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新型コロナウイルス感染症診療にかかる東部医療センター長谷川千尋先生インタビュー

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このページを印刷する最終更新日:2021年4月1日

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 名古屋市立東部医療センターの長谷川千尋先生が、内科医師より受けたインタビュー(令和3年の2月9日録)について、その一部を掲載しています。記載されている医療の内容にきましては、“必ず行わなければならない”ものではなく、あくまで長谷川先生のご厚意で一例としてお示している点につきご了承ください。なお、東部医療センターでは、累計300人以上と市内医療機関のうち最多のコロナウイルス感染症の入院患者を受けています。


インタビューの内容

1.院内の体制 (ページ内リンク)
2.病態 (ページ内リンク)
3.感染予防 (ページ内リンク)
4.検査 (ページ内リンク)
5.ワクチン (ページ内リンク)
6.その他 (ページ内リンク)

 

1. 院内の体制

  • コロナ診療を開始した際におけるスタッフとの関係
  • 院内におけるコロナ担当医の決め方
  • スタッフの日常生活に対する注意喚起 等


Q.コロナ診療に関わるスタッフの不安を軽減するために大事なことは何ですか。
A.一番大事なことは、(スタッフの)話を聞いてあげること。コロナが始まって1年になるんですけど、最初の1週間というのが大事で、その時には暇を見つけては、その病棟にやることなくてもずっといましたね。
そこ(病棟)にいて何かあったら答えてあげるだとか、感染対策がこれでいいんだよっていうのもずっと言い続けて納得してもらいました。
(スタッフに)不安なこととかわからないことをノートに書いてもらったんですね、多分ノート1冊ぐらいになったと思います。それ(不安なことや疑問におもっていること)をICNが全部潰して、不満なこと不安なこと、全部説明しました。こういった不安には、市大の精神科の先生がおっしゃっていたんですけど、たくさん暴露することが大事で、1週間ぐらいするとみんな慣れちゃって、普通に楽しく仕事していました。
新しくHCUを感染症の重症の病棟にしようとしたら全く同じことが起きて、最初は不安だらけだったんだけど、そこに(自分が)なるべくいるようにして、何が不安なのかどんなことで困ってるのかっていうのも全部その場で解決しながら、やっぱりノートにも書いてもらって、それを全部答えてあげるんですね。
(仕事は)習慣ですから、慣れていって普通に仕事してくれるようになりますから、たくさん暴露して慣れること。不安なこと、不満があれば全部解決してあげるように、近くにいてあげることが大事だと思って仕事していました。

Q.COVID-19を受け持っているのはどんな先生ですか。
A.院内でのやり方は、令和2年2月当初は、自分を含めて2人医師体制でやっていて、次に2人ではしんどくなってきたときに、固定で1ヶ月半だとか1ヶ月くらいよその診療科の医師に来てもらって、そうするとだんだん慣れている医者が増えてくるんですね。その人たちを中心に回すようになったのが
10月の終わりぐらいからかな。
そうなったら、経験を積んだ医者が主治医になるようにして、それがまた中心となって、次の医者を育てるという風に、どんどんコロナが見られる医者が増えていって、そういうやり方がいいと思います。
最初からバラバラの科に振り分けちゃうと、病院としての治療方針っていうのがうまく立たなくなったり、誰に相談していいかわからなくなるので、経験者をなるべく最初のうちに作っておいて、それで、広げていくやり方でうまくいきました。

Q.スタッフの日常生活の自粛はどこまで求めていますか、また実行はどこまでされているのでしょうか。
A.スタッフが多いので、全員を信用するしかないですね。ただやはり医療者として、県を跨ぐような移動はしないだとか、人混みにあまり行かないようにしてもらうだとか、それから外食しないようにしてもらうとか、一般的なことを、医療従事者としてちゃんと守ってくださいねっていうアナウンスをしているぐらいです。
確認まではしてない。できないです何百人も。

Q.東部医療センターにおけるECMOについて
A.ECMOはあるんですけど、やってない。まだ経験している先生が少なくて。令和2年の3月にECMOが必要な方がいた時には、ECMOネットの先生に東京から来てもらって、当院で導入だけして、救急車に乗せて東京で運んでもらいました。
そのECMOネットのトップの先生が来て、ここのNsやMEの動きをみていたらできない訳がないと言われたんですけど、なかなか麻酔科がうんと言わなくて。令和2年の12月とか患者が多かったころに本当にやらないといけないかなということがあったのですが、やらずに済みました。
経験値上げるチャンスかなと思ってたんですけど。ECMOになりそうな人は名大か、陶生か、藤田に送ってます



2. 病態

  • 有症状の患者について、(クリニック)受診時に隔離の対応が必要だと考えられる期間
  • 受診時におけるコロナ患者の典型的な症状
  • 発症から7~10日目の呼吸状態の悪化について
  • ステロイド内服中の隔離解除基準について
  • 後遺症について
  • 再罹患について 等


Q.(クリニックの先生よりの質問)クリニックに入ってくる患者さんに対して、3日前に発熱咳倦怠感がある人は、隔離をすることしていたのですが、メーリングリストなどで他の医療機関の話を聞いたら、例えば2週間とか1週間前に症状のある人を隔離するというクリニックなどいろいろでした。結局、3日と5日の間をとって4日間、風邪様症状と下痢があったらもとりあえず隔離しようと思ってるんですが、いかがでしょうか。
A.症状が出る前からうつす病気なので、症状が出て5日から1週間ぐらいまでは、注意しなくちゃいけない病気ですね、先ほどのウイルス排出量だとか、感染性のことを考えると。その期間やっぱり注意してみなくちゃいけないと思います。発症して5日ぐらいは要注意かなと。
安全をとるなら発症後1週間。大体5日ぐらいまでと言われてますね。ただし免疫抑制剤だとかステロイド飲んでるのであればまた別です。排出期間が倍ぐらいになるので。CDCの隔離解除基準でもステロイド飲んでる人は20日間になってますから、そこは注意した方がいいかもしれない。
リューマチでずっとステロイド飲んでる人なんかは、ウイルス排出してる期間が普通の倍ぐらいになるというふうに考えなきゃいけない。これはちょっと要注意。

Q.(クリニックの先生より)発熱翌日に来院されて抗原陽性で、WBCが低くて3-4000単球が7%以上、CRP5以上という方が続いて来院しました。
A.以前はコロナで、CRPが5を越えたことはあんまりなくて、最近は5越える人ちょっと多くなってきたなっていう印象です。ちょっとウイルスが変わってるらしくて、第2波と違って、重症になりやすい人が多いというふうに言われてますね。

Q.コロナの発症後10日目に悪化する説はどう思いますか。
A.一番多いのが、7日から10日間ぐらいがサイトカインストームが起こる頃ということで、悪化すること多いですから、その通りだと。

Q.発症後7日から10日間ぐらいで悪化するタイプと、最初から発熱が四、五日続くタイプと分けて考えた方がいいんですよね。
A.最初から発熱が4、5日続くタイプも、多分もうちょっと前から症状があったんじゃないかなと思う、気づいてないだけで。

Q.在宅で急激に悪化をする人は血栓症が原因ですか。
A.血栓症で悪くなるかどうかっていうのはちょっとよくわからないですね。そういった場合も確かにあるとは思います。血栓症で脳梗塞だったり心筋梗塞だったり肺梗塞もあり得るかもしれないし、それとあとはよく言われているように低酸素脳症になってるはず。happy hypoxia、苦しいと気づかないうちに全身が実はもう低酸素状態になってるから。
脳自体の働きも悪くなって全身臓器も働きが悪くなっているので、急激に悪くなる、ということがあってもいいかと思うんですけど。その両方あるんだと思います。

Q.血栓症予防でフサンの投与などが行われていますか。
A.やってないですね、あれもいいかどうかよくわかってないよね。それよりも水(点滴)をたくさん入れてあげるとか、ヘパリンで十分です。

Q.潰瘍性大腸炎の患者で、生物学的製剤投与中の患者さんがCOVID-19に感染すると、サイトカインストームになりにくいので、重症化しにくいのではと言っていましたか、実際どうですか。
A.理屈ではわかるんですが、それはわからないです。

Q.回復者の血清交替療法はどうですか。
A.回復者の血清をとるのは多分大変だと思うし、ボランティアをつのることになりますからあんまり普及はしないと思うんですけど。アメリカのFDAもtentativeになっていると思います。回復血清は。まだデータが出てないですね。

Q.リウマチ性多発筋痛症で、プレドニン2から3ミリグラム程度の内服をしている人たちも、隔離解除期間は20日間になっているんでしょうか。
A.ガイドライン上は、10日でいいというふうになっていますけども、一般的にCDCのガイドライン見ながらやってる医者は、多分20日にしているんじゃないかなと。
心配だったら1回その辺でPCRとってみてそれを信じて、陰性だったねということで10日で開放してあげてもいいと思うんですけどね。重症の人でステロイド使ってる人はちょっと陰性化するまで時間がかかるなという印象があります。

Q.後遺症が起こりやすい人起こりにくい人の差は何かあるのでしょうか。
A.よくわからないです。後遺症全部見てないのでわからないですが、若い人の味覚嗅覚障害は多くて、残りやすい印象ですね。高齢者の方が、免疫反応による後遺症がひどく、肺の線維化が残る人は、息切れだとか動機とかが残るようなことがあると思います。病状によると思います。
今言われてる後遺症っていうのはいわゆるロングCOVIDっていうか、長期的にどこまで残るかということについて、(脳梗塞などで)麻痺が残る人等とは違うので、何とも言えないです。

Q.もう1回かかるんですか。
A.変異株でも抗原性がどうかっていう問題だと思うんで、もう1回かかるんだったらワクチン効かないということと一緒ですよね。抗体がどこまで残るかっていう問題だと思うんですけど、コロナにかかった3ヶ月後に抗体が陰性だったという報告があります。でも免疫は多分覚えてると思うので抗体が陰性だからといって、かかるかもしれないんだけども軽く済むかもしれないからワクチンの意味はあると思います。
CDCが一回コロナかかった人はワクチンを打つのかどうかっていうご質問に答えてあって、やっぱりそれは再感染のことがあるから、ワクチンをちゃんと打ってくださいというふうに書いてあります。
ただ、コロナにかかった人は2、3ヶ月はかからないので、ワクチンを打ちたい人がたくさんいるから、ちょっと後回しでもいいですみたいな書き方をしていました。

3. 感染予防

  • (クリニックにおける)換気について
  • マスクについて
  • 眼鏡・ゴーグル・フェイスシールドについて
  • 感染拡大の防止について
  • 熱患者に対するPCRの適応について 等


1.(クリニックにおける)換気
Q.換気は感染予防に効果はありますか。クリニックの入口開けて、寒いと思いながらやってるんですけど。
A.換気は大事。空気がどういうふうに流れてるかちゃんと確認しておいたほうがいい。線香の煙でも何でもいいから、どっちからどっちへ流れてるとか、流れてるようで巻いてるだけだとかっていうこともあるので。
東部医療センターの場合、患者さんを入院させる前は毎回必ずスモークテストっていうのをやっています。陰圧計だけではなくて、空気の流れをきちっと目視で確認します。二酸化炭素を測定する機械で空気の循環の有無についての判定まではやっていません。ほとんどの部屋に陰圧の機械がおいてあり、1時間に12回以上は空気が入れ変わることになってるから、あとは流れだけ見ておけば大丈夫。

Q.クリニックに窓がなく毎日排煙の窓を開けています。換気が良くないのでサーキュレーター11台で院内に空気を入口方面に流れるようにしています。効果があるんでしょうか。
A.空気がちゃんと流れるかちゃんと確認して、線香の煙とかで、それで出てれば大丈夫だと思います。

Q.ナースステーションの控え室が密になりやすく換気が悪いところが多いと思いますが、感染対策は何されていますか。
A.そこでご飯食べたりするとやっぱり一番まずいので時間差で使ってもらうだとか、あとはシールドを立てて飛沫が飛ぶのをふせぐようにしてますね。それとあとは手指衛生をちゃんとしてもらう。それが大事だと思います。

Q.空気清浄機やオゾン発生器は多少でも効果があると思いますか。
A.わからないです。うちも売り込みにきている機械を置いてあるんですけど。患者さんは安心するかなというくらいで、検証のしようがないです。

2.マスク
Q.マスクなんて効果ないという人がいますが。どう思いますか。例えば、マスクの孔が大きいので、大きさから言ってウイルスが入っちゃうんじゃないかって言う人がいますけど、
A.ウイルスは単独で飛んでくるわけじゃなくて飛沫で飛んでくるので、それをキャッチすれば大丈夫だから不織布で大丈夫です。

Q.サージカルマスク二重はどうですか。
A.一重で十分。

Q.同じメーカーのマスクでグレードが異なる(レベル1と2)ものが売っています。もちろんレベル2の値段高いですが効果が違うと思いますか。
A.さっきも話したみたいにマスクを何のために使うかということが大切で、(マスクは)飛沫感染対策用なので多分そんなに変わらないですかね、効果としては。それよりも取り扱い方気をつけたほうがいいと思います。

Q.マスク消毒用のスプレーがあるんですけどどうですか。
A.わからないです。マスクをちゃんと管理すればそこまでやらなくてもいいかな。むしろ手洗いをしっかりする方が大切です。

Q.マスクは1日2回交換でしょうか、1回交換でしょうか。
A.自分は2、3週間使っています。物の表面についた時にウイルスが何日生きるかっていうと、3日ぐらい。中3日とか5日だったら(大丈夫なので)、マスク7枚用意しておいて、これは月曜日にって使えば、1週間後にまたもう1回使えるはずなんで、そんな簡単に捨ててないですよ。去年、ICNから50個入り(の不織布のマスク)をもらったけれど、まだ2、30枚残っています。皆さんどうされているか知りたいです。

3.眼鏡・ゴーグル・フェイスシールド
Q. 結膜感染予防にフェイスシールドとゴーグルの、どちらがよいでしょう。
A.飛沫感染対策としてはどちらも変わらないと思います。そのゴーグルをどう取り扱うか、扱った後に、ちゃんとアルコール消毒などをするのか、または使い捨てにするか等、取り扱いに気をつけたほうがいいです。

Q.通常診療するのにメガネではなく、メガネプラス保護ゴーグルなどした方がいいでしょうか。(普段眼鏡している人)
A.これはやっぱり取り扱いの問題なので、メガネでも悪くはないと思うんですけど。眼鏡の大きさにもよりますよね。あんまり小さい眼鏡だと良くないかな。
目をきちっと保護できるようなものが大事なので、それさえできればいいとおもいます。触ったら手指消毒をちゃんとすること。眼鏡も、ちゃんと消毒をする。

Q.PCRなどするときは、頭は帽子など被った方がいいですか。
A.帽子はつけてもつけなくてもいいと言われています。必須ではないというふうに、ガイドラインに書いてあったと思うんですよね。自分はかぶったことない。

Q. 家族感染しないために、毎日何かやってますか。
A.(感染対策を普段行っているので、家族だからという特別なことは)何もやっていないです。

Q.PPEの供給はいかがですか。
A.PPEについては、マスク、ガウンは大丈夫ですが、グローブとキャップが少なくなっていると聞いています。
(クリニックの医師より)診療医療機関だとガウン、マスク、手袋は国から置く場所がないくらいかなり送られてきます。
(別のクリニックの医師より)アイソレーションガウンがまたなくなってきたので、ごみ袋でやっています。

4.感染拡大の防止
Q.開業医をしていると、ちょっと発熱したけど、治ったんだよっていう話を結構聞くのですが、その対応はどうしたらいいんでしょうか。例えばクリニックのスタッフが、発熱してすぐ解熱、3日間は家に居たのですが、PCRは行いませんでした。そんな感覚でいいんでしょうか。また、小学校の子供などが、学校は解熱したらすぐに行っていいよっていうことを指導されているようなんですけど、一般的な指導として全員がPCRにどんどんやるわけじゃないと思うので。
A.それは危ないんじゃないですかね。
子供はコロナでも熱出てすぐ治ったりだとかそれぐらいざらにありますから、熱が出ない子もたくさんいるし、子供っていうのは、ACE2レセプターが少ないので、でも保菌はしてるという状態があると思うので、やっぱり発症して10日もしくはPCR陽性から10日。で72時間無症状が大事だと思う。でないと危ない。

Q.結局、熱が出たら、調べろってことですか。
A.やっぱりそれがいい。そこがスタートで10日間何もなければ大丈夫だから調べなくてもいいんですけど。じっとしているのは難しいから、測れという話になるんですね。

Q.家族が発熱したがPCR検査を受けていない場合、職員は何日休ませる必要がありますか。
A.PCRしないとちょっとまずいですね、職員の家族が発熱してという意味だと思うんですけど。
職員の家族が発熱した場合は、濃厚接触者として、家族の熱が下がって、完全に別に生活してればいいんですけど、14日間は濃厚接触者として発症する可能性があるということなので、その時期は病院に来ないようにしてもらってます。14日。だけどそれやらないと院内感染のもとになっちゃうので、職員がコロナに感染していると。長く見積もって潜伏期間が14日なので、14日間ちゃんと見ないとまずい。

Q.濃厚接触者の同居家族はいつから外出仕事していいのでしょうか。隔離解除されてからさらに14日間と言われている人がいたそうです。
A.隔離解除されたら全然大丈夫です。退院したらすぐ仕事行っていいよって言ってますから。

Q.無症状の方にPCRを広めていくことについてはどのようにお考えでしょうか。
A.やりだしたらきりがないのでやらないです。

4. 検査

  • 抗原検査(定性/定量)およびPCR検査の使い分け
  • PCRの偽陰性
  • 検査時間
  • 変異株
  • 抗体検査
  • 陰性証明 等


Q.抗原検査とPCR検査の使い分けを教えてください。
A.抗原定量に関しては、ほぼPCRと一緒の扱いでいいと思います。PCRと同じ感度だと思ってます。発症初日でも使える。あとは無症状でも大丈夫。
抗原定性は、9月ぐらいまでに抗原定性とPCRと両方やった人が百人ちょっと超えたので比べてみたんですけど。PCRとの陽性の一致率、陰性の一致率を見ても、0.95ぐらいあるので、かなりいいと思います。
抗原定性で陰性にでてPCRで陽性だった人は、(検査キットの)使い方が間違っていて、発症から10日後に、抗原定性やった人とか、そういうことだったので、診断能はよかったんですよ。ほぼ当たる感じで、そこで院内感染のもとになったりすることは全くなかったですね。使い方によってはPCRと同じぐらいの精度はあると思ってもらってもいいんじゃないかなと思ってました。

Q. PCRでは3割ぐらい陰性が出るんですよね
A.(クラスター対策等で集団検査を行った場合ですが、ある人が)陰性でも、次の日か3日後に、ちょっと症状が出て調べると陽性っていう例がか何人か出てきてて。陰性はあてにならない。潜伏期間14日なのでその期間はちゃんと見ないと危ない。

Q.PCRやその他の検査の時間はどれくらいかかりますか。
A.PCRは、今は50分ぐらいかな。それと今一番新しいのだとニア(NEAR)法(令和2年10月20日保険収載)っていう方法で、反応時間10分。検査前の温める時間を入れると13分、いろいろ入れて15分で結果出るので今救急はそれで対応してます。
(NEAR法は)鼻から(鼻咽頭から)しか(保険)適応がないので鼻から取っています。

Q.変異株かどうか検査できますか。
A.うちではできないんですけど衛生研がやってると思います。
最近は病院の中で検査しちゃうから、衛研で検査すること自体が少なくなってきていますが、名古屋市が衛生研究所に株を送付するよう各病院に依頼しているようです。

Q.変異株も調べる必要性がありますか。
A.疫学的には知っておいたほうがいいでしょうね。

Q.院内で抗体測れますか。
A今は測れないですね。

Q名古屋臨床の抗体検査は定性ですか。
A.はい。研究用じゃないと定量できないんじゃないでしょうか。定量も4種類あってIgM、IgGとヌクレアカプシドと、スパイクの物とあるので、スパイクのIGGを測ればいいと思います。今でもできるんですけどね。

Q.コロナの陰性証明するのに意義を感じますか。
A.感じない。一般的ではない、陰性証明はできない。検査で陰性だったっていうことだけで、うちは出してないですね。偽陰性かもしれない。検査結果としては渡しますけど。誤解されると嫌なので(陰性証明書は)出してない。

Q.診断書を書いてくれと言われた時は、コロナで、何日間は安静を要するとは書くんですよね。
A.コロナの検査の結果は陰性でしたってことは書くけども、この人大丈夫でしたとか、そういったことを書かない。隔離は必要ないということで、陰性を証明はできません。偽陰性かもしれないし。意味もないです。
渡航者の(陰性証明)はちゃんと書いてあげなくちゃいけない。中国とかどこかへ渡航する人は、その証明がないと渡航できないので証明書を書いてあげないといけないけど、入国する何時間前にやっとかなくちゃいけなかいとか、書式も決められて、大変らしいですよ。

5. ワクチン

  • 病院におけるワクチン接種希望者
  • 接種時期
  • 副反応
  • 若年者の接種 等


Q. 病院におけるワクチンの接種希望者はどのくらいでしたか。
A. 病院が2月にアンケート取ったら、職員で打ってもいいっていう希望者が1,150人ぐらい。で打たないっていうのは80人ぐらい。だから、一応打つ方向が多いみたいですね、うちの病院は。

Q.ワクチンはやはり早めに打った方がいいでしょうか。
A.これは難しいですね。今、日本人のエビデンスがあるかと言われると、でてないですよね。世界でこうだから、じゃあ打とうということになっていて、本当は2月末から開始の予定だったのが、2週間早く打つぞみたいなことになっちゃったのがいけないと思います。
今は感染者が減ってきている時期なので、個人的には今焦って打つ必要はないから、もっと日本人としてのエビデンスを出してから安全に、供給体制もしっかり作って、それから打てばいいと思っています。だけど多分政治的な意図で、早く打てってことになっちゃっているんですけど。ただ病院として自分が打たないと誰も打たないと思うので、一番に打とうかなと思っています。
ただ医療者の優先のときに打っとかないと、一般(枠)では、いつになるかっていうのはわからない。高齢者を打ってそれから一般になると、5月6月になっちゃうかもしれないから、いいチャンスだから先に打っといてもいいかなという感じはありますね。

Q.日本のエビデンス出すために医療従事者が注射を打たれるということになる。
A.なんかそんな感じがしますね今のやり方は。

Q.ワクチンの2回目接種時に、発熱などの副反応が出やすくなりますか。
A.これはわからない、でも2回目の方が強いというふうに言われてますね。
日本人でちゃんとエビデンスを出してもらわないとわからないので本当に今のままでいいかよくわからないです。

Q.開腹手術のような大きな手術を前後何日くらいあければワクチン接種が可能なのでしょうか。免疫が落ちるようなことがあった後にどれくらい(間隔を)あければいいのかという話です。
A.これは全然何も言われてないと思いますからちょっとわからないんですね。
でもそんなに気にすることないんじゃないかなと思うんですけど。5日ぐらいあければ十分だと思います。

Q.行政はワクチン接種の可否をかかりつけクリックで聞きなさいというスタンスのようですが、既に問い合わせがくるようになっています。何を基準にして、打っていいよ打たないほうがいいよと患者さんに伝えればいいでしょうか。
A.これは難しいですね、どうしたらいいのかわからないですね。

Q.若い人は打つ必要ないですよね。
A.(コロナウイルス感染症を)広げてるのは若い人ですから、お年寄りに広げないためにも打っておいてもらったほうがいいでしょうね。かかったときの、後遺症に悩む人が多いという現実を知ってもらうことも大事だと思います。
症状が軽いかもしれないんだけど、後遺症で悩む人も多いので、かからないよう、重症化しないように打っておく意味がありますよということで、推奨していくしかないのかなと思ってますけど。

6. その他

  • 名古屋市内の医療機関における情報共有
  • 回復患者の流れ
  • 開業医に望むこと


Q.(市内)医療機関におけるコロナ患者に関する情報共有はどうなっているのでしょうか?

A.医療連携がどうなってるのか(患者を受け入れている病院だけにしか公開していない情報があるので)
ちょっと分かりにくさがあると思うんですけど、名古屋市には2009年の新型インフルエンザの時から情報共有ウェブサイトというものがあって、いろんな病院が、こんな(コロナ)患者なら受入れられるとか、透析だったら小児だったらどうとか、(リアルタイムで)報告を出していて、それをもとに健康福祉局は入院の采配をしています。これを昨年の3月から運用していました。
それから、毎日毎日どこの病院に何人の患者が入っているのかという報告も(名古屋市から)メールで来ていて、病院同士、お互いにわかるようになってます。ウェイティングリストというものも(健康福祉局が)作っていて、(名古屋市内の)入院が必要だと思われる患者さんが、経過とともにAからDの4段階に分けられいて、この人をすぐに入院させてほしい、という情報も送られてきます。受け入れ病院側は、毎日それを見ながら、受け入れる余裕がある時には、この患者さんを受け取ってもいいですよっていう連絡を(健康福祉局に)します。
(東部医療センターだけでなく)他の病院も、最初の頃は(患者を診るのに)抵抗があったかもしれないけど、皆、いろいろやれるようになってきたので、なるべく診られるところで診てあげようという動きが広がってきています。

Q.後方病院である民間病院の回復患者さんの流れはできていますか。
A.できてると思います。うけてくれるところ多くなってきたんですけど、ただやはり後方病院も、自分のところの感染対策、感染のリスクを負いたくないようです。
例えばある専門病院はやってくれるんですけど自院の通院患者だけだとか、別の病院ではPCRの陰性を確認してほしいとか、転院後にあと何日間か隔離しますみたいなこと言われてますけど、本当は(そういった扱いは)いらないと思いますけどね。
だけど受けてくれるところは多くなっていると思いますし、名古屋は先ほど話したみたいに早くから東名古屋病院や厚生院とか受けてくれていました。

Q.コロナを診察する病院の医師として、新型コロナ感染症に関して、開業医に望むことは何ですか。
A.いつ飛び込んでくるかわからない、ゲリラ的に陽性患者が来る、開業医の先生の方が大変だなと思っています。
病院の場合でも、突然の入院がコロナ陽性だったというのがやっぱ怖いです。そういう患者が毎日いっぱい来るわけだし、大変だろうなと思って、体に気をつけてくださいって言いたいですね、頑張ってもらうしかないので。

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