港北エリアまちづくり将来ビジョン       概要版      令和2年10月        名古屋市 P1 港北エリアまちづくり将来ビジョンについて  エリア内にある名古屋競馬場は令和4年に弥富市へ移転する予定とされており、その跡地では、令和8年に開催されるアジア競技大会のメイン選手村としての活用及び大会後の後利用が検討されています。今後予定されている名古屋競馬場跡地での開発を契機として、地域資源を今まで以上に有効活用することにより、利便性、回遊性を向上させ、憩いや賑わいの創出による新たな地域ブランドの形成に向け、「港北エリアまちづくり将来ビジョン」を策定しました。  港北エリアは、名古屋競馬場を含む、概ね、地下鉄名港線(東)、荒子川(西)、国道1号(北)、荒子川運河及び荒子川公園(南)で囲まれたエリアです。地下鉄名港線、あおなみ線や幹線道路などの交通基盤が整い、中川運河などの水辺空間や、荒子川公園、土古公園などの公園・緑地があるエリアです。  ※ 図 港北エリアの現況図 省略 P2 まちづくりの将来展望 ◆基本理念    スマートオアシス港北   運河と緑が育む “新たなライフスタイル” の創造  港北エリアには、中川運河の水辺や大規模な公園の緑に親しめる生活環境、名古屋のものづくり産業を支えている技術など、地域固有の特徴があります。  港北エリアでは、こうした地域資源を活かし新たなライフスタイルを創造する、「居住」「産業」のバランスがとれた大都市名古屋の「憩い」「賑わい」のエリア(=スマートオアシス)となるようなまちづくりに取り組みます。 ◆目標と基本方針  基本理念に基づき3つの目標を設定し、それぞれの目標に対する基本方針を立てます。この方針に沿ったまちづくり施策を展開することで、目標の達成を通じ、基本理念の実現をめざします。 3つの目標と7つの基本方針 (目標) 都心とみなとをつなぐ運河のまち (基本方針)  港北エリアのシンボルとなる中川運河の活用  都心とみなとをつなぐ拠点の機能強化・交通基盤の活用 (目標)  水と緑を活かした憩いと賑わいのまち (基本方針)  選手村後利用と連携した水辺・公園等の活用  安心・安全・快適な暮らしを支えるグリーンインフラの展開 (目標)  地域の文化を活かした将来に向けて誇れるまち (基本方針)  多様性を生み出す職住の展開と多文化交流  まちの活力につながるものづくり文化の継承  持続的な発展を支えるシビックプライドの醸成 P3 ◆将来の土地利用のイメージ  基本理念、目標、基本方針を基に、港北エリアでの将来の土地利用イメージについてゾーニング図と基本的な考え方を整理しました。 ■にぎわいゾーン ○駅周辺の商業・業務・地域交流等の活性化を図るゾーン ■みどりの拠点ゾーン ○土古公園、荒子川公園、南郊公園等既存の公園・緑地を活かすゾーン ■職住ゾーン ○職と住が混ざり合う企業と住む人が共生・交流するゾーン ■水辺のシンボル軸 ○にぎわいゾーンやみどりの拠点ゾーンをつなぐ水辺を活用した港北エリアのシンボルとなる軸 ■交通の東西軸 ○にぎわいゾーンやみどりの拠点ゾーンをつなぐ交通の東西軸として有効活用していく軸 ■みどりの東西軸 ○中川運河を中心とした南郊公園でつながるみどりの東西軸 ※  図 港北エリアのまちづくりゾーニングイメージ 省略 P4 まちづくりの将来展望のイメージ  港北エリアまちづくりの推進にあたっては、地域の魅力や憩い・賑わいの創出に繋がる施策・事業について、行政と民間がそれぞれの長所を生かして、取り組んでいく必要があると考えています。港北エリアの地域特性も考慮しつつ、お互いに関係する複数の施策・事業を組み合わせて、戦略的に展開していくことが効率的かつ効果的な手法であると考えられます。その中でも、積極的に検討を進める施策・事業のパッケージを、港北エリアにおける「まちづくりプロジェクトのイメージ」として取りまとめ、その実現に向けては、行政内外の関係者と協議・調整を進め、民間活力の導入も図りながら、その推進に取り組みます。  ここでは、港北エリアまちづくり将来ビジョンの実現に向けて、「まちづくりプロジェクトのイメージ」として考えられる施策・事業を例示し、各プロジェクトイメージの目的、検討する手法・手段、期待される効果を示します。 【まちづくりプロジェクトのイメージ(例示)】 ○荒子川運河周辺活性化プロジェクトイメージ ○東海通回遊性向上プロジェクトイメージ ○競馬場周辺回遊性向上プロジェクトイメージ  ○中川運河周辺活性化プロジェクトイメージ ○防災性向上プロジェクトイメージ (「まちづくりプロジェクトのイメージ」は例示であるため、今後の検討状況により見直しを行う場合があります。) ※  図 施策・事業の検討イメージ 省略 P5 (1) 荒子川運河周辺活性化プロジェクトイメージ  荒子川運河を活用したみなとアクルスとあおなみ線荒子川公園駅付近の連携策などにより荒子川運河周辺の賑わい創出や回遊性向上を図ります。   目的 ○水辺を活かした賑わい創出や来訪者の呼び込みによる荒子川運河周辺の活性化・賑わいの創出 ○みなとアクルス周辺と荒子川公園駅周辺での拠点や動線の魅力向上による回遊性向上 検討する手法・手段 ○開発動向を踏まえた、荒子川運河と港北運河を結ぶ水上交通の誘導 ○荒子川運河・港北運河におけるプロムナード整備、ビュースポットの設定 ○荒子川運河周辺における水上スポーツ活性化に向けた環境整備 ○あおなみ線高架下の有効活用(賑わい空間の創出等) ○荒子川公園の利活用・再整備 期待される効果  各施策・事業が運河を中心として連携することにより、荒子川運河が新たなシンボル軸となり、まちのイメージが向上する   ■荒子川運河周辺の現況  荒子川運河(品川町付近)、あおなみ線 荒子川公園駅、荒子川公園 ■参考となる他都市等の事例  水上スポーツ(SUP)、トロント、名城公園tonarino(トナリノ)  ※ (写真) 省略     P6 (2) 東海通回遊性向上プロジェクトイメージ  東海通において、地下鉄名港線とあおなみ線との間の東西の公共交通などについて、さらなる有効活用や歩いて楽しめる空間を目指します。 目的 ○市営バス等による名古屋競馬場跡地へのスムーズなアクセス確保による東西移動のしやすさ向上・回遊性向上 ○東海通の回遊性向上に伴う賑わいの創出 検討する手法・手段 ○東海通での市営バス、地下鉄、あおなみ線等公共交通の連携方策 ・交通結節点や拠点間における回遊性向上やわかりやすい案内 ○様々な最先端技術を活用した新たなモビリティサービスによる移動しやすい交通環境の実現 ○自転車を始めとした既存交通手段の利用方策検討による移動しやすい交通環境の実現 期待される効果  新たなモビリティサービスの実現や、各公共交通機関の連携により東西交通軸の繋がり強化されることにより、東海通を中心としたエリアへの来訪者の期待感を醸成し、まちのイメージが向上する   ■東海通の現況  あおなみ線−名古屋競馬場前駅付近、名古屋競馬場付近、東海通交差点付近 ■参考となる他都市等の事例  丸の内シャトル、多言語AIサイネージ(東京駅)  ※ (写真) 省略     P7  (3) 競馬場周辺回遊性向上プロジェクトイメージ  令和8年のアジア競技大会のメイン選手村となる名古屋競馬場跡地周辺において、選手村後利用事業と、周辺施設であるあおなみ線名古屋競馬場前駅、土古公園などとの回遊性の向上を図り、賑わいを創出する。 目的 ○名古屋競馬場前駅と選手村後利用施設との連携強化による回遊性向上 ○名古屋競馬場前駅周辺の賑わい創出、回遊性向上 ○土古公園を活用した賑わい創出、回遊性の向上 ○緑に親しめる空間を創出 ○新技術による高齢者等交通弱者の移動の円滑化や促進 検討する手法・手段 ○土古公園の利活用・再整備 ○あおなみ線高架下の有効活用(賑わい空間の創出等) ○様々な最先端技術を活用した新たなモビリティサービスによる移動しやすい交通環境の実現 期待される効果  選手村後利用施設を核として、新たなモビリティの実現などにより、名古屋競馬場前駅や土古公園と連携し、来訪者を呼び込み地元の人も憩うことができるような港北エリアの新たな拠点となる ■名古屋競馬場周辺の現況  あおなみ線 名古屋競馬場前駅、土古公園、名古屋競馬場周辺の航空写真 ■参考となる他都市等の事例  鉄道高架下回遊歩行空間「ののみち」(JR中央線 武蔵境駅〜国立駅)、大阪天王寺公園エントランスエリア“てんしば”  ※ (写真) 省略     P8  (4) 中川運河周辺活性化プロジェクトイメージ  中川運河の水面だけでなく周辺を含めて、賑わい創出や回遊性向上等を図ります。 目的 ○水辺を活かした賑わい創出・回遊性向上、産業空間としての価値向上 検討する手法・手段 ○中川運河沿岸への賑わい施設等の立地誘導 ○プロムナード整備、ビュースポットの設定 ○運河周辺の住民・工場への運河を活用したまちづくりの啓発活動 期待される効果  中川運河を中心としたエリアのブランディングやイメージ向上が図られ、来訪者呼び込みや地元住民・企業の中川運河への愛着が醸成される ■中川運河の現況  中川口緑地、いろは橋、東海橋より北方向 ■参考となる他都市等の事例  水上交通とモニュメント(富岩運河)、緑地と商業施設(富岩運河)、水辺の商業施設(TYハーバー)、プロムナード及び水上交通(道頓堀)  ※ (写真) 省略     P9  (5) 防災性向上プロジェクトイメージ  エリア周辺の治水能力の向上を図るなどにより、防災性を高め、エリアのイメージを向上させ、安心・安全なまちづくりに寄与します。また、エリアの北東に位置する昭和橋公園は、防災公園として拡張整備を進めています。   目的 ○エリアの防災力の向上 ○豪雨時の浸水リスク低減 検討する手段・手法 ○治水安全度向上に向けた検討  ・名古屋競馬場跡地において、豪雨時の周辺の浸水被害状況も視野に入れた地域の状況に応じた雨水貯留施設を設置  ・既存施設を活用した治水施設のネットワーク化や連続排水の検討 ○防災公園の整備 ○エリアマネジメントによる地域の防災意識の向上 期待される効果  防災性が向上することにより地域住民の安心感が高まるとともに、エリアのイメージが向上し、居住促進やまちづくりの展開がしやすくなる ■港北エリア内の現況  昭和橋公園、土古公園(広域避難場所)  ※ (写真) 省略 P10 ◆施策の展開イメージ ・各プロジェクトのイメージは、令和8年(2026年)にアジア競技大会の選手村が運用され、その後に予定されている後利用施設開業時(まちびらき)を大きな機会・節目として捉え、実現に向けた検討を進め、施策の実行可能性を検証し、施策実施に繋げていきます。 ・アジア競技大会の選手村運用時にも効果の発現が想定される施策の実行可能性を検証し、選手村運用時までの実現に向けた検討を進めます。 ・選手村運用時(令和8年)までを短期、選手村運用後に予定されている後利用施設開業時(令和9年〜令和12年頃)までを中期、それ以降を長期として、施策の展開イメージを整理しました。 【施策の展開イメージ図】 短期  選手村運用時にも効果発現が想定される施策の実行可能性を検証し、実現に向けた検討を進める 中期 ・後利用施設開業時を見据えた施策については、後利用施設の開業スケジュールも考慮しながら施策の実行可能性を検証し、施策実施に繋げていく 長期 ・短期・中期での施策展開が困難な施策についても、長期的な実現に向けて、検討を行う ◆今後の展開に向けて  本将来ビジョンの策定後は、選手村後利用事業を始めとした周辺の開発動向を見据えながら、施策・事業の具体化に向けた検討を進め、「港北エリアまちづくり計画(仮称)」として取りまとめていく考えです。  港北エリアのまちづくり 名古屋市住宅都市局都市整備部まちづくり企画課 〒460-8508  名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052-972-2726  FAX:052-972-4162 電子メール:a2726@jutakutoshi.city.nagoya.lg.jp