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公園経営シンポジウム(平成26年12月13日)

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このページを印刷する最終更新日:2022年9月9日

ページID:64534

ページの概要:平成26年12月13日に開催した公園経営シンポジウムの記録です。「公園で利用者を楽しませる人たち・公園キャスト」をキーワードに、基調講演とトークセッションを通して公園について考えました。

開催内容

 平成25年7月に公表した「名古屋市公園経営事業展開プラン」では、市民活動の活性化や、公園を楽しく活用する人材の育成など、市民・団体の参画と協働を推進していくことを目指しています。

 このシンポジウムは「公園で利用者を楽しませる人たち・公園キャスト」をキーワードに、有識者による基調講演やトークセッションにより、より使いやすくするための「公園キャスト制度」をどのように進めていったらよいのか、市民のみなさんと一緒に考えました。

概要

日時

平成26年12月13日(土曜日)

午後1時30分から4時30分

会場

 名古屋都市センター11階ホール(大研修室)

参加人数

125名

案内チラシ(参考)

第1部 基調講演「公園を楽しくなる場所に。」

中瀬 勲さん(兵庫県立人と自然の博物館 館長)

中瀬館長写真

 大阪府立大学助教授、カリフォルニア大学客員研究員などを経て1990年、同博物館の設立準備室に奉職し、現職に至る。また、山崎亮氏の著書「コミュニティデザイン」で紹介されている兵庫県立有馬富士公園の運営・計画協議会の会長として、住民参加型の公園運営に携る。著書に「みどりのコミュニティデザイン」、「パークマネジメント」など。

第2部 トークセッション「公園を楽しむ、公園で楽しませる」

第1部の基調講演でお話しいただいた中瀬氏のほか、次のパネリストが加わりこらからの公園利用について話し合いました。

コーディネーター:井澤 知旦さん(名古屋学院大学経済学部 教授)

井澤氏写真

 民間において、東海地方を中心に、地域開発や都市開発、農業振興や観光振興などの構想・計画づくりを支援してきた。2012年4月より現職。白壁アカデミア代表世話人、「ものづくり文化の道」推進協議会会長、「東山再生プラン『楽しみと賑わいの創出』ワーキング」委員などを務める。

西村 健さん(名古屋市青少年交流プラザ ユースワーカー)

西村氏写真

NPO法人子ども&まちネット事業スタッフ。学生の頃から地震防災啓発活動、仮装ゴミ拾い「ア∞ス戦隊ゴミ拾いレンジャー」などの活動に関わる。行政コンサルタントとして行政施策に関わりながら、NPO法人のスタッフとして子どもや若者の社会体験イベントを企画。なごや子どもCity青年サポーターなどを務める。

公園活用ワークショップ代表者

公園活用ワークショップ写真

平成26年9月27日に名城公園で開催した、これからの公園の使い方を考えるワークショップの参加代表者。ワークショップで出された意見などを報告していただきます。

基調講演

講師:兵庫県立人と自然の博物館館長 中瀬 勲さん

はじめに

 私は大学で約20年間、研究者として公園をどのように設計したらよいのかという、つくり手側の勉強をしてきました。ところが、兵庫県が「人と自然の博物館」をつくるということで、平成2年に、大阪府から兵庫県に転勤をしました。今日お話しするテーマを感じたのはこの時です。私が転勤した時には既に、基本計画、基本構想、それからハードの設計も出来上がっていました。基本構想には年間40万人がこの博物館に来ると書いてありましたが、初年度はお客様が年間10万人しか来ませんでした。この時に感じたのが、公園や博物館にどれだけお客さんに来ていただくかということを、つくる時から考えておかないと大変なことだ、ということです。

今日、申し上げたい結論は次の6点です。

  • 皆で智恵を出し合って公園をつくろう
  • 上手に維持できるように皆で守っていきましょう
  • プログラムなどを通じて、上手に使いましょう
  • 基本は参画と協働。皆で一緒にやりましょう
  • 主役は使い手です
  • 生物多様性、地域の植物や動物も忘れないように

 

 孫を連れて公園に行くと、利用者としてゆったり見ることができます。学者をしていた時は、分析したり、平均とったり、アンケートとったりと、今思うと全然役に立たないことをしていたなと思います。本物の利用者としてみるのがすごくいいのです。いくら分析しても使い手側の意見をしっかりと取り入れた公園でないと面白くない。こういう視点で、公園を考えて頂けたら面白くなるのかなと思います。

基調講演の様子

つくる側からの理論・つかう側からの理論

 ニュータウンの公園って何がありますか。滑り台があって、ぶらんこがあって、砂場がある。皆さんは、この3つがあったら公園って思わされていませんか。昭和40年代の高度経済成長の頃に、新しい住宅がたくさん出来て、公園もたくさんつくられました。その公園に、滑り台、ぶらんこ、砂場があったから、公園はこれだと思ってしまったのです。

 そしてその公園に、砂場から砂を持ち出したらダメ、野球をしたらダメ、芝生に入ったらダメ、火を使ったらダメ、たくさんの禁止事項を入れていったのが、高度成長から今までです。全部つくる側の論理です。それでつくられた公園が今も残っていますが、たくさん何何禁止になっています。

 禁止という看板があると、私は喜んで写真を撮ります。公園を管理している人は、こういうことをやってほしくないんだなということが分かる良い情報です。それをできるようにどうするかも大事ですね。使い手側から「どうだろうか」と考える時は、実際に使っている皆さんの方がプロです。

 公園は非常に大事な情報が入っているところで、都市公園に行ったら、ダメなことは、なぜダメなのかを考える。それをOKにするにはどうしたらいいのかという部分に、すごいヒントがたくさん入っていると思います。

人々が結びつくことで、公園にもネットワークが生まれる

 ちょっと公園からはずれまして、博物館の話をします。これは我々の博物館ではなくて、日本中にある小さい博物館の話です。小さい博物館はたくさんありますが、皆困っています。高度成長時代の頃にたくさん、箱がつくられて、今予算がなくなってきていて、どうしようと言っています。

 私の仕事の1つである「ちいさいとこ博物館ネットワーク」の紹介をします。予算も人材も少ない小さい博物館はどうしたらいいのか、とあるとき相談されました。私は、「皆でつるめばいい、グルになればいい、それでNPOをつくればいい」と言って、このような講演をいたるとこでやりました。そうすると、若者たちが聞いて実践してくれました。こうしてネットワークを組むと、大きな博物館に対抗できて、若者たちのネットワークができる気がしていました。事業活動も色々できたらいいなということで、交流や、お互い支援し合ったり、年に1回、皆で集まって発表会をしたりしています。

 名古屋市もそうですけど、緑のネットワークといって、公園と公園を緑の線で繋ぐといっていますが、これだと全然つながりませんね。「公園を使っている人たち」がつながることで、「公園がつながる」という世界を「ちいさいとこ博物館ネットワーク」の取り組みで実感しました。人数は少ないけど、スタッフは多彩で、働きものである。展示の基本は手作り、借りてくる、一人でも病気になると大ピンチ、他の小さいところがどうしているか知りたい、これは公園にも言えると思います。こういうことに興味を持ちながら、皆でここ使いましょうとか、小さいところとネットワークを組んだら面白いと思います。

これからの公園の管理運営

 公園があって施設はあるけど、お客さんがなかなか来てくれない。博物館も公園も同じような状況です。私の博物館では、自主的な組織改革、意識改革を行いました。鹿とか猿とかトンボのことをやっている自然系の先生にも「経営」の勉強をしてもらいました。損益分岐点や顧客満足度を計ること、お客さんの囲い込みをどうするかまで勉強しました。公園に来て一緒に遊んだ人たちが面白いといって帰ってくれたら、口コミで伝わりますよね。こういった、お客さんと私たちとの間をどうつなぐか、今日のテーマは、たぶんこの辺にポイントがあると思います。今日「公園で利用者を楽しませる人たち(公園キャスト)」という言葉を使われていましたが、ホスト(管理者)とゲスト(利用者)がどう一体化するか、これが大事だと思っています。

 例えば、住民参加型の運営をする公園が有馬富士公園です。公園もつくるだけではない、つくったあとに皆で維持管理・運営をしていかないとダメです。そういう時代がやってきました。来たお客さんを楽しく迎えて楽しく遊べるように、介在するリーダーのような人材がいると思い、こういう仕組みをつくりました。

 仕組みとして、コーディネーターを配置したことが良かったです。仲介役であるコーディネーターの若者が公園で雇えることで、公園に来たお客さんと管理者の間に彼ら、彼女らが入っていけます。有馬富士公園は、住民参加で有名ですが、私から言わせるとこのコーディネーターが6人配置されて、彼ら、彼女らが、ものすごく頑張ったので結構有名になったと思っています。私や行政は、単にこの仕組みを作って、後ろから頑張れと応援しているだけです。
会場の様子

まとめ

 今日お話ししたことから、5つぐらいの結論を申し上げます。

(1) 新しい公(皆でつくる時代)

 いままで役所が行う領域だと思っていた部分が、新しい公の領域となっています。公園をどうするかというと、役所だけに任せておいてもお金がないし、人材も少ないので、私たちもやらないといけない、というような世界です。つまり、皆でやらないといけない時代に入ってきたということです。

(2) ビジョンの共有とマネジメント

 今まで行政のものづくりは「計画して、設計して、施工して、管理する」でした。これには、計画前の「構想」の部分と施行後の「運営」の部分が欠けていました。市民の皆さんとビジョンを共有する、構想段階が欠けていたのです。既につくられた公園の構想部分は仕方ないのですが、皆でそれをどうやって運営していくのか、どういうふうに使ったらいいのか、運営のプロセスと実行するプロセスをしっかりつくるのが、これからの公園のあり方です。

 都市公園法という法律は、公園をいかに公物として「管理」するかという法律です。この「構想」の部分と「運営」の部分がほとんど欠落しています。有馬富士公園の事例では、協議会をつくって運営をやっていることをお話ししました。

(3) 連携により高まるコミュニティのパワー(「地元」×「NPO・若者」)

 今日の参加者の方々を見ていますと、住まわれている地域で活動されている方々と、NPOや若手の方がおられます。何を申し上げたいかというと、地域に密着された自治会、老人会など、地域密着型の活動をされている方々と、若者の皆さんや、ボランティア、NPO、コミュニティビジネスをやっているテーマ型の市民活動の方々が仲良くしたら、パワーが倍増するということです。これを皆さん方の力でうまくできるかどうかです。

(4) マネジメント(公園を活かして、育てる)

 4つ目も今日の大事なテーマですが、公園・地域づくりでのマネジメントシステムについてです。今までの、都市公園の行政が責任を持つ範囲は、「つくる、整備する、まもる、維持管理する」でした。ここに市民が入ってきて何をするかというと、「使う、応援する、繋ぐ、公園を活かす、育てる」ことです。これは市民が入ってくることによってできることです。従来型の公園は、「つくって、整備して、維持管理される」ものでしたが、その公園で市民が活動することにより、より有効に活かして、育てていけます

(5) 仲間を増やす

 今日来られているような熱心な方々のことを「市民層」と呼びます。興味あるけど忙しいから行くのをやめようというのが「住民層」です。そんなの知らないという方は「無関心層」になります。これからは、無関心層には住民層になっていただいて、住民層には市民層になっていただくことが必要です。つまり、一緒に活動してくれる仲間を増やすということです。市民層が達成感を得られる活動を公園でやっていくと、仲間が増えていくだろうと思います。

おわりに

 個人の庭とか公園とか里山とか、いろんな緑があります。そこで活動する人々が、プログラムを提供しあったり、植物の種を提供しあったり、あるいは材料を提供しあったり、このような緑空間を名古屋のいろんなところでつくっていくと、結構面白い活動になると思います。大きい公園を中心として、地域全体に広がっていくような活動を皆さん方の力でやられたらいいのではないでしょうか。

 

トークセッション

(注)敬称略

(井澤)
 今回のシンポジウムのテーマは「公園を楽しくなる場所に」ということです。行政側だけが管理すると使い勝手がよくなく、楽しくする場所にはやはり市民の参画が必要になってきます。また、行政と市民とをつなぐ役割を担える方をどう探していくのかということも含めてお話を進めていきたいと思います。

参加者から運営者へ

(井澤)
 公園でどういった楽しみ方ができるのか、名城公園でワークショップが開催されました。また、その後、ワークショップで出されたアイディアを基にして社会実験イベントが実施されています。今日のパネリストである海野さんがワークショップと社会実験イベントに参加していますので、その報告をお願いしたいと思います。

 

(海野)
 私は、元々受け身でイベントに参加することが多かったのですが、ワークショップに参加したり、運営側で公園を活用していくことで大きな充実感を得ることができました。こういうイベントはもっと定期的にやったらいいなと思います。普段から公園を利用している方にも「あっ!こういう使い方しているんだ」と見てもらうことで、より参加者が増えていくのではないでしょうか。

 このイベントを通して改善が必要だと感じたことが3つあります。

 まず1つ目は規制についてです。公園でイベントを行うのには、行政に許可を取ったり、消防署、保健所へ申請を行ったりと非常に手間がかかることを知りました。市役所の方たちのフォローが無ければ開催までたどり着けなかったと思います。この点の解決策として、私たちが経験者として次の方に伝えていくことも大事ですし、行政の方のフォローもより手厚く、より分かりやすいものになっていってほしいと思います。

 2点目は、公園に関心のない層にもより知ってもらうことです。今回のイベントはSNSを利用することで、参加しなかった人にも楽しさを伝えられたと思います。今後もSNSを活用した情報発信が増えていくといいのではないでしょうか。

 最後に、公園活用には差別化が必要だと思います。この公園に行かないと体験できないコトやモノがある、そのような公園が必要ではないでしょうか。

ワークショップ参加者の発表の様子

 

(井澤)
 公園の利用者から運営側に変わるきっかけは、何かあったのでしょうか?

 

(海野)
 ワークショップでは、名城公園の魅力を探しに園内を散策しました。その時に、公園を普段から利用している方が非常に楽しそうに説明をされていて、私もそれを聞いているのが楽しかったです。そこで、友だちにも、学生にも公園の面白さを知ってもらいたいと思いました。もし公園をより活用できれば、今後につながるのではないか、大学も活性化するのではないかと思い、参加者から運営側に回ってみました。

 

(井澤)
 西村さん、ワークショップ参加者として今の内容についてコメントがございましたらお願いします。

 

(西村)
 私もワークショップに参加していたのですが、公園を毎日見ている方の視点というのはすごく重要だと感じました。普段公園を見ている人たちの「実はここにこんなものがあるんだよ」というような、表には出てきていない良さがあると思います。

 課題として挙げられた「差別化」という点では、何かきっかけがあればそこから新しい動きが加速度的に生まれていくと思うので、海野さんのように大学生の方が中心となって始めて行ってもらえたら嬉しいです。

 

(井澤)
 今回のような「楽しく使おう」という取り組みは、中瀬先生から見てどうでしょうか?

 

(中瀬)
 是非頑張ってほしいです。大学なら後輩が入ってきて、ずっと繋いでいくこともできるので、ぜひ引き継ぎをやってほしいなと思います。できたらこれを大学連合で単位化したらいいと思います。単位を取ることを目的にするのは嫌ですが、せっかくやるなら単位にしたらどうかと。個々の公園ごとではなく名古屋の公園連合でやって、地元の人々に講習会をやってもらうといのもいいかもしれません

パネルディスカッションの様子

連携

(井澤)
 行政側から見て、公園を楽しませるという点で、今何が課題なのか、公園の楽しい使い方については何が課題なのでしょうか?水野さんいかがですか?

 

(水野)
 社会実験イベントでは、美味しそうにチーズフォンデュを食べていて、珈琲も湧かせていましたし、楽器もちゃんと鳴りました。それを聞きつけて何人かの人も周辺に集まってきて、全体の雰囲気は非常にいい時間が流れていると感じました。

 しかし、役人的に言うとバイクを持ち込んでよかったのかな、という話になるんですね。公園の管理、「管理」という言葉は「やってはいけない」という言葉に結びつきがちですが、まずは行政側のバリアを取り払うことが課題だろうと思います。

 それから、たまたま海野さんは「もてなす側」に回ってくれましたが、このような運営者側になってくれる人をどう探していったらいいのか、ということも課題です。

 海野さんは名城公園を回る時に愛護会の方に案内してもらって、それで興味を深めていました。おそらく、役人よりも、愛護会の皆さんの方が地元の公園は良く知っておられるでしょう。そういう方が、他の人に楽しみを伝える、伝えやすくするにはどんなことをやればいいのかと考えています。

 

 

(井澤)
 西村さんが働いている青少年交流プラザ(ユースクエア)は、名城公園の近くにあって、近くには商店街や大学もあります。これらの地域にある色々な資源とうまく連携して公園を活用することについて、どのように考えていますか。

 

(西村)
 青少年交流プラザは名城公園駅から徒歩7分のところにあります。大学の他にも、保育園、中学校、北区役所もあり非常に地域資源が集積しているところで、商店街も含めて一緒にやっていかないといけないと思っています。

 私たちの事業に、34才くらいまでの青少年を対象にした自主活動推進事業があります。自分たちの社会参加や体験活動、相互交流などのために活動したいという人たちを支援するものです。私たちが設けている窓口では、実際にどういった企画をやりたいのかというお話を聞きながら、一緒に企画を作るということも協力できるのではないかと思っています。

 青少年交流プラザには、ダンスや楽器演奏の練習ができる部屋もありますので、そのような活動をする若者も集まってきます。ですので、商店街、大学、その他の関係施設に加えて、近くにある名城公園が若者の活動場所として活用できれば、非常にいい流れになるのではないかと思います。

 

(井澤)

 名城公園の近くに青少年交流プラザがあることで、従来の公園利用者以外のグループが公園を使うようになっていくのではと思います。そのような時に、上手く公園を使って活動してもらうために、どのような人材を育てる必要があると思いますか。

 

(西村)

 行政の施設では制度など、いろんな制約に縛られてしまうのは、仕方ないことだと思います。一方で学生がやりたいということも、だいたいの場合が突拍子もないことを言い出したりとか、実現性が薄かったりしますので、その企画を実行できるように、コーディネートやお手伝いも必要になってきます。

 行政側と活動する人の間に立つ人、まだまだそういった「間に立つ人」が少ないと思います。行政側の文脈、そして学生や市民側の文脈、両方の話が分かるような存在がまだまだ足りないですし、これからも必要となってきます。なので、これから育てていかないといけないのかなと思っています。

行政への期待

(井澤)
 「行政」と「公園を使う人」の関係で、行政の役割や行政に期待するようなことは何かございますか?

 

(西村)
 自分自身が大学生の時に公園で何かしようと思った時、最初、どこにどうしたらいいのか分からなかったんですね。いろいろ試行錯誤したんですけど、やはり分かりやすさだと思います。ここへ相談に行ったらとりあえず繋いでくれるような。色んな禁止事項への対応とかを考えるのは、その次なのかなと思うんですね。若者にとって一番身近な場所で相談ができる、情報提供ができる、されている状態、それが一番若者にとって新しい使い方をする最初の一歩なのかなと思います。

 

(井澤)
 学生から見て行政に期待することって何かありますか?

 

(海野)
 行政と大学が連携して、公園と大学生を繋ぐような働きをしてほしいなと思います。もし名城公園でサークル活動ができるようになれば、学生も非常にイキイキとするんじゃないかなと思います。

 

(井澤)
 中瀬館長は、今までの経験から感じることがいっぱいあると思いますが、いかがでしょうか?

 

(中瀬)
 社会実験イベントも実施されていますが、「色んな行事の蓄積を誰がする?」ということを考えたことがあるでしょうか。しっかりと市民団体の方々がデータベース化されるというのがまず第一歩ではないかと思います。そうすると「こんなことをかつてやりましたよ」ということを行政の方にお伝えできます。やっぱり前例があるということは、すごい良い成果です。「この公園ではこういうことができましたよ」ということを、ちゃんと行政の担当の方にお知らせすることができたら、担当の方も安心します。そういうことをうまく積み重ねていけるといいですね。

パネルディスカッションの様子

まとめ

(井澤)
 最後に、今日のテーマである「公園を楽しくなる場所に」ということについて、これからどうしていったらいいのか、コメントをいただきたいと思います。

 

(海野)
 名城公園でコミュニティの場、そういう場が作れたらなと思います。更に、ビアガーデンができたらいいな、と。周辺の商店街からも名城公園に出店してもらって、コラボレーションができたら地域全体も活性化するんじゃないかなと思います。

 

(西村)
 今日は名城公園という非常に大きな公園の話が中心でしたが、公園の規模等によって来園者の層が違うと思います。当然、名城公園のような大きな公園で、今回のワークショップやイベントのように新しい事例をつくって、そこで運営者側も経験を積んでいくことも必要だと思います。

 しかし、その人達が大きな公園だけで活動するのではなくて、ぜひ地域の小さな公園にも足をのばす、あるいは、逆に地域の公園を拠点にしてほしいと思います。そうすることで、ゆくゆくは名古屋市全体の公園が楽しくなるのではないでしょうか。市民が使う、利用できる、そういう場所になると思いますので、新しい事例の積み重ねと、裾野を広げていくということを、行政と市民と一緒に進めていけたらいいのかなと思います。

 

(水野)
 今日の話を聞いて、何か催しをやらないといけないのではと受け止められた方もいるかもしれませんが、そうではありません。普段活動されていることで、「こんなことできないのかな」と思われることや、「これは本当にダメなんでしょうか?」ということでも結構ですので、ぜひ私ども、あるいは身近の土木事務所にご相談をいただきたいと思います。若い方も会場におられますので、「こんな遊びを公園でできないかな」という気持ちがあれば、お声がけをしていただけるとありがたいです。

 

(中瀬)
 結論申し上げますと、今日の海野さん西村さんのような方々の組織が中間支援機能、中間支援の組織として、行政と市民の間を繋いでいただく、このような機能がものすごく大事になってくるというのが一つ。

 もう一つは、公園と大学、公園とビアガーデン、公園と商店街、公園とコンビニ、公園と花屋、公園と皆さん方がずっとやっている市民活動、これの連携をしっかりとやりましょうということ。いろんな施設と公園が連携することによって、より活性化してきて皆さん方が活躍されるということが大事だと思いました。

 

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