高校生が考えるミナトグルメと洋菓子店「ブローニュの森」のコラボ
ページID:86136
名古屋市港区役所 電話番号:052-651-3251(代表) 南陽支所 電話番号:052-301-8118 所在地、地図
ミナトグルメプロジェクトが立ちあがったのは、2014年の夏。
かねてから、魅力発信チーム(港区役所まちづくり推進室※現・地域力推進室と港生涯学習センターの職員から構成されるチーム。若手中心。)の打ち合わせで、「食」に関する新事業をやりたいね、という声が上がっていました。いろいろと考えた結果、グルメ制作と自律的活動の素地づくりの両面から効果が見込まれる事業として構想検討を行うこととなりました。
このプロジェクトは、港区内の魅力として、まだまだ認知度が低い「南陽産農作物」を発信するにあたって、「五感(味覚)で感じることができ、どこへでも持ち運ぶことができる」名産品を作り、「味」と「ストーリー」(会話の端に上るような物語性のあるエピソードのこと)によって、港区の「隠れた(つまり、良いものはあるのだが、あまり知られていない)魅力」を外部発信したい!という想いが込められています。事業名に使われる「ミナト」もオリジナリティが感じられるカタカナ表記としました。
とは言ってみたものの、区役所職員にはお菓子を作ったり、流通させるというノウハウなどあるはずもなく、外部に協力者を探すことになりましたが、結構身近にいるものなんですね。
港区西部に立地する県立南陽高等学校は、フードコーディネート系列という教育系列を持ち、また、Nanyo Company部という食品開発等を手掛けるクラブ活動が存在しています。実際に区の他事業との連携実績もあります。
そういうわけでさっそくアポを取り、説明にいったところ、快く協力してくださることとなり、ミナトグルメプロジェクトが晴れてスタートすることとなりました。先生方、ご理解のほどありがとうございます!
さて、南陽高校Nanyo Company部の協力のもと、めでたくミナトグルメプロジェクトがスタートしました。まずは、グルメのアイデアを考えてもらうべく、高校生との打ち合わせです。Nanyo Company部は5名の部員と2名の顧問の先生から構成されています。これまでもフェアトレード(注)に関する商品開発など社会課題の克服に向けたプロジェクトに携わってきたそうです。
Nanyo Company部のメンバーは高校生とは思えないくらい、しっかりしていています。名刺交換の所作も大人顔負けで、区職員もタジタジでした。
それはさておき、第1回目の打ち合わせは8月末に行われました。この日は、プロジェクトの意義や方向性、南陽産の農作物について説明した後、活発な意見交換が行われました。とくに、Nanyo Company部の部長さんは調理師を目指しているだけあって、食に対する造詣や愛情が深く、グルメに対する想いを熱く熱く語っていました。
結局、この日は、部としてグルメ提案を行うにあたって、Nanyo Company部員それぞれが南陽産農作物を使ったグルメ案を考えることとしました。
ミナトグルメプロジェクト、順風満帆です!
約1ヶ月後、高校生たちから17のグルメ案が提出されました。この中には、南陽地区産ブランド米「陽娘(ひなたむすめ)」を原材料としたアイスクリームやスイートコーンを使ったケーキ、トマトを使ったスイーツなどがカラフルなイラスト入りで紹介されています。斬新でいかにもおいしそうなネタが盛りだくさんです。区職員も、高校生たちのプレゼンを聞いているうちにどんどんお腹が空いていく、というほどに、魅力的なメニューの数々。早く試作したい旨を伝えたところ、Nanyo Company部は企画を中心にやっており、試作するには設備等が不足していて難しいとのこと。これには困りました。
ということで、せっかく生まれたグルメ案をいかにしてカタチにするか、という新しい課題を得て、「食のプロ」の協力を仰ぐべく、新たな協力者を探すこととなりました。
注:フェアトレード:発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動。
こちらのファイルについては、テキスト情報のない画像データとなります。内容を確認したい場合はページ末尾の連絡先までお問い合わせください。
高校生の考えたグルメ案はこちら
高校生の考えたグルメ案はこちら
グルメ案の具現化に難航するなか、ひょんなことから港区小碓にある人気洋菓子店「ブローニュの森」がプロジェクトを支援してくれることとなりました。なんでも、店長の鬼頭さんは、以前まちづくり推進室職員が出演したテレビ番組を観て、南陽産米を使ったレシピ開発を考えていたのだとか。渡りに舟、とはこのことですね!
さて、善は急げ!ということで、Nanyo Company部、ブローニュの森、港区役所の三者で打ち合わせを行い、高校生が考えたグルメ案の試作会を行う運びとなりました。
ここでは、試作予定のグルメ案について、店長さんよりプロならではの鋭いアドバイスが。たとえば、生の野菜から色や風味を出すのは難しく焼き菓子に向かないことや、お米を牛乳で炊くとアイスクリームの生地になる、ケーキの中からコーンがたくさん出てくるとインパクトがある、など、ごもっともな意見です。プロのアイデアを加えることで、グルメ案がさらに輝きを増したのでした。
こうして、来たる2月27日に、ブローニュの森の厨房設備をお借りして試作品を作ることとなりました。
2015年2月27日、港区入場(いりば)の洋菓子店「ブローニュの森」でミナトグルメの試作を行いました。
さすが人気店、店内には美味しそうなにおいが漂っています。
この日、試作することになったグルメはスイートコーンのバターケーキ、トマトのグミ、お米のアイス、米粉のクッキーの4つです。当日は高校生とともに試作品づくりを行うために、店長の鬼頭さんとスタッフの方々が準備をしてくれました。
さて、さっそく試作したグルメを紹介したいと思います。
まずは、「スイートコーンのバターケーキ」。
小麦や卵などケーキの基礎的な材料にスイートコーンを混ぜ、トウモロコシの風味が生きるバターケーキに仕上げました。バターの風味とトウモロコシの甘みは相性抜群で、大好評でした。
続いて、「トマトのグミ」を作りました。味の想像がつきませんよね。
製法としては、ゼラチンに生のトマトなどを加え、120度に達するまで加熱することでペーストを作ります。これがかなりの重労働で、高校生も顔を真っ赤にして頑張っていました。食べてみると、トマトの酸味と甘みが良いアクセントとなり、美味しい!不思議な食感のスイーツができあがりました。
そして、最後は同じく米を使った新感覚スイーツ「米粉のクッキー」です。
ここではクッキーの原料に米粉を使い、型抜きをして焼き上げました。米粉によるさっくりした食感がたまりません!焼きたてクッキーのおいしさに高校生たちも大満足です!
そう、南陽産ブランド米「陽娘」をつかったアイスクリームが販売されることになったのです。
これは、高校生が考えたアイデアを洋菓子店スタッフと一緒に試作し、さらに改良を加えて商品化に至ったというものです。これで、陽娘も一躍有名になるかもしれませんね。
では、さっそくレポートしてみましょう。まず、「陽娘をつかったアイスクリーム」の販売に合わせてパッケージデザインを一新しました。それがこちらです。どーん。かわいらしくていい感じですね。
手にとってみると、結構大きいんですね。一人で食べるには少し多いくらいかも。でも、甘党の方にとっては食べ応え十分とも言えますね。
気になるお味ですが、ベースは濃厚なバニラ味です。ミルクとバニラがやさしい風味を演出していて、それだけでめちゃ美味しい。しかし、実は特筆すべきは独特の食感なんですね。陽娘の米粒がそのまま入っているので、なめらかな舌ざわりの中にしゃきっとしたアクセントがありますね。甘くて芳醇なんですけど、パフの入ったチョコレートのようにさわやかな歯ごたえがあって新鮮な食感がクセになりそうですね。これはブームが来ちゃうかも。
港区役所区政部地域力推進室地域力推進係
:052-654-9621
:052-651-6179
名古屋市港区役所 所在地、地図
開庁時間 月曜日から金曜日 午前8時45分から午後5時15分まで(休日・祝日・年末年始を除く)
(注)開庁時間が異なる組織、施設がありますのでご注意ください
Copyright(c) City of Nagoya. All rights reserved.