市民意見の内容及び市の考え方 表紙 名古屋市障害者基本計画(第5次)(案) 第7期名古屋市障害福祉計画(案) 第3期名古屋市障害児福祉計画(案) に対する市民意見の内容及び市の考え方 令和6年3月 名古屋市 ※各ページにある四角のコードは音声コード「Uni-Voice」といい、スマートフォン・タブレット端末(アプリ)などで読み取ると、音声でこの冊子の内容を確認することができます。 「名古屋市障害者基本計画(第5次)(案)」及び「第7期名古屋市障害福祉計画(案)・第3期名古屋市障害児福祉計画(案)」に対し、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。いただいたご意見の概要と、それに対する市の考え方を公表します。 なお、ご意見の内容は、一部を要約するとともに、趣旨の類似するものをまとめ、項目別に分割して掲載していますのでご了承ください。 1 市民意見募集の概要 (1)意見募集期間 令和5年12月27日(水曜日)から令和6年1月25日(木曜日) (2)意見提出状況 意見提出者数 27名 意見総数 123件 意見提出方法 郵送 2名 ファックス 10名 電子メール 15名 持参 0名 合計 27名 意見提出者の区分 障害のある方 6名 障害のある方の家族 2名 障害福祉サービス従事者 12名 その他 3名 不明 4名 合計 27名 2 市民意見の内訳 第1部 総論(3件) p1 第2部 障害者基本計画(第5次)(46件) p3 第3部 第5期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画(71件) p23 全体に関するご意見(1件) p58 今後の障害保健福祉施策の参考意見等(1件) p58 その他(1件) p59 ※点字版、音声変換用テキストファイルをご希望の方は、下記へご連絡ください。 名古屋市健康福祉局障害福祉部障害企画課 電話番号:052-972-2585 ファックス番号:052-951-3999 電子メール:a2585@kenkofukushi.city.nagoya.lg.jp (1ページ) 第1部 総論(3件)  1 計画策定にあたって ● 障害者の現状 市民意見 〇愛護手帳所持者数(所持者増加割合)が増えている理由は何か。 〇年齢別精神障害者保健福祉手帳所持者の推移(18〜64歳)の増加の要因は何か。併せて、労働世代の多くは生活保護世帯ということか。  また、外国人の比率はどれくらいなのか。 市の考え方   手帳所持者数の増加につきましては、以前に比べ、障害・障害者に対する理解が高まっていることや、障害福祉施策が充実してきていることが要因ではないかと考えております。  また、生活保護につきましては、令和4年度に実施しました名古屋市障害者基礎調査において、18歳以上の精神障害者手帳所持者に収入の種類についてお尋ねしたところ、1,318人のうち18.1%の方から生活保護との回答がありました。なお、外国人の比率は把握しておりません。 (2ページ) 市民意見 〇発達障害者の状況(ICD区分別の推移)にて、すごい増加であることはわかるが少し詳しく説明してほしい。 市の考え方  ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)とは、疾病及び関連保健問題の国際統計分類のことであり、異なる国や地域から異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類になります。  そのうち、発達障害に分類される心理的発達の障害(F80-F89)、小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)に該当する者の推移を記載しております。 (ICD-10(国際疾病分類)のうち、発達障害に分類されるもの) F80 会話及び言語の特異的発達障害 F81 学習能力の特異的発達障害 F82 運動機能の特異的発達障害 F83 混合性特異的発達障害 F84 広汎性発達障害 F88 その他の心理的発達障害 F89 詳細不明の心理的発達障害 F90 多動性障害 F91 行動障害 F92 行為及び情緒の混合性障害 F93 小児<児童>期に特異的に発症する情緒障害 F94 小児<児童>期及び青年期に特異的に発症する社会的機能の障害 F95 チック障害 F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒障害 (3ページ) 第2部 障害者基本計画(第5次) (46件)  1 重点的に取り組むべき施策 ● 社会のあらゆる場面でのアクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実を図ります。 市民意見 〇インクルーシブルな社会の推進、情報アクセシビリティの向上や権利擁護の推進、障害を通じて切れ目ない支援の提供を謳うなら、障害者(認知症、外国籍の方たち等)への情報提供は、やさしい日本語表記、ルビい入り等配慮が基本となってほしい。伝えているけど伝わらないではなく、伝わる工夫をしてほしい。 市の考え方   現在策定を進めています計画の冊子については、通常の冊子のほかに、内容をやさしい言葉でまとめるほか、ルビをふるなど知的や発達に障害のある方などに向けて、わかりやすい版の作成を予定しております。 引き続き、伝える工夫に取り組んでまいります。 ● 生涯を通じて安定した地域生活がおくれるよう、当事者主体の総合的な支援を進めます。 市民意見 〇支援を進めるとともに高齢者支援等ライフステージにあわせた各支援との連携を進めますに修正してはどうか。 市の考え方   障害の重度化・障害者の高齢化に伴う必要な支援や、障害者福祉施策と高齢者福祉施策の連携について、記載させていただいております。生涯を通じて安定した地域生活がおくれるよう、各ライフステージで関係する機関と連携を図りながら、当事者主体の総合的な支援を進めてまいります。 (4ページ) ● 地域における防災・防犯等の対策を推進します。 市民意見 〇福祉避難所のか所数の増加に加え、必要な備蓄物資の増加を図りますに修正してはどうか。 市の考え方   本市の福祉避難所につきましては、社会福祉施設に協力を得て実施しておりますが、受入対象者を原則として通所系のサービス利用者とその家族に限定し、災害のおそれがなくなった後に避難していただく指定福祉避難所と、一般の指定避難所において行政職員が振り分けをした要配慮者とその家族を概ね4日目以降に受け入れる協定福祉避難所があります。指定福祉避難所は、施設において開設に必要な水・食料等物資を購入いただいており、本市はそれに対して補助を行っております。  また、協定福祉避難所は、要配慮者を移送する際に水・食料等必要な物資を指定避難所より運び入れることとしておりますのでご理解賜りたいと思います。 2 分野別施策の基本的方向 (1) 安全・安心な生活環境の整備 ● 福祉環境整備の促進 市民意見 〇「民間建築物などの前に」建築物の対象に国や県を加え、「国、県及び民間建築物などについても」に修正してはどうか。 市の考え方   引き続き、本市以外が整備及び設置する建築物などついても、指針の理念などについて周知啓発を図ってまいります。 (5ページ) 市民意見 〇障害特性として聴覚過敏があり、地下鉄車内の運転音や周りの話し声の影響にて案内が聞こえず、停車駅がわからないことがあるため、改善できることはしてほしい。 市の考え方  本計画は、障害者基本法に基づく障害者施策の基本的方向を掲げた計画であるため具体的な施策を記載するものではありませんが、わかりやすい車内アナウンスを行うため、引続き職員を対象としたアナウンス研修を行うほか、名城・名港線に新型車両を導入し、2000形車両を更新するとともに、桜通線への新型車両の導入による6000形車両の更新について検討することで、わかりやすい車内案内表示装置の設置を進めてまいります。  また、駅構内で、文字や記号を大きく表示しピクトグラムや駅番号を活用するなど、わかりやすい案内サインの整備を進めてまいります。 (2) 情報アクセシビリティの向上と意思疎通支援の充実 ● 情報・意思疎通の支援の充実 市民意見 〇各区に手話通訳設置をつけて欲しい。聴言センターまで行くより、身近なところにお願いしたい。 市の考え方  本市では、聴覚や音声・言語機能に障害のある方が、公的機関や医療機関等を訪れる場合に、意思を伝達したり仲介を行うための手話通訳者の派遣を行う制度がございます。  また、急を要するなど派遣制度の利用が困難な場合などはタブレット端末での遠隔手話通訳でのコミュニケーション支援も有効にご利用いただきたいと考えております。引き続き、より使いやすい制度となるよう手話通訳者の養成にも努めてまいります。 (6ページ) (3)差別の解消、虐待防止及び権利擁護の推進 市民意見 〇2023年6月3日に起こった市主催の名古屋城バリアフリーに関する市民討論会で「わがまま。図々しい。我慢せい。」に加え、言葉に言えない発言がされている。その際、市職員が発言を制止できず、不適切な発言と指摘し訂正を求めることなく進行し、発言を受けた方等への謝罪を行わなかった事件がおきた。現在、検証委員会が行われているが、市としてあらゆる「差別」とどう向き合って行くのかが問われている事件。市として、保育園・幼稚園・学校教育の場で「ともに生きる」ことそして「どう生きる」か考える教材の作成、保育・教育関係者への働きかけが必要だ。また、民生委員・児童委員・町内会・老人クラブへの働きかけも必要だ。 市の考え方   令和5(2023)年6月3日、名古屋城バリアフリーに関する市民討論会において、一部の参加者から障害者差別発言があった際に、本市職員が駆けつけましたが、発言の制止や注意喚起といった対応ができなかったという事案が起こりました。  差別事案を受け、直ちに取り組んだ内容としては、全庁的な庁内会議において、事案の問題点等について、共有を図り、差別事案や差別事案への対応等の確認を実施しました。加えて、市職員が、障害者差別解消法の趣旨を理解し、障害のある方に対して適切に対応するための基本的事項を定めた「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領」について、差別事案を踏まえた再発防止の心構えや、具体的な対応方法の追加等による改正を、令和5(2023)年12月に行い、全職員に周知徹底を図りました。  また、本市として、差別事案を大変重く受け止め、人権擁護の観点から、今回の事案の問題点や課題等を整理・分析し、必要な調査・検討を行い、原因を究明のうえ、再発防止を図るため、「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会を設置し、検証を進めており、令和6(2024)年2月14日に中間報告が公表さ (7ページ) れたところです。  中間報告では、再発防止に向けて取り組むべき事項として、職員研修の充実や障害者差別解消の推進に関する法律・条例の周知徹底、市民・事業者の障害及び障害者理解の一層の促進などが挙げられています。今後は、中間報告も踏まえ、「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の趣旨及び理念が市民に浸透し、障害や障害のある方に対する理解や関心が深まるよう、ご意見も参考とさせていただきながら、幅広い広報啓発に努めてまいります。 ● 障害を理由とする差別の解消の推進 市民意見 〇障害者差別の相談・紛争解決の取組の推進において、 ウ 相談者の保護  主訴をする相談者及び相談内容において直接利害関係が発生する障害者が、相談をしたことにより、行政、支援者、地域、雇用者などから不当または不利益な扱いを受けないよう保護する施策を実施します。 を追記したらどうか。 市の考え方   「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」では、差別相談の相手方となる事業者は、障害者等が差別相談を行ったことを理由として、事業の利用を禁止し、又は制限し、その他不利益な扱いをしてはならないことを規定しています。今後も条例の内容の啓発も含め、事業者及び市民の理解促進に努めてまいります。 (8ページ) 市民意見 〇(3)事業者及び市民の理解促進  ア 事業者の理解促進  さらに、多くの公民を問わず事業所において取組を実施し、特に名古屋市及び福祉事業者は障害者と接する機会が多いため、取組を実施について努力する義務を負います。 を追記したらどうか。 市の考え方   「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」では、市及び事業者は、合理的配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならないことを規定しています。令和6(2024)年4月からの、事業者による合理的配慮の提供の義務化とあわせ、事業者の理解促進に一層努めてまいります。   (4) 自立した生活の支援・意思疎通支援の推進 ● 地域生活を支援するサービスの量的・質的充実 市民意見 〇福祉乗車券は便利だが、乗車駅または降車駅が名古屋市外になると適用されないのは不便。自動的に区間外の料金を引き落とすことはできないのか。 市の考え方  福祉特別乗車券につきましては、障害者等の自立及び社会参加を支援することを目的として、名古屋市内の移動について市営交通機関等を無料でご利用いただける事業です。乗降に市外を伴う乗車につきましては、ご理解賜りますようお願いいたします。 (9ページ) 市民意見 〇グループホームへの入居を希望しているが、空きがない上、空いている事業所は交通が不便な場所が多い。交通の便が良い場所にて、空き家を活用することはできないか。 市の考え方   空き家を活用したグループホームの開設については、本市の設置費補助制度において賃貸物件の場合も補助対象とし、グループホームの設置を促進してまいりました。  第7期名古屋市障害福祉計画では、本市の設置費補助制度により、重度障害者を受け入れる際の初度調弁費及び消防用設備費を補助し設置促進を図ることを記載しており、引き続き賃貸物件も対象としております。今後も補助制度の活用等により、グループホームの充実を図ってまいりたいと考えております。 市民意見 〇経済的支援の施策として、手当制度の見直し及び新制度に向けた検討をお願いしたい。 市の考え方   本市独自の手当として、重度障害者給付金の支給を実施しているほか、国の特別障害者手当等に本市独自の上乗せ支給を実施しています。引き続き、現行の手当の支給を実施してまいりたいと考えています。 市民意見 〇障害者医療証の対象者を精神障害者保健福祉手帳3級まで拡大してもらいたい。 市の考え方   障害者医療費助成制度につきましては、愛知県の補助基準により重度・中度の障害のある方を対象として実施しており、精神障害者保健福祉手帳1・2級所持者の方を対象としております。なお、愛知県の医療費助成の範囲は精神疾患に限られておりますが、本市では一般疾病も含めて医療費自己負担分を助成しております。 (10ページ) ● スポーツ、文化芸術活動を含む生涯学習の充実 市民意見 〇障害者スポーツとなっていても精神や発達障害者が対象外の事があるのはなぜか。 市の考え方   障害者スポーツとして、陸上競技、フライングディスク、水泳、卓球、バレーボールをはじめとした様々な競技などがあり、それぞれの障害の特性に応じて、取り組んでいただいております。   市民意見 〇意思決定支援、選挙のバリアフリー、権利保障など、学卒後の障害者の学びの場を作ってほしい。 市の考え方   障害のある方のご意見を踏まえた施策や学習プログラム等を実施できるよう努めてまいります。その他、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインの普及などにより、自ら意思を決定すること及び表明することが困難な障害者に対し、本人の自己決定を尊重する観点から必要な意思決定支援につながることができるよう、充実に努めてまいります。  また、選挙に関する支援については、市公式ウェブサイトへの掲載等により引き続き周知してまいります。 (5) 保健・医療の推進 市民意見 ○「地域精神保健福祉業務について、一層の機能強化が求められる」のであれば、各区保健センターに配置する精神保健福祉相談員の人数を、少なくとも、1区2名(男性1名・女性1名)にし、さらに、人口に応じて、追加すべきと考える。 市の考え方   保健センターにおける精神保健福祉相談体制については、精神保健福祉相談員と保健師との連携強化をはじめ、多様な職種の職員がチームで対応する体制の構築に取り組んでまいります。 (11ページ) ● 障害の原因となる疾病等の予防及び早期発見 市民意見 ○「子育て世代包括支援センター」となっていますが、2024年度より「こども家庭センター」に制度名称が変わるので修正すべき。 市の考え方   ご意見のとおり、児童福祉法の改正により、令和6年4月から子育て世代包括支援センター(母子保健)と子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)の設立の意義や機能は維持した上で組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの一体的に相談支援を行い機能を有する「こども家庭センター」の設置が、市町村の努力義務化されます。  本市においても、今回の児童福祉法改正を踏まえ、設置要件を満たし、体制が整ったところから、順次「こども家庭センター」として位置付けていくこととしており、令和6年度については、3か所から位置付けてまいたいと考えております。母子保健における子育て総合相談窓口の機能は継続するため、市民にわかりやすいよう、計画の記載内容を「子育て世代包括支援センター」から「子育て総合相談窓口」に修正します。 ● 精神保健・医療施策の推進 市民意見 ○ピアサポートをやりたいと思っても募集期間外だったりすることがある。 市の考え方 【精神障害者ピアサポート活用事業について】  精神障害者ピアサポート活用事業におけるピアサポーターの登録については、各区の障害者基幹相談支援センターにおいて特に募集期間の定めなく受け付けております。ただ、ピアサポーターとして登録するためには、精神保健福祉センターここらぼで実施しているピアサポーター養成研修を受講いただく必要があり、それについては募集期間があります。活動状況については、本市全体の実績は増加傾向にあるものの、区ごとの実績には偏りがあるため、複数区のピアサポーターが合同で活動する場を設けたり、実績の多い区の取り組みを共有する場を設けるなどして、活用事業の拡大を図ってまいります。 (12ページ) (6) 雇用・就業の支援 ● 就労の推進 市民意見 ○福祉と雇用・就業は連携してほしい。 市の考え方   国の基本方針でも、福祉分野と労働分野の連携が必要であると示されたところです。本市としましても、愛知県労働局や福祉局を始めとする関係機関と連携して、就労を希望される方の支援により一層尽力してまいりたいと考えております。 市民意見 〇名古屋市だけではないと思うが、障害者雇用の職種が限定的すぎる上、発達障害者には難しいとされる事務や介護をよく見かけ、やってみたい仕事が無かったりする。最低賃金で短時間勤務の仕事も多いので実家暮らしか年金、それが無ければ生活保護になってしまうのは、やる気が無くなってしまう。ある程度やりがいも欲しい。また、一般雇用のように幅広い職種を選びたいと思うが、障害者雇用の年齢制限は必要なのか。 市の考え方  本市では、多種多様な職種や業種を有する企業が、より幅広い仕事内容を提示できるよう、名古屋市障害者就労支援窓口「ウェルジョブなごや」において、経営層への理解促進や業務の切り出し支援を行っているところです。  なお、障害者雇用の年齢制限は、一般雇用と同様に雇用対策法において原則禁止されています。  今後も、企業に対する支援を通じて、就労を希望する方の仕事の選択の幅を広げられるよう努めてまいります。 (13ページ) 市民意見 〇高校生障害児の苦悩に自立したいのにアルバイト採用されず、障害福祉で児の働く場(お金をもらう場)がないのを何とかして欲しい。 市の考え方   卒業後に民間企業に就業を希望する学生については、在学中であっても、市内のなごや障害者就業・生活支援センター等障害者就労等の相談支援機関を利用していただくことができます。引き続き卒業後の自立に向けた支援を行ってまいります。 市民意見 ○精神障害の特性で通所が不安定ということもあるが、若い人達にとって働きがいのある職域にしていく為の生活保障、マンパワー、労働環境の整備が必要である。 市の考え方   本市では、名古屋市障害者就労支援窓口「ウェルジョブなごや」において、障害者就労施設に対して、専門アドバイザーによる製品の品質向上や販路拡大、生産性向上等の支援を行うとともに、同窓口のウェブサイト上で障害者が働く施設や当該施設で製作している製品の紹介を行っているところです。  また、各区役所・支所においては、障害者就労施設等の利用者が製作した製品の普及、販売促進及び施設等の利用者の工賃の水準の引き上げを図り、障害者に対する市民の理解を深め、障害者の就労を支援することを目的として、各庁舎内で定期的に製品の展示・販売を行っているところです。  引き続きこれらの支援を通じて、障害者就労施設の工賃・賃金向上を図るとともに、障害者就労施設で制作される様々な製品の周知広報に努め、障害者就労施設で働く方々によって働きがいのある職場となるよう支援してまいりたいと考えております。 (14ページ) 市民意見 ○障害者雇用における就労機会を拡充するとともに、賃金の水準を引き上げて欲しい。 市の考え方  本市では、名古屋市障害者就労支援窓口「ウェルジョブなごや」において、企業に対して、業務の切り出しなどの採用準備支援を行っております。  また、同窓口において、障害者就労施設に対して、専門アドバイザーによる製品の品質向上や販路拡大、生産性向上等の支援を行うとともに、同窓口のウェブサイト上で障害者が働く施設や当該施設で製作している製品の紹介を行っているところです。  さらに、各区役所・支所においては、障害者就労施設等の利用者が製作した製品の普及、販売促進及び施設等の利用者の工賃の水準の引き上げを図り、障害者に対する市民の理解を深め、障害者の就労を支援することを目的として、各庁舎内で定期的に製品の展示・販売を行っているところです。引き続きこれらの支援を通じて、障害者就労施設の工賃・賃金向上を図ってまいりたいと考えております。 (7) 教育・発達支援の充実 市民意見 ○「特別支援学校の過大化による教室不足」が生じているのはなぜか分析が必要な上、新たに天白区に県立の肢体不自由児特別支援学校が設置予定であるが、守山区の児童のみが市外の「小牧特別支援学校」に通うことに関しても触れるべき。 市の考え方   教室不足は全国的な課題とされており、この要因について文部科学省では、「教室不足が生じている主な要因は、知的障害のある児童生徒の増加。とりわけ特別支援学校高等部に在籍する生徒数の増加が大きな要因」としており、本市においてもこれと同様の状況です。  また、県立特別支援学校の通学区域につきましては、県が設定しておりますことをご理解ください。 (15ページ) 市民意見 〇守山区の「発達センターちよだ」が地域療育センター化すれば、肢体不自由児支援が取り組みやすくなると考える。 市の考え方   令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」において、地域療育センターの配置についての方針を示しており、今後具体的な整備計画について検討していきます。 市民意見 〇「ニーズにあった進路指導を充実させる」だけでなく、県外各地に設置されてきている「専攻科設置の検討も必要」ではないか。 市の考え方 専攻科につきましては、現在、設置の予定はございませんので、ご理解ください。   市民意見 〇学校教育の中でも障害者(児)が通うクラスの隔たりが偏見を生むが、インクルーシブな社会をと考えると学級崩壊へ向かうといった矛盾があり、教育現場、障害福祉サービス事業所への負担が増す一方であると感じる。深刻な人手不足、人員の育成など課題には山積みで、各事業所、教育機関、医療機関、行政が一同に情報共有を行っていく必要がある。重層的支援体制整備事業や児童の移行(福祉サービス)における連携不足などについてもつながってくる。権利の主張だけが目立つと差別の解消の観点からもノーマライゼーションの普及が大切であるのに、ノーマライゼーションの普及は遠のくのではないか。 市の考え方   国においては、令和6年4月に施行される「児童福祉法」の改正において、児童発達支援センターを地域の障害児の健全な発達における中核的な役割を果たす機関として位置づけ、障害児通所支援やその他関係機関との密接な連携等を図っていく方針が示されているため、本市としても、今後、国の動向を注視しながら、検討してまいります。 (16ページ) ● 相談・支援体制の拡充 市民意見 ○就労家庭の増加に伴い、18か月児健診後の支援では「保育園に行っているから」と、支援に繋がりにくい状況がすでに出てきていることも踏まえ、「気になる段階からの支援」のために「地域療育センター地域調整部門の充実」とともに、「こども家庭センターの母子保健事業」として、「育てにくい」ゼロ歳児が利用できる「親子教室」を、地域の子育て支援施策・地域療育センターと連携していくなど、より低年齢からの支援を充実させていただきたい。 〇各区の「こども家庭センター」に心理職を正規職で配置し、健診後の発達相談や、各区の保育所や子育て支援拠点と連携して保護者支援に取り組むことを位置付けてほしい。また、正規職員になることで、研修を含めて力量を系統的に高めることが可能になると考え、保育所のスーパーバイザーの位置づけも含めて、心理職の正規職員化に向けて総合的に見直しを図ってほしい。 市の考え方   令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」において、全ての地域療育センターに、地域支援・調整部門を新設することにより子ども・子育て支援と早期子ども発達支援との一体的実施の推進を目指しており、今後もより一層保健センター等の関係機関との連携を進めながら、早期子ども発達支援の充実に努めてまいります。  また、母子保健を取り巻く様々な課題に対応するため、令和6年4月に施行される改正児童福祉法による「こども家庭センター」の設置の趣旨を踏まえ、子育て支援機関との連携を推進してまいりたいと考えております。 (17ページ) 市民意見 ○「名古屋市立大学と連携し、発達障害者に対する支援の充実を図る」について、具体的にどのようなことをすすめていくのかということを提示していただきたい。 〇名古屋市立大学に「心の発達診療研究センター」が開設されたので、ぜひ地域の学校、福祉、医療との連携を積極的に進めてほしい。 市の考え方   近年の発達障害の認知の高まりなどを受けて地域療育センターにおける初診待機期間が長期化するなど、診療体制の充実が課題となっており、発達障害者が、生涯を通じて、必要な時期に必要な支援を受けられる支援体制を整えるため、公立大学法人名古屋市立大学と連携し、医療・福祉・教育が一体となった発達障害に係る知見の蓄積と発達障害児者への支援の充実を図ってまいりたいと考えております。 ● 発達支援体制の充実 市民意見 ○児童発達支援事業の充実について、「集団生活への適応訓練などを受けられる場として」という児童発達支援事業の位置づけは、「児童福祉法」からとったのだと思うが、発達支援の目的は、「障害者権利条約」では、集団生活「問題」となる子どもの「問題」を無くすのではなく、その子らしさを尊重し、集団生活の中でのウエルビーイング(こども家庭庁)を保障することにある。表現を見直しをお願いしたい。 市の考え方  障害児福祉計画については、児童福祉法に基づき、国が定める基本指針に即して、障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標、必要なサービス量の見込み及びその確保方策について定めるものであることから、児童発達支援事業の定義については、児童福祉法に規定されている定義に基づく記載としており、障害基本計画における児童発達支援事業の定義についても同様の記載としております。 (18ページ) 市民意見 ○「医学モデル」的な文章表現は見直し、親子が幸せ(ウエルビーイング)を感じられるような支援をという方向性を示す文章への見直しをお願いしたい。 市の考え方   名古屋市障害者基本計画の第1章(目標とする地域社会)には、障害者が日常生活又は社会生活で受ける制限は、社会が作り出していることから、社会的障壁を取り除くのは社会の責任であるという障害の社会モデルの考え方について記載しており、ご意見のありました発達支援体制の充実の分野においても、社会モデルの考え方に基づき、障害児や家族に対する支援を推進してまいりたいと考えております。 市民意見 ○「地域療育センターに地域支援・調整部を設置し」の後に「こども家庭センター」「地域子育て支援センター・支援拠点」を挿入し「幼稚園、保育園等のバックアップを行う」と変更をお願いしたい。 〇20数年前も早生まれの2歳児は待機でしたが、いまだに改善されていない。障がいのある、または発達に心配のある子どもたちのための医療、母子保健と療育、保育の連携を図り、地域療育センターを早期に増設してほしい。 市の考え方   地域療育センターにおける地域支援・調整部門におけるバックアップとして、「幼稚園、保育所等」と記載しておりますが、ご指摘のこども家庭センター、地域子育て支援センター、支援拠点などについても、地域の関係機関として「幼稚園、保育所等」に含めて記載しております。  令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」において、地域療育センターの配置についての方針を示しており、今後具体的な整備計画について検討していきます。 (19ページ) 市民意見 ○「障害者権利条約」ではニーズと長所、同一性の保持が強調されているため、家族に対する支援の「特性について正しく理解を促し、適切な子育てを行えるよう」という表現を、「子どもの特性の理解と共に、良さやその子らしさを尊重しうるよう、ゼロ歳段階からていねいな支援を実施します」といった表現にお願いしたい。 市の考え方   ご意見を踏まえて、P75ページの「家族に対する支援」の記載内容について、「子どもの特性について」を「子どもの個性や特性について」に修正させていただきます。 市民意見 〇放課後デイサービス事業の「生活能力の向上のために必要な訓練などを受けられる場」という表現も、こども家庭庁「障害児支援部会」で検討されているように総合的な支援の充実が求められているため見直しをお願いしたい。 市の考え方   障害児福祉計画については、児童福祉法に基づき、国が定める基本指針に即して、障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標、必要なサービス量の見込み及びその確保方策について定めるものであることから、放課後等デイサービス事業の定義については、児童福祉法に規定されている定義に基づく記載としており、障害基本計画における放課後等デイサービスの定義についても同様の記載としております。 (20ページ) ● 学校教育の充実 市民意見 〇学校教育の充実というところでは、すべての教職員への研修の充実を図るとしていることは、非常に重要なところであると思う。障害福祉分野では、個別支援計画の作成は必須であり、実施していないと減算対象。そのため、この間、学校に個別指導計画の提出を依頼したケースがあるが、学校では教育指導要綱上、個別指導計画は必須になっていると思いうが、作成していない又は本人家族の確認をされていないケースがほとんどである。書式の中に「合理的配慮」について記入する欄もあるが、その「合理的配慮」の意味が分からないのか、わけのわからない文章が入っていることもあった。 〇次年度より、障害福祉事業所の個別支援計画を相談支援事業所に渡すことになるという噂を聞いた。学校における個別指導計画も同様にしていただく必要があるのではないかと考える。ご検討をお願いしたい。 〇「なごやっこサポートリレーシート」なども個別支援計画と同様に、官民の協力や教育現場との協力があってこその子どもたちの発達を保障する支援ではないかと思う。こういう点も、福祉サービス事業所や相談支援事業所の質の向上にもつながっていくと考える。個人情報の保護という点への配慮もしつつ、実施することは必要ではないかと思う。 市の考え方 名古屋市立学校において、障害のある児童生徒の個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し活用するよう引き続き努めてまいります。  個別の教育支援計画につきましては、本人・保護者の意向を踏まえつつ、関係機関と当該児童生徒等に関する必要な情報の共有を図るよう、名古屋市立学校への周知に努めてまいります。 (21ページ) 市民意見 ○「県に特別支援学校設置を要望する」とあるが、名古屋市も知的障害対象の特別支援学校を設置しており、豊田市・瀬戸市等も市立の特別支援学校を有していることを踏まえると疑問が残る。国も障害種別を超えた特別支援学校設置を認めているため、この際、守山特別支援学校の肢体不自由児分校ないしは分教室を守山区内に設置することを教育委員会には求めたい。 〇守山区では小学校の合併計画もあるが、南区の白水小のような形態で併設することで、合併しないで済む学校も出てくるでしょうし、合併し廃校になった跡に作ることもありえる。保護者を交えて検討することを要望する。 ○港特別支援学校(県立)が規模が大きいため、数年後に天白区に新たな特別支援学校が出来ると聞いている。インクルーシブ教育やインクルーシブな社会の推進とうたっている上、医療的ケア児支援法も施行されたことを踏まえ、包摂を目指すのであれば権利擁護の立場からも、障害者権利条約の国連勧告もよく知り、地域の学校へ通えるシステムの構築をすべき。 〇障がいのある子どもたちが遠くの特別支援学校に通うという現状の打破として、せめて、名古屋市内の児童・生徒は名古屋市内の学校に通学させてほしい。また、すべての障がい児がスクールバスに乗れていないので家族の送迎負担をへらし、すべての子どもたちへの通学保障をしてほしい。 〇統廃合を予定している学校や生徒数の減っている学校に特別支援学校や特別支援学校を併設するという選択肢を増やしてほしい。児童生徒本人の長時間通学での身体的負担、スクールバスの時間に合わせて家族の送迎負担、きょうだい児や介護の必要な高齢者を抱えてのダブルケア、マルチケアに対する支援もしてほしい。 市の考え方   特別支援学校の設置につきましては、県に設置の義務がありますことをご理解ください。現在のところ肢体不自由の子どもを対象とした名古屋市立特別支援学校を設置する予定はございません。 (22ページ) 跡地の活用については、防災拠点地域に必要な機能に配慮しながら、統合の決定後に全市的な視点で検討します。  名古屋市立の特別支援学校におけるスクールバスの乗車につきましては、小中学部に在籍している児童生徒が乗車を希望する場合、乗車できるようにしております。今後は、乗車を希望する一人通学が困難な高等部の生徒も乗車できるよう努めてまいります。   (8) 防災・防犯などの推進 ● 防災対策の推進 市民意見 〇能登地震でも明らかになった、災害時に避難が難しかったり、意思のやりとりの難しかったりする障害のある人をどう支援するか、あらかじめ体制作りをしてほしい。発災時間により、公共交通機関、企業・学校・大学・専門学校等との協定も進め、避難所となる小学校の統廃合はやめて、広域避難や分散避難の観点からも、地域の高齢者、乳幼児、障害児者の活動拠点になってほしい。 市の考え方   災害時の避難確保に特に支援が必要な方である避難行動要支援者につきましては、避難行動要支援者名簿を基に、地域主体の共助の取組みである「助け合いの仕組みづくり」を引き続き支援するとともに、行政主導により避難行動要支援者一人ひとりの個別避難計画作成の取組みを進めることにより、大規模災害においても円滑かつ迅速な避難をしていただけるよう努めてまいります。  災害時の避難所は小学校だけでなく、その他の市有施設や民間施設等、多くの施設を指定しております。今後も区役所や関係局とともに、対象となり得る施設の指定を進めるなど、指定避難所のさらなる整備に努めてまいります。 (23ページ) 第3部 第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画(71件)  1 基本理念 ● 障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援 市民意見 ○「障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援」は、重点項目と併せて、市が「権利擁護の推進」「生涯を通じての支援体制の充実」「自己決定と意思決定の尊重と支援」に力を注いで下さっていることを感じる。その上で、障害福祉サービスを利用されている方が65歳を迎えると、なぜ、介護保険への移行が執拗に促されるのか。「介護保険優先原則」と言われるが、誰のための「原則」なのか。 〇障害福祉サービスを利用されている方の大半は、加齢や障害の重度化、経済面での不安の増大など、ただでさえ厳しい生活に直面されている。それなのに、なぜサービスの制限や経済的な負担増につながる大きなストレスを、その上さらに抱え込まなければならないか。 〇介護保険へ「移行するか否か」は、本来ご利用者一人ひとりがご自身のメリットやデメリットを勘案した上での「自己決定」であるべきで、支援者はその自己決定を尊重し、その「意思決定」に対して支援をするべきではないか。 〇現実には、窓口で「生活保護の受給者は介護保険移行の申請をしない選択肢はない」とか、「移動入浴を利用している人は、65歳以降は介護保険に移行しないと打ち切られる」などと言われ、本当に権利擁護に基づく自己決定が尊重されているのか、疑問に思っている。 〇介護保険申請しなかった方に対しての障害福祉サービスの「2カ月更新の継続」は、申請するまで「暫定措置」を続けるというもので、市は「申請をしない理由や事情を十分に聴き取るとともに、継続して制度の説明を行い・・・」と言われるが、実際にはそんなことされている様子もなく機械的に繰り返されている。もっと利用者に寄り添った支援をお願いしたい。 (24ページ) 市の考え方  障害福祉サービスと介護保険サービスとの関係については、障害者総合支援法第7条の規定により、必要とする障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、介護保険サービスを優先することとなっております。  本市においては、国通知に基づき介護保険を利用される方についても、介護保険サービスに相当する障害福祉サービスがない、又は介護保険サービスのみによって必要な支給量が確保できないと認められる場合には、併せて障害福祉サービスの支給決定を行っております。  一方で、65歳到達後も介護保険の申請が行われず、要介護等認定が行われていない状況では、対象者の方の支援内容が介護保険サービスにより受けることが可能であるか判断することができないため、国事務連絡において「要介護認定等の申請を行わない障害者に対しては、申請をしない理由や事情を十分に聴き取るとともに、継続して制度の説明を行い、申請について理解を得られるよう働きかけること」とされていることも踏まえ、支給決定期間を2か月とした上で勧奨を行っております。勧奨については、引き続き丁寧な説明及び案内を行うよう、研修等の機会を捉えて区役所・支所の担当職員に伝えてまいります。 ● 障害福祉人材の確保・定着 市民意見 ○報酬が固定されている中で他の企業等との求人条件の差は開く一方で福祉を担う良い人材の確保は今後も困難だと思われ、事業者としては大きな危惧を感じており雇用条件が改善できるような計画になって欲しい。 ○障害福祉人材の確保について、やりがいだけでは集まらない。市の独自施策で福祉従事者に独自手当をつけ、賃金改善をしないことには人が来ない。現場の人員不足は想像以上に深刻。地域生活支援拠点においても人材不足だけではなく、制度だけが先走って現場が追いついていない。事務手続きに追われ、本来の支援に十分な時間と人材を (25ページ) 確保できず、当事者の権利が尊重できない状況である。基幹センターへの業務も年を追うごとに増え、人が足らないのに委託業務は増えるばかり。これ以上人が倒れていくのは見たくない。 市の考え方   障害福祉現場で働く職員の賃金を始めとした待遇条件と障害福祉サービス等の報酬単価は密接に関わっており、国において適切な報酬単価が設定されることが人材を確保する上で重要なことと認識しております。今後も国の動向を注視しながら、適切な報酬単価とするよう、国へ要望してまいりたいと考えております。  また本市では、障害福祉事業所の職員の資格取得支援に対して経費の一部を助成する制度や職員が奨学金を返済するために要した費用の一部を助成する制度など、独自の助成制度を実施しているところであり、今後も引き続き、障害福祉人材の確保・定着が進むよう、実効性の高い施策を検討してまいります。  地域生活支援拠点事業については、年1回以上の運営状況の評価を行うこととしており、評価を通じて各事業所の状況を把握しながら、引き続き地域生活支援拠点事業の充実を図ってまいりたいと考えております。  障害者基幹相談支援センターについては、地域における相談支援の中核的な役割を担っている機関であり、今後も引き続きその役割が担えるよう、職員体制の充実等を図ってまいりたいと考えております。 (26ページ) 市民意見 ○人材の育成・確保については、障害福祉サービスを推進していく上で、まさに根幹となるところで、市としても人材の育成と確保に、日々尽力されていることと思う。ただ、ここ数年来、特に移動支援等において顕著なヘルパー不足の実態は、深刻さを増すばかりであり、「そんなことはわかっている」と思うが、ご利用者・ご家族は本当に困惑し、苦しまれているのが現状。「障害福祉現場における働きやすい職場環境の整備」を謳うなら、報酬単価の見直し、つまり、まず大幅な(といっても一般職種との差を埋める程度の)給料アップにつながる改定をお願いしたい。それがあって初めて「魅力的な職場であることの積極的な周知広報」が意味を持ち、現実的な「働きやすい職場環境の整備」にもつながると思う。「ICT・ロボットの導入」以前に、今、本当にやるべきことに着手をお願いしたい。 〇現状のままでは計画遂行できない、人材不足を解消するために国に要望をあげてほしい。 市の考え方  移動支援の報酬単価については、平成30年度から通学や通所にかかる遠方への支援について、片道支援加算を創設するとともに、令和2年度には、利用率が最も高い1時間の報酬単価について、個別支援及びグループ支援ともに、100円の引き上げを行いました。今後も、利用実態を確認しながら、適正な報酬水準の確保に努めてまいります。  また、国の動向を注視し、適正な報酬単価となるよう、引き続き国へ要望してまいります。 (27ページ) 2 障害福祉サービス等の提供体制に関する基本的な考え方 ● 相談支援の提供体制の充実・強化 市民意見 ○相談支援の提供体制の充実・強化とあるが、特定相談支援の協働を名古屋市は認めていない。地域生活支援拠点の面的整備に相談支援は入っていると思うが、なぜか。機能強化型になるようにしているのかもしれないが、実質強化型になっている事業所は多くないはず。計画相談をどのようにしていこうと名古屋市が考えているのか、わかるようにしてほしい。 市の考え方   本市では現在、相談支援機能強化型体制に関する届出については、事業所単独で要件を満たした場合のみ受け付けております。第7期名古屋市障害福祉計画では、相談も含め、国が定める地域生活支援拠点等の5つの機能を進めるためにコーディネーターを配置することを記載しておりますが、コーディネーターの配置先を各区障害者基幹相談支援センターとし、相談支援事業所も含めた連携体制を構築したいと考えております。協働による機能強化型サービス利用支援費を含めた地域生活支援拠点等に係る相談支援事業所関連の報酬の取扱いについては、地域生活支援拠点事業の状況の把握を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えております。 (28ページ) 3 障害児支援の提供体制に関する基本的な考え方 市民意見 ○報酬改定の厚生労働省における議論(社会保障審議会)などを見ていて、「児童発達支援センターの役割強化」が出ていた。今回の名古屋市障害福祉計画(案)においても、それをふまえた内容になっていると思う。 〇児童発達支援センターにおける保育所等訪問支援の実施は、とても重要であり、実際に依頼をしていくことになると思う。障害児相談を実施している中で、小学校3年生〜4年生にかけて、特別支援学級または通常学級に通っているお子さんたちの問題がとても大きいと考える。勉強についていけずに不登校になってしまうケース・友だち関係の中で自分の劣等感などから自信をなくしてケンカなどに発展してしまうケースなど、西部地域療育センターから引き継いだケースでも数多くあり、これらは子どもの発達上、あって然るべきことであって、こういうことを乗り越えていく中に成長があるのだと思う。こうした9歳、10歳の壁と呼ばれる課題を乗り越えるためにも、児童発達支援センターが協力して支援をしていただけることはとてもありがたい。児童発達支援センターが、その専門性を発揮して、地域の子どもたちに対しても支援を行ってもらいたい。 〇西部地域療育センターの児童発達支援センターは公立であり、人員配置等も確保していただけると思う。しかし、そのほかの児童発達支援センターはどうか。人材確保が課題になっている中、それだけの人員配置ができるのかということを心配している。 市の考え方   国においては、令和6年4月に施行される「児童福祉法」の改正において児童発達支援センターを、地域の障害児の健全な発達における中核的な役割を果たす機関として位置づけ、障害児通所支援やその他関係機関との密接な連携等を図り、重層的な支援体制を整備する方針が示されております。現在、障害児相談支援事業については、全ての児童発達支援センターで実施しているところですが、保育所等訪問支援事業についても、検討してまいりたいと考えております。 (29ページ)  また、民間児童発達支援センターに対しては、公民格差を是正するための制度である運営費補給金等の交付を行っており、引き続き、人材確保に努めてまいりたいと考えております。 市民意見 ○「教育等の関係機関との連携を図る」とあるので、新設される県立肢体不自由校(天白)の通学範囲(区割り)を利用者・保護者の意見を聞いて、守山区の肢体不自由児が市外の小牧特別支援学校に通うのではなく、便宜上通いやすい支援校を選択できるよう、県の教育委員会との連携をすすめてほしい。 市の考え方   県立特別支援学校の通学区域につきましては、県が設定しておりますことをご理解ください。 4 成果目標 (1) 第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の進捗状況 ● 地域生活支援の充実 市民意見 ○「相談支援事業について、希望に沿わず、セルフプランを利用している方が、一定数いる」とある。その原因を検討し、特定相談支援事業所・障害児相談支援事業所が、事業を継続できるよう補助金を継続してほしい。 市の考え方   令和5年3月31日時点において、全支給決定者のうちセルフプランによる支給決定者の割合は21.6%で、横ばいの傾向となっております。原因としては、相談支援事業所及び相談支援専門員の不足も一因であると考えております。本市では独自に、相談支援事業所に対する相談支援事業補助制度を設けており、第7期名古屋市障害福祉計画においては、当該補助制度を活用し、事業所数及び相談支援専門員数の増加を図る旨を記載しております。 (30ページ)  (2)第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画の成果目標 ● 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 市民意見 ○「措置入院者以外の方も対象とした医療、保健、福祉、高齢者支援、居住支援等が連携した包括的な退院後支援に取り組みます」について、現在、行われている「措置入院者を対象にした退院後支援」について、専門性のある人員が配置されないことにより、形式上、書類上の取り組みにとどまっている実態が見受けられる。真に、「包括的な退院後支援」に取り組めるよう、専門性のある人員を配置すること、さらに、スーパーバイズ体制をつくり、実効性のあるものにしてほしい。 市の考え方 措置入院者を対象にした退院後支援については、保健センターの精神保健福祉相談員や、一定の知識や経験を有する職員を中心に取り組んでいますが、より実効性のあるものとなるよう、スーパーバイズ体制を含めたチームによる協働体制の構築に努めてまいります。 ● 地域生活支援の充実 市民意見 ○国が新しく作る制度や事業をそのままおろすのではなく、名古屋市の地域生活支援の充実に向け、実情に合わせ変更できるところを実情に合わせていくことは出来ないだろうか。地域生活支援拠点のように利用数や登録数が増えないことからそう思うことがよくあった。 市の考え方   地域生活支援拠点等の整備は、厚生労働省障害福祉課長通知に基づき実施しておりますが、機能の内容の充足の程度等については、各地域の実態に応じて市町村が判断することとされています。引き続き関係機関の意見等を踏まえながら、地域生活支援拠点事業の充実を図ってまいりたいと考えております。 (31ページ) 市民意見 ○重度で手のかかる方や、強度行動障害の方は、地域生活支援拠点事業の利用を考えても、利用できない事例も経験している。入所施設がこのような方を支援し、地域に戻す役割を持ってもいいと考える。入所型施設の役割を見直し、入所の施設がない地域に少人数でいいので、拠点型支援のできる、モデル施設の設置を検討してほしい。そのための検討会には、当事者も参加できる検討会を設置してほしい。 市の考え方   入所施設は、重度障害者の受入れ等において重要な役割を担っており、本市としましては、地域で自立して生活されている障害者等への支援についても、入所施設が果たす役割に期待しているところです。  第7期名古屋市障害福祉計画では、「地域生活支援拠点事業所以外でも「緊急時の受け入れ・対応」及び「体験の機会・場」を担う地域の障害福祉サービス事業所等を地域生活支援拠点事業所に準ずる事業所(地域生活支援推進事業所)として位置づけ、体制の充実を図ります。」と記載しており、入所施設に併設する短期入所事業所においても対象と考えております。入所施設も含め、地域の障害福祉サービス事業所に協力いただき、本市の地域生活支援拠点事業を充実させてまいりたいと考えております。 市民意見 ○名古屋市においては、乳幼児期から健やかな育成を支援するために、「地域療育センター」の設置をすすめてきた。それにより、障がいの早期発見・早期療育が実現してきたが、障害児相談を行っている立場からすると、まだまだ不十分なところがあるのではないかと感じる。特にコロナ禍以降、乳幼児健診でフォローされるべき子どもたちが、十分な支援を受けられずに年中〜年長、または小学校にあがってから発達の課題がみつかり、障害児相談に直接相談に来られるようなケースも散見される。医療的ケアが必要なお子さんのところにも、保健師などの訪問がすぐに途絶えてしまったケースもあった。 コロナ禍という特別な事情はあったかとは思うが、 (32ページ) 今後も早期発見・早期療育の実現のために、乳幼児期からの支援体制の充実を望む。 〇今後も早期発見・早期療育の実現のために、乳幼児期からの支援体制の充実を計画(案)の中でも触れられていて、「すべての児童が共に成長できるよう、地域社会への参加や包容(インクルージョン)を推進します。」と書かれている。そして、東部地域療育センターや南部地域療育センターにおいて実施されている「地域支援・調整部門」がすべての地域療育センターに設置され、現在の初診待ち〇か月という実態が解消されていくことを望む。 〇私が契約しているお子さんたちは、西部地域療育センターの管轄の方が多いが、当然こちらでも、2024年度より実施されるという認識でよかったか。 市の考え方   令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」に基づき、地域療育センターの機能強化を図っており、従来の診療部門と通園部門に加え、地域の関係機関に対する支援等を専門的に行う地域支援調整部門の設置拡充を進めており、現在、東部地域療育センターと南部地域療育センター2か所に設置しております。  また、令和6年度から、地域支援・調整部門の部分実施として、まずは全ての地域療育センターで初診前サポート事業を実施する予定であり、引き続き、保護者の不安軽減及び子どもの早期支援につなげるための取組を進めてまいりたいと考えております。  地域療育センターの初診待機の短縮に向けては、地域療育センターの医師の体制強化、人材確保を図ることが、非常に重要であるため、引き続き、地域療育センターの診療体制の拡充について検討していきたいと考えております。 (33ページ) ● 障害児支援の提供体制の整備等 市民意見 ○重層的な地域支援体制の構築に関して、「2歳以上の希望するこどもはすべて受け入れる体制」は1982年に決めた方針。現在は出生前からわかる障害、出生直後に診断可能な障害のある子どもが、希望すれば通園できる体制にはなっていない。希望すれば、親子通園も含めてゼロ歳児から通うことのできる体制整備を目指すべき。育児休業中から親子で通園可能であれば、保護者の不安も軽減される。しかし、すぐに実現することは難しいと思うので、2026年までに関しては「2歳のお誕生日が来たら入園できる体制の整備を当面の目標とする」と変更してほしい、「目標」は、現在の10か所の児童発達支援センターで終わるのではなく、人口も面積も大きな港区に新たに設置しうるように準備を進めることも位置付けてほしい。 〇現在の児童発達支援センターの設置は、地域差が大きい。交通の便等の問題により、緑区徳重以西、守山志段味地区、港区南陽など、児童発達支援センターに非常に通いにくい地域もあることから、名古屋市のすべての子どもたちが同じように支援を受けられるようにするために、現状維持ではなく、さらに増やしていく必要があるのではないか。 〇滋賀県大津市では、人との関わりにおいて、3項関係が結べるようになる10か月での健診で一定のフォローにつなげられる体制をつくっている。そこまでとはいわなくても、1か月半健診からの支援において、児童発達支援センターを利用することができるようになるべき。先天性の疾患があるお子さんの場合には、もっと早くからの早期療育が可能です。2歳児全入を目標にするのではなく、0・1歳児の早期療育が実現していくことを目標にすべきではないか。 〇「令和8年度(2026年度)の時点で10か所の児童発達支援センターを継続して設置します。」という文言があるが、現時点での児童発達支援センターは11か所。(障害者福祉のしおり 令和5年度版より)これはどういうことか。 (34ページ) 市の考え方   児童発達支援センターについては、2歳児以上の希望するすべての子どもを受け入れることはできていないのが現状です。中・長期的には、希望する子どもは、すべて通園できるようにしていく必要があると考えておりますが、まずは、2歳児以上の希望するすべての子どもは全て通園できるよう受入体制を整えてまいりたいと考えております。  令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」において、地域療育センターの配置についての方針を示しており、今後具体的な整備計画について検討していきます。  障害児福祉計画に記載している児童発達支援センターの設置か所数としては、本市が所管している10か所を前提としております。なお、障害者福祉のしおりに記載されている愛知県青い鳥医療療育センターについては、愛知県が設置する施設であるため、本市の障害児福祉計画における児童発達支援センターの施設数には含めておりません。 市民意見 ○重心児・医ケア児支援について、医療の必要性が高い重心児・医ケア児は、医師も医療技術職も配置されている地域療育センターで受け入れることが筋ではないか。従って、こうした子どもをなるべく早く受け入れることを地域療育センターの役割とすべきだと考える。そして、重心デイを療育センターが連携支援するということが、国の方向性とも合致すると思う。 〇重症心身障害児・医療的ケア児への支援に力を入れているのは、伝わってくるが、医療的ケア児が18歳以降になった時の受け入れ先に力を入れてほしい。医療ケア者を受け入れの事業所が実際のところは、看護師の体制が不十分であり、体制が整うまでは…とやんわり断られ、希望通りの利用はできないのが現状。 市の考え方  重症心身障害児・医療的ケア児への支援については、地域療育センターにおいても、受け入れを実施しているところです。 (35ページ)  また、令和2年3月に策定した「今後の名古屋市早期子ども発達支援体制に関する方針」に基づき、地域療育センターの機能強化を図っており、従来の診療部門と通園部門に加え、地域の関係機関に対する支援等を専門的に行う地域支援調整部門の設置拡充を進めており、現在、東部地域療育センターと南部地域療育センター2か所に設置しております。 今後、地域療育センターにおける地域支援・調整部門を核に地域の障害児通所支援事業所等に対する研修や連携についても、進めてまいりたいと考えております。令和3年9月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律第3条第3項には、「医療的ケア児及びその家族に対する支援は、医療的ケア児が18歳に達し、又は高等学校等を卒業した後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることにも配慮して行われなければならない。」と規定されており、18歳に達した以降も、適切な支援が受けられるよう各関係機関の連携を促進してまいりたいと考えております。    (36ページ) ● 相談支援体制の充実・強化等 市民意見 ○基幹相談支援センターの力量にばらつきがあり、また忙しさからか、頼れない。区分調査を区役所に戻してはどうか。 市の考え方   近年、障害の重度化、障害者やその家族の高齢化、切れ目のない支援の提供、社会資源の多様化への対応が課題となっており、障害者基幹相談支援センターにおいてもこうした課題を抱えた相談が増加しているところです。基幹センターは、地域の相談支援の中核的な役割を担う機関であり、今後も引き続きその役割が担えるよう、職員体制の充実を含め、機能強化を図ってまいりたいと考えております。  また、利用者の増加に伴い、認定調査の件数が増加しており、認定調査における障害者基幹相談支援センターの負担も大きくなっていると認識しております。  そうした課題を踏まえ、令和4年度より各区基幹センターの認定調査件数の平準化の取組を行うとともに、介護認定調査センターへの認定調査委託を行っております。区役所・支所での認定調査の実施については、区ごとの人口、障害福祉サービスの支給決定者数、地域特性等により画一的な対応はできていない現状ですが、窓口での認定調査を実施している区役所・支所もあります。今後も障害福祉サービスの利用までの流れが円滑になるよう、区役所・支所における支給決定事務について検討してまいりたいと考えております。  また、認定調査における基幹センターの負担を減らせるよう、平準化の取組の推進や委託先の拡大に努めてまいります。 (37ページ) 市民意見 ○支援者の育成、確保に関して、私は基幹相談支援センターに支援してもらっているが、すぐに担当者が代わってしまう。何故なのか気になり問いつめたところ、基幹相談支援センターは各区別々の事業所が運営しており、給料が違う。すぐに辞めていかれる基幹センターの給料はとても低く、他の基幹センターの半分しかないため生活できず退職すると聞いた。人材育成確保のために給料水準を同一にしてほしい。 ○名古屋市の委託事業である、障害者基幹相談支援センター、地域活動支援センター1型の職員確保について。基幹相談支援センターは各区委託先が違うと聞いているが、職員の入れ代わりが激しい区とそうでない区がある。それは、非正規採用、正規採用あるようだが、正規採用より非正規は給料が低いので辞めやすく、また、正規採用でも運営する事業所によって給料が違うと言われている。同じような仕事内容でも、給料が倍違えば給料が高いところに移るのは当然。給料を同じようにする必要があると思う。何年以上勤務はいくら以上、非正規採用も正規採用と同等になるよう時給いくら以上、しかも非正規フルタイムならば正規採用と同じ労働時間数なら正規採用の年収や勤続年数に応じた給料形態にしていく必要があると思う。公務員に準じた給料にしていかないと負担の大きな基幹相談支援センターの業務を担うのは割が合わないため職員の流出は続く。結果、市民がすぐに職員がかわる不安を抱きつつ、すぐに担当者が新人になり質が低い福祉サービスをいつも受けることになる。サービスの質を高くするには熟練した知識、経験が必要になる。それを確保していく為に給料を同一基準にするように名古屋市が基準を決めて各事業所に通達していくのが良いと思う。基幹に入る委託料を人件費に回している給料水準が高い事業所、人件費にまわらず低い事業所があるのは同じ仕事内容なのでおかしく、不平等、不均衡。 (38ページ) 公務員は皆、給料は変わらないので、名古屋市から委託された事業も同じにしていかないと、同じサービスを提供し続けることは出来ないと思う。 市の考え方   本市では、障害者基幹相談支援センターを市内16区にそれぞれ設置しており、その運営を事業委託しているところです。  各センターで働く職員の給与体系については、在籍する運営法人の定めに基づいており、統一することは難しいと考えられますが、提供するサービスについて、質を確保した上で均一化を図っていくことは重要な課題と認識しており、運営法人による職員へのフォローや賃上げしやすい環境の整備も含め、センターが今後も地域の相談支援の中核的な役割を担っていけるよう、相談支援体制の充実・強化に努めてまいります。 市民意見 ○基幹相談支援センターの力量にばらつきがあり、また忙しさからか、各区の自立支援協議会の運営も基幹だけでは難しそうであるし、区役所からの出席が少ない。地域の障害のある人と会い、思いや困りごとを直に知り協議会で発言し、一緒に社会資源作りをするメンバーになってもらえないか。 ○障害者福祉サービス等の質の向上を図るための取組にかかる体制の構築を成果目標とするのであれば、名古屋市の自立支援協議会はいかがなものか。本当に協議の場がなく連絡会になっている点は、ぜひ考え直してほしい。ここで障害者福祉計画なども話し合えないだろうか。また、毎年各区の協議会から地域課題を10個挙げ、ブロックで2個に絞っているが、議論されていない。あるいはされていても、回答としての文章があるだけである。 ○目標として共に生きる地域社会の実現と書いてあるが、地域で理解が得られない状況はまだまだあるのではないかと感じている。啓蒙活動はだいぶ行われるようになってきているが、施設コンフリクトの (39ページ) 事例もまだまだ聞くように思う。経済的に余裕のない人が増えてきている中で排除の意識の高まりを感じているし、若い人への教育の役割も重要だと思う。障害のある人もない人も共に生きる地域社会が安心して幸せに生きられる地域だと実感できるような取組が必要。この取組を各区の自立支援協議会がその部分を担うのかと思うが、中々具体的なことを話しあえる場にまではなっていない。数値目標とかも各区で設定して、地域課題を各区の自立支援協議会でも解決していけるような仕組みがあると良い。具体的には不足しているヘルパー事業などの地域資源開発が進むような援助や補助があると良い。自立支援協議会等でヘルパー養成事業や喀痰吸引等研修を行ったり、障害福祉事業の求人活動の援助も求められていると思う。 市の考え方   本市では、各区の関係部署や障害者基幹相談支援センターが事務局となり、各区の自立支援連絡協議会を運営しており、協議会では各関係機関が集まり、抱えている課題を共有し解決に向けて連携強化を図っております。  障害者総合支援法が改正され、令和6年度からは協議会で障害者の個々の事例について情報共有することが求められるなど、協議会の活性化が示される中、第7期名古屋市障害福祉計画では、新たに協議会について「地域におけるサービス基盤の開発や改善に向けた取組の促進」や「市自立支援連絡会においても必要な協議を進める」ことを記載しました。今後も、各区自立支援連絡協議会や市自立支援連絡会がより活性化し、効果的な協議を行えるよう、検討を進めてまいります。  併せて、地域の相談支援体制の中核を担う障害者基幹相談支援センターについては、地域環境づくりの機能強化を行うなど、引き続き相談支援体制の充実・強化に努めてまいります。 (40ページ) ● 障害福祉サービス等の質の向上を図るための取組に係る体制の構築 市民意見 ○資格のあるなしに関わらず、障害福祉をする支援者の支援の質にかなりの差がある。なんとかして欲しい。 ○医療機関のスタッフは医師・看護師・PSW(MSW)、CP、薬剤師など、専門職で国家資格を取得している人で構成されている。同じ様に障害福祉領域も専門職化し、当事者の支援にあたる必要があるため、早急に望む。関わりの質を担保することが何より必要。 ○こんな株式会社に頼ってしまった私たちだから、社会資源を再構築し、その質を上げなくてはいけないと思う。ただ、他のヘルパー事業所も身体介護なら受けるが重度訪問介護は受けない、移動支援はやっていない、自分の所の施設にしか入っていないところが多すぎる。外国の人がやっている事業所は重度訪問介護も受けてくれるから、頼がいいのだろうか。報酬の高い所に集まる事業所は運営上ありうるかもしれないが、人員や過誤ばかりでなく、質をもっと名古屋市も厳しくみるべきではないか。 ○就労移行支援事業所で職員のLGBTQに対する差別的発言があった。このような事例の際に、事業者に指導して欲しい。 ○就労施設のスタッフへの研修が不十分。生活支援員が、障害や支援の際の声掛けを知らずに現場に入っている事業所がほとんどで、就労継続支援を利用する意味を感じられない。相談支援についても福祉施設によりそれぞれの経験が異なるためか、事業所によって受けられるサービスに大きな差があるように思う。利用者は事業者の実務経験を知る術がなく、紹介された施設を選ぶしかないのが現状。 ○障害者福祉サービスの質の確保が課題として挙げられる。株式会社恵のような問題が起こらないように、支援の質の確保や、事業所としてのコンプライアンスの確保ができるように、具体的な施策(監査の強化、入居サービスは非営利法人を優先して指定する等)を示してほしい。 (41ページ) 市の考え方  本市では、障害福祉サービス等の質の向上を図ることは大変重要な課題と考えており、質の向上を図るためには、人材育成や各事業所でのキャリアアップを支援する取組が欠かせないものと認識しております。人材育成については、職員の資質向上と利用者の処遇向上を図ることを目的とした「高齢・障害福祉職員研修」を行っており、事業所職員を対象とした「新任職員基礎研修」や「強度行動障害研修」、障害者差別や虐待防止について学ぶ「権利擁護研修」等の約50の研修を行う他、ホームヘルパー現任研修等を実施しております。  また、キャリアアップの支援としては、事業所が実施する従業者の資格取得支援に対して経費の一部を助成する事業を行う他、職員が奨学金を返済するために要した費用の一部を助成する制度では、一定期間事業所に在籍し、介護福祉士の資格を有していれば助成額を増額する等の支援を行っているところです。  今後も、ニーズに応じた研修を新たに行うなど、研修内容の充実を図るとともに、キャリアアップの支援を行うことにより、引き続き職員の資質の向上を図ってまいりたいと考えております。さらに、事業所に対する指導としまして、定期的に実施している実地指導において、関係法令等に照らして運営基準上の遵守状況を確認している他、管理者及びサービス管理責任者等に対し事業所における問題点や課題等に関するヒアリングを実施し、サービスの質の向上を図っているところです。様々なご意見等を踏まえ、今後もよりよい事業所運営が行えるよう、指導のあり方及び手法等についても検討してまいりたいと考えております。  その他、障害福祉サービス等の質の向上を図るためには、事業所職員への対応と併せて、名古屋市職員としても取り組むべきことがあると考え、第7期名古屋市障害福祉計画より新たに「市職員としても、障害当事者の方や支援者の方たちの声を含めた、現場の状況や実態をよく把握する」、「研修等を通じて障害福祉に関する理解を深める」ことを記載しております。 (42ページ) 市民意見 ○株式会社恵についてどのように市として解決をしていくのか。緑区は恵の事業所も多く、利用しているご本人やグループホームが開所されなかった方々が困っているが、何の話もない。障害のある人たちを理解しようとせず、彼らの社会参加や支援者との関係性の構築、関わる人を巻き込みながら希望することを権利の行使として進めていくことと分かっていない事業所が多い。そのことが、障がいの重い人を受けてきた株式会社恵を生んだのかもしれない。しっかりと考え直す話し合いが必要なのではないか。恵の事が新聞に出て、短期入所の費用を値下げした他の事業所があったとも聞いた。 市の考え方   昨今、食材料費の過大徴収を端緒とした法人の不適切な運営について、新聞報道等で取り上げられたところです。当法人における処遇等につきましては、現在調査中であることから、詳細についてお答えできる状況ではございませんが、厚生労働省や愛知県とも情報共有に努め、連携を図りながら今後の対応を検討してまいります。  また、利用者の方の支援について、愛知県において愛知県障害者グループホーム問題連絡協議会が設置され、横断的な対応が行えるよう協議を行っているところです。 (43ページ) 5 活動指標等 (1) 障害福祉サービス・相談支援 ● 訪問系サービス 市民意見 ○障害者にとって、家内援助・同行支援は欠かせないが、ヘルパー不足により必要な支援が行き届いていない。対策をして欲しい。 ○2024年1月1日午後4時10分ごろ、突然車いす・テレビが揺れ、携帯電話から緊急地震速報が響き「大地震か」と。テレビの緊急地震速報で能登が震源。もし、南海トラフ地震が起きたらどうなるのだろう。マンション5階に住む私は死ぬか。生きていたら避難所か。しかし、避難するにも車いす(我が車は電動)が必須だ。誰が、助けてくれるのだろうか。避難所は、福祉避難所は…不安ばかりがつのる。私は73歳、妻は66歳。障害支援区分6、重度訪問介護を利用して日常を送っている。私の日常を支えるのは、妻とヘルパーだ。ただ、ヘルパー不足が深刻だ。ヘルパーがいない日が増えている。いない時は妻に頼らざるをえない。 市の考え方   本市においては、人材確保策として、ヘルパーの仕事内容やヘルパーになるための方法を紹介するリーフレット及び障害福祉職場のイメージアップのための啓発冊子の作成、ハローワークとの共催による就職相談会「障害福祉の仕事フェア」の開催、市内大学・短期大学への広報、居宅介護事業所が実施する従業者の資格取得支援に対して経費の一部を助成する「福祉人材育成支援助成事業」、令和5年度からは「介護・障害福祉職員奨学金返済支援事業」など、様々な事業を実施しているところですが、依然としてヘルパー不足が解消されていないのが現状です。  今後も引き続き、実効性の高い人材確保策を検討してまいりたいと考えております。 (44ページ) ● 日中活動系サービス等 市民意見 ○支援する人材の確保には、事業所内で人材を教育するための、べテラン、中堅職員の存在が不可欠。経験のある人材の確保には、それに見合う給与が必要であり、報酬体系の加算だけでは不足。生活介護にも、共同生活援助のような名古屋市独自の事業費(人件費)補助の制度を作ってほしい。 市の考え方   生活介護事業所の安定的な運営が可能となる適切な報酬単価の設定については、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。  なお本市では、生活介護事業所が強度行動障害のある利用者を受け入れ、行動障害軽減に向けた支援を行った場合に、上乗せ単価補助を実施している他、重症心身障害者を円滑に受け入れ、かつ適切な支援を行うために要する人件費の補助を実施しており、引き続きこれらの補助制度を実施していく旨、第7期名古屋市障害福祉計画に記載しております。 市民意見 ○「事業所指定において、事業者が円滑に参入できるよう懇切丁寧な指定相談を行います」とあるが、新しく障害福祉サービスに参入した事業所のなかには、障害者の特性理解や障害者支援に関して、心許ない事業所が散見される。こういった事業所が、不適切な支援や虐待を行うことを未然に防ぐ意味でも、事業所指定の要件を、今一度、見直してほしい。また、事業所指定を行った後に、適切に運営されているかの検証を、早い段階で行ってほしい。 市の考え方  指定の要件については、法令等により基本的な基準が定められておりますが、本市では、「名古屋市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例」で、独自の指定基準として「利用者の障害の特性に関する理解を深めるために必要な研修を実施しなければならない」と規定し、指定後においても定期的な研修の (45ページ) 実施を義務付けています。  また、本市独自の取組として、事業所の代表者・管理者を対象に「名古屋市障害福祉サービス事業新規参入者研修」を行い、障害者の特性理解を深められるように努めているところです。 市民意見 ○昨今、両親が共働きをしている家庭が多い世の中で、高校卒業後の通所先が高校を通学していた時より日中過ごす時間が短くなり、親が働き方を変えなくていけなくなり、就労時間を減らさなくてはいけない。家庭の収入も減ってしまう。また、仕事をやめなくてはいけなくなる。夕方のヘルパーは見つかりにくいので、夕方まで預かっていただける事業所や(延長加算の拡充)、生活介護利用後に預けることができる制度の拡充をお願いしたい。 ○土日も仕事や家庭があるのに、土日の受け入れ可能な生活介護が少なすぎる。放課後デイは土日開所している事業所はある程度あるが、生活介護は少ない。特に日曜日開所している事業所はほとんどなく、土日開所しているところも、定員オーバーで断られるのが現状。土日開所の事業者を参入促進するために、放課後デイのように土日祝日開所の場合は、報酬を高めに設定するなどをお願いしたい。 市の考え方  放課後等デイサービスを利用する方は、18歳に到達すると利用するサービスを生活介護等へ変更することとなりますが、放課後等デイサービスと比較してサービス提供時間が短い場合や土日祝日等におけるサービス提供がない場合が多いのが現状です。こうした状況を補完するため、居宅介護や移動支援、日中一時支援等の他のサービスを組み合わせてご利用いただいているところではありますが、平日の夕方や土日祝日等の支援体制の構築につきましては、本市としましても課題であると認識しております。そのため、国に対して、日中活動終了後の夕方や休日の支援の充実に向け、人件費や送迎費を補助する制度の創設を要望しているところです。 (46ページ) ● 居住系サービス 市民意見 ○グループホームも軽度な方向けの新設が多いが、支援が手薄。中重度な方も安心してすごせる体制にしてほしい。 ○障害者の高齢化、重度化や急病等に対応するよう、グループホームの日中支援も人員配置してほしい。 市の考え方  第7期名古屋市障害福祉計画では、重度障害者等を受け入れるための体制の充実を図ることとしており、グループホームについても、国庫補助の活用や民間助成の制度周知による施設整備を進めるとともに、市独自の設置費補助制度及びバリアフリー化改修費用の一部助成により、重度障害者の受け入れが可能なグループホームの確保に努めてまいりたいと考えております。  また、グループホームの安定的な運営が可能となる適切な報酬単価の設定については、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。 市民意見 ○そもそも、サービスが保障されていない現状を改善してほしい。入所やグループホームでコロナが発生した時や人手不足で帰宅要請があり帰宅しても、居宅サービスが使えない。期間限定で居宅サービスも利用できるようにしてほしい。 市の考え方  グループホームにおける介護については、基準省令において、共同生活援助事業者は利用者の心身の状況に応じて必要な支援を行うこと、また、利用者の負担によって居宅介護等の他の介護サービスを利用させることができないことが規定されております。ただし、経過措置として障害支援区分4以上の利用者については、必要に応じてグループホーム内で利用する居宅介護(身体介護)又は重度訪問介護を支給決定することが認められており、この経過措置は令和8年度末まで延長される予定です。 (47ページ) 市民意見 〇グループホームの中には、「包括支援型」でありながら、実質的には「外部サービス利用型」であるような支援しか行っていない事業所がある。日中サービス支援型グループホームだけではなく、例えば、包括支援型にも関わらず、食事提供の実績が極端に少ない事業所など、一定の条件に該当する事業所について、チェック機能を果たしてほしい。 市の考え方   日中サービス支援型グループホームについては、基準省令に基づき、定期的な評価の場が設けられ、結果の公表等を行っております。  また、包括型についても、今後の制度改正により、外部の視点を含めたチェック機能を果たす仕組みが全国一律に設けられる予定とのことですので、本市としても適切に対応してまいります。 市民意見 ○ろう者が安心して手話でコミュニケーションできる介護施設が欲しい。現在の施設中にろう者が集まって生活できるように配慮する等、支援が欲しい。 市の考え方   介護保険施設へ入所される方、各々の心身状態が異なる状況のなか、各施設において対応できる支援をさせていただいておりますのでご理解ください。 (48ページ) ● 計画相談支援・地域相談支援 市民意見 ○相談支援事業所について、相談支援専門員が1名の事業所が一定数あるが、相談者からすると、不安定な運営形態である。例えば、1名の相談支援専門員が入院となった場合に、フォローができるような体制づくりを検討していただきたい。機能強化型サービス利用支援費における「複数の指定特定相談支援事業所で・・・(以下省略)」を名古屋市でも導入する、柏市の「主治医・副主治医」を応用した方法を検討するなど、何らかの方法を検討してほしい。 ○「事業所や地域において指導的な役割を担い、相談支援の仕組みの中核的な役割を果たす主任相談支援専門員」を、障害者基幹相談支援センターだけではなく、一定の条件を満たした特定相談支援事業所にも配置してほしい。 市の考え方   第7期名古屋市障害福祉計画では、本市独自の相談支援事業補助制度を設けることにより、相談支援事業所数及び相談支援専門員数の増加を図るものと記載しております。この補助制度により、事業所における相談支援専門員の確保を図ってまいりたいと考えております。  また、地域の特定相談支援事業所等に主任相談支援専門員を配置することは、地域の相談支援体制の強化につながるため、検討の必要性を認識しております。  愛知県が開催する主任相談支援専門員研修については、市町村が推薦順位を付して愛知県に受講者を推薦するという申込方法がとられております。従って、地域の特定相談支援事業所等に主任相談支援専門員を配置するためには、本市における受講者の推薦方法や配置できる事業所の要件等、様々な基準や要件等の設定及びその精査が必要になるため、今後も慎重に検討を進めてまいります。 (49ページ) (3) 障害児に対する支援 ● 児童発達支援 市民意見 ○児童発達支援について、「集団生活への適応訓練などを受けられる場として」という児童発達支援事業の位置づけは、「児童福祉法」からとったのだと思うが、発達支援の目的は、「障害者権利条約」では、集団生活「問題」となる子どもの「問題」を無くすのではなく、その子らしさを尊重し、集団生活の中でのウエルビーイング(こども家庭庁)を保障することにある。表現を見直しをお願いしたい。 市の考え方   障害児福祉計画については、児童福祉法に基づき、国が定める基本指針に即して、障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標、必要なサービス量の見込み及びその確保方策について定めるものであることから、児童発達支援事業の定義については、児童福祉法に規定されている定義に基づく記載としております。 ● 放課後等デイサービス 市民意見 〇放課後デイサービス事業の「生活能力の向上のために必要な訓練などを受けられる場」という表現も、こども家庭庁「障害児支援部会」で検討されているように総合的な支援の充実が求められているため見直しをお願いしたい。 市の考え方   障害児福祉計画については、児童福祉法に基づき、国が定める基本指針に即して、障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標、必要なサービス量の見込み及びその確保方策について定めるものであることから、放課後等デイサービス事業の定義については、児童福祉法に規定されている定義に基づく記載としております。 (50ページ) ● 居宅訪問型児童発達支援 市民意見 〇出生病院から学区保健師へのケース送付がスムーズに行われなければ、保護者は「居宅訪問型支援」があることを知り得ない。医療機関とこども家庭センターとの連携に関して市が主導し強化してほしい。また、こうした支援は療育センターが主導すべきものと考えるため、体制整備をお願いしたい。 〇居宅訪問型児童発達支援の充実を望む。学校やデイサービス等に通っていても、自宅にいる時間が一番長く、自宅での子育て支援が非常に重要なのではないかとも考える中、よく、児童相談所が関わるケースで、家族の負担が大きいのでショートステイを利用しましょうという流れになっている場合が多いと思う。もちろんそれも必要かと思うが、ショートステイの事業所数も少なく、子どもを見てもらえる事業所がとても少ないのも現実。そして、なにより、「家庭での本人への支援をどうするか」というところに課題があるはずなのに、引き離すだけでは不十分。核家族化・祖父母の支援も得にくい現代社会では、こうした手厚い支援が重要になっていくと思う。 市の考え方   国において、居宅訪問型児童発達支援の対象者については、重度の障害その他これに準ずる状態にあり、障害児通所支援を受けるために外出することが困難であると認められた障害児とされており、主に医療的ケア児や感染症にかかるおそれがある状態の障害児が想定されています。  本市においては、重症心身障害児及び医療的ケア児が、身近な地域で必要な発達支援を受けられる体制整備を進めてきており、現在、地域療育センターのほか、主に重症心身障害児を受け入れられる障害児通所支援事業所が、令和6年2月時点で40か所設置されております。  今後、居宅訪問型保育事業の利用ニーズを把握するとともに、必要なサービス供給量を確保するための居宅訪問型児童発達支援事業所の配置を進める方策について検討してまいります。 (51ページ) ● 医療的ケア児等コーディネーターの配置 市民意見 〇医療的ケア児支援センターや医療的ケア児等コーディネーターが増えてきているが、実働は少ない。元々対象の人数が少ないのだが、医療の範疇にあり、ソーシャルワークという動きにならない。センターの運営費は多くあると思うが、専任者がいない為か、困りごとや研修を開催することが主になってしまっている。 市の考え方   医療的ケア児及びその家族が、適切な支援を受けられるよう、令和元年度から医療的ケア児等コーディネーターの養成研修を継続的に実施し、これまで142名の医療的ケア児等コーディネーターを養成しています。  一方で、支援できる自信がないなどを理由として、コーディネーターとしての支援実績がない方もいることから、令和3年度から、コーディネーターに対するフォローアップ研修を実施しております。  また、令和3年8月から、医療的ケア児等コーディネーターに対するスーパーバイズや支援難度が高い医療的ケア児への個別的な相談支援等の役割を担う、医療的ケア児等スーパーバイザーモデル事業を開始し、令和5年度からは、2名体制に拡充するなど、国の仕組みを上回るような医療的ケア児とその家族への相談支援体制の充実に努めてきたところです。  今後も、医療的ケア児支援センターやその他関係機関と連携しながら、医療的ケア児及びその家族に対する重層的な支援体制の構築に努めてまいります。 (52ページ) ● 子ども・子育て支援等 市民意見 〇育児休業明けから保育園に通う子が増え、そうした点から在園児認定数が増えていると思う。従って、地域療育センターの地域支援機能の充実と共に、脳性麻痺、ダウン症、視聴覚障害のように診断がついている子どもに関しては、ゼロ歳児からの「障害認定」をお願いしたい。そうなると、加配体制の確保に課題が出るかもしれないが、インクルーシブ保育の充実を掲げるなら当然すべきことかと思う。 〇発達障害児の場合には診断が出るまでに時間がかかるのが現実かと思う。保育所等へのこども家庭センター・地域療育センターの支援強化を基本としつつ、医師の診断がなくとも支援できる体制に関して、こども家庭センター・保育関係者・療育センター等で検討を進めてほしい。 市の考え方  地域療育センターにおける初診待機期間が長期化するなか、令和元年7月から東部地域療育センターで初診前サポートモデル事業を開始し、令和3年7月からは、南部地域療育センターで同事業を実施しております。この事業では、必ずしも医師の診断は前提とせず、問合せの段階から丁寧に保護者の悩みや不安に対応するとともに、約3週間程度で子どもの発達を促す支援を開始することができております。  また、令和6年度からは、全ての地域療育センターで初診前サポート事業を実施する予定であり、引き続き、保護者の不安軽減及び子どもの早期支援につなげるための取組を進めてまいりたいと考えております。 (53ページ) (4)地域生活支援事業 ● 成年後見制度利用支援事業 市民意見 〇成年後見利用促進について、市長申立て件数が少ないのは、時間がかかりすぎ、なかなか進まない実態によると考える。福祉課に専門職員の配置(嘱託)が必要。あるいは、事務を法人後見の団体や、あんしんセンターに委託して、スムーズに申し立てができるようにしてはどうか。 〇区ごとに複数人の職員が成年後見制度や利用支援事業(市長申立、費用・報酬助成制度どちらも)について取り扱うことができるようになるとよい。市民が成年後見制度の相談に行った際に職員同士で補完しあうことができ、さらに市長申立の事務もよりスピーディーに行うことができると思う。 〇市長申立の見込み件数について、今後の見込みが1 区あたり1 件を下回っており、成年後見制度を利用する必要のある方が利用できないかもしれないと不安に感じる。市長申立の件数が少ない原因として、そもそもアクセスの仕方(障害者の権利擁護を考えたときに区役所福祉課や成年後見あんしんセンターに相談する)を知らない方がまだまだ多いと考えている。 〇身寄りのない障害者がおりその方の権利擁護を考えようとしても、そもそも成年後見制度の理解が浅く、制度利用を敬遠してしまうことやいざ制度を利用しようとしてもどこに相談してよいかわからない場合もあると思う。また、親族がいる場合でもその親族が成年後見制度についてどこに相談してよいか分からず、申立や相談をできずにそのままになっているケースもあると思う。 〇より多くの方に成年後見制度を利用してもらうためには障害者が利用する障害福祉サービスの職員にも成年後見制度(申立費用・報酬助成制度も)とその相談先を知ってもらう必要があると考える。 (54ページ) 加えて、相談先を知っていることで相談が増え、行政が今より多く成年後見制度を必要とする障害者について把握でき、ひいては市長申立の件数も増えると考える。また、市長申立に限らず成年後見制度を知っている人が増えることで利用促進につながると思う。 〇成年後見制度の利用を阻む原因のーつとして、成年後見制度利用を検討している者が必要な費用、特に報酬が高いと考えているからだと思う。報酬助成により負担を軽減することができ、それにより成年後見制度利用のハードルが下がる。助成制度の普及はより大きくするべきであると考え、相談を受けた際に助成制度の紹介をすることや今後あんしんセンターが学習会等を行う際にも是非取り上げてほしい。 市の考え方  成年後見制度利用支援事業につきましては、市長申立事務の一部を専門職団体や成年後見あんしんセンターに委託して実施するなど、迅速な事務に努めているところではございますが、引き続き担当職員向け研修等を通じ、助成事業を含め、よりスピーディーな事務処理を徹底してまいります。  また、成年後見制度や相談窓口、報酬助成等の支援についての広報・啓発につきましては、必要な方が適切な支援に繋がることができるよう、充実に努めてまいります。 (55ページ) ● 意思疎通支援事業 市民意見 〇「タブレット端末を活用した遠隔手話通訳対応等」における実績や見込量について、台数のみではなく、他事業同様、利用者数(各区ではなく全区の総数)を記載した方がよい。 市の考え方   「タブレット端末を活用した遠隔手話通訳対応等」を提供するために必要な見込量と実績として、全区での総利用者数ではなく、全ての区役所福祉課・支所区民福祉課への設置(台数)を記載しております。本事業の周知や設置台数の確保などを行うことにより、意思疎通支援を必要とする方が適切に支援を受けることができる環境を整備してまいります。 ● 日常生活用具給付等事業 市民意見 〇伝えているけど伝わらないではなく、伝わる工夫をしてほしい。そのためのおめめどうグッズ(カレンダー、スケジュール、コミュニケーションメモ等)など日常生活用具の見直しをしてほしい。 市の考え方   日常生活用具の給付対象者や給付品目等の見直しについては、障害当事者や家族、障害者団体等からの要望及び給付実績等をもとに、社会情勢や他都市の状況等を踏まえて検討してまいります。 (56ページ) ● 移動支援 市民意見 ○福祉サービスの提供体制に関して、移動支援のヘルパーが確保できないのは、報酬が低いためと聞く。当法人では、通所に交通機関を利用することが、利用者の大切な社会参加の機会であり、本人の成長の機会であると考え、施設による送迎は基本的に行なっていない。しかし、ヘルパーが見つからないという事で、家族が送迎されている方もいる。移動支援のヘルパー事業所の増、ヘルパーの育成のために、報酬単価の引き上げや、行動援護の対象者の拡大をお願いしたい。 市の考え方   移動支援の報酬単価については、平成30年度から通学や通所にかかる遠方への支援について、片道支援加算を創設するとともに、令和2年度には、利用率が最も高い1時間の報酬単価について、個別支援及びグループ支援ともに、100円の引き上げを行いました。今後も、利用実態を確認しながら、適正な報酬水準の確保に努めてまいります。  また、本市では、人材確保策として、ヘルパーの仕事内容やヘルパーになるための方法を紹介するリーフレット「一緒にやろまい!ガイドヘルパー」の作成と配布、障害福祉職場のイメージアップのための啓発冊子の配布やテレビ番組の作成、ハローワークとの共催による就職相談会・講演会「障害福祉の仕事フェア」の開催、市内大学・短期大学への広報、居宅介護事業所が実施する従業者の資格取得支援に対して経費の一部を助成する福祉人材育成支援助成事業、令和5年度からは介護・障害福祉職員奨学金返済支援事業など、様々な事業を実施しているところですが、依然として福祉人材不足が解消されていないのが現状です。移動支援従業者になるための養成研修費用の助成など、今後も引き続き実効性の高い人材確保策を検討してまいりたいと考えております。  行動援護の対象者につきましては、現在、拡大するなどの国の方針は示されておりません。今後も引き続き国の動向等を注視してまいります。 (57ページ) (5) 障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施 ● 障害者等に対する虐待の防止 市民意見 ○事業所における虐待防止は、委員会を作り、研修をしているが、研修のグループワークで個々の職員が話をすると、はなからなくせない、罰金制でないと無理という事実を市は御存じだろうか。研修は何回もやっているが、無理ですよという意見もあった。自閉症の方の事業所や高齢の方に多く入っているヘルパー事業所がその傾向が強いと感じた。普通の研修では浸透していかないと思う。 ○通報をしてもそれを受け付け解決がされなくても継続して話し合うこともなく、結果通報者に戻ってきたり、相談支援に話が来たりするだけ。解決とまでいかなくても、良い方向に進むためには、生活を立て直せたり、新しい生活を体験できたりする、今の福祉サービスではない名古屋モデルになるような社会資源が必要。他県や他自治体で上手くいっているところはないか。 市の考え方   本市では、職員の資質向上と利用者の処遇向上を図ることを目的とした「高齢・障害福祉職員研修」を実施し、新規職員研修で人権に関する基本理念を学ぶ他、事業所管理者へ障害者虐待防止の研修を行うなど、機会を捉えて権利擁護や虐待防止に関する研修を行っているところです。こうした研修は本市としては重要であると考えており、参加者や事業所にとってより効果的な研修となるよう、研修方法や内容を工夫してまいります。  また、事業所運営の面では、令和6年度報酬改定の中で、虐待防止委員会において外部の第三者や専門家の活用に努めることや、事業所の管理者及び虐待防止担当者が、都道府県の実施する虐待防止研修を受講することを推奨することが明示され、また、虐待防止に関する措置が未実施の場合に減算措置が適用されることとなっております。これらの基準に照らし、実地指導等を行うことで、虐待防止に取り組んでまいります。 (58ページ) 全体に関するご意見 (1件) 市民意見 〇新型コロナ感染症を新型コロナ感染症(新興感染症)にしてはどうか。 市の考え方  現状、厚生労働省などにおいて「新型コロナウイルス感染症」と表記していることから、同様の記載としています。 今後の障害保健福祉施策の参考意見等 (1件) 市民意見 〇「受給者証」は、本来は医師の診断がなくとも「保健師等の意見書」で発行可能。医師の診断は、保護者が必要と思わなければ受けない。現在、名古屋市は医師の診断待ちが、ひどい時は6か月待ちになっている。必要な親子に支援を届けるうえで、医師の診断を求めることは「医学モデル」の強調ともいえるので、柔軟な対応を可能にするよう、第4期の「障害児福祉計画」に向けた検討課題としてほしい。 市の考え方   国の障害児通所給付費に係る通所給付決定事務の取扱いにおいて、支給決定の対象者については、医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではなく、発達支援を受けなければ、福祉を損なうおそれがある児童を含むとされております。  本市においても、医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではなく、診断名を有していなくても、障害が想定され支援の必要性が認められれば支給決定の対象としているところでございます。 (59ページ) その他 (1件) 市民意見 ○愛知県障害者職業能力開発校について交通アクセスが悪く、現在は就労移行支援事業所が多くできているので必要性はあるのか。 市の考え方   この計画は、本市の障害者施策の基本的方向等を掲げた計画であり、愛知県障害者能力開発校については、設置自治体である愛知県へ情報共有します。 (60ページ) 名古屋市障害者基本計画(第5次)(案)に対する市民意見の内容及び市の考え方 名古屋市健康福祉局障害福祉部障害企画課 〒460−8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052−972−2585 ファックス番号:052−951−3999 電子メール:a2585@kenkofukushi.city.nagoya.lg.jp 第7期名古屋市障害福祉計画(案)に対する市民意見の内容及び市の考え方 名古屋市健康福祉局障害福祉部障害者支援課 〒460−8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052−972−2558 ファックス番号:052−972−4149 電子メール:a2558@kenkofukushi.city.nagoya.lg.jp 第3期名古屋市障害児福祉計画(案)に対する市民意見の内容及び市の考え方 名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課 〒460−8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052−972−2520 ファックス番号:052−972−4440 電子メール:a2520@kodomoseishonen.city.nagoya.lg.jp