施しています。同地区は平成19年度より指定していますが、その後のまちづくりの進展等に合わせた景観形成の取り組みを実施する必要があります。 施策の柱2 地域の特色を活かした景観まちづくりの推進 市民が名古屋のまちの景観について誇りと愛着を持てるよう、情報の発信や共有を進めるとともに、市民との協働のもと地域における景観まちづくりの取り組みを推進します。 現状と課題 景観協定や都市景観協定の運用等の支援、都市景観助成、啓発事業を実施しています。市民との協働のもと、景観整備事業の実施等により地域の特色を活かした景観まちづくりを進めるとともに、魅力的な風景やまちなみの情報発信・共有を進めていく必要があります。 施策の柱3 屋外広告物の適切な規制・誘導 屋外広告物について、名古屋のまちの魅力向上に資するものとして、適正な設置、管理を促すことにより、良好な景観形成と安全対策を推進します。 現状と課題 デジタル化の進展等により、広告掲出の多様化が進んでいます。広告媒体の変化に対応しつつ適切に規制・誘導を行い、公共空間等におけるにぎわい創出や公衆の利便性向上を進めながら、良好な景観形成や風致の維持、公衆の危害防止に取り組んでいく必要があります。 成果指標 1 名古屋の中で好きなまちの風景がある市民の割合 現状値 60.1% 目標値 71% 2 市民参加によって景観づくりを進めている地区数(累計) 現状値 13地区 目標値 14地区 3 違反広告物追放推進団体による簡易除却の実施回数 現状値 133回 目標値 260回以下 写真1 四間道都市景観形成地区 写真2 オアシス21の「水の宇宙船」(まちなみデザイン20選) 写真3 デジタルサイネージ 445ページから446ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 良好な景観形成の誘導 事業434 景観法に基づく届出制度 事業概要 良好な景観形成を誘導するため、大規模建築物・工作物のほか、都市景観形成地区内での建築物の新築等について、景観形成基準への適合の確認、助言指導及び景観アドバイザーによる助言を実施するとともに、ウォーカブルなまちづくりの視点を取り入れるなど、情勢の変化や各地区の実情に合わせた景観形成の取り組みを実施 施策の柱2 地域の特色を活かした景観まちづくりの推進 事業435 地域の特色を活かした景観まちづくりの推進 事業概要 地域の特色を活かした景観まちづくりを進めるため、景観協定や都市景観協定の運用等支援、都市景観助成、四間道・那古野地区などの地域における景観整備事業を実施するとともに、都市景観に関する市民意識の啓発のため、まちなみデザインセレクションなどの啓発事業を実施 施策の柱3 屋外広告物の適切な規制・誘導 事業436 屋外広告物の規制及び誘導 事業概要 社会情勢の変化に対応しながら、良好な景観の形成、風致の維持及び公衆に対する危害を防止するため、屋外広告物の表示許可制度及び屋外広告業の登録制度の運用等により、屋外広告物の適切な規制を実施するとともに、公共空間等におけるにぎわいの創出等に資するような屋外広告物を規制緩和により誘導 事業437 違反広告物追放推進団体・推進員制度 事業概要 市民と行政が一体となって良好な都市景観の維持・向上を図るため、路上の違反広告物の除却活動をする違反広告物追放推進団体・推進員制度を実施 447ページから448ページ 施策38 歴史・文化に根ざした魅力向上を図ります 施策の柱1 名古屋城など歴史的遺産を活用した名古屋独自の魅力づくり 名古屋城及びその周辺については、特別史跡名古屋城跡保存活用計画や金シャチ横丁構想を推進し、名古屋独自の魅力向上を図ります。また、日本遺産有松や文化のみちなど市内の歴史的建造物や町並み、文化財、武家文化、人々の伝統的な営みの保存・活用などにより、名古屋の歴史・文化を身近に感じられるまちづくりを進めます。 現状と課題 長い歴史を積み重ねながら発展してきた名古屋のまちには、名古屋城をはじめ貴重な歴史資源が数多く残されており、各地域において、これらを活用した魅力づくりが行われています。そのため、本市に残されている歴史資源や景観重要建造物等の保存・活用を適切に行うとともに、民間事業者を活用した多彩なイベントなどにより、名古屋独自の魅力を市民や国内外の観光客へ発信し、誘客へつなげていく必要があります。 施策の柱2 文化芸術を活かしたまちづくりの推進 誰もが気軽に文化芸術による感動や喜びを味わえるよう、名古屋版アーツカウンシルを効果的に運用し、文化芸術と他分野の連携を推進することなどにより、多様な文化芸術を享受する機会を創出します。また、市民会館をはじめとした文化施設の整備・改修など、将来を見据えた文化芸術への積極的な投資を行い、文化芸術を活(い)かしたまちづくりを推進します。 現状と課題 令和5年度の調査によると、文化や芸術にふれることについて大切だと思う市民の割合は97.6%となった一方で、名古屋市を文化的なまちだと思う市民の割合は7割程度に留まっています。市民が文化芸術を享受できる機会を増やすため、令和4年度に立ち上げた名古屋版アーツカウンシルの活用や文化施設の整備・改修など、名古屋の文化芸術が持つ創造性を活かした都市魅力の向上や地域の活性化を図る事業を推進していくことが重要です。 成果指標 1 満足した名古屋の観光資源として、歴史的な施設と答えた観光客の割合 現状値 88.3%(令和4年) 目標値 93%(令和10年) 2 市の文化施設の利用率 現状値 88.3% 目標値 90% 3 名古屋を文化的なまちだと思う市民の割合 現状値 70.6% 目標値 76% 写真1 市内の歴史的建造物や町並み 図2 名古屋市を文化的なまちだと思う市民の割合 脚注 名古屋版アーツカウンシル:文化施策への提言や文化芸術と他分野の連携・波及効果の創出、専門的見地からの文化芸術活動への支援を通じて、文化芸術を推進し、都市の魅力向上を図る新たな文化芸術の推進体制。 観光客:本指標における観光客は、名古屋城または熱田神宮を訪れた人を対象としている。 449ページから456ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 名古屋城など歴史的遺産を活用した名古屋独自の魅力づくり 事業438 名古屋城の整備 事業概要 特別史跡名古屋城跡の保存・活用を推進し、本質的価値の理解を促進するため、名古屋城への来訪者が近世期の本丸の歴史的、文化的空間を体験できるよう、戦災により焼失した天守閣を木造復元するとともに、石垣や二之丸庭園の保存整備等を実施 事業439 名古屋城の調査研究 事業概要 特別史跡名古屋城跡の価値を明らかにするとともに、適切な保存活用を行い次世代に継承していくため、調査研究センターを運営し、特別史跡名古屋城跡が有する文化財や資料等に関する学術的・総合的な調査研究を実施 事業440 名古屋城の魅力向上推進 事業概要 名古屋城の魅力向上や誘客を図るため、円滑な運営や適切な維持管理をするとともに、夜間のイベント等の開催時の開園時間の延長や、民間事業者のノウハウを活用した多彩なイベントの開催及び観覧環境の充実に向けた取り組みなどを実施 事業441 金シャチ横丁構想の推進 事業概要 尾張名古屋のシンボルである名古屋城及びその周辺の魅力向上とにぎわい創出のため、金シャチ横丁構想を推進 事業442 熱田神宮周辺まちづくりの推進 事業概要 熱田神宮周辺における歴史・文化的な地域資源を活用した来訪者のためのまちづくりを推進するため、地域関係者と連携して地域活性化を図るとともに、まちづくりのコアとなる熱田区役所南地区の活用を検討 事業443 日本遺産有松における歴史まちづくりの推進 事業概要 有松地区における歴史まちづくりを推進するため、町並みを保存するための現状変更行為の許可及び修理等に対する補助や指定有形文化財岡家住宅を公開活用するための整備等の実施、地域の魅力向上を図るための歴史的建造物の利活用を促進 事業444 文化のみちの推進 事業概要 名古屋の近代化の歩みを伝える歴史的な遺産の宝庫である「文化のみち」の魅力向上・情報発信のため、歴史的建造物の保存や歴史的建造物を活用したイベントなどを実施 事業445 名古屋まつりの開催 事業概要 まつりを通じて、名古屋の伝統、文化の魅力にふれてもらうため、郷土英傑行列をはじめとした行列行事・会場行事を実施 事業446 歴史的建造物の保存活用の推進 事業概要 市内に残された歴史的建造物を保存するため、「景観重要建造物」等の指定や改修工事への助成、「町並み保存地区」内の建造物に関する指導・助言及び補助を実施するとともに、身近な歴史的建造物の登録・認定制度の運用や、経済的・技術的支援を実施 事業447 県指定文化財伊藤家住宅の保存・活用 事業概要 四間道町並み保存地区の中心となる愛知県指定有形文化財の伊藤家住宅について、地域の共有財産として公開活用するため、修理整備を実施 事業448 ようきそうの保存・活用 事業概要 城山・覚王山地区のまちづくりの交流拠点施設として活用するため、市民共有の歴史・文化遺産であるようきそうの修理整備を実施 事業449 博物館、ほうさ文庫、秀吉清正記念館の魅力向上 事業概要 歴史・文化への関心を深め、市民に名古屋独自の魅力を伝えるため、展示、教育普及事業や豊臣秀吉文書集の編さんを実施するとともに、名古屋の歴史文化から「未来をつくる博物館」をコンセプトに、リニューアル改修を実施 事業450 歴史の里しだみ古墳群の魅力向上 事業概要 古墳時代の営みなどの歴史学習と自然体験を通じて、子どもから大人まで楽しみながら歴史を学ぶことができるよう、守山区かみしだみ地区に残る古墳群を活用した「歴史の里しだみ古墳群」を運営 施策の柱2 文化芸術を活かしたまちづくりの推進 事業451 文化芸術活動支援の充実 事業概要 名古屋の文化芸術が持つ創造性を活かした都市魅力の向上や地域の活性化を図るため、文化芸術団体等への専門的見地からの支援や、文化芸術と他分野の連携の推進に取り組むとともに、多様な文化にふれる機会の創出及び創造都市ネットワークを活用した事業を実施 事業452 文化施設の運営・整備 事業概要 文化芸術の創造発信及び市民の文化活動の拠点として、文化芸術への市民の興味・関心を広げ、多様な文化活動の促進を図るため、文化施設間で連携を図りながら、利用者が快適に利用できるよう施設の運営・整備等を実施 事業453 名古屋フィルハーモニー交響楽団に対する活動支援の充実 事業概要 交響管弦楽による音楽芸術の普及向上を図り、文化の発展に寄与するため、定期的な演奏事業等とともに、魅力向上事業として、一層市民に親しまれ、誇れるオーケストラとなるような取り組みを支援 事業454 文化財の保存活用の推進 事業概要 本市に残る文化財を後世に継承していくため、文化財の指定・登録、山車の保存・修理をはじめとする保護事業及び文化財のさらなる活用の取り組みを推進 事業455 美術館の魅力向上 事業概要 令和10年度に築40年を迎える美術館がさらに魅力的な施設となるため、今後の方向性について調査を行うとともに、老朽化・狭あい化した施設・設備の機能向上も含めた基本計画を策定し、多様な市民ニーズを踏まえた企画展示の開催や子ども向け事業の充実、国内外の美術館との交流など魅力向上に関する事業等を実施 事業456 芸術と科学の杜事業の実施 事業概要 白川公園一帯においてまちのにぎわいを創出するため、美術館・科学館、地元町内会・商店街、周辺の施設・専門学校などが連携しイベント等を実施 457ページから458ページ 施策39 観光・MICEの推進と情報発信により交流を促進します 施策の柱1 観光客の誘致促進 市内各地に豊富に存在する武将ゆかりの歴史・文化芸術や、なごやめし、名城地区や熱田などが有する名古屋ならではの観光資源の磨き上げや、観光消費につながる積極的な情報発信に努めます。また、他自治体と連携した広域観光の推進や、あらゆる手段で国内外へプロモーションを行い、観光客を呼び込みます。 現状と課題 今後の本格的な人口減少局面においても都市の活力を維持・向上していくためには、交流人口の拡大や地域経済の活性化が必要です。そのため、本市への観光誘客のみならず、広域観光のハブとして名古屋を起点とした圏域全体への誘客を促すとともに、名古屋ならではの魅力や強みを活かしたプロモーションを行うことが重要です。 施策の柱2 受入環境の整備 国内外からのすべての来訪者が楽しく快適に過ごし、名古屋への再訪につなげられるよう、民間事業者と連携した観光情報の提供や観光案内所の機能強化、多言語化などに取り組むとともに、海外富裕層の受入にも対応した受入環境を整備します。 現状と課題 愛知・名古屋におけるアジア・アジアパラ競技大会、リニア中央新幹線の開業などを契機に、国内外からの来訪者が増加することが期待されていることから、すべての観光客が安心・快適に過ごせるよう、受入環境の整備をさらに進めることが必要です。 施策の柱3 MICEの推進による多様な交流の促進 多様なMICE開催による経済波及効果などの最大化を図るため、当地域の特色を活かし、プロモーション強化や支援制度の充実などによる全国的・国際的なMICE※誘致や、基幹インフラとなる国際展示場や国際会議場の整備・運営に取り組むことで、国内外の多様な交流を促進します。 現状と課題 MICEは、企業活動や研究・学会活動等による交流や経済の活性化など高い付加価値を有しており、国内のみならず世界的なMICE誘致のための都市間競争が行われています。そのため、産業や研究機関の集積という当地域の強みを活かし、他都市との差別化を図り、MICE開催地として選ばれるよう取り組む必要があります。 成果指標 1 観光総消費額 現状値 3,746億円(令和4年) 目標値 6,400億円(令和10年) 2 観光客の満足度 現状値 77.1%(令和4年) 目標値 90%(令和10年) 3 外国人宿泊者数 現状値 28万人(令和4年) 目標値 400万人(令和10年) 4 国際会議の年間開催件数 現状値 21件(令和4年) 目標値 300件(令和9年) 図1 本市を訪れた観光客数の推移 写真2 なごや観光ルートバス「メーグル」 写真3 名古屋市国際展示場第1展示館 脚注 MICE:企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。 459ページから464ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 観光客の誘致促進 事業457 歴史観光の推進 事業概要 名古屋の歴史的な魅力の掘り起こしや情報発信に継続的に取り組み、観光客の誘致及び都市ブランドの醸成を図るため、観光PR等を実施 事業458 コスプレホストタウンの推進 事業概要 誰もがコスプレを楽しめるまちをめざし、新たな観光モデルの確立を推進するため、コスプレホストタウンPR隊による市民への啓発、受入機運醸成を図るとともに、コスプレを楽しめるという本市のイメージの向上を図るためのプロモーションを実施 事業459 ウェルネスツーリズム誘客促進事業の実施 事業概要 国内外の観光客の誘致を促進するため、名古屋観光における新たなツーリズムブランドを創出し、観光客誘致促進イベントの開催支援や観光連携事業者と連携した旅行商品の造成等を実施するとともに、全国的な認知度向上を図るためのプロモーションを実施 ウェルネスツーリズム:心と体の健康に気づく旅、地域の資源に触れ、新しい発見と自己開発ができる旅、原点回帰し、リフレッシュし、明日への活力を得る旅のこと。 事業460 東山動植物園の再生 事業概要 名古屋のデスティネーションとして世界に誇れる東山動植物園をめざすため、展示、環境教育、種の保存、調査研究を強化推進 事業461 科学館の魅力向上 事業概要 最新の科学に対応した魅力的な展示・普及啓発を行うため、多言語対応をはじめグローバルな視点のもと、特別展等の開催、プラネタリウムを含め一定期間を経過した展示品や機器の更新及びB6形蒸気機関車の動態展示等の新たな展示の整備を実施 事業462 観光プロモーションの推進 事業概要 国内外からの観光客誘致を図るため、本市における魅力あふれる観光資源や文化・歴史を活用し、観光展への出展やプロモーションツールの作成等を行うとともに、アジア・アジアパラ競技大会に向け、滞在時間や観光消費額の増加を図るため、本市における宿泊を促進させるインバウンド向け観光コンテンツの造成・プロモーションを実施 事業463 海外からの観光客誘致の推進 事業概要 海外からの観光客の誘致を促進するため、ターゲット市場別調査等を行いつつ、名古屋の観光魅力を活かしたプロモーション事業を実施するとともに、他自治体等と連携した広域観光を推進 事業464 教育旅行誘致推進事業の実施 事業概要 新たな地域からの団体客数増加と将来的な本市再訪をめざすため、安心・安全な観光目的地としての「名古屋」をPRしつつ、教育旅行誘致のための体験プログラムの造成やPR等を実施 事業465 2025年日本国際博覧会への出展及び愛・地球博20周年記念行事の開催 事業概要 令和7年に20周年を迎える愛・地球博の理念・成果を継承するとともに、愛知・名古屋の多彩な魅力の発信、令和8(2026)年のアジア・アジアパラ競技大会開催に向けた機運醸成の推進を図るため、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)への催事に参加するほか、愛・地球博20周年記念行事を開催 施策の柱2 受入環境の整備 事業466 観光案内の充実 観光客へのおもてなしを充実させるため、名古屋地域の玄関口である名古屋駅等において観光案内所を運営・強化するほか、民間事業者と連携し、まちなかでの観光情報の提供に努めるとともに、観光施設やその最寄り駅などに多言語表記の新たな観光案内板を整備 事業467 観光デジタルマップの管理運営 事業概要 情報発信力の強化や観光消費額の拡大を図るため、AI機能を搭載した観光デジタルマップの管理運営を実施するとともに、観光客の動向等を分析することで、今後の観光施策・プロモーションへの活用を検討 事業468 なごや観光ルートバスの運行 事業概要 市内の公共交通機関に詳しくない観光客に対し、市内観光の利便性向上を図るため、目的の観光施設まで乗り換えることなく行くことができる交通手段として運行 事業469 高級ホテルの立地促進 事業概要 ハイレベルな国際会議の開催や海外の富裕層旅行者等の誘致及び都市のブランド力向上に資するよう、愛知県と連携して一定の基準を満たすホテルに対し補助金を交付する制度を運用することで、高級ホテルの立地を促進 事業470 トイレの洋式化及び機能向上 事業概要 観光客をはじめ誰もが快適に利用できるトイレを整備するため、観光施設、地下鉄駅等のトイレを洋式化するとともに、機能向上させるための改修を実施 施策の柱3 MICEの推進による多様な交流の促進 事業471 MICEの誘致推進 事業概要 国内外の交流を促進し、経済の活性化をはじめ、都市の知名度やイメージの向上を図るため、ものづくり産業の集積をはじめとする当地域の特色及びアジア・アジアパラ競技大会のレガシーを活かし、全国的・国際的なコンベンション等MICEの誘致、プロモーション、開催支援の充実、情報収集などを実施 事業472 国際展示場の運営・整備 事業概要 MICEを推進するため、その基幹インフラとなる国際展示場を管理、運営し、第1展示館のリニューアルを契機としたさらなる多目的利用を促進するとともに、拡大し多様化するMICE活動に対応し、激化する都市間競争に打ち勝つために必要な整備を実施 事業473 国際会議場の運営・整備 事業概要 MICEを推進するため、その基幹インフラとなる国際会議場を管理・運営するとともに、拡大し多様化するMICE活動に対応し、激化する都市間競争に打ち勝つために必要な整備を実施 465ページから466ページ 施策40 スポーツを活かしたまちづくりを進めます 施策の柱1 アジア・アジアパラ競技大会の推進 令和8年の愛知・名古屋におけるアジア・アジアパラ競技大会の成功に向けた機運醸成や会場整備等を進めるとともに、開催効果をさまざまな分野にわたるレガシーの形成につなげます。 現状と課題 令和8年にアジア・アジアパラ競技大会が愛知・名古屋で開催され、国内外から多くの注目が集まります。開催に向けて着実に準備を進め、大会を成功させるとともに、スポーツの持つ普遍的な価値をより一層発信し、両大会を一過性のスポーツイベントに終わらせることなく、レガシーにつなげていくことが必要です。 施策の柱2 スポーツに親しむ機会と場づくり すべての市民がスポーツの楽しさにふれることのできる機会の充実を図るほか、気軽に安心・安全・快適にスポーツに親しめる持続可能な環境づくりを進め、スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことを真に実現できる社会をめざします。 現状と課題 本市調査におけるスポーツ実施率は60%未満となっています。また、令和3年度の本市調査では、スポーツをしていない理由は「仕事が忙しく時間がない」や「きっかけや機会がない」等となっていることから、すべての市民が楽しさや喜びを感じながら、スポーツへ自発的に参画する機会を創出することが必要です。 施策の柱3 スポーツによる地域の活性化・都市ブランドの向上 大規模競技大会等の誘致に加え、スポーツツーリズムの促進、アーバンスポーツ、eスポーツの振興などを、トップスポーツチーム及び名古屋スポーツコミッション等と連携して実施することで、スポーツによる地域の活性化や都市ブランドの向上をめざします。 現状と課題 本市にはトップスポーツチームが多く、ハイレベルなスポーツを身近に感じられる環境があります。また、世界最大の女子マラソンである名古屋ウィメンズマラソンが毎年開催されています。この強みを活かし、プロモーションやスポーツツーリズムの促進により、さらなる地域の活性化や都市ブランドの向上を図る必要があります。 成果指標 1 第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会(愛知・名古屋開催)の市民認知度 現状値 48.1% 目標値 100% 2 名古屋市に「スポーツが盛んである」という都市イメージを持つ市民の割合 現状値 59.6% 目標値 80% 3 週1回以上の頻度で運動・スポーツを実施する20歳以上の市民の割合 現状値 55.1% 目標値 70% 写真1 第4回アジアパラ競技大会(杭州)の開会式 図2 週1回以上の頻度で運動・スポーツを実施する者の割合 写真3 名古屋ウィメンズマラソン 脚注 スポーツツーリズム:スポーツを「みる」「する」ための旅行そのものや周辺地域観光に加え、スポーツを「ささえる」人々との交流など、複合的で豊かな旅行スタイルの創造をめざすもの。 アーバンスポーツ:広い場所を必要としない、個人が気軽に始められるなどの理由で、都市住民が参加しやすいスポーツ。都市型スポーツ。 eスポーツ:「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。 467ページから472ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 アジア・アジアパラ競技大会の推進 事業474 アジア・アジアパラ競技大会の推進 事業概要 両大会を成功に導くため、組織委員会や合同準備会等において、各種計画の検討や広報・PR等の開催に向けた取り組みを実施 事業475 アジア・アジアパラ競技大会に向けた機運醸成等に関する本市の取り組み 事業概要 両大会の開催に向け、機運醸成や会場周辺等の整備をはじめ、大会の成功に欠かせない取り組みを実施するとともに、スポーツの振興、交流人口の拡大、国際交流の促進、共生社会の実現、国際競争力の強化、すべての人が利用しやすい都市環境の整備の促進など、さまざまな分野にわたるレガシー形成に向けた取り組みを実施 事業476 アジア・アジアパラ競技大会会場施設の整備 事業概要 アジア・アジアパラ競技大会の会場施設として仮決定されている施設について、大会の円滑な開催及び大会後の活用を見据え、すべての人が安心・安全・快適に利用できるような施設とするため、リニューアル改修等を実施 事業477 瑞穂公園の整備 事業概要 アジア・アジアパラ競技大会の開催やその後の活用を見据え、本市のスポーツ振興の拠点としての価値を高めるとともに、市民の交流・憩いの場としての機能向上を図るため、両大会のメイン会場となる陸上競技場をはじめ、瑞穂公園全体の整備を推進 事業478 スポーツ実施機会の提供 事業概要 すべての市民が、「楽しさ」や「喜び」を感じながら、スポーツへ自発的に参画する機会を創出するため、スポーティブ・ライフ月間をはじめとしたイベントの実施や、市民スポーツ祭等の大会の開催、トップスポーツチーム等の関係団体と連携協働し、体験イベントを実施するほか、将来のスポーツの担い手であるジュニアアスリートへの支援を実施 事業479 スポーツセンター等の運営 事業概要 地域スポーツを支援するため、拠点施設であるスポーツセンター等の運営や計画的な修繕等を実施 事業480 障害者スポーツの振興 事業概要 アジアパラ競技大会の開催を契機に、障害者スポーツのより一層の振興を図るとともに、障害の有無に関わらず、スポーツに取り組むことができる共生社会の実現に向け、障害者スポーツセンターを中心に、障害者のスポーツ実施環境の整備や市民の障害者スポーツの理解促進・普及啓発、ささえる人材の育成・確保を行うほか、競技力向上を目的とした支援を実施 事業481 スポーツプロモーションの実施 事業概要 スポーツによる都市ブランドの向上のため、アジア・アジアパラ競技大会及び大会後を見据えたスポーツプロモーションを実施するほか、新たなスポーツ情報サイトの構築やスポーツ広報大使(仮称)を活用した情報発信などを実施 事業482 大規模競技大会等の誘致・開催 事業概要 スポーツによる交流人口の増加や地域の活性化のため、世界規模のマラソンフェスティバルを開催するほか、大規模競技大会等の誘致・開催、スポーツツーリズムの促進を実施 事業483 新たなスポーツの振興 事業概要 アジア競技大会で新しく正式種目として採用されたアーバンスポーツやeスポーツなどの振興により都市ブランドの向上や地域活性化を図るため、アーバンスポーツ大会の開催や社会課題の解決に向けたeスポーツ体験会などを実施 473ページから474ページ 施策41 イノベーションの創出を促進するとともに、産業交流を促進します 施策の柱1 イノベーション創出・創業等支援 客員起業家の知見を活用し、小中高校生に対する起業家精神の醸成からスタートアップのグローバル展開まで体系的に支援するほか、社会実証支援を実施するとともに、デジタル化支援などを通じて、イノベーションや新事業の創出を促進します。 現状と課題 イノベーションの担い手と期待されるスタートアップの創出・育成に向けた取り組みが各地で行われています。本市はスタートアップ・エコシステム「グローバル拠点都市」として、強固なエコシステムを構築し、日本経済をけん引するスタートアップの創出などにより、産業の垣根にとらわれないイノベーションの創出を促進する必要があります。 施策の柱2 グリーン・トランスフォーメーション推進の支援 中小企業の脱炭素化に向けた取り組みを支援するほか、水素の利活用の促進、水素サプライチェーンの構築推進など水素の社会実装実現に向けた取り組みを通じて、企業におけるグリーン・トランスフォーメーション(GX)推進を支援します。 現状と課題 新たな投資を促すなど、成長の鍵である企業の脱炭素化の取り組みを通じた産業競争力の維持・向上が急務となっています。企業がこの潮流に乗り遅れることなく成長するには、グリーン・イノベーションの創出が不可欠であり、水素等の社会実装や脱炭素経営、技術開発などを促進する必要があります。 施策の柱3 産業交流の場づくりと戦略的な企業誘致の推進 中小企業の国内外での販路開拓などを支援するともに、企業等の交流・投資の促進や新たな時代を見据えた戦略的な企業誘致により、当圏域への企業の集積を図ります。 現状と課題 本市は、世界有数のものづくり産業が集積する名古屋大都市圏の中枢都市として、多様な産業が集積しています。そのため、産業交流の場づくりを進めるとともに、さらなる産業集積を図るため、本社機能など戦略的な企業誘致を進める必要があります。 成果指標 1 昼間就業者1人 当たり市内総生産 現状値 9,403千円(令和3年度) 目標値 10,100千円(令和8年度) 2 イノベーション 創出件数 現状値 528件 目標値 1,180件(5か年) 3 法人設立等件数 現状値 5,636件 目標値 6,300件 4 企業誘致件数 現状値 12件 目標値 100件(5か年) 図1 カーボンニュートラルの取り組み段階別グリーン分野の事業再構築による企業業績へ影響 脚注 グリーン・トランスフォーメーション:産業革命以来の化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換すること。 スタートアップ・エコシステム「グローバル拠点都市」:内閣府が、我が国の強みである優れた人材、研究開発力、企業活動、資金等を活かした世界に伍する日本型のスタートアップ・エコシステム拠点の形成をめざし、地方自治体、大学、民間組織等が策定した拠点形成計画を選定するもの。「スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム」、「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」、「大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアム」、「福岡スタートアップ・コンソーシアム」の4つのコンソーシアムが選定されている。 グリーン・イノベーション:エネルギー・環境分野におけるイノベーション 475ページから480ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 イノベーション創出・創業等支援 事業484 イノベーションを起こす環境の整備 事業概要 イノベーションを起こす環境を整備するため、引き続き産学官の連携を図りながら企業間の交流・共創を促すイノベーション拠点を運営するとともに、さまざまな主体が交流しながら支援するコミュニティや、スタートアップを呼び込む仕組みづくり、資金環境の整備などを実施 事業485 イノベーション人材の育成 事業概要 イノベーションの担い手となる人材を育成するため、子どもたちが職業観を育む中で、成長段階に応じた起業への関心を高める取り組みや、起業をめざす人や企業内の新規事業担当者を育成する取り組みなどを実施 事業486 市立大学の知的財産を活かした産学官連携の推進及びイノベーションの創出 事業概要 革新的な医薬品や医療機器をはじめとするイノベーションを創出するため、研究環境を整備するとともに、医学・薬学・工学等の分野における産学官連携を推進 事業487 社会実証・オープンイノベーションの促進 事業概要 イノベーション創出につながるオープンイノベーションを促進するため、先進技術の活用による社会実証の支援とともに、研究開発型企業をはじめ、大学・公的研究機関等との連携による先進技術や製品の研究開発及び高度化を支援 脚注 オープンイノベーション:新技術・新製品の開発に際して、組織の枠組みを越え、広く知識・技術の結集を図ること。一例として、産学官連携プロジェクトや異業種交流プロジェクト、大企業とベンチャー企業による共同研究などが挙げられる。 事業488 グローバル化支援 事業概要 世界レベルのスタートアップを創出するため、グローバル展開をめざすスタートアップの急速な成長を支援するプログラムを実施するほか、大規模イベントを開催し、海外や首都圏から起業家や投資家を呼び込むとともに、当地域のスタートアップの海外展開を促進することでグローバル化を支援 事業489 デジタル化(DX)の推進 事業概要 企業の経営基盤強化を図るため、経営課題の解決に資するデジタル技術に関する普及啓発を促進するほか、専門家による相談や人材育成講座の開催等を通じてデジタル技術の導入を支援 事業490 新たな価値の創造支援 事業概要 新たな価値の創造を図るため、伝統的地場産業の振興を支援するほか、中小企業のデザインを活用した新商品開発等の取り組みやクリエイターの創業等の支援を実施 施策の柱2 グリーン・トランスフォーメーション推進の支援 事業491 グリーン・イノベーションの促進 事業概要 企業における脱炭素社会の実現に向けた「環境と経済の好循環」を達成するため、周辺自治体を含む産学官と連携した水素サプライチェーン構築推進や、水素エネルギー普及啓発に向けた取り組みの実施をはじめとした、中小企業等の低炭素・脱炭素化に向けた取り組みの支援や脱炭素に資する技術普及を実施 施策の柱3 産業交流の場づくりと戦略的な企業誘致の推進 事業492 産業交流の場づくり 事業概要 中小企業の産業交流を促進するため、中小企業振興会館などの施設の整備・運営や見本市・展示会を開催するとともに、関連支援機関と連携し見本市・展示会の出展等の支援を実施するほか、海外ビジネスの基礎知識習得を支援するセミナーの開催や、海外企業との商談機会の提供等を実施 事業493 イノベーションの基盤となる企業等の集積促進 事業概要 イノベーションや雇用を生み出す環境整備を図るため、企業誘致を推進し、本社機能やICT企業、外資系企業等の立地・集積を促進するほか、市内に長年立地し、地域産業をけん引する企業等が行う本社機能強化や工場等の新増設への再投資の支援を実施 481ページから482ページ 施策42 地域の産業と人材を育成・支援します 施策の柱1 経営基盤安定化及び経営力・技術力強化の支援 中小企業などのニーズを把握し、社会経済環境の変化に対応した経営・技術相談や支援施策の情報提供、資金調達の円滑化を支援する取り組みなどにより、経営基盤の安定化及び経営力・技術力の強化を図ります。 現状と課題 市内事業所数の約99%を占める中小企業は、本市経済や市民の雇用・暮らしを支えていますが、中小企業を取り巻く外部環境は不確実性を増しています。地域経済発展の原動力となる意欲的な中小企業への経営や技術面などの総合的な支援や、厳しい経営環境に直面する中小企業への金融支援が必要です。 施策の柱2 産業人材の育成・確保 中小企業の技術・技能の継承を支援するとともに、産業の未来を担う子どもや若者など次世代の産業人材への学びの場の提供、リカレント教育やリスキリング支援をするほか、副業・兼業などの外部人材や女性、外国人など多様な人材の活躍を支援します。 現状と課題 ビジネス環境の変化にあわせて求められる人材も常に変化しているとともに、市内中小企業は人手不足が慢性的に続いています。そのため、創造性や技術・技能・知識など今後求められる力を育む人材育成の支援や、多様な人材が活躍できる環境の整備などが求められています。 施策の柱3 地域商業の活性化 名古屋大都市圏の中枢都市として魅力ある商業地の形成を支援するとともに、地域と一体となった身近な商業地の育成支援を行うため、商店街の魅力向上などに資する事業への助成などを行います。 現状と課題 地域の商店街は、社会・経済構造の変化により厳しい状況が続いています。多くの商店街では担い手不足や魅力の創出などが課題となっており、これらの課題解決に向けた支援が求められています。 成果指標 1 法人事業所数 現状値 122,214 目標値 132,200 2 設備投資の実施率 現状値 26.4% 目標値 29% 3 人材育成に取り組んでいる企業の割合 現状値 45.7% 目標値 49% 図1 総合景況DIの推移 図2 本市中小企業における人材の課題 脚注 リカレント教育:学校教育を修了した後、社会人が再び学校等で受ける教育。 リスキリング:新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること。 DI:Diffusion Indexの略。業況判断指数(社数構成比)のこと。計算式は以下の通り。 DI=(「良い、増加、上昇、改善」と回答した企業の割合)―(「悪い、減少、下落、悪化」と回答した企業の割合) 483ページから486ページ 施策を推進する事業 施策の柱1 経営基盤安定化及び経営力・技術力強化の支援 事業494 経営相談等による支援 事業概要 中小企業の経営基盤の安定・強化を図るため、専門家による窓口相談等を実施し、法律や金融、販路開拓、事業承継など経営上の課題解決及び創業時の各段階に応じた支援を実施 事業495 生産性の向上支援 事業概要 小規模企業の生産性の向上を図るため、専門家による訪問相談や設備の導入等の支援を行うほか、航空宇宙産業における中小企業の生産増等の支援として、機械設備等の購入経費の一部助成を実施 事業496 工業技術の指導・研究開発等による生産技術の向上支援 事業概要 中小製造業の生産技術の向上のため、新製品・新技術の研究開発を行い、その成果に基づき受託研究等を実施するとともに、課題の解決に向けた技術相談、工業材料の試験・分析及び技術の普及を目的とした講演会等を実施 事業497 資金調達の円滑化支援 事業概要 中小企業の経営基盤の安定や事業の多角化などを促進するため、社会的環境の変化に即した各種融資制度の拡充や信用保証制度の運用を通じた支援を実施 施策の柱2  産業人材の育成・確保 事業498 産業人材の育成 事業概要 中小企業等の技術・技能の継承や技術開発力の強化、海外取引の強化等のため、技術者等の育成支援や職人の「技」の普及に取り組むとともに、子どもや若者が次世代社会で必要とされる価値づくりの力を育むことができる機会を創出 事業499 産業人材の確保 事業概要 中小企業における人材確保を支援するため、人材確保や多様な人材の活躍に関する企業向けの相談対応やセミナーなどを開催するほか、国の構想に基づき、東京圏から移住し就業した場合等に支援金を支給 事業500 市立大学におけるアントレプレナーシップ教育の実施 事業概要 新たな価値やビジョンを創造し、社会課題や生活課題を解決する人材を育成するため、市立大学経済学部においてアントレプレナーシップ教育を実施 脚注 アントレプレナーシップ:さまざまな困難や変化に対し、与えられた環境のみならず自ら枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神のこと。 事業501 市立大学におけるデータサイエンス研究科(仮称)の設置による高度専門人材 の育成 事業概要 あらゆる分野で活躍できる実践的なデータ活用能力を身につけた高度専門人材を育成するため、社会人の学びも視野に入れたデータサイエンス研究科(仮称)を設置 事業502 市立大学における学びなおし講座の提供 事業概要 主に職場復帰や職業能力の再開発・再教育のため、リカレント講座やリスキリング支援を充実 施策の柱3 地域商業の活性化 事業503 地域商業地の活性化・整備促進 事業概要 地域商業地の活性化を図るため、商店街の魅力向上等に資する事業への助成のほか、空き店舗活用や人材育成等を通じた商業機能再生支援、アーケードや街路灯等の共同施設の災害対策への助成等を実施