目次 第一編 なごやか地域福祉2029 第4期名古屋市地域福祉計画・第7次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 第1章 計画策定にあたって …1ページ 1 私たちにとっての地域福祉を考えてみよう!~地域福祉は私たちが主役~ 2 計画の位置付け 3 私たちがつくる地域福祉 第2章 現状と課題 …13ページ 1 私たちの地域をとりまく現状と福祉課題・生活課題 2 連携・協働・ネットワーク体制の問題 3 前計画の評価 第3章 計画が目指すもの …46ページ 1 基本理念 2 基本目標 3 基本目標を実現するために取り組むべき方向性 第4章 課題解決に向けた私たちの取り組みの展開…50ページ 1 計画の体系 2 具体的な取り組みの展開 ・取り組むべき方向性1 つながり支えあう地域をつくる~孤独・孤立の状態を生まない地域を目指す~ …52ページ ・取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」に寄り添い支える仕組みをつくる~支援を求めている人、手助けが必要な人を支える~ …76ページ ・取り組むべき方向性3 地域で活躍する多様な担い手を育む~人、場、活動、情報などの社会資源がつながる地域づくり~ …94ページ ・3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり …111ページ 第5章 計画の進行管理と評価 …114ページ 参考資料 …116ページ 第二編 名古屋市成年後見制度利用促進計画…163ページ   第一編 なごやか地域福祉2029 第4期名古屋市地域福祉計画・第7次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 主な略称 この計画では、以下の略称を用います。 名古屋市役所 (略称)市 ※名古屋市と表記した場合は、地名や地域的な範囲を指すものとします。 名古屋市社会福祉協議会 (略称)市社協 区社会福祉協議会 (略称)区社協 アンケート名と説明 この計画で掲載しているアンケート名とその内容は、以下のとおりです。 ○市政アンケート 無作為抽出した18歳以上の市民2,000人を対象にしたアンケート調査です。令和5年10月に実施しました。 ○団体等へのアンケート 地域福祉推進協議会、策定懇談会関係団体、社会福祉法人、NPO法人、ボランティア団体、商店街(名古屋市商店街振興組合連合会会員)、企業、市内大学を対象にしたアンケート調査です。令和5年11月に実施しました。 ○相談支援機関等へのアンケート 団体等へのアンケートに併せて実施したアンケート調査で、対象は、いきいき支援センター、障害者基幹相談支援センター、仕事・暮らし自立サポートセンター、地域子育て支援拠点、子育て総合相談窓口、エリア支援保育所、民生委員・児童委員です。   1ページ 第1章 計画策定にあたって 1私たちにとっての地域福祉を考えてみよう 地域福祉は私たちが主役 (1)「地域福祉」とは何でしょうか?地域には、年齢や性別、障害の有無、国籍などの特性や背景が異なる様々な人々が、それぞれ異なった生活環境の中で暮らしています。また、同じように多様な人々が、それぞれ異なる理由で地域を訪れ、地域の中で時間を過ごしています。つまり、個々の生活環境やライフスタイル等によって地域との関わり方は異なりますが、私たちの誰もが少なからず、生活の拠点として、地域で暮らしを送っているということになります。その普段暮らしている地域で、誰もが安心して暮らせるように、私たち一人ひとりがお互いに協力しあうという考え方が「地域福祉」です。 日常生活を送るうえで、困りごとやそれに伴う悩みや不安は誰もが持ち得るものですが、時代とともに核家族化が進み、ご近所づきあいが薄れる中で、かつては家族や親戚、隣近所や知人で助けあって解決できていた困りごとであっても、今日では解決が難しいことも増えてきています。その結果、ひとりで困りごとを抱え込んでしまったり、知らず知らずのうちに問題が深刻化したりしてしまうケースも多くなっています。 また、ちょっとした困りごとが積み重なって負担が大きくなることもあります。日々の生活の中で、身近に困っている人がいないか気にかけ、困っている人がいることに気が付いたら、同じ地域の一員としてその人のことを思いやり、自分に何ができるかを考えたうえで、困りごとに対して手を差し伸べる。そのように、互いに助けあい、支えあって暮らしていくことが大切です。 今、支える側と支えられる側に分かれるのではなく、誰もが役割を持ち、活躍できる地域共生社会の実現が求められています。 地域の誰もが生きがいや役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる、より豊かな地域社会を目指して、地域のすべての構成員が主体的に関わっていくこと。それが、私たちの目指す「地域福祉」です。 (2)「地域福祉」を進める主体は誰でしょうか?   2ページ 地域福祉を進める主体は、私たち地域のすべての構成員です。 従前の福祉は、一部の限られた社会的弱者に対して行政等が中心となり、経済的な支援や各種の福祉サービスを提供し、セーフティネットとしての機能を果たすことと考えられがちでした。それが時代の変化とともに、普段の暮らしの中にある様々な福祉課題・生活課題を、私たち自身が積極的に把握したうえで、地域の問題として対応し、その結果、地域の活性化をも図っていくというように、福祉をまちづくりと関連付けて積極的に捉えるように変わってきました。今、少子高齢化や核家族化の進展、単身世帯や就労する高齢者及び外国人市民等の増加などの影響により、地域のつながりの希薄化や、孤独・孤立の状態にある人の問題が社会問題として顕在化しています。また、コロナ禍の影響により、人と人との接触機会の減少が長期化したことで、それらの問題が深刻化したと言われています。このような中、各地域や世帯、そして、個々人が抱えるニーズは多様化しており、その対応は、公的サービスだけでは十分ではありません。こうした地域の課題に対して、地域を構成する「私たち」全員が手を携えて、互いに役割を分担しながら、解決に当たることが求められています。 (3)なぜ計画を策定するのでしょうか? これまでに述べてきた地域課題に「私たち」が協力して取り組んでいくためには、先ず現状をしっかり把握するとともに、役割分担を明確にした上で、地域で気づいた課題をともに考え、それぞれが連携・協働しながら主体的に動くというように、地域福祉の方向性を指し示すものが不可欠と言えます。そこで、地域を構成する「私たち」全員を主体として、生活の場である「地域」に着目しながら、私たちが取り組む“連携・協働”の方向性を示すため、市民、地域福祉活動や市民活動の実践者、関係機関・団体等の意見を反映したうえで、本計画を策定しました。   3ページ 2 計画の位置付け (1)位置づけ 本計画は、市が作成する「地域福祉計画」と市社協が作成する「地域福祉推進計画」とを一体的に策定します。その意義は、地域福祉を推進する上で、市と市社協が果たす役割は極めて重要であり、互いの役割分担を明確にするとともに、計画の策定段階から意見を交換し合うことにより、実現性のある効果的な方策を共有し、連携・協働を図りながら地域福祉を推進していくことにあります。市社協は、社会福祉法に基づき、地域福祉を推進する役割を担うとともに、様々な福祉関係者による協議体であることを踏まえ、市が実施する地域福祉に関する施策について、幅広い考え方が反映されるよう努め、地域福祉活動がより有効的に取り組まれるよう必要な支援や調整を行います。市は、こうした市社協の意見や市民、地域福祉に関係する団体等への意見聴取の内容などを踏まえて、地域の実情を十分に把握したうえで、より具体的な支援方策の検討を進めます。 地域福祉計画は、市が策定する行政計画であり、地域福祉推進のための市の役割を明確にするとともに、地域福祉の目指すべき方向性を提示する目的を持っています。平成30年4月の社会福祉法の改正により、第107条第1項第1号及び第5号が加えられ、地域福祉計画の策定にあたっては、これらの事項を盛り込むことになっています。 社会福祉法では、以下のように規定されています 第107 条 市町村は、地域福祉の推進に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画(以下「市町村地域福祉計画」という。)を策定するよう努めるものとする。 一 地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事項 二から四は略 五 地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備に関する事項 名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画は、市社協が地域福祉を推進する団体であることを踏まえ、市域全体の地域福祉推進の方策を定める目的を持っています。市社協では、平成6年度に「名古屋市地域福祉推進計画」を策定して以降、第5次計画からは、地域福祉計画と一体的に策定しています。   4ページ (2)計画期間 令和7年度(2025年度)から令和11年度(2029年度)までの5か年とします。 (3)本計画における「地域(圏域)」の考え方 地域福祉を推進する上での「地域(圏域)」は、市・区・中学校区・小学校区(学区)・町内会・自治会等、多様な圏域が考えられ、一律に設定できるものではないと考えています。名古屋市では、学区区政協力委員会、民生委員・児童委員協議会、地域福祉推進協議会等の地域団体が小学校区を基本単位として活動しています。このことから、地域住民を中心に各種の地域団体とともに活動を広げていく場合には、小学校区の範囲を圏域として進めていくことが想定されます。一方で、町内会・自治会や小学校区等より狭い範囲での活動や、中学校区や区、市といったより広い範囲での活動が適している場合もあり、福祉課題・生活課題の内容や地域の実情に応じて柔軟に重層的な圏域を設定して地域福祉を推進していくことが必要です。 注釈 平成14年度以降に統合した小学校区については、多くの地域団体が旧小学校区を活動の基本単位としています。 活動やサービスが重層的に重なり合う圏域のイメージの図   5ページ (4)本計画と他の計画との関係 高齢者、障害者、児童、防災等の個別計画は、それぞれの分野における課題とそれに対応する行政施策の内容や事業量等を設定することに主眼を置いています。一方で、本計画は、名古屋市総合計画となごや人権施策基本方針を基礎として、各福祉分野の個別計画や関係するその他の計画との調和を図りながら策定するとともに、各福祉分野が共通して取り組むべき事項を定めています。このことを前提として、生活の場である「地域」に着目しながら、多様な福祉課題・生活課題、例えば、「人と人とのつながりが希薄化し、地域から孤立している人がいる」とか、「地域福祉の担い手が不足している」といった課題に対し、それらの解決を図るための、「私たち」が主体的に関わる地域福祉の基本的な方向性と方策を示す計画としています。また、本計画では、後述する第4章において方策として掲げている「様々な困りごとを包括的に受け止め支える仕組みづくり」を進めるための取り組みを具体的に規定する名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画、及び成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づく名古屋市成年後見制度利用促進計画との整合性を図ることで、より効果的に地域福祉を推進していくこととしています。 本計画と他計画との関係を表す図 なごや人権施策基本方針・名古屋市総合計画を基礎として、なごやか地域福祉2029と大2期名古屋市重層的支援体制整備事業実施計画、第2期名古屋市成年後見制度利用促進計画が、各福祉分野の個別計画、16区社会福祉協議会地域福祉活動計画、16区役所区将来ビジョンに、地域福祉の横串をさしていることを表しています。   6ページ (5)SDGsの理念を踏まえた計画の推進 本計画では、名古屋市総合計画と同様に、平成27年9 月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の理念を踏まえ、誰ひとり取り残さない持続可能なまちづくりの視点をもって、このSDGsを重要な目標として、市民、企業、NPOなど多様な主体に広く浸透を図り、計画の推進に取り組みます。 (6)人権を尊重した計画の推進 すべての人は、自分らしく人間としての尊厳を持って生きる権利を持っています。しかし、その一方で女性に対する不利益な扱いや暴力、子どもへの虐待やいじめ、高齢者・障害者への虐待、偏見や差別等が依然として社会的な問題となっています。また、特定の地域の出身であることやそこに住んでいることなどを理由に、日常生活や社会活動においていわれなき差別や不利益な扱いを受ける等の部落差別(同和問題)も解消されたとは言い難い状況にあります。他にも外国人市民等、自殺者・自死遺族、HIV感染者、刑を終えて出所した人、犯罪被害者、性的少数者等に対する偏見や差別の問題もあります。インターネット上では、個人の名誉やプライバシーの侵害等の問題も発生しています。本計画では、特定の人を偏見や差別によって地域社会から排除することのないよう、市民一人ひとり、すべての人の人権が尊重され、お互いに支えあい助けあえる地域づくりを目指すことを、最も大切な視点に据えて計画を策定しています。 (7)孤独・孤立対策に資する計画の推進 孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において誰にでも起こり得ます。孤独・孤立の状態にある人の問題が深刻化し、社会問題となっていることを受け、令和6年4月に「孤独・孤立対策推進法」が施行され、孤独・孤立の状態となることの予防、孤独・孤立の状態にある人の問題への迅速かつ適切な支援その他孤独・孤立の状態から脱却するための取り組みを進める必要があることが示されました。   7ページ 孤独・孤立の状態にある人の問題は社会全体の課題であり、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要であるという法の基本理念を踏まえ、計画の推進に取り組みます。 (8)地域ごとの実情に応じた計画の推進 各区におけるそれぞれの地域では、年齢構成や地理、生活環境などの違いにより求められているニーズ(需要)が異なり、地域福祉の取り組みもそれぞれに合った内容が望まれます。本計画では、市域全体で推進する地域福祉の方向性を示す一方で、こうした地域ごとの実情に応じた計画の推進が重要であると考えています。 〇各区役所 区役所は、地域に最も身近な行政機関として、区民の福祉の向上のために、重要な役割を担っており、その役割・方向性を示した「区のあり方基本方針」に基づき、地域の課題解決や区の特性に応じたまちづくりに住民とともに取り組む「住民に身近な総合行政機関」となることを目指すこととしています。また、各区では、「区将来ビジョン」や「区政運営方針」を策定しており、その中で区の将来像や取り組み等について定めています。本計画は、こうした各区における取り組みとの整合性を図りつつ、ともに連携して、地域の福祉課題・生活課題を解決するための方策を指し示すものとなることを意図しています。 ○各区社協 各区社協では、地域福祉活動計画(以下「活動計画」という。)を策定し、その計画に基づいて、区内における地域福祉の推進を図るための取り組みを進めており、平成16年度に策定して以降、第5次(令和6年度から10年度までの5か年計画)まで策定しています。この活動計画は、公募した区民や地域の団体・社会福祉事業者等を中心に検討され、区の特性に応じた個性ある地域福祉の推進を目指した内容となっています。本計画では、こうした区民等の声を反映させるため、16区の活動計画に盛り込まれている目標や方策との整合性を図るとともに、これらを市レベルで支援することを念頭において、全市的な地域福祉の推進策を示す計画として策定しています。   8ページ また、活動計画の策定及び策定後の取り組みについて、区役所が区社協を支援しながら、引き続き、区役所と区社協が連携・協働することができる体制づくりを進めます。 事例 各地域の実情に応じた地域福祉活動計画の策定 瑞穂区社協では、『わたしたちの「できること」は分かち合い、困った時には「助けて」と自然に言える、そんな支え、支えられる関係が当たり前にある瑞穂区』を目指し、地域の役員、ボランティア、専門職、企業、行政、小学生や障害のある本人、家族の意見を聴き、話し合いを重ね計画づくりを進めてきました。町内単位の地域福祉活動の推進や外出できる環境づくり、災害時における支援体制の整備などの取り組みを掲げ、第5次地域福祉活動計画「みずホッとプラン」が完成しました。   9ページ 3 私たちがつくる地域福祉 (1)多くの意見を取り入れた計画の策定 社会福祉法が定める地域福祉計画は、市が最終的な責任を負う行政計画ですが、その策定過程において、市民や地域に関わる様々な団体・関係機関の参加や協力がとりわけ欠かせない計画、換言すれば“参加それ自体が地域福祉計画”であると考えています。それは、『社会福祉の基礎となるのは、他人を思いやり、お互いを支え助け合おうとする精神である。その意味で、社会福祉を作り上げ、支えていくのはすべての国民である』(「中央社会福祉審議会社会福祉構造改革について」(中間報告)(平成10年6月))との考えに基づいているからです。このため、本計画の策定にあたっては、より多くの方の意見を反映し、また、協力を得ることができるよう、次のとおり取り組んできました。 策定段階 アンケート調査の実施:市民(無作為抽出)や関係団体、相談支援機関等に対してアンケート調査を実施 市民委員の参画:計画策定の委員として市民委員を登用 福祉現場の視察:地域福祉活動を視察し、実情についての意見交換 各区地域福祉活動計画:各区の区民等主体で策定された計画を踏まえた議論 情報公開段階 なごやか地域福祉ニュース:策定状況をお知らせするニュースを発行 ホームページでの情報提供:市公式ウェブサイトに策定状況を随時掲載 パブリックコメント:幅広い意見を反映させるために実施 地域福祉シンポジウム:計画を周知するためのシンポジウムを開催 以上を踏まえ、市民の意見を取り込みながら計画を策定   10ページ (2)大切な視点 「自助」「互助」「共助」「公助」 地域福祉を推進するためには、「私たち」が、それぞれの役割を果たし、お互いに力を合わせる必要があります。そのためには、次の4つの視点が大切だと考えています。 自助:自分自身や家族でできることは自ら解決を図る。 互助:自助だけでは解決できないことを、地域の中の助けあい、ボランティア活動、市民活動団体の活動など住民の自主的な活動で解決を図る。 共助:医療保険・介護保険・年金制度など被保険者による相互扶助で成り立っている制度で解決を図る。 公助:セーフティネットである生活保護制度など行政が行う公的なサービスを活用して解決を図る。 この「自助」、「互助」、「共助」、「公助」の4つの視点を福祉課題・生活課題の内容や地域の実情に合った形でバランスよく適切に機能させ、市民をはじめ地域に関わる様々な団体・関係機関、社協、行政等が連携・協働を図り、地域福祉を推進していくことが求められます。 厚生労働省 平成25年3月地域包括ケア研究会報告書から一部改変した図 (3)役割分担 地域福祉を推進するためには、「私たち」がそれぞれ置かれた立場や強みを活かした役割を担いながら連携・協働していくことが必要です。ここでは、「私たち」それぞれの役割について、基本的な考え方をまとめます。 ○市民の役割 家族や親族、ご近所同士など様々なつながりや思いやりを大切にするとともに、居住している地域だけでなく、仕事、学業等それぞれ日常生活を送る上で関わるすべての地域において行事や活動に積極的に参加・協力することが大切です。私たちは、地域福祉の成果を享受する受け手になりますが、ときには地域福祉活動に参加することで支え手にもなることができます。日常生活で交わすちょっとした挨拶や活動からの気づき、見守りを通じて、周りで困っている人がいたら、自ら「お互い様」の精神で手を差しのべることが大切です。   11ページ また、支援が必要になったときのために備えて、日頃から自分自身の生活や健康に目配りをしながら、自分でできることは可能な限り自分で行い、公的サービスの種類や内容、相談機関等の情報を把握しておくことが必要です。 ○地域活動団体等の役割 地域には、町内会・自治会や学区連絡協議会、地域福祉推進協議会、老人クラブ、子ども会、女性会、保護司会などが活動しています。また、区政協力委員、民生委員・児童委員、保健環境委員も幅広く活動をしており、地域の身近な存在として、地域に根ざした活動を進めていくことが期待されます。加えて、身体障害者相談員・知的障害者相談員も障害者の相談に応じ、必要な支援を行っています。また、地域で活動するボランティアグループやNPO等も地域の構成員として、その専門性を発揮しながら、多様化するニーズの担い手として大きな役割を担っており、今後もさらなる活躍が期待されます。 〇社会福祉法人の役割 社会福祉法人は、各福祉分野において、その専門性を生かし、法人が行う既存の福祉サービスに加えて、地域の様々な課題の解決、福祉ニーズへの対応に向け、より積極的な関与が期待されます。法的にも、地域における公益的な取り組みが求められています。 ○個々の商店や商店街・事業所・企業・大学等の役割 個々の商店や喫茶店、スーパー等は、地域住民にとって身近な生活利便施設です。また、各福祉事業所は、公的制度の一翼を担い、良質なサービスを提供していく役割を担っています。加えて、地域の企業や大学なども、地域を構成する重要な一員です。それぞれが、支え手として、より積極的な関わりが期待されます。 ○社会福祉協議会の役割 社協は、地域の中の様々な課題の解決に向けて、住民と地域にある住民組織、ボランティア団体、社会福祉施設、NPO等の関係者及び行政と協力して活動を進めている団体です。   12ページ 全国、都道府県、政令指定都市の区、市区町村で組織されており、名古屋市にも名古屋市社会福祉協議会と各区に区社会福祉協議会が設置されています。 市・区社協は、社会福祉法に「地域福祉の推進を図ること」を目的とする団体として位置づけられていることを踏まえ、地域福祉の「推進役」としての役割を果たします。地域住民の福祉への関心を高め、その自主的な取り組みを基礎とした活動を進めるとともに、公共性・公益性の高い民間団体としての特性を活かし住民のニーズに柔軟に対応します。 また、様々な福祉関係者による協議体であることから、そのネットワークを活かした活動を進めるとともに、多様な意見やニーズを集約し、地域住民や他の民間団体・企業等と市との「調整役」を果たします。 ○市(行政)の役割 市は、基礎的自治体として、住民の生命・財産・暮らしを守り、住民に最も身近な行政機関として、住民の日常生活に直接関わる分野で、良質な行政サービスを提供し、福祉基盤のさらなる充実や地域福祉を推進するための仕組みづくりなど重要な役割を担っています。一方で、行政だけでは解決しえない今日的課題が顕在化しており地域住民や社協、関係団体等が積極的に連携して、ともに解決策を考えることができる仕組みづくりに取り組みます。 社会福祉法では、以下のように規定されています 第6 条 国及び地方公共団体は、社会福祉を目的とする事業を経営する者と協力して、社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう、福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。 2 国及び地方公共団体は、地域住民等が地域生活課題を把握し、支援関係機関との連携等によりその解決を図ることを促進する施策その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めなければならない。 13ページ 第2章 現状と課題 1 私たちの地域をとりまく現状と福祉課題・生活課題 (1)地域でのつながりの希薄化と孤独・孤立の状態にある人の問題 いま何が課題となっているのか。 ① 今後も少子高齢化が進行し、高齢者単身世帯や高齢者夫婦のみ世帯が増加することが見込まれる中、孤独・孤立の状態に陥りやすい高齢者世帯が増加しています。 ② つながりの希薄化や孤独・孤立の状態にある人の問題は、孤立死、消費者契約のトラブル、生活困窮、ごみ屋敷、虐待などと結びつき、事態を複雑化、深刻化させる要因として社会問題となっています。 ③ 孤独・孤立の状態は、誰にでも生じ得る身近な問題であることを知り、周りの人と気にかけあう仕組みづくりや環境づくりが求められています。 ④ 大規模災害に備えた地域づくりや避難生活の備えが必要です。 課 題 ①今後も少子高齢化が進行し、高齢者単身世帯や高齢者夫婦のみ世帯が増加することが見込まれる中、孤独・孤立の状態に陥りやすい高齢者世帯が増加しています。 世帯構造の変化と孤独・孤立対策 令和5(2023)年10月1日現在、名古屋市の人口は232万8,170 人で、うち高齢者が占める割合は25.4%となっており、団塊ジュニア世代が高齢者となる令和22(2040)年に向けて増加する見込みである一方、14歳以下の子どもが占める割合は、同時点で12.1%となっており、今後少しずつ減少する見込みとなっています。 このように、今後も少子高齢化が進行する見通しである中、令和2(2020)年10月1日現在において、高齢者単身世帯及び高齢者夫婦のみ世帯は合わせて25万3,930世帯で、令和12(2030)年には、27万7,702世帯(全世帯の24.8%)まで増加すると推計されています。 さらに、高齢者とその子からなる世帯も、今後少しずつ増加していくと推計されています。孤独・孤立の状態に陥りやすい構造を持つ高齢者世帯が増加傾向にあることを踏まえ、孤独・孤立対策の推進が求められています。 14ページ 【図1】名古屋市の人口と世代構成を表すグラフから、平成27年度から令和22年度に向け0歳から14歳の割合が減少する見込みとなっています。65歳以上の割合、75歳以上の割合は今後も増加する見込みです。 【図2】名古屋市の世帯数と世帯構成を表すグラフから、平成27年度から令和22年度に向け高齢単身世帯割合及び高齢者夫婦のみ世帯割合の増加が見込まれます。さらに、高齢者とその子から成る世帯割合も少しずつ増加が見込まれます。   15ページ 課題② つながりの希薄化や孤独・孤立の状態にある人の問題は、孤立死、消費者契約のトラブル、生活困窮、ごみ屋敷、虐待などと結びつき、事態を複雑化、深刻化させる要因として社会問題となっています。 地域でのつながりの希薄化への対応 市政アンケートの結果【表1】によると、現状としては8割を超える人が「人と人とのつながりが薄い」という認識を持っています。また、前回調査時(平成30年度)と比較すると、最も選択した人が多かった選択肢は、「つながりが薄れてきている」から「以前からつながりは薄い」に変化しており、近所における人と人とのつながりが薄いという意識が定着化してしまっています。つながりが薄いと感じている背景には、地域のことが分からない、地域と関わる機会が乏しいなど地域への関心を抱くきっかけが不足していることが挙げられます。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、人と会う機会が減ったことで、つながりが薄れてきていると感じている人も多くいます。コロナ禍を経た意識や生活行動の変化も踏まえながら、地域への関心を高め、地域におけるつながりを深めていける取り組みを推進していくことが必要です。 市政アンケート結果 【表1】問 あなたは、ご近所(町内程度)の「人と人とのつながり」は、この5年間でどのようになっていると思いますか。 つながりが薄いという認識 今回調査82.9% うち、つながりが薄れてきている33.4% 以前からつながりは薄い 49.5% つながりが薄いという認識 前回調査84.2% うち、つながりが薄れてきている 43.7% 以前からつながりは薄い 40.5% 【図3】問 つながりが薄れてきた、または以前からつながりが薄いと思う理由は何ですか。(複数回答)(上位5件) ご近所に誰がいるのかわからなくなっているから 回答割合43.9%  仕事などにより、地域で過ごす時間が少なくなっているから 回答割合34.1%  地域行事がなくなるなど、ご近所とのつながりを持つ機会が少なくなっているから 回答割合33.0% 新型コロナウイルス感染症の影響で、人と会う機会が減ったから 回答割合30.6%  多世代の同居が減ったことなどにより、世代間のつながりが薄れているから 回答割合29.2%    16ページ 市政アンケートの結果【表2】によると、「顔があえばあいさつをする」程度の近所づきあいが望ましいと回答した割合が最も多いことがわかります。前回調査時では、「困ったときにお互い助け合う」程度の近所づきあいが望ましいと回答した割合が最も多く、地域住民の近所づきあいの程度に対する意識は低下しています。一方、近所づきあいの現状の回答結果と、望ましい近所づきあいの程度の回答結果の関係を見てみると(【表3】)、多くの人が、近所づきあいを現状より深めたいと考えていることが分かりました。このことから地域には、助け合いのあるご近所づきあいを望んではいるが助け合い活動にはつながっていない方が一定数いるものと推測されます。地域の中で困りごとを気軽に相談できる、または誰かの手助けができるといった住民主体の仕組みづくりが求められています。 【表2】市政アンケート結果 問 あなたは、ご近所(町内程度)の人と、どのようなつきあいをしていますか。(近所づきあいの現状) 問 あなたは、ご近所(町内程度)の「人と人とのつながり」について、どのような関係が望ましいと思いますか。(望ましい近所づきあいの程度) 困ったときにお互いに助け合う 現状6.2% 望ましい程度27.9% 助け合うまではいかないが、親しく話をする 現状9.4% 望ましい程度17.1% たまに立ち話や世間話をする 現状18.2% 望ましい程度17.6% 顔があえばあいさつをする 現状45.5% 望ましい程度32.9% ほとんどつきあいはない・特につながりを持つ必要はない 現状11.8% 望ましい程度3.1% ※「特につながりを持つ必要はない」の選択肢は、望ましい近所づきあいの程度を尋ねる設問にのみ設定。 【表3】近所づきあいの現状と望ましい近所づきあいの程度のクロス集計結果 現状の近所づきあいに対し、望ましい近所づきあいとしてより深い近所づきあいを求めていることを示している。   17ページ 孤独・孤立の状態がもたらす問題への対応 孤独・孤立の状態にある人の問題は、情報の不足や偏見・差別の存在、障害をはじめとした様々な特性や背景についての理解の不足など社会の環境によって、社会参加が制限されて引き起こされるとも言われています。困りごとが生じたときに誰かに助けを求めることなく本人やその家族だけで抱え込んでしまうと、日常生活を送る中で多くの困難をもたらすことにつながります。実際に、介護や子育てに関する悩みを誰にも相談することができず、孤独を感じている人がいます。この他にも、地域の中にはひきこもり状態にある人や地域との関わりを拒否する人、祖父母や親、きょうだいなど家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子どもや若者(ヤングケアラー)もいます。 また、文化の違いや言語の問題等で地域への参加のしづらさを抱えている外国人市民等もいます。市政アンケートでは、外国人市民等が多く住んでいる地域において、そのような共生の問題が多く発生していることがわかりました。【表4】 【表4】市政アンケートの結果 問 ご近所で問題になっていると思うことは何ですか。(複数回答)(「外国人などの共生の問題」を選択した人の割合上位3区) 選択割合の高い順 港区 14.3% 中区 12.5% 南区 11.9% 選択割合の低い順 西区 1.6% 中村区 1.6% 天白区 2.7% こうした孤独・孤立の状態にある人の問題は、虐待、孤立死、消費者被害トラブル、多頭飼育崩壊(多数のペットを飼育継続することが困難な状態)、ごみ屋敷、災害発生時の避難の問題、生活困窮などの社会的な課題に密接にかかわっており、事態を複雑化、深刻化させる要因ともなっています。孤独・孤立の状態となることを防ぎ、困ったときに誰もが支えあい助けあえる地域をつくる必要があります。 18ページ 課題③ 孤独・孤立の状態は、誰にでも生じ得る身近な問題であることを知り、周りの人と気にかけあう仕組みづくりや環境づくりが求められています。 身近な圏域での活動組織による地域に根差した活動の推進 名古屋市内のすべての小学校区に設置されている地域福祉推進協議会は、誰もが安心して暮らせる福祉のまちを目指して、住民が主体的に福祉活動を進めていくための組織です。地域のニーズ(需要)を的確に把握し、地域に根差した地域福祉活動を進めるには、住民主体の地域密着型である活動組織が必要です。 地域福祉推進協議会 <主な構成団体> 民生委員・児童委員、区政協力委員、保健環境委員、老人クラブ、女性会、子ども会、ボランティア、その他の福祉団体など <主な活動内容> 福祉に関する住民への啓発(ボランティア講座の開催、広報紙の発行等) 住民の相互理解を深めるための交流(ふれあい給食サービス、ふれあい・いきいきサロン活動等) 住民の困りごとの把握(住民福祉座談会、相談窓口事業等) さり気ない見守りや身近な場所での相談窓口、手助けを必要とする住民への支援(ふれあいネットワーク活動、地域支えあい事業等) 地域課題を受け止め、持続的に取り組むことができる住民主体の仕組みづくり 地域福祉活動を行っているボランティアグループやNPO、民生委員・児童委員などの団体等へのアンケート【表5】によると、孤独・孤立の状態となることを防止するためには、対象となる人の情報の把握、地域住民による日常的な見守りや助け合い活動等が求められています。 【表5】団体等(商店街・企業・大学を除く。)アンケート結果 問 地域において社会的孤立を防止するために特に何が必要だと思われますか。(複数回答)(上位3件) 閉じこもりがちな人や孤立しがちな人(世帯)の情報の把握 60.0% 地域住民による日常的な見守り、助け合い活動 53.1% サロンなどの地域住民の交流を促進する活動 50.8% 19ページ その一方で、同アンケート【表6】によると、見守り活動やサロン活動のうち、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により活動を中止・縮小したままとなっているところが残っていることがわかりました。そのような活動の再開を支援し、見守りや助けあい活動等を再興することが必要です。 【表6】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 現在、貴団体の活動地域で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、活動を中止・縮小していた活動のうち、やめてしまった活動や、再開できていない活動、縮小したままとなっている活動はありますか。 ある 37.3% ない 50.8% わからない 9.8% やめてしまった活動や、再開できていない活動、縮小したままとなっている理由(近いものを選択)(複数回答) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大につながる恐れがあるから45.7% 活動の担い手が減少したから 23.0% 新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の観点から、外部団体の受け入れを再開していないから14.8% 活動の場となる、住民が集まる行事などが、中止・縮小し、再開していないから13.6% 中止・縮小している間に、ノウハウが引き継がれなくなってしまったから13.6% 活動への参加者が減少したから 12.8% 活動の担い手のモチベーションが低下してしまったから 12.3% また、同アンケート【表7】によると、社会的孤立を防止する取り組みの障壁として、個人情報保護に関する意識の高まりや地域のつながりの希薄化により対象者が把握しづらいこと、見守りを拒否する人への対応が難しいことが多く挙げられています。地域における個人情報の共有のあり方についての整理を進めることも地域福祉活動の一環として捉え、地域住民の安心や命に関わる活動が妨げられないように個人情報の取扱い、管理について正しい理解を持ち、適切に共有していくことが大切です。 20ページ 【表7】団体等(商店街・企業・大学を除く。)アンケート結果 問 社会的孤立を防止するために、見守り活動などの取り組みを行うとしたら、特にどのような障害や問題点があると思われますか。(複数回答)(上位3件) 個人情報保護に関する意識の高まりにより、対象者の把握が難しい 65.9% 地域のつながりが薄れたことにより、対象者の把握が難しい 55.1% 見守りを拒否する人への対応 43.5% こうした課題を踏まえつつ、地域の困りごとを住民同士が協力して解決する力を高めるには、身近に相談できる人や場所の存在、あらゆる世代が担い手となる取り組み、地域団体やボランティア等との顔の見える関係づくり等が必要とされていることが団体等へのアンケート【表8】から分かります。 【表8】団体、相談支援機関等アンケート結果 問 地域の困りごとを住民同士が協力して解決する力を高めるためには、特に何が必要だと思いますか。(複数回答)(選択割合の高い選択肢上位5件) 地域福祉推進協議会の上位3件は以下です。 現役世代が担い手となるための取り組み、地域住民の福祉意識を高めるための取り組み、 身近に相談できる人や場所の存在 その他関係団体等の上位3件は以下です。 身近に相談できる人や場所の存在、地域団体やボランティア・NPOとの顔の見える関係づくり、地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信 相談機関等の上位3件は以下です。 身近に相談できる人や場所の存在、現役世代が担い手となるための取り組み、 地域団体やボランティア・NPOとの顔の見える関係づくり これらのアンケート結果から地域福祉活動を行っている団体等は、あらゆる世代の方々が、見守りやサロンなどの活動に参加することや地域課題に対応する団体との顔の見える関係を築くことが、地域の課題解決力向上につながると考えていることが分かります。このことは、様々なライフスタイルや生活環境でも参加できる地域福祉活動のあり方及び多様な主体の参画を含めた地域課題解決のあり方の検討を促すものであり、特定の人に負担が偏ることなく、誰もが役割を持ち、持続的に取り組むことができる住民主体の仕組みづくりが求められていると言えます。 21ページ 課題④ 大規模災害に備えた地域づくりや避難生活の備えが必要です。 大規模災害に備える地域ぐるみの取り組み 令和6年1月、能登半島において大規模な地震が発生し、能登半島を中心とした広い範囲に甚大な被害をもたらしました。文部科学省に設置された地震調査研究推進本部によると、南海トラフを震源とする大規模な地震(南海トラフ地震)の発生確率が今後30年以内で70~80%(40年以内で90%程度)と切迫度を増しており、名古屋市においても、人的な被害や建物の被害など大きな被害が想定されています。また近年、全国的に集中豪雨が多発していることを受け、風水害に関する自治体等からの防災情報を5段階の警戒レベルを用いて提供することで、住民がとるべき行動を直感的に理解しやすいものとし、自らの判断で避難行動をとることができる仕組みがつくられています。市では、「名古屋市災害対策実施計画」を策定し、地域防災力の強化、災害対応力の強化、災害に強いまちづくりの推進、防災人材育成の推進の4つの方針のもと、「防災の日常化による災害に強いまちづくり」に向けた施策を推進しています。 本計画と防災関係計画との関係 市においては、市域における防災対策の基本的な計画として、名古屋市防災会議において「名古屋市地域防災計画」を定めています。その個別計画として、近年の潮流・課題を踏まえ、本市が実施すべき災害対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「名古屋市災害対策実施計画」を策定しています。 本計画は、これらの計画の内容をもとに、地域福祉の視点から特に対応や配慮が必要と思われる課題と方策を示しています。  22ページ ●命を守るための助け合いの仕組みづくり 災害が発生したときに、日頃から近隣の住民同士が顔の見える関係を築いていと安否確認等が難しくなり、支援を要する人たちに手を差し伸べることもできない状況が想定されます。日常的な地域のつながりや必要な支援を届ける仕組みを充実させるなど、地域福祉を推進することそのものが、災害が発生したときの備えになります。そのうえで、備えをいっそう高めるため、地域住民による助け合いの仕組みを構築しておくことが必要です。 市政アンケートでは、地域で問題になっていることとして、「災害時の対応や防災対策」と回答した人の割合は、前回調査時(平成30年)に引き続き高く(【表9】)、地域住民の災害に関する問題意識の高さを表す結果となっています。 【表9】市政アンケート及び団体等アンケートの結果 問 ご近所で問題になっていると思うことは何ですか。(複数回答)(「災害時に備えた対応や防災対策」を選択した人の割合) 市政アンケート 17.2% 14選択肢中3位(前回1位) 団体等アンケート 34.3% 14選択肢中3位(前回1位) ●避難生活での二次的な被害の発生を防ぐ対応 東日本大震災や能登半島地震等の大規模災害では、災害による負傷の悪化または避難生活等における身体的負担による疾病により死亡する災害関連死が発生しており、こうした二次的な被害をいかに防ぐかが課題とされてきました。高齢者、障害者、乳幼児等には、より福祉的な配慮が必要とされることの理解を地域ぐるみで進め、避難所等での取り組みに活かしていくことが必要です。そのためには、必要な配慮について理解を進めるための周知・啓発を進め、避難所等の環境の整備や運用の改善を図るとともに、刻一刻と変化していく保健・医療・福祉のニーズを的確に把握し、支援に迅速に結びつけていく対応が求められています。 23ページ 2)支援が必要な人と必要な支援が結びついていないことの問題 いま何が課題となっているのか。 ① 地域でともに暮らす人の生活課題が多様化しています。 ② 支援が必要な状態でも、支援が届いていない人がいます。 ③ 生活課題の複合化等にともない、既存の支援の枠組みでは適切に対応できないことがあります。 ④ 権利擁護に関する相談支援のニーズは高水準で推移している一方、権利擁護についてよく知らない人が多くいます。 課 題 ① 地域でともに暮らす人の生活課題が多様化しています。 ●地域でともに暮らす人の多様な生活課題への対応 ひとり暮らし世帯の増加、非正規雇用の増加、外国人市民等の増加など生活をめぐる環境が大きく変化する中、孤独・孤立の状態にある人の問題が様々な生活課題と密接に関わっていることについては、13ページからの「地域でのつながりの希薄化と孤独・孤立の状態にある人の問題」で述べてきたとおりですが、生活していくうえで生じる課題は、地域での「暮らし」の全般に及んでいます。 生活困窮者の相談窓口である名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンターには、幅広い世代からの相談が寄せられています。(【図4】) 【図4】名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター相談実績 令和5年度年代別相談実績(3センター合計) 年代 相談件数 10代~20代、511件 10代は1%、20代は12% 30代 434件、11% 40代 518件、14% 50代 562件、15% 60代 363件、9% 70代 413件、11% 不明 1,054件、27% 合計 3,855件 24ページ さらに、市内には22,000人以上の人がひきこもり状態にあると推計されており(【表10】)、【図5】では、様々な人が住まいの確保に課題を抱えていることがわかります。 【表10】本市におけるひきこもり状態にある方の推計値(令和5年度名古屋市 生活状況に関する調査の結果) ひきこもり状態にある方の割合 15歳~39歳0.93% 40歳~64歳2.11% 市内推計数 15歳~39歳5,910人 40歳~64歳16,640人 合計推計数 約22,600人 【図5】令和5年度住まいサポートなごやにおける入居者相談実績(上位5件)(重複あり) 高齢者322件 生活保護世帯以外の低所得者269件 精神障害者133件 生活保護世帯120件 ひとり親世帯56件 このように、生活上の課題は日常生活の全般にわたり種々様々に存在しており、支援が届かず孤立したり、課題が深刻化したりしている可能性があります。 課 題 ② 支援が必要な状態でも、支援が届いていない人がいます。 ●必要な支援が届いていない人がいることの問題への対応 名古屋市には各種多様なサービス(制度や社会資源)がありますが、これらのサービスを適切に提供する体制が整っていたとしても、必要なサービスを利用しておらず支援が届いていない人たちがいます。例えば、様々な課題を抱えており、どこに相談してよいか分からない人や、利用できるサービスが分からない人などです。また、ひきこもり状態の人や、自身が抱えている問題を改善する意欲を失い、支援を受けることを勧めても拒否する人(セルフネグレクトなど)もいます。   25ページ そのような人たちにも支援を届けるには、既存の相談窓口や利用できるサービスなどについて、地域住民に分かりやすく周知するとともに、訪問による働きかけを行うことなどにより、支援が必要な人に支援を届ける体制を作ることが必要です。また、相談を受けた支援者・相談支援機関等が、他の分野に関する知識がなかったり、他の相談支援機関等やその支援内容が分からなかったりするために、必要な支援を届けるための連携がとれない場合があることから、支援者・相談支援機関等にも同様に、既存の相談窓口やサービスなどの情報を周知する必要があります。 課 題 ③生活課題の複合化等にともない、既存の支援の枠組みでは適切に対応できないことがあります。 ●既存の支援の枠組みでは、複雑な生活課題に適切に対応できないことがある問題への対応 地域住民が抱える課題は、介護、障害、子育て等にとどまらず、日常生活の全般にわたり種々様々に存在しています。分野の異なる複数の課題を同時に抱えている人や世帯、例えばダブルケアやヤングケアラー、8マル5マル問題への支援においては、分野別の支援の枠組みだけでは、課題の解決が難しいことがあります。 各相談支援機関等へのアンケート調査の結果では、多くの相談支援機関等が既存の公的制度やサービスでは対応できない相談を受けていることがわかりました。(【表11】および【表14】)その相談への対応として、「相談を受けた支援者自身で対応した」と回答された割合が、他の機関との連携や協働による対応の回答割合よりも高いものがあったほか、どの相談内容においても、「対応できなかった」という回答が一定程度ありました。(【表13】および【表16】)このように、個人や世帯が抱えるリスクが多様化する中で、制度のはざまの生活課題を支援者が引き受け、負担となっている可能性があり、また、支援者が相談を受けて生活課題を把握していても、既存の支援の枠組みでは対応できていないケースが存在しているなどの課題があるのが現状です。   26ページ 相談支援機関等へのアンケート結果、高齢者・障害者等からの相談対応について 問 高齢者や障害者などで日常生活に支障のある人やそのご家族から、介護保険や障害者総合支援法など既存の公的制度やサービスでは対応できない相談を受けたことはありますか。 【表11】相談を受けた経験の有無の回答割合 ある61.1% ない38.2% ※「回答なし」の回答割合を省略しているため、合計は100%にならない 問 それは、どのような内容のものでしたか。多くあった相談を次から選んでください。また、どのように対応されましたか。 【表12】多くあったと回答された相談内容の回答割合(複数回答)(上位5件) ゴミ出しや掃除 65.3%、近隣住民に対する苦情への対応 57.8%、外出支援(通院などの送迎含む) 57.2%、家の小修繕や庭の手入れなどの家の管理 50.3%、買い物の手伝い 48.0% 【表13】既存の制度やサービスでは対応できない相談への対応として回答された対応内容の回答割合(複数回答) ゴミ出しや掃除 他の相談関、サービスなどにつないだ38.9%、他の相談機関などと協力して対応した37.2%、地域の支えあいで対応した54.0% 家族・親族等と対応した26.5%、(回答者が)自分で対応した37.2%、特に対応しなかった・対応できなかった4.4% 近隣住民に対する苦情への対応 他の相談関、サービスなどにつないだ36.4%、他の相談機関などと協力して対応した53.2%、地域の支えあいで対応した9.1%、家族・親族等と対応した14.3%、(回答者が)自分で対応した62.3%、特に対応しなかった・対応できなかった6.5% 外出支援(通院などの送迎含む) 他の相談関、サービスなどにつないだ44.4%、他の相談機関などと協力して対応した34.3%、地域の支えあいで対応した28.3%、家族・親族等と対応した30.3%、(回答者が)自分で対応した41.4%、特に対応しなかった・対応できなかった13.1% 家の小修繕や庭の手入れなどの家の管理 他の相談関、サービスなどにつないだ46.0%、他の相談機関などと協力して対応した21.8%、地域の支えあいで対応した49.4%、家族・親族等と対応した17.2%、(回答者が)自分で対応した16.1%、特に対応しなかった・対応できなかった9.%2 買い物の手伝い 他の相談関、サービスなどにつないだ41.0%、他の相談機関などと協力して対応した26.5%、地域の支えあいで対応した42.2%、家族・親族等と対応した25.3%、(回答者が)自分で対応した38.6%、特に対応しなかった・対応できなかった6.0% 27ページ 子育て世帯からの相談対応について 問 子育て世帯から、既存の公的制度やサービスでは対応できない相談を受けたことはありますか。 【ひょう14】相談を受けた経験の有無の回答割合 ある 33.4% ない64.2% ※「回答なし」の回答割合を省略しているため、合計は100%にならない 問 それは、どのような内容のものでしたか。多くあった相談を次から選んでください。また、どのように対応されましたか。(複数回答) 【表15】多くあったと回答された相談内容の回答割合(複数回答)(上位5件) 子どもの発育・発達についての相談 55.5%、急用時やリフレッシュのための一時預かり 49.2%、子どもとの関わり方・しつけについての相談 47.7%、保護者同士の交流・仲間づくり 39.1%、保護者自身の精神状態に関すること 39.1% 【表16】既存の制度やサービスでは対応できない相談への対応として回答された対応内容の回答割合(複数回答) 子どもの発育・発達についての相談 他の相談機関、サービスなどにつないだ59.2%、他の相談機関などと協力して対応した52.1%、地域の支えあいで対応した15.5%、家族・親族等と対応した8.5%、(回答者が)自分で対応した45.1%、特に対応しなかった・対応できなかった2.8% 急用時やリフレッシュのための一時預かり 他の相談機関、サービスなどにつないだ73.0%、他の相談機関などと協力して対応した19.0%、地域の支えあいで対応した7.9%、家族・親族等と対応した12.7%、(回答者が)自分で対応した22.2%、特に対応しなかった・対応できなかった20.6% 子どもとの関わり方・しつけについての相談 他の相談機関、サービスなどにつないだ29.5%、他の相談機関などと協力して対応した44.3%、地域の支えあいで対応した19.7%、家族・親族等と対応した14.8%、(回答者が)自分で対応した55.7%、特に対応しなかった・対応できなかった1.6% 保護者同士の交流・仲間づくり 他の相談機関、サービスなどにつないだ34.0%、他の相談機関などと協力して対応した26.0%、地域の支えあいで対応した54.0%、家族・親族等と対応した4.0%、(回答者が)自分で対応した48.0%、特に対応しなかった・対応できなかった8.0% 保護者自身の精神状態に関すること 他の相談機関、サービスなどにつないだ40.0%、他の相談機関などと協力して対応した60.0%、地域の支えあいで対応した10.0%、家族・親族等と対応した16.0%、(回答者が)自分で対応した36.0%、特に対応しなかった・対応できなかった4.0% 28ページ また、コロナ禍の長期化で、もともとの問題が深刻化・複雑化してしまったという人や世帯も少なくありません。本市ではこれらの状況に対応するため、地域包括ケアシステムの理念を継承しつつ、複雑化・複合化したニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、令和4年度より「包括的相談支援チーム」を4区に配置し、「重層的支援体制整備事業」に取り組みはじめました。令和6年度にはチームの配置を全区に拡大し、取り組みを進めています。 地域包括ケアシステムとは、高齢期に医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域でその能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、在宅医療・介護連携、認知症施策、介護予防、生活支援、住まいが包括的に確保される体制。名古屋市では、区ごとに取り組みを進めています。 重層的支援体制整備事業とは、分野別の支援体制では対応しきれない「地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズ」に対応する包括的な支援体制を構築するため、既存の支援の取り組みを活かし、「属性を問わない相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施するものです。 本市では、相談支援機関等において、相談内容に担当分野以外の内容が含まれていた場合も、まずは一旦受け止め、他の相談支援機関等と連携して対応することとしています。連携で対応が難しい場合は、各区に設置した「包括的相談支援チーム」が支援のコーディネートを行い、多機関協働を支援します。さらに自ら支援を求められない世帯等に対しては、地域住民等から情報提供をいただき、チームが訪問等を重ね、必要な支援につなぐとともに、社会参加に向けた支援や社会資源の拡充を図ります。この事業の実施を通じて、誰一人取り残さない地域共生社会の実現を目指しています。 包括的相談支援チームとは、本市においては、区ごとに社会福祉士、精神保健福祉士等の資格を有する専門職6名で構成され、委託により設置しています。   29ページ 取り組みを進める中で、「包括的相談支援チーム」が対応した相談ケースでは、1ケースあたり平均3件以上の生活課題を抱えており、8マル5マル問題を抱えていたり、経済的困窮、障害(疑いを含む)等、病気・けが、ひきこもり状態等に関する問題を抱えていたりすることが多いことがわかりました。一方で、対応した相談ケースのうち、地域住民から寄せられた、支援が届いていない人に関する相談は多くなく、必要な支援につながっていない人へ、いかに支援を届けるかが課題となっています。そのためには、「重層的支援体制整備事業」の取り組みを一層進めるとともに、多様な相談体制づくりや訪問による支援など、支援を必要としている人に寄り添った「包括的な相談支援」をさらに充実させていくことが求められています。 課 題 ④ 権利擁護に関する相談支援のニーズは高水準で推移している一方、権利擁 護についてよく知らない人が多くいます。 ●判断能力が不十分な人などの権利侵害への対応 障害や認知症などの理由により、判断能力が不十分であると、生活上の 困りごとが生じても、自分でそれを解決する方法を見出すことが困難な場 合が多く、また、財産の侵害などを受けるといったケースも少なくありません。 近年、こうした問題に孤独・孤立の状態にある人の問題が重なり、高齢者等の消費者被害が増加し、被害額も高額になってきています。また、多重債務など消費者トラブルに巻き込まれる背景には、生活困窮の問題が絡んでいる場合もあります。   30ページ その地域で暮らしている誰もが、自分らしい生活を送るためには、権利擁護や意思決定の支援について、私たち自身も理解を深める必要があります。 【図6】「意思決定支援」についての理解(令和5年度成年後見制度実態調査の結果) 問 「意思決定支援」についてその内容をご存じですか。 全体 よく知っている7.5% 知っている39.8% あまり知らない39.4% 全く知らない12.8% 支援者 よく知っている6.6% 知っている46.7% あまり知らない40.4% 全く知らない6.2% ご家族 よく知っている3.7% 知っている21.6% あまり知らない42.9% 全く知らない29.8% 受任者 よく知っている24.3% 知っている50.9% あまり知らない22.5% 全く知らない2.3% 支援者とは、判断能力が不十分な人への支援に関わる、相談支援機関、施設、医療機関等です。 ご家族とは、認知症の人や知的障害、精神障害のある人のご家族です。 受任者とは、成年後見人等として活動している弁護士、司法書士、社会福祉士等です。 ●高齢者、障害者、児童に対する虐待や配偶者に対する暴力への対応 日頃からの近所づきあいの中で、困ったことを相談し合ったり、相談先の情報を交換したりすることが、虐待や暴力の予防になることもあります。しかし、地域のつながりの希薄化や核家族化の進行に伴い、身近に介護者や子育て中の親をサポートする人が少なくなっている中、高齢者、障害者、児童に対する虐待の危険性が高まっています。また、配偶者からの暴力によって重大な人権侵害が発生している問題も起きています。【表17】をみると、虐待や配偶者に対する暴力に関する相談が依然として多く寄せられていることから、このような問題を地域で発見した場合には、迅速に適切な相談窓口や支援につなぐことが必要となります。   31ページ また、配偶者からの暴力によって重大な人権侵害が発生している問題も起きています。【ひょう17】をみると、虐待や配偶者に対する暴力に関する相談が依然として多く寄せられていることから、このような問題を地域で発見した場合には、迅速に適切な相談窓口や支援につなぐことが必要となります。 【表17】虐待等の相談支援機関における対応状況 令和5年度実績 高齢者虐待相談件数 713件 障害者虐待相談件数 383件 児童相談所における児童虐待相談対応件数 3,490件 配偶者に対する暴力被害の相談件数 10,107件 児童相談所における児童虐待相談対応件数は、新規受付相談への対応件数。 32ページ (3)地域福祉活動への参加と多様な担い手確保の問題 いま何が課題となっているのか。 ① コロナ禍により、地域福祉活動が減少し、担い手確保がこれまで以上に困難になっています。 ② 社会福祉法人や商店、企業等に地域福祉活動の担い手としての役割が求められています。 課題① コロナ禍により、地域福祉活動が減少し、担い手確保がこれまで以上に困難になっています。 担い手不足の深刻化への対応 高齢者単身世帯等の割合が増加し、地域のつながりが希薄化する中、団体等へのアンケート【表18】では、幅広い種別の団体等から、地域で活動をする際に活動の担い手や運営スタッフが不足していたり、固定化したりしていることが問題となっていると回答がありました。 【表18】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 地域で活動をする時にどのような障害や問題点がありますか。(複数回答) 「活動の担い手や運営スタッフ不足」と回答した割合 全体 67.1% 推進協 67.3% 社会福祉法人 86.0% NPO法人 66.7% ボランティア 60.6% 「活動の担い手や運営スタッフの固定化」と回答した割合 全体 41.5% 推進協 56.1% さらに、【表19】では、コロナ禍で中止縮小し、再開できていないまたは縮小したままとなっている活動が「ある」と回答した団体が3割以上あり、その理由については、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大につながる恐れがあるから」が45.5%と最も多く選択されています。一方、「活動の担い手が減少したから」「中止・縮小している間に、ノウハウが引き継がれなくなってしまったから」「活動の担い手のモチベーションが低下してしまったから」 等の回答も一定数あり、新型コロナウイルス感染症が活動の担い手の確保にも大きな影響を与えたことがわかりました。   33ページ 【表19】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 現在、貴団体の活動地域で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、活動を中止・縮小していた活動のうち、やめてしまった活動や、再開できていない活動、縮小したままとなっている活動はありますか。 ある 37.3% ない 50.8% わからない 9.8% やめてしまった活動や、再開できていない活動、縮小したままとなっている理由(近いものを選択)(複数回答) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大につながる恐れがあるから 45.5% 活動の担い手が減少したから 23.0% 新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の観点から、外部団体の受け入れを再開していないから14.8% 活動の場となる、住民が集まる行事などが、中止・縮小し、再開していないから13.5% 中止・縮小している間に、ノウハウが引き継がれなくなってしまったから13.5% 活動への参加者が減少したから 12.7% 活動の担い手のモチベーションが低下してしまったから 12.3% これらのことから、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、地域住民が福祉活動に触れる機会や学ぶ機会が減少し、現在及び将来に向けての地域福祉活動の担い手確保の問題が一層深刻化したことが推察されます。 あらゆる世代・多様な主体への働きかけ 地域で行われている様々な地域活動団体やボランティアグループ、NPOによる多様な助けあい活動に、地域住民が参加する機会を増やす仕掛けが必要です。20ページの団体等へのアンケート結果【表8】では、住民同士が協力して解決する力を高めるために必要なこととして、幅広い年代が新たな担い手となることや、地域福祉ニーズに対応する団体の情報が、地域住民へわかりやすく適切な方法で発信されることが求められていることがわかります。 【興味やライフスタイル等に応じた地域福祉活動の参加促進】 市政アンケート結果【表20】では、地域活動への参加意思として「条件が合えば参加したい」と回答された割合が最も多く、一人ひとりがもつ興味やライフスタイル等に応じた活動の場があることが必要になります。   34ページ 【表20】市政アンケート結果(再掲) 問 あなたは、地域での活動への参加についてどのようにお考えですか。 条件が合えば参加したい49.3%  参加したくない18.7%  わからない27.0% 問 あなたはどのような条件であれば担い手として地域での活動に参加したいと思いますか。(上位5件)(複数回答)(「条件が合えば参加したい」と回答した人への設問) 興味のある活動内容であること 64.3% 経済的な負担がないこと 49.3% 休日の活動など、時間的に可能であること 43.5% 一緒に活動する知人・友人がいること 36.8% 身体的な負担がない事 36.4% 地域福祉活動における「担い手」を増やすには、担い手になっていただくことを単に呼びかけるだけではなく、地域の中では、高齢者、障害者、子どもといった世代や背景に関わらず、誰もが生きがいや役割を見出しながら活躍できることの意識醸成を図る必要があります。特に子ども・若者については、地域活動への参加等を通じて地域社会の一員として育まれるとともに、地域福祉活動の担い手となっていただくことが期待されるところです。【表21】の結果から、コロナ禍により地域活動に参加する機会が著しく減少した期間があったことを踏まえれば、地域福祉活動への参加はハードルが高いものになっている可能性があります。大学等学校や勤め先の企業等の理解や協力を得てアプローチを行うなどの工夫が必要となります。 【表21】市政アンケート結果 問 あなたは、現在又はこれまでに地域での活動(地域で活動するボランティア・NPO活動を含む)に担い手(お手伝い含む)として参加したことが ありますか。 全体 ある24.9% ない70.2% 10歳代から20歳代まで ある11.1% ない83.3% 30歳代から50歳代まで ある20.6% ない78.4% 60歳代以降 ある31.0% ない60.7% ※「回答なし」の回答割合を省略しているため、合計は100%にならない   35ページ 課題② 社会福祉法人や商店、企業等に地域福祉活動の担い手としての役割が求められています。 社会福祉法人等の専門性を活かした支援の必要性 平成28年4月1日、「社会福祉法等の一部を改正する法律」が施行され、社会福祉法人の地域における積極的な地域貢献が求められています。こうした国の動向を踏まえ、社会福祉法人は、地域における公益的な取り組みを実施する必要があります。さらに、団体、相談支援機関等へのアンケート結果【表22】では、住民同士が協力して問題解決する力を高めるには、専門機関のアドバイスや地域貢献活動への参加が必要と考えている団体等が一定数あることがわかります。社会福祉法人等のさらなる活躍が期待されます。 【表22】団体、相談支援機関等へのアンケート結果 問 住民同士が協力して問題解決する力を高めるには、特に何が必要だと思いますか。(複数回答) 社会福祉法人(福祉施設等)、商店や企業等の地域貢献による支援23.3% 専門機関(専門職)のアドバイス 21.3% 商店や企業等への新たな役割の期待 団体等へのアンケートの結果【表23】、【ひょう24】では、地域との関わりをつくっていきたいと考えている商店や企業等の割合は高く、実際に地域福祉活動をするための環境整備や活動への参画を進めるための取り組みが求められています。 【表23】団体等へのアンケート結果 問 貴法人(組合)では、地域との関わりについて、どのようにお考えですか。 地域で催される祭りなどの行事に参加する等、地域との関わりをつくっていきたい  全体61.8% 商店街75.0% 企業38.5% 地域住民が行う福祉的な活動に、必要な場所や物を提供していきたい  全体30.6% 商店街28.1% 企業30.8% 例えば、配達の最中に見守りを行うなど、日頃の本来業務に付随して貢献できることがあれば、協力をしていきたい 全体23.6% 商店街28.1% 企業30.8%   36ページ 【表24】団体等へのアンケート 問 貴法人(組合)が地域活動や社会貢献活動などを行う上で、どのような支援があればよいと思いますか。(複数回答) 「支援を必要としている地域や内容の情報提供」全体 61.1% 商店街56.3% 企業57.7% 活動の場所や活動資金等の問題への対応 地域福祉活動を行うための場所や活動資金を確保することが、活動者にとって負担の一つになっています。団体等へのアンケートの結果【表25】では、団体の種別によって意識の程度の差はみられますが、活動を行う場所を探したり、活動資金の調達に苦労したりしている団体があることがうかがえます。さらに、地域福祉活動を行う上で、活動者同士が情報交換のできる場や機会の提供を求めている団体も多いことが分かります。(【表26】)そうした団体の地域福祉活動への参加を促進するための取り組みが必要です。 【表25】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 団体が地域で活動をする時にどのような障害や問題点がありますか。(複数回答) 「活動資金の調達」を選択した回答割合 推進協13.7% 社会福祉法人30.2% NPO55.6% ボランティアグループ25.4% 「活動場所の確保」を選択した回答割合 推進協4.4% 社会福祉法人18.6% NPO11.1% ボランティアグループ21.1% 【表26】団体等へのアンケート結果 問 貴団体が地域活動や社会貢献活動などを行う上で、どのような支援があればよいと思いますか。 「活動を行っている法人同士の情報交換会の開催や事例集等の作成」を選択した回答割合 社会福祉法人37.2% NPO44.4% 商店街28.1% 企業30.8% 37ページ 地域福祉活動等の現場視察より 本計画の策定にあたっては、地域福祉活動等の現場を訪問し、活動者の方々と意見交換を行いました。 住民の地域福祉活動 豊臣学区地域福祉推進協議会 参照ページはP54 住民の地域福祉活動 まるいけスマイル 参照ページはP58 多様な担い手 つなしょ 参照ページはP100 多様な担い手 大学生による団地コミュニティの活性化 参照ページはP100 相談支援機関 名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター金山、住まいサポートなごや 参照ページはP84 生活困窮者支援 ささしまサポートセンター 参照ページはP58 障害関係機関のネットワーク 北区精神保健福祉ネットワーク「メンタルネットきた」 参照ページはP96 本計画では、活動現場から分かった次の実態を踏まえて策定しています。 中村区の「豊臣学区地域福祉推進協議会」では、地域のニーズ(需要)に応え、令和5年度にサロンを開設しました。地域に寄り添った活動が熱心に継続して行われていることがわかりました。 港区の「まるいけスマイル」は、地域住民が問題意識を持ち、日本語教室として開設されました。今では、遠方から通う子どももいるほど、多くの外国人市民等の子どもの居場所となっています。 守山区の「つなしょ」は、様々な人が集まりつながることができる場所として、子ども食堂やフードパントリーを行っています。幅広い世代の人たちの居場所、活躍の場となっています。 中川区の市営住宅万場荘では、団地コミュニティの活性化を目的とした市営住宅への学生入居事業を実施しています。今後も地域における若者の活躍が期待されていることが確認できました。   38ページ 「名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター金山」では、複合的な課題や制度の狭間の問題を抱えるケースについて、オーダーメイドの支援を行っています。住まいサポートなごやでは、入居をサポートするとともに、居住支援活動のネットワークづくりを進めています。 中村区の「ささしまサポートセンター」では、生活困窮者がその人らしい生活を営めるよう、個々に寄り添いながら様々な事業を展開しています。当事者の方が多くのボランティア活動を行い、支え手として活躍しています。 北区精神保健福祉ネットワーク「メンタルネットきた」は、「誰もがこころ健やかに暮らせるまちづくり」を目指し、定期的な情報交換や課題の検討会を行い、ネットワークを活かした活動を続けています。 39ページ 2 連携・協働・ネットワーク体制の問題 本章で取り上げてきた共通の課題として、連携・協働・ネットワーク体制の強化があげられます。 ●顔の見えるつながりと地域・分野を超えた連携・協働 昨今、地域住民が主体的に地域課題を把握する取り組みが求められていますが、地域で把握した課題は、住民だけで解決できないものも少なくありません。専門の相談支援機関の関わりが必要なときに、速やかにつながることのできる地域住民や専門職等相互の関係づくりが日頃から大切になります。 とりわけ、分野を超えた支援が必要であるケースや対応できる機関が分からないケースでは、各相談支援機関が連携して支援にあたることが必要です。 26、27ページの相談支援機関等へのアンケートの結果【表11】【表14】では、既存の制度やサービスでは対応できない相談に対しては、連携や協働により対応したという回答がある一方、回答者が自分で対応した、あるいは相談に対応できなかった・しなかったというケースも一定あることがわかりました。 この要因としては、援助を求められた事柄に対し、周りに適切に対応できるサービスや活動団体が一つも存在しなかったという可能性や、そもそも制度が想定していない問題であったという可能性もあるでしょう。 しかし一方で、対応できるサービスや活動団体が存在しているにも関わらず、相談支援機関等がそうした情報や活動団体の存在を知らなかったがゆえに、適切に連携・協働できず、結果として、相談を受けた相談支援機関等が抱えこんで負担を感じていたという意味や、十分な対応ができなかったという意味も含まれていると考えられます。 対応が難しいときこそ、多くのつながりの中から適切な支援を選び、連携・協働しながら対応すること、つまり支援のネットワークによって対応することが求められます。そのためには、相談支援機関等が公的なサービスをはじめ、その他の支援(インフォーマルサービス)や地域の社会資源の情報を十分把握し、必要に応じて速やかに連携・協働することができる関係を作ることが必要です。   40ページ 3 前計画の評価 なごやか地域福祉2020(第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 ■計画期間 令和2(2020)年度から令和6(2024)年度までの5年間 ■評価 「なごやか地域福祉2020」では「地域福祉に関する懇談会」を開催し、進行管理・評価を行いました。主な成果と課題は次のとおりです。なお、実績値は、新型コロナウイルス感染症対策の措置として令和2年4月に1回目の緊急事態宣言が発令され、令和5年5月に感染症法上の分類が5類感染症となったことを踏まえ、令和元年度→令和2年度→令和5年度となっています。 取り組むべき方向性1 つながり支えあう地域をつくる 【主な成果】 〇地域共生社会の実現を目指し、地域での住民交流・ふれあい・助けあい活動を促進し活性化を図るとともに、多様な見守り体制の充実に取り組みました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 ふれあい・いきいきサロン設置・把握数1,903か所1,962か所2,150か所 ふれあいネットワーク活動実施学区数 104学区 106学区 103学区 ふれあい給食延べ参加者数93,988人53,483人94,824人 コミュニティワーカーの地域福祉推進協議会からの相談対応件数525件 474件 512件 はいかい高齢者おかえり支援事業サポーター数 7,943人 8,116人 8,031人 見守り支援員の延べ訪問件数 7,105回 6,048回 6,137回 世話焼き活動実人数(青少年育成市民会議)35,115人27,033人29,177人 赤ちゃん訪問事業訪問件数 9,147件 6,251件 7,851件   41ページ 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 高齢者見守り協力事業者登録数 1,561件 1,566件 1,613件 地域支えあい事業実施学区 93学区 94学区 108学区 ボランティアポイント総付与数 502,649ポイント 407,257ポイント 552,635ポイント コミュニティワーカーによる相談支援件数 3,456件 3,233件 3,361件 助け合いの仕組みづくり実施自治会(町内会等) 91.3% 91.9% 93.3% 災害ボランティアコーディネーター累計受講者数1,413人 1,482人 1,730人 福祉避難所のか所数 132か所 150か所 228か所 ○市と市社協において、身寄りのない高齢者の生前の見守りと、死後の手続きのサポートを行う、エンディングサポート事業を開始しました。 【課題】 新型コロナウイルス感染症拡大の影響下においても、着実に実績を伸ばした事業もあり、また感染拡大防止に配慮した新たな実施方法を工夫しながら、各事業に取り組みました。地域の見守り活動に関する事業等、5類感染症に移行して以降もなお以前の水準まで回復できていない取り組みを活性化するためには、活動者への支援を行うとともに、引き続き、高齢者、障害者、子育て世帯など多様な住民が相互理解を深め、ともに生きるための取り組みの創出や、住民の主体的な地域課題の把握と解決に向けた取り組みの推進を支援する必要があります。 取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」を支える仕組みをつくる 【主な成果】 〇専門相談窓口の周知を図るとともに、地域の身近な相談の場として地域支えあい事業の住民相談窓口の開設を支援し、相談窓口や公的サービスの利用促進を図りました。   42ページ 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 いきいき支援センターの相談実績 53,975件 52,169件56,947件 障害者基幹相談支援センター相談実績 56,187件 61,236件 71,075件 子育て総合相談窓口相談実績 74,411件 69,158件 64,159件 仕事・暮らし自立サポートセンター相談実績 3,837件 18,924件 3,855件 ウェブサイト「こころの絆創膏」月平均アクセス数21,472件 20,615件 23,354件 〇包括的な相談支援体制の構築に向け、令和4年度から4区に包括的相談支援チームを設置し、多機関協働支援や訪問等によるアウトリーチ等を通じた継続的支援、社会参加に向けた支援、地域づくりの取り組みなどを行う重層的支援体制整備事業を開始しました。令和6年度からは全区で事業を実施しています。 〇高齢者や障害者、低所得者など住まいの確保に配慮を要する人が安定的に住まいを確保できるよう支援する取り組みを進めました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 民間賃貸住宅入居相談件数 52件 63件 125件 〇福祉的支援等を必要とする犯罪をした人等を各種行政サービスに適切につなぐ「名古屋市立ち直り支援コーディネート機関運営事業」を開始しました。 〇判断能力が不十分な人等への権利擁護の取り組みや虐待相談支援を行いました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 障害者・高齢者権利擁護センター相談、金銭管理・財産保全サービス生活相談件数 25,191 件31,498件 25,172件 新規契約者数 303人 238人 268人 契約者数(年度末) 1,433人 1,461人 1,460人   43ページ 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 成年後見あんしんセンターによる成年後見制度の利用促進に取り組み成年後見あんしんセンター出前講座受講者数 3,754人 3,231人 2,525人 市民後見人受任件数(累計) 54件 59件 74件 法人後見センターなごやかぽーとにおける法人後見受任件数※()はうち新規70件(6件)77件(7件)88件(3件) 消費生活センターにおける見守り支援講座受講者数※令和5年度は出張講座804人 461人1,560人 高齢者、障害者、児童に対する虐待相談対応件数 4,632件 4,738件 4,586件 児童相談所から区役所への事案送致件数 448件 718件 1,049件 配偶者暴力相談支援センターDV相談件数 9,742件 12,292件 10,107件 【課題】 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、対面による支援が抑制されたり、集合形式での研修等が制限されたりすることで、必要な支援に支障をきたすこともあり、多くの取り組みが影響を受けました。そのような状況の中、必要な支援が途切れないよう、実施方法を工夫するなどしながら取り組みが進められました。長く続いた感染拡大の影響により、生活課題が顕在化したり、深刻化・複雑化したりした人や世帯が少なくない状況に対応するためには、今後も引き続き既存の相談窓口の拡大や周知を図るとともに、複合的な課題を抱える人や世帯等への支援体制のさらなる強化のため、相談支援機関同士の連携による支援の推進や、包括的な相談支援体制の充実が必要です。また、高齢者、障害者、児童に対する虐待や配偶者への暴力についての相談実績が高水準で推移していることに鑑み、市民後見人、法人後見など障害者や高齢者の権利擁護の取り組みを引き続き進め、誰もが自分の意思を尊重され、自分らしく生活できるための取り組みを推進する必要があります。 44ページ 取り組むべき方向性3 地域で活躍する多様な担い手を育む 主な成果 新しい取り組みとしてボランティア向けの体験講座をオンラインで実施し、ボランティアのスキルアップや学び合いの機会を設けました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 鯱城学園卒業生のボランティア活動延べ人数 19,637人 9,724人 16,948人 地域支えあい事業「ご近所ボランティア」登録者数10,635人 10,794人 12,536人 福祉教育・ボランティア学習の実施回数 228件 122件 220件 ボランティア入門講座参加者 15人 6人 34人 社会福祉法人の公益的な活動支援である「なごやよりどころサポート事業」を平成28年度から実施し、継続的に地域における公益的な取り組みを継続しています。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 なごや・よりどころサポート事業参加法人数 71法人 72法人 70法人 キーパーソンを支える仕組みづくりとして、地域支えあい事業の実施学区における研修のほか、担い手養成入門講座、活動に資する地域福祉活動に対する助成金の交付を行いました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 地域福祉推進協議会への助成 266学区 266学区 267学区 地域の子ども応援事業助成(申請数) 18事業 14事業 21事業 地域支えあい事業実施助成金 93学区 94学区 108学区 ふれあいいきいきサロン開設助成金 79か所 36か所 94か所   45ページ コミュニティワーカーが地域福祉活動のキーパーソンとの接点を作り、活動状況の把握、必要な情報提供や活動支援を行い、継続的に活動ができるよう活動者のモチベーションの維持を図りました。 関連する事業 実績は、令和元年度、令和2年度、令和5年度の順です。 当事者団体への相談支援 323件 264件 227件 ボランティアグループへの相談支援 3,107件 2,836件 2,920件 企業・商店への相談支援 485件 446件 635件 市民活動推進センターでの相談支援 1,666件 1,657件 1,573件 課題 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、多様な主体による地域福祉活動や関連する事業の多くが中止・縮小を余儀なくされました。活動の継続・再開には多くの課題を抱えながらも様々な工夫を凝らした取り組みが進められ、多くの事業が回復しつつあることが実績に表れています。ただし、活動を中止・縮小していた団体からは、ノウハウを維持・継承することが難しくなったという声も聞かれるなど、感染拡大の影響が長く残る活動もあることが推定されます。多様な主体の地域福祉活動の参加促進では、個々の状況に応じた活動や社会貢献に関心のある企業・商店等の参加の方法を整理して提示する必要があります。また、キーパーソン等への支援では、多様な主体が可能な範囲での活動の拠点・資金・物資等が提供できるような、学び合い、連携、協働できる場づくりが求められています。 46ページ 第3章 計画が目指すもの 1 基本理念 人権が尊重され、誰もがいきいきと暮らし、活躍できる都市、名古屋を目指して この基本理念には、以下の3つの視点が込められています。 ・人権が尊重され、互いにつながり支え合って暮らせる都市 一人ひとりの人権が尊重され、誰もが差別や偏見を受けることなく、自分らしく生活できることは、最も重要なことです。また、よりよい地域づくりのため、市民が地域でつながり支え合うとともに、多様なコミュニティを形成し、それぞれの力を発揮する必要があります。 ・誰もが不安なく、自立して生活できる都市 地域社会が多様化している中で、経済状況や家庭環境などに関わらず、誰もが適切なサービスを受けられるとともに、誰一人取り残されず、地域社会の中で互いに支え合い、人と人とのつながりを感じながら、自分らしく安心して暮らすということは、多くの市民の願いです。 ・多様な人々が自分らしく活躍し、生きがいを持って生活できる都市 性別や年齢、障害の有無、国籍などに関わらず、誰もが地域社会の一員としてその能力を十分に発揮して社会の中で活躍し、生きる喜びを感じながら生活できる都市にしていくことが必要です。 また、この理念は、「名古屋市総合計画2028」においても、めざす都市像として位置づけられています。この理念に基づき、複雑化・多様化する福祉課題・生活課題に的確に対応し、地域の中で多様な主体が、重層的に支援する仕組みを構築することによってあらゆる人を包容する地域社会を形成するための具体的な目標と方策を定めます。   47ページ 2 基本目標 地域共生社会の実現に向けて、市民、地域に関わる多様な団体、社会福祉協議会や行政が互いに手を携えて連携・協働し、誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域を目指します。 第1章では、計画を策定するにあたって、計画の目的や主体、他の計画との関係性など計画の基本的な考え方を示すとともに、2章では、現状などを示しました。こうした中、市では、「地域共生社会」の実現を目指し、地域福祉の推進を図ってきました。しかし、数年にわたり続いたコロナ禍により、とりわけ、サロン活動などの通いの場、地域の行事など、地域のつながりを創出する活動は多くが中止・縮小を余儀なくされ、地域のつながりの希薄化がさらに進行したという現状があります。そのような状況の中、地域における孤独・孤立の状態にある人の問題の深刻化が社会的な課題としてクローズアップされた一方、令和6年1月に発生した能登半島地震でも、地域住民同士のつながりによる支えあいの力の大切さが再認識されています。地域共生社会の実現のためには、コロナ禍の影響で停滞した地域住民同士が支えあう機能の回復・強化を図ることなどにより、地域課題の解決力を強化していくことが必要になります。また、住民同士が助けあうことができる地域であることは、大規模災害が発生した際においても、大きな支えとなります。こうした現状と課題を、すべての地域住民が自身の問題として認識し主体的に関わり、つながり支えあう仕組みを構築するとともに、地域住民だけでは解決できない多様で複雑化した課題に対しては、地域住民と専門の相談支援機関相互の連携や協働が求められています。 そこで、こうした点を十分踏まえ、計画の基本目標を「地域共生社会の実現に向けて、地域を構成する多様な団体等が互いに手を携えて連携・協働し、誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域を目指す」としました。   48ページ 3 基本目標を実現するために取り組むべき方向性 ここでは、基本目標を実現するため、今後取り組むべき基本的な方向性を定めます。第2章では、現状と計画策定の背景について考えてきました。私たちの地域をとりまく現状から浮かび上がった様々な課題を解決し、基本目標を実現するためのキーワードとなる「仕組みづくり」と「人づくり」をベースとして、3つの取り組むべき方向性を示します。また、それを支える土台として、連携・協働の仕組みづくりを推進します。 3つの「取り組むべき方向性」 ●つながり支えあう地域をつくる~孤独・孤立の状態を生まない地域を目指す~ ●一人ひとりの「暮らし」に寄り添い、支える仕組みをつくる~支援を求めている人、手助けが必要な人を支える~ ●地域で活躍する多様な担い手を育む~人、場、活動、情報などの社会資源がつながる地域づくり~ 《方策を効果的に推進するための取り組み》 ■3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり つながり支えあう地域をつくる~孤独・孤立の状態を生まない地域を目指す~ 社会経済状況の変化、ますます進行する少子高齢化、地域のつながりの希薄化などにより、あらゆる世代、属性に孤独・孤立の状態にある人の問題が広がっています。これらは、様々な生活課題と密接に関わっており、新たな生活課題を引き起こし、事態を複雑化かつ深刻化させる要因ともなっています。一方で、ひとたび大規模災害が起これば、地域で助けあい、支えあいながら生きていくことの大切さを令和6年1 月に発生した能登半島地震でも再認識しました。私たちは、今一度地域社会の構成員であることを自覚し、住民と様々な関係団体等が、多様な手段により連携・協力して「つながり支えあう地域づくり」に努めることで、孤独・孤立の状態となることを防ぎ、困ったときには誰もが助けあい支えあえる地域を築くことが大変重要です。   49ページ 一人ひとりの「暮らし」に寄り添い、支える仕組みをつくる~支援を求めている人、手助けが必要な人を支える~公的な福祉サービスは、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、生活困窮者支援など、その時々に高まったニーズに応じ、分野ごとに整備されてきました。そして、介護や障害の分野では、公的なサービスが提供されるとともに、社協やNPO、社会福祉団体等も、地域のニーズに応じた様々な福祉サービスを提供しています。しかしその一方で、昨今では、生活上の困りごとが複雑化・多様化しているのに加えて、様々な問題を同時にいくつも抱えて複合的に絡み合うなど、解決が難しくなっているケースもあります。こういった状況に対応するため、支援を求めている人、手助けが必要な人の様々な声やニーズを把握し、困りごとを受け止め寄り添う支援を行うとともに、孤立している人などが地域とつながるための取り組みが求められています。行政や専門機関がより連携を深め、地域住民等と協働することのできる包括的な相談支援の体制を推進する必要があります。 地域で活躍する多様な担い手を育む~人、場、活動、情報などの社会資源がつながる地域づくり~ 地域住民の身近な地域への関心が薄く、地域福祉活動の担い手不足が課題となっています。地域住民の「福祉」への関心や参加意欲を高めるためには、無理なくできる福祉活動を情報発信するとともに、福祉教育や福祉学習を通じて身近な福祉課題の学びの推進と「地域」は誰もが生きがいや役割を見出し、活躍できる場でもあることを知っていただくことが必要です。地域住民が地域福祉活動の「担い手」になっていただくような取り組みを、多様な主体とともに知恵を出し合い創出していくことが求められています。また、社会福祉法人や福祉施設・事業所等、商店街、企業などの多様な主体にも地域福祉活動の担い手となっていただけるよう、公益的取り組みや社会貢献を通じた参加を促すとともに、「担い手」を支える社会資源の活用や連携・協働できる効果的な仕掛けも必要です。   50ページ 第4章 課題解決に向けた私たちの取り組みの展開 1 計画の体系 計画の全体図です。 基本理念 人権が尊重され、誰もがいきいきと暮らし、活躍できる都市、名古屋を目指して 基本目標 地域共生社会の実現に向けて、市民、地域に関わる多様な団体、社会福祉協議会や行政が互いに手を携えて連携・協働し、誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域を目指します。 福祉課題・生活課題は次の三つです。 地域でのつながりの希薄化と孤独・孤⽴の状態にある人の問題 支援が必要な人と必要な支援が結びついていないことの問題 地域福祉活動への参加と多様な担い手確保の問題 共通の課題として、連携・協働・ネットワーク体制の問題があります。 取り組むべき方向性は次の三つです。 1つながり支えあう地域をつくる 孤独・孤立の状態を生まない地域を目指す 2一人ひとりの「暮らし」に寄り添い支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える 3地域で活躍する多様な担い手を育む 人、場、活動、情報などの社会資源がつながる地域づくり   51ページ 方向性1に紐づく方策 方策マル1 孤独・孤立の状態を生まない地域づくり Ⅰ.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が地域で共に生きるためのつながりの創出 Ⅱ. 見守り活動の再興と充実 方策マル2 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり Ⅰ.住民が主体的に地域課題に取り組むことができる、持続可能な仕組みづくり Ⅱ. 災害時に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 Ⅲ. 避難生活における福祉的な配慮 方策マル3 様々な困りごとを包括的に受け止め支える仕組みづくり Ⅰ.相談窓口や公的サービス等の利用促進 Ⅱ.どのような困りごとでも断らない包括的な相談支援とアウトリーチによる支援の推進 Ⅲ. 生活困窮、ひきこもり、住まい、自殺対策の取り組みや、犯罪をした人の社会復帰に関する支援の推進 方策マル4 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) Ⅰ.誰もが意思決定を尊重され、地域で自分らしく安心して暮らし続けるための支援の推進 Ⅱ.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援の推進 方策マル5 「支え手」「受け手」の関係を超えて誰もが活躍できる地域づくり Ⅰ. 「知る・学ぶ」を通じた地域福祉の意識づくり Ⅱ. 誰もが意欲を持ち能力を発揮しながら地域福祉活動に参加できる機会の提供 方策マル6多様な主体の参画と協働による地域福祉の推進 Ⅰ.社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みの促進 Ⅱ. 企業の社会貢献活動等との協働 Ⅲ. 地域福祉活動を支える環境整備 そして、3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくりが下支えします。 52ページ 2 具体的な取り組みの展開 取り組むべき方向性1 つながり支えあう地域をつくる~孤独・孤立の状態を生まない地域を目指す~ 方策① 孤独・孤立の状態を生まない地域づくり Ⅰ.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が地域で共に生きるためのつながりの創出 具体的な取り組みの内容 1) 小学校区を圏域として福祉活動を進めていくための組織である「地域福祉推進協議会」の活動を支援します。P54 2) 住民同士の様々なつながりをつくる、住民による活動を支援します。 P54 3) 多様性を理解しあい、様々な人が立場や背景を超えて参加できる共生型の地域づくりを進めます。P55 4) 同じ悩みを抱えた当事者や家族が出会う場、機会づくりを支援します。P58 Ⅱ.見守り活動の再興と充実 具体的な取り組みの内容 1) 地域福祉推進協議会による「ふれあいネットワーク活動」等の見守り活動が円滑・活発に行われるように支援します。P59 2) 地域における見守り活動の充実を図り、孤立しがちな人を見守る仕組みづくりを進めます。P59 3) 地域の身近な商店や企業、社会福祉法人などに対し、連携して地域での見守り活動を行うための働きかけを行います。P62   53ページ 主体別の取り組み(方策①) 孤独・孤立の状態を生まない地域づくり 市民の役割 ・挨拶から始まる日頃のご近所との関係を大切にする。・地域とのつながりのない人がいたら、どのように関わっていくことができるのかを皆で考える。・認知症の人や障害者、外国人市民等への理解を深める。・地域で見守り、支えあうためのネットワークづくりに協力する。 地域活動団体、社会福祉法人、商店等に共通する役割 ・認知症の人や障害者、外国人市民等への理解を深めるとともに、その人に適した情報提供を行う。・地域で見守り、支えあうためのネットワークづくりに協力する。 地域活動団体、社会福祉法人に共通する役割 ・障害者、外国人市民等も含め住民同士が知り合い、交流できる機会をつくる。 商店等の役割 ・住民の地域福祉活動に協力する。 市、社会福祉協議会に共通する役割 ・地域での住民交流・ふれあいを育む活動を支援する。・共生型の地域づくりに向けた広報等を推進する。・孤立しがちな人への見守り体制を推進する。・地域で見守り、支えあうネットワークづくりを推進する。 <市の主な関連施策や事業等> ・高齢者サロン整備等生活支援推進事業・認知症サポーター養成講座・高齢者の孤立防止事業 ・ICTを活用したフレイル予防・見守り事業・あんしんエンディングサポート事業・はいかい高齢者おかえり支援事業・青少年育成市民会議(地域の世話やき活動等の実施)・子ども食堂コーディネート事業・赤ちゃん訪問事業・市営住宅ふれあい創出事業・高齢者の見守り支援事業 ・高齢者の見守り協力事業者登録事業・障害者差別相談センター・ナゴヤあいサポート事業 等 <社会福祉協議会の主な関連施策や事業等> ・高齢者サロン整備等生活支援推進事業(運営の受託)・ふれあい・いきいきサロン活動の支援 ・コミュニティワーカー(学区担当者)としての地域支援・子ども食堂推進事業 ・子ども食堂コーディネート事業(事業の受託)・ふれあい給食サービス事業の支援 ・福祉教育・福祉学習・ふれあいネットワーク活動の支援・高齢者の見守り支援事業(事業の受託)・なごやかエンディングサポート事業・あんしんエンディングサポート事業(事業の受託) ・障害者差別相談センター(運営の受託)等   54ページ Ⅰ.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が地域で共に生きるためのつながりの創出 具体的な取り組み 現状と課題(13,17頁) 1)小学校区を圏域として福祉活動を進めていくための組織である「地域福祉推進協議会」の活動を支援します。 誰もが安心して暮らせるまちを目指して、区政協力委員、民生委員児童委員を始めとする地域住民が主体となって、市内全小学校区に「地域福祉推進協議会」が設置されています。「地域福祉推進協議会」では、ふれあい給食や世代間交流、身近な場所で気軽に集まる「ふれあい・いきいきサロン」、さり気ない見守りを行うふれあいネットワーク活動など地域の特徴に応じた活動を行っています。それぞれの活動が計画的かつ効果的に取り組まれるようコミュニティワーカー等が専門的な支援をすることで、地域での住民同士の相互理解を深め、互助的な見守りや助けあい活動の推進を図ります。 事例 中村区豊臣学区での出前相談の取り組み 中村区の豊臣学区では、ひとり暮らしや夫婦のみ世帯の高齢者宅など民生委員児童委員等と一緒に訪問して、困りごとを直接伺う「出前相談」を行っています。 事例 ひとり暮らし高齢者等ふれあい給食サービス 熱田区の大宝学区地域福祉推進協議会では、ひとり暮らし高齢者等を対象とした、「ふれあい給食サービス事業」(給食事業)を40年以上継続して実施しています。参加者の心身の健康の増進、専門職へ相談できる機会にもなっています。 2)住民同士の様々なつながりをつくる、住民による活動を支援します。 高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等が気軽に集まり、地域住民とともに楽しく過ごすことを通し、地域の関係づくりを進める「ふれあい・いきいきサロン」「子ども食堂」などの住民による活動は、新たな仲間との出会いや近隣とのつながりづくりに寄与するだけでなく、参加する人が自分らしく過ごせる場所でもあります。  55ページ このような多様で個性豊かな地域活動が身近な地域に生まれるよう取り組んでいる老人クラブ、子ども会、女性会等の住民主体の活動を支援します。 事例 ちくたくサロンの取り組み 名東区の極楽学区では、元民生委員児童委員である主宰者が交流のきっかけをつくるため、所有するコーポの1 室を提供し、民生委員児童委員を退任した人に呼びかけ、有志のボランティアによる集いの場として、ふれあい・いきいきサロン『ちくたく』を週1回開催しています。 3)多様性を理解しあい、様々な人が立場や背景を超えて参加できる共生型の地域づくりを進めます。 誰もが人としての個性や生き方を認めあいながら、「支え手」「受け手」の関係を超えて、共に生きる地域社会の実現を目指します。地域に居住している期間の長短、年齢や性別、障害の有無、国籍や文化、経済的に困窮していることなどの特性や背景の違いがあっても、同じ地域で暮らす一員として誰ひとり取り残されることなく、誰もが地域の中で自分らしい暮らしを送ることができる地域づくりを進めます。そのために、同じ地域に暮らす人が持つ困りごとや生活のしづらさを、解決すべき課題として誰もが共感できるような広報啓発の取り組みや、必要な情報が必要な人に適した形で提供されるための取り組み、学習の機会づくり、地域交流、見守り活動等の促進を図ります。 認知症の人 認知症になっても地域で安心して暮らし続けるためには、周囲の認知症への正しい理解が必要となります。こうした理解を広めるため、認知症サポーター養成講座における講師役であるキャラバン・メイトを養成することにより、認知症サポーターの養成体制の強化を図り、認知症の人と家族を地域で支えるつながりづくりを進めます。 認知症サポーターの養成 認知症サポーターは、認知症を理解し、認知症の人と家族を温かく見守る「応援者」です。   56ページ 事例 中区認知症にやさしいまち大須プロジェクト 中区では、大須商店街・大須学区を認知症支援にかかる普及啓発のシンボルタウンとし、平成30年度から「認知症にやさしいまち大須プロジェクト」を実施しています。地元アイドルグループの「OS☆U」も参加する認知症サポーター養成講座を実施するほか、小中学校でも養成講座を行い、幅広い世代の理解を深めるとともに、商店街店舗にも認知症サポーター協力店として多数登録いただいています。 障害者 障害者が地域で安心して生活をするためには、社会参加を制約している事物、制度、慣行、観念などの社会的障壁の除去を進め、社会のバリアフリー化を推進し、アクセシビリティ(利用しやすさの向上を図ることが重要です。本市では、障害の有無にかかわらず誰もが、かけがえのない個人として尊重され、お互いを思いやる気持ちを持ちながら、安心してともに暮らせる地域社会を目指し、「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」を制定しました。不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供などについて、市民・事業者への啓発を進めるとともに、障害者差別相談センターを設置し、障害者や家族、事業者などを対象に障害者差別に関する相談を受け、内容に応じて関係者間の調整や合理的配慮の提供支援などを行っています。また、「障害者と市民のつどい」などの交流イベントや学びの機会の提供、ナゴヤあいサポート事業の実施等を通じた地域との協働による活動の機会を通じ、すべての市民に対して障害や障害者に関する正しい理解の促進を図ります。 ■「障害者と市民のつどい」などの交流イベント 〇ふれあい広場のつどい 〇障害者週間記念のつどい ■精神保健福祉普及運動 ○精神障害のある人が地域で生活する様子を描いた動画を公開しています。   57ページ ■ナゴヤあいサポート事業  障害の特性を理解し、障害のある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践する「あいサポーター」を養成することにより、障害の有無にかかわらず、全ての人が住みやすい社会の実現を目指す取り組みを実施しています。 研修では、障害のある人が、当事者の声を届ける講師として活躍しています。 ・あいサポーター 「あいサポーター養成研修」受講者を「あいサポーター」として認定し、あいサポートバッジを交付します。 ・あいサポートキッズ 「あいサポートの心」を持って行動する子どもたち(小学生)のことです。あいサポート運動や障害理解に関する研修を受講すると、あいサポートストラップを交付します。 ・あいサポート企業・団体の認定 従業員等を対象とした「あいサポーター養成研修」等に取り組む企業・団体を「あいサポート企業・団体」として認定します。 外国人市民等 地域で過ごす外国人市民等と日本人とが互いに認め合い、ともに地域に参加し、誰もが生きがいや役割を持って、安心・安全に暮らすことができる多文化共生のまちづくりを推進します。そのために、外国人市民等に必要な情報が伝わり、理解されるよう、多様な言語・手段による情報提供や、やさしい日本語やイラストを使用するなど対象に合わせた情報発信の工夫、日本語教育を受けることを希望する外国人市民等が日本語の習得機会を得られるようにするための体制づくり等の取り組みを進めます。 外国人市民等 市内に住所を有して生活していたり、何らかの理由により市内で過ごしたりしている外国籍の人のほか、日本国籍を取得した人や国際結婚によって生まれた子どもなど外国の文化を背景に持つ人など、外国にルーツを持つ人のことをいいます。 やさしい日本語 「やさしい日本語」とは、普段使われている言葉を外国人市民等にもわかるように配慮した、簡単な日本語のことです。 日本語教室サーチ『なごにほ』 名古屋市内の日本語教室の情報や、各教室のボランティア募集情報を検索することができるウェブサイトです。   58ページ 事例 港区日本語教室「まるいけスマイル」の取り組み 港区にある市営住宅丸池荘は、外国人の入居率が高く、日本語が全くわからない外国人の子どもも多くいます。地域住民の「何とかしたい」という思いで日本語教室「まるいけスマイル」が立ち上がりました。ボランティアの学生や地域住民が子どもたちに勉強を教えています。週1回開かれている教室は、部屋いっぱいに子ども達が集まり、勉強をしたり友達と遊んだりと多くの子どもたちの居場所となっています。 4)同じ悩みを抱えた当事者や家族が出会う場、機会づくりを支援します。 孤独・孤立の状態にあることが事態を複雑化、深刻化させる要因になることから、本人や家族が同じ課題を抱えた人々と出会い、語り合い、学び合えるような場や機会づくりを支援するとともに、当事者の声を発信する機会を応援します。 事例 中村区ささしまサポートセンター「みちくさカフェ」の取り組み ささしまサポートセンターでは、以前路上生活をされていた人がアパートに住んでからも、地域から孤立せずに生活できるよう、気軽に立ち寄り交流のできる「みちくさカフェ」を毎月開催しています。路上生活をしている人も参加されるため、現在アパート暮らしをしている人と情報交換をしたり、相談をすることで今後の生活について考えていただくきっかけにもなっています。 事例 名古屋市若年性認知症本人・家族交流会「あゆみの会」 認知症相談支援センターでは、若年性認知症の本人や家族が集う交流会「あゆみの会」を毎月第4土曜日に開催しています。同じような立場の人が情報交換し、交流を育みながら仲間同士で支え合い、病気と共に前向きに生きるためのピアサポートの場として機能しています。 あゆみの会で知り合った当事者同士は、お互いの連絡先を交換し、定例会以外でも交流を深めたり、企業のサービスや商品づくりに協力したり、自らの体験を社会に発信し、認知症の人や家族が安心して暮らせるまちづくりに寄与する活動も行っています。   59ページ Ⅱ.見守り活動の再興と充実 具体的な取り組み 現状と課題(13,15頁) 1)地域福祉推進協議会による「ふれあいネットワーク活動」等の見守り活動が、円滑・活発に行われるように支援します。 ひとり暮らし高齢者、障害者や子育て世帯、外国人市民等など地域で見守りが必要な人に対し、町内会・自治会や近隣エリアなどを圏域として、対象者を複数の地域住民等で見守る活動を支援します。 事例 地域住民による「ふれあい電話訪問活動」 東区砂田橋学区の一部のエリアで、ボランティアが高齢者等にお電話をして近況や困りごとを伺う「ふれあい電話訪問活動」を実施してます。研修兼ふれあいネットワーク活動報告会を開催し、学区住民に対し活動への理解を広げています。 2)地域における見守り活動の充実を図り、孤立しがちな人を見守る仕組みづくりを進めます。 地域福祉推進協議会、民生委員・児童委員、老人クラブや女性会の会員など地域の多様な主体による見守り活動への一層の支援を図るとともに、見守りアプリなどのICT機器を活用した見守り施策や、身寄りのない高齢者の生前の見守りと死後の葬儀や家財処分等の手続きのサポートを行う「エンディングサポート事業」等の取り組みを推進し、一人暮らしや身寄りがないことなどにより孤立しがちな人への見守り体制を充実させます。また、見守り活動の担い手と各区役所に配置している高齢者福祉相談員、各いきいき支援センターの見守り支援員との連携を進めるなど、安心して見守り見守られることができる地域をつくるための取り組みを進めます。また、地域で高齢者を見守るための地域支援ネットワークづくりを進める「高齢者の孤立防止事業」、認知症による行方不明者を早期発見するための「はいかい高齢者おかえり支援事業」、児童の登校時の声かけなどを行う「地域の世話やき活動」等や地域の子育て情報の提供などを行う「赤ちゃん訪問事業」等、地域で子どもを見守る取り組みを展開し、地域の力を高めていく取り組みを進めます。   60ページ さらに、市営住宅では、「市営住宅ふれあい創出事業」における高齢者見守り支援事業により、75歳以上の単身世帯、夫婦世帯等を対象として巡回員が定期的に電話連絡や戸別訪問を実施し、安否確認や簡易な生活相談等の支援を行います。いきいき支援センター、地域住民と連携・協働しながら一体的に取り組みます。 いきいき支援センターの見守り支援事業「高齢者の見守り支援事業」 見守り支援員が孤立しがちな高齢者に対して、福祉・介護サービス等の調整や、見守りのネットワーク構築など、一人ひとりに合わせた丁寧な支援を実施しています。また、ボランティアを養成し、支援が必要な高齢者への安否確認と不安感・孤立感の解消を図るために定期的な電話による見守り活動(いきいきコール)を行っています。 認知症の人を地域で見守る取り組み「はいかい高齢者おかえり支援事業」 徘徊のおそれがある人の情報を登録した上で、その人が行方不明となった場合に、身体的特徴や服装等の情報を「おかえり支援サポーター」及び「協力事業者」に対してメールし、早期発見する仕組みづくりを進めています。なお、「おかえり支援サポーター」及び「協力事業者」とは、捜索協力依頼のメールを受け取った場合に、可能な範囲で捜索のための情報を提供いただく協力者のことです。令和5年度末現在で、8,031件のメールアドレスが登録されています。 事例 支援者をつなぐ「私の見守りカード」(南区高齢者孤立防止対策部会の取り組み) 高齢者と、その人を見守っている人が、任意で連絡先等を記載して高齢者宅内に貼って共有することで、日ごろから高齢者を見守る支援者同士がつながるきっかけを作るとともに、協力して見守りができる地域を目指しています。   61ページ 事例 「地域の子どもは地域で守り育てる」地域の世話やき活動 地域の大人として、近所の子どもたちに関心をもち、日常的に積極的に声かけなどを行う中で、ときには励まし、ときには注意や助言をしながら、温かく見守る地域ぐるみの活動です。主な活動内容としては、以下のような取り組みを行っています。 ・校門前に立ち、登校する生徒に対し積極的にあいさつ運動 ・主要交差点等に立ち、登下校中の子どもに対し見守り活動 ・夕方及び夜間に危険個所の確認等のパトロール 等 事例 民生委員・児童委員による「ひとり暮らし高齢者をあたたかく見守る運動」 名古屋市の民生委員・児童委員は、「65歳以上の一人暮らし高齢者」と「75歳以上の高齢者のみ世帯」に対して見守りや生活相談を行う「ひとり暮らし高齢者をあたたかく見守る運動」を独自に行っており、特に病気がちな高齢者やご近所とのつきあいが少ない高齢者については、月に2回程度定期的に訪問しています。 民生委員・児童委員の普及・啓発キャラクター「ミンジー」 民生委員・児童委員とは 住民の抱える福祉に関する様々な困りごとに対して、地域の身近な相談役として活動するボランティアで、市内で約4,300人が厚生労働大臣から委嘱されています。民生委員・児童委員は、自らも地域住民の一員として、それぞれが担当する区域において、住民の生活上の様々な相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たすとともに、高齢者、障害者、子育て世帯等の見守りなどにも重要な役割を果たしています。なお、民生委員・児童委員の一部は、子どもや子育てに関する支援を専門に担当する者として、厚生労働大臣により「主任児童委員」に指名されています。区域を担当する民生委員・児童委員と連携しながら子育ての支援や児童健全育成活動などに取り組んでいます。 民生委員・児童委員のマーク   62ページ 3)地域の身近な商店や企業、社会福祉法人などに対し、連携して地域での見守り活動を行うための働きかけを行います。 定期的に住民宅を訪ねることを業務とする、地域の身近な商店や企業などに対し、地域で見守り、支えあうネットワークの一員として協力してもらえるよう働きかけを行います。また、ひとり暮らし高齢者等の見守り活動に協力する商店や企業等事業者を登録する「高齢者の見守り協力事業者登録事業」では、市内の新聞販売店をはじめ多くの事業者の協力を得ながら、重層的な見守り活動を推進します。 高齢者の見守りにかかる協力事業者登録制度 平成26年9月から導入した高齢者見守り協力事業者の登録という簡便な手続きによって、より多くの民間事業者にひとり暮らし高齢者等の見守り活動に参加していただき、高齢者の孤立防止活動の幅を広げていきます。 高齢者見守り協力事業者ステッカー、見守り活動をしましょうリーフレット表紙   63ページは白紙です。 64ページ 方策マル2 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり Ⅰとして 住民が主体的に地域課題に取り組むことができる、持続可能な仕組みづくり 具体的な取り組みの内容 1) 困りごとや生活のしづらさなどを抱えた住民を、住民相互の協力による生活支援に結びつけるための仕組みづくりを進めます。P66 2) 地域の生活支援ニーズを把握し、生活支援の基盤整備と充実を図ります。P67 3) 地域住民等が地域の課題に関心を持って自らの事として考え、支えあうことのできる持続可能な仕組みづくりを支援します。P67 Ⅱとして 災害に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 具体的な取り組みの内容 1) 「助け合いの仕組みづくり」や個別避難計画など、災害が発生したときに支援を必要とする人への支援を充実させます。P69 2) 災害ボランティアの円滑な受け入れと効果的な活動を促進するための体制づくりを行います。P71 3) 防災に関する訓練、研修や啓発において、福祉的な配慮を必要とする人への視点をもって対応します。P71 Ⅲとして 避難生活における福祉的な配慮 具体的な取り組みの内容 1) 福祉的な配慮に対応した避難所環境を整備するとともに、避難所運営のあり方の検討を進めます。P73 2) 福祉的な配慮を必要とする人が在宅で避難生活を送る場合の支援のあり方について検討を進めます。P74   65ページ ★主体別の取り組み(方策マル2) 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり 市民の役割 ・自分の暮らす地域の課題に関心を持ち、ご近所に困っている人がいたら、「お互い様」の気持ちで助けあう。 ・地域の生活課題を把握し、関係機関との連携等によりその解決を図る。 ・災害が発生したときに備えて、平常時から支えあいの取り組み等に参加する。 ・建物の耐震化や家具の固定を進める。 ・福祉的配慮を必要とする人への配慮の視点を取り入れ、避難者となった地域住民全員で協力し、避難所運営に取り組む。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等に共通の役割 ・地域の行事などに参加したり、協力する中で、地域に根ざした活動をする。 ・災害が発生したときに備えて、平常時から支えあいの取り組み等に参加する。 ・建物の耐震化や棚などの事務用品の固定を進める。 地域活動団体、社会福祉法人の役割 ・住民同士の助けあい活動を積極的に支援する。 ・地域の生活課題を把握し、関係機関との連携等によりその解決を図る。 商店・商店街・事業所・企業・大学等の役割 ・平常時も災害時も可能な範囲で地域の困りごとの解決に協力する。 市、社会福祉協議会に共通する役割 ・日頃から災害時まで、地域で支えあうための仕組みづくりを進める。 ・地域の生活課題を把握し、生活支援のための仕組みづくりを進める。 市の役割 ・大規模災害発生時に災害ボランティアセンターを設置する。 ・防災に関する啓発活動を推進する。 ・災害発生時の避難生活において、福祉的配慮が必要な人のための環境整備等に努める。 社会福祉協議会の役割 ・大規模災害発生時に災害ボランティアセンターを運営し、ボランティア活動を支援する。 <市の主な関連施策や事業等> ・地域支えあい事業、・高齢者サロンの整備等生活支援推進事業、・助け合いの仕組みづくり、・災害ボランティアコーディネーター養成講座、・福祉避難所の確保 等 <社会福祉協議会の主な関連施策や事業等> ・地域支えあい事業(事業の受託)、・高齢者サロンの整備等生活支援推進事業(事業の受託)、・災害時のボランティア活動支援、・コミュニティワーカー(学区担当者)としての地域支援 等 ※<主な関連施策や事業等>は、令和7年3月時点の内容です。 66ページ Ⅰ.住民が主体的に地域課題に取り組むことができる、持続可能な地域をつくるための仕組みづくり 具体的な取り組み 現状と課題(17頁) 1)困りごとや生活のしづらさなどを抱えた住民を、住民相互の協力による生活支援に結びつけるための仕組みづくりを進めます。 困りごとや生活のしづらさを抱えた住民に対し、ボランティア、NPO、専門職などと一緒に課題を共有しながら、連携して課題解決に向けた住民相互の助けあいを進めていけるよう、コミュニティワーカー等による専門的な支援を充実させます。また、令和6年3月現在16区108小学校区で実施している「地域支えあい事業」の実施学区を拡大し、住民が主体的に地域課題に取り組むことができる仕組みづくりを進めます。 事例 昭和区 地域支えあい事業の取り組み 昭和区の吹上学区では、学区内に一軒家が多いため、庭の草取りや庭木切り等のニーズが多くなっています。また、生活支援活動を行った際に、ご近所ボランティアがその後も時々対象者の様子を見に行くなど、継続した支援を行っています。   67ページ 2)地域の生活支援ニーズを把握し、生活支援の基盤整備と充実を図ります。 各区の地域ケア会議では、高齢者を中心とした個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進め、支援が必要な状態となっても、住み慣れた地域で安心して自分らしく生活できる地域づくりを進めています。とりわけ、本計画においては、各区に配置した生活支援コーディネーターをキーパーソンとして、行政、地域役員、生活支援の関係者等(社会福祉法人、NPO法人等)が集い、定期的な情報共有や連携強化等を行う生活支援協議体を運営し、生活支援に関する地域のニーズの把握や新たなサービスの開発、生活支援の関係者のネットワークづくりを行うことを通じて、生活支援の基盤整備と充実を図ります。また、多様化・複合化した生活支援ニーズに対応していくため、より多様な主体の参画を働きかけるなど、生活支援協議体の機能を強化していきます。 事例 生活支援協議体の取り組み 千種区では、生活支援連絡会(生活支援協議体)を立ち上げ、行政、介護・福祉関係者のほか、生活支援に携わるボランティアなど幅広い関係者が集まり、「誰もが安心して生活できる千種区のために」協議を進めています。生活支援サービスの充実と、サロンの質・量の拡充に向けた方策を協議・実践する場として年3回開催しています。また、サロンマップの改訂や、生活支援おたすけガイドの制作に関する意見交換を行っています。 3)地域住民等が地域の課題に関心を持って自らの事として考え、支えあうことのできる持続可能な仕組みづくりを支援します。 地域の会議や集いの場、サロン等の様々な場には、分野を問わず地域の多様な課題に関する情報が集まってきます。それぞれの場で気づき、把握した課題を、その場所で解決できない場合でも、ほかの地域住民等や様々な団体、相談支援機関等が把握し、解決に向けて協議することで、必要な支援につなげることができます。   68ページ そのように、地域の様々な主体が顔の見える関係で情報共有し、協議することで、人と人、人と資源が分野を超えてつながり、その結果、特定の人に負担が偏ることなく、一人ひとりが支えあうことのできる、持続可能な仕組みがつくられることを目指します。その目的のため、地域の様々な人が集まる場を多く見つけて、課題を協議する場につながる仕組みをつくることにより、新たな主体の地域活動への参加促進と、地域住民等が自ら課題を把握する力の向上を図ります。さらに、それぞれの場が必要に応じてほかの地域住民や様々な団体、相談支援機関等と連携・協議できるよう、ネットワークの構築を支援します。併せて、課題解決の過程において、地域住民等が地域の課題に関心を持ち、気づきと解決方法についての学びが繰り返されることで、地域で支えあう力の向上が図られるよう支援します。 地域で支えあう力の向上のプロセスの図 地域の多様な課題を把握、地域住民等・専門職が一体となって協議、支援の実施、支援を踏まえた振り返りが円状に繰り返されることを示しています。   69ページ Ⅱ.災害に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 具体的な取り組み 現状と課題(20頁) 1)「助け合いの仕組みづくり」や個別避難計画など、災害が発生したときに支援を必要とする人への支援を充実させます。 「助け合いの仕組みづくり」とは、地域全体の安否確認や、地域住民自らが高齢者や障害者など、災害が発生したときに支援を必要とする避難行動要支援者(以下「要支援者」といいます。)を把握するとともに、一人ひとりの実態に応じた支援が可能となるように個別支援計画を作成し、災害発生時に住民相互による助けあいが円滑に行われるための仕組みを作るものです。要支援者本人の同意を得た上で、避難行動要支援者名簿を取り組みの実施地域に提供することにより、「助け合いの仕組みづくり」の活動を支援します。また、名簿登載者への支援体制を強化するため、ケアマネジャー等の福祉専門職の協力を得ながら、個別避難計画の作成を進めます。 ■避難行動要支援者名簿 災害が発生した場合等に自分で避難できない人を把握するための市町村が作成する基礎的な名簿です。この名簿は、健康福祉局がその保有する各施策の対象者情報や受給者情報を活用して作成し、必要な都度最新の情報に更新します。この名簿は、「助け合いの仕組みづくり」の活動を支援する役割を担うとともに、災害発生時には、民生委員・児童委員さらに地域住民等の協力を得ながら行う区役所の安否確認等に活用されます。 ■個別避難計画 避難行動要支援者一人ひとりの「どこに避難するか」「誰が支援するか」等を記載した計画です。地域の災害特性や自身の状況をもとにあらかじめ計画し、その計画を関係者で共有することにより、適切な避難行動につなげることを目的としています。令和3年5月に災害対策基本法が改正され、個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされました。 なお、これらの取り組みの基礎には、日常的な地域のつながりや必要な支援を届ける仕組みなどの地域福祉の推進が不可欠です。災害発生時の助けあいへとつながる地域福祉の推進を図ります。   70ページ 助け合いの仕組みづくりの概要 平常時 地域での話し合い 地域全体の安否確認や要支援者への支援など、取り組みの進め方や個人情報の取り扱いを話し合います。必要に応じて、区役所や消防署の協力を得て、地域で説明会などを開きます。 要支援者の把握 取り組みを行うと決定した地域は、要支援者を把握します。また、必要に応じて市が作成した避難行動要支援者名簿のうち、本人の同意を得た情報の提供を受け、要支援者の把握に役立てます。 個別支援計画作成 要支援者とどのような支援が必要であるかを話し合い、誰がどのように支援をするかといった個別具体的な計画をつくります。 訓練見直し 助け合いの仕組みが実際に機能するように、普段から段階に応じた訓練を実施し、見直しを行います。 災害発生時 安否確認等 助け合いの仕組みづくりで作成した個別支援計画に基づいて、必要な安否確認や避難誘導等を行います。なお、災害発生時には、同意の有無にかかわらず、必要と認められる団体に対し、適切な判断のもと、名簿情報の外部提供をすることにしています。 事例 助け合いの仕組みづくりへの支援(東区の取り組み) 東区では、全学区において助け合いの仕組みづくりに取り組んでいます。取り組みを始めるにあたり、市が把握する避難行動要支援者名簿に記載された要支援者に、区役所から同意確認書を送付し、同意が取れた人の情報の提供を行いましたが、実際に活用できる有効性の高いものとなるよう、令和6年度には、名簿に記載された要支援者にあらためて同意確認書を送付して同意の有無を確認し、提供する情報の更新を行いました。   71ページ 事例 個別避難計画の取り組み(南区の取り組み) 2)災害ボランティアの円滑な受け入れと効果的な活動を促進するための体制づくりを行います。 災害発生時には、消防団や自主防災組織などの地域住民の活動に加え、ボランティアやNPOの協力が不可欠です。市内の被害状況が甚大で、必要と判断された場合に設置する市・区災害ボランティアセンターについて、適切な設置運営の方法を検討し、実効性を確保するため、ボランティア・NPO、市・区役所及び市・区社協の三者合同の訓練・研修を行います。 事例 災害ボランティアセンター三者合同研修 大規模災害が発生した際に設置される「災害ボランティアセンター」は、市が設置し、市・区社協、災害ボランティア及び災害救援NPO の協力を受けて運営を行うことになっています。なごや防災ボラネット・社協・市の主催による「災害ボランティアセンター三者合同研修」は、その災害ボランティアセンターの設置・運営に関わる三者等が年に1 回同じテーブルにつくことで、顔の見える関係づくりをし、情報共有・検討することを狙いとしています。 3)防災に関する訓練、研修や啓発において、福祉的な配慮を必要とする人への視点をもって対応します。 地域には、高齢者、障害者、乳幼児、外国人等の福祉的な配慮を必要とする人(以下「福祉的な配慮を必要とする人」といいます。)がいます。   72ページ そのため、福祉的な配慮を必要とする人への対応を想定した防災に関する訓練、研修や啓発を実施することが重要です。 本市の防災についての総合的な計画である地域防災計画では、防災及び被災の軽減を目的として、福祉的な配慮を必要とする人の避難・誘導対策の推進と、必要な配慮が提供される避難生活の確保について記載しています。この計画に基づいて作成されている指定避難所運営マニュアルでは、福祉的な配慮を必要とする人等の多様な避難者への配慮についても定めており、こうした視点をも って、指定避難所運営・開設訓練や防災の研修等を支援します。 事例 福祉的な配慮を取り入れた防災の取り組み 中川区では、中川区自立支援協議会(注)が、障害のある方やその支援者が災害に対する備えを十分にすることができるよう、「事前に備えておくこと」や「災害発生時の避難行動」、「指定避難所の設備状況や避難所生活の留意点」などをまとめた、中川区災害時要配慮者(障害者)支援ガイドブック「私の防災ノート」を作成しています。定期的に更新し、ガイドブックを活用して、要慮者の防災対策についての啓発活動に取り組んでいます。 (注)自立支援協議会とは、障害のある方やその支援者が安心して暮らせる地域を作るため、障害福祉に関する地域での連携や支援体制などを、障害者団体、障害福祉サービス事業者、行政等で話 し合う会議です。 災害時要配慮者(障害者)支援ガイドブック~私の防災ノート~の表紙の図   73ページ Ⅲ.避難生活における福祉的な配慮 具体的な取り組み 現状と課題(20頁) 1)福祉的な配慮に対応した避難所環境を整備するとともに、避難所運営のあり方の検討を進めます。 福祉的な配慮を必要とする人が安心して避難できるよう、福祉避難スペースや拠点的な福祉避難所などの避難所環境の確保を進めます。また、福祉的な配慮に対応した避難所運営のあり方についての検討を進め、指定避難所運営マニュアルへ反映させることなどにより、円滑な避難所運営を支援します。併せて、精神的な障害や内部障害を抱えている人などへの対応を適切に行うことができるよう、地域において実施される指定避難所開設・運営訓練の支援などを通じて啓発しています。 また、避難所生活で生じる保健・医療・福祉のニーズ(需要)を把握し、必要な援助に結びつけるための支援を行うとともに、医療を必要とする避難者等への対応のため、一般社団法人名古屋市医師会の協力により、医療救護所の設置をすることとしています。 ■福祉避難スペース 指定避難所の中に、福祉的な配慮を必要とする人のための場所を確保することにより設置する避難場所をいいます。なお、避難所は避難者による自主運営を基本としているため、避難者全員で協力し、福祉的な配慮を必要とする人への配慮の視点を取り入れた避難所づくりを支援します。 ■福祉避難所 福祉避難スペースでの避難生活が困難な人が避難する二次的な避難所のことをいいます。引き続き社会福祉施設等における福祉避難所の指定を進めていきます。(令和6年3月31日現在、市内に228か所) ■指定避難所運営マニュアル 福祉的な配慮を必要とする人への配慮や男女平等参画の視点を取り入れた避難所づくりについての考え方を示すとともに、福祉的な配慮を必要とする人の状況とニーズを把握し、必要な支援に結び付けるための対応方法を定めています。 ■医療救護所 傷病者に応急措置を実施したり、病院への搬送が必要な人を判別する場所です。震度5強以上の地震災害においては、市と協定を締結している一般社団法人名古屋市医師会により、各市立中学校に医療救護所が開設されるほか、必要に応じて避難所等に設置されます。   74ページ 2)福祉的な配慮を必要とする人が在宅で避難生活を送る場合の支援のあり方について検討を進めます。 環境の変化が負担になるなど様々な事情から、在宅での避難生活を選択する人がおり、その中には、福祉的な配慮を必要とする人が少なくありません。そのような人たちが支援につながり、安心して避難生活を続けられるよう、災害支援に関わる様々な機関・団体が集まり、必要な支援のあり方について検討します。   75ページは白紙です。   76ページ 取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」に寄り添い支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える ■方策マル3 様々な困りごとを包括的に受け止め支える仕組みづくり Ⅰ.相談窓口や公的サービス等の利用促進 具体的な取り組みの内容 1) 多様な相談窓口やサービス、社会資源をわかりやすく市民や支援者、相談支援機関等に情報提供するとともに、担当分野を超えた相談であっても、適切な機関につなぐことができる体制づくりを進めます。P78 2) サービスの評価や内容の開示を進めます。 P80 3) 身近な生活の困りごとなどを地域で相談しあえる住民相談窓口の設置を進めます。P80 Ⅱ.どのような困りごとでも断らない包括的な相談支援とアウトリーチによる支援の推進 具体的な取り組みの内容 1) 各相談支援機関が、困りごとを抱えた人を受け止め、関係機関との連携により対応する包括的な相談支援を推進します。P81 2) 相談することができない人へ支援を届けるため、アウトリーチの取り組みを進めます。P82 3) 生活課題を抱えて孤立している人が、地域とつながることができるよう取り組みを進めます。P82 Ⅲ.生活困窮、ひきこもり、住まい、自殺対策の取り組みや犯罪をした人の社会復帰に関する支援の推進 具体的な取り組みの内容 1) 生活困窮者の自立に向けた支援を進めます。 P84 2) ひきこもり状態にある人とその家族を支援する取り組みを進めます。 P84 3) 住宅の確保に配慮を要する人への住まいの確保や生活支援等の促進に向けた取り組みを進めます。P84 4) 自殺の危険がある人のサインに気づき、未然に防ぐ取り組みを進めます。P85 5) 犯罪をした人の円滑な社会復帰を支援するための取り組みを進めます。P85 6) 関係機関の連携による支援や、課題を抱えている人を適切に支援につなげるための地域づくりを進めます。P86   77ページ ★主体別の取り組み(方策マル3)様々な困りごとを包括的に受け止め支える仕組みづくり 市民の役割 ・自分自身と家族の自助や地域での助けあいに役立てるため、市や社協などから発信する相談窓口やサービス等の情報を把握するよう努める。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等に共通する役割 ・複合的な課題を抱えた人を支援するため、相談支援機関や多様な団体等が連携して支援できるよう協力。 地域活動団体、社会福祉法人に共通する役割 ・相談窓口やサービス等に関する情報共有や情報交換に努める。 ・日常的な活動の中で心配な人がいたら、適切な相談窓口やサービス等につなぐなどの支援をする。 商店・商店街・事業所・企業・大学等の役割 ・日頃の業務や活動の中で心配な人がいたら、相談窓口やサービス等につなぐなどの協力をする。 市の役割 ・多様な相談窓口や公的サービスを必要に応じて設け、その情報を分かりやすく提供。 ・包括的な相談支援の体制を整備する。 ・生活困窮やひきこもり等、孤立しがちな人への支援を推進する。 <市の主な関連施策や事業等> ・各相談支援機関の運営、・評価に関する各事業、・地域支えあい事業、・重層的支援体制整備事業、・自立相談支援事業・就労準備支援事業、・家計改善支援事業、就労訓練事業、・ひきこもり支援事業、・民間賃貸住宅入居相談、・居住支援コーディネート事業、・自殺対策事業の推進、・再犯防止(コーディネート事業)等 社会福祉協議会の役割 ・住民のニーズを的確に把握し、市の施策に提案を行う。、・各種相談支援機関等と連携して既存の制度や枠組みでは解決できない問題に対し解決に取り組む。、・地域の社会資源を把握し、情報発信する。 <主な関連施策や事業等> ・各相談支援機関の運営(運営の受託)、・地域支えあい事業(事業の受託)、・重層的支援体制整備事業(事業の受託)、・自立相談支援事業・就労準備支援事業・家計改善支援事業(事業の受託)、・社会福祉法人等による相談窓口事業、・居住支援コーディネート事業(事業の受託) 等 ※<主な関連施策や事業等>は、令和7年3月時点の内容です。   78ページ Ⅰ.相談窓口や公的サービス等の利用促進 具体的な取り組み 現状と課題(23,24頁) 1)多様な相談窓口やサービス、社会資源をわかりやすく市民や支援者、相談支援機関等に情報提供するとともに、担当分野を超えた相談であっても、適切な機関につなぐことのできる体制づくりを進めます。 市内には、区役所、保健センター、市・区社協などの様々な相談窓口のほか、高齢、障害、子育て等分野ごとに様々な相談支援機関等があり、それぞれの窓口で公的なサービスを提供しています。また、ボランティアやNPO法人による活動など、地域課題解決の助けになるようなインフォーマルサービスも多くあります。支援が必要な際に、どこに相談したらよいか誰もがわかるよう、これらの窓口や支援について広く周知するとともに、サービス内容をわかりやすく、その人に適した方法で情報提供します。また、支援者へも情報提供を図ります。 本市においては、以下をはじめとした相談支援機関では、必要に応じて適切な機関と連携しながら対応します。 ○いきいき支援センター(地域包括支援センター) 高齢者に対する総合的な相談・支援、高齢者虐待や権利擁護の相談支援を実施。市内45か所に設置されています。 ○障害者基幹相談支援センター 障害者とその家族を支援するため、福祉サービスの利用に関することなど、様々な相談支援を実施。市内20か所に設置されています。 ○地域子育て支援拠点事業 地域子育て支援拠点では、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての支援を実施。市内129か所に設置。 そのほか、一時預かり等より充実した支援を提供する子育て応援拠点を整備。 ○子育て総合相談窓口 妊娠中や子育て中の親及び家族等への相談支援。市内16か所(各区保健センター)に設置。 ○エリア支援保育所 公立保育所をエリア支援保育所と位置づけ、保育所などの職員研修をはじめとする事業の企画・調整やネットワークを構築するためのコーディネート、地域の子育て家庭への支援のための企画・調整を実施。市内57か所に設置。   79ページ 社会福祉法では、以下のように規定されています (地域子育て支援拠点事業等を経営する者の責務) 第106 条の2 社会福祉を目的とする事業を経営する者のうち、次に掲げる事業を行うもの(市町村の委託を受けてこれらの事業を行う者を含む。)は、当該事業を行うに当たり自らがその解決に資する支援を行うことが困難な地域生活課題を把握したときは、当該地域生活課題を抱える地域住民の心身の状況、その置かれている環境その他の事業を勘案し、支援関係機関による支援の必要性を検討するよう努めるとともに、必要があると認めるときは、支援関係機関に対し、当該地域生活課題の解決に資する支援を求めるよう努めなければならない。 一から四は略 名古屋市には、ほかにも困りごとに関する相談を受け付けている様々な相談支援機関があります。 ○高齢者いきいき相談室 高齢者からの相談を身近な場所で受け付け、いきいき支援センターと連携して内容に応じた支援を行っています。市内約300か所に設置。 ○子ども・若者総合相談センター ニート、ひきこもり、ヤングケアラーなど、様々な悩みを有する子ども・若者とそのご家族への支援を行っています。市内2か所に設置。 ○なごや若者サポートステーション 職業的自立やニート状態からの脱却を目指す若者と家族のために相談や独自プログラム等の支援を行っています。市内1か所に設置。 ○発達障害者支援センターりんくす名古屋 発達障害のある方やその家族、関係機関に対して、発達障害に関する相談支援等を行っています。また、必要に応じて、医療、保健、福祉、教育及び労働など関係機関と連携して支援をしています。市内1か所に設置。 ○ひきこもり地域支援センター ひきこもりのご本人やご家族からの相談等を受け、支援を行っています。市内2か所に設置。 ○仕事・暮らし自立サポートセンター 仕事のこと、家計のこと、家族のことなど暮らしのことで様々な悩みを抱える方からの相談を受け、支援を行っています。市内3か所に設置。 〇人とペットの共生サポートセンター ペットの飼育に不安を感じている方からの相談を受けるとともに、多頭飼育等によりやむを得ず飼えなくなったペットの飼主探しについて相談・支援を行っています。市内1か所に設置。   80ページ 2)サービスの評価や内容の開示を進めます。 サービスを利用する者の適切な選択が可能となるよう介護サービス事業者自己評価・ユーザー評価事業、介護事業所にかかる情報公表制度等のサービスの選択に資する情報を提供します。また、障害福祉サービス等にかかる情報公表制度により個々のニーズ(需要)に応じた良質なサービスの選択に資する情報を提供します。 3)身近な生活の困りごとなどを地域で相談しあえる住民相談窓口の設置を進めます。 住民が主体的に地域課題に取り組む「地域支えあい事業」やサロンなど、地域の身近な場所で住民同士が生活上の困りごとを相談しあい、相談支援機関とも連携しながら解決が図られるための仕組みづくりを進めます。また、地域支えあい事業の他、社会福祉法人などが自主的に開設する住民相談窓口の設置を推進します。 ○専門機関である相談支援機関(相談窓口)と住民相談窓口が連携した相談支援体制の図 ■地域の身近な相談場所 「地域支えあい事業」の実施地域では、コミュニティセンターなどの拠点に、地域住民によるご近所ボランティアコーディネーターが配置され、学区住民からの相談の受付をするとともに、ちょっとした困りごとに対応するご近所ボランティアを派遣し、その解決を図ります。   81ページ Ⅱ.どのような困りごとでも断らない包括的な相談支援とアウトリーチによる支援の推進 具体的な取り組み 現状と課題(24,25頁) 1)各相談支援機関が、困りごとを抱えた人を受け止め、関係機関との連携により対応する包括的な相談支援を推進します。 複合的な課題を抱えた人や世帯に関する相談が相談支援機関等にあった場合、相談のあった相談支援機関等が担当しない分野を含む場合であっても、いったん相談を受け止め、関係機関と連携して対応する包括的な相談支援を推進します。また、相談支援機関同士の連携で対応が難しい場合は、包括的相談支援チームが個別支援のコーディネートを行い、多機関による協働を支援します。また、地域住民による課題解決の取り組みを支援するとともに、相談支援機関等の相互の連携を強化するため、関係する職員のスキルアップに向けた啓発や研修等を実施します。 包括的な相談支援の図 複合的な課題を抱えた世帯等からの相談を、各分野の相談窓口が相談者やその世帯にかかる課題について、いったん属性や世代を問わず相談を受け止め、必要に応じてほかの相談支援機関と相談して支援を行います。そのなかでも、課題が複雑に絡み合い、連携だけでは対応できないケースや、本人に支援を拒否され対応が困難なケースなどは、相談支援機関から包括的相談支援チームに連絡し、チームが個別ケースの支援調整を行い、多機関協働のための全体のコーディネートを行います。具体的には、チームが関係機関を招集し、支援の方針や役割分担を調整したり、支援の進捗状況等を定期的に確認したりなどします。関係機関には、支援にかかわる相談支援機関、福祉事業者・医療機関等、見守りにかかわる地域住民等、区役所・保健センター、区の包括的支援担当などがあります。   82ページ 2)相談することができない人へ支援を届けるため、アウトリーチの取り組みを進めます。 自ら支援を求められず必要な支援が届いていないような人や世帯については、地域住民等から情報提供を受け、各相談支援機関が、訪問等により支援につなげ(アウトリーチ)、生活課題包括的の解消に向けて支援します。また、包括的相談支援チームは、上記以外にも、対象の人や世帯の支援の受け入れが難しい場合等には、訪問等を重ね、丁寧に時間をかけて信頼関係を作り、必要となる支援につないでいきます。 〇包括的相談支援チームによるアウトリーチ等を通じた継続的支援の図 見守りにかかわる地域住民等からの情報提供を受け、支援が必要な世帯等を把握し、多機関協働による支援の中で、包括的相談支援チームは、訪問等の伴走支援を行います。支援にあたっては、支援に関わる相談支援機関等と連絡調整し、相談支援機関からも支援を実施します。また、区の包括的支援担当とも連携・情報共有しながら支援を実施します。 3)生活課題を抱えて孤立している人が、地域とつながることができるよう取り組みを進めます。 各相談支援機関は、生活課題を抱え地域で孤立している人や世帯が、地域とつながることができるよう、地域における交流や活動の場への参加を支援します。支援にあたっては、「支えられる」側の視点だけではなく、支援を受ける人が地域社会において「支える」側としても活躍できるような視点を持って取り組みます。包括的相談支援チームは、生活課題を抱え地域で孤立している人や世帯が、社会とつながることができるよう、社会参加に向けた準備の場を運営するとともに、支援が必要な人や世帯の状況に応じて、地域の交流・活動の場とのマッチングを行います。   83ページ 〇包括的相談支援チームによる参加支援の図 包括的相談支援チームは、支援が必要な世帯等の社会参加の準備の場を運営するととともに、地域の交流・活動の場へ参加・体験するための、受け入れ依頼や調整を実施します。また、区の包括的支援担当と連携・情報共有しながら支援を実施します。 また、地域の実情をよく知る地域住民や地域団体等が把握した、生活課題を抱えた人や世帯を支援につなげるため、地域住民や地域団体等と相談支援機関等が連携するためのネットワークを構築します。 事例 包括的相談支援チームの取り組み(南区) 祖母と父と同居する20歳代の男性。仕事を辞めてからひきこもる生活となり、ほとんどの時間をゲームに費やし昼夜逆転の生活を送っていました。包括的相談支援チームは本人と信頼関係を構築しながら、家の外に出る第一歩となるよう、社会参加の準備の場「たからる~む」の利用を提案しました。その後、男性は徐々にたからる~むに来ることができるようになり、最終的には毎週通えるようになりました。これにより、昼夜逆転の生活が見直され、ジムに通い始める等、生活改善や自立に向けた意欲が徐々に高まっていきました。たからる~むの他の利用者と一緒に地域で畑作業を行った際には、一緒に参加していた小学生のよきお兄さんとして活躍。それをきっかけに、子どもに関わる仕事への意欲が湧いてきたため、包括的相談支援チームは男性に児童館でのアルバイトを紹介しました。その後、男性は児童館での仕事を続けながら、たからる~むのスタッフとなり、包括的相談支援チームとともに運営を担い、「支えられる側」から「支える側」となっていきました。現在は、就職に向けて支援をする中で男性自身が見つけた新たな企業での就職が決まり、一人暮らしを始め、自立した生活を送っています。   84ページ Ⅲ.生活困窮、ひきこもり、住まい、自殺対策の取り組みや犯罪をした人の社会復帰に関する支援の推進 具体的な取り組み 現状と課題(15,23頁) 1)生活困窮者の自立に向けた支援を進めます。 生活困窮者の自立に向けた総合的な相談支援機関として「仕事・暮らし自立サポートセンター」を設置し、「自立相談支援事業」、「住居確保給付金の支給」をはじめ、「就労準備支援事業」、「家計改善支援事業」等を一体的に実施します。また、福祉事務所等と連携しながら「一時生活支援事業」や「学習支援事業」を展開します。さらに、直ちに一般就労が困難な人に対し「就労訓練事業」を行う民間事業所を確保し、就労に向けた訓練を実施します。サポートセンターに来所することが困難な人や、関係機関からの協力依頼があった人などに対しては、アウトリーチを積極的に実施し、生活困窮者が必要な支援を受けられるよう取り組みを進めます。あわせて、社会参加機会の創出や居場所づくりなどを中心に、一人ひとりの多様なニーズに対応できるようインフォーマルな支援や地域のネットワークとの連携・協働によるきめ細かい支援に努めます。 2)ひきこもり状態にある人とその家族を支援する取り組みを進めます。 ひきこもり状態にある人とその家族等を対象とした相談窓口として、ひきこもり地域支援センターを設置し、来所や電話をはじめ、LINEやオンラインでの相談支援を行うとともに、本人同士が交流できる居場所を設置しています。また、家族にひきこもりの人がいる方向けの家族教室やひきこもりへの理解を深めるための市民講演会など、ひきこもりに関する周知・啓発を行います。あわせて、顔や名前を出すのに抵抗がある人や外出が難しい人が交流できるインターネット上の仮想空間(メタバース)を活用した居場所づくりなど、新たな取り組みを進めます。今後も、本人やその家族が抱える背景や事情に応じて、関係機関と連携してひとりひとりのニーズに対応した支援に努めます。 3)住宅の確保に配慮を要する人への住まいの確保や生活支援等の促進に向けた取り組みを進めます。   85ページ 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づく登録住宅の情報提供を行うとともに、その登録促進を図ります。 また、住まいサポートなごやの活動等により、住宅部局と福祉部局とが連携して、入居相談や生活支援、入居希望者・大家等への情報提供、地域の見守り施策と居住支援の連携強化など居住支援活動のネットワークづくりに向け取組みを進めます。 4)自殺の危険がある人のサインに気づき、未然に防ぐ取り組みを進めます。 周りの人に気になる症状がある場合や自殺の危険がある場合等に、適切な医療や相談窓口につなげ、見守る人を増やしていくために、ゲートキーパーの認知度向上に向けた普及啓発を推進するとともに研修機会の拡充を図ります。また、自殺は「誰にでも起こり得る危機」であり、「危機に陥った場合に誰かに援助を求めることは恥ずかしいことではない」という共通認識を持てるよう、正しい知識の普及啓発や、各種相談機関の認知度向上のため、広報・周知を推進していきます。 「こころの絆創膏」とは、本市の様々な自殺対策事業に名付けられているキーワードです。悩みが小さなうちに、人と人との絆で手当てしたいという想いが込められています。また、「こころの絆創膏」は、相談窓口や自助グループの情報を掲載しているウェブサイトです。うつ病に関する知識や精神科医療機関の情報なども掲載されており、悩みを抱えたときに解決のヒントとなる情報を検索することができます。 「ゲートキーパー」とは、悩んでいる人のサインに気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなげ、見守る人のことで、「いのちの門番」とも言われています。問題を抱えて悩んでいる人は、何らかの悩みのサインを発していることが多いと言われています。そのため、家族や友人、地域住民など周りの人が身近な人の悩みのサインに気づき、適切な支援につないでいくことが重要です。 5)犯罪をした人の円滑な社会復帰を支援するための取り組みを進めます   86ページ 平成28年12月、「再犯の防止等の推進に関する法律」が公布・施行され、市民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を目指すための取り組みが求められています。犯罪をした人が再び犯罪に手を染めることのないように、犯罪をした人を社会から孤立させるのではなく、責任ある社会の一員として再び受け入れながら、必要な福祉などの支援を受けることができるよう、関係機関の緊密な連携を進 めます。 6)関係機関の連携による支援や、課題を抱えている人を適切に支援につなげるための地域づくりを進めます。 生活困窮者、ひきこもりの人やその家族、住宅の確保に配慮を要する人、自殺する恐れがある人、犯罪をした人などは、複数の課題を抱えていることが多く、また困りごとがあっても、どこに相談してよいのか分からず行動に移せない場合や、地域から孤立し自ら支援を求めることができない場合も少なくありません。複数の課題等について適切な支援が行えるよう、様々な関係機関(福祉、就労、税務、社会保険、住宅などの関係機関)が連携し、各機関が把握した「気になる方」を適切な相談支援機関等につなぐとともに、関係機関間で相互に情報を共有し、連携して支援する取り組みを進めます。また、それぞれの課題について地域住民の理解が深まるよう広報啓発を行うことで、地域住民が困っている人に気づき、地域での孤立を防ぐとともに、支援を必要とする人を早期に把握し、適切な支援に繋がることができる地域づくりを進めます。   87ページは白紙です。   88ページ ■方策マル4 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) Ⅰ.誰もが意思決定を尊重され、地域で自分らしく安心して暮らし続けるための支援の推進 具体的な取り組みの内容 1) 地域住民が権利擁護への理解を深め、日頃の気づきから必要な権利擁護支援へとつなげるための取り組みを進めます。P90 2) 判断能力が不十分な人が地域で安心して生活が送れるよう、金銭管理や財産保全などを行うとともに、迅速かつ適切なサービス提供に必要な取り組みを進めます。P90 3) 判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」の利用促進を図ります。P90 4) 支援に関わるすべての人が本人による意思決定を尊重し、誰もが自分らしい生活を送るための仕組みをつくります。P90 5) 消費者被害のトラブルなどに関する相談を受けます。 P90 Ⅱ.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援の推進 具体的な取り組みの内容 1) 虐待のない地域社会を目指して、一人ひとりを地域全体で見守る機運を高めます。P92 2) 高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見、相談支援などを行います。P92   89ページ ★主体別の取り組み(方策マル4) 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) 市民の役割 ・権利擁護に関する正しい知識を身につけるとともに、ご自身が権利擁護に関する支援を必要とした場合に相談できるよう窓口の把握に努める。 ・認知症や障害などの当事者特性を理解するよう努める。 ・虐待を受けたと思われる高齢者、障害者、児童を発見した場合は、関係機関に通告(通報)する。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等の役割 ・権利擁護に関する正しい知識を身につけるとともに、日常的な活動の中で権利擁護の支援を必要としている人がいれば、適切な相談窓口につなぐ。 ・認知症や障害などの当事者特性を理解し、啓発に努める。 ・虐待を受けたと思われる高齢者、障害者、児童を発見した場合は、関係機関に通告(通報)する。 市の役割 ・権利擁護の推進や成年後見制度の利用促進のための広報啓発及び体制の整備を行う。 ・市民の後見活動への参加を促進するための普及啓発を行う。 ・後見人等のなり手を確保するための取り組みを行う。 ・消費者被害トラブルの相談支援を受けます。 ・虐待を防止するための啓発を実施するとともに、虐待の予防、早期発見、相談を受けます。 <市の主な関連施策や事業等> ・成年後見あんしんセンター、・法人後見の推進、・消費生活センター、・高齢者虐待相談センター、・障害者虐待相談センター、・児童相談所、・児童家庭支援センター、・配偶者暴力相談支援センター 等 社会福祉協議会の役割 ・権利擁護の推進を図る。 ・市民後見人を養成・支援する。 ・法人後見の受任を進める <社会福祉協議会の主な関連施策や事業等> ・障害者・認知症高齢者権利擁護事業 ・成年後見あんしんセンター(運営の受託)、・法人後見センター、・高齢者虐待相談センター(運営の受託)、・障害者虐待相談センター(運営の受託)等 ※<主な関連施策や事業等>は、令和7年3月時点の内容です。   90ページ Ⅰ. 誰もが意思決定を尊重され、地域で自分らしく安心して暮らし続けるための支援の推進 具体的な取り組み 現状と課題(29頁) 1)地域住民が権利擁護への理解を深め、日頃の気づきから必要な権利擁護支援へとつなげるための取り組みを進めます。 地域での日常的な見守りや身近な相談活動の中での気づきから、適切な権利擁護支援へとつなげることができるように、市民向けの権利擁護支援に関する必要な啓発に取り組むとともに、相談支援機関や関係機関が連携し、権利擁護を含めた総合的な支援に取り組みます。 2)判断能力が不十分な人が地域で安心して生活が送れるよう金銭管理や財産保全などを行うとともに、迅速かつ適切なサービス提供に必要な取り組みを進めます。 判断能力の不十分な人が、地域で安心して生活を送れるよう日常的な金銭管理、財産保全、福祉サービスの利用援助などを行う障害者・認知症高齢者権利擁護事業を実施するとともに、支援が必要になった人が、速やかに適切なサービスにつながることができるよう、事業運営の改善を図ります。 3)判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」の利用促進を図ります。 判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」を本人がメリットを実感できる制度として活用するため、本市成年後見制度利用促進計画に基づき、制度の広報・啓発、相談や申立ての支援、市民後見人の養成、支援、監督を行うほか、成年後見人になる者の支援やなり手の確保を進め、本人にとって適切な成年後見人等が選任されるための仕組みづくりに取り組みます。 4)支援に関わるすべての人が本人による意思決定を尊重し、誰もが自分らしい生活を送るための仕組みをつくります。 支援に関わるすべての人が本人の意思を尊重した支援を行うスキルを高めるとともに、本人の意思形成・表明・実現を手助けできるようにするため、成年後見人等を含む支援者をはじめとした、支援に関わる人を対象として、任意後見の啓発をはじめとした意思決定支援に関する研修を幅広く行い、成年後見制度や意思決定支援に関するガイドライン等の理解促進を図ります。 5)消費者被害のトラブルなどに関する相談を受けます。   91ページ 消費者被害のトラブルなどに関する相談を受けるとともに、トラブルを予防するための啓発を行います。 また、地域団体等に高齢者等が遭いやすい消費者トラブルや見守りのポイントを伝える講座を実施し、地域で高齢者等を消費者被害から守るための人材を育成します。 事例 本人の意思を尊重した市民後見人によるひとり暮らし認知症高齢者への支援 あるひとり暮らしの高齢者の方は、権利擁護事業を利用していましたが、判断能力のさらなる低下から、介護サービスの利用契約や入院時の手続きを心配し、市が申立人となり成年後見制度の利用につなげ、市民後見人が選任されました。市民後見人は、週1回本人に面会し、生活費を届けるとともに話し相手となり、ケアマネジャーをはじめとした関係者と連携し、見守りを中心とした後見業務を行いました。在宅での生活も限界かと何度も支援者たちは考えましたが、本人の意思を尊重し、自宅での暮らしを支え続けました。病状の悪化で亡くなりましたが、葬儀には遠方のご親族とともに、近隣の町内会、ご友人が多数参列され、多くの方々に見送られることとなりました。 ○障害者・高齢者権利擁護センター 判断能力が不十分な人の福祉サービス利用援助、金銭管理サービス、財産保全サービスなどの事業を実施。 ○成年後見あんしんセンター 成年後見制度の利用を必要とする人を的確に制度につなげるため、制度に関する専門的な相談支援。また、市民後見人の養成、支援、監督を実施。 ○法人後見センター 判断能力の不十分な方が安心して地域で生活し続けられるように、社協が成年後見人等になることにより、身上保護、財産管理を行い、その権利擁護を実施。 ○消費生活センター 消費生活の向上のための指導及び啓発、消費生活に係る情報及び資料の収集・提供、消費生活の相談及び苦情処理、相談及び苦情に係る事業者の指導等の機能を有する総合的な消費者行政の拠点として、各種の事業を推進。   92ページ Ⅱ.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援の推進 具体的な取り組み 現状と課題(29頁) 1)虐待のない地域社会を目指して、一人ひとりを地域全体で見守る機運を高めます。 日頃の地域での交流や助けあいが養護者(保護者)の安心や負担の軽減につながることがあります。虐待を家庭だけの問題とはせず、地域全体の問題として捉え、一人ひとりを地域で見守る機運を高める啓発等に取り組みます。 2)高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見、相談支援などを行います。 高齢者虐待相談センター、障害者虐待相談センター、児童相談所、児童家庭支援センター、配偶者暴力相談支援センター、各区役所・保健センター及びいきいき支援センター等において、相談支援体制を設けています。地域住民等から相談を受け付けるとともに、地域と連携しながら、予防、早期発見、相談支援などを行います。 ○高齢者虐待相談センター 高齢者虐待の防止及び早期対応を図るため、高齢者本人やその家族、保健福祉関係者等からの高齢者虐待に関する相談を受けています。 ○障害者虐待相談センター 障害者虐待の防止及び早期対応を図るため、障害者本人やその家族、保健福祉関係者等からの障害者虐待に関する相談を受けています。 ○児童相談所 18歳未満の子どもについてのあらゆる相談を家庭その他から受け、子どものニーズや置かれた環境に応じて必要な支援を行っています。 ○児童家庭支援センター 児童・家庭・地域住民からの相談に応じ、保護を要する児童またはその保護者に対する支援を行い、児童相談所や児童福祉施設・関係機関等との調整を行います。 ○配偶者暴力相談支援センター 配偶者からの暴力被害者から相談を受け、関係機関と連携し支援を行っています。 事例 オレンジリボンキャンペーンの取り組み 平成25年4月に施行された「名古屋市児童を虐待から守る条例」では、毎年5月と11月を「児童虐待防止推進月間」と定めており、様々な取り組みを実施しています。   93ページは白紙です。 94ページ 取り組むべき方向性3 地域で活躍する多様な担い手を育む 人、場、活動、情報などの社会資源がつながる地域づくり 方策⑤ 「支え手」「受け手」の関係を超えて誰もが活躍できる地域づくり Ⅰ.「知る・学ぶ」を通じた地域福祉の意識づくり 具体的な取り組みの内容 1) 福祉的な配慮や支援に関する情報を発信し、属性や世代に関わらず誰もが気軽に福祉活動に参加できる機運を醸成します。P96 2) 地域住民が身近な福祉課題の解決を試みる活動を支援します。 P97 3) 学校や地域における福祉教育・福祉学習の推進を図ります。 P98 Ⅱ.誰もが意欲を持ち能力を発揮しながら地域福祉活動に参加できる機会の提供 具体的な取り組みの内容 1)様々な地域福祉活動を周知するとともに、ライフスタイルや興味等に応じて活動に参加することができる取り組みを進めます。P99 2) 若年層が地域の課題解決を体験し、自らが地域社会の一員であることを実感する機会の提供を進めます。P100 3) 地域福祉活動の担い手となるための機会の提供や試みを進めます。 P101   95ページ 主体別の取り組み(方策⑤)「支え手」「受け手」の関係を超えて誰もが活躍できる地域づくり 市民の役割 ・福祉教育・学習での学びや自身の興味のある分野を通して福祉への関心を高めるとともに、個々の生活環境やライフスタイル等の中で無理のない範囲で福祉活動に取り組んでみる。 ・身近な地域での関りや、ボランティア養成講座などを通じて、地域福祉活動に参加し、自ら進んで役割を引き受けてみる。 地域活動団体の役割 ・団体の活動状況を積極的に発信し、住民の関心を高める。 ・新たな構成員を積極的に受け入れる環境づくりに努める。 社会福祉法人、商店等に共通する役割 ・地域における公益的な取り組みや社会貢献活動を積極的に発信し、住民の福祉課題への関心を高める。 ・場の提供など、住民主体の協議の場づくりに協力する。 市、社会福祉協議会の共通の役割 ・無理なくできる福祉活動の情報や地域の福祉課題を学ぶ機会の提供に努める。 ・担い手を育む取り組みを創意工夫のもと進める。 市の役割 ・地域福祉に関する広報啓発や教育などの環境整備に関する方策を検討・実施する。 社会福祉協議会の役割 ・学校や地域で福祉教育を進める。・ボランティア講座を実施し、グループ化、ネットワーク化を進めるとともに活動を支援する。 <市の主な関連施策や事業等> ・地域支えあい事業、・鯱城学園、・生涯学習センター、・なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル、・地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業、・市民活動推進センター 等 <社会福祉協議会の主な関連施策や事業等> ・地域支えあい事業(事業の受託)、・鯱城学園(運営の受託)、・福祉教育・福祉学習 ・なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル、・地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業、・市・区社協ボランティアセンター 等 ※<主な関連施策や事業等>は、令和7年3月時点の内容です。   96ページ Ⅰ.「知る・学ぶ」を通じた地域福祉の意識づくり 具体的な取り組み 現状と課題(32頁) 1) 福祉的な配慮や支援に関する情報を発信し、属性や世代に関わらず誰もが気軽に福祉活動に参加できる機運を醸成します。 通勤電車の中で体の不自由な人に席を譲るような配慮や、身近な地域の中で心配な人に声をかける行為は、相手のことを気にかけた、ちょっとした福祉活動と言えます。私たちは、常に意識しているわけではありませんが、誰かを支え、ときには誰かに支えられ、あるいはともに支え合う関係性の中で、自分らしく生活することができています。年齢や性別、障害の有無、国籍などの特性や背景が異なるあらゆる人々が、仕事や学校など個々のライフスタイルや生活環境の中で無理なくできる福祉活動を、広報誌やインターネット、SNSなどを通じて積極的に取り上げ情報発信を行うことで、誰もが気軽に地域福祉活動に参加できる機運を高めていきます。 事例 メンタルネットきた出前講座の取り組み 北区精神保健福祉ネットワーク「メンタルネットきた」は、精神医療・保健・福祉の機関が中心となり、ネットワークを生かしながら「誰もがこころ健やかにくらせるまちづくり」を目指して活動しています。精神保健福祉に関わる地域の理解者・支援者を増やしていくための活動の一つとして、「メンタルネット出前講座」を実施し、障害者理解の推進に取り組んでいます。 事例 地域支えあい事業の広報活動の取り組み 千種区の千代田橋学区では、隔月発行される学区の広報誌に地域支えあい事業のコーナーを毎回掲載することで、多くの住民へ事業に関しての様々な情報を発信しています。また、事業啓発グッズとしてウェットティッシュの作成・配布も行いました。各啓発物には、学区の地域支えあい事業のキャラクターの「ちよたん」を活用し、より住民に親しみのある事業を目指しています。   97ページ 事例 切手収集などの活動(ボラの活動風景) 個人や企業、事業所等から使用済み切手をご寄託いただき、形を整えてから次の寄付先に届ける活動をしています。寄付先が活用しやすいようハサミで切る活動に、高齢者やデイケアの利用者等が「気軽にできるボランティア」として参加されています。また2か月に1度集まって活動している「ポストの会」には老若男女問わず参加いただいています。 事例 なごやボラねっと 市社協では、「名古屋市・区社協ボランティア情報サイト なごやボラねっと」という名古屋市内のボランティア関連情報をまとめたサイトを運営しています。「なごやボラねっと」は、市・区社協に登録されているボランティア団体の情報、ボランティア募集情報、イベント・講座情報を閲覧することができます。 2) 地域住民が身近な福祉課題の解決を試みる活動を支援します。 地域福祉推進協議会活動や「地域支えあい事業」の活動連絡会議、地域福祉活動計画の策定・推進に関する会議など住民主体の協議の場や地域ケア会議・生活支援協議体の場において、関係者とともに身近な福祉課題を明らかにすることを通じて、コミュニティワーカーや関係機関の専門職等が、地域住民等が自ら課題を把握するための支援を行います。また、明らかになった福祉課題を住民自らが解決を試みることを支援するため、見守り活動や地域支えあい活動などの住民主体の福祉活動の立ち上げを丁寧に支援します。 事例 支えあいマップづくりの推進 緑区の相原民生委員児童委員協議会では、日ごろの地域での支え合い活動、共助の仕組みをつくることを目的として、「支えあいマップ」を作成しています。地域住民にとって関心が高い「災害時の助け合い」をテーマに、区社協コミュニティワーカー・いきいき支援センターの職員とともに支援が必要な人と周辺にお住まいの方との日頃の助け合い、支えあいの状況を住宅地図に図示して点検する取り組みを行いました。   98ページ 事例 地域住民とともに身近な福祉課題の解決を図る取り組み 天白区社協では地域福祉活動計画の「情報弱者へ情報を届ける仕組みづくり」のグループでは、ICT活用の有用性から、生活に必要な福祉情報等をICTツールにより発信しています。 3)学校や地域における福祉教育・福祉学習の推進を図ります。 地域住民が地域での様々な課題に気づき、多様性を理解しながら、その解決に向けて取り組めるよう福祉教育・福祉学習の内容の充実を図ります。各区社協は、福祉学習サポーターと協働し、学校の授業や地域における住民の集いの場などを利用し、福祉体験学習や障害者・高齢者などの当事者を講師とした交流・学習プログラムを推進します。そのために、各区の特色や既存のつながりを活かし、福祉学習サポーターや関係団体などが集まり、地域で多様性の理解を進める企画検討を行います。また、生涯学習という観点から、「鯱城学園」や各区の「生涯学習センター」において、地域に親しみ、地域に関心をもつことができるような学習機会の提供と地域での活動体験の充実を図ります。 福祉学習サポーターの養成 市・区社協では、平成27 年度から学校や地域における福祉教育・福祉学習を推進する協力者として、自身の体験・経験から福祉・共生意識の内容を伝えるゲストティーチャーの役割を担うとともに、福祉学習の啓発の企画をする福祉学習サポーターを養成しています。 事例 子どもの体験型福祉学習イベント 港区社協では、子どもたちが生活に密着した知識を身に付ける学びの場や、世代や国籍、障がいの有無を超えた交流活動「子ども食堂で学び合ってミーナ」の企画・実施をしています。外国籍の子とお金の使い方を学ぶ「おこづかいゲーム」や「駄菓子屋さん」、障害当事者との「押し花工作」や「手話体験」・「お買い物体験」など身近な体験から「ふくし」に触れるきっかけつくりをしています。   99ページ 事例 名古屋市高年大学鯱城学園の取り組み 市内在住の60歳以上の人を対象とした「鯱城学園」は、生きがいづくりと地域活動の核となる人材の養成を目的として運営しています。卒業生の同窓会組織である「鯱城会」及び市内16区の「区鯱城会」における学習会・講演会・作品展やボランティア活動など身近な地域での活動を支援しています。 Ⅱ.誰もが意欲を持ち能力を発揮しながら地域福祉活動に参加できる機会の提供 具体的な取り組み 現状と課題(32頁) 1)様々な地域福祉活動を周知するとともに、ライフスタイルや興味等に応じて活動に参加することができる取り組みを進めます。 様々な地域福祉活動やボランティア、NPOの活動の様子を、地域住民に分かりやすく周知します。 また、ライフスタイルや興味等に合わせて地域福祉活動に参加できるようにするため、各々に適した地域福祉活動を選べるメニューの提示を進めるとともに、必要な情報が分かりやすい情報提供の工夫を行います。 事例 「人」と環境にやさしい「ライ麦プロジェクト」の取り組み 守山区社協では、高齢者・障害者・子どもといった世代や、支える人・支えられる人といった固定的な立場にとらわれることなく、それらの垣根を超えて、あらゆる人が地域活動に参加できる「ライ麦プロジェクト」を推進しています。ライ麦ストローを作るまでには、さまざまなプロセスがあり、それぞれ好きな作業、好きなタイミングで参加しています。一人ひとりが地域の中で役割(しごと)を持つことで、人とのつながりを深め、自分らしくいきいきと暮らせるまちづくりを目指しています。 つながり・支えあおう地域福祉のすゝめ 地域福祉の取り組みに役立つ講演を実施するとともに、地域住民等が主体となって取り組んでいる地域福祉活動の事例を発表する機会を設けることで、助けあいの意義を市民に向けて啓発するとともに、活動者間の学び合いの場を提供しています。   100ページ 事例 人と人がつながる場所「つなしょ」の取り組み 一般社団法人つながり探究所は、守山区において、誰もがつながることができる第3の居場所づくりを目指して「つなしょ」を運営しています。フードパントリーや子ども食堂、フードドライブ、生活困窮者や外国人市民等への食材物資の提供を行っており、放課後には子どもたちとその保護者の居場所になっています。 事例 生活援助軽サービスの取り組み ひとり暮らしの高齢者等を対象に、日常生活上の軽易な援助を行うことで、自立した生活を送ることができるよう支援する「生活援助軽サービス」をシルバー人材センターへの事業委託により実施しています。 この事業では、高齢者の経験と能力・技術を活かしたサービス提供が行われています。 また、シルバー人材センターに登録している高齢者がサービスを提供することにより、高齢者の支えあいの仕組みとしても機能しています。 2)若年層が地域の課題解決を体験し、自らが地域社会の一員であることを実感する機会の提供を進めます。 大学生等が、地域における課題を知り、地域福祉活動等を通じた課題解決を経験することで、地域社会の一員である意識を高めていくことを目指します。そのために、大学生によるボランティアグループ活動と社会福祉協議会等との連携事例をもとに、若年層がボランティアや地域福祉活動にふれることができるきっかけをつくります。 なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル 未来を担う若者を育み、地域貢献意欲を高めるため、名古屋市内の大学の地域連携等支援部署の担当者がつながり、若者(大学生)のボランティア活動や地域福祉活動の意義や支援方法等について協議・共有する場「なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル」を年6回程度実施しています。若者の興味・関心のある「スポーツ」「カフェ」を通じて、多様な人との「出会い・気づき・学びの場」を創出し、若者のボランティアや地域福祉への関心を高めるきっかけづくりをしています。   101ページ 事例「学生入居モデル事業」の取り組み 中川区市営住宅万場荘では、空き家増加や高齢化に伴い自治会の活動の担い手不足や団地コミュニティーの希薄化などの課題の解決に向けて、名古屋市、住宅供給公社、同朋大学が連携して空き家の有効活用を進めています。入居している学生は、自治会活動に参加しており、今後も学生の活躍が期待されています。 3)地域福祉活動の担い手となるための機会の提供や試みを進めます。 市民活動推進センターや市・区社協ボランティアセンターにおける各種ボランティア講座や研修の開催などにより、地域住民自らが担い手になることができるように支援します。この支援にあたり、NPOなどの団体と協働で講座を開催するなど、講座内容や講座受講後の活動の幅が広がるような工夫をします。併せて、市民活動推進センター及び市・区社協ボランティアセンターでは、ボランティアグループや市民活動団体の活動支援、組織化、NPO法人設立の支援を通じて、地域における住民の自主的な活動を推進します。また、社会福祉法人や企業等の分野にとらわれない横のつながりづくりを促進するとともに、つながりを活用した様々な地域福祉活動を検討・試行することを通じて、参画した多様な主体が活動の担い手となる機会づくりを進めます。 市民活動推進センター 市民活動を促進するための総合的な支援拠点です。市民活動についての情報発信・交流・講座などを通じて市民活動のサポートを行っています。 市・区社協ボランティアセンター ボランティアに関する各種相談、広報、ボランティア講座等を行っています。 事例 ぼらマッチ!なごや 市民活動推進センターと市社協では、大学・企業・NPO との協働により、「ボランティアをしたい人」と「ボランティアを必要としている団体・施設」を結びつけるマッチングイベント「ぼらマッチ!なごや」を開催しています。様々な分野の団体・施設が出展し、直接面談することで、自分のやりたいことや条件に合ったボランティアを探すことができます。また、ボランティア体験や講座などを通し、知識や経験を深めることもできます。 102ページ 方策⑥多様な主体の参画と協働による地域福祉の推進 Ⅰ.社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みの促進 具体的な取り組みの内容 1)社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みを促進します。 P104 2) 社会福祉法人や福祉施設・事業所等による担当分野の専門性を活かした支援を促進します。P105 Ⅱ.企業の社会貢献活動等との協働 具体的な取り組みの内容 1) 商店や企業等の社会貢献活動のマッチング及び勤労者の地域福祉活動への参加を促進します。P106 2) 商店や企業等に地域の福祉活動を周知し、課題解消につながる活動への参画を促進します。P106 Ⅲ.地域福祉活動を支える環境整備 具体的な取り組みの内容 1) 地域福祉の担い手に対して、地域や活動の実情に応じた支援を進めます。P107 2) 地域の中で、社会福祉法人や企業等がつながる場や機会を創出します。P107 3) 地域福祉活動の拠点づくりや助成を通じた活動支援を進めます。 P108   103ページ 主体別の取り組み(方策6)多様な主体の参画と協働による地域福祉の推進 市民の役割 ・地域団体、社会福祉法人、商店・企業・大学等の多様な主体を同じ地域社会の構成員であることの認識を深め、身近な地域の中でどのような役割を果たしているのか関心を持つ。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等に共通する役割 ・構成員が地域の福祉活動に参加しやすい制度や雰囲気づくりに協力する。 地域活動団体の役割 ・活動に関心を持つ個人のライフスタイルや特性に応じた参加方法に対応する。 ・社会福祉法人など多様な主体との連携をはかる。 社会福祉法人と商店・商店街・事業所・企業・大学等の共通の役割 ・担当分野の専門性を活かした地域支援を行う。 社会福祉法人の役割 ・地域における公益的な取り組みを行う。 商店・商店街・事業所・企業・大学等の役割 ・地域社会の一員として、地域貢献活動を実施する。 ・勤労者の地域福祉活動への参加を促す。 市、社会福祉協議会に共通する役割 ・社会福祉法人や福祉事業所、商店や企業等が地域福祉活動への参加、支援ができる仕組みを検討する。 ・地域福祉活動に必要な場やその情報を提供する。 ・地域に根ざした活動や先進的な地域福祉活動にかかる資金の助成を行う。 市の役割 ・施策の展開にあたっては、様々な分野の多様な主体を巻き込んで取組を進める。 <市の主な関連施策や事業等> ・コミュニティセンター、・文化センター、・社会福祉法人による地域における公益的な取り組みの推進 等 社会福祉協議会の役割 ・地域貢献を検討している商店や企業等と地域活動のマッチングを行う。 ・福祉基金の使い道を市民に分かりやすく広報し、寄付の募集を進めるとともに、地域福祉活動に対する助成を行う。 <社会福祉協議会の主な関連施策や事業等> ・在宅サービスセンター ・なごやよりどころサポート事業 ・地域の子ども応援事業 ・福祉基金による助成事業 等 104ページ Ⅰ.社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みの促進 具体的な取り組み 現状と課題(35頁) 1) 社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みを促進します。 社会福祉法人は、その高い公益性・非営利性を踏まえ、社会福祉法において地域における公益的な取り組みを実施することが責務とされています。また、社会福祉法人に限らず、介護・障害・保育等の福祉サービスを提供する社会福祉施設や事業所等は、これまで培ってきた経験や専門的な知識や技術を活かし、制度だけでは解決できない地域の福祉課題・生活課題の解決に取り組むなどの地域貢献が求められています。そうしたことを踏まえ、営利・非営利を問わず、福祉サービスを提供する社会福祉施設や事業所等による地域における公益的な取り組みを促進します。 事例 社会福祉法人等の地域貢献活動 中川区にある社会福祉法人フラワー園は、地域貢献活動として休日の高齢者のデイサービス施設を活用した子ども食堂を行っています。現在では認知症カフェと統合し、地域の幅広い世代の人々が交流する活動に発展しています。 なごや・よりどころサポート事業 孤独・孤立の状態にある人の問題や虐待、生活困窮などを原因として生きづらさを感じている人たちの抱えている福祉課題で、既存の制度やサービスでは解決できないところに着目し、社会福祉法人が連携してそれらの課題を解決することを目的とした事業です。施設の機能や特色を活かした「居場所・サロンづくり事業」、地域住民が抱える生活や福祉の相談を、事業実施施設の職員が包括的に受け止め、専門性やネットワークを活かして対応する「地域のよりどころ相談窓口事業」、児童養護施設等を出て進学や就職する人たちを支援する「若者よりそいサポート事業」、働きたくても事情によりすぐに一般的な仕事に就くことが難しい人たちを支援する「就労支援事業」に取り組んでいます。   105ページ 事例 地域のよりどころ相談窓口事業 本事業を実施している施設の一つである「自立支援事業あつた」では、専用の相談室を設置し事業に取り組んでいます。窓口に地域住民から入った相談では、傾聴、証明写真撮影の支援、仕事・暮らし自立サポートセンターへのつなぎといった対応を行いました。住民からの様々な相談を受け止め、必要に応じて適切なサービス等につなぐことで、社会福祉施設が地域住民に身近な存在になれるよう取り組んでいます。 2) 社会福祉法人や福祉施設・事業所等による担当分野の専門性を活かした支援を促進します。 地域の福祉課題・生活課題が複雑化・多様化する中、地域福祉活動を進める上では、専門的な知識が必要になる場合があります。社会福祉法人や福祉施設・事業所等が高い専門性を活かし、活動の担い手が地域福祉活動を円滑に行えるよう支援するための働きかけを行います。 事例 福祉施設職員による専門性を活かした障害理解の促進 中村区社協では、障害理解を促進するため、小学校、中学校、高校への福祉教育事業において障害当事者と施設の職員に関わっていただいています。障害福祉の専門性を活かしたわかりやすい講話や車いす体験、ボッチャ体験などのプログラムを通じて子どもたちへの深い学びを提供しています。   106ページ Ⅱ.企業の社会貢献活動等との協働 具体的な取り組み 現状と課題(35頁) 1) 商店や企業等の社会貢献活動のマッチング及び勤労者の地域福祉活動への参加を促進します。 社会貢献活動に取り組みたいと考えているが、実際にどのように活動してよいかわからない商店や企業等と地域との福祉ニーズのマッチングを行います。さらに、地域福祉活動の担い手として期待される勤労者の地域福祉活動への参加を促進するための取り組みを進めていきます。 事例 企業の社員がボランティアとして活躍する福祉活動 中区のNPO 法人チェリッシュが運営する地域食堂の「地域食堂おいまつ」では、子育て世帯やひとり親世帯の参加も多く、『食を通じた「とも育て」の場所』を目指して活動しています。地域住民だけでなくフクシマガリレイ株式会社、明治安田生命保険相互会社などの企業の社員が勤務時間を調整したり、会社の休日を利用したりしてボランティア活動をしています。 2) 商店や企業等に地域の福祉活動を周知し、課題解消につながる活動への参画を促進します。 地域にある個々の商店や企業等では、通常業務の中で、高齢者や障害者などへ福祉的な配慮を行っていることが少なくありません。地域福祉活動の担い手としての役割が注目されている商店や企業等に対し、地域における福祉ニーズ及び福祉活動の情報発信を行い、商店や企業等が各々のノウハウを活かし地域における課題を解消できる活動への参画を促進します。 事例 商店や企業のノウハウを活かした地域福祉の取り組み 北区社協では、中小企業家同友会と区役所・社協との意見交換会がきっかけとなり、小・中学生が区内の商店・企業の提供する様々な「お仕事」を体験する企画を実施しています。商店・企業と子ども食堂、中学校のキャリアナビゲーターなど多様な主体がつながる場にもなっています。参画する商店・企業数も増加しており、さらに充実した企画になるよう取り組んでいます。   107ページ Ⅲ.地域福祉活動を支える環境整備 具体的な取り組み 現状と課題(35頁) 1)地域福祉の担い手に対して、地域や活動の実情に応じた支援を進めます。 地域福祉活動を行う中で、それぞれが抱えている課題は地域や活動の状況によって異なります。身近な地域での連絡会や交流会等を通じて、地域福祉活動の実態を把握するとともに、それぞれの地域や活動の実情に応じて、地域福祉の担い手が必要とする支援を進めていきます。 事例 多様な活動主体が互いの取り組みを学び合う機会づくり 瑞穂区社協では年2回、「子ども食堂・コミュニティ食堂 交流会」を開催しています。瑞穂区内8団体の子ども食堂・コミュニティ食堂や関係機関等が集まり、各団体の取り組み内容の報告・情報共有・意見交換等を行い、運営者や関係者同士の顔の見えるつながりを育んでいます。 2)地域の中で、社会福祉法人や企業等がつながる場や機会を創出します。 近年、SDGsへの意識の高まりから食料を取り扱う企業等が子ども食堂など食支援の活動を行う地域福祉団体とつながって、活動が活性化する事例が出てきています。そのような地域福祉活動における協働を促進するため、社会福祉法人や企業等が分野にとらわれない横のつながりを持てる出会いと学び、協働を生み出す場や機会(プラットフォーム)をつくります。 事例 子ども食堂ネットワーク 西区子ども食堂ネットワークが主催で、子ども食堂クリスマスイベントを開催しました。区内5カ所の子ども食堂のほか、春日井製菓株式会社などの企業、西区社協等の協力のもと、参加した90名の子ども達に、食事の提供、射的や輪投げ等のゲームを実施しました。また、サンタに仮装したボランティアから、区内の菓子メーカーから提供されたお菓子がプレゼントされました。   108ページ 3) 地域福祉活動の拠点づくりや助成を通じた活動支援を進めます。 地域福祉活動を行うためには、関係者が集まって相談したり、実際に活動するための拠点となる場所が必要になります。誰もが活動しやすい拠点の環境の整備や情報の発信が重要です。 コミュニティセンター 市では、各小学校区単位でコミュニティセンターを整備しており、例えば、「ふれあい・いきいきサロン」や「子ども食堂」などの地域福祉活動の実施場所として活用されています。コミュニティセンター及び類似施設が未だ整備されていない小学校区については、条件が整ったところから、引き続き整備を進めます。 在宅サービスセンター 各区に在宅サービスセンターを整備しています。ふれあいいきいきサロン、はつらつ長寿推進事業、子ども食堂、ひきこもり支援など新たな地域課題に対応する地域福祉活動の活動拠点として、運営しています。 社会福祉施設 市内の老人福祉施設、保育所、障害者施設などの社会福祉施設では、空いている会議室を貸し出すなどの地域貢献を行っている施設があります。特に、社会福祉法人に対しては、地域における公益的な取り組みの一環として、このような取り組みを積極的に行っていただけるよう働きかけていきます。 文化センター 西・中文化センターは、地域住民の福祉の向上と人権啓発のための地域交流の促進を目的として設置されています。 事例 文化センターでの地域と協力した様々な事業 西・中文化センターでは、人権尊重の意識の高揚を図るための記念行事として、講演会や映画会、作品展、パネル展示などを実施し、多くの人に来場いただいています。また、各相談支援機関と連携して地域福祉の向上に努めています。 また、様々な活動を行う中で、活動場所の確保ができない課題もあります。空きスペースなどの情報収集や、地域福祉活動の場を可能な範囲で提供していただけるよう商店街・事業所・企業や大学等に働きかけを行います。   109ページ 事例 社会福祉施設を活用したふれあい・いきいきサロン 社会福祉法人ニコニコハウスの高齢者のデイサービス施設では、地域の3つの町内会が合同で運営する「ふれあいサロン・つるの里」が行われ、毎回子どもから高齢者まで多くの地域住民が参加し、気軽にお話や喫茶を楽しんでいます。デイサービス施設の閉所日(休日)に地域の活動主体へ場所を貸すことで、地域の交流の場を提供しています。 地域福祉活動を積極的に行う地域福祉推進協議会を支援するため、活動費の助成を行います。また、「地域支えあい事業」や地域の子ども応援事業など特定の活動を目的とした地域福祉活動への助成を行います。 事例 地域の子ども応援事業 「子どもの主体的な活動応援事業」として助成を受けて活動を行っている団体の一つに「稲生学区すみれっ子」があります。西区の民家を会場に毎週1回夕方、子どもの居場所づくり活動として駄菓子屋さんを開いています。ここでは、子どもたち自身がお店当番を担うなど、活動に主体的に関わる機会をつくっています。町内会長や地域のボランティア、同じ学区で開催している子ども食堂の運営者など多くの協力者を得ながら活動しており、子どもだけではなく地域に愛されている居場所になっています。 さらに、福祉基金を活用して、地域のふれあいや交流事業、先駆的な地域福祉の活動などの地域福祉活動に対して助成を行っています。この福祉基金に継続的な積み立てを行うため、基金への寄付を募る活動を積極的に行うとともに、限られた財源を必要性の高い地域福祉活動に助成できるよう助成の見直しを検討します。また、活動団体への支援として、市民や企業等からNPO等への寄付を促進するためのイベントや寄付募集に関する講座、助成金情報の提供等を行います。なお、寄付文化の醸成にあたっては、多様な寄付の在り方や、使い道の広報など寄付者の納得が得られる仕組みを検討していきます。   110ページ 福祉基金 福祉基金は、地域ぐるみの福祉活動を応援し、ふれあいのある豊かな福祉風土を市民とともにつくりあげていくことを目的とした基金です。基金により、近隣同士の支えあい・助けあい活動、子育てサロン等のふれあい・交流活動、ボランティア活動の応援、地域の支えあい事業を立ち上げたい人の応援などの福祉活動が支えられています。その基金を支える個人や企業等の寄付には、遺贈によるものや香典返しに代えて寄付されたものもあります。なお、福祉基金の設置・管理は市社協が行い、基金の運営にあたっては「福祉基金運営委員会」を設置し適正な運営に努めています。 事例 学びと体験を通じた共同募金運動の理解 共同募金運動は、地域福祉活動の財源確保の取り組みであり、住民参加の促進や活動主体の育成やその助成を通じて、地域の課題解決を図る地域福祉活動の1つです。瑞穂区では、ボランティア体験講座の一環として、小中学生が助成を受けた団体から直接共同募金の使い道の説明を受けるとともに、募金活動へ参加していただき、募金運動への理解を深める取り組みを行っています。 111ページ 方策を効果的に推進するための取り組み 3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり 具体的な取り組み 現状と課題(38頁) 1)相互理解を図り、顔の見えるつながりづくりを支援します。 3つの方向性を効果的に進めていくためには、地域福祉に携わる様々な活動の担い手や関係機関、市区社協、行政などが、相互理解を図り、ネットワークを組んで連携・協働を推進するための場が必要です。例えば、小学校区レベルの場では、「地域福祉推進協議会」や地域支えあい事業における「地域支えあい活動連絡会議」などが考えられます。区レベルでは、「地域ケア会議」、「生活支援協議体」、「自立支援連絡協議会」、「区連携会議」、「なごやこどもサポート区連絡会議」、市レベルでは、本計画の懇談会のような多様な関係機関・団体が集まる場が考えられます。こういった場づくりを行うとともに、その活性化によって相互理解を図り、顔の見えるつながりづくりを支援します。なお、これらの仕組みづくりや支援にあたっては、既存の各種協議体との関係性を整理し、地域住民や専門職等の負担とならないような協議の場の設置や活用を進める必要があります。 ■地域福祉推進協議会 18ページを参照。 ■地域支えあい活動連絡会議 地域支えあい事業を実施している小学校区ごとに設置している住民主体の会議です。地域の高齢者が抱えている生活課題の把握とその支援方法の検討を行います。 ■地域ケア会議 個別ケースの支援内容の検討、ケアマネジメントの支援、地域支援ネットワークの構築、地域課題の把握などについて、多職種で連携・協働するために、介護保険法第105条の48に基づき、区ごとに設置しています。 ■生活支援協議体 67ページを参照。 ■自立支援連絡協議会 地域における障害福祉に関する関係者による連携及び支援の体制に関する協議を行うため、区ごとに設置しています。 ■区連携会議 関係機関や地域団体等との連携を深め、複合的な生活課題を抱えた人や世帯の支援に向け、事例を通じて連携上の課題の確認や対応の方向性を検討する等の協議を行うため、重層的支援体制整備事業の推進母体として区ごとに設置しています。   112ページ 2)地域や分野を超えた連携・協働を進めます。 区などの地域(圏域)を超えた広域的な課題や、高齢者福祉・障害者福祉・児童福祉などの複数の分野にまたがる課題については、市役所内の部局や区役所・保健センター、市・区社協の枠組みを超えた横断的な対応が必要となります。「地域福祉に関する懇談会幹事会・ワーキング」等の市役所や市社協内部における部局間の連携や、区役所や区社協との連携・協働による取り組み等、地域や分野を超えた連携・協働を進めます。併せて、様々な福祉関係者による協議体である市・区社協のネットワークを活かし、行政も含めた地域に関わる様々な団体との連携・協働を引き続き進めます。また、医療と介護の分野においては、地域での生活を支える在宅医療と介護の連携を推進するため、「在宅医療・介護連携推進会議」を設置し、医療機関と介護事業者の連携の仕組みづくりを推進します。 事例 連携・協働による地域福祉の推進を目指して 今回の計画をつくるために、「地域福に関する懇談会」において様々な団体の代表者や市民の方々、市と市・区社協の様々な部署の職員がともに地域福祉を考えてきました。多様な地域住民が参加して計画を策定し、実行し、評価する過程が、それ自体地域福祉推進の実践そのものであり、地域福祉の取り組みにあたっては、計画をつくることも大切ですが、そのためにお互いの顔を見ながら話し合うことで生まれる関係が重要なポイントです。 事例 多様で個性豊かな地域活動が生まれる取り組み 緑区の片平学区では、なごや環境大学とコラボして、「住み続けたいまちにする」ための目標“片平ゴールズ”を定めました。計画作成に地元の商店や企業、小中学校の児童生徒や関係団体、社会福祉法人、区役所等行政機関、区社協が参画し、より良い地域を目指し住民同士で話し合いを重ねました。現在は目標の達成に向けて取り組んでいます。   113ページ 3)個人情報の取扱いと管理についての理解促進を図るとともに、地域福祉活動のための個人情報の共有のあり方を整理します。 個人情報及び個人のプライバシーは、個人の人格に結びついた大切な情報です。地域の助けあい活動や見守り活動といった顔の見える関係づくりや災害発生時の支援活動の中では、家族構成や障害の有無といったデリケートな情報を取り扱うことが想定されますが、そうした個人情報を大切にすることは、相手を一人の個人として尊重することであり、相手との信頼関係を構築する基礎となります。一方で、信頼関係を前提として、必要な手順を踏めば提供することが可能な情報でも、個人情報保護を理由に関係者に提供されず、「支援の壁」となっている場合があります。 地域福祉の推進にあたっては、個人情報を保護するとともに、情報を適切に取扱い、効果的に活用したうえで、円滑・的確な支援を行うことが求められます。 個人情報の取扱いと管理についての理解促進を図るとともに、地域福祉活動を進めるにあたっての、個人情報の「保護」と支援における「活用」に関する考え方を整理し、地域における個人情報の共有のあり方についての整理を進めます。 事例 地域福祉活動における個人情報の取扱いを周知する取り組み 市では、地域で見守り活動を行っている人の見守り活動に関する不安が少しでも解消され、安心して見守り活動を行っていただけるよう、見守り活動の目的や方法、個人情報の取扱いや相談・連絡先等、見守り活動に関する手順やポイントをまとめた「見守り活動虎の巻」を作成し、見守りに携わる人への研修等において活用しています。   114ページ 第5章 計画の進行管理と評価 1 推進体制 本計画の進行管理・評価は、市及び市社協が一体となって設置する進行管理のための幹事会・ワーキング及び市民、各分野の活動関係者及び学識経験者等から意見を聴取するための「地域福祉に関する懇談会(以下「懇談会」という。)」により行います。この懇談会の構成員は固定化せず、その時々の福祉課題に応じて、意見の聴取が必要な団体等に出席を依頼します。 地域福祉に関する懇談会:学識経験者、団体関係者、市民活動関係者、市民委員 地域福祉に関する懇談会幹事会・ワーキング(関係各課職員):防災機器管理局、スポーツ市民局、健康福祉局、子供青少年局、住宅都市局、市社協、区社協の関係部署 2 進行管理・評価の考え方 本計画では、基本理念及び基本目標の実現に向けて、名古屋市総合計画で掲げた成果指標や個別計画で設定した事業量等を踏まえながら、各福祉分野が共通して取り組むべき方策を示すとともに、具体的な取り組みの展開として、市民、地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等、市及び社会福祉協議会が取り組むべき方策を掲げています。この各主体が取り組むべき方策の進行状況については、毎年度、幹事会・ワーキングにおいて、各事業や取り組みを担当する市及び市社協の各部署が作成する進行管理・評価シートをもとに進行管理を行い、その結果を懇談会に報告するとともに、事業ごとの課題及び今後の方向性に関する意見を聴取することにより、年度評価を行います。また、計画全体の進行状況については、進行を管理するための指標を、名古屋市総合計画で掲げた成果指標の中から設定した上で、年度ごとに計画全体及び取り組むべき方向性ごとの進行管理と評価を行います。こうした年度評価の結果を踏まえ、各主体において、さらなる事業の推進や、新たな事業の予算化など具体的な方策の推進を図ります。併せて、現場視察やアンケート調査などを実施することにより、計画の期間全体の評価を行い、次期計画に反映することとします。   115ページ 計画の進行管理と評価のスケジュールの図 令和7年度は年度評価、令和8年度は年度評価、令和9年度は年度評価、令和10年度は年度評価と次期計画策定アンケート調査による評価、及び現場視察による評価、令和11年度は年度評価 計画期間を通じて、懇談会を開催する 計画全体の進行を管理するための成果指標と目標 方向性1 つながり支えあう地域をつくる 方向性2 一人ひとりの「暮らし」に寄り添い支える仕組みをつくる 方向性3 地域で活躍する多様な担い手を育む 現状値及び目標値は、参考として名古屋市総合計画における目標です。 現状値は令和5年度、目標値は令和10年度です。 成果指標、ア 地域活動やボランティア・NPO活動等に参加している市民の割合、 現状23.6% 目標32% 方向性1と3が該当 成果指標、イ 市内に主たる事務所を有するNPO法人数 現状927団体 目標987団体 方向性3が該当 成果指標、ウ 困った時に相談できる人が隣近所や地域にいる市民の割合 現状62.1% 目標67% 方向性1と2が該当 成果指標、エ 複合的な生活課題がある事例に対して相談支援機関が連携して対応している割合 現状73.8% 目標90% 方向性2が該当 成果指標、オ 生きがいや楽しみを持って生活していると感じている高齢者の割合 現状78.6% 目標84% 方向性1と3が該当 成果指標 カ 地域で自分らしく安心して暮らすための支援が充実していると思う高齢者の割合 現状60.9% 目標66% 方向性1と2が該当 3 計画の内容の変更 計画期間の途中であっても社会情勢の変化や国の動向等に応じて、この計画の見直しが必要な場合には、懇談会の意見を参考に、所要の改定を行います。   116ページ 参考資料 目次 1 各施策・事業の一覧 …117ページ 2 策定体制・策定の経過 …125ページ 3 アンケート結果 …128ページ 4 要綱と名簿 …151ページ 5 用語解説 …156ページ 117ページ 1 各施策・事業の一覧 方策①孤独・孤立の状態を生まない地域づくり 以下に、関連施策や事業等とその概要、所管の部署を示します。 高齢者サロン整備等生活支援推進事業は、高齢者等の集いの場(サロン)の整備やサロン運営者の育成、生活支援のネットワークづくりを推進することにより、生活支援の基盤と充実を図っています。所管は、健康福祉局地域共生推進課 認知症サポーター養成講座は、55ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局高齢福祉課 高齢者の孤立防止事業は、地域で高齢者を見守り、支えあうため、地域の住民や事業者、関係機関による地域支援ネットワークづくりを推進します。所管は、健康福祉局地域共生推進課 ICTを活用したフレイル予防・見守り事業は、見守りの機能を備えた、スマートフォンアプリ「名古屋市フレイル予防ポイント&見守りアプリ」を運用し、フレイルを予防するとともに、地域における見守り活動を推進しています。所管は、健康福祉局高齢福祉課 名古屋市あんしんエンディングサポート事業は、低所得の身寄りのない高齢者を対象として、生前の見守りや安否確認等の支援を行うとともに、契約者がお亡くなりになったときには、葬儀・納骨や、残存家財処分、行政官庁等への各種届け等を行います。発生する費用は、あらかじめお預かりした預託金から支払います。所管は、健康福祉局高齢福祉課 はいかい高齢者おかえり支援事業は、60ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局高齢福祉課 青少年育成市民会議(地域の世話やき活動等の実施)は、地域の青少年育成団体や関係業界団体などにより青少年育成市民会議を組織し、「地域の世話やき活動」をはじめとする青少年健全育成の取り組みを行います。所管は、子ども青少年局青少年家庭課 子ども食堂等コーディネート事業は、地域の子どもの居場所である子ども食堂等の取り組みを推進するため、子ども食堂等の立ち上げ・運営に関する総合相談や、運営者の担い手の発掘・育成を目的とした研修会等を実施しています。所管は、子ども青少年局子ども未来企画課   118ページ 赤ちゃん訪問事業は、地域と子育て家庭をつなぐ取り組みとして、主任児童委員等が乳児のいる家庭を訪問します。所管は、子ども青少年局子育て支援課 市営住宅ふれあい創出事業(高齢者見守り支援事業)は、名古屋市内の市営住宅において、75歳以上の単身世帯、夫婦世帯等を対象として巡回員が定期的に電話連絡や戸別訪問を実施し、安否確認や簡易な生活相談等の支援を行います。所管は、住宅都市局住宅管理課 高齢者の見守り支援事業は、60ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域共生推進課 高齢者の見守り協力事業者登録事業は、62ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局 地域共生推進課 障害者差別相談センターは、専門の相談員が障害者やその家族、事業者などから障害を理由とする差別に関する相談を受けて、関係者間の調整などを行って解決につなげます。所管は、健康福祉局障害企画課 ナゴヤあいサポート事業は、57ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局障害企画課 ふれあい・いきいきサロン活動の支援は、地域の孤立しがちな高齢者、障害者、親子等が気軽に集まり、地域住民とともに楽しく過ごすことを通し、地域の関係づくりを進める「ふれあい・いきいきサロン」活動を支援します。所管は、社会福祉協議会 コミュニティワーカーとしての地域支援は、社会福祉協議会の職員がコミュニティワーカー(参考資料の用語解説を参照)として地域支援を行います。所管は、社会福祉協議会 子ども食堂推進事業は、子ども食堂の実施団体に対し、開設経費を助成するとともに、シンポジウム等を開催し、市内の子ども食堂の活動を支援しています。所管は、社会福祉協議会 ふれあい給食サービス事業の支援は、ひとり暮らし高齢者等の孤独感の緩和や生活状況、生活課題の把握などを目的に、地域の高齢者等が食事を介してふれあいを深めるふれあい給食サービス事業を支援します。所管は、社会福祉協議会 119ページ 福祉教育・福祉学習 子どもたちをはじめとした市民の福祉意識を高めていくことで、地域の様々な課題に市民が関心を持ち、自らが主体的に地域福祉活動を実践していけるように、学校や地域との連携、協働した魅力あるボランティア活動や福祉学習の実践に関する相談に応じるとともに、車いす、点字器、アイマスクといった資材貸出などの支援を行っています。社会福祉協議会 ふれあいネットワーク活動の支援 地域で見守りが必要な方に対して、近隣住民が日常的に見守りや助けあいを行い、必要に応じて福祉サービスへと結びつけるふれあいネットワーク活動を支援 します。社会福祉協議会 なごやかエンディングサポート事業 身寄りのない高齢者等を対象に、生前の見守りや安否確認等の支援、入退院時等支援サービス(有料)を行うとともに、契約者がお亡くなりになったときは、葬儀・納骨や、残存家財処分、行政官庁等への各種届け、死亡後の債務の支払い、等を行います。発生する費用は、あらかじめお預かりした預託金から支払います。社会福祉協議会 ■方策マル2 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり 地域支えあい事業 各学区で相談や調整を担う「ご近所ボランティアコーディネーター」を核に、ちょっとした困りごとを抱えた高齢者と、手助けをする地域のボランティアをつなぐ仕組みです。活動したボランティアにはボランティアポイントが付与されます。健康福祉局地域共生推進課 高齢者サロンの整備等生活支援推進事業 118ページに記載 健康福祉局地域共生推進課 助け合いの仕組みづくり 69、70ページに記載 防災危機管理局地域防災室、消防局消防課、健康福祉局監査課 災害ボランティアコーディネーター養成講座 被災者とボランティアの橋渡しを行う災害ボランティアコーディネーターの養成を行います。スポーツ市民局市民活動推進センター   120ページ 福祉避難所の確保 指定避難所の福祉避難スペースでの避難生活が困難な人が避難する指定福祉避難所及び協定福祉避難所等をあらかじめ確保します。健康福祉局監査課 災害時のボランティア活動支援 災害時におけるボランティア活動について、行政機関や16区に組織された災害ボランティア団体、NPO法人等で構成する「なごや災害ボランティア連絡会」に参画し、平常時から連携、基盤整備・強化を図るとともに、災害に強いまちづくりに向けた啓発や他地域の災害に対して必要に応じた支援を行います。社会福祉協議会 コミュニティワーカーとしての地域支援 118ページに記載 社会福祉協議会 ■方策マル3 様々な困りごとを包括的に受け止め支える仕組みづくり 相談窓口やサービスなどの情報提供 78ページに記載 いきいき支援センター健康福祉局高齢福祉課 障害者基幹相談支援センター 健康福祉局障害者支援課 地域子育て支援拠点事業 子ども青少年局各課 子育て総合相談窓口 子ども青少年局子育て支援課 エリア支援保育所 子ども青少年局保育運営課 高齢者いきいき相談室 63ページに記載 健康福祉局高齢福祉課 子ども・若者総合相談センター 79ページに記載 子ども青少年局青少年家庭課 若者サポートステーション 79ページに記載 子ども青少年局青少年家庭課 発達障害者支援センターりんくす名古屋 79ページに記載 子ども青少年局子ども福祉課 ひきこもり地域支援センター 79ページに記載 健康福祉局地域共生推進課 仕事・暮らし自立サポートセンター 79ページに記載 健康福祉局地域共生推進課   121ページ 人とペットの共生サポートセンター 79ページに記載 健康福祉局食品安全課 介護サービス事業者自己評価・ユーザー評価事業 介護サービスの問題点を把握し運営を改善するため、サービスの提供者と利用者がそれぞれ評価する事業を事業者団体と共催で実施。健康福祉局介護保険課 介護事業所にかかる情報公表制度 利用者や家族が適切に介護事業所を選択できるよう、介護事業所から報告されたサービス内容等の情報を公表するとともに、公表内容を確認するための調査を実施。健康福祉局介護保険課 障害福祉サービス等にかかる情報公表制度 利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるよう、障害福祉サービス事業者等から報告されたサービス内容等の情報を公表するとともに、公表内容を確認するための調査を実施。健康福祉局障害者支援課 地域支えあい事業 119ページに記載 健康福祉局地域共生推進課 重層的支援体制整備事業 28ページに記載 健康福祉局地域共生推進課 ひきこもり相談支援事業 市内2か所の「ひきこもり地域支援センター」において、専門のひきこもり支援コーディネーターによる来所相談等を実施する等、ひきこもりの本人・家族等を対象とした支援を行う。健康福祉局地域共生推進課 生活困窮者の自立支援 市内3か所に設置する仕事・暮らし自立サポートセンターにおいて、次の事業を一体的に実施。 自立相談支援事業 相談に幅広く対応するとともに、自立に向けて一人ひとりの状況にあわせた支援を実施するための計画の作成などを行う。 住居確保給付金の支給 離職などにより住居を失った方、または失うおそれのある方に有期で家賃相当額を給付する。 家計改善支援事業 家計に課題を抱える方に対して、家計が計画的に管理できるよう支援を行う。 就労準備援事業 直ちに一般就労が困難な方に対して、就労に必要な能力向上の ための支援を行う。 就労訓練事業(中間的就労)の推進 一般就労への移行が困難な方に対して、状態に応じた就労の機会を提供する就労訓練事業の利用を促進するため、事業所の開拓や利用のあっせんなどを行う。健康福祉局地域共生推進課   122ページ 住まいサポートなごや(居住支援コーディネート事業) 相談機関や居住支援法人等と連携し、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居円滑化を図るための支援やネットワーク作りを行っています。 また、名古屋市「住まいの窓口」において、住宅探しでお困りの方を対象に、民間賃貸住宅に関する入居相談を行っています。 住宅都市局住宅企画課 自殺対策事業の推進 「いのちの支援なごやプラン(名古屋市自殺対策総合計画)」に基づき、自殺や精神疾患などの正しい知識の普及啓発等の「自殺の予防」、自殺の危険がある人のサインに気づき未然に防ぐ「自殺の防止」、「自死遺族に対する支援」の3つの視点から総合的な自殺対策事業を推進します。健康福祉局健康増進課 再犯防止(コーディネート事業) 福祉的な支援を必要とする、起訴猶予、執行猶予、罰金・科料等の処分を受け、既存の支援制度のみでは十分な支援を受けることができない人を対象として、名古屋地方検察庁、名古屋保護観察所等から依頼を受け、関係機関と連携して必要な支援にかかる調 整や本人に寄り添った相談対応、継続的なフォローアップなど、伴走型の支援を行います。スポーツ市民局地域安全推進課 社会福祉法人等による相談窓口事業 104ページで記載のとおり 社会福祉協議会 ■方策マル4 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) 成年後見あんしんセンター 91ページに記載 健康福祉局高齢福祉課 消費生活センター 91ページに記載 スポーツ市民局消費生活課 高齢者虐待相談センター 92ページに記載 健康福祉局高齢福祉課 障害者虐待相談センター 92ページに記載 健康福祉局障害企画課 児童相談所 92ページに記載 子ども青少年局児童相談所 123ページ 児童家庭支援センターは、92ページで記載のとおり。所管は、子ども青少年局子ども福祉課 配偶者暴力相談支援センターは、92ページで記載のとおり。所管は、子ども青少年局子ども福祉課 障害者・認知症高齢者権利擁護事業は、91ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 法人後見センターは、91ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 方策⑤「支え手」「受け手」の関係を超えて誰もが活躍できる地域づくり 鯱城学園は、高齢者の生きがいの向上と社会参加の促進を図るため、60歳以上の人を対象に学習の場を提供します。所管は、健康福祉局高齢福祉課 生涯学習センターは、1区に1館設置され、市民の生涯学習活動を支援します。所管は、教育委員会生涯学習課 地域支えあい事業は、119ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域共生推進課 市民活動推進センターは、101ページで記載のとおり。所管は、スポーツ市民局市民活動推進センター 市・区社協ボランティアセンターは、101ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 福祉教育・福祉学習は、119ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブルは、100ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域共生推進課、社会福祉協議会 地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業は、地域福祉活動やボランティア、NPO活動が活性化されるように、地域住民等を対象とした啓発事業を実施します。所管は、健康福祉局地域共生推進課、スポーツ市民局市民活動推進センター、社会福祉協議会 生活援助軽サービス事業は、100ページに記載のとおり。所管は健康福祉局高齢福祉課。   124ページ 方策⑥多様な主体の参画と協働による地域福祉の推進 コミュニティセンターは、学習、情報交換のため気軽に集まれる場として、地域福祉活動や防災活動など生活を安定・向上させるための地域の活動の拠点です。所管は、スポーツ市民局地域振興課 文化センターは、地域社会全体の中での福祉の向上や、人権啓発の住民交流の拠点となるコミュニティセンターとしての各種事業(生活相談・高齢者相談等の各種相談、人権に関わる啓発事業、保健福祉・教養文化等の各種講座・教室の開催)を実施しています。所管は、スポーツ市民局人権施策推進課 社会福祉法人の地域における公益的な取り組みの推進は、すべての社会福祉法人は、その高い公益性にかんがみ、地域の福祉ニーズ等を踏まえつつ、法人の自主性、創意工夫による多様な地域貢献活動を行います。所管は、健康福祉局子ども青少年局各課 在宅サービスセンターは、地域における福祉活動の推進と在宅保健福祉サービスの提供を総合的に推進するための拠点。活用例としては、ボランティアグループの連絡会議やサロンのような交流活動などがあります。所管は、社会福祉協議会 なごや・よりどころサポート事業は、104ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 地域の子ども応援事業は、次代を担う子どもたちが地域において他者との交流などを通じて主体性や社会性等を身につけることができる事業及び子育て支援の担い手を養成する事業に対して助成を行います。所管は、社会福祉協議会 福祉基金による助成事業は、109ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 125ページ 2 策定体制・策定の経過 (1)策定体制 地域福祉に関する懇談会・作業部会 ・ 計画案に対する専門的見地からの意見聴取の場 ・ 市民の代表として市民委員からの意見聴取の場 地域福祉に関する懇談会幹事会・ワーキンググループ(市と市・区社協職員) ・ 行政内部や社協内部、行政と社協の意見調整 ・ 懇談会、作業部会との調整 ・ 各方面からの意見集約の準備・実施 〇地域福祉に関する懇談会、作業部会、幹事会・ワーキンググループの関係の図 幹事会・ワーキンググループと作業部会、および地域福祉に関する懇談会の歯車が互いにかみ合って回っている図。 幹事会・ワーキンググループは、市役所・社協の関係職員が構成員 作業部会は学識経験者・市民活動関係団体・市民委員・地域活動団体が構成員で、委員名簿は155ページ。 地域福祉に関する懇談会は学識経験者・各種関係団体・市民委員が構成員で、委員名簿は154ページです。   126ページ (2)地域福祉に関する懇談会・作業部会の開催状況 令和5年度 8、9月 第1回懇談会(8月3日)策定趣旨、体制、スケジュールについて 第1回作業部会(9月1日)関係団体、市民等への意見聴取方法について、意見聴取内容の検討 1月から3月 第2回作業部会(2月14日)意見聴取のまとめ、地域における課題整理 第2回懇談会(3月28日)作業部会での経過報告 令和6年度 4月から6月 第1回作業部会(6月5日)計画骨子の検討 7月から9月 第2回作業部会(9月9日)計画素案の検討 10月から12月 第1回懇談会(11月5日)計画素案の検討 1月から3月 第2回懇談会(3月24日)・成案の検討 (3)地域福祉活動等の現場視察 地域の先進的な地域福祉活動等を視察し、活動者との意見交換を行うことを目的として、作業部会の委員による現場視察を実施しました。 (4)幹事会・ワーキングループ 本計画の策定にあたっては、市と市・区社協の各部署の職員が一堂に介して、地域福祉に関して議論を行いました。   127ページ 【参加部局】 防災危機管理局地域防災課、スポーツ市民局市民活動推進センター、経済局地域商業課、健康福祉局総務課、監査課、高齢福祉課、地域ケア推進課(令和7年4月以降は地域共生推進課)、介護保険課、障害企画課、障害者支援課、保護課、保健医療課、子ども青少年局企画経理課、子育て支援課、子ども福祉課、 住宅都市局住宅企画課、住宅管理課、市社協、各区社協 【会議】 幹事会(各課課長級職員) 全7回 ワーキンググループ(各課課長補佐級職員・主事等) 全5回 (5)なごやか地域福祉ニュースの発行 策定の経過をお知らせするため、各区役所の情報コーナー及び市公式ウェブサイトで配布しました。   128ページ 3 アンケート結果 計画の策定にあたり、地域の福祉課題、ニーズを明らかにすることなどを目的として、市民や各学区で活動している各種団体・相談機関等に対するアンケートを実施しました。 1)調査対象と回収率 調査票種別 すべてのアンケート 送付数3,276 回収数1,770 回収率54.0% ①市政アンケート 送付数2,000 回収数909 回収率45.5% 市民 送付数2,000 回収数909 回収率45.5% ②関係団体等アンケート 送付数757 回収数433 回収率57.2% 市推進協 送付数267 回収数205 回収率76.8% 策定団体 送付数25 回収数13 回収率52.0% 社会福祉法人 送付数100 回収数43 回収率43.0% NPO法人 送付数100 回収数27 回収率27.0% 不明 1 ボランティアグループ 送付数100 回収数71 回収率71.0% 企業 送付数100 回収数26 回収率26.0% 商店街組合 送付数65 回収数32 回収率49.2% 大学 送付数30 回収数15 回収率50.0% ③福祉ニーズ調査 送付数519 回収数428 回収率82.5% いきいき支援センター 送付数29 回収数27 回収率93.1% 障害者基幹相談支援センター 送付数22 回収数18 回収率81.8% 仕事・暮らし自立サポートセンター 送付数3 回収数3 回収率100.0% 子ども関係相談支援機関 送付数198 送付数145 回収率73.2% 民生委員児童委員 送付数267 送付数235 回収率88.0% 子ども関係相談支援機関とは、地域子育て支援拠点(児童館)、地域子育て支援拠点(児童館以外)、 子育て総合相談窓口、エリア支援保育所のことを指します。 送付先の送付数は以下のとおり。 市推進協、民生委員児童委員:全小学校区市民、社会福祉法人、NPO法人、ボランティアグループ、企業:無作為抽出その他団体等・相談支援機関等:全数   129ページ 2)調査期間 ①市政アンケート 令和5年10月3日(火曜日)から 令和5年10月17日(火曜日)まで ②関係団体等アンケート及び③福祉ニーズ調査 令和5年 11月初旬から令和5年11月30日(木曜日)まで 131ページ 3)調査方法 ① 市政アンケート 調査票を郵送、回答は郵送又はインターネットを通じて回収 ② 関係団体等アンケート及び③福祉ニーズ調査 調査票を郵送、回答は郵送により回収 4)調査結果 ① 市政アンケート 130ページから掲載しています。 ② 関係団体等アンケート及び ③ 福祉ニーズ調査 133ページから掲載しています。 5)調査票 調査票は以下の市公式ウェブサイトに掲載しています。 https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/53-4-23-0-0-0-0-0-0-0.html(「なごやか地域福祉」で検索)   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。 130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   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130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。   130ページから150ページまでは、アンケート調査の結果です。1ページあたりの文字数が大変多くなっておりますので、お手数ですが、名古屋市公式ウェブサイトからテキストデータをダウンロードしてお聞きいただきますようよろしくお願いいたします。 ウェブサイトURLは、https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000180822.html、 市ウェブサイトIDは、イチハチゼロハチニィニィ です。 151ページ 4 要綱と名簿 地域福祉に関する懇談会開催要綱 (趣旨) 第1条 市長は、次に掲げる目的を達成するため、有識者、関係機関・団体及び市民等の意見を聴取するに当たり、地域福祉に関する懇談会(以下「懇談会」という。)を開催するものとする。 (1)  名古屋市地域福祉計画及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画を策定するとともに、当該計画の適切な進行管理及び評価をすること。 (2)  関係機関、地域住民その他の関係者が相互に連携と協働を図ることにより孤独・孤立対策に関する施策の効果的な推進を図ること。 2 懇談会は、孤独・孤立対策推進法第11条の規定に基づく孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム(孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画(令和6年6月11日孤独・孤立対策推進本部決定)に規定する地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォームをいう。)とする。 (定義) 第2条 この要綱における用語は、以下のとおりとする。 (1)  名古屋市地域福祉計画は、社会福祉法第107条に基づき名古屋市が策定する計画をいう。 (2)  名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画は、名古屋市社会福祉協議会( 以下「市社協」という。)が地域福祉の計画的な取組みを進めるために策定する計画をいう。 (構成) 第3条 懇談会は、次の各号に掲げる者により構成する。 (1)  関係団体から推薦された者 (2)  学識経験者 (3)  市民代表者等 2 座長は、必要があると認めるときは、懇談会に関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。 3 懇談会への出席に対し、報償として、原則1回あたり金11,600円を支給する。 (座長) 第4条 懇談会の座長は、構成員の互選により決定する。 2 座長は、懇談会の議事を進行する。   152ページ (役割) 第5条 懇談会は、次の各号に掲げる事項について意見を聴取する。 (1) 名古屋市地域福祉計画の策定に関すること。 (2) 名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画の策定に関すること。 (3) 現行の地域福祉に関する計画の進行管理・評価に関すること。 (4) 孤独・孤立対策を分野横断的に推進するための複合的・広域的な連携強化に関すること。 (5) 孤独・孤立対策に関する先進的な取り組み等の情報共有や孤独・孤立の啓発活動に関すること。 (6) その他関係すること。 (会議の公開) 第6条 原則として公開する。ただし、名古屋市健康福祉局地域共生推進部地域共生推進課長及び市社協地域福祉推進部長が必要と認めるときは、非公開とすることができる。 (作業部会) 第7条 懇談会の座長は、作業部会を開催することができる。 2 作業部会は、地域福祉に関する計画に盛り込むべき重要な事項に関する意見を聴取し、その経過及び結果を懇談会に報告する。 3 作業部会の構成及び運営その他必要な事項は、別に定める。 (庶務) 第8条 懇談会の庶務は、名古屋市健康福祉局地域共生推進部地域共生推進課長及び市社協地域福祉推進部において処理する。 (委任) 第9条 この要綱に定めるもののほか、懇談会の運営その他必要な事項は、座長が別に定める。    附 則  この要綱は、平成27年11月6日から施行する。    附 則  この要綱は、令和5年6月1日から施行する。    附 則  この要綱は、令和7年4月1日から施行する。   153ページ 地域福祉に関する懇談会作業部会開催要領 (趣旨) 第1条 この要領は、地域福祉に関する懇談会(以下「懇談会」という。)開催要綱第7条第3項の規定に基づき、地域福祉に関する懇談会作業部会(以下「作業部会」という。)の構成及び運営その他必要な事項を定めることを目的とする。 (構成) 第2条 作業部会の委員は、懇談会の委員の中から選出する。 2 作業部会には、次条各号の事項に必要となる地域の活動者や各種の専門機関の職員を出席させることができる。 3 作業部会への出席に対し、報償として、原則1回あたり金11,600円を支給する。 4 作業部会の座長は、委員の互選により決定する。 5 座長は、作業部会の議事を進行する。 (役割) 第3条 作業部会は、次の各号に掲げる事項について取り扱う。 (1) 名古屋市地域福祉計画の策定に係る住民意見聴取及び素案、成案の作成に関すること。 (2) 名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画の策定に係る住民意見聴取及び素案、成案の作成に関すること。 (3) その他関係すること (会議の公開) 第4条 原則として公開する。ただし、名古屋市健康福祉局地域共生推進部地域共生推進課長及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進部長が必要と認めるときは、非公開とすることができる。 (庶務) 第5条 作業部会の庶務は、名古屋市健康福祉局地域共生推進部地域共生推進課及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進部において処理する。 (委任) 第6条 この要領に定めるもののほか、作業部会の運営その他必要な事項は、座長が別に定める。  附 則 この要領は、令和5年6月1日から施行する。  附 則(抄) 1 この要領は、令和7年4月1日から施行する。  154ページ 地域福祉に関する懇談会 委員名簿。「区分」ごとに各委員のご氏名の五十音順(敬称省略) 学識経験者 斉藤 雅茂 日本福祉大学、長岩 嘉文 日本福祉大学中央福祉専門学校 地域福祉関係団体。下地ミサ子 社会福祉法人名古屋市港区社会福祉協議会 (令和6年10月まで)尾藤 宗男(令和6年11月から)杉野 友昭 社会福祉法人名古屋市緑区社会福祉協議会 地域活動団体 (令和6年10月まで)浅井 秀子(令和6年11月から)大森セツ子 名古屋市保健環境委員会 伊藤 勇造 名古屋市保護区保護司会連絡協議会 大畑 領治 名古屋市民生委員児童委員連盟 (令和6年10月まで)中野 幸夫(令和6年11月から)中田 俊夫 名古屋市区政協力委員議長協議会 社会教育関係団体 杉本久美子 名古屋市地域女性団体連絡協議会 高齢者福祉関係団体 古川 忠利 名古屋市老人福祉施設協議会、水谷 弘 名古屋市老人クラブ連合会 障害者福祉関係団体 荒川 浩平 愛知県精神障がい者福祉協会、北村 榮章 名古屋市知的障害者福祉施設連絡協議会、橋井 正喜 名古屋市障害者団体連絡会 児童福祉関係団体 長谷川晃久 名古屋市児童養護連絡協議会、早川 福生 名古屋市子ども会連合会、松本 一男 名古屋民間保育園連盟 教育関係団体 秋田有加里 愛知淑徳大学コミュニティコラボレーションセンター (令和6年10月まで)尾関 利昌(令和6年11月から)大関 朋子 名古屋市立小中学校PTA協議会 笹口 真 名古屋市立小中学校長会 保健医療関係団体 伊藤 淳 名古屋市歯科医師会 日比野正範 名古屋市薬剤師会 (令和6年10月まで)山根 則夫(令和6年11月から)牧 篤彦 名古屋市医師会 市民活動関係団体 織田 元樹 特定非営利活動法人 ボラみみより情報局 栗田 暢之 認定特定非営利活動法人 レスキューストックヤード 田代 京美 名古屋市ボランティア連絡協議会 遠山 涼子 特定非営利活動法人 ボランタリーネイバーズ 深谷 潤一 特定非営利活動法人 ICDS 155ページ 企業・商店・組合等関係団体 加藤 昭夫 愛知県生活協同組合連合会 小粥 正健 名古屋市商店街振興組合連合会 助川 真 日本フランチャイズチェーン協会 鳥居 孝智 名古屋市新聞販売店地域安全協議会 原 誠司 名古屋市住宅供給公社 坂東 俊幸 名古屋商工会議所 舟橋 左門 愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合 市民公募委員 谷 圭子、中村真由子、宮本 隆、森田 優己 地域福祉に関する懇談会作業部会 委員名簿 「区分」ごとに各委員のご氏名の五十音順(敬称省略) 学識経験者 斉藤 雅茂 日本福祉大学 長岩 嘉文 日本福祉大学中央福祉専門学校 市民活動関係団体 織田 元樹 特定非営利活動法人 ボラみみより情報局 栗田 暢之 認定特定非営利活動法人 レスキューストックヤード 遠山 涼子 特定非営利活動法人 ボランタリーネイバーズ 市民公募委員 谷 圭子、中村真由子、宮本 隆、森田 優己 出席を求める関係者 田沢 節子 名古屋市民生委員児童委員連盟 勅使 忍 名古屋市民生委員児童委員連盟 湯川 務 豊臣学区地域福祉推進協議会   156ページ 5用語解説 あ ○アウトリーチP 82 ほか 支援につながっていない人や世帯に必要な支援を届けるため、相談に来るのを待つのではなく、地域や家庭等に訪問等を行い、相談や支援につなげる支援のこと。 ○アクセシビリティP 56 高齢者・障害者を含む誰もが、さまざまな製品や建物やサービスなどを支障なく利用できるかどうか、あるいはその度合い。 ○意思決定支援P 90 ほか 判断能力が不十分な人について、本人らしい生活を実現するため、必要な情報を提供し、本人の意思や考えを引き出すなど、本人が自ら意思決定をするために必要な支援。 ○SDGs P 6 世界共通の目標として、健康や教育、経済成長、気候変動に関するものなど、多岐にわたる17の持続可能な開発目標と169のターゲットが設定されており、いずれも令和12年までの達成を目指すもの か ○外国人市民等P 57 ほか 57ページをご参照ください。 ○学区連絡協議会P 11 住民相互の交流を図り、連帯を高めることを目的として、学区内の様々な団体の代表等で構成された協議組織。小学校区単位に設置され、学区におけるコミュニティ活動の中心的役割を担う。 ○区将来ビジョンP 7 区を取り巻く社会状況の変化を踏まえ、めざすべき区の姿を明らかにし、その実現に向けた中長期の取り組みを各区において体系化した計画。 ○区政運営方針P 7  区将来ビジョンの方向性に基づき、地域の課題や要望を踏まえて行政サービスや区民生活の向上を図るため、年度ごとに区役所が主体的に取り組む事業をまとめたもの。   157ページ か ○区政協力委員P11 ほか 町内会・自治会単位に選出され、住民と行政とのパイプ役として市長から委嘱されている。行政からの情報を住民に伝達し、住民の市区に対する意見を行政に反映させるための名古屋市独自の制度であり、市内で約5,500名の委員が、安心安全で快適なまちづくりをはじめとした市民活動の推進役としても活動。 ○区のあり方基本方針P7 区の役割の拡充、住民自治の強化を趣旨とする地方自治法の改正や、これまでの区役所改革の取り組みを踏まえつつ、10年後の地域社会をみすえ、「住民に身近な総合行政機関」としての区役所の果たす役割・方向性を示すもの。 ○権利擁護支援P90 ほか 判断能力が不十分な人がひとりの個人として尊重され、自分らしい生活を実現するために必要な支援を受けること。ひとり暮らしの高齢者の方などの生活や福祉、一身上の問題などの相談を行うため、各区役所・支所に相談員を配置し、訪問活動を行う。 ○子ども会P11 ほか 遊びを中心とした異年齢の子ども同士の集団活動を通じて、子どもの自主性・創造性・協調性を養い、心身の健全な育成を目的とする地域団体。 ○子ども食堂P54 子どもの孤食を防止し、子どもが安心して食事ができる機会を提供することを通じて、子どもの健やかな育ちを支援する取り組み。地域における「子どもから高齢者まで誰でも集える場」としての役割も期待されている。 ○コミュニティワーカーP54 ほか 一定の地域社会で生じる地域住民の生活問題を地域社会自らが主体的・組織的・計画的に解決していけるよう、側面的援助を行う人のこと。   158ページ か ○合理的配慮P 56 障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合に、負担が大きすぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために、その人に合わせた必要な配慮を行うこと。 ○孤立・孤独対策推進法P 6 日常生活若しくは社会生活において孤独を感じていたり、社会から孤立していたりすることによって、心身に有害な影響を受けている状態、つまり孤独・孤立の状態にある人の問題が深刻化していることを受け、孤独・孤立の状態となることの予防や、孤独・孤立の状態にある人への支援の取り組みを進めるため、令和6年4月に施行された法律。 さ ○再犯の防止等の推進に関する法律P 85 再犯の防止等に関する施策に関し、基本理念を定め,国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定める。 ○社会福祉協議会(社協)P 11 ほか 10ページを参照。 ○社会福祉法P 2 ほか 福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(地域福祉)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るための法律。 ○社会福祉法人P 11 ほか 社会福祉事業を行うことを目的に、社会福祉法に基づき設立された法人。 ○社会的障壁P 56 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの。 ○重層的支援体制整備事業 P 28 ほか 28ページをご参照ください。 ○住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律  P84 高齢者などの住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、国による基本方針の策定、地方自治体による供給促進計画の作成、要配慮者の入居を受入れる賃貸住宅の登録制度等について定めるなど、要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する施策を総合的に推進するための法律。   159ページ さ ○消防団P 71 火災や地震、風水害などの様々な災害から地域を守るために、災害現場での活動や火災予防の運動などを行っている組織。団長は市長から、団員は団長から任命されており、地域を守りたいという有志により成り立つ。 ○女性会P 11 ほか 地域の女性たちが力を合わせて安心・安全で快適なまちづくりを行っている社会教育関係団体。「地域いきいき世話やきおばさん」として、青少年健全育成、福祉、環境、防災などの地域の課題を学習し、それぞれの地域にあった方法で、課題の解決や地域の絆づくりに取り組む。 〇シルバー人材センター(公益社団法人名古屋市シルバー人材センター) P100  『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律』に基づいて設立され、市・県・国からの補助を受けて運営されている公益目的事業を行う団体です。市内在住で、原則60歳以上の働く意欲のある高齢者が会員として登録しており、会員同士が共に働き(共働)、共に助け合う(共助)ことによって、生きがいの充実を図り、活力ある地域社会づくりに寄与することを目的としています。 ○身体障害者相談員P 11 身体障害児・者の更生援護の相談に応じ、必要な指導を行うとともに、区役所など関係機関の業務に対する協力などを行う。 ○生活支援協議体P67 67ページをご参照ください。 ○生活支援コーディネーターP 67 地域における生活支援の提供体制の整備に向けた取組みを推進するために、生活支援の担い手の養成、資源開発や関係者のネットワーク化等のコーディネート業務を実施。   160ページ ○成年後見制度P 90 認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分ではない方について、本人の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度。 た ○多機関協働P81 ほか 地域住民の複合的な生活課題の解決のため、相談支援機関等が連携して支援にあたること。 ○多頭飼育崩壊P17 避妊去勢手術を行わなかったためにペットが増え続け、適正な飼育を継続することが困難となった状態のこと。本市では、犬猫の殺処分ゼロを目指し 1 頭でも多くの犬猫の命を救うとともに、犬猫による迷惑をこれまで以上に減らし、人とペットの共生を実現するために策定した「名古屋市人とペットの共生推進プラン」に基づき、取り組みを進めている。 ○ダブルケアP 25 ほか 家族や親族等との密接な関係における、育児と介護などの複数のケア関係と、そこで発生している複合的な課題のこと。 ○地域共生社会P1ほか 社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すもの。 ○地域包括ケアシステムP28 28ページを参照。 ○地域福祉推進協議会P11ほか 54ページを参照。 ○知的障害者相談員P11 知的障害者の家族等からなる相談員が、区役所など関係機関との連携を保ちながら、知的障害児・者の抱える生活上の問題などについて、相談・助言を行う。 な ○なごやか地域福祉2020 P40 40ページを参照。   161ページ ○名古屋市総合計画P5 市のまちづくりの方向性を明確化するとともに、市のめざす都市像を実現するために取り組む施策等を明示することを目的として策定した計画。 ○なごや人権施策基本方針P 5 市政運営の基本理念である「人間性豊かなまち・名古屋」の実現に向けて人権施策を総合的・計画的に推進していくための指針となるもの。 な ○認知症カフェ P104 認知症の人やご家族、地域住民、専門職など、誰もが気軽に集い、仲間づくりや情報交換ができる地域の居場所。 は ○ひきこもり状態P17 ほか 様々な要因の結果として、就学や就労、家庭外での交遊などを避け、原則的に6か月以上にわたって家庭にとどまり続けている状態のこと。 ○フレイル予防P53 年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、健康に過ごせていた状態から、要介護状態に変化してく。フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指す。健康で長寿を目指すためには、フレイル予防が鍵。 ○包括的相談支援チームP28 ほか 28ページを参照。 ○保健環境委員P11 ほか 公衆衛生に対する正しい知識の普及、実践などを通じて公衆衛生を向上増進し、地区衛生活動の進展を図るため、市長から委嘱されている。近年においては、ごみの減量対策や環境保全活動などの新たな課題にも取り組んでおり、約7500名が、地域の公衆衛生活動のリーダーとして活躍。 ○保護司会 P11 犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアであり、保護司法に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員。保護区ごとに保護司会を組織。   162ページ ま ○民生委員・児童委員、主任児童委員 61ページを参照。 や ○ヤングケアラーP 17 ほか 祖父母や親、きょうだいなど家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められ る子ども・若者のこと。 ら ○老人クラブP 11 ほか 地域に暮らす高齢者が集い、生きがいと健康づくり、仲間づくり、地域を豊かにすることを目的に「健康・友愛・奉仕」を柱とした活動を行っている自主的な組織。