名古屋市読書バリアフリー推進計画(第1次)概要版 計画をつくった理由 令和元年6月28日に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」という。)がスタートしました。 この法律に基づき、名古屋市でも、視覚などに障害のある方が、文字や活字によって提供される情報や文化に親しむことができるようにすることで、読書を楽しめる環境を整えるための計画を作りました。 計画の対象 視覚などに障害のある方とは、例えば次のような方です。 1見えない、見えにくい人(視覚障害・盲ろう等) 2読み書きがむずかしい人(発達障害・発達性ディスレクシア等) 3本を持ったり、ページをめくったりができない人(運動障害/肢体不自由等) 4本の内容の理解にむずかしさのある人(知的障害等) 計画の期間・内容 令和6年度から令和11年度までの6年間の計画です。 前半の3年間は、図書館のバリアフリー化、ボランティア養成、障害当事者の方々へのニーズ調査などを進めます。その後(令和8年度)中間見直しを行います。 各ページの四角のコードは、音声コード「Uni-Voice」です。スマートフォン・タブレット端末(アプリ)などで読み取ると、音声でこの冊子の内容を確認することができます。 視覚などに障害のある方が本を読みやすくなるために進める4つの取組方針 視覚などに障害のある方が本を読みやすくなるよう、以下のような方針で事業を進めていきます。 <方針1>誰でも使いやすい学校や地域の図書館等をめざします 市立図書館、学校及び学校図書館、名古屋ライトハウス情報文化センターが協力し、視覚などに障害のある方が読みやすい、アクセシブルな本を増やします。学校で使われる教材も読みやすくできます。加えて、学校や地域の図書館の施設やサービスのバリアフリー化も進めます。 アクセシブルな本とは? 音声やテキストデータ、触感などを用いて、より多くの方に楽しんでもらえるようにした本です。例えば、以下のような本があります。 ・DAISY図書 図書や雑誌の内容を録音して音声にした本 ・点字図書 ・拡大図書 ・触る絵本 ・LLブック 絵文字や写真、図を使い、やさしい言葉でわかりやすく書かれた本 ・電子書籍 施設やサービスのバリアフリー化とは? 例えば、以下のようなことです。 ・段差をなくす ・対面読書サービス ・利用しやすい本の紹介コーナーをつくる ・拡大読書器等を置く ・施設の中をわかりやすく案内する <方針2>インターネットを使ったサービスを広げていきます 名古屋市の現在のサービスに加え、国立国会図書館の「みなサーチ」やサピエ図書館をより多くの方に利用できるようにします。 みなサーチとは? 目の見えない方、見えにくい方、活字の本を読むのが難しい方など、さまざまな障害のある方が、利用しやすい形式の資料を探すことができる、国立国会図書館のサービスです。 サピエ図書館とは? 視覚などに障害のある方を対象としたインターネット図書館です。自宅にいながら録音・点字・電子図書をパソコン・スマートフォン・専用機器を使って読んだり聴いたりできます。 <方針3>ICT※で読書のサポートを進めます 視覚などに障害のある方へのICT機器の給付や、ICT機器の使い方が学べる体制を作り、誰もが本を読めるようにします。 ※ICT…Information and Communication Technologyの略。情報や通信に関する技術のこと。 <方針4>読書バリアフリーを支援する人を増やします 図書館のスタッフや学校の先生への研修をして読書バリアフリーを広めます。また、アクセシブルな本を製作するためのボランティアも養成します。 名古屋市における読書お手伝いサービスの紹介 視覚などに障害のある方の読書をお手伝いするため、名古屋市では現在、次のようなサービスを行っています。 市立図書館 鶴舞中央図書館にある点字文庫では、点字図書や録音して音声にした本を製作し、貸出を行っています。 すべての市立図書館で、本を読み上げる対面読書サービスが受けられ、拡大読書器を備えています。また、ボランティアの養成も行っています。 学校図書館 読書困難な生徒に対して、その困難さの種類、程度を考慮し、音声教材を紹介したりするなど個別に配慮しています。また、市立図書館と連携し、視聴覚資料の貸出を必要に応じて利用しています。 名古屋ライトハウス情報文化センター 点字の本や音声で読み上げる本をつくって、貸出を行っています。また、そのような本をつくるボランティアも養成しています。 視覚障害者等への点字教室や、音声読み上げ機能を用いたパソコンなどの機器の使い方の講習を行っています。 令和5年度からは、視覚障害者の自宅等に行き、パソコンなどの機器を使うために必要なお手伝いをするICTサポート推進事業を行っています。 なごや福祉用具プラザ 肢体不自由や視覚障害などの障害のある方のための、ICTサポートセンターを運営しており、プラザや自宅などで相談を行っています。 パソコンやタブレットなどの機器を使うことが難しい重度肢体不自由者には、一人ひとりの身体の状態に応じて機器を使いやすくするための方法を提案しています。また、自助具をつくったり、使いやすく直したりしています。