名古屋市食の安全・安心の確保のための行動計画2028(案)全体版 名古屋市市民の皆さまのご意見を募集します 本市では、平成20年4月に施行した名古屋市食の安全・安心条例に基づき、食の安全・安心の確保のための行動計画を策定し、食品の安全確保に努めてきました。 「名古屋市食の安全・安心の確保のための行動計画2023」の計画期間が令和5年度末に終了することから、この度、令和6年度から令和10年度までを計画期間とする「名古屋市食の安全・安心の確保のための行動計画2028(案)」を策定しました。 この計画案について、皆様のご意見を募集いたします。 ○募集期間 令和5年11月27日(月)から令和5年12月26日(火)まで ○提出方法(本冊子の最後の「ご意見提出用紙」をご利用ください。) ・郵送、FAX、電子メール、ウェブ又は直接お持ちください。 (電話、口頭等のお申出は受付できませんのでご了承ください。) ・意見の提出にあたっては、住所・氏名をご記入ください。 ・はがき等、任意の様式にご記入いただいても結構です。その場合は、名古屋市食の安全・安心の確保のための行動計画2028(案)についての意見であることを明記してください。 ・ご意見等に対する個別の回答はいたしませんので、ご了承ください。 ・個人情報は個人情報の保護に関する法律に基づき、適切に取扱います。 ○提出先・問い合わせ先 名古屋市保健所健康部食品衛生課(市役所本庁舎1階) 〒460-8508名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号052-972-2648<ダイヤルイン> FAX番号052-955-6225 電子メールa2648@kenkofukushi.city.nagoya.lg.jp 受付時間月曜日から金曜日(祝日を除く) 午前8時45分から午後5時30分まで 1ページ 第1章 行動計画の策定にあたって 1 行動計画策定の趣旨 名古屋市(以下「市」という。)では、平成20(2008)年4月に施行した名古屋市食の安全・安心条例(以下「食の安全・安心条例」という。)に基づき、食の安全・安心の確保のための行動計画を策定し、関係各局の連携のもと、全市的に食品の安全確保に努めてきました。 食の安全・安心の確保のための行動計画2023(以下「行動計画2023」という。)の期間中(令和元年度~5年度)には、食品衛生法等が改正されたことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛の影響で、自宅で過ごす時間が増えたことに伴い、新しい非接触・非対面のサービスが現れています。さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への取組みの推進など、食をとりまく社会情勢や環境は変化しています。 また本市では、令和8年(2026年)に国際的な交流の舞台であるアジア競技大会・アジアパラ競技大会の開催を控え、令和9年(2027年)には、リニア中央新幹線の開業が予定されており、国内外から多くの人々が訪れ、本市の「食」の魅力を発信する機会にもなります。 以上のことを踏まえ、食の安全・安心の対策を総合的かつ計画的に推進するため、行動計画2023を引き継ぐ次期計画として、食の安全・安心の確保のための行動計画2028(以下「行動計画2028」という。)を策定します。 2ページ 2 食の安全・安心条例の目指すべき姿 食の安全が市民の基本的な権利であることを尊重し、現在及び将来にわたって市民の健康の保護を図るため、市、事業者、消費者がその責務と役割を果たすとともに、関係者間で情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)を十分に行い、相互に理解・協力することによって、食の安全・安心が確保されることを目指します。 3 食の安全・安心についての基本的な考え方 (1)あらゆる食品にはリスクが存在する 食品は、古くから人間が生きていくために調理法などにより危害をもたらす要因(病原微生物、有害化学物質、硬質異物など)を取り除く工夫をして、栄養やエネルギー源として食べてきたものです。 しかし、長い食経験があるからといって、誤った調理や過剰摂取などの食べ方によっては、健康への悪影響を及ぼします。また、かつて平均寿命が80歳を超えるような時代はなかったため、80年を超える長期的な摂取による影響は十分に分かっていないと言えます。 そこで、あらゆる食品にリスクが存在することを認識したうえで、健康への悪影響が生じないようにするために、生産から消費の各段階において、リスクを低減する管理が必要となります。 3ページ (2)安全が信頼されて安心が得られる ア 食の「安全」とは あらゆる食品にはリスクがありますが、科学的な手法を用いることで客観的にその程度を測ることができます。それらのリスクが、事業者及び行政の様々な取組みにより、健康への影響を及ぼさない範囲まで低減されている状態を「安全」とします。 イ 食の「安心」とは 安心は個人の感じ方といった主観的な要素に左右されます。事業者や行政の安全確保の取組みについて、市民が十分に情報を得ることができ、それを理解し、納得することで、市民の信頼が醸成されている状態を「安心」とします。 4 行動計画の基本的事項 (1) 位置づけ 行動計画は、食の安全・安心条例第7条に基づき、市民のみなさまの意見を反映し、食の安全・安心に関する施策を中期的な視野で実施するために、その施策の大綱及びその他必要な事項を定めるものです。  また、名古屋市基本構想のもと、長期的展望に立ったまちづくりを明確化する「名古屋市総合計画」や「食育基本法」に基づき策定する「名古屋市食育推進計画」、「名古屋市消費生活条例」及び「消費者教育の推進に関する法律」に基づき策定される「名古屋市消費者行政推進プラン」、「食品ロスの削減の推進に関する法律」に基づき策定される「食品ロス削減推進計画」など、関係する計画やプランなどとも整合、連携を図りながら、各種施策を実施します。 4ページ (2) 期間 社会情勢の変化に合わせて食を取り巻く環境も変化していくことが想定され、時代に沿った施策の推進が求められることから、計画期間を5年間とします。 5 行動計画の推進体制 (1)名古屋市食の安全・安心対策推進本部(以下「推進本部」という。) 市の6局1委員会で構成し、食の安全・安心に関する情報の収集及び共有を行うとともに、施策の調整及び推進を図ります。    (2)名古屋市食の安全・安心推進会議(以下「推進会議」という。) 食の安全・安心条例に基づいて設置します。この会議では、学識経験者、事業者、消費者、市が、食の安全・安心の確保のための施策や関係者間の相互理解に関することなどについて協議します。 5ページ (3)食の安全・安心の確保の実施体制 次の体制により、関係局・委員会の連携を図りながら、食の安全・安心に関する施策を実施します。 (4)関係機関との連携協力体制 多くの食品は、複数の自治体にわたり広域に流通しており、また、食中毒が発生した場合、患者が複数の自治体に関わる場合があります。 そこで、日頃から連絡会議等を通じて関係機関と情報交換を行うほか、大規模食中毒発生時や広域流通食品、輸入食品の違反発見時等においては、国や他自治体など関係機関と連携協力して、食の安全を確保します。 6ページ 6 行動計画の管理 (1)公表 行動計画を定めたとき、または変更したときは、食の安全・安心条例第7条第4項及び第5項の規定に基づき、市公式ウェブサイトなどで速やかに公表します。 (2)進捗状況の検証 行動計画に基づく施策の実施状況は、推進本部において進捗状況を管理するとともに、推進会議に報告し、施策の推進方法について意見を求めます。また、実施状況については市公式ウェブサイトなどで公表します。 7ページ 第2章 食の安全・安心に関する現状と課題 1 前行動計画(行動計画2023)の取組状況と評価 行動計画2023においては、食の安全を確保し、かつ食の安全に関する情報を正しく伝え信頼を醸成することにより、食に対する安心を得るという方針のもと、関係部局が連携して様々な事業を実施しました。 期間中は、新型コロナウイルス感染症の影響がありましたが、総合的には概ね計画に沿って取組みました。行動計画2023における令和4年度末時点の数値目標の状況は次のとおりです。 ○令和4年度末時点の数値目標の状況 計画全体 食品が安全・安心だと感じる市民の割合 基準値(平成29年度)71.6% 目標値 (令和5年度)80%以上 実績(令和4年度)83.8% 施策の柱1 食の安全の確保 カンピロバクター食中毒の発生件数 基準値(平成29年度)9件 目標値(令和5年度)0件 実績(令和4年度)5件 HACCPに沿った衛生管理を実施している施設 基準値(平成29年度)― 目標値(令和5年度)100% 実績(令和4年度)54.5% 施策の柱2 食の安全への信頼の醸成 リスクコミュニケーション事業へ参加した市民の延べ人数 基準値(平成29年度)過去5年平均2,489人 目標値(令和5年度)3,000人以上 実績(令和4年度)3,087人 講習会等消費者教育事業における理解度 基準値(平成29年度)90.7% 目標値(令和5年度)90%以上 実績(令和4年度)97.8% 計画全体では、食品が安全・安心だと感じる市民の割合が80%を超えていますが、引き続き、80%以上を維持できるよう取組む必要があります。 施策の柱1において、カンピロバクターを原因とする食中毒は、令和4年度に5件発生しています。また、事業者が行うHACCPに沿った衛生管理は実施状況を順次確認しています。引き続きカンピロバクターを含む食中毒等を防止するために、HACCPに沿った衛生管理の実施状況に応じた指導・助言を継続していく必要があります。 施策の柱2のリスクコミュニケーション事業へ参加した市民の延べ人数や、講習会等消費者教育事業における理解度については、目標値に達しています。 8ページ <カンピロバクターとは?> 食中毒の原因となる細菌であり、主に鶏、牛、豚などの腸管内に存在し、特に鶏肉(内臓を含む)で高率に検出されます。感染した数週間後に、合併症として「ギラン・バレー症候群(手足の筋力低下を伴う神経症状)」を発症する場合があることも指摘されています。  カンピロバクターによる食中毒は、5年間(平成30年~令和4年)に市内で最も多く発生しており、原因施設となった飲食店の多くでは、加熱用の鶏肉を生または加熱不十分な鶏肉料理として提供されていました。 <HACCP(ハサップ)とは?> Hazard(危害) Analysis(分析) Critical(重要) Control(管理) Point(点) の略称で、事業者自らが、原材料入荷から製品出荷までの全工程の中で食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を分析し、特に重要なポイントを集中管理し、安全性を確保する衛生管理の方法です。 この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。 9ページ 2 食の安全・安心に関する市民の意識調査と評価 行動計画2028の策定に先立ち、市民の食の安全・安心に関する意識を調査するために令和4(2022)年度に「食の安全・安心に関するアンケート」(以下「市民アンケート」という。)を実施しました。市民アンケートは、無作為抽出した市内居住満18歳以上の市民2,000人を対象に郵送により、令和4年10月17日~11月16日の間に実施し、回答者885人、回答率44.3%でした。詳細については巻末資料編またはホームページから確認できます。 以下に、市民アンケート結果の抜粋を示します。 (1)食生活(主に夕食)に関して、あなたは食材の調理をしますか。 (1-2)「調理をしない」「どちらかというと調理をしない」と回答した方の中で、食生活(主に夕食)に関して、あなたの状況に最も近い項目は何ですか。 10ページ 「調理をする」「どちらかというと調理をする」と答えた人が合わせて66.1%でした。また、「調理はしない」「どちらかというと調理はしない」と答えた人のうち「弁当や惣菜を購入、テイクアウト・デリバリーを活用する」人は15.3%、「飲食店で食事をする」人は2.7%、「家族等が調理したものを食べる」人は74.8%でした。 食品の購入方法が多様化する中で、家庭で調理や保管するときの衛生管理についての啓発は今後も重要であると考えます。 (2)あなたが、食の安全について関心がある項目は何ですか。(複数回答) 食の安全についての関心は、「細菌やウイルスなどによる食中毒(64.3%)」が最も多く、次いで「食品添加物(60.7%)」、「原産地や消費期限・賞味期限などの表示(51.1%)」、「輸入食品(48.2%)」、「農産物に使われた農薬の残留(40.3%)」の順でした。 11ページ (3)あなたは「HACCP(ハサップ)」という言葉やその内容について知っていますか。 HACCP(ハサップ)について「言葉も内容も知っている」と答えた人が9.9%、「言葉は聞いたことがあるが、内容までは知らない」、「言葉も内容も知らない」と答えた人が合わせて89.7%でした。  事業者が行う衛生管理の取組みが、消費者に十分に認知されていない状況にあります。 12ページ (4)あなたは、カンピロバクター食中毒について気をつけていますか。 (4-2)「気をつけている」「少し気をつけている」と回答した方の中で、あなたが、カンピロバクター食中毒について気をつけていることは何ですか。(複数回答) 「気をつけている」、「少し気をつけている」と答えた人が合わせて72.1%でした。そのうち、気をつけている内容を尋ねたところ、「生または加熱不十分な鶏肉を食べないように気をつけている」人は92.5%、「新鮮な鶏肉だとしても、生で食べないようにしている」人は74.8%、「鶏肉を扱った調理器具や手などはよく洗う」人は67.7%でした。  カンピロバクター食中毒の予防については、これまでも啓発を進めてきましたが、「気にしていない」と答えた25.5%の方には認知されていない状況にあります。 また、カンピロバクター食中毒に気をつけていると回答されている方でも、生の鶏肉や調理器具の取扱いに留意している割合は67.7%でした。このことから、生または加熱不十分な鶏肉を食べる危険性やカンピロバクター食中毒の予防法について、十分に浸透していない状況にあり、今後も重点的な啓発が必要です。 13ページ (5)あなたは、食の安全に関する情報を、普段どこから得ていますか。(複数回答) 「テレビ」が64.9%で最も多く、以下は「新聞・雑誌」が41.7%、「インターネットの検索サイト」が37.6%の順でした。 14ページ 年齢層によっても、食の安全に関する情報を得る方法は異なっており、年齢層が高くなると「テレビ」や「新聞・雑誌」が多く、若年層では、「インターネット」や「SNS」が多くなっています。 食の安全に関する情報を得るための情報媒体が多様化しており、消費者の年齢層などによって差が見られることに留意する必要があります。 (6)名古屋市が食の安全・安心の確保のために行っていることについて、あなたが知っていることは何ですか。(複数回答) 設問の項目は、いずれも食の安全を確保するために、本市で行っている取組みです。 「飲食店や食品製造施設などの衛生状態について監視している」が32.8%、以下は「市内で製造または流通する食品の安全性について、検査を行っている」が21.9%、「市立学校や福祉施設などの給食が安全に提供されるように調理従事者への研修を行っている」が19.3%でした。一方で、「特にない」が39.4%と最も多くなっていました。 このような取組みを今後も多くの方に情報発信していく必要があります。 15ページ 3 食の安全・安心をとりまく環境や社会情勢の変化と課題 (1)食品衛生法等の改正によるHACCPに沿った衛生管理の制度化 令和3年6月に改正食品衛生法等が本格施行され、原則、すべての事業者はHACCPに沿った衛生管理に取組むことが制度化されました。 事業者はHACCPに沿った衛生管理に取組むことで、衛生管理方法が「見える化」できるなどのメリットもあるため、定着を図っていく必要があります。 また、消費者はHACCPの考え方を知ることで、家庭での食中毒予防に活用することができます。さらに、事業者が行うHACCPの取組みについても理解が進み、食の安全に対する信頼に繋がるため、その認知度を高めていく必要があります。 (2)新しい生活様式への変化 新型コロナウイルス感染症の影響などにより、飲食店におけるテイクアウト(消費者が飲食物を店内から持ち帰ること)やデリバリー(調理された食品を指定の場所に配達すること)による提供、自動販売機による営業時間外の商品販売、その他ネットスーパーの利用など食品の流通・提供形態が多様化しています。 消費者・事業者の双方がこうした食品の特性をふまえ、衛生的な取扱いができるよう啓発していくことが必要です。 (3)情報媒体の多様化と食の情報バリアフリー スマートフォンが普及し、行政情報を届けるための広報についても、新聞やテレビ・ラジオなど、従来の媒体に加え、SNSや動画配信などの新たな媒体が活用されるようになり、情報媒体の多様化が急激に進んでいます。 市民においても、自分に最適な情報媒体を用い、欲しい情報を選択して得られるようになっており、本市においても行政情報を届けやすい環境になってきました。 食の情報については「媒体によって受け手や情報に差がある」、「関心・興味にちがいがある」、「情報の内容が難しい」などのバリアがあります。消費者が自らの判断で食品を選択するための情報を容易に入手できるよう、受け手に合った方法・手段で実施するなど情報発信を拡充し、「食の情報バリアフリー」を推進することが重要です。 16ページ 特に食物アレルギーなど健康上の理由から食への配慮が必要な消費者には、食の安全の確保のため食物アレルギー情報が正しく提供されることが大切です。そのために食品事業者と消費者双方が食物アレルギーの重要性を理解し、社会全体で広く共有される必要があります。 (4)食品ロスに対する関心の高まり 食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品のことです。食品ロス削減に向けて様々な取組みが行われている中で、食品の安全が確保されるよう、食品の衛生管理に関する留意点を事業者や消費者に啓発していく必要があります。 17ページ 第3章 行動計画2028の基本方針と重点施策 1 行動計画2028の基本方針 行動計画2028においては、食の安全を確保し、かつ食の安全に関する情報を正しく伝え、信頼を醸成することにより、食に対する安心を得るという方針のもと、次の2つの柱の下に5つの基本施策と12の個別施策を設定し、重点的に取組む施策を総合的に推進します。 施策の柱1 食の安全の確保 生産から販売に至る各段階において、主に事業者と行政による食の安全確保を推進します。 重点施策:HACCPに沿った衛生管理の定着の推進 食品の流通、提供形態が多様化する中、事業者が行うHACCPに沿った衛生管理の定着を推進し、食中毒等の危害発生を防止します。 施策の柱2 食の安全への信頼の醸成 食の安全に関する情報提供を行い、関係者の相互理解を促すことにより、食の安全への信頼の醸成を図ります。 重点施策:食の情報バリアフリーに向けた取組みの推進 消費者の年齢層などに適した情報媒体を活用し、食の情報を広く発信するとともに、市民の学習機会を提供します。また、食物アレルギーについても消費者や事業者へ適切に情報提供を行います。これらの情報発信を通じてリスクコミュニケーションによる相互理解の促進に繋げます。 19ページ 2 指標となる目標値の設定 行動計画2028の進捗状況を把握するために、次表のとおり目標を設定します。 計画全体 食品が安全・安心だと感じる市民の割合 基準値72.2% 目標値(令和10年度)80%以上 施策の柱1 食の安全の確保 細菌やウイルスによる食中毒の発生件数 基準値11件(過去10年間の平均値) 目標値(令和10年度)5件以下 大規模食中毒(患者数50人以上)の発生件数 基準値2件 目標値(令和10年度)0件 HACCPの継続に支援が必要な事業者の割合 基準値63.3% 目標値(令和10年度)40%以下 施策の柱2 食の安全への信頼の醸成 カンピロバクター食中毒に気をつけている市民の割合 基準値72.1% 目標値(令和10年度)90%以上 リスクコミュニケーション事業への参加者数 基準値3,087人 目標値(令和10年度)5,000人以上 20ページ 第4章 施策の展開 施策の柱1 食の安全の確保 基本施策1 食品衛生対策の推進 個別施策1 生産・流通段階における食の安全の確保 (1)農薬の適正使用の啓発や環境保全型農業の推進【緑政土木局】 安全な農産物の生産を推進するため、生産者に対して、農薬など薬剤の適正使用の啓発や環境保全型農業の推進を行います。 (2)家畜伝染病の発生予防、まん延防止【緑政土木局】 家畜伝染病の発生の予防及びまん延を防止するため、防疫対策マニュアルを更新するとともに庁内の関係課と発生を想定した訓練を実施します。 21ページ (3)中央卸売市場における食の安全の確保【経済局・健康福祉局】 食の流通拠点である中央卸売市場において、安全な生鮮食品の供給を確保します。品質管理の向上のために、有蓋化範囲の拡大(屋根等の設置範囲拡大を実施予定。)や温度管理機能の充実を図っていくとともに、市場内関係者による食の安全・安心に関する連絡会議などを開催して、情報交換や勉強会などを行います。また、各市場に設置された衛生検査所が食品衛生の監視指導及び検査を行い、食の安全・安心の確保を担保します。 <名古屋市南部と畜場について> 食肉を扱う名古屋市南部市場には食用にする目的で牛、豚をと畜解体するため名古屋市南部と畜場が併設されています。衛生的なと畜を行うとともに、と畜検査員が1頭ごとに検査を行い、食用に不適な病気の家畜や病変部位を排除して食肉の安全を確保しています。 22ページ 個別施策2 製造・加工・調理・販売段階における食の安全の確保 (1)食品等事業者への監視指導及び食品等の検査の実施【健康福祉局】 食中毒の発生防止や違反食品等の排除、施設の衛生管理の向上を図るため、「名古屋市食品衛生監視指導計画」に基づき、製造・加工・調理・販売に至るまで、各段階の食品関係施設への監視指導や食品の抜き取り検査を実施します。 抜き取り検査は、市内で製造される食品や流通する食品(輸入食品を含む)を対象に、食品衛生検査所、食肉衛生検査所及び衛生研究所において実施し、違反食品等を発見した場合には、原因施設に対する措置や再発防止の指導を行います。 <食品衛生監視指導計画とは?> 食品衛生法第24条第1項に基づき毎年策定する計画(単年度計画)で、監視指導等の事業を重点的かつ効果的に実施するために策定し、公表するもの。 ○名古屋市が実施している主な食品検査 [微生物の検査] 健康被害を起こし食中毒の原因となる病原微生物や施設の衛生状態を示す一般細菌数等の検査を実施します。 [残留農薬及び残留動物用医薬品に関する検査] 野菜果物等の農産物に加えて冷凍食品等の加工食品について残留農薬の検査を、牛や豚などの畜産物に加えて養殖水産食品について残留動物用医薬品の検査を実施します。 [食品添加物の検査] 食品添加物の使用基準が遵守されているか確認するために、市内製造品又は流通食品を対象に検査を実施します。また、食品添加物表示が適正にされているか検査により確認します。   [アレルギー物質を含む食品の検査] アレルギー表示の欠落は、食物アレルギー患者の健康危害の発生に結びつくため、市内で製造又は流通する食品を対象に収去検査することで、適正表示を確認します。 [遺伝子組換え食品の検査] 遺伝子組換え技術による農産物やそれを原料とした加工食品について検査を実施します。 [輸入食品に対する検査] 輸入食品取扱施設に立入り、違反や流通状況などを考慮し監視指導と収去を実施することで違反食品の発見排除に努めます。 [放射性物質の検査] 放射性物質による食品の汚染について、市内に流通する食品を対象に検査を実施します。 23ページ (2)食中毒防止対策の推進【健康福祉局】 成果指標として挙げている食中毒の発生を未然に防止するため、特にカンピロバクターやノロウイルスなどを原因とする食中毒の発生状況や事例等をふまえ、対象施設や取扱う食品の特性など食中毒の発生リスクに応じた重点的、効果的な監視指導を実施します。 (3)学校給食における安全・安心の確保【教育委員会】 給食の安全確保に向け、文部科学省の定める「学校給食衛生管理基準」を始めとした各種衛生基準に基づき、施設・設備、食品等は衛生的に取扱うとともに、食材の検収、検食、調理従事者への研修、食材や器具の衛生検査等を実施します。また、食材の産地、放射性物質の検査結果、食物アレルギー等に関する情報を公表します。小学校給食の調理委託をするにあたっては、受託する事業者の学校給食に係る知識・技能を総合的に評価し、委託後も、調理従事者への研修や衛生検査を行います。中学校スクールランチにおいては、衛生に関する専門的な知識を有した指導員を設置し、衛生検査や食材のチェックを行います。 24ページ (4)社会福祉施設などの給食の安全の確保【健康福祉局・子ども青少年局】 抵抗力の弱い幼児や高齢者などが集団生活を行っている社会福祉施設などにおいて、食中毒防止を図るため、国が定めた「大量調理施設衛生管理マニュアル」に基づいた施設の衛生管理、調理従事者の健康管理や研修を実施します。 (5)健康食品の医薬品成分検査及び指導【健康福祉局】 いわゆる健康食品による健康被害を防止するため、医薬品成分を含有する疑いがある健康食品の成分検査を実施します。また、医薬品的な効能効果を標ぼうする健康食品の広告に対して指導を行います。 (6)廃棄食品の適正な処理【環境局】 食品残渣を扱う廃棄物処理業者に対して、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の管理状況など、廃棄食品の適正な処理を確認するために、立入検査を行います。 25ページ 個別施策3 適正な食品表示の推進【健康福祉局】 事業者に対し、食品表示法に基づく表示が適正に実施されるよう監視、指導を行います。また、必要に応じて、国や他自治体などの関係機関と連携して調査、指導を行います。 <食品表示とは?> 食品の表示は、消費者が食品を選択するためや、食品の内容について正しく理解し、食べる際の安全性を確保するために重要な情報源です。また、食品による健康被害が起こった際には、行政機関が原因調査を行う時の大切な情報源ともなります。そのため、事業者は食品に関する情報を正確に表示しなければなりません。食品の表示ルールは、食品表示法をはじめとするさまざまな法律で定められています。 26ページ 基本施策2 事業者自らが実施する衛生管理の推進 個別施策4 HACCPに沿った衛生管理の定着の推進【経済局・健康福祉局・子ども青少年局・教育委員会】 関係各局が連携して、流通から製造、加工、調理、販売の各段階におけるHACCPに沿った衛生管理の確実な実施を推進します。 特に、事業者がHACCPに沿った衛生管理を継続的かつ適切に運用できるようにするため、実施状況に応じた指導・助言を行うとともに、定着に向けた支援を行います。 また、営業施設において衛生管理の中心的な役割を担う「食品衛生責任者」に対し、食品衛生に関する最新の知見を習得してもらうための講習会を開催します。 個別施策5 多様化する食品の流通、提供形態に応じた支援【健康福祉局】 事業者に対し、食品の流通、提供形態や、食品の特性に応じた適切な衛生管理を実施してもらうため、定期的な監視での必要な指導・助言、講習会を通じた情報提供などの支援を行います。 27ページ 基本施策3 緊急時を想定した対策 個別施策6 危機管理体制の整備【健康福祉局】 (1)食中毒等健康被害発生時の対応 食中毒などの健康被害が発生した場合は、保健所長を中心とした体制により調査や検査等を迅速に実施し、原因究明や被害拡大防止を図ります。 市内で大規模な食中毒等が発生した場合には、食中毒対策本部を設置し対応にあたり、複数自治体にまたがる広域的な食中毒事案が発生した場合には、関係機関により構成される「広域連携協議会」を通じて、調査・検査・情報共有等を行います。 <食中毒対策本部について> 500人を超える患者や重症者、死亡者の多発等大規模な食中毒の発生(その疑いがある場合を含む。)時に設置するものです。体制は以下のとおりです。 [食中毒対策本部] 本部長 保健所長 副本部長 健康部長 参事(生活衛生) 衛生研究所長 健康福祉局 総務課長 監査課長 保健医療課長 感染症対策室長 環境薬務課長 食品衛生課長 衛生研究所副所長 保健センター等では、市民の身近な「食の安全・安心に関する窓口」として苦情・相談を受け付け、緊急を要する際は、原因究明のため、該当食品等の調査や検査などを迅速かつ的確に対応します。 (2)災害に対する備え【健康福祉局】  平常時から避難所における食中毒防止対策の周知を図るため、避難所運営の関係者を始めとする市民に対し、リーフレット等を活用した啓発を行います。  災害発生時には、「名古屋市地域防災計画」に基づき、災害発生地域内の食品衛生関係施設への監視指導や、避難所における食品の取扱いに関する指導を行います。 個別施策7 健康危機管理に対応する人材育成【健康福祉局】 食中毒など健康危機発生時に迅速かつ的確な対応や監視指導を行うための各種研修を実施し、食品衛生監視員の技術の向上を図ります。 また、厚生労働省等が主催する各種専門の研修会へ職員を派遣することにより、最新の衛生管理知識等を習得します。  28ページ 施策の柱2 食の安全への信頼の醸成 基本施策4 食の情報バリアフリーに向けた取組みの推進 個別施策8 各種媒体を活用した情報発信 (1)様々な媒体を利用した情報提供【スポーツ市民局・健康福祉局】 市民に対して、市公式ウェブサイトやくらしのほっと通信、SNSなど様々な情報媒体を活用して、食中毒の原因や予防方法、輸入食品や食品添加物などの安全確保の仕組み、事業者が行う衛生管理の取組みなどの情報を継続的に発信します。 (2)食品ロス削減に関する適切な情報発信【環境局・健康福祉局】 家庭での食品ロスを削減するため賞味期限・消費期限及び保存方法の正しい理解の促進や、外食時の持ち帰りについて食品衛生上の注意事項に関する情報提供を行います。 (3)注意喚起情報の発信【健康福祉局】 健康被害の発生のおそれがある食品の流通が認められた時などは、市公式ウェブサイトなどで注意喚起情報を発信します。 また、夏季の食中毒が起こりやすい温度や湿度になったときなど、食中毒の発生が予想される場合には「食中毒警報」を、冬季のノロウイルス食中毒が発生しやすい時期には「ノロウイルス食中毒注意報・警報」を発表して、市民や食品事業者へ食中毒防止を呼びかけます。 さらにカンピロバクターやノロウイルスなど特に発生件数が多い食中毒については、食中毒防止対策期間を設けて重点的に注意喚起を行います。 29ページ 個別施策9 市民の学習機会の提供 (1)消費生活センターにおける講座の開催【スポーツ市民局】 消費生活センターでは、食に関する身近な題材を取り上げた簡易テストや手作り実習を通じて学ぶ体験型の実習講座などを定期的に開催します。 (2)卸売市場への消費者理解の促進等【経済局】 市場関係事業者等と連携し、消費者との交流等を通じて、卸売市場についての消費者理解の促進を図るなどの取組みを進めていきます。 (3)食品安全・安心学習センター事業の実施【健康福祉局】 小中学生期から高齢者までの幅広い世代に対し、中央卸売市場本場内の食品衛生検査所において講習・体験学習等を行うことにより食の安全に関する理解を深めます。 また、食品衛生検査所へ来ていただくことが難しい方々にも、食の安全について学んでいただけるように、所外での出張講座を実施します。 (4)食育の推進【健康福祉局】 食の安全への信頼を醸成するためには、市民一人ひとりが食に関心を持ち、自ら食育を実践することが重要です。名古屋市食育推進計画に基づき食育を総合的に推進し、市民の食育に対する関心を高め、食の安全に関しても、知識と選択する力を習得し、健全な食生活の実現をめざします。 30ページ <食育とは?> 食育とは、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることとされています。(食育基本法前文より) (5)食農教育の推進【緑政土木局】 食農教育とは、食料を生産する農業の役割や重要性を理解してもらうために行う様々な教育のことをいいます。小学校への出前講座の実施や、農業センターを始めとする農業公園3公園での食や農業に関する各種講座・体験教室・収穫体験イベント等の開催、朝市や青空市の開催支援を行います。 (6)消費者講習会の開催【健康福祉局】 保健センターなどで講習会を開催し、認知度の低いカンピロバクターなどの食中毒防止に関する情報を提供します。 保健センターのパパママ教室や乳幼児健診などでは、妊産婦や乳幼児が注意すべき食品のとり方や取り扱い方など、食の安全・安心に関する啓発事業を行います。 31ページ 個別施策10 食物アレルギーに関する情報提供【健康福祉局・子ども青少年局・教育委員会】 消費者に対し、食物アレルギーに関する食品表示制度や外食等を利用する際の留意点を啓発します。 飲食店等の事業者には、食物アレルギー表示に関する正確な理解を促し、消費者への食物アレルギーの情報提供の取組みの重要性や注意点を広く周知します。必要に応じて、コンタミネーション対策などを、個別施策5「多様化する食品の流通、提供形態に応じた支援」において事業者に指導、助言を行います。 学校、保育所等では、食物アレルギーによる健康被害が発生しないよう適切な措置を講じるとともに、食品取扱者への研修等の機会を確保します。 32ページ 基本施策5 リスクコミュニケーションによる相互理解の促進 個別施策11 関係者間(市民・事業者・行政)による意見交換の推進 (1)関係者間による意見交換【関係各局】 基本施策4「食の情報バリアフリーに向けた取組みの推進」で実施される各種事業(双方向で実施される情報発信、学習事業等)において、関係者間で意見交換等が行われるように努め、相互に信頼関係が築かれることを目指します。 (2)意見交換会の実施【健康福祉局】 食の安全・安心フォーラム、消費者懇談会などにおいて、食の安全について、市民の関心に沿ったテーマなどを取り上げて、消費者、事業者、市の三者が情報と意見を交換する場を設けます。 (3)一日食品衛生監視員の実施【健康福祉局】 消費者から公募した一日食品衛生監視員が、食品衛生検査所の監視員と同行して、名古屋市中央卸売市場本場内の食品販売施設などに対して衛生状態の確認等を行います。その後、市場内の関係事業者、消費者、市の三者が意見交換を行い、衛生の向上を図ります。 33ページ 個別施策12 市民の意見を反映した施策の実施 (1)食の安全・安心モニター制度の活用【健康福祉局】 消費者に「食の安全・安心モニター」を委嘱し、食の安全について幅広く情報や意見をいただき、食の安全・安心の確保に関する市の施策に市民の皆様のご意見を反映します。 (2)計画への意見募集【健康福祉局】 行動計画2028について、推進会議などで実施状況を報告し、意見をいただきます。 また、監視指導計画についても、市民からの意見を募集し、計画の策定に役立てていきます。 34ページ <資料編> 1 食の安全・安心に関する用語集 【あ】 遺伝子組換え食品 遺伝子組換え技術によって生産した農産物や、それを原料とした加工食品をいいます。大豆、トウモロコシ、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ、からしな及びこれらを原料とする加工食品に表示が必要です。 【か】 カンピロバクター 食中毒菌のひとつで、主に生又は加熱不十分な食肉(特に鶏肉)が原因食品となります。主な症状は下痢、腹痛、発熱で、合併症として神経症状を呈するギラン・バレー症候群を引き起こすことがあります。食品の中心部まで75℃1分以上の加熱で殺菌できます。 家畜伝染病 牛や豚、鶏など家畜の伝染病のことです。家畜伝染病予防法に規定されており、高病原性鳥インフルエンザ、口蹄疫、豚熱などがあります。 環境保全型農業 土づくりを行い、化学肥料や農薬の使用量を削減し、環境負荷の軽減に配慮した農業のことです。 危害要因(Hazard:ハザード) ヒトの健康に悪影響を及ぼす可能性のある食品中の物質又は食品の状態。食中毒菌やプリオン等の生物学的要因、重金属や残留農薬等の化学的要因、放射線や異物等の物理的要因があります。 ゲノム編集技術応用食品 DNAを切断する人工酵素を用い、特定の遺伝子を狙って切断し、品種改良した食品です。基本的に厚生労働省へ届出を経て、安全性に関する情報の公表の手続きが行われます。 健康食品 法律的に明確な定義はありませんが、通常の食品よりも健康の維持、増進を目的とした食品です。健康食品はあくまで食品であり、医薬品のように病気の治療や身体の構造・機能に影響を与える効果をうたうことはできません。普通の食品のことを呼ぶ場合もありますが、サプリメントと称し、カプセル、錠剤など形態は様々あります。 広域連携協議会 国と関係自治体の食中毒事案対応などの連携や協力の場として、地域ブロックごとに設置するもの。早期の調査方針の共有や情報の交換を行い、効果的な原因調査、適切な情報発信等を実施するものです。 コンタミネーション 食品を生産する際に、アレルギー物質(アレルゲン)を含む食品を原材料として使用していないにもかかわらず、最終加工食品にアレルギー物質(アレルゲン)が微量混入してしまう場合をいいます。 【さ】 残留農薬 農薬の使用により食品等に残った農薬成分やその代謝物質等を残留農薬といいます。農作物等に使用された農薬は、徐々に分解・消失しますが、収穫までに全てがなくなるとは限らないため、残留した農薬がヒトの健康に悪影響を及ぼすことがないように、農薬取締法に基づき、使用基準が定められ、食品では食品衛生法に基づいて設定された残留農薬基準値を超えないよう規制されています。 食中毒警報 食中毒の起りやすい気象条件となり、食中毒の発生が予想される場合に、市民、食品等事業者に対して、食品の取り扱い及び衛生に関する注意を呼びかけるために、発表します。 食農教育 食料を生産する農業の役割や重要性を理解してもらうために行う様々な教育のことです。 食の安全・安心モニター 消費者に「食の安全・安心モニター」を委嘱し、食の安全について幅広く情報や意見をいただき、食の安全・安心の確保に関する市の施策に市民の皆様のご意見を反映します。 食品衛生監視員 食品衛生法に基づき市長が任命する職員で、食品関連施設の監視、食品などの検査、食中毒の調査、営業者や市民への食の安全に関する情報提供などの業務を行います。 食品衛生責任者 食品衛生法で食品営業施設への設置を義務付けています。食品衛生責任者講習会を修了した人などがなります。施設の衛生管理の中心的な役割を担うものとして自主的な食品衛生管理を推進します。 食品衛生法 飲食を原因とする危害の発生防止、国民の健康の保護を図ることを目的としています。食品や添加物などの規格や基準を設け、安全確保のための規制をしています。違反食品や食中毒の発生時には違反品の回収、廃棄や営業の禁・停止などの行政処分や、罰則の規定があります。 食品トレーサビリティ 食品の流通ルートを把握できる仕組み(牛トレーサビリティ、米トレーサビリティなど)をいいます。 食品表示法 一般消費者の利益の増進を図るとともに、国民の健康の保護及び増進並びに食品の生産及び流通の円滑化並びに消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする法律です。食品や添加物の表示基準を設け、消費者への適切な情報伝達を確保しています。違反食品の回収や指示・命令といった是正措置や、是正措置を行った旨の公表及び罰則の規定があります。 食品ロス まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。資源の有効活用や環境負荷への配慮から食品ロスを減らす取組みが進められています。 食物アレルギー 食物の摂取により体の免疫機能から発疹などの症状が出現するものを「食物アレルギー」といい、「卵」「乳」「小麦」「そば」「落花生」「えび」「かに」「くるみ」の8品目を特定原材料として表示を義務付けています。  収去 食品衛生法や食品表示法に基づき、食品等事業者の施設に食品衛生監視員が立ち入り、試験検査のため必要な限度において検体(食品、器具、おもちゃ、食品添加物など)を無償で採取する行為をいいます。 【た】 中学校スクールランチ  名古屋市の中学校では、自分の健康を考え複数メニューの中からの選択、食事にふさわしい場としてランチルームの設置、弁当とスクールランチの併用という3つの要件のもとにスクールランチを実施しています。 動物用医薬品 家畜や魚用の薬剤です。微生物の発育を抑え感染症の治療や予防用の抗菌性物質、牛などの体内の寄生虫を駆除する内寄生虫用剤、米国などで家畜の肥育促進に使用されるホルモン剤などがあります。 と畜場 食用にする目的で獣畜(牛、馬、豚、めん羊、山羊)をと畜、解体するために設置された施設です。これら獣畜は、と畜場法によりと畜検査員が行う検査に合格しなければ、食用にできません。名古屋市では、名古屋市南部と畜場(港区)において、牛と豚を対象にと畜を行っています。 【な】 名古屋市地域防災計画 災害対策基本法等に基づき、各種災害等に対し、予防、応急対策、復旧について総合的な計画を定めたものです。 ノロウイルス 冬の食中毒の代表的な病因物質で、以前はカキなどの二枚貝による食中毒が多くみられました。最近では、ノロウイルスに感染した調理従事者の手指などを介して汚染された食品を食べて発症する事例が増加しています。主な症状は嘔吐、腹痛、下痢、発熱で、潜伏期間は24~48時間です。食品の中心部まで85~90℃で90秒間以上の加熱で予防できますが、感染力が強いので調理従事者や調理器具からの二次汚染を防止するため、手洗いの励行など注意が必要です。 ノロウイルス食中毒注意報・警報 冬季のノロウイルス食中毒の発生が予想される場合に発表し、市民や食品等事業者に対し、食中毒防止の注意喚起を行います。 【ら】 リスク 食品中にハザードが存在する結果として生じるヒトの健康への悪影響が起きる可能性とその程度のことです。(健康への悪影響が発生する確率と影響の程度) リスクコミュニケーション リスクを評価した際の内容等について、消費者、事業者、市などの関係者の間で、情報や意見をお互いに交換し、その過程で関係者間の相互理解を深め、信頼を構築する活動のことです。プラス面だけでなくマイナス面のリスクについても共通認識を持ち、社会的な合意形成の道筋を探ります。 <参考> 内閣府食品安全委員会「食品の安全性に関する用語集」(https://www.fsc.go.jp/yougoshu.html) 37ページ 2 名古屋市食の安全・安心条例(平成19年12月26日 条例第54号) 名古屋市は、長年にわたり受け継がれた独自の食文化を有し、市民は、食に高い関心を持っています。 とりわけ、飲食店等の食品関連施設が多数存在し、大量の食品が流通、消費されている本市では、食の安全が確保され、安心して食生活を営めることがすべての市民の願いとなっています。 しかし、食中毒をはじめ、食品中の残留農薬や食品表示の偽装など様々な問題が発生し、市民の食の安全に対する信頼は大きく揺らいでいます。 こうした状況の中では、生産から消費までの食に携わるすべての人が、食の安全は市民の基本的な権利であることを尊重し、食品の安全性等に関する情報の共有化を図り、食品による健康への被害を最小限にするために協力して取り組まなければなりません。 ここに、現在及び将来にわたり市民の健康の保護を図るため、私たちは、市、事業者及び消費者のそれぞれの立場から、食の安全・安心の確保に向けて共に力を合わせて取り組むことを決意し、この条例を制定します。 第1章 総則 (目的) 第1条 この条例は、食の安全・安心の確保に関し、基本理念を定め、市及び事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定め、これに基づく施策を総合的かつ計画的に実施し、もって市民に信頼される安全で安心な食品の供給の促進及び市民の健康の保護を図ることを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 食品 全ての飲食物(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)に規定する医薬品及び医薬部外品を除く。)をいう。 (2) 食品等 食品、添加物(食品衛生法(昭和22年法律第 233号。以下 「法」という。)第 4条第 2項に規定する添加物をいう。)、器具(同条第 4項に規定する器具をいう。)及び容器包装(同条第 5項に規定する容器包装をいう。)をいう。 (3) 生産資材 農林漁業において使用される肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他食品の安全性に影響を及ぼすおそれがある資材をいう。 (4) 事業者 食品等又は生産資材の生産、製造、輸入、加工、販売その他の事業活動を行う者をいう。 (基本理念) 第3条 食品等及び生産資材の安全性(以下「食の安全」という。)並びに食品等及び生産資材に対する市民の信頼(以下「食の安心」という。)(以下「食の安全・安心」と総称する。)の確保は、市、事業者及び消費者(以下「関係者」という。)のすべての者が、市民の健康の保護が最も重要であるという認識の下、その責務及び役割を果たすことにより、行われなければならない。 2 食の安全・安心の確保は、市民の健康への悪影響を未然に防止する観点から、科学的知見に基づき、必要な措置が講じられることにより、行われなければならない。 3 食の安全・安心の確保は、関係者間で食の安全・安心の確保に関する情報及び意見の交換が十分に行われ、すべての関係者が相互に理解し、協力することにより、行われなければならない。 (市の責務)  第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食の安全及び食の安心の確保に関する施策を、総合的かつ計画的に実施する責務を有する。 2 市は、食の安全・安心を確保するため、国及び他の地方公共団体との情報の交換及び連携協力を図り、広域的かつ効果的な施策を実施する責務を有する。 (事業者の責務) 第 5条 事業者は、基本理念にのっとり、食の安全の確保について第一義的責任を有していることを認識し、事業活動を行う責務を有する。 2 事業者は、その事業活動に関し、自主的な衛生管理を実施する責務を有する。 3 事業者は、市が実施する食の安全・安心の確保に関する施策に協力する責務を有する。 (消費者の役割) 第6条 消費者は、基本理念にのっとり、その自主的な活動により、食の安全・安心の確保に関する知識及び理解を深めるとともに、市の施策について意見を表明するよう努めることによって、食の安全・安心の確保に積極的な役割を果たすものとする。 2 消費者は、市が実施する食の安全・安心の確保に関する施策に協力するよう努めるものとする。 第 2章 食の安全・安心の確保のための行動計画 (行動計画) 第7条 市長は、食の安全・安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための行動計画(以下「行動計画」という。)を策定するものとする。 2 行動計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 (1) 食の安全・安心の確保に関する施策の大綱 (2) 前号に掲げるもののほか、食の安全・安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項 3 市長は、行動計画を定めるに当たっては、市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。 4 市長は、行動計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 5 前 2項の規定は、行動計画の変更について準用する。 第3章 食の安全・安心対策 (食の危機管理体制の整備等) 第8条 市は、食の安全の確保に重大な悪影響が生ずることを防止するため、当該悪影響が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態に迅速かつ適切に対処することができるよう体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。 (監視、指導、検査等) 第9条 市は、食品等の生産から販売に至る一連の行程の各段階において、食の安全を確保するため、監視、指導、検査その他の法令及び条例に基づく必要な措置を講ずるとともに、食の安全の確保に関する啓発を行うものとする。 (適正表示の推進) 第10条 市は、食品等の表示が適正に実施されるよう、監視及び指導を行うとともに、食品等の表示に係る制度の普及啓発を行うものとする。 (事業者の情報の提供) 第11条 事業者は、その事業活動に係る食品等又は生産資材に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない。 (事業者の情報の記録及び保存) 第12条 事業者は、その販売する食品等及び当該食品等の原料又は材料となった食品等について、食品等の安全性の確保のために必要な限度において、その情報の記録及び保存に努めなければならない。 第13条及び第14条 削除 (緊急事態への対処) 第15条 市長は、食の安全の確保に重大な悪影響が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、法令に定める措置をとる場合を除き、当該事態を生じさせ、又は生じさせるおそれがある事業者に対し、その旨の発表、食品等の回収その他必要な措置をとるよう指導し、又は勧告することができる。 (公表) 第16条 市長は、前条の規定により勧告した場合において、当該事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。 2 市長は、前項の規定により公表する場合は、当該事業者に対して、あらかじめその旨を通知し、意見の聴取を行うものとする。ただし、当該事業者が正当な理由がなく意見の聴取に応じないときは、この限りでない。 (調査研究) 第17条 市は、食の安全の確保に関する施策を、最新の科学的知見に基づき適切に実施するため、食の安全の確保に関する調査研究を推進するものとする。 (人材の育成) 第18条 市は、食の安全・安心の確保に関する専門的な知識を有する人材の育成に努めるものとする。 (助言、認定等) 第19条 市は、食の安全の確保に関する取組みを促進するため、事業者への助言、食の安全の確保に関する優れた取組みを行っている事業者の認定その他の必要な支援を行うものとする。 (食の安全・安心情報の提供等) 第20条 市は、食の安全の確保に関する情報の収集、整理、分析等を行い、その情報を市民に提供し、食の安全の確保に関する取組みを的確かつ合理的に行えるよう努めるものとする。 2 市は、食の安全の確保に関する対策の取組み状況その他の食の安全の確保に関する情報を市民に提供し、食の安心の向上に努めるものとする。 (市民の意見の反映) 第21条 市は、食の安全・安心の確保に関する施策に市民の意見を反映するため、必要な措置を講ずるものとする。 第4章 食の安全・安心推進会議 (食の安全・安心推進会議) 第22条 食の安全・安心の確保に関する事項について協議するため、名古屋市食の安全・安心推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。 2 推進会議は、次の各号に掲げる事項について協議し、必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。 (1) 食の安全・安心の確保のための施策に関すること。 (2) 食の安全・安心の確保のための関係者間の相互理解に関すること。 (3) 前各号に掲げるもののほか、食の安全・安心の確保に関すること。  (組織) 第23条 推進会議は、委員20名以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。 (1) 学識経験者 (2) 消費者 (3) 事業者 (4) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認めるもの 2 前項第 2号の規定により委嘱する委員の一部は、公募するものとする。 3 特別の事項を協議するため必要があるときは、推進会議に特別委員を置くことができる。 (任期) 第24条 委員の任期は 2年とし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任されることができる。 2 特別委員は、その特別の事項の協議が終了したときに解任されるものとする。 (委任) 第25条 前 3条に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。 第5章 雑則 (委任) 第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附 則 (施行期日) 1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。ただし、第13条及び第14条の規定は、平成20年10月1日から施行する。 (経過措置) 2 この条例の施行の際現に策定されている食の安全・安心の確保に関する市の基本計画であって、食の安全・安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に実施するためのものは、第 7条第 1項の規定により策定された行動計画とみなす。 附 則 この条例は、平成26年11月25日から施行する。ただし、第1条中名古屋市保健衛生関係手数料条例第2条第1項第27号及び同条第2項並びに第3条中名古屋市食の安全・安心条例第13条第1項第1号の改正規定は公布の日から、第3条中名古屋市食の安全・安心条例第13条第1項(第1号を除く。)の改正規定は食品表示法(平成25年法律第70号)の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この条例は、令和3年6月1日から施行する。 (経過措置) 2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の名古屋市食の安全・安心条例第13条第1項に規定する食品等の自主的な回収に着手している場合については、なお従前の例による。 40ページ 3 食の安全・安心に関するアンケート調査の結果 【調査方法】 20代以下 男性37人 女性47人 その他0人 無回答0人 30代 男性42人 女性59人 その他1人 無回答0人 40代 男性56人 女性108人 その他1人 無回答0人 50代 男性76人 女性94人 その他1人 無回答1人 60代 男性68人 女性97人 その他0人 無回答1人 70代 男性90人 女性93人 その他0人 無回答1人 80代以上 男性1人 女性0人 その他0人 無回答11人 合計 男性370人 女性498人 その他370人 無回答14人 【問1】食生活(主に夕食)に関して、あなたは食材の調理をしますか。(一つ選択) ア 調理をする 429人(48.5%) イ どちらかというと調理をする 156人(17.6%)  ウ どちらかというと調理はしない 128人(14.5%) エ 調理はしない 166人(18.8%)   無回答 6人(0.7%) 【問2】問1で「ウ」または「エ」と回答した方にお聞きします。 食生活(主に夕食)に関して、あなたの状況に最も近い項目は何ですか。(一つ選択) ア 弁当や惣菜を購入したり、テイクアウト・デリバリーを活用して自宅等で食事をする 45人(15.3%) イ 飲食店(食堂やレストラン等)で食事をする 8人(2.7%) ウ 家族等が調理したものを食べる 220人(74.8%) エ その他 17人(5.8%) 無回答 4人(1.4%) 【問3】あなたは、現在流通している食品や飲食店で提供される食品は、安全・安心だと思いますか。(一つ選択) ア 安全・安心だと思う 106人(12.0%) イ どちらかというと安全・安心だと思う 533人(60.2%) ウ どちらかというと安全・安心だと思わない 153人(17.3%) エ 安全・安心だと思わない 34人(3.8%) オ わからない 47人(5.3%) 無回答 12人(1.4%) 【問4】問3で、「ウ」または「エ」と回答した方にお聞きします。あなたが、食品が安全・安心だと思わない理由は何ですか。(複数選択可) ア 法令の整備が不十分である(安全に配慮した基準が設定されていない など) 64人(34.2%) イ 行政の取り組みが不十分である 35人(18.7%) ウ 生産者や事業者の意識が高くないと感じる 46人(24.6%) エ 輸入食品の安全性が心配である 151人(80.7%) オ 食の安全に関する情報が不足している 60人(32.1%) カ 食の安全に関する情報が多すぎる 9人(4.8%) キ 消費者の意見が行政の施策に反映されていない 28人(15.0%) ク 消費者の意見が生産者や事業者の取り組みに反映されていない 28人(15.0%) ケ その他 24人(12.8%) コ 特にない 0人(0.0%) 無回答 0人(0.0%) 【問5】あなたが、食の安全について関心がある項目は何ですか。(複数選択可) ア 食中毒(細菌、ウイルス、フグ毒、寄生虫 など) 569人(64.3%) イ 食品添加物 537人(60.7%) ウ 農産物に使われた農薬の残留 357人(40.3%) エ カドミウムやメチル水銀などの汚染物質 186人(21.0%) オ 家畜や養殖魚に使われた医薬品の残留 207人(23.4%) カ 輸入食品 427人(48.2%) キ 遺伝子組換え食品(注1) 273人(30.8%) ク ゲノム編集技術応用食品(ゲノム編集食品)(注2) 148人(16.7%) ケ 鳥インフルエンザの発生 114人(12.9%) コ 原産地や消費期限・賞味期限などの表示 452人(51.1%) サ 健康食品 154人(17.4%) シ 食物アレルギー 205人(23.2%) ス 製造者の異物混入対策などの衛生管理(例:従業員の毛髪の混入防止) 280人(31.6%) セ 食品中の放射性物質 143人(16.2%) ソ 魚介類の体内に残るマイクロプラスチック(海洋プラスチック)の影響 218人(24.6%) タ その他 11人(1.2%) チ 特にない 20人(2.3%) 無回答 7人(0.8%) 注1:他の生物から取り出した遺伝子(生物の特徴を決める部分(設計図))をDNA(デオキシリボ核酸という4種類の物質)の中に組み込むことで、新しい性質をもたせる技術を応用して作られた食品。 注2:DNAを切断する人工酵素を使ってDNAに突然変異を起こす技術を応用して作られた食品。 【問6】あなたは、「HACCP(ハサップ)(注3)」という言葉やその内容について知っていますか。(一つ選択) ア 言葉も内容も知っている 88人(9.9%) イ 言葉は聞いたことがあるが、内容までは知らない 229人(25.9%) ウ 言葉も内容も知らない 565人(63.8%) 無回答 3人(0.3%) 注3:Hazard(危害) Analysis(分析) Critical(重要) Control(管理) Point(点) の略称。 安全な食品を作るために、事業者自らが、原材料入荷から製品出荷までの全工程の中で食中毒菌汚染や異物混入等の問題点を分析し、特に重要なポイントを集中管理し、安全性を確保する衛生管理の方法。 【問7】食の安全について、あなたが知っていることは何ですか。(複数選択可) ア 食中毒予防の3原則は、食中毒菌を「つけない・増やさない・やっつける」である 331人(37.4%) イ 消費期限は安全に食べられる期限、賞味期限はおいしく食べられる期限を示すものである 812人(91.8%) ウ 生の鶏肉を中心部まで加熱することが、カンピロバクター食中毒(注4)を予防する上で大切である 572人(64.6%) エ 生の魚にはアニサキスが寄生していることがあり、適切に冷凍することで食中毒を予防することができる 572人(64.6%) オ 調理を行う前や食事の前などには手を洗う 818人(92.4%) カ 多くの食中毒菌は熱に弱いので、加熱調理の際は中心部まで十分に加熱する 711人 (80.3%) キ 食品等事業者は、法令に基づきHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理に取り組むことになっている 97人(11.0%) ク 食品添加物などの安全性に関する評価は、科学的根拠に基づいて公平・公正・中立の立場から学識経験者(内閣府食品安全委員会)が行っている 87人(9.8%) ケ 食品添加物などを使うことができる量(基準)は、食品安全委員会が行った評価結果をもとに、さらに安全に配慮して厚生労働省が設定している 157人(17.7%) コ 食の安全の確保のためには、行政、生産者、製造者や販売者だけでなく消費者も、それぞれの役割を果たすことが重要である 327人(36.9%) サ その他 11人(1.2%) シ 特にない 6人(0.7%) 無回答 11人(1.2%) 注4:カンピロバクターという細菌が原因の食中毒の一種。主に生または加熱不十分な食肉(特に鶏肉)が原因食品となることが多い。 【問8】あなたは、カンピロバクター食中毒について気をつけていますか。(一つ選択) ア 気をつけている 409人(46.2%) イ 少し気をつけている 229人(25.9%) ウ 気にしていない 226人(25.5%) 無回答 21人(2.4%) 【問9】問8で、「ア」または「イ」と回答した方にお聞きします。あなたが、カンピロバクター食中毒について気をつけていることは何ですか。(複数選択可) ア 生または加熱不十分な鶏肉を食べないように気をつけている 590人(92.5%) イ 新鮮な鶏肉だとしても生で食べないようにしている 477人(74.8%) ウ 鶏肉を扱った調理器具や手などはよく洗う 432人(67.7%) エ 低温調理(注5)をする際は、加熱温度や時間が適切に管理できる正しいレシピに従い自己流アレンジはしない 144人(22.6%) オ その他 11人(1.7%) 無回答 1人(0.2%) 注5:通常の加熱調理(煮る・焼く・茹でる)よりも低い温度で加熱する調理方法。(例えば、食材を袋に入れ、一定の温度を保持して湯せんする方法など) 【問10】名古屋市が食の安全・安心の確保のために行っていることについて、あなたが知っていることは何ですか。(複数選択可) ア 農産物の生産者に対して、農薬の適正使用について啓発を行っている 111人(12.5%) イ 中央卸売市場で温度管理ができる設備の充実や衛生管理の徹底を図っている 126人(14.2%) ウ 飲食店や食品製造施設などの衛生状態について監視している 290人(32.8%) エ 市内で製造または流通する食品の安全性について、検査を行っている 194人(21.9%) オ 市内で製造または流通する食品の表示に問題が無いか監視している 150人(16.9%) カ 市立学校や福祉施設などの給食が安全に提供されるように調理従事者への研修を行っている 171人(19.3%) キ ホームページやメールマガジンで食の安全に関する情報を発信している 107人(12.1%) ク 食育活動として、食の安全・安心に関する情報提供・普及啓発をしている 128人(14.5%) ケ その他 14人(1.6%) コ 特にない 349人(39.4%) 無回答 54人(6.1%) 【問11】あなたは、食の安全を高めるために、名古屋市がさらに強化すべき取り組みは何だと思いますか。(複数選択可) ア 飲食店や食品製造施設での衛生状態を監視し、指導する 482人(54.5%) イ 市内で製造または流通する食品について、食中毒菌や添加物などの検査をする 403人 (45.5%) ウ 市内で製造または流通する食品について、表示を監視し、指導する 313人 (35.4%) エ 消費者・事業者・行政が、情報や意見を相互に交換できる場を設ける 174人(19.7%) オ 事業者によるHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を支援する 214人(24.2%) カ 消費者に対して、食の安全に関する情報を発信する 395人(44.6%) キ 優れた衛生管理に取り組んでいる事業者を認証する 315人(35.6%) ク その他 24人(2.7%) ケ 特にない 84人(9.5%) 無回答 25人(2.8%) 【問12】あなたは、食の安全を高めるために、事業者が、特にどのような点に力をいれていくべきだと思いますか。(複数選択可) ア 消費者に対する積極的な情報公開 528人(59.7%) イ 相談窓口の充実 135人(15.3%) ウ 消費者の意見を経営に活かすモニター制度の充実 127人(14.4%) エ HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の取組みの定着 256人(28.9%) オ 内部チェック機能の強化 384人(43.4%) カ 消費者・事業者・行政が、情報や意見を相互に交換できる体制を整える 168人(19.0%) キ 外部機関によるチェックの導入 418人(47.2%) ク わかりやすい表示 501人(56.6%) ケ 食品トレーサビリティ(注6)の活用 174人(19.7%) コ 企業倫理の確立 162人(18.3%) サ 内部通報制度の確立 232人(26.2%) シ その他 6人(0.7%) ス 特にない 31人(3.5%) 無回答 20人(2.3%) 注6:食品の流通ルートを把握できる仕組み。(牛トレーサビリティ、米トレーサビリティなど) 【問13】あなたは、食の安全に関する情報を、どの程度得ていますか。(一つ選択) ア 積極的に情報を得ている 45人(5.1%) イ どちらかというと積極的に情報を得ている 217人(24.5%) ウ どちらかというとあまり情報を得ていない 357人(40.3%) エ あまり情報を得ていない 199人(22.5%) オ わからない 47人(5.3%) 無回答 20人(2.3%) 【問14】あなたは、食の安全に関する情報を、普段どこから得ていますか。(複数選択可) ア テレビ 574人(64.9%) イ ラジオ 70人(7.9%) ウ 新聞・雑誌 369人(41.7%) エ 行政の刊行物(広報なごや、リーフレットなど) 158人(17.9%) オ 自治体のホームページ 26人(2.9%) カ インターネットの検索サイト 333人(37.6%) キ SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) 192人(21.7%) ク メールマガジン 7人(0.8%) ケ 行政の相談窓口 1人(0.1%) コ スーパーなどの店頭掲示板やポップ広告 297人(33.6%) サ 家族・親族・友人 279人(31.5%) シ その他 24人(2.7%) ス 特にない 45人(5.1%) 無回答 16人(1.8%) 【問15】名古屋市では、食の安全に関する情報の発信に取り組んでいますが、あなたが市から特に発信してほしい内容はどれですか。(複数選択可) ア 食中毒の種類や予防方法 457人(51.6%) イ 食品添加物のルールや安全性 407人(46.0%) ウ 残留農薬のルールや安全性 316人(35.7%) エ 食品表示のルールや見方 347人(39.2%) オ 事業者に対する監視指導の実施状況 211人(23.8%) カ 流通食品の残留農薬などの安全性に関する検査結果 234人(26.4%) キ 食中毒事件や違反食品の発生情報 410人(46.3%) ク 食品中の放射性物質に関する知識 148人(16.7%) ケ 賞味期限切れ・消費期限切れ等を出さないような食材の使用方法 244人(27.6%) コ HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理に関する情報 127人(14.4%) サ 食品の安全・安心に関するイベント 116人(13.1%) シ その他 10人(1.1%) ス 特にない 48人(5.4%) 無回答 16人(1.8%) 【問16】あなたは、保健所等(保健センター、消費生活センター、名古屋市よい食ダイヤルなど)に対し、食の安全に関する不安や疑問などを相談したことがありますか。(一つ選択) ア ある 8人(0.9%) イ ない 869人(98.2%) 無回答 8人(0.9%) 【問17】あなたは、保健所等に対し、食の安全に関する不安や疑問などを相談しやすいと感じますか。(一つ選択) ア 相談しやすいと感じている 15人(1.7%) イ どちらかというと相談しやすいと感じている 71人(8.0%) ウ どちらかというと相談しにくいと感じている 197人(22.3%) エ 相談しにくいと感じている 114人(12.9%) オ わからない 470人(53.1%) 無回答 18人(2.0%) 【問18】問17で、「ウ」または「エ」と回答した方にお聞きします。 あなたが、相談しにくいと感じる理由はなんですか。(複数選択可) ア 相談窓口を知らない 220人(70.7%) イ 相談するといろいろ聞かれそうでいやだ 54人(17.4%) ウ 相談してもきちんと対応してくれそうにない 73人(23.5%) エ 細かいことを気にする人だと思われそうでいやだ 47人(15.1%) オ 食品を製造・販売している事業者へ問い合せする方が早い 87人(28.0%) カ 相談に時間と労力をかけるのがもったいない 45人(14.5%) キ 以前相談した時に不満が残った 7人(2.3%) ク その他 36人(11.6%) ケ 特にない 3人(1.0%) 無回答 1人(0.3%) 49ページ 4 名古屋市保健所体制 50ページ 5 食の安全・安心に関する窓口 「よい食」ダイヤル 961-4149 955-6225 中区三の丸三丁目1-1(食品衛生課内) 千種保健センター 753-1971 751-3545 千種区星が丘山手103 東保健センター 934-1212 937-5145 東区筒井一丁目7-74 北保健センター 917-6547 911-2343 北区清水四丁目17-1 西保健センター 523-4612 531-2000 西区花の木二丁目18-1 中村保健センター 433-3036 483-1131 中村区松原町1-23-1 中保健センター 265-2257 265-2259 中区栄四丁目1-8 昭和保健センター 735-3959 731-0957 昭和区阿由知通3-19 瑞穂保健センター 837-3253 837-3291 瑞穂区田辺通3-45-2 熱田保健センター 683-9678 681-5169 熱田区神宮三丁目1-15 中川保健センター 363-4457 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