表紙 「名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画(案)」に対する市民意見の内容及び市の考え方 「名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画(案)」に対して貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。 いただいたご意見と、それに対する市の考え方を公表します。 なお、ご意見のうち、内容について趣旨の類似するものは、まとめさせていただいたほか、原文を要約または分割して掲載するなど、編集上の整理を行っていますので、ご了承ください。 令和5年3月 名古屋市 表紙の裏 白紙 1ページ 名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画(案)に対する市民意見の概要 1、募集期間 令和4年12月26日(月)から令和5年1月27日(金) 2、提出状況 意見提出者:9名、意見件数:28件 (郵送:1名、ファックス:5名、電子メール:3名、持参:0名) 3、意見の内訳(項目別の件数) 第1章 計画の策定にあたって、3件 第2章 計画が目指すもの、5件 第3章 具体的な取り組み 基本方針と具体的な施策の展開、0件 基本方針1 属性や世代を問わない相談支援体制の構築、3件 基本方針2 支援が必要な世帯に支援を届けるための仕組みづくり、2件 基本方針3 多様な社会参加に向けた支援、0件 基本方針4 地域づくりに向けた支援、3件 第4章 計画の推進、3件 参考資料、2件 その他、7件 合計、28件 2ページ 名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画(案)に対する市民意見の内容及び市の考え方 第1章 計画の策定にあたって(3件) 該当部分、計画策定の背景と趣旨 【市民意見】 「名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画」とは、そもそも何かを明確にしてほしい。 【市の考え方】 2ページ「計画策定の背景と趣旨」において、計画の策定趣旨について記載しております。今後、関係機関や地域団体等に周知してまいります。 該当部分、計画の位置付けと計画期間 【市民意見】 名古屋市総合計画や人権施策基本方針に基づいて計画を立てられたことを評価する。 【市の考え方】 支援にあたっては、生活課題を抱えた人の状況や特性を把握・理解し、寄り添いながら、一人ひとりの人権が尊重され、地域社会の中で自分らしく生活できるよう努めてまいります。 該当部分、SDGsを踏まえた計画の推進 【市民意見】 9ページ「SDGsを踏まえた計画の推進」について、SDGsの目標11と17が挙げられているが、目標を特定した上で、その達成度を示す指標を明らかにし、その指標での達成度を評価しながら計画を見直し、修正する手順を含むのが、本来の姿ではないか。 【市の考え方】 SDGsの取り組みに関する目標は、「名古屋市総合計画2023」において、設定されており、本計画もそれに沿って設定しております。重層的支援体制整備事業の達成度は、38ページ「重層的支援体制整備事業の事業実施目標」により評価してまいります。 3ページ 第2章 計画が目指すもの(5件) 該当部分、包括的相談支援チームの配置 【市民意見】 包括的相談支援チームによる支援が進むにつれ、対応事例も増えていき、チームの負担も増加していくので、人員配置の充実等、事業を継続するための十分な体制づくりが必要。 【市の考え方】 包括的相談支援チームの体制については、令和4年度から令和5年度までの2年間を試行実施期間と位置付けており、その状況を踏まえ、令和6年度からの全区実施につなげてまいります。 該当部分、包括的相談支援チームの配置 【市民意見】 包括的支援と重層的支援の違いや関係が分かりづらい。 各区に配置する専門職によるチームも「重層的支援チーム」といった名称を採用したほうが良いのではないか。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業は、社会福祉法第106条の4において、同法第106条の3に規定する包括的な相談支援体制を整備するために実施する事業とされております。 そのため、各区に配置するチームも包括的な相談支援体制を実現するためのチームとして「包括的相談支援チーム」と名称を定めたところです。 該当部分、重層的支援体制整備事業の推進体制 【市民意見】 ・各会議体において、個別の事例から議論を積み上げ、行政的にどこまで関われるのかの目標を掲げて、計画・実施・評価をすると分かりやすい。各会議体において掌握範囲と責任を明確にすることが必要。 ・重層的支援体制整備事業は住民が抱いている希望レベル、それに対応する支援組織体制の整備にはあまりにも幅広い。そのため組織階層ごとの責任とコントロールを担う部署の明確化が求められると考える。 ・区役所がどのように重層的支援に関与するかについて、もう少し踏み込んだ整理をすべきではないか。また、名古屋市によるリーダーシップや業務評価も適切に行われる必要があるのではないか。 4ページ 【市の考え方】 重層的支援会議で個別の事例への支援を協議し、協議した事例から区連携会議において、関係部署や相談支援機関の連携や支援のあり方を協議してまいります。 重層的支援体制整備事業については、市全体の推進や進捗管理を健康福祉局地域ケア推進課において実施します。また、各区に重層的支援体制整備事業の担当者を配置し、健康福祉局地域ケア推進課と連携しながら、各区における事業の推進を図ってまいります。 区役所の担当者は包括的相談支援チームと関係部署や相談支援機関等とが連携できるよう調整を図ります。また、16ページ「重層的支援体制整備事業の推進体制」のとおり、区役所は、区役所の関係部署や相談支援機関、地域団体等で構成する「重層的支援体制整備事業区連携会議」において、事業を推進するための取り組みの検討を行います。 第3章 具体的な取り組み 基本方針と具体的な施策の展開(0件) 【市民意見】 意見なし 基本方針1、属性や世代を問わない相談支援体制の構築(3件) 該当部分、施策の展開(地域団体等との連携の推進) 【市民意見】 地域団体等の連携の推進は大切なことであると考える。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業の推進には、地域住民の皆様のご協力が重要となりますので、ご理解いただけるよう分かりやすい周知に努めてまいります。 該当部分、包括的な相談支援と多機関協働 【市民意見】 包括的な支援体制の子育て支援については、区の子育て総合相談窓口となっているが、国の計画には地域子育て支援拠点が挙がっている。ママやパパたちからしたら行政の窓口はハードルが高く、子育ての不安感や疎外感を払拭するために設置された地域子育て支援拠点とも連携すべきではないか。 5ページ 【市の考え方】 45ページの「関連施策一覧」に「地域子育て支援拠点事業」と重層的支援体制整備事業の連携について掲げております。 地域子育て拠点をはじめとした地域の相談、交流の場との連携により生活課題を抱えた世帯の把握、支援に努めてまいります。 該当部分、コラム、複合的な福祉課題支援協議会 【市民意見】 重層的支援体制整備事業の実施にあたって、福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となる「文化センター」との連携を十分に図っていくべきではないか。 【市の考え方】 「文化センター」を重層的支援体制整備事業実施計画の関連施策のひとつに位置づけ、連携できる体制を構築してまいります。49ページ関連施策一覧に「文化センター」を追加します。 基本方針2、支援が必要な世帯に支援を届けるための仕組みづくり(2件) 該当部分、施策の展開(地域住民等と連携した支援対象者の把握) 【市民意見】 担い手を充実させるために、既存の民生委員・児童委員等に関わってもらってはどうか。 【市の考え方】 複合的な生活課題を抱えた世帯等の把握や見守り、地域の居場所づくりにおいて、民生委員・児童委員と連携してまいります。 該当部分、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業 【市民意見】 基本方針2における「伴走支援」について、包括的相談支援チームのみが行うような印象を受ける。28ページの図にある、相談支援機関等から出ている線にも状況に応じて「伴走」するニュアンスが入るとよい。43~51ページの関連施策一覧では、基本方針2に連携が想定される事業がいくつか印がついているが、本文の中でも触れておくとよい。 【市の考え方】 相談支援機関が行う、伴走支援を含むアウトリーチによる支援との連携も想定されますので、28ページの図の説明を一部修正します。 6ページ 基本方針3、多様な社会参加に向けた支援(0件) 【市民意見】 意見なし 基本方針4、地域づくりに向けた支援(3件) 該当部分、基本方針4(地域づくりに向けた支援) 【市民意見】 基本方針4の地域づくりは、地域で人と人とのつながりができることで、住民に対する気づきが生まれ、早期に支援へつなぐためにも、地域のサロンが必要ではないか。 【市の考え方】 高齢者サロン整備等生活支援推進事業等の事業と連携しながら、生活課題を抱えた世帯の把握や社会参加支援につなげてまいります。 該当部分、基本方針4(地域づくりに向けた支援) 【市民意見】 地域支えあい組織や地域福祉推進協議会等の学区単位で実施されている住民の取り組みに目を向けるべきではないか。 また、支援を目的とする事業体(NPO法人や消費生協、企業等)も含め、支援の担い手の養成や既存のそれらの団体・活動の特性を活かした支援体制の包摂化を図る方策等も示してはどうか。 【市の考え方】 46ページ「関連施策一覧」のとおり、「ふれあい給食サービス事業」「地域支えあい事業」をはじめ、学区単位で実施している事業について、生活課題を抱えた世帯の把握や社会参加支援等において連携することを想定しております。 また、34ページ「基本方針4 地域づくりに向けた支援」において、支援を行うNPO法人等の把握も課題として捉えており、そういった活動主体を含めた地域における交流・活動の場の運営主体等との連携やネットワークづくりを検討してまいります。 7ページ 該当部分、基本方針4(地域づくりに向けた支援) 【市民意見】 サロン等の交流の場を設けるにあたり、就業者、家族介護者等は、参加希望があってもなかなか時間を確保することが難しい方がいると思われる。また、サロンの運営にも維持費がかかることから、サロンの運営者にも負担がかかる。コスト面から、zoomやオンラインで接する機会もあってもよいと思う。 【市の考え方】 高齢者サロン整備等生活支援推進事業等の居場所づくりの事業と連携しながら、取り組んでまいります。サロンを含む社会参加の機会の確保については、オンラインによるもの等工夫してまいります。 第4章、計画の推進(3件) 該当部分、重層的支援体制整備事業の実施目標 【市民意見】 事業実施目標を達成するために、現時点で従事されている方たちのマンパワーで目標達成できるのか根拠が示されていない。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業の試行実施や事業実施目標の達成状況を注視しながら、必要な体制確保に努めてまいります。 該当部分、重層的支援体制整備事業の実施目標 【市民意見】 基本方針1では、対応する割合(80%まで)のみを記しているが、その評価が明確に示されていない。 【市の考え方】 55ページ「令和3年度名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画策定のためのアンケート調査結果」における複合的な生活課題を抱えた世帯等に対する相談支援機関の支援の状況の「他機関中心で対応」した事例(14.0%)が「多機関との役割分担で対応」した事例(64.6%)に移行することを目標とし、両者の合計となる約80.0%を数値目標としました。 8ページ 該当部分、重層的支援体制整備事業の実施目標 【市民意見】 基本方針3では、社会参加に向けた準備ができる場とはどのような場を想定するのか。 【市の考え方】 南区における調査事業において、包括的相談支援チームが支援する世帯の方は、地域の居場所や就労準備の場等に参加することが困難であることが判明しました。そこで、準備段階として包括的相談支援チームが運営する居場所等において、チームが関わりながら社会参加のための準備をすることが必要だと考え、各区にチームが運営する居場所を整備するものです。 参考資料(2件) 該当部分、関連施策一覧 【市民意見】 基本方針2で想定される課題として「ひきこもり」が大きいことから、47ページのひきこもり地域支援センターについて、基本方針との関係性②に印があった方がよい。 【市の考え方】 47ページ関連施策一覧「ひきこもり地域支援センター」の基本方針との関係性②に●印を追加します。 該当部分、包括的な相談支援体制構築のための調査結果 【市民意見】 先行地区(南区)での取り組み、試行実施の検証結果が具体的に示されておらず、包括的支援体制の組織が問題なく機能したか、課題がなかったのか等が、分かりにくい。 【市の考え方】 南区においては、調査員を配置し、実際に複合的な課題を抱えた世帯等への支援にあたりました。その結果、専門職の配置が必要と判断し、令和4年度から包括的相談支援チームを各区に順次配置しております。令和4年度から令和5年度までの2年間を試行実施期間と位置付け、その状況を踏まえ、令和6年度からの全区実施につなげてまいります。 9ページ その他(7件) 【市民意見】 金銭面での困難を抱えた世帯への対応が必要。市民税、国民健康保険、介護保険、住宅等の部局との連携を打ち出し、徴収業務の担当職員の相談対応能力を高め、問題の早期発見と必要な支援へつなぐ力を強めるべき。 【市の考え方】 保険料、租税公課等の滞納に関しては、生活困窮の問題と直結しており、「仕事・暮らし自立サポートセンター」と徴収業務を行う機関が、連携しております。同センターで生活の状況等を伺い、必要に応じて包括的相談支援チームと連携して対応してまいります。 今後、課題を抱えた世帯の早期発見のため、徴収業務等の担当職員に、生活困窮者自立支援制度等の周知に努めてまいります。 【市民意見】 包括的相談支援チームの運営は、法人委託ではなく、社会福祉協議会の体制を強化するなかで包括的相談支援チームを組織すべきである。 【市の考え方】 厚生労働省通知において、市町村は、重層的支援体制整備事業に関する事務を地域における福祉に資する事業について実績のある社会福祉法人、一般社団法人、特定非営利活動法人等に委託することができるとされております。 また、委託を受けようとする団体が提案する支援の質や具体的な内容、当該団体の事業や経営の継続性、実施市町村内での事業実績等を踏まえ、地域の関係者の意見も聞きながら、総合的に評価することが重要であるとされております。 今後も、この観点から公募により学識経験者等の意見をお聞きしながら適切な法人を委託先として選定してまいります。 【市民意見】 市役所と区役所のなかにこそ、生活保護を含む生活相談体制を強化し、重層的な支援体制の整備の組織を作ってはどうか。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業については、市全体の推進や進捗管理を健康福祉局地域ケア推進課において実施します。また、各区役所に重層的支援体制整備事業の担当者を配置し、健康福祉局地域ケア推進課と連携しながら、各区における事業の推進を図ってまいります。 10ページ 【市民意見】 精神疾患、精神障害のある方へのサポート力の向上のため、職員の接遇研修等でも必須の課題とすべき。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業の運営のため、各区に委託により配置する包括的相談支援チームについては、社会福祉士等の専門職を配置しております。 また、チームが開催する重層的支援会議等において、事例に応じた関係職員が集まることで、精神障害のある方への支援についても協議してまいります。 【市民意見】 地域住民にもっと分かりやすい計画にしてほしい。 【市の考え方】 重層的支援体制整備事業の推進には、地域住民の皆様のご協力が重要となりますので、ご理解いただけるよう分かりやすい周知に努めてまいります。 【市民意見】 制度の狭間の生活課題の解消のためには、いくつもの支援が必要なのか。 重層的支援体制整備事業により、支援される側にはどのようなメリットがあるのか。 【市の考え方】 複数の生活課題を抱える等の理由により、支援につながらない世帯や支援につながっても生活課題が複雑化しており、支援が進まない世帯がございます。 重層的支援体制整備事業により、支援を届けることができるようになるものと考えております。 【市民意見】 計画の目的、関連する現状・背景、課題等は、総括的にまとめて記述し、計画部分は、章立てに沿って、具体的な実施項目・実施計画を端的に示すほうが分かりやすいのではないか。 【市の考え方】 基本方針ごとに現状、課題を掲載し、その課題につながる施策を掲載する形式で計画を作成しております。 また、今後、周知にあたっては、市民の皆様により容易にご理解いただけるよう分かりやすい資料等を作成してまいります。 11ページ 白紙 裏表紙 「名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画(案)」に対する市民意見の内容及び市の考え方 令和5年3月 発行・編集 名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課地域福祉係 〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話:052-972-2598 ファクシミリ:052-955-3367 音声コード JAVIS Appli.(特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会) ※音声変換用テキストファイルをご希望の方は、上記へご連絡ください。