名古屋市配偶者からの暴力防止及び 被害者支援基本計画 (第4次) 名古屋市 目次 はじめに 第1章 計画の策定にあたって  1 策定の背景…………………………………………………………… 2  2 策定の経緯…………………………………………………………… 4  3 基本的な考え方……………………………………………………… 5 第2章 配偶者からの暴力被害等の現状と課題  1 暴力の被害経験 …………………………………………………… 6  2 子どもの被害経験…………………………………………………… 10  3 子どもの権利擁護…………………………………………………… 11  4 多様な状況にある被害者の支援…………………………………… 12 5 今後必要と思われる施策…………………………………………… 13 第3章 第4次計画の内容  1 第4次計画の体系…………………………………………………… 14  2 施策を推進する事業………………………………………………… 16 ・基本方向1 配偶者からの暴力の未然防止と被害の早期発見…… 16   ・基本方向2 切れ目のない相談・支援の充実…………………… 21   ・基本方向3 総合的な支援体制の強化…………………………… 35 第4章 計画の推進  1 推進体制……………………………………………………………… 39  2 推進にあたっての基本的な視点…………………………………… 39  3 実施状況の公表……………………………………………………… 39 資料編……………………………………………………………………… 40 P1 はじめに 「配偶者からの暴力」※(以下「DV」という。)は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害です。しかしながら、主に家庭内など外部からの発見が困難な環境下で行われるため潜在化しやすく、しかも加害者に罪の意識が薄いという傾向があります。そのため、周囲が気づかないうちに暴力がエスカレートし、被害が深刻化しやすい特徴があり、被害者の救済が必ずしも十分ではない状態が長く続いてきました。  このような中、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的に、平成13年4月、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(以下「配偶者暴力防止法」という。)が成立し、平成14年4月から全面施行されました。 名古屋市は、平成11年9月「女性に対する暴力」調査を行い、平成14年3月に制定した「男女平等参画推進なごや条例」(平成14年4月施行)に、「何人も、ドメスティック・バイオレンス(配偶者等に対する身体又は精神に著しく苦痛を与える暴力その他の行為をいう。)を行ってはならない」ことを明記しました。 平成18年度には、新たに設置した子ども青少年局において、DV被害者支援を所管することとし、社会福祉事務所業務の中に、児童虐待防止と併せ、DV被害者等の女性の自立支援に係る相談及び指導を明確に位置づけるとともに、同年6月には、社会福祉事務所に女性福祉相談員を配置しました。それ以降、子ども青少年局において、児童虐待対応やひとり親家庭等自立支援などの福祉施策と社会資源を活用したDV被害者の福祉的支援を担っています。 平成19年7月からは、配偶者暴力相談支援センター※業務を開始し、社会福祉事務所と緊密に連携してDV被害者支援にあたるとともに、相談支援業務全体の総合調整を行うことで、関係機関の円滑な連携や相談支援の質の向上に努め、DV被害者支援を包括的に進めています。  こうした経緯を踏まえ、「名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)」を策定し、被害者とその子どもや親族が安心・安全に暮らせるよう、相談・保護・自立・心のケア等に関わる総合的な支援を切れ目なく推進するとともに、人権が尊重され、配偶者からの暴力を容認しない社会を目指します。 ※配偶者からの暴力:配偶者暴力防止法が定めている「配偶者」には、事実婚を含むほか、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力も配偶者からの暴力に準じ、法の適用対象としている。また、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ること及び共同生活を解消した場合を含む。)も引き続き暴力を受ける場合を含む。「暴力」には、身体への暴力だけでなく、「人格を否定するような暴言をはく」などの精神的暴力や「嫌がっているのに性行為を強要する」などの性的暴力等も含む。 ※配偶者暴力相談支援センター:配偶者暴力防止法(第3条)に定められているもので、DV被害者に対して相談、保護命令申立て支援、自立支援のための情報提供、また関係機関の連絡調整等を行う。 P2 第1章 計画の策定にあたって 1 策定の背景 (1)国の状況 配偶者暴力防止法に基づき、配偶者暴力相談支援センターにおいては相談、一時保護等の業務が実施され、裁判所においては保護命令を命ずることができるようになるなど、DV被害者支援体制が整ってきました。  平成16年12月の配偶者暴力防止法の第1次改正では、DVの定義が拡大され、従来の身体に対する暴力に加えて、精神的暴力、性的暴力を含むこととされました。また、保護命令の対象範囲が元配偶者まで拡大されたほか、退去命令の範囲及び期間についても拡大するとともに、接近禁止命令の範囲を拡大し被害者と同居する子どもについても対象とされるなど、被害者等を保護する規定の充実が図られました。  この法改正に併せ、国から示された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」(以下「国の基本方針」という。)には、被害者の自立支援に取り組むことが明記されました。また、都道府県による「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画」(以下「基本計画」という。)が策定され、被害者の保護及び自立に向けた支援の計画的・一体的な推進の礎が整いました。  平成20年1月の配偶者暴力防止法の第2次改正では、市町村に対して基本計画の策定や配偶者暴力相談支援センター業務の実施について努力義務となりました。また、配偶者暴力相談支援センターの業務として一時保護に加えて被害者の緊急時の安全確保が位置づけられたほか、接近禁止命令の対象に被害者の親族等が追加されるとともに、裁判所への保護命令の申立て要件として、生命等に対する脅迫が加えられました。  この法改正を踏まえて告示された国の基本方針(平成20年1月改定)では、「被害者の立場に立った切れ目のない支援」、「関係機関等の連携」、「安全の確保への配慮」及び「地域の状況の考慮」の4つを基本的視点に据えた基本計画の策定の必要性が示されるとともに、市町村における基本計画策定の留意事項として、「身近な行政主体としての施策の推進」、「既存の福祉施策等の十分な活用」などが示されています。  平成26年1月の配偶者暴力防止法の第3次改正では、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力についても、配偶者暴力防止法が準用され、法の対象となりました。 P3  令和2年4月の配偶者暴力防止法の第4次法改正では、配偶者からの暴力の被害者の保 護にあたり、相互に連携、協力すべき機関として児童相談所が法文上明確化されたことに 加え、被害者の保護のための関係機関との連携協力の適用対象に被害者の同伴する家族が 含まれることとなりました。  この法改正を踏まえて告示された国の基本方針(令和2年4月改定)では、児童虐待防 止対策と配偶者からの暴力被害者の保護対策の強化を図るための所要の規定の整備を行う とともに、民間団体との連携推進などが示されています。 (2)本市の状況  本市では、平成21年3月「名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画」(以 下「配偶者暴力防止等基本計画」という。)を策定し、庁内関係部署の連携による総合的な 推進体制の整備を図るとともに、DV防止及び被害者の保護・自立に向けた支援施策の構築 に取り組んできました。  平成24年3月には、配偶者暴力防止等基本計画(第2次)を策定し、庁内外の関係部署・ 関係機関や民間団体のさらなる連携推進を図ることにより、DV被害の発見と対応に努め、 切れ目のない支援体制づくりを進めました。  平成28年3月には、配偶者暴力防止等基本計画(第3次)を策定し、DV被害者とその 子どものための心理的ケアを始めとする自立に向けた支援の充実などを図りました。  この配偶者暴力防止等基本計画(第3次)の計画期間が、令和2年度で満了することに 伴い、これまでの取組と被害の実態等を踏まえ、より実効性のある支援の充実に向け、配 偶者暴力防止等基本計画(第4次)を策定するものです。 P4 2 策定の経緯 平成13年4月 ○「配偶者暴力防止法」公布(平成13年10月一部施行、平成14年4月完全施行) 平成16年12月 ○「配偶者暴力防止法」の改正法(第1次改正)施行  ・主務大臣による「国の基本方針」の策定  ・都道府県基本計画の策定  ○「国の基本方針」告示 平成19年7月 ○名古屋市配偶者暴力相談支援センター業務を開始 平成20年1月 ○「配偶者暴力防止法」の改正法(第2次改正)施行 ・市町村基本計画の策定(努力義務) ・市町村における配偶者暴力相談支援センター業務(努力義務) 平成21年3月 ○「名古屋市配偶者暴力防止等基本計画」策定 (計画期間:平成21年度〜平成23年度) 平成24年3月 ○「名古屋市配偶者暴力防止等基本計画(第2次)」策定 (計画期間:平成24年度〜平成27年度) 平成26年1月 ○「配偶者暴力防止法」の改正法(第3次改正)施行 ・生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいない交際相手を除く)からの暴力について、法を準用し対象を拡大 平成28年3月 ○「名古屋市配偶者暴力防止等基本計画(第3次)」策定 (計画期間:平成28年度〜令和2年度) 令和2年4月 ○「配偶者暴力防止法」の改正法(第4次改正)施行 ・配偶者からの暴力の被害者の保護にあたり、相互に連携、協力すべき機関として児童相談 所を法文上明確化 ・被害者の保護のための関係機関との連携協力の適用対象に被害者の同伴する家族を含む P5 3 基本的な考え方 (1)策定の趣旨 配偶者暴力防止等基本計画(第3次)の計画期間が、令和2年度に満了することから、 「配偶者暴力防止法」の改正等を踏まえ、配偶者暴力防止等基本計画(第4次)を策定し ます。 (2)計画の基本方針 被害者等の保護や自立に関わる総合的な支援を推進するとともに、人権が尊重され、配 偶者からの暴力を容認しない社会を目指します。 (3)計画の位置づけ 配偶者暴力防止法第2条の3第3項に基づく市町村基本計画にあたります。 (4)他の計画との関連 配偶者暴力防止法に基づく市町村基本計画であり、なごや子どもの権利条例に基づき策定 している「なごや子ども・子育てわくわくプラン2024名古屋市子どもに関する総合計画」 及び男女平等参画推進なごや条例に基づき策定している「名古屋市男女平等参画基本計画 2025」との整合性を図り、策定します。 (5)計画期間 令和3年度から令和7年度までの5年間とします。 P6 第2章 配偶者からの暴力被害等の現状と課題 1 暴力の被害経験 (1) DVの被害の実態 内閣府が平成30年3月に公表した男女間における暴力に関する調査(以下「内閣府調査」 という。)では、女性の約3人に1人、男性の約5人に1人は配偶者から被害を受けたこと があり、女性の約7人に1人は何度も受けていると回答しました。(図表1) また、名古屋市が令和元年度に行った男女平等参画に関する基礎調査(以下「基礎調査」と いう。)では、配偶者や交際相手から、「殴られたり、けられたりした」という身体的暴力は 9.8%の人に被害経験があり(図表2)、「バカなどと傷つく呼び方をされた」という精神的 暴力については21.9%の人に被害経験があったとなっています。(図表3) (図表1・図表2省略) P7 (2)被害を受けている人の相談先 基礎調査によると、配偶者や交際相手から何らかの暴力を受けている方に「どこに相談した か」と聞いたところ、48.7%の人が「どこ(だれ)にも相談していない」と回答しました。 (図表4 ) (図表3・図表4省略) P8 また、令和元年度の名古屋市配偶者からの暴力被害者調査(以下「被害者調査」という。) によると「最初の暴力を受けてから1年以上たって相談機関に相談した」と回答した人の割 合は68%で(図表5−1)、そのうち、すぐに相談しなかった理由について聞いたところ、「我 慢すれば何とかやっていけると思った(71.7%)」、「誰に相談してよいかわからなかった (41.5%)」と回答しました。(図表5−2) (図表5―1・図表5−2省略) P9 (3)DV相談延べ件数 本市配偶者暴力相談支援センター及び社会福祉事務所の女性福祉相談におけるDV相談延べ 件数は、平成27年度をピークに1万件前後で推移しています。また、男女平等参画推進セ ンター「イーブルなごや相談室」における「女性のための総合相談」でのDVの相談件数は、 900件前後で推移しています。 課題 〇 暴力被害を受けている方は依然として多く、潜在化している可能性があり、暴力被害による心身への影響が深刻化しない早い段階で相談窓口につながることが重要です。 〇 DVに関する啓発や相談窓口の広報について、若年層を始めとするすべての年齢層へ情報が届くよう様々な媒体を活用して行う必要があります。 〇 暴力被害を受けている方を発見しやすい立場にいる医療機関や相談支援機関等からDVの相談窓口に被害者をつないでいただけるよう、DVの理解を深める機会を積極的にとらえ周知に努める必要があります。 (図表6省略) P10 2 子どもの被害経験 子どもの面前で行われるDVは、子どものこころに大きな傷を与える心理的虐待であり、同 時に身体への暴力等の虐待を受けているおそれもあります。      内閣府調査では、DV被害を受けたことがある家庭の約2割(21.4%)に子どもの被害もみら れ(図表7)、被害者調査でも、86.5%の人が「子どもの前で暴力を受けたことがあった」と 回答しています。(図表8) また、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律(令和元年 法律第46号)により、DV対応では児童虐待の早期発見を、児童虐待対応ではDV被害者の 保護のためにDV対応と連携協力に努めることとされました。(令和2年4月1日施行) 課題 〇 子どもの面前でのDVは心理的虐待にあたるとともに、被害がある場合、子どもへの直接的な虐待の制止が困難になるため、DV対応と児童虐待対応の双方において連携して対応する必要があります。 〇 円滑な連携のために、双方の機関の職員が、DVと児童虐待の特性や関連性を始め、機関の役割や業務について相互に理解し、包括的に支援を行うことが必要です。 (図表7・図表8省略) P11 3 子どもの権利擁護 名古屋市は、子どもの権利を守る文化及び社会をつくり、子どもの最善の利益を図るため、 権利擁護に関する取組として、令和2年1月に「子どもの権利擁護機関」を設置しました。 また、令和2年4月には、「なごや子ども条例」(平成20年4月1日施行)について、子ど もが権利の主体であり、子どもの権利を根幹に据えるという観点から「なごや子どもの権利 条例」に改正しました。 ●なごや子どもの権利条例● <制定趣旨> 子どもにとって大切な権利を掲げ、その権利を保障するため、市、保護者、地域住民等、学 校等関係者、事業者の責務を明らかにするとともに市の基本施策等を定め、子どもの権利を 保障し、子どもの健やかな育ちを社会全体で支援するまちの実現を目指す。 <条例に掲げる子どもの権利>  〇 安全に安心して生きる権利  〇 一人一人が尊重される権利  〇 のびのびと豊かに育つ権利  〇 主体的に参加する権利 ●子どもの権利擁護機関(名古屋市子どもの権利相談室「なごもっか」)●  名古屋市子どもの権利擁護委員条例に基づく、子どもの権利を守るための相談室です。 子どもの権利擁護委員は、独立性の担保された第三者機関として、子どもの最善の利益を考 えて活動をしています。 課題 〇 被害者の意思を尊重した支援のため、安全確保を優先にした結果、その同伴する家族である子どもの意思を十分に考慮した対応とはなっていないなどの課題があります。 〇 被害者とともに避難した子どもは、生活の大きな変化から不安を抱えるため、避難直後のこころのケアや子ども自身が相談できる窓口の情報提供を行うなど、被害者だけでなく子どもも被害当事者であるという認識をもって支援を行う必要があります。 P12 4 多様な状況にある被害者の支援 ・令和元年度名古屋市におけるDVに関する面接相談件数(実人数)2,333人のうち、外国人は 193人(8.3%) でした。外国人の被害者は、言語の問題により十分に意思が伝わらず、適切な相談、支援の受けにくい傾向があることに加え、在留資格やその後の自立に向けた福祉的支援等で様々な困難を抱える傾向があります。 ・内閣府調査によると、配偶者から暴力被害を受けた人がどこ(だれ)にも相談したことがないと回答したのは、女性が38.2%、男性が69.5%となっており、女性よりも男性の方がどこ(だれ)にも相談しない割合が高くなっています。(図表9) ・平成22年度から開始している名古屋市男性相談において、男性がDV被害に悩む実態が見えていること、さらに名古屋市配偶者暴力相談支援センターにおいて、男性の被害者から安全対策等の支援を主訴とする相談を受けることがあるなど相談内容も具体化しています。 ・令和元年12月に性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)※の当事者や周りの方が相談できる窓口として、名古屋市セクシュアル・マイノリティ電話相談が開設されました。 課題 〇 外国人の被害者の相談支援には様々な困難を有することが多いことから、外国人支援の経験・知識が豊富な外部のスーパーバイザー※の設置が必要です。 〇 男性の被害者からの相談が増加する可能性があることから、緊急時の安全確保等の方策について検討する必要があります。 〇 今後、性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の被害者からの相談、支援について、二次的被害の防止の配慮や適切な支援を行うために、支援者が性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)に対する理解を深める必要があります。 ※ 性的少数者(セクシュアル・マイノリティ):性的マイノリティ、性的少数派。性同一性障害者、同性愛者、両性愛者などが含まれている。 ※ スーパーバイザー:この計画においては、専門的な立場から支援者に対して助言を行う人のことを意味する。 (図表9省略) P13 5 今後必要と思われる施策 ・被害者調査で、今後必要と思われる施策について聞いたところ、「被害者がどこに相談すればいいかわかりやすく広報する(74.4%)」が最も多く、次いで「被害者の住まいや仕事の支援を充実する(69.8%)」、「被害者とその子どもに対する、心や体のケアを行なう(60.5%)」と回答しています。一方で「加害者に対して、暴力を振るわないようにするプログラムを実施する(39.5%)」、「『暴力をふるうことはいけないこと』について市民向けの広報を充実する(32.6%)」と、被害者の支援だけでなく、配偶者からの暴力について未然に防止するための方策の充実についてのニーズも高いことがわかりました。(図表10) ・被害者調査で、最近の体調について聞いたところ、「少し悪い」「悪い」と回答した方は、34.9%でした。 課題 〇 被害者は、暴力被害によって、身体的な怪我だけでなくPTSD(心的外傷後ストレス障害)や様々なこころの不調を抱えている場合が多く、自立した生活を送るためにも、心身の回復を目的とするこころのケアのより一層の充実が必要です。 〇 加害者対応の在り方について、「加害者対応に関する取組は、被害者(子どもも含む。)の安全・安心を確保するための手法としても有効」という観点から、今後の国の動向を注視するとともに、他都市の状況についても情報収集して検討していく必要があります。 (図表10省略) P14 第3章 第4次計画の内容 1 第4次計画の体系 基本方針 被害者等の保護や自立に関わる総合的な支援を推進するとともに、人権が尊重され、配偶者からの暴力を容認しない社会を目指す。 基本方向1 配偶者からの暴力の未然防止と被害の早期発見 目標@ DVに対する理解推進と防止意識の向上 目標A 暴力被害の早期発見 基本方向2 切れ目のない相談・支援の充実 目標B 相談及び保護体制の充実 目標C 被害者の自立支援の充実 目標D 被害者等のこころのケアの充実 目標E 子どもの権利を尊重した支援 目標F 外国人の被害者・高齢の被害者・障害のある被害者等への支援の充実 基本方向3 総合的な支援体制の強化 目標G 総合的な推進体制の強化と関係機関等との連携推進 目標H 組織的対応力の向上 P15 施策の方向 @ 市民への意識啓発の推進 A 「デートDV」防止教育等の推進 B 外国人の被害者・障害のある被害者に配慮した広報・啓発 C 相談を通じた意識啓発 D 職員に向けたDV理解の推進 E 配偶者暴力に関する調査研究 @ 通報体制の整備 A 早期発見のための関係者への周知 @ 配偶者暴力相談支援センターの機能強化 A 相談支援体制の充実 B 被害者等の安全確保 C 安心と安全に配慮した支援 @ 自立に向けた支援 A 住まいの確保のための支援 B 就業支援 @ 精神的な支援 A 被害者の孤立防止のための支援 @ 子どもの権利擁護 A 子どものこころのケア B 保育・教育の支援 C 児童虐待対応との連携 @ 外国人の被害者への支援 A 高齢の被害者への支援 B 障害のある被害者への支援 C 多様な状況にある被害者への支援 @ 総合的な庁内連携の推進 A 関係機関・民間団体との連携・協力の推進 B 適切な苦情処理の実施 @ 支援者のスキルアップ A 組織的対応のための体制整備 B 支援者のメンタルヘルス C 二次的被害防止のための関係職員への研修 P16 2 施策を推進する事業 基本方向1 配偶者からの暴力未然防止と被害の早期発見 配偶者からの暴力防止について、市民啓発と関係者への周知を推進し、暴力の未然防止と被害の早期発見を目指します。 目標1 DVに対する理解の推進と防止意識の向上 (1)市民への意識啓発の推進 広く市民に対して、DVについての正しい理解が進むよう、DVには、具体的にどのような行為があるのか、また、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるという意識啓発を若年層を始めとするすべての年齢層を対象に推進し、DVの未然防止や被害の早期発見に努めます。 事業01 男女の人権を尊重するための啓発事業 内容 男女平等参画推進センターや女性会館、各区生涯学習センター、なごや人権啓発センターにおいて、男女の人権が尊重され、男女共同参画社会の実現のための教育・学習機会の充実を進めます。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 教育委員会 事業02 DV根絶のための意識啓発事業 内容 DV防止啓発カードの配布等により、相談窓口の周知を図ります。また、DV、性犯罪、セクシュアル・ハラスメント等女性の人権を侵害する暴力の根絶を訴える「女性に対する暴力をなくす運動」期間(11月12日から25日)を中心に、DV根絶に関する講座・セミナー、パープルリボンキャンペーンや児童虐待対策と連携した広報・啓発を行います。 さらに様々な媒体を活用して、若年層を始めとするすべての年齢層に相談窓口等の情報が届くように努めます。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 事業03 家庭における人権教育への支援 内容 家庭における人権教育を支援するため、各種パンフレットを作成・配布します。 方向性 継続 所管 教育委員会 P17 (2)「デートDV」防止教育等の推進 デートDV※は将来のDVにつながる危険性もあり、若年層に対して、デートDV防止教育等の推進を図ることは、DVの防止に有効な手段であることから、デートDV防止の啓発や人権尊重の意識を高める教育、男女平等意識を高める啓発・教育等をより幅広い年齢層を対象として進めます。 事業04 デートDV防止等のための意識啓発事業 内容 デートDV防止啓発カードやハンドブックを配布するとともに、デートDV防止に関する講座・セミナー等を行います。 また、デートDV防止の出張講座等を学校において実施し、大学・高校等と連携して、若年層を対象にしたデートDV防止教育を進めます。 あわせて、様々な機会・媒体を通じて中学生を含むより幅広い年齢層を対象とした意識啓発を実施します。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 教育委員会 ●この章の見方● 「事業」・「内容」・・・各目標を推進する事業とその内容を掲げています。 「方向性」・・・・・・以下の基準により、計画期間中の事業の方向性を掲げています。 新規 計画期間中に新たに実施することを目標とする事業 拡充 計画期間中に質的・量的な充実を図ることを目標とする事業 継続 計画期間中、継続して実施することを目標とする事業 ※デートDV:婚姻関係にない交際相手との間に起こる様々な暴力をいう。 P18 (3)外国人の被害者・障害のある被害者に配慮した広報・啓発 被害者が外国人であったり、障害があることによって、相談につながることが遅れたり、適切な支援が受けられないことがないよう、それらの被害者に配慮した広報・啓発を進めます。 事業05 外国人の被害者への配慮 内容 被害者の国籍に関わらず早期に相談機関につながり適切な支援が受けられるよう、多言語版リーフレットを配布するなど広報・啓発に努めます。 名古屋市に住む外国人の方の日常生活に役立つ情報を掲載した名古屋市公式ウェブサイト(外国語版)等により、引き続き相談窓口の周知を図ります。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 観光文化交流局 事業06 障害のある被害者への配慮 内容 DV防止等に関する点字版リーフレットを作成するなど、障害のある被害者に配慮した広報・啓発を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 健康福祉局 (4)相談を通じた意識啓発 性別に基づく人権侵害の解消に向けて、様々な悩みに直面する人々が相談窓口を利用しやすいよう広く周知を図り、相談者の気持ちを尊重しながら、主体的に解決できるよう、支援や必要に応じた情報提供を関係機関と連携しながら行います。また、相談から見えてくる社会的な課題の把握に努めます。 事業07 女性のための総合相談(電話・面接・専門相談等) 内容 男女平等参画推進センターにおける女性のための総合相談において、相談者の女性の人権についての意識を高めつつ、直面する問題の解決に取り組むとともに、女性の人権についての課題の把握に努めます。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 事業08 男性のための相談事業 内容 家族や仕事、人間関係等について悩みや生きづらさを解消するため、相談やセミナーを実施するとともに、男性の抱える課題の把握に努めます。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 P19 (5)職員に向けたDV理解の推進 DVについては複合的な問題が含まれるため、被害者がそれぞれの問題の窓口となる行政機関に相談することが考えられることから、DVに関する相談窓口の職員に限らず様々な職場の職員に対し、被害者の人権やDVの特性等に関する理解を深めるために研修及び啓発を進めます。 事業09 職員への研修 内容 市職員(新規採用者、新任係長、新任課長等)に対し、男女平等参画研修の中で、DVに対する理解をさらに深めるように努めます。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 事業10 教職員への研修 内容 人権教育に関する研修を教職員の経験年数や職務に応じて初任者から校(園)長まで計画的に実施するとともに、研修内容を各校(園)の全職員に広める取組を行います。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 教育委員会 (6)配偶者暴力に関する調査研究 DV被害の実態把握や被害者の自立支援に寄与するため、引き続き調査研究を進めるとともに、加害者対応の在り方について、被害者とその子どもの安全・安心を確保するための有効な手法であるという認識のもと検討します。 事業11 調査研究 内容 基礎調査等において、DVやデートDVに関する実態把握に努めます。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 事業12 加害者対応の在り方検討 内容 被害者支援の一環として、加害者の地域社会における更生のための指導等の実施方法について国の動向を注視するとともに、他自治体の取組について情報収集を行い、施策の在り方について検討します。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 P20 目標2 暴力被害の早期発見 (1)通報体制の整備 DVは、家庭内で行われることが多く、外部から発見することが困難である上、被害者が加害者からの報復や家庭の事情等様々な理由から支援を求めることをためらうことも考えられるため、日常の業務を行う中で、被害者を発見しやすい立場にある、医療関係者や消防関係者と連携し、被害者の早期発見に努めます。 事業13 医療関係者との連携 内容 被害者を発見しやすい立場である医療関係者向けのリーフレットを作成し、医療機関等に配布するなど、適切な通報が行われるよう、医療機関との連携を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業14 消防関係者との連携 内容 救急搬送において、DVによる被害が疑われるケースの通報について、配偶者暴力相談支援センター等と連携して対応します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 消防局 (2)早期発見のための関係者への周知 学校・幼稚園・保育所等、高齢者や障害者にかかる地域の相談支援機関、民生委員・児童委員等の福祉関係者は、医療関係者と同様、相談援助業務等を行う中で、被害者を発見しやすい立場にあると考えられるため、周知の機会を積極的にとらえて、DVについての理解の深化を図り、連携を進めます。 事業15 地域の関係機関や保健・福祉関係者との連携 内容 暴力被害の早期発見・早期対応のために、学校・幼稚園・保育所等、民生委員・児童委員等の地域の関係機関及びいきいき支援センター、障害者基幹相談支援センター、ホームヘルパーや保健師等、居宅訪問の機会を通じて被害者を発見しやすい立場にある保健・福祉関係者に対して、DVの理解を深めるための周知の機会を通じて連携を進めます。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 健康福祉局 教育委員会 事業16 人権擁護機関との連携 内容 法務省の人権擁護機関は、DV事案を認知した場合は人権侵犯事件として調査を行い、被害者の保護、救済に努めることとされていることから、連携を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 P21 基本方向2 切れ目のない相談・支援の充実 被害者等の安心と安全に配慮した支援のために、相談への対応、保護、自立支援、同伴する子どもへの支援等、多くの段階にわたって、被害者を孤立させない、切れ目のない相談・支援の充実を目指します。 目標3 相談及び保護体制の充実 (1) 配偶者暴力相談支援センターの機能強化 配偶者暴力相談支援センターは、被害者からの相談を受けるのみならず、被害者の支援を行う上で中心的な役割を果たす機関です。被害者の立場に立った切れ目のない支援を行うため、支援者の育成や困難事例・緊急事案等への対応ができるよう、外部のスーパーバイザーの活用等コンサルテーション※機能のより一層の充実を進めます。 事業17 研修の充実 内容 相談支援業務に従事する職員に対し、担当者、係長級、管理職等の階層別研修や新任職員、中堅職員等の段階別研修に加えて、法律問題や事例検討等専門的な研修を実施します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業18 コンサルテーション機能の充実 内容 区役所・支所等が、支援困難事例に対して、様々な背景を持つ外国人や障害のある被害者等を十分に理解し、配慮した対応ができるよう分野別に外部のスーパーバイザーを導入することや、配偶者暴力相談支援センターに区役所・支所での相談経験がある相談員を配置するなど、配偶者暴力相談支援センターのコンサルテーション機能の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業19 配偶者暴力相談支援センター業務 内容 被害者からの相談業務・裁判所への保護命令申立て支援・事案に応じた関係機関の総合調整を始め、支援者の育成や困難事例・緊急事案等への援助を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業20 DV被害者ホットライン事業 内容 土日祝日の電話による相談を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 ※コンサルテーション:この計画においては、区役所・支所等から支援困難事案や緊急事案等への対応について、相談を受け援助を行うことを指す。 P22 事業21 関係機関連携会議の実施 内容 必要に応じ、関係機関が集まり、個別のケースについて支援の検討を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 (2)相談支援体制の充実 相談窓口においては、被害者等の抱える問題や背景(貧困、障害、同和問題(部落差別)、外国人等の様々な困難)を的確に理解し、被害者等が複合的に困難な状況に置かれていることに配慮しながら、適切な助言や情報提供を始め、保護や自立に係る支援につなげる必要があります。そのため、支援者の育成や組織の対応力向上に努めるとともに、関係部署が連携した支援を行うことにより、被害者等の置かれた状況に配慮した的確な相談対応を行います。 さらに、相談窓口につながりやすくする取組として、コミュニケーションツールの主流となっているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)※を活用した相談を実施します。 事業22 支援体制の充実 内容 研修の充実による支援者の育成や支援の質の向上を図るとともにアセスメントツールの導入等により組織対応力の強化を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業23 SNSを活用した相談体制の充実 内容 暴力被害を受けていても相談窓口につながっていない若年層を始めとする被害者が相談しやすいよう、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した相談を実施します。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 事業18(再掲) コンサルテーション機能の充実 内容 区役所・支所等が、支援困難事例に対して、様々な背景を持つ外国人や障害のある被害者等を十分に理解し、配慮した対応ができるよう分野別に外部のスーパーバイザーを導入することや、配偶者暴力相談支援センターに区役所・支所での相談経験がある相談員を配置するなど、配偶者暴力相談支援センターのコンサルテーション機能の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 ※ SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス):友人、知人等の社会的ネットワークをインターネット上で提供することを目的とするコミュニティ型のサービスのこと。 P23 事業24 専門家(弁護士)との連携 内容 愛知県弁護士会と連携し、DV相談の支援者等が、弁護士から法的な問題について助言を受ける「DV相談等法律問題援助事業」を実施し、より適切な支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業21(再掲) 関係機関連携会議の実施 必要に応じ、関係機関が集まり、個別のケースについて支援の検討を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業25 被害者等の安心・安全に配慮した相談・支援 内容 被害者が諸手続きのために複数の窓口に出向いて、繰り返しDV被害について説明することは、加害者と遭遇する危険性が高まる上、心理的にも大きな負担になることから、諸手続きを行うに際し、一定の場所に関係部署の担当者が出向くなどの配慮(ワンストップサービス)をして支援を行います。 方向性 継続 所管 関係局 (3)被害者等の安全確保 DVは被害者のみならず、その子どもや親族の生命・身体の安全も脅かすおそれがある重大な問題であるため、安全確保を最優先として、関係機関や民間団体等と連携し支援を進めます。 さらに、多様な状況にある被害者の安全確保が円滑に実施できるよう検討を行います。 事業26 一時保護所での保護 内容 被害者等の安全確保のため、一時保護が必要な場合に、愛知県女性相談センターや愛知県警察と連携し、安全かつ迅速に一時保護を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業27 緊急宿泊事業 内容 緊急時における安全確保のために、必要やむを得ない場合「一時保護」に先行して、緊急に保護を必要とする被害者等を対象に宿泊場所の提供を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 P24 事業28 民間シェルターへの支援の充実 内容 被害者等のためのシェルターを運営する民間団体に家賃補助等を行い、緊急に保護を必要とする被害者等の安全な場の確保に努めます。 さらに民間団体が実施する先進的な支援の取組を活用し、被害者支援の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業29 施設における緊急保護 内容 必要に応じて、保護が可能な施設において被害者等の緊急保護を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業30 多様な状況にある被害者の安全確保 内容 被害者の性別に関係なく、緊急時における安全の確保が必要な場合の一時的な避難場所の提供について検討します。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 (4)安心と安全に配慮した支援 被害者の自立支援は、被害者及びその関係者の安全確保を図ることが重要であるため、被害者の住所や居所等の個人情報のほか、その支援を行う施設や団体の所在地等、被害者にかかる情報について、適切な管理に努めます。 事業31 被害者等にかかる情報管理 内容 被害者支援に関わる関係局、関係機関において、被害者等の個人情報保護及び情報の適切な管理を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局始め関係局 事業32 被害者等の情報保護にかかる支援 内容 配偶者暴力相談支援センターを始めとする被害者支援に関わる関係部署において、住民基本台帳事務や国民年金等における被害者情報を保護するための支援策について、事案に応じ、被害者等に対し、情報提供を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 財政局 スポーツ市民局 健康福祉局始め関係局 P25 目標4 被害者の自立支援の充実 (1)自立に向けた支援 被害者の自立に向けた支援は、主に区役所・支所において、事案に応じて実施します。ひとり親家庭支援策を始め、児童の福祉に関する事項の相談や必要な調査、母子生活支援施設における保護の実施、生活保護が必要な方への適切な適用や生活困窮者自立支援事業等の活用による自立支援を行います。 事業33 ひとり親家庭等に対する総合的な相談支援 内容 施策の窓口である区役所・支所において、母子・父子自立支援員やひとり親家庭応援専門員を中心として、ひとり親家庭等への総合的な相談支援を行います。また、ひとり親家庭応援専門員については、すべての区役所・支所に配置して体制を整えます。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業34 児童扶養手当等の支給 内容 ひとり親家庭等の収入を補完するための手当の支給による支援をします。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業35 ひとり親家庭等医療費助成 内容 ひとり親家庭等にかかる医療費のうち、保険診療にかかる自己負担分を助成します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業36 母子父子寡婦福祉資金の貸付 内容 ひとり親家庭等の生活の安定と向上を目的として、生活資金、技能習得資金、修学資金等を原則無利子で貸し付けます。また、現在貸付事業の対象となっていない寡夫についても事業の対象とすることについて検討します。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業37 母子生活支援施設における支援 内容 被害を受けた母子家庭等の被害者とその子どもを保護するとともに、自立の促進のためにその生活を支援します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業38 生活困窮者の自立支援 内容 複合的な課題を抱え生活に困窮している方への相談窓口として、「仕事・暮らし自立サポートセンター」を設置し、個別的で継続的な相談支援を行います。また、対象者を早期に把握し適切な支援につなぐために、地域との連携を行います。要保護状態にあるなど、生活保護が必要な方は、担当部署に適切につなぎ、支援を行います。 方向性 継続 所管 健康福祉局 P26 (2)住まいの確保のための支援 被害者の自立を支援するためには、居住の安定を図ることは極めて重要です。配偶者暴力相談支援センター等の支援機関は、被害者に対し、住宅の確保についての情報提供等を行うとともに、市営住宅への入居に際して、被害者の自立支援のため優先入居の制度の活用を図ります。 事業39 市営住宅を活用した支援 内容 被害者等の一時的な滞在場所として市営住宅を提供します。また、その後の生活再建に向け、居住の安定を図り、その自立を支援するため、市営住宅への入居に際して、一般募集とは別に、被害者向け等の募集を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 住宅都市局 事業40 住宅確保要配慮者に対する居住支援の促進 内容 被害者等の住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居円滑化を図るため、入居相談や生活支援等の居住支援サービスが適切に提供される仕組みづくりを進めます。 方向性 継続 所管 住宅都市局 事業37(再掲) 母子生活支援施設における支援 内容 被害を受けた母子家庭等の被害者とその子どもを保護するとともに、自立の促進のためにその生活を支援します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 (3)就業支援 被害者の自立を支援する上で、就業支援を促進することは極めて重要です。配偶者暴力相談支援センター等の支援機関は、被害者の状況に応じて、ハローワーク、仕事・暮らし自立サポートセンター等様々な就業支援機関等に関する情報提供を行い、当該関係機関と連携して、就業に向け支援を進めます。 事業41 男女平等参画推進センターにおける就業支援 内容 男女平等参画推進センターにおいて、就労支援セミナーを実施します。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 P27 事業42 ジョイナス.ナゴヤにおける就業支援 内容 就業促進活動、求人情報提供、就業支援講習会、就業相談等、ひとり親家庭等一人ひとりの状況に応じたきめ細やかな就業支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業43 職業紹介等 内容 愛知母子・父子福祉センター及びジョイナス.ナゴヤにおいて、企業等に対する求人開 拓を行い、雇用ニーズの把握に努めます。また、求人開拓で得た求人情報をもとに、 ひとり親家庭等の状況に応じた職業紹介を行います。今後は、父子家庭も対象に拡充して実施します。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業44 自立支援給付金事業 内容 ひとり親家庭の自立を支援するため、就業に有利な資格取得のための支援として、自立支援教育訓練給付金、高等職業訓練促進給付金を支給します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業45 一体的就労支援事業 内容 生活保護受給者や児童扶養手当受給者等に対して、ハローワークによる区役所就労支援コーナー及び巡回相談を実施し、ハローワークと区役所・支所の一体的な就労支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 健康福祉局 事業46 なごやジョブサポートセンターにおける就業支援 内容 職業紹介や就職準備セミナー等の就業支援を行います。 方向性 継続 所管 経済局 事業38(再掲) 生活困窮者の自立支援 内容 複合的な課題を抱え生活に困窮している方への相談窓口として、「仕事・暮らし自立サポートセンター」を設置し、個別的で継続的な相談支援を行います。また、対象者を早期に把握し適切な支援につなぐために、地域との連携を行います。要保護状態にあるなど、生活保護が必要な方は、担当部署に適切につなぎ、支援を行います。 方向性 継続 所管 健康福祉局 P28 目標5 被害者等のこころのケアの充実 (1)精神的な支援 被害者は、繰り返される暴力の中で、身体的な怪我のほかPTSD(心的外傷後ストレス障害)等の障害を抱えることや加害者からの追跡の恐怖、経済的な問題、将来への不安等により精神的に不安定な状態にある場合もあり、被害者等の心身の回復のための支援の充実を図ります。 事業47 女性のための総合相談におけるカウンセリング事業 内容 男女平等参画推進センターの女性のための総合相談において、必要に応じ、臨床心理士等によるカウンセリング事業を行います。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 事業48 女性のための総合相談(女性の自立のためのグループプログラム等) 内容 男女平等参画推進センターの女性のための総合相談において、DVの理解、セルフケア等について理解を深める講座等を行います。 方向性 継続 所管 スポーツ市民局 事業49 親子支援プログラム事業 内容 DVのある環境から離れ、地域生活を始めた被害者とその子どものこころのケアと親子関係の回復のためのプログラムを行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業50 DV被害者のためのサポートグループ事業 内容 被害者同士が集まり、体験や感情を共有し、情報を交換することにより、精神的な回復を図ります。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業51 DV被害者とその子どものための心理的ケア 内容 被害者とその子どものための心理的ケアとして親子カウンセリング事業を実施します。今後は、カウンセリングの機会を増やすなど心理的ケアの充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業52 精神保健福祉センター等による支援 内容 精神保健福祉センターや保健センターは、身近な相談機関として、こころの健康に関する相談に応じ、医療機関等と連携して精神的支援を行います。 方向性 継続 所管 健康福祉局 P29 (2)被害者の孤立防止のための支援 被害者は、避難をする場合に、それまでに築いた地域社会との関わり、そこでの人間関係等も失うことになり、新たな場所で生活を始めることとなることから、将来への不安や孤立感等が解消されるよう、見守りながら継続的に支援を行います。 事業53 見守り・同行支援事業 内容 一時保護所や母子生活支援施設を退所した後など、地域で自立生活を始めた被害者を継続して支援していくために、電話相談や家庭訪問、裁判所等への付き添い等を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業49(再掲) 親子支援プログラム事業 内容 DVのある環境から離れ、地域生活を始めた被害者とその子どものこころのケアと親子関係の回復のためのプログラムを行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 目標6 子どもの権利を尊重した支援 (1)子どもの権利擁護 安全確保を優先するため被害者とともに子どもが避難した場合、その子どもの意思が十分に考慮されないことがあることから、子ども一人一人が尊重されるよう権利の保障を図ります。さらに、支援者が被害者だけでなく子どもも被害当事者であるという認識をもって支援を行う必要があるため、子どもの権利について理解を深める取組を行います。 事業54 子どもの権利擁護機関との連携 内容 安全確保のために被害者と避難した子どもに対して子どもの権利擁護機関の情報を提供するなどして、子どもの権利保障を図ります。 また、支援者が子どもの権利を意識した支援ができるよう、理解を深めるための研修等を行います。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 P30 (2)子どものこころのケア 子どもの見ている前でのDVは、子どもへの児童虐待(心理的虐待)にあたるとされています。 さらに直接的な暴力を受けていることもあるため、傷ついた子どものこころのケアを行います。 事業55 DVで避難した子どもへのこころのケア 内容 被害者と避難し、生活が大きく変化したことにより不安を抱える子どもの気持ちに寄り添えるよう、リーフレット等を活用し、こころのケアを行います。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 事業56 児童相談所による子どもへの心理的ケア 内容 児童相談所は、関係機関と連携し、DVのある家庭環境で育った子どもへの心理的ケアを行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業49(再掲) 親子支援プログラム事業 内容 DVのある環境から離れ、地域生活を始めた被害者とその子どものこころのケアと親子関係の回復のためのプログラムを行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業51(再掲) DV被害者とその子どものための心理的ケア 内容 被害者とその子どものための心理的ケアとして親子カウンセリング事業を実施します。今後は、カウンセリングの機会を増やすなど心理的ケアの充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 P31 (3)保育・教育の支援 避難に伴う学校・幼稚園・保育所等の転園(校)により、子どもの生活環境が一変することは、子どもにとって大きな精神的負担になっていると考えられます。子どもが抱える不安や悩みを、関係機関が適切に受け止め、新たな環境で健やかに過ごすことができるよう連携して支援を進めます。 事業57 保育所等の利用にかかる配慮 内容 保育所等の利用調整において、児童福祉の観点から、DV被害者の世帯に対する優先的な配慮を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業58 ハートフレンドなごやでの教育相談事業 内容 子どもの教育・養育上の問題に関するあらゆる内容について、子ども及びその保護者に寄り添い、問題を解決するために教育相談を行います。必要に応じて、児童相談所を始めとした他の相談機関と連携を図ります。 方向性 継続 所管 教育委員会 事業59 なごや子ども応援委員会 内容 様々な悩みや心配を抱える子どもや親を総合的に支援するなごや子ども応援委員会の体制の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 教育委員会 事業60 スクールカウンセラーの配置 内容 子どもの様々な悩みや心配事に対応するため、スクールカウンセラーの小学校・中学校・特別支援学校・高等学校への配置の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 教育委員会 事業61 就学援助 内容 経済的に困窮している小中学生の保護者に対して学用品等の費用を援助します。 方向性 継続 所管 教育委員会 事業62 中学生の学習支援事業 内容 ひとり親家庭、生活保護世帯等の中学生に対して学習会を開催し、児童交流や保護者の養育支援等を総合的に実施します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 健康福祉局 (4)児童虐待対応との連携 子どもの面前でのDVは、子どもの心理的虐待となることに加え、DV被害がある場合、子どもへの直接的な虐待の制止が困難になる傾向があるため、DV対応と児童虐待対応の連携した対応が必要です。また、円滑な連携のために、双方の機関の職員がDVと児童虐待の特性や関連性を始め、機関の役割等について相互に理解し、包括的な支援を行います。 P32 事業63 DV対応と児童虐待対応の連携強化 内容 DV対応と児童虐待対応の担当職員等がDVと児童虐待の特性や関連性に関してそれぞれの研修を通じて理解し、早期発見に努めるとともに、DVと児童虐待が併存する場合は連携して対応します。今後は、円滑な連携のためのより実効性のある方策について取組を進めます。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業64 児童相談所等における相談支援 内容 児童相談所等において、養護(児童虐待)・保健・非行・育成(不登校・しつけ等)等の相談支援を実施します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業65 児童相談所の体制強化 内容 被虐待児や虐待をした親への十分なケアを実施するなど、本市の子どもの安全で健全な発達環境を保障していくために、児童福祉司の増員等児童相談所の体制を強化します。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業66 区役所・支所における児童虐待等への機能強化 内容 区役所・支所における子ども家庭相談の体制を強化し、児童虐待等への対応を拡充します。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業67 児童虐待防止における関係機関の連携 内容 児童虐待等の問題解決のため、全市各区レベルの連絡調整(なごや子どもサポート連絡協議会等)、情報交換を実施するとともに、電算システムを活用して社会福祉事務所、児童相談所、保健センター等の情報共有を迅速・的確に行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業68 名古屋市児童を虐待から守る条例の推進 内容 「名古屋市児童を虐待から守る条例」によって児童虐待防止推進月間として定める5月、11月を中心に、児童虐待防止の講演会、オレンジリボンキャンペーン等の広報・啓発等を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業69 なごやっ子SOS 内容 児童虐待に関することのみならず、子育てに関する悩みや不安に関する相談を、電話により24時間・365日の体制で受け付ける電話相談事業を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 P33 目標7 外国人の被害者・高齢の被害者・障害のある被害者等への支援の充実  配偶者暴力防止法において、職務関係者は、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重しなければならないとされており、それを踏まえ、被害者個々の立場、状況に十分配慮して相談支援を行います。  被害者が高齢者又は障害者である場合は、高齢者虐待又は障害者虐待にも該当する場合があることを認識し、これらの虐待に関する相談支援機関とも十分な連携を図り、支援を進めます。また性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の被害者等多様な状況にある被害者の相談、支援についても十分な配慮が必要なことから、支援者の理解の深化を図ることが必要です。さらに、DVは、他の家族等への暴力の可能性もあることから、関係機関との連携を進めます。 (1)外国人の被害者への支援 事業70 女性及び児童への相談援助活動における通訳等派遣事業 内容 日本語による意思疎通が十分にできない被害者等が相談に来た際に、区役所・支所等へ通訳者を派遣し円滑に相談できるように努めます。今後は、よりきめ細やかな相談対応ができるよう派遣の拡充を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業71 多言語による各種相談等 内容 名古屋国際センターでは、法律相談や心のカウンセリング、トリオホン等を活用した生活相談等の多言語(英語、ポルトガル語、スペイン語、中国語等)による各種相談事業を推進します。 方向性 継続 所管 観光文化交流局 事業72 日本語教育相談センターでの相談事業 内容 外国人児童生徒の「初期日本語集中教室」「日本語通級指導教室」への就学相談及び翻訳・通訳派遣等を通じた支援を行い、日本語指導が必要な児童生徒の学校生活への適応を図ります。 方向性 継続 所管 教育委員会 P34 (2)高齢の被害者への支援 事業73 社会福祉事務所、いきいき支援センター等による連携した支援 内容 高齢の被害者に対して、配偶者暴力相談支援センターを始め、社会福祉事務所、いきいき支援センター等の関係機関が相互に連携して、個々の状況に配慮した支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 健康福祉局 事業74 高齢者虐待相談センターにおける相談支援 内容 高齢者虐待相談センターでは、DV被害も含めた高齢者虐待について相談を受け、社会福祉事務所やいきいき支援センターと連携を図りながら適切な対応を行います。 方向性 継続 所管 健康福祉局 (3)障害のある被害者への支援 事業75 社会福祉事務所、保健センター等による連携した支援 内容 障害のある被害者に対して、配偶者暴力相談支援センターを始め、社会福祉事務所、保健センター等の関係機関が相互に連携して、個々の状況に配慮した支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 健康福祉局 事業76 障害者虐待相談センターにおける相談支援 内容 障害者虐待相談センターでは、DV被害も含めた障害者虐待について相談を受け、社会福祉事務所や障害者基幹相談支援センターと連携を図りながら適切な対応を行います。 方向性 継続 所管 健康福祉局 (4)多様な状況にある被害者への支援 事業77 性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の被害者への理解と配慮 内容 性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)の被害者の相談、支援について、それぞれの状況に配慮した支援ができるよう支援者に対して研修等を通じて理解を深め、適切に対応します。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 P35 基本方向3 総合的な支援体制の強化  配偶者暴力防止等基本計画(第4次)を推進していくため、関係機関・民間団体との連携を推進します。また、支援者の資質向上とともに組織的な対応を図るための方策を実施し、総合的な支援体制の強化を目指します。 目標8 総合的な推進体制の強化と関係機関等との連携推進 (1)総合的な庁内連携の推進 DVについては、複合的な問題が含まれており、ひとつの機関のみで支援を行うことは困難であるため、重層的な庁内会議において必要な情報共有を図るとともに、被害者支援にかかる協議を行い、配偶者暴力防止等基本計画に基づく施策・事業の進行管理に努め、庁内の連携を進めます。 事業78 庁内連携の推進 内容 「名古屋市男女平等参画推進協議会」では、DV防止を始めとした男女平等参画の推進にかかる施策の総合的な企画及び連絡調整に関する事項について調査審議し、全庁的な対策を進めます。 また、「名古屋市ドメスティック・バイオレンス被害者支援庁内連絡会議」において、関係局における取組等に関する情報共有を図り、配偶者暴力防止等基本計画に基づく施策が効果的に推進されるよう、関係局の連携等を進めます。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 (2)関係機関・民間団体との連携・協力の推進 被害者を早期発見し、適切な保護、自立に繋げていくため、関係機関と相互に十分な連携を図りながら対応します。また、被害者支援に関する豊富な経験や専門知識を有する民間団体の理解と協力は重要であり、DVの防止や相談、保護、同行支援に至る様々な場面で民間団体が行う先進的な取組も活用して、緊密に連携を図ります。 事業79 DV防止対策関係機関等との連携 内容 「名古屋市ドメスティック・バイオレンス対策関係機関連絡会議」等を活用して、関係機関・民間団体の取組が、配偶者暴力防止等基本計画に即して効果的に機能するよう連携を進めます。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 事業80 愛知県女性相談センターとの連携 内容 被害者等の安心と安全の確保のため、一時保護や婦人保護施設の入所決定を行う愛知県女性相談センターと緊密に連携して支援します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業81 警察との連携 内容 被害者等の安心と安全のため、愛知県警察が主催する「ストーカー・DV等関係機関連絡会議」に参画し意見交換を行う等、愛知県警察と緊密に連携することで被害の防止を図るとともに、緊急対応を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業82 被害者支援団体との連携・協力 内容 被害者の支援に関し、経験の豊富な民間団体との連携による被害者等の安全確保のための民間シェルター運営団体への家賃等補助や孤立防止のための親子支援プログラム事業、見守り・同行支援事業を実施します。 今後は、より一層の連携・協力を推進するため、民間団体が実施する先進的な支援の取組を活用し、民間団体の支援を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業83 他の自治体との広域的連携 内容 広域的な連携等に関して、愛知県女性相談センターや関係する自治体との連携を十分に図って支援します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業24(再掲) 専門家(弁護士)との連携 内容 愛知県弁護士会と連携し、DV相談の支援者等が、弁護士から法的な問題について助言を受ける「DV相談等法律問題援助事業」を実施し、より適切な支援を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業67(再掲) 児童虐待防止における関係機関の連携 内容 児童虐待等の問題解決のため、全市各区レベルの連絡調整(なごや子どもサポート連絡協議会等)、情報交換を実施するとともに、電算システムを活用して社会福祉事務所、児童相談所、保健センター等の情報共有を迅速・的確に行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 P37 (3)適切な苦情処理の実施 申出のあった苦情について、適切かつ迅速に対応し、職務執行の改善に反映するよう努めます。 事業84 苦情処理の取組 内容 男女平等参画苦情処理制度等を活用して、適切かつ迅速な対応を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 目標9 組織対応力の向上 (1)支援者のスキルアップ 適切な支援には、新しい課題や制度等について、十分な理解が必要です。 被害者等の支援を進めるにあたっては、相談・保護・自立・心身の回復までを視野に入れた切れ目のない支援が重要であり、公的機関・民間団体の支援者が共通理解と相互信頼を深め、支援者のスキルアップ・組織的対応力の強化等のための研修の充実を図ります。 事業17(再掲) 研修の充実 内容 相談支援業務に従事する職員に対し、担当者、係長級、管理職等の階層別研修や新任職員、中堅職員等の段階別研修に加えて、法律問題や事例検討等専門的な研修を実施します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業18(再掲) コンサルテーション機能の充実 内容 区役所・支所等が、支援困難事例に対して、様々な背景を持つ外国人や障害のある被害者等を十分に理解し、配慮した対応ができるよう分野別に外部のスーパーバイザーを導入することや、配偶者暴力相談支援センターに区役所・支所での相談経験がある相談員を配置するなど、配偶者暴力相談支援センターのコンサルテーション機能の充実を図ります。 方向性 拡充 所管 子ども青少年局 事業85 支援者への研修 内容 被害者支援に関係する職員や公的機関・民間団体の支援者の知識や支援スキルの向上のための研修を実施します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 P38 (2)組織的対応のための体制整備 被害者の相談について、危険性や緊急性を客観的に査定して、組織内で支援方針を決定する仕組みを整備するとともに、相談支援の質を平準化するための方策を検討し、組織的対応力の向上を図ります。 事業86 リスクアセスメントシート等の導入 内容 被害者からの相談に対して、危険性及び緊急性等が査定できるツールの導入や相談記録様式の統一により、組織的対応力の向上を図ります。 方向性 新規 所管 子ども青少年局 (3)支援者のメンタルヘルス 被害者からの相談支援業務に従事する支援者は、その職務の特性から、自分自身をすり減らしてしまうことで、バーンアウト(燃え尽き)状態につながってしまうことや、被害者と同様な被害の心理的経験を経て精神的ダメージを受けること(二次受傷)があります。これらの状況を防止するため、支援者のメンタルヘルスに必要な対策を行います。 事業87 支援者のこころのケア 内容 相談支援業務に従事する職員が、バーンアウト(燃え尽き)状態やDVの二次受傷に陥ることがないよう、セルフケアの方法等を学ぶ機会を提供します。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 事業88 支援者の安全対策 内容 相談支援業務に従事する支援者が加害者から不当な危害を加えられないように、支援者の個人情報を守るなど、安全対策に努めます。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 (4)二次的被害防止のための関係職員への研修 支援者の言動が被害者をさらに追い詰め、傷つけること(二次的被害)の防止のためには、被害者と直接関わる部署の職員等に対する研修及び啓発が重要であり、被害者の置かれた状況を深く理解し、被害者に寄り添う支援を行うよう、一層の充実を図ります。 事業89 職務関係者研修 内容 職員等に対し、二次的被害防止のための研修を行います。 方向性 継続 所管 子ども青少年局 スポーツ市民局 P39 第4章 計画の推進 1 推進体制 DV防止及び被害者支援に関する施策は広範多岐にわたり、ひとつの機関で支援を行うことは困難です。「名古屋市男女平等参画推進協議会」において必要な情報共有に努めるとともに、DV防止の推進に関する課題事項について調査・審議を行います。 また、「名古屋市ドメスティック・バイオレンス被害者支援庁内連絡会議」及び「名古屋市ドメスティック・バイオレンス対策関係機関連絡会議」において、施策、事業について実務者レベルでの協議を行い、関係部署・関係機関の連携を緊密に行い、計画の着実な推進を図ります。 2 推進にあたっての基本的な視点 (1)施策の策定・推進にあたっては、DV被害者の参画や意見を尊重します。 (2)DVを防止すること及び、DV被害者の保護、自立支援は行政の責務です。 (3)DVは、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害です。 (4)被害者は、自らの意思に基づき、安心・安全な生活を営む権利があります。 (5)被害者は、国籍、年齢、障害の有無に関わらず支援を受ける権利があります。 (6)被害者が本来持っている力を信頼しつつ、被害者の意思を尊重した支援が必要です。 (7)DVが行われている家庭の子どもや親族も被害者です。 (8)施策の推進には、国、県、市町村等の関係機関と民間団体等の連携が不可欠です。 3 実施状況の公表 この計画に基づく施策については、年度ごとに実施状況を公表します。 P40 資料編 ・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 …………41 ・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する  基本的な方針(概要) …………………………………………54 ・名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)  検討経過 ………………………………62 ・名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)  策定に係る懇談会委員名簿 …………………………………63 ・名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)  策定に係る懇談会開催要綱 …………………………………64 ・名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)  策定のための被害者調査結果(概要)……………………………………………65   資料 1 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 (平成十三年法律第三十一号) 最終改正:令和元年法律第四十六号 目次 前文 第一章 総則(第一条・第二条) 第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等(第二条の二・第二条の三) 第二章 配偶者暴力相談支援センター等(第三条―第五条) 第三章 被害者の保護(第六条―第九条の二) 第四章 保護命令(第十条―第二十二条) 第五章 雑則(第二十三条―第二十八条) 第五章の二 補則(第二十八条の二) 第六章 罰則(第二十九条・第三十条) 附則 我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。 ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。 このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。 ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。 第一章 総則 (定義) 第一条 この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。 2 この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。 3 この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。 (国及び地方公共団体の責務) 第二条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有する。 第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等 (基本方針) 第二条の二 内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣及び厚生労働大臣(以下この条及び次条第五項において「主務大臣」という。)は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下この条並びに次条第一項及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。 2 基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の都道府県基本計画及び同条第三項の市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする。 一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な事項 二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項 三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項 3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 (都道府県基本計画等) 第二条の三 都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「都道府県基本計画」という。)を定めなければならない。 2 都道府県基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な方針 二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施内容に関する事項 三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項 3 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本方針に即し、かつ、都道府県基本計画を勘案して、当該市町村における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「市町村基本計画」という。)を定めるよう努めなければならない。 4 都道府県又は市町村は、都道府県基本計画又は市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 5 主務大臣は、都道府県又は市町村に対し、都道府県基本計画又は市町村基本計画の作成のために必要な助言その他の援助を行うよう努めなければならない。 第二章 配偶者暴力相談支援センター等 (配偶者暴力相談支援センター) 第三条 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。 2 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするよう努めるものとする。 3 配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため、次に掲げる業務を行うものとする。 一 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介すること。 二 被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと。 三 被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者及びその同伴する家族。次号、第六号、第五条、第八条の三及び第九条において同じ。)の緊急時における安全の確保及び一時保護を行うこと。 四 被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。 五 第四章に定める保護命令の制度の利用について、情報の提供、助言、関係機関への連絡その他の援助を行うこと。 六 被害者を居住させ保護する施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。 4 前項第三号の一時保護は、婦人相談所が、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとする。 5 配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体との連携に努めるものとする。 (婦人相談員による相談等) 第四条 婦人相談員は、被害者の相談に応じ、必要な指導を行うことができる。 (婦人保護施設における保護) 第五条 都道府県は、婦人保護施設において被害者の保護を行うことができる。 第三章 被害者の保護 (配偶者からの暴力の発見者による通報等) 第六条 配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。 2 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。この場合において、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。 3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。 4 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければならない。 (配偶者暴力相談支援センターによる保護についての説明等) 第七条 配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関する通報又は相談を受けた場合には、必要に応じ、被害者に対し、第三条第三項の規定により配偶者暴力相談支援センターが行う業務の内容について説明及び助言を行うとともに、必要な保護を受けることを勧奨するものとする。 (警察官による被害の防止) 第八条 警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところにより、暴力の制止、被害者の保護その他の配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 (警察本部長等の援助) 第八条の二 警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、方面本部長。第十五条第三項において同じ。)又は警察署長は、配偶者からの暴力を受けている者から、配偶者からの暴力による被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該配偶者からの暴力を受けている者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該被害を自ら防止するための措置の教示その他配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な援助を行うものとする。 (福祉事務所による自立支援) 第八条の三 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所(次条において「福祉事務所」という。)は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)その他の法令の定めるところにより、被害者の自立を支援するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 (被害者の保護のための関係機関の連携協力) 第九条 配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所、児童相談所その他の都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。 (苦情の適切かつ迅速な処理) 第九条の二 前条の関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたときは、適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとする。 第四章 保護命令 (保護命令) 第十条 被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が、配偶者からの身体に対する暴力を受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する暴力(配偶者からの身体に対する暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。第十二条第一項第二号において同じ。)により、配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者である場合にあっては配偶者から受ける身体に対する暴力(配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。同号において同じ。)により、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この条、同項第三号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対し、次の各号に掲げる事項を命ずるものとする。ただし、第二号に掲げる事項については、申立ての時において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に限る。 一 命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この号において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。 二 命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。 2 前項本文に規定する場合において、同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、被害者に対して次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。 一 面会を要求すること。 二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。 三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。 四 電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。 五 緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールを送信すること。 六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。 七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。 八 その性的羞(しゆう)恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。 3 第一項本文に規定する場合において、被害者がその成年に達しない子(以下この項及び次項並びに第十二条第一項第三号において単に「子」という。)と同居しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)、就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。ただし、当該子が十五歳以上であるときは、その同意がある場合に限る。 4 第一項本文に規定する場合において、配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居している子及び配偶者と同居している者を除く。以下この項及び次項並びに第十二条第一項第四号において「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該親族等の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい、又は当該親族等の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。 5 前項の申立ては、当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親族等が十五歳未満の者又は成年被後見人である場合にあっては、その法定代理人の同意)がある場合に限り、することができる。 (管轄裁判所) 第十一条 前条第一項の規定による命令の申立てに係る事件は、相手方の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。 2 前条第一項の規定による命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。 一 申立人の住所又は居所の所在地 二 当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫が行われた地 (保護命令の申立て) 第十二条 第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。 一 配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況 二 配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情 三 第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情 四 第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情 五 配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助若しくは保護を求めた事実の有無及びその事実があるときは、次に掲げる事項 イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称 ロ 相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所 ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容 ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容 2 前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立書には、同項第一号から第四号までに掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第五十八条ノ二第一項の認証を受けたものを添付しなければならない。 (迅速な裁判) 第十三条 裁判所は、保護命令の申立てに係る事件については、速やかに裁判をするものとする。 (保護命令事件の審理の方法) 第十四条 保護命令は、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。 2 申立書に第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には、裁判所は、当該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長に対し、申立人が相談し又は援助若しくは保護を求めた際の状況及びこれに対して執られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。この場合において、当該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長は、これに速やかに応ずるものとする。 3 裁判所は、必要があると認める場合には、前項の配偶者暴力相談支援センター若しくは所属官署の長又は申立人から相談を受け、若しくは援助若しくは保護を求められた職員に対し、同項の規定により書面の提出を求めた事項に関して更に説明を求めることができる。 (保護命令の申立てについての決定等) 第十五条 保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。 2 保護命令は、相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡しによって、その効力を生ずる。 3 保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する警視総監又は道府県警察本部長に通知するものとする。 4 保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた事実があり、かつ、申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載があるときは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨及びその内容を、当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては、申立人がその職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知するものとする。 5 保護命令は、執行力を有しない。 (即時抗告) 第十六条 保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 2 前項の即時抗告は、保護命令の効力に影響を及ぼさない。 3 即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があったときに限り、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令の効力の停止を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処分を命ずることができる。 4 前項の規定により第十条第一項第一号の規定による命令の効力の停止を命ずる場合において、同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければならない。 5 前二項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。 6 抗告裁判所が第十条第一項第一号の規定による命令を取り消す場合において、同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、抗告裁判所は、当該命令をも取り消さなければならない。 7 前条第四項の規定による通知がされている保護命令について、第三項若しくは第四項の規定によりその効力の停止を命じたとき又は抗告裁判所がこれを取り消したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨及びその内容を当該通知をした配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。 8 前条第三項の規定は、第三項及び第四項の場合並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用する。 (保護命令の取消し) 第十七条 保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令を取り消さなければならない。第十条第一項第一号又は第二項から第四項までの規定による命令にあっては同号の規定による命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した後において、同条第一項第二号の規定による命令にあっては当該命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した後において、これらの命令を受けた者が申し立て、当該裁判所がこれらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。 2 前条第六項の規定は、第十条第一項第一号の規定による命令を発した裁判所が前項の規定により当該命令を取り消す場合について準用する。 3 第十五条第三項及び前条第七項の規定は、前二項の場合について準用する。 (第十条第一項第二号の規定による命令の再度の申立て) 第十八条 第十条第一項第二号の規定による命令が発せられた後に当該発せられた命令の申立ての理由となった身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする同号の規定による命令の再度の申立てがあったときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由により当該発せられた命令の効力が生ずる日から起算して二月を経過する日までに当該住居からの転居を完了することができないことその他の同号の規定による命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り、当該命令を発するものとする。ただし、当該命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該命令を発しないことができる。 2 前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については、同条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「第一号、第二号及び第五号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同項第五号中「前各号に掲げる事項」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同条第二項中「同項第一号から第四号までに掲げる事項」とあるのは「同項第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」とする。 (事件の記録の閲覧等) 第十九条 保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、相手方にあっては、保護命令の申立てに関し口頭弁論若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は相手方に対する保護命令の送達があるまでの間は、この限りでない。 (法務事務官による宣誓認証) 第二十条 法務局若しくは地方法務局又はその支局の管轄区域内に公証人がいない場合又は公証人がその職務を行うことができない場合には、法務大臣は、当該法務局若しくは地方法務局又はその支局に勤務する法務事務官に第十二条第二項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の認証を行わせることができる。 (民事訴訟法の準用) 第二十一条 この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定を準用する。 (最高裁判所規則) 第二十二条 この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。 第五章 雑則 (職務関係者による配慮等) 第二十三条 配偶者からの暴力に係る被害者の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」という。)は、その職務を行うに当たり、被害者の心身の状況、その置かれている環境等を踏まえ、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重するとともに、その安全の確保及び秘密の保持に十分な配慮をしなければならない。 2 国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、被害者の人権、配偶者からの暴力の特性等に関する理解を深めるために必要な研修及び啓発を行うものとする。 (教育及び啓発) 第二十四条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。 (調査研究の推進等) 第二十五条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に資するため、加害者の更生のための指導の方法、被害者の心身の健康を回復させるための方法等に関する調査研究の推進並びに被害者の保護に係る人材の養成及び資質の向上に努めるものとする。 (民間の団体に対する援助) 第二十六条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとする。 (都道府県及び市の支弁) 第二十七条 都道府県は、次の各号に掲げる費用を支弁しなければならない。 一 第三条第三項の規定に基づき同項に掲げる業務を行う婦人相談所の運営に要する費用(次号に掲げる費用を除く。) 二 第三条第三項第三号の規定に基づき婦人相談所が行う一時保護(同条第四項に規定する厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行う場合を含む。)に要する費用 三 第四条の規定に基づき都道府県知事の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する費用 四 第五条の規定に基づき都道府県が行う保護(市町村、社会福祉法人その他適当と認める者に委託して行う場合を含む。)及びこれに伴い必要な事務に要する費用 2 市は、第四条の規定に基づきその長の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する費用を支弁しなければならない。 (国の負担及び補助) 第二十八条 国は、政令の定めるところにより、都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第一号及び第二号に掲げるものについては、その十分の五を負担するものとする。 2 国は、予算の範囲内において、次の各号に掲げる費用の十分の五以内を補助することができる。 一 都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第三号及び第四号に掲げるもの 二 市が前条第二項の規定により支弁した費用 第五章の二 補則 (この法律の準用) 第二十八条の二 第二条及び第一章の二から前章までの規定は、生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手からの暴力(当該関係にある相手からの身体に対する暴力等をいい、当該関係にある相手からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が当該関係を解消した場合にあっては、当該関係にあった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含む。)及び当該暴力を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「配偶者からの暴力」とあるのは「第二十八条の二に規定する関係にある相手からの暴力」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 第二条 被害者 被害者(第二十八条の二に規定する関係にある相手からの暴力を受けた者をいう。以下同じ。) 第六条第一項 配偶者又は配偶者であった者 同条に規定する関係にある相手又は同条に規定する関係にある相手であった者 第十条第一項から第四項まで、第十一条第二項第二号、第十二条第一項第一号から第四号まで及び第十八条第一項 配偶者 第二十八条の二に規定する関係にある相手 第十条第一項 離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合 第二十八条の二に規定する関係を解消した場合 第六章 罰則 第二十九条 保護命令(前条において読み替えて準用する第十条第一項から第四項までの規定によるものを含む。次条において同じ。)に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 第三十条 第十二条第一項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第二十八条の二において読み替えて準用する第十二条第一項(第二十八条の二において準用する第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により記載すべき事項について虚偽の記載のある申立書により保護命令の申立てをした者は、十万円以下の過料に処する。 附 則 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、第二章、第六条(配偶者暴力相談支援センターに係る部分に限る。)、第七条、第九条(配偶者暴力相談支援センターに係る部分に限る。)、第二十七条及び第二十八条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。 (経過措置) 第二条 平成十四年三月三十一日までに婦人相談所に対し被害者が配偶者からの身体に対する暴力に関して相談し、又は援助若しくは保護を求めた場合における当該被害者からの保護命令の申立てに係る事件に関する第十二条第一項第四号並びに第十四条第二項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「配偶者暴力相談支援センター」とあるのは、「婦人相談所」とする。 (検討) 第三条 この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。 附 則 (平成一六年六月二日法律第六四号) (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 (経過措置) 第二条 この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(次項において「旧法」という。)第十条の規定による命令の申立てに係る同条の規定による命令に関する事件については、なお従前の例による。 2 旧法第十条第二号の規定による命令が発せられた後に当該命令の申立ての理由となった身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものと同一の事実を理由とするこの法律による改正後の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下「新法」という。)第十条第一項第二号の規定による命令の申立て(この法律の施行後最初にされるものに限る。)があった場合における新法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「二月」とあるのは、「二週間」とする。 (検討) 第三条 新法の規定については、この法律の施行後三年を目途として、新法の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。 附 則 (平成一九年七月一一日法律第一一三号) 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 (経過措置) 第二条 この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第十条の規定による命令の申立てに係る同条の規定による命令に関する事件については、なお従前の例による。 附 則 (平成二五年七月三日法律第七二号) 抄 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 附 則 (平成二六年四月二三日法律第二八号) 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 略 二 第二条並びに附則第三条、第七条から第十条まで、第十二条及び第十五条から第十八条までの規定 平成二十六年十月一日 附 則 (令和元年六月二六日法律第四六号) 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、令和二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 附則第四条、第七条第一項及び第八条の規定 公布の日 (その他の経過措置の政令への委任) 第四条 前二条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。 (検討等) 第八条 政府は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行後三年を目途に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第六条第一項及び第二項の通報の対象となる同条第一項に規定する配偶者からの暴力の形態並びに同法第十条第一項から第四項までの規定による命令の申立てをすることができる同条第一項に規定する被害者の範囲の拡大について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 2 政府は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行後三年を目途に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第一条第一項に規定する配偶者からの暴力に係る加害者の地域社会における更生のための指導及び支援の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 資料 2 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本的な方針(概要) 平成2 5 年1 2 月2 6 日 内閣府、国家公安委員会、 法務省、厚生労働省告示第1 号 ※ 令和2年3月23 日 最終改正 第1 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な事項 1 基本的な考え方 配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害である。 2 我が国の現状 平成13 年4月、法が制定され、基本方針の策定等を内容とする平成16 年5月、平成19 年7月、平成26 年1月の法改正を経て、令和元年6月、児童虐待防止対策及び配偶者からの暴力の被害者の保護対策の強化を図るため、被害者の保護に当たり、相互に連携協力を図るべき機関として児童相談所を明記する等の改正が行われた。 3 基本方針並びに都道府県基本計画及び市町村基本計画 (1)基本方針 基本方針は、都道府県基本計画及び市町村基本計画の指針となるべきものである。基本方針の内容についても、法と同様、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力及び被害者について準用することとする。 (2)都道府県基本計画及び市町村基本計画 基本計画は、第一線で中心となって施策に取り組む地方公共団体が策定するものである。策定に当たっては、それぞれの都道府県又は市町村の状況を踏まえた計画とするとともに、都道府県と市町村の役割分担についても、基本方針を基に、地域の実情に合った適切な役割分担となるよう、あらかじめ協議することが必要である。被害者の立場に立った切れ目のない支援のため、都道府県については、被害者の支援における中核として、一時保護等の実施、市町村への支援、職務関係者の研修等広域的な施策等、市町村については、身近な行政主体の窓口として、相談窓口の設置、緊急時における安全の確保、地域における継続的な自立支援等が基本的な役割として考えられる。 第2 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項 1 配偶者暴力相談支援センター 都道府県の支援センターは、都道府県における対策の中核として、処遇の難しい事案への対応や専門的・広域的な対応が求められる業務にも注力することが望ましい。市町村の支援センターは、身近な行政主体における支援の窓口として、その性格に即した基本的な役割について、積極的に取り組むことが望ましい。また、民間団体と支援センターとが対等な関係性において、必要に応じ、機動的に連携を図りながら対応することが必要である。 2 婦人相談員 婦人相談員は、被害者に関する各般の相談に応じるとともに、その態様に応じた適切な援助を行うことが必要である。 3 配偶者からの暴力の発見者による通報等 (1)通報 都道府県及び市町村は、被害者を発見した者は、その旨を支援センター又は警察官に通報するよう努めることの周知を図ることが必要である。医師その他の医療関係者等は、被害者を発見した場合には、守秘義務を理由にためらうことなく、支援センター又は警察官に対して通報を行うことが必要である。 (2)通報等への対応 支援センターにおいて、国民から通報を受けた場合は、通報者に対し、被害者に支援センターの利用に関する情報を教示してもらうよう協力を求めることが必要である。医療関係者から通報を受けた場合は、被害者の意思を踏まえ、当該医療機関に出向く等により状況を把握し、被害者に対して説明や助言を行うことが望ましい。警察において、配偶者からの暴力が行われていると認めた場合は、暴力の制止に当たるとともに、応急の救護を要すると認められる被害者を保護することが必要である。 4 被害者からの相談等 (1)配偶者暴力相談支援センター 電話による相談があった場合は、その訴えに耳を傾け、適切な助言を行うこと、また、面接相談を行う場合は、その話を十分に聴いた上で、どのような援助を求めているのかを把握し、問題解決に向けて助言を行うことが必要である。 (2)警察 被害者からの相談において意思決定を支援するなど、被害者の立場に立った適切な対応を行うとともに、相談に係る事案が刑罰法令に抵触すると認められる場合には、被害者の意思を踏まえ捜査を開始するほか、刑事事件として立件が困難であると認められる場合であっても、加害者に対する指導警告を行うなどの措置を講ずることが必要である。被害者から警察本部長等の援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、必要な援助を行うことが必要である。 (3)人権擁護機関 支援センター、警察等と連携を図りながら、被害者に必要な助言、婦人相談所等一時保護施設等への紹介等の援助を行うなど、被害者の保護、救済に努める。 (4)民間団体との連携 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間団体では、相談業務、同行支援、自立支援など大きな役割を担っている。 5 被害者に対する医学的又は心理学的な援助等 (1)被害者に対する援助 婦人相談所において、医師、心理判定員等、支援にかかわる職員が連携して被害者に対する医学的又は心理学的な援助を行うことが必要である。また、被害者が、地域での生活を送りながら、身近な場所で相談等の援助を受けられるよう、支援センターは、カウンセリングを行うことや、専門家や民間団体等と連携し、適切な相談機関を紹介するなどの対応を採ることが必要である。 (2)子どもに対する援助 児童相談所において、医学的又は心理学的な援助を必要とする子どもに対して、精神科医や児童心理司等が連携を図りながら、カウンセリング等を実施することが必要である。また、学校及び教育委員会並びに支援センターは、学校において、スクールカウンセラー等が相談に応じていること等について、適切に情報提供を行うことが必要である。 (3)医療機関との連携 支援センターは、被害者本人及びその子どもを支援するに当たって、専門医学的な判断や治療を必要とする場合は、医療機関への紹介、あっせんを行うことが必要である。 6 被害者の緊急時における安全の確保及び一時保護等 (1)緊急時における安全の確保 婦人相談所の一時保護所が離れている等の場合において、緊急に保護を求めてきた被害者を一時保護が行われるまでの間等に適当な場所にかくまう、又は避難場所を提供すること等の緊急時における安全の確保は、身近な行政主体である市町村において、地域における社会資源を活用して積極的に実施されることが望ましい。 (2)一時保護 一時保護は、配偶者からの暴力を避けるため緊急に保護すること等を目的に行われるものであるから、夜間、休日を問わず、一時保護の要否判断を速やかに行う体制を整えることが必要である。また、それぞれの被害者の状況等を考慮し、被害者にとって最も適当と考えられる一時保護の方法及び施設を選定することが必要である。 (3)婦人保護施設等 婦人保護施設は、適切な職員を配置し、心身の健康の回復や生活基盤の安定化と自立に向けた支援を行うことが必要である。母子生活支援施設は、適切な職員を配置し、子どもの保育や教育等を含め、母子について心身の健康の回復や生活基盤の安定化と自立に向けた支援を行うとともに、退所後についても相談その他の援助を行うことが必要である。 (4)広域的な対応 都道府県域を越えて一時保護・施設入所がなされる広域的な対応も増加しており、これら地方公共団体間の広域的な連携を円滑に実施することが必要である。 7 被害者の自立の支援 (1)関係機関等との連絡調整等 支援センターが中心となって関係機関の協議会等を設置し、関係機関等の相互の連携体制について協議を行うとともに、各機関の担当者が参加して、具体的な事案に即して協議を行う場も継続的に設けることが望ましい。また、手続の一元化や同行支援を行うことにより、被害者の負担の軽減と、手続の円滑化を図ることが望ましい。 (2)被害者等に係る情報の保護 支援センターは、住民基本台帳の閲覧等に関し、被害者を保護する観点から、加害者からの請求又は申出については閲覧させない等の措置が執られていることについて、情報提供等を行うことが必要である。また、住民基本台帳からの情報に基づき事務の処理を行う関係部局においては、閲覧等の制限の対象となっている被害者について、特に厳重に情報の管理を行うことが必要である。 (3)生活の支援 福祉事務所及び母子・父子自立支援員においては、法令に基づき被害者の自立支援を行うことが必要である。福祉事務所においては、被害者が相談・申請を行う場所や、生活保護の申請を受けて、扶養義務者に対して扶養の可能性を調査する際の方法や範囲等に関し、被害者の安全確保の観点から適切に配慮することが必要である。 (4)就業の支援 公共職業安定所や職業訓練施設においては、被害者一人一人の状況に応じたきめ細かな就業支援に積極的に取り組むことが必要である。また、子どものいる被害者については、母子家庭等就業・自立支援センターにおける就業相談等の活用についても積極的に促すことが必要である。 (5)住宅の確保 公営住宅の事業主体において、被害者の自立支援のため、公営住宅の優先入居や目的外使用等の制度が一層活用されることが必要である。また、都道府県等においては、身元保証人が得られないことでアパート等の賃借が困難となっている被害者のための身元保証人を確保するための事業の速やかな普及を図ることが望ましい。 (6)医療保険 婦人相談所等が発行する証明書を持って保険者に申し出ることにより、健康保険における被扶養者又は国民健康保険組合における組合員の世帯に属する者から外れること、また、第三者行為による傷病についても、保険診療による受診が可能であること等の情報提供等を行うことが必要である。 (7)年金 被害者が年金事務所において手続をとることにより、国民年金原簿等に記載されている住所等が知られることのないよう、秘密の保持に配慮した取扱いが行われること等について、情報提供等を行うことが必要である。 (8)子どもの就学・保育等 支援センターは、被害者等の安全の確保を図りつつ、子どもの教育を受ける権利が保障されるよう、教育委員会、学校と連絡をとるとともに、被害者に対し、必要な情報提供を行うことが必要である。国においては、市町村に対し、保育所への入所については、母子家庭等の子どもについて、保育所入所の必要性が高いものとして優先的に取り扱う特別の配慮を引き続き求めるよう努める。また、支援センターにおいては、住民基本台帳への記録がなされていない場合であっても、予防接種や健診が受けられることについて、情報提供等を行うことが必要である。 (9)その他配偶者暴力相談支援センターの取組 離婚調停手続等について各種の法律相談窓口を紹介するなど、被害者の自立を支援するために必要な措置を講ずることが望ましい。資力の乏しい被害者が無料法律相談等民事法律扶助制度を利用しやすくするため、日本司法支援センターに関する情報の提供を行うことが望ましい。また、住民基本台帳への記録がなされていない場合の介護給付等の扱いについて情報提供を行うことが必要である。 8 保護命令制度の利用等 (1)保護命令制度の利用 被害者が保護命令の申立てを希望する場合には、申立先の裁判所や申立書等の記入方法等についての助言を行うとともに、保護命令の手続の中で、申立書や添付した証拠書類の写し等が裁判所から相手方に送付されること、緊急に保護命令を発令しなければ被害者の保護ができない場合において、暴力等の事実など保護命令の発令要件の証明が可能なときは、裁判所に対し、審尋等の期日を経ずに発令するようにその事情を申し出ることができること等について、被害者に対し説明することが必要である。 (2)保護命令の通知を受けた場合の対応 ア 警察 速やかに被害者と連絡を取り、被害者の意向を確認した上で被害者の住所又は居所を訪問するなどして、緊急時の迅速な通報等について教示することが必要である。また、加害者に対しても、保護命令の趣旨及び保護命令違反が罪に当たることを認識させ、保護命令が確実に遵守されるよう指導警告等を行うことが必要である。 イ 配偶者暴力相談支援センター 速やかに被害者と連絡を取り、安全の確保や、親族等への接近禁止命令が出された場合には、当該親族等へその旨連絡すること等、保護命令発令後の留意事項について情報提供を行うことが必要である。また、警察と連携を図って被害者の安全の確保に努めることが必要である。 9 関係機関の連携協力等 (1)連携協力の方法 被害者の支援のためには、関係機関が共通認識を持ち、日々の相談、一時保護、自立支援等様々な段階において、緊密に連携しつつ取り組むことが必要である。 (2)関係機関による協議会等 関係部局や機関の長により構成される代表者会議、被害者の支援に直接携わる者により構成される実務者会議、実際の個別の事案に対応する個別ケース検討会議等、重層的な構成にすることが望ましい。参加機関としては、都道府県又は市町村の関係機関はもとより、関係する行政機関、民間団体等について、地域の実情に応じ、参加を検討することが望ましい。 (3)関連する地域ネットワークの活用 関連の深い分野における既存のネットワークとの連携や統合により、関連施策との連携協力を効果的かつ効率的に進めることについても、検討することが望ましい。 (4)広域的な連携 市町村又は都道府県の枠を越えた関係機関の広域的な連携が必要になる場合も考えられることから、あらかじめ、近隣の地方公共団体と連携について検討しておくことが望ましい。 (5)連携協力の実効性の向上 配偶者からの暴力対応と児童虐待対応の関係機関の連携協力については、研修の拡充等により、配偶者からの暴力及び児童虐待の特性並びに連携の在り方等に係る理解促進を図り、その実効性を向上させることが必要である。 10 職務関係者による配慮・研修及び啓発 (1)職務関係者による配慮 職務関係者は、配偶者からの暴力の特性等を十分理解した上で、被害者の立場に配慮して職務を行うことが必要である。特に被害者と直接接する場合は、被害者に更なる被害(二次的被害)が生じることのないよう配慮することが必要である。職務を行う際は、被害者等に係る情報の保護に十分配慮することが必要である。また、被害者には、外国人や障害者である者等も当然含まれていること等に十分留意しつつ、それらの被害者の立場に配慮して職務を行うことが必要である。 (2)職務関係者に対する研修及び啓発 研修及び啓発の実施に当たっては、配偶者からの暴力の特性や被害者の立場を十分に理解した上での対応が徹底されるよう配慮することが必要である。特に、被害者と直接接する立場の者に対する研修及び啓発においては、二次的被害の防止の観点が重要である。 11 苦情の適切かつ迅速な処理 関係機関においては、申し出られた苦情について、誠実に受け止め、適切かつ迅速に処理し、必要に応じ、職務の執行の改善に反映するとともに、可能な限り処理結果について申立人に対する説明責任を果たすことが望ましい。 12 教育啓発 (1)啓発の実施方法と留意事項 啓発の実施に際しては、関係機関が連携協力して取り組むことが効果的だと考えられる。啓発を通じて、地域住民に対して、配偶者からの暴力に関する的確な理解と協力が得られるよう努めることが必要である。 (2)若年層への教育啓発 配偶者からの暴力の防止に資するよう、学校・家庭・地域において、人権尊重の意識を高める教育啓発や男女平等の理念に基づく教育等を促進することが必要である。 13 調査研究の推進等 (1)調査研究の推進 国においては、加害者の更生のための指導の方法に関する調査研究について、いかに被害者の安全を高めるか等をその目的とするよう留意して、配偶者からの暴力に関する加害者に対する指導等の実施に向け、地域社会内における加害者更生プログラムを含む加害者対応と連動させた包括的な被害者支援体制の構築についての検討に努める。また、被害者の心身の健康を回復させるための方法等について、配偶者からの暴力の被害の実態把握や被害者の自立支援に寄与するため、調査研究の推進に努める。 (2)人材の育成等 関係機関は、被害者の支援に係る人材の育成及び資質の向上について、職務関係者に対する研修等を通じ、十分配慮することが必要である。 14 民間の団体に対する援助等 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るためには、国、都道府県及び市町村と、民間団体等とが対等な立場で緊密に連携を図りながら、より効果的な施策の実施を図っていくことが必要である。どのような連携を行うかは、それぞれの地域の実情と民間団体等の実態等を踏まえ、それぞれの都道府県又は市町村において判断することが望ましい。 第3 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項 1 基本方針に基づく施策の実施状況に係る評価 国及び地方公共団体における施策の実施状況等を把握するとともに、基本方針に基づく施策の実施状況に係る評価を適宜行い、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 2 基本計画の策定・見直しに係る指針 (1)基本計画の策定 基本計画の策定に際しては、その地域における配偶者からの暴力をめぐる状況や施策の実施状況を把握することが必要である。策定に当たっては、基本方針に掲げた各項目の関係部局が連携して取り組むことが望ましい。また、被害者の支援に取り組む民間団体等広く関係者の意見を聴取することが望ましい。 (2)基本計画の見直し等 基本計画については、基本方針の見直しに合わせて見直すことが必要である。なお、計画期間内であっても、新たに基本計画に盛り込むべき事項が生じるなどの場合は、必要に応じ、基本計画を見直すことが望ましい。 資料 3 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)検討経過 DV被害者の現状・ニーズの把握 ○名古屋市第9回男女平等参画に関する基礎調査 令和元年9月 ○ 名古屋市配偶者からの暴力被害者調査 令和元年10月〜令和元年11月 有識者等からの意見聴取 ○ 配偶者暴力防止等基本計画(第4次)策定に係る懇談会 第1回 令和元年 9月 第2回 令和2年 7月 第3回 令和2年10月 第4回 令和3年 2月(書面開催) 〇 名古屋市社会福祉審議会 令和3年1月(書面開催) 〇 なごや子ども・子育て支援協議会 令和3年2月(書面開催) 行政内部での検討 ○名古屋市男女平等参画推進協議会 第1回 令和2年 6月 第2回 令和2年12月 第3回 令和3年 2月(書面開催) ○名古屋市男女平等参画推進協議会幹事会 第1回 令和2年 5月(書面開催) 第2回 令和2年 8月(書面開催) 第3回 令和2年11月 第4回 令和3年 2月(書面開催) 〇 DV庁内連絡会議 第1回 令和2年11月 市民からの意見聴取 〇パブリックコメント 令和2年12月〜令和3年1月 資料 4 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次) 策定に係る懇談会 委員名簿 委員数:15人 (◎:座長、○:座長代理) 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次) 策定に係る懇談会 委員名簿 有識者     北川 秀樹 大竹 一夫     愛知県・名古屋市母子施設連盟     (大竹委員 第2回懇談会〜委員交代)      〇 可児 康則 愛知県弁護士会 小久保 裕美 東海学園大学教育学部教育学科 佐藤 顕世 一般社団法人 愛知県医療ソーシャルワーカー協会 真野 寿雄 服部 忠夫     一般社団法人 名古屋市医師会     (服部委員 第2回懇談会〜委員交代)      ◎ 松嶋 桂子 名古屋市配偶者暴力防止参与 民間団体     隠岐 美智子 NPO法人 フェミ二ストサポートセンター・東海 近藤 八津子 公益財団法人 名古屋YWCA 笹原 艶子 かけこみ女性センターあいち 塚ア 真澄 特定非営利活動法人 CAPNA 行政関係     八木 京子 猿渡 伸司     愛知県女性相談センター     (猿渡委員 第2回懇談会〜委員交代)      松木 博志 鈴木田 幸治     愛知県警察本部生活安全部人身安全対策課     (鈴木田委員 第2回懇談会〜委員交代)      川合 光久 野口 幸夫     愛知県福祉局児童家庭課     (野口委員 第2回懇談会〜委員交代)      野村 雄洋 安藤 昇司     区民生子ども課     (安藤委員 第2回懇談会〜委員交代)      栗田 貴志 忠平  守     名古屋市中央児童相談所     (忠平委員 第2回懇談会〜委員交代)       委員数:15人 (◎:座長、○:座長代理) 資料 5 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)策定に係る懇談会開催要綱  (趣旨) 第 1 条 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号。以下「配偶者暴力防止法」という。)第2条の3第3項に基づく「名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)」(以下「第4次基本計画」という。)の策定にあたり、有識者等の意見を聴取することを目的として、名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)策定に係る懇談会(以下「懇談会」という。)を開催する。  (定義) 第2条 この要綱において、「配偶者」、「配偶者からの暴力」及び「被害者」とは、配偶者暴力防止法第1条に定められたことをいう。 (意見聴取) 第 3 条 懇談会において、第4次基本計画の策定に関する事項についての意見を聴取する。 (構成) 第 4 条 懇談会は、次に掲げる者のうちから子ども青少年局長が選任するもの(以下「委員」という。)により構成する。 (1) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の支援に関して優れた識見を有する者 (2) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の支援に関係する団体から推薦された者 (3) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の支援に関係する行政機関の職員 (座長) 第 5 条 懇談会の座長及び座長代理は委員の中から名古屋市が決定する。 2  座長は、懇談会の議事を進行する。 3 座長代理は、座長を補佐し、座長に事故があるときは、その職務を代理する。 (守秘義務) 第 6 条 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。 (謝金) 第 7 条 委員が懇談会に出席したときは、謝金を支給する。 2  前項に規定する謝金の額は、日額12,600円とする。 (庶務) 第 8 条 懇談会の庶務は、子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課及びスポーツ市民局市民生活部男女平等参画推進室において処理する。 (その他) 第9条 この要綱に定めるもののほか、懇談会の運営に必要な事項は、子ども青少年局長が別に定める。    附 則 (施行期日) 1  この要綱は、令和元年 7 月10日から施行する。 (この要綱の失効) 2  この要綱は、第4次基本計画を公表した日限り、その効力を失う。    附 則  この要綱は、令和2年 6月5日から施行する。 資料6 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)策定の ための被害者調査結果(概要) 1 趣旨 「名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第3次)」に続く第4次計画の策定にあたり、配偶者からの暴力(以下DVという。)被害者の現状や支援の課題を把握するための調査を行い、被害者に必要な支援策やDVの未然防止策などを検討するための基礎資料とするために実施したもの。 2 各調査及び結果の概要 ア 第9回 男女平等参画に関する基礎調査  (ア)調査の概要 対 象 市内在住18歳以上男女4,000人を無作為抽出 期 間 令和元年9月 方 法 質問紙調査法 回答数 1,874人(有効回収率 46.9%) (イ) 結果の概要  a 暴力被害の相談先 配偶者や交際相手から暴力を受けていると回答した人は32.1%となり、そのうちの48.7%はどこ(だれ)にも相談していない(図1) (図1は省略) (ウ) 調査から見えてきたこと 暴力を受けていても、どこ(だれ)にも相談していない人は約半数となっており、公的相談施設に相談する方は少なく、身近な友人や親族にまずは相談する傾向となっている。 イ 配偶者からの暴力被害者調査    (ア)調査の概要 対 象 市内母子生活支援施設入所者、イーブルなごや相談室利用者、民間支援団体とつながりのある被害者、本市自立支援事業利用者。(質問項目の一部について、区、支所における女性相談及び配偶者暴力相談支援センターでも期間を決めて調査を実施) 期 間 令和元年10月〜11月 方 法 質問紙調査法(全26問) 回答数 43人(有効回収率 61.4%) (イ)結果の概要 a DV被害者の現状 (a)「相談機関に初めて相談したのは、相手方から最初に受けた暴力からどれくらいたってからですか。」との問いについて、「1年以上」たってから相談した方が約7割となっている。(図1) さらに「1年以上」たってから相談した方(53人)に「すぐに相談しなかった理由」を聞いたところ、「我慢すれば何とかやっていけると思った」71.7%が最も多く、次に「誰に相談してよいかわからなかった」、「自分にも悪いところがあると思った」、「子ども、親、兄弟に影響があると思った」41.5%となっており、その他「相談できる事すら知らなかった」との回答もあった。(図2) (図1は省略) (b) ここ1か月くらいの体調について聞いたところ、「少し悪い」30.2%と「悪い」4.7%で全体の34.9%となっている。(図3) b 子どもへの暴力被害の状況 (a) 「お子さんの目の前で暴力や暴言を受けたことがありますか。」との問いについて、「あった」と回答した方は、全体の86.5%となっており、前回調査とほぼ同じ割合となっている。(図4) (図2・3・4は省略) (b) 「今の生活で困っていることはなんですか。」との問いについて、「金銭、家計に関すること」48.8%と最も多く、次いで「子どもに関すること」41.9%、「ご自身の体調や心のケア」、「相手方(加害者)の探索や追跡の不安」37.2%となっている。(図5)  さらに、「子どもに関すること」と回答した方に「お子さんにお困りのことはなんですか」と聞いたところ、「子どもの勉強や進路のこと」「子ども成長や発達のこと」が61.1%と最も多く、次いで「あなたと子どもとの関係のこと(反抗的な態度や子どもからの暴力)」33.3%、「子どもが学校に行くことができないこと」27.8%となっている。(図6) (図5・6は省略) c 施策のニーズ 「配偶者からの暴力の防止や被害者支援のために必要な施策は何だと思われますか。」についての問について、「被害者がどこに相談すればいいかわかりやすく広報する」74.4%が最も多く、次いで「被害者の住まいや仕事の支援を充実する」69.8%、「被害者とその子どもに対する、心や体のケアを行なう」60.5%となっている。 一方で「加害者に対して暴力を振るわないようにするプログラムを実施する」39.5%、「暴力をふるうことはいけないこと」について市民向けの広報を充実する」32.6%と、被害者の支援だけでなく、配偶者からの暴力について未然に防止するための方策の充実についてのニーズもあった。(図7) (図7は省略) 3 調査から見えてきたこと  〇 相談機関にすぐにしない理由として、「自分が我慢すればいいこと」「自分が悪い」と考えてしまう暴力被害による影響に加え、「誰に相談していいかわからなかった」と回答した方も多かったことから、相談窓口の案内が十分行き届いていない状況があることが伺える。 〇 DVがある家庭の多くで子どもの面前での暴力被害があり、避難後に子ども自身も様々な問題を抱え、被害者がそのことで悩んでいる状況があることが伺える。 〇 今後充実してほしい施策として、相談窓口の周知や心理的ケアなどの被害者支援に加え、配偶者からの暴力を未然に防止するための方策(加害者対応や暴力はいけないことについての意識啓発)ついてのニーズもあることが伺える。 名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次) 令和3年3月 【編集・発行】 名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課 〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話:052-972-2519 FAX:052-972-4438 メール:a2519@kodomoseishonen.city.nagoya.lg.jp 名古屋市スポーツ市民局市民生活部男女平等参画推進室 〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話:052-972-2234  FAX:052-972-4206 メール:a2233@ sportsshimin.city.nagoya.lg.jp この冊子は、古紙パルプを含む再生紙を使用しています。