西区将来ビジョン2023 計画期間:令和2年度〜5年度 名古屋市西区役所 目  次 〜西区の皆さまへ〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 西区将来ビジョンとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 西区のすがた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2   あゆみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2   特色と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3   区民の皆さまが求めること・・・・・・・・・・・・・・・・5 めざすべき将来像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5          まちの姿 T 安心・安全で快適なまち・・・・・・・・・・・・ 6 まちの姿 U 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち・・・・・14 まちの姿 V 魅力・活気にあふれるまち・・・・・・・・・・・24 W 区政運営の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 01 〜西区の皆さまへ〜  日頃は区政運営にご理解とご協力をいただき、まことにありがとうございます。  このたび、中長期にわたる西区のめざすべき姿を区民の皆さまにお示しするため、 『西区将来ビジョン2023』を策定いたしました。  このビジョンは、「も〜やっこ」を合言葉に、元気で住みよい西区をめざすこと を基本方針に掲げ、区民の皆さまの西区への想いをお聴きしながら、施策の方向性 をまとめたものです。  西区は地域の結びつきが強く、ものづくり文化や歴史的資源に恵まれている一方 で、20年前の東海豪雨の際に甚大な被害を受けた経験もあります。これらを踏まえ て、地域の魅力向上や情報発信を進めるとともに、地域防災力をより一層高めるた めの施策を展開してまいります。  また、非常時にあっても区役所機能を維持し、業務が継続できるよう危機管理体 制の充実につとめていきたいと考えております。  希望に満ちた未来に向かって、いいことも、困ったことも、みんなで分かち合い、 助け合う「も〜やっこ」の精神で、ともに素晴らしい西区を築いていきましょう。 令和2年5月 西区長 梅田 淳 西区将来ビジョンとは  将来ビジョンとは、平成29年3月に名古屋市が策定した「区のあり方基本方針」に 基づき、区を取り巻く社会状況の変化を踏まえ、めざすべき区の姿を明らかにすると ともに、その実現に向けた中長期の取り組みを体系化したもので、名古屋市総合計画 2023の個別計画に位置付けられるものです。  計画期間は令和 2年度〜 5年度の4年間となっており、策定後は、毎年度区民会議 等において意見聴取をしながら、西区も〜やっこ計画において進捗管理を行っていき ます。 02 西区のすがた あゆみ 〜西区のまち形成の礎〜 清洲越し  西区のまちの礎は、1610(慶長15)年のいわゆる「清洲越し」まで遡ります。 この「清洲越し」は、名古屋城築城にあたり、人口7万人と推定される清洲の城下町を そのまま移すという、日本歴史上かつてない出来事でした。  城下町の生活物資を運ぶ堀川や、東海道と中山道を結ぶ美濃路がこのエリアを通過し ていたため、沿川・沿道には盛り場や門前町などの町人地が形成され、また、ものづ くり文化(職人の技と伝統産業)が育まれるなど、現在の西区の町並みの基礎がこの頃 できたといわれています。 〜名古屋市誕生後の西区〜 ● 明治41年4月1日  市域を 4つに分割する「4区制」の実施により、  最初の「区」の1つとして西区誕生  *当時の人口 91,057人 ● 昭和30年10月1日  西春日井郡山田村を合併  *当時の支所管内の人口 7,467人 ● 平成20年4月1日  区制100周年  *当時の人口 143,964人 ● 平成27年10月1日  支所60周年    *当時の支所管内の人口 60,323人 ● 平成30年4月1日  区制110周年  *当時の人口 149,830人 西区の人口の推移 全人口  最高値 S45年 172,677人 旧区人口 最高値 S40年 139,772人 支所人口 最高値 H30年 61,067人 【参考資料】 ・西区の世帯数と人口 .令和元年人口動向調査. 〜現在の西区〜 面積や人口など、市内16区の中で平均的な区に なっています。(令和元年10月 1日現在)                ● 面 積 17.93ku    9位    ● 世帯数 73,638世帯   8位      ● 人 口 150,480人   8位  また、今後の人口は令和 10年をピークに減少に 転ずると見込まれています。 西区の将来人口推計 ピーク R10年 約151,500人 【参考資料】 ・名古屋市将来人口推計(平成30年10月 1日時点) 03 特色と課題 地域の結びつき  西区は、地域の結びつきが強く、また、地域の皆さまが指導者やボランティアとして 積極的に携わっていただいていることもあり、子ども会の活動者数や、高齢者サロンの 数が多く、活動も活発です。これからも地域の結びつきを大切に、温かい区づくりを進 めていきたいと考えています。 ものづくり文化  西区は、清洲越し以来の「名古屋扇子」「和凧」「名古屋友禅」などの伝統工芸が受 け継がれています。この「ものづくり文化」が今も継承されており、製造業の事業所数 は16区中3位となっています。  製造業の中でも「食品製造」「繊維」「皮革製品」「プラスチック製品」「印刷業」 の事業所数は16区中1位です。  区の特色である「ものづくり文化」を、今後も大切にしていきたいと考えています。 (名古屋市 平成28年 経済センサス -活動調査(確報)産業別集計「製造業」より) 歴史と未来  西区のすぐ南隣の名古屋駅周辺は、令和9年のリニア中央新幹線の開業に向けて次々と 高層ビルが建設されており、開発の波は西区の南部にも及んでいます。しかし、一筋道 を入ると「四間道」や「美濃路」など江戸期の貴重な建物が残る町並みや、随所に見ら れる「屋根神さま」など、歴史を今に伝える文化に恵まれた地域です。  また、「七夕まつり」や「パリ祭」などの取り組みで元気な円頓寺をはじめとする商 店街のみならず、大型ショッピングモールも数多く進出しています。  このように、西区は歴史的資源と最先端の開発エリアが同居するまさに「歴史と未来 が共存するまち」といえます。 04 利便性と快適性  西区は、市バス・地下鉄等の公共交通網が発達し、高速道路をはじめとする幹線道路 も縦横に走る、交通の便の大変よい、便利で活気のある地域です。  その一方で、庄内緑地公園や洗堰緑地など多くの公園や緑もあり、自然豊かで快適な 環境に恵まれています。 災害に強いまちづくり  西区は、庄内川・新川が区内を横切り、東海豪雨をはじめ大きな水害に見舞われて おり、自然災害に対する備えが重要となっています。  この東海豪雨は、平成12年9月11日から12日にかけて、当時発生した台風14 号と停滞していた秋雨前線によって、この地域に記録的な豪雨が襲った自然災害です。 1時間当たりの最大雨量は 93mmを記録。翌12日までの総雨量は、年間総雨量の3分の1に 及ぶ 567mmを観測しました。西区の大部分に避難勧告が出され、ボートで救出された住 民1,637名、多くの被災者が学校の体育館等での避難所生活を余儀なくされるなど、伊勢 湾台風以来の大水害となりました。  この東海豪雨という未曽有の経験した区民の皆さまが、その経験から「災害に強いま ち」をめざすことが西区にとってとても大きな課題だという強い意識を持たれているこ とから、将来ビジョンにおいて、この施策をいちばん最初に掲げています。 05  区民の皆さまが求めること  平成30年10月、将来ビジョン策定に向け、区民の皆さまの多様化するニーズを 把握するため、無作為抽出した区内在住2,000人の方にご協力をお願いし、アンケート を実施しました。結果、942人の方から貴重なご意見をお伺いしました。 《今後さらに力を入れてほしい行政の取り組み》 多かった具体的なご意見は・・・ @安心・安全・快適 ●災害対策の充実したまちに ●防犯カメラの設置等で、犯罪のないまちに ●便利だけど、自然も豊かなまちに A福祉・健康 ●子どもがたくさんいて、子育てしやすいまちに ●高齢者や障害者が孤立しないまちに Bまちのにぎわい ●古きよき町並みや面影を残しつつ、それを活かしたまちに ●名古屋駅に近いことを活かしたにぎわいのあるまちに 災害に強いまちづくり 58.7% 犯罪・交通事故のないまちづくり 53.5% きれいで住みやすい快適なまちづくり (ごみの適正排出、空家・空地対策など) 35.1% 高齢者にやさしいまちづくり 30.4% 健康でいきいきと暮らすことの      できるまちづくり 23.8% 子育てのしやすいまちづくり      23.4%     青少年の非行や犯罪のない、 元気で明るいまちづくり        15.5% 障害者にやさしいまちづくり 9.4% 地域の歴史・文化・特色を活かした 魅力の向上・発信 7.9% にぎわい、ふれあい、交流づくり (区民おまつり広場等の開催など) 7.6% 地域主体のまちづくり (町内会等の地域活動の推進など) 3.8% 区民サービスの向上 (区役所等におけるフロアサービス・ 待合スペースの充実など) 3.8% 広報・広聴活動の充実 1.7% その他 4.1% 特にない 1.1% 無回答 0.5% 回答者数=942名 めざすべき将来像  以上のような、西区の特色や、区民の皆さまの想いをもとに、西区のめざすべき将来像 として、3つのまちの姿を掲げました。また、それらのまちの姿の実現を下支えするため の区政運営の取り組みと合わせ、将来ビジョンを構成しています。 基本方針:「も〜やっこ」を合言葉に、元気で住みよい西区をめざします T 安心・安全で快適なまち U 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち V 魅力・活気にあふれるまち W 区政運営の取り組み 06 施策展開の方向性 まちの姿TOne 安心・安全で快適なまち T−1 地域防災力の向上地域防災力の向上を支援します 現在の課題  南海トラフ巨大地震などに備え、地域防災力をより一層高める必要があります。  特に東海豪雨からすでに20年が経ち、全国でも豪雨災害が頻発する近年の状況を踏ま え、区民の皆さまの防災意識を高めていくことが重要です。  めざすべき姿  各人の自助、地域の共助にかかる取り組みを支援するとともに、区民の皆さまや事業者 と行政、さらに行政の各機関、各部署の連携体制を強化することで、災害に強いまちをめ ざします。    成果指標 1 備蓄、家具固定など自主的な防災対策を行っている区民の割合    【現状値(平成30年度)】:51.9% 【目標値(令和5年度)】:100% 2 災害発生時に近隣住民とともに救出救護などの「助け合い」を行おうと思う区民の   割合    【現状値(平成30年度)】:92.1% 【目標値(令和5年度)】:95% 07 具体的な施策  総務課、西消防署、西土木事務所 地域防災力の向上  広報なごやのほか、総合水防訓練や総合防災訓練等において、備蓄品の確保や家具固 定、避難所の確認などの自主的な防災対策について広く周知するとともに、消防署と連 携して、戸別訪問や家具固定ボランティアの養成・派遣事業に取り組むことにより、自 助力の向上につとめます。  また、地区防災カルテを活用した防災活動の推進や自主防災組織の育成、「助け合い の仕組みづくり」の推進に取り組むことにより、共助力の向上にもつとめます。 災害対応力の向上  西区の災害リスクに応じた本部機能強化訓練や、区内中学校での医療救護所設置訓練 を継続して行うほか、被災対応にあたった自治体へのヒアリング等を実施することによ り、職員の災害対応体制や関係機関との連携を強化するとともに、災害対応にかかるノ ウハウの蓄積をめざします。  また、災害ボランティアセンターの設置・運営訓練を行うことにより、社会福祉協議 会のほか、災害ボランティア団体やNPOなど被災地支援に精通する団体との連携を強 化し、災害対応力の向上に取り組みます。 風水害時の自主避難について  自主避難とは「避難準備・高齢者等避難開始(警戒レベル3)」「避難勧告(警戒レベ ル4)」「避難指示(緊急)(警戒レベル4)」等の避難情報が発令される前に自主的に 避難することです。下のフロー図を参考に、いざと言う場合に備えましょう。 大雨警報・暴風警報発令 台風接近 自宅にとどまると命を守れない可能性がある はいの場合 近くの指定緊急避難場所(小学校等)の開設状況を確認する 西区役所に電話をし、開設状況を確認してください TEL 523-4511〜4515 指定避難場所の開設状況 開設済の場合 自主避難 非常持出品等を持ち、外出時には風雨に十分注意し避難をしてください 未開設の場合 区役所からの避難所開設の連絡後、自主避難する 区役所から避難所開設の連絡がくるまで、そのまま自宅などで待機してください 自宅にとどまると命を守れない可能性がある いいえの場合 自宅などにとどまる その場合でも周囲の状況、行政からの情報などに十分注意してください 08 施策展開の方向性 まちの姿TOne 安心・安全で快適なまち T−2 犯罪・交通事故のないまちづくりにつとめます 現在の課題  自転車盗、車上狙い等の犯罪のほか、特殊詐欺被害も多くなっています。また、近年は 自転車による交通事故も多発しています。   西区内の特殊詐欺の認知件数と被害総額 平成27年 認知件数 33件 被害総額 5,570万円 備  考 認知件数市内ワースト3位 平成28年 認知件数 50件 被害総額 9,497万円 備  考 認知件数市内ワースト1位 平成29年 認知件数 25件 被害総額 8,030万円 備  考 被害総額市内ワースト1位 平成30年 認知件数 23件 被害総額 2,679万円 備  考 認知件数市内ワースト4位 めざすべき姿  地域における防犯力の向上、防犯意識の高揚に取り組むとともに、より一層の交通安全 の広報・啓発活動を実施することで、犯罪・交通事故のないまちをめざします。                 成果指標 1 犯罪や交通事故が少なく安心して暮らせると思う区民の割合    【現状値(平成30年度)】:70.2% 【目標値(令和5年度)】:75% 2 区内年間交通事故死者数    【現状値(平成30年)】:4人 【目標値(令和5年)】:0人 09 具体的な施策  地域力推進室 生活安全運動の推進  「犯罪のないまち」をめざし、地域の防犯力の向上・防犯意識の高揚をはかるため、 防犯カメラの設置助成、防犯灯のLED化助成等により防犯活動を支援し、防犯講座 や防犯パトロール、防犯キャンペーン等を実施します。 犯罪状況や最新防犯情報発信の促進  特殊詐欺、住宅侵入盗などの被害情報や犯罪抑止に効果的な防犯グッズなどを警察 署はじめ関係機関から情報収集し、迅速に地域住民に対し情報発信し、防犯意識の醸 成・高揚させることで地域防犯力が高まるよう促します。 振り込め詐欺・還付金詐欺被害防止啓発事業  地域、区役所、警察署、事業所が緊密に連携し、警察署からの被害情報・被害防止 対策等を共有し、銀行・大型商業施設や高齢者の集まる機会を捉え、被害防止の啓発 を実施します。 交通安全運動の推進  交通安全意識の醸成・高揚をはかるため、西警察署や地域、事業所と連携・協働した 交通安全市民運動を実施するとともに、地域の交通安全活動(自転車教室など)の支援、 高齢者の集まる機会を捉え、交通安全や自転車の安全利用等の啓発を実施します。 自転車安全利用・マナーアップの促進  西区の地形は平坦であることから交通手段としての自転車利用者が非常に多いため、 自転車関連事故防止の実現に向け、西警察署や地域、事業所と連携・協働し、自転車 安全利用・マナーアップを促進するための広報・啓発を実施します。 10 施策展開の方向性 まちの姿TOne 安心・安全で快適なまち T−3 快適に暮らすことができるまちづくりを進めます 現在の課題  平成11年のごみ非常事態宣言後に減少したごみ量も、近年では横ばいとなっています。 また、適正管理されていない空家・空地に関する相談・通報件数が増加しています。  西区で受け付けた空家の相談・通報件数 平成26年  29件 平成27年  47件 平成28年  34件 平成29年  57件 平成30年  83件 めざすべき姿  よりよい環境づくりに向けて、ごみ量の削減に取り組み、地域との協働のもと、環境 美化活動を推進することにより、快適に暮らすことができるまちをめざします。                  成果指標 1 ごみの排出が適正に行われるなど、きれいで快適なまちだと思う区民の割合       【現状値(平成30年度)】:83.2% 【目標値(令和5年度)】:90% 11 具体的な施策  地域力推進室、健康安全課、公害対策室、西環境事業所、西土木事務所 住みよいまちづくりの推進  地域、事業者及び行政が一体となり清潔で、美しく、住みよい快適なまちづくりの 実現をめざし、全市一斉クリーンキャンペーン活動、犬猫による危害・迷惑行為防止 対策の実施や花いっぱい運動等を推進します。 適正な自転車駐車の推進  歩行者や自転車に配慮した安全で快適な道路環境づくりの実現に向け、放置自転車等の 撤去等を実施します。 ごみの適正排出  循環型都市をめざすために、容器包装や食品ロスの削減の推進、ごみの減量につながる 分別・リサイクルについての啓発・周知を行い、3Rの取り組みを進めます。 緑に親しめる環境づくり  公園などの魅力と価値を最大限に引き出すことで、より多くの地域住民が利活用できる よう、地域連携などによる公園管理を推進し、緑に親しめる環境づくりを実施します。 空家等対策の推進  空家等の適切な管理の推進及び利活用を促進するため、関係機関と連携し、 所有者等に対し適切な管理につとめるよう促すとともに、空き家総合相談窓口を案内した パンフレットをはじめとした情報提供等を実施します。 12 施策展開の方向性 まちの姿TOne 安心・安全で快適なまち T−4 地域主体の地域主体のまちづくりを進めます 現在の課題  少子高齢化・単身世帯の増加により、地域のつながりの希薄化及び地域団体の担い手 不足が深刻化しており、地域力の低下が懸念されています。 めざすべき姿  町内会・子ども会・女性会・老人クラブなど地域団体の活動の活性化を支援すること により、自らの地域に愛着を持ち、地域住民同士が支え合うことのできるまちをめざし ます。     成果指標 1 町内会などによる地域活動が大切だと思う区民の割合     【現状値(平成30年度)】:80.1% 【目標値(令和5年度)】:85% 13 具体的な施策  地域力推進室、福祉課 地域コミュニティ活性化の推進  若い世代をはじめとする誰もが地域活動に参加し活躍できるよう町内会・自治会の 加入を促進するとともに、コミュニティサポーターを派遣するなど町内会・自治会等 の地域団体やボランティア団体の活動を支援します。 まちづくり活動の推進  学区連絡協議会などが実施する地域活動に対し助成を行うとともに、地域・事業者・ 関係機関と緊密に連携し、防犯パトロール、清掃活動などをはじめとするまちづくり活 動を実施します。 地域共生社会の促進  地域の繋がりが希薄化する状況の中、少子高齢化、さまざまな問題を抱え孤立した 世帯の増加、災害時の要配慮者の救済などをはじめとする地域課題に対し、地域・関 係機関と緊密に連携し(地域包括ケアシステム、助け合いの仕組みづくりなど)、地 域でともに支えあい助け合う社会の実現に向けた活動を促進します。 も〜やっコラム 誰もが住みよいまちづくりのために  皆さまがお住まいの地域では、お祭りや盆踊り・運動会などの住民交流行事をはじ め、交通安全や防犯・防災に関する活動、公園の清掃などの環境美化活動、高齢者の 見守り活動など、さまざまな活動が行われています。  そういった活動を活性化し、「地域主体のまちづくり」を進めるため、区民・事業 者の皆さまと恊働して、さまざまな取り組みを推進していきます。 14 施策展開の方向性 まちの姿UTwo 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち U−1 子育て支援を一層進めます 現在の課題  核家族化や地域のつながりの希薄化が進む中で、周りから子育ての協力が得られに くくなっており、子育てに対する負担感、不安感、そして孤立感が増加しています。 めざすべき姿  必要な情報の提供や相談体制の充実をはかるなど、子育て世帯が大きな不安や負担 を感じることなく、安心して子育てすることができるまちをめざします。                    成果指標 1 子育てしやすいまちだと思う区民の割合    【現状値(平成30年度)】:63.4% 【目標値(令和5年度)】:83% 2 子育て世帯における「にしっこひろば“もこもこ”」の認知度    【現状値(令和元年度)】:54% 【目標値(令和5年度)】:70% にしっこひろば“もこもこ”の年度ごとの開催回数と総参加者数 平成30年度 開催回数111回  総参加者数12,600人        内訳(保護者6,095人・子ども6,505人) 平成29年度 開催回数104回  総参加者数12,689人        内訳(保護者6,090人・子ども6,599人) 平成28年度 開催回数110回  総参加者数15,601人        内訳(保護者7,452人・子ども8,149人) 平成27年度 開催回数107回  総参加者数14,443人        内訳(保護者6,898人・子ども7,545人) 平成26年度 開催回数108回  総参加者数14,811人        内訳(保護者7,144人・子ども7,667人)   平成25年度 開催回数109回  総参加者数14,462人        内訳(保護者6,957人・子ども7,505人) 15 具体的な施策  民生子ども課、保健予防課、社会福祉協議会 妊娠期からの切れ目のない子育て支援の推進 全ての妊婦の皆さまが、不安なく妊娠・出産期を過ごし、安心して子どもを産み育て られるよう子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)において、妊娠や出産、 子育てに関する必要な情報提供や助言相談を行います。 地域ぐるみでの子育て交流・子育て支援の促進  「にしっこひろば“もこもこ”」をはじめ、西区の子育てサロンを充実させていきま す。  また、子育て支援機関等との連携・協力を深めるとともに、地域の子育て支援をさら に盛り上げるため、子育て支援機関等が相互に日頃の活動状況を共有し、これからの西 区の子育て支援活動の展開を考える場をつくります。 子育て世帯の不安感の軽減・子育て情報の発信  子育てに関する支援マップなどが掲載されている子育て情報誌の発行・配布をはじめ、 ツイッター、ウェブサイト、なごや子育てアプリ「NAGOMiii(なごみー)」等を活用 し、子育て世代に必要な情報を積極的に発信していきます。  また、保育所等の利用を希望する保護者に対し、出張相談を行うなど、保護者に寄り 添った情報の提供につとめていきます。   積極的な待機児童対策の推進  引き続き、保育所等利用待機児童ゼロの維持に取り組みます。 16 施策展開の方向性 まちの姿UTwo 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち U−2 青少年の健全な育成をはかります 現在の課題  スマートフォンなどの普及により、青少年が有害情報に接する機会やトラブルに 巻き込まれる危険性が増加しています。  その一方で、地域のつながりの希薄化が進み、青少年の見守り体制の脆弱化が 懸念されています。 めざすべき姿  青少年が学習やスポーツ活動に参加する機会を増やすとともに、地域と連携した 見守り体制の強化をはかることで、健全な青少年が育まれるまちをめざします。  成果指標 1 青少年の健全育成に望ましい環境づくりが行われていると思う区民の割合    【現状値(平成30年度)】:56.0% 【目標値(令和5年度)】:60% 17 具体的な施策  地域力推進室、民生子ども課 有害環境の浄化活動の推進  子どもたちの間で急速に広がるスマートフォンについて、有害な情報やいじめ、 プライバシーの侵害等のトラブルから青少年を守るための講習会を、新しい情報を 取り入れながら効果的な方法で実施します。  また、支援の必要な子育て世帯に対しては、関係機関と連携し支援を推進してい きます。 青少年参加事業の実施  子どもの健全な心を育むための木工、いけばなをはじめとする各種体験教室及び 家族や友人、地域でのふれあいづくりを目的とした映画会を、開催内容を工夫し 実施します。  また、各種スポーツ大会等において、青少年が参加し、運営等に携わることにより、 自立や成長を支援します。 青少年育成地域活動の推進  地域における登校時、下校時の声かけをはじめとする地域世話やき活動を推進すると ともに、PTAなどの各種団体と連携したパトロール、啓発キャンペーンなどを実施する ことで、地域の見守り活動を促進します。 も〜やっコラム  青少年を守るパトロールについて  児童にとって危険・有害な環境の総点検を行うため、PTA、学区連絡協議会、教員、 関係官公署等がより良い環境づくりを促進する「PTAパトロール」を実施しています。 また、地域においては、日頃から、児童生徒の登下校時の見守りや声かけ、パトロー ル等を行う「地域世話やき活動」のほか、保護司会・少年補導委員会等によるパトロ ール、キャンペーン等が実施されています。 18 施策展開の方向性 まちの姿UTwo 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち U−3 健康づくり・生きがいづくりを進めます 現在の課題  「スポーツ、文化、学習などの生涯学習活動を行ったことがある」という方の割合は 4割程度であり、しかも減少傾向にあります。  そして、高齢化の進展と相まって、地域で支援や介護を必要とする方が増加しています。 めざすべき姿  「健康づくり」や「生きがいづくり」を目的とした生涯学習活動が盛んで、健康寿命が 延伸されるようなまちをめざします。             成果指標 1 「健康づくり」や「生きがいづくり」のために、自主的に健康・スポーツ・文化・   学習活動に取り組んでいる区民の割合      【現状値(平成30年度)】:41.7% 【目標値(令和5年度)】:45% 19  具体的な施策  地域力推進室、保健予防課 生涯学習の機会の提供  区民美術展等の開催内容を工夫し、効果的に広報することで、区民の皆さまが日頃の 活動の成果を発表する有意義な機会とし、生涯学習活動の促進をはかります。 生涯スポーツの機会の提供  各種スポーツ大会等を実施することで、区民の皆さまが気軽にスポーツができる機会 を提供するとともに効果的な広報につとめることで、その参加を促進します。  また、西区ジョギング・ウオーキング大会を開催することで、区民の皆さまや家族の 連帯感を養い、楽しみながらスポーツができる機会を提供します。 健康づくりや健診の受診勧奨の推進  生活習慣病の予防や健康寿命の延伸をめざし、区民の皆さまに自主的な健康づくり への取り組みや健診の受診勧奨を推進していきます。  また、区民の皆さまの生活の場へ出向き、出張健康相談などを実施します。 一般介護予防事業の地域への展開  保健センターの保健師・管理栄養士・歯科衛生士などの専門職が、いきいき支援セン ターなどの関係機関と連携をとり、特性や課題に応じた事業を地域へ出向き、展開しま す。 20 施策展開の方向性 まちの姿UTwo 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち U−4 高齢者にやさしいまちをめざします。 現在の課題  高齢化が急速に進む中で、高齢者が安心して暮らすことができる環境が整っていない 状況にあります。  また、認知症に対する正しい理解が浸透しておらず、認知症当事者、家族に向けたさ らなる支援が必要です。 めざすべき姿  地域で支え合い、高齢者が安心して暮らすことができるまち、認知症の方も最後まで 自分らしく生きることができるまちをめざします。  成果指標 1 高齢者が安心して暮らせるまちだと感じる区民の割合    【現状値(平成30年度)】:68.8% 【目標値(令和5年度)】:80% 2 認知症サポーター制度の認知度    【現状値(平成30年度)】:36.9% 【目標値(令和5年度)】:50% 21 具体的な施策  福祉課、保健予防課、社会福祉協議会 地域包括ケアシステムの学区レベルでの具体化  高齢者が地域で安心して暮らせる仕組みである地域包括ケアシステムを学区レベルで 具体化していきます。まず、「も〜やっこ・あんしんバトン」(救急医療情報キット) を65歳以上のひとり暮らしの高齢者などに、民生委員を通じて継続して配付します。救 急時などにおける迅速かつ的確な対応、ひとり暮らし高齢者の方などの生活状況の把握 につなげます。さらに、学区のさまざまな見守り活動(区政協力委員、民生委員等)の 連携を強化し、見守りネットワークの構築をめざしていきます。そのために、地域団体 役員などの連携を促す地域包括ケア推進研修会の開催などを行っていきます。また、学 区での地域住民の具体的な活動(生活支援事業など)の立ち上げなどの支援を行ってい きます。 西区独自の認知症施策の推進  西区では、独自の認知症施策として、認知症当事者同士、その家族同士の相談窓口 「おれんじドア も〜やっこなごや」を平成29年6月から毎月1回開催しています。 「認知症になっても安心をも〜やっこできるまち・西区」の実現をめざし、毎年、3月 9日までの1か月間を「西区おもいやりのまち宣言推進月間」と定め、楽しく正しく認 知症を理解することを目的とする「認知症も〜やっこフェスティバル」の開催などを 通じて、宣言の精神を再確認し、認知症の方に対する「おもいやりのあるまち」を醸 成していきます。 22 施策展開の方向性 まちの姿UTwo 誰もがいきいきと暮らし、支え合うまち U−5 障害者にやさしいまちをめざします 現在の課題  地域社会における障害者への理解が十分深まっていないため、就労など障害者が 社会参加できる環境が整っていない状況にあります。 めざすべき姿  障害者が生きがいを持って就労できるよう支援し、障害者が安心して自分らしく 自立した生活を送ることができるまちをめざします。                  成果指標 1 障害のある方への理解が進んでいるまちだと感じる区民の割合    【現状値(平成30年度)】:46.6% 【目標値(令和5年度)】:60% 23 具体的な施策  福祉課、保健予防課、社会福祉協議会 障害福祉に対する理解の促進  障害がある人もない人も地域で安心して暮らしていけるよう、さまざまな啓発活動を 通して障害者に対する偏見や差別の解消をはかります。また、地域にお住まいの方と障 害のある方、障害福祉に関わる方との交流の機会をつくり、障害福祉への関心の醸成を はかります。 障害者の社会参加の促進  障害者が地域において自立した生活ができるよう、区役所も〜やっこ広場での授産製 品の販売など障害者の特性や状態等に応じた就労支援を進め、障害者の就労を促進して いきます。また、防災訓練をはじめとした地域行事への参加などにより、障害者の社会 参加を促進します。 24 施策展開の方向性 まちの姿VThree 魅力・活気にあふれるまち V−1 地域の魅力向上、地域の魅力向上、魅力発信を進めます 現在の課題  西区には城下町の歴史をしのぶことができる多くの文化財が残っていますが、幅広い 世代の方が学び体験できる機会が不足しています。  また、リニア中央新幹線開業など人の流れに大きく影響する事業が予定されており、 地域の特性を活かしたにぎわいづくりが急務となっています。 西区関連事業(予定も含む) 平成29年度  金シャチ横丁 開業 平成30年度  名古屋城本丸御殿 全面公開 令和3年度   東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催          ノリタケ工場跡地開発(大規模商業施設等の整備) 令和8年度   第20回アジア競技大会 開催 令和9年度   リニア中央新幹線 開業 めざすべき姿  名古屋駅及び名古屋城に近いという利点を最大限活かす仕掛けづくりを行うことで、 地域の魅力を向上させ、多くの来訪者を呼び込み、地域を活性化させるとともに、区 民の皆さまにとって愛着と誇りのあるまちにすることをめざします。 成果指標 1 地域の歴史・文化・特色を活かした魅力あるまちだと感じる区民の割合    【現状値(平成30年度)】:48.6% 【目標値(令和5年度)】:50% 25 具体的な施策  地域力推進室 地域魅力の向上及び情報発信の推進  歴史的な町並み・貴重な文化財・緑豊かな自然や堀川等の地域資源を活かした地域 魅力の向上や積極的な情報発信を推進します。具体的な事業としては、街道整備、もの づくり体験・まち歩き等の催事の開催、地域魅力を紹介するマップの作成・配架等を実 施します。 国内外からの誘客促進  名古屋駅と名古屋城の中間に位置する四間道・那古野地区をはじめ、魅力ある地域資 源を、SNS等の媒体を活用し国内外の来訪者に向けて情報発信を行います。 区民の皆さまによる魅力発信の促進  まちへの愛着や誇りを高めることで、区民の皆さまによる西区の魅力発信を促進します。 26 施策展開の方向性 まちの姿VThree 魅力・活気にあふれるまち V−2 にぎわい、ふれあい、交流づくりを進めます 現在の課題  地域のつながりの希薄化、個人の価値観やライフスタイルの多様化が進む中で、各世 代がつながり、地域が互いに交流することのできる機会が少なくなっています。 めざすべき姿  地域、事業者、関係団体等と連携し、幅広い年代の方が気軽に参加できる場を創出し、 区民相互の連帯感を養うとともに、地域間の交流もはかることで、連帯感と活気があふ れるまちをめざします。 成果指標 1 区民おまつり広場に行ってみたいと思う区民の割合    【現状値(平成30年度)】:42.7% 【目標値(令和5年度)】:50% 27 具体的な施策  地域力推進室、社会福祉協議会 区民相互のふれあいの場の創出と地域魅力の発信  地域のさまざまな主体と一緒に企画・運営する「区民おまつり広場」、お菓子のまち としての魅力を発信する「も〜やっこお菓子まつり」、地域福祉のネットワークづくり のきっかけとなる「福祉ふれあい」を開催します。  また、区民相互及び家族の連帯感を養うとともに、地域の活性化をはかる「西区ジョ ギング・ウオーキング大会」(再掲)などを開催します。 も〜やっコラム 区民おまつり広場 地域の皆さまと一緒に盛り上げます! 大人気の青空フリーマーケットは区民の皆さまが主役です! おまつりのオープニングは元気いっぱいの子ども神輿! 子どもたちが夢中で描いたお絵かきバス 自分の作品をまちなかで見つけられるかも? 28 施策展開の方向性 まちの姿WFour 区政運営の取り組み W区政運営の取り組み 現在の課題  区役所は、区民の皆さまに最も身近な行政機関として、親切でわかりやすく、利便性 の高い行政サービスを提供することが求められています。  また、区民の皆さまが区政の情報を入手しやすいよう情報提供を効果的に行うことも 必要です。 めざすべき姿  行政手続きが迅速かつわかりやすく行われるとともに、区民の皆さまに信頼され親し まれる区役所となるようにつとめます。  成果指標 1 西区役所にお越しになるすべての区民の皆さまに満足していただける窓口サービス   の充実に取り組みます。 2 区政に関して知りたい情報が得られていると思う区民の割合     【現状値(平成30年度)】:52.4% 【目標値(令和5年度)】:60% 3 窓口等での事務処理誤りゼロをめざします。特に、個人情報の漏洩防止に向けた区   職員の意識向上に取り組みます。   29 具体的な施策  総務課、地域力推進室 区民サービスの向上  来庁者が快適かつ迅速に手続きを行えるよう、庁舎の案内や混雑時の誘導、窓口案内 及び記載指導など、区役所・支所のフロアサービスを充実させます。  また、来庁された方がスムーズに手続きや相談ができるように、区職員の対応能力を 高めるとともに、ますます複雑化する業務にも適切に対応できるように、区職員の事務 処理能力を高める研修を実施し、さらなる区民サービスの向上につとめます。 庁舎内環境の充実  待合スペースやキッズコーナーなど庁舎内の整備を進め、区民の皆さまが利用しやすい 庁舎内環境をめざします。  また、も〜やっこ広場を充実させ、区民の皆さまに区の取り組み、区民作品の展示、 催事等についての積極的な情報発信や啓発を実施します。 積極的な情報発信  多様な広報媒体を活用することにより、行政として区民の皆さまに伝えるべき情報を 積極的に発信します。  また、SNS等の新しい媒体における双方向的なコミュニケーション機能を活用し、区民 の皆さまの意見・関心の収集につとめます。 感染症の流行等非常時における区役所機能の維持  感染症の流行等により区役所職員の一部が出勤困難な事態に陥った場合でも、感染者 が発生していない部署から応援をまわすなどして必要な区役所機能を維持し、区民サー ビスの低下を最小限にとどめるようつとめます。 ●区のシンボルマーク  英語の西=WESTの頭文字Wをデザイン化し、丸の連なりで区民の連帯を象徴し、一丸 となって豊かな明日をひらくエネルギーを表現したものです。  (昭和63年1月制定) ● 区の木 やなぎ  細い枝が長くしだれるシダレヤナギは、中国原産の落葉高木です。奈良時代に渡来し たといわれ、葉が風に揺れる姿は趣があります。       (昭和47年9月制定) ● 区の花 さくらそう  山野の湿原に群生し、春に紅紫色の花を開く多年草です。また、プリムラと呼ばれる 外国種のサクラソウは、花期が冬から春、花色も豊富です。    (昭和63年1月制定) 発行・編集 / 西区役所区政部企画経理室        〒451-8508 名古屋市西区花の木二丁目18番1号 電話 /(052)523-4642 FAX(052)522-5069 Eメール /a5234642@nishi.city.nagoya.lg.jp ホームページ /http://www.city.nagoya.jp/nishi/   発行年月/令和2年5月 この印刷物は、古紙パルプを含む再生紙を使用しています。