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平成30年度被災地支援リポート -陸前高田市・気仙沼市- 3月分の記事

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このページを印刷する最終更新日:2019年4月1日

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平成30年度被災地支援リポート-陸前高田市・気仙沼市-

平成31年3月7日(木曜日)

 陸前高田市総務部税務課に短期で派遣された職員です。

 今年の陸前高田市は暖冬ということで比較的暖かく、現在は春の陽気さえ感じているところです。

 さて、派遣されている税務課では、1月中は給与支払報告書の受付・入力を、2月から3月の期間は市内各地を巡回しての申告受付が主な業務となります。

 今年は新しく住宅ローン控除を申請する人が相当数増えるという情報が入っていました。

 昨年との詳細な比較はまだできませんが、それなりに多いような気はしております。

 この住宅ローン控除について、業務的には難儀することが多いのですが、新しい家が多く建っているということは、復興が進んでいることのように思い、嬉しく思います。市内各地の巡回の際は地域のコミュニティセンターを使用しますが、最近に新たに建て直されたものもありました。


 現在、奇跡の一本松の至近に大きな道の駅が建設中です。これは震災前にあった高田松原という道の駅を再建するもので、今年の夏にオープンする予定です。

 また、高速道路の建設も急ピッチで進んでおり、今年の2月と3月で新しく開通した区間があり、これにより、陸前高田市の南端部と気仙沼市の中心部との間を除いて、北は、今度ラグビーのW杯が開催される釜石市から、南は仙台市まで高速道路がつながり、各段にアクセスが向上します。

 少しづつ、しかし着実に復興に向けて歩んでいるその助けに少しでも寄与できればとの思いで、残りの日々を精進したく思います。

高速道路開通式の様子

平成31年3月11日(月曜日)

 みなさんこんにちは。陸前高田市防災局防災課に派遣されている職員です。

 平成29年4月に赴任し、あっという間に2年が過ぎようとしています。陸前高田市もまだ朝晩は冷え込みますが、この頃は多少寒さも緩んできて、春が近づいてきていることを徐々に感じられるようになってきました。

 ちょうどこの日は、東日本大震災から8年経った節目の日。新しく完成したスポーツ施設「夢アリーナたかた」では、追悼式が開催され、犠牲になられた方々への慰霊とともに、新たに復興への決意がなされました。
 まだまだ大型のトラックなどが市内を通行し、かさ上げされた中心市街地の利用もまばらな状況ではありますが、自分が赴任した2年前、中心市街地にほとんど何も無かった頃と比べると、少しずつ、でも着実に復興が進んでいることを実感することができます。

 市民の方と話をしていると、「津波が来たときはこの街も終わりだと思ったけど、ようやく新しい街が見えてきたね」とか、「街の復興を見届けられるよう長生きしたい」といったこともお聞きしました。
 先日の選挙で再選され、任期3期目に入った戸羽太市長のもと、これからこの陸前高田市がどのように発展していくのだろうと、未来の町なみを想像すると自分も楽しみでなりません。

 それでは、被災地支援において、私が担当した主な業務を紹介したいと思います。

津波避難訓練を実施

 11月には、津波から高台に避難する訓練を行い、市民の皆さんや市の職員など約2,800人が参加し、それぞれ避難経路や避難場所、災害時の対応などを確認しました。
 訓練は、11月5日「津波防災の日」に合わせて、平成27年度から毎年行っていますが、年に1回でも、家族で防災について真剣に考えることの大切さを改めて実感します。
  • 避難訓練の様子
  • 災害対策本部運営訓練の様子

左:区画整理が進む今泉地区の高台に避難する様子、右:市職員による災害対策本部運営訓練の様子

津波の避難看板を設置

 津波からの避難場所を示す誘導看板を設置しました。市民の皆さんに、日頃から避難経路を確認してもらうとともに、初めて陸前高田市に来られた方にも、いざという時に円滑に避難できるよう、高台などに誘導するための看板が、市内のいたるところに設置されています。
津波避難の誘導看板

陸前高田市防災会議の開催

 2月には、防災に関する総合的な計画である「陸前高田市地域防災計画」の改定などを行う防災会議を開催しました。
 東日本大震災や、最近では熊本地震などで課題になった、大規模な災害が起きたときに、どのようにして、人やモノの応援を受け入れるか(受援)について検討し、計画に盛り込んだりしました。
防災会議の様子


 名古屋市でも防災を担当していた職員として、震災を経験した陸前高田市に来たからこそ、市民、市の職員の方から聞く、もっとあの時こうしていればとか、後悔や無念の思いといったものが心にとても響きました。
 起きてしまったことは変えられないけど、これから起こりうる災害には備えることができる。やれることをコツコツと積み上げ、同じ悲劇を決して繰り返さないことが防災なのだと、この2年間、被災地で防災業務を担当することで改めて感じました。この経験や思いをしっかりと、近い将来、「南海トラフ地震」の発生が心配される名古屋市に還元していきたいと強く思います。

 陸前高田市では、今年の夏に、新しい道の駅「高田松原」や津波復興祈念公園、津波伝承館がオープンし、さらに2年後には、新しい市役所庁舎が完成するなど、これからも町なみがどんどん変わっていきます。
これからも変わり続ける陸前高田市を、名古屋市のみなさんにも温かく見守っていただけると、被災地支援にかかわる職員として、とてもうれしく思います。

建設中の復興記念公園と奇跡の一本松

平成31年3月20日(水曜日)

 今年度から陸前高田市水道事業所に派遣されている職員です。

 早いもので私が陸前高田市役所に着任してから約1年が経過しようとしています。

 現在、陸前高田市は寒さが和らぎ、春の訪れを感じる暖かい日が多くなり、過ごしやすくなってきました。

 私が今年度発注した配水管布設工事は一部の工事を除き、予定通り年度末に工事を完了するために大詰めを迎えています。そのため、現在は、検査や洗管作業等で現場に出向くことが非常に多くなっています。

 下の写真は、私が1年前の3月に陸前高田市を訪れた際に嵩上げ地を撮影した写真と2月に撮影した写真です。約1年の間に造成工事が随分進んでいるのが写真を見て分かると思います。造成工事が完了後、宅地を地権者に引渡す時期はエリアごとに異なっており、引渡す前には、私が担当している配水管布設工事が完了していなければなりません。そのため、どのエリアを優先に布設しなければならないか等、関係課公所や受注業者、造成工事業者等と綿密な打ち合わせを行いながら、業務を進めてまいりました。

 受注業者とは現場で一緒に仕事をする中で、嵩上げ地周辺の震災前の状況を聞く機会が多くありました。昔はこの辺りに多くの住居や飲食店等があり賑わいがあったという話等も聞きました。現在は、徐々に引渡しが完了した土地に住居や飲食店等が増えてきていますが空き地が目立つ状況です。  
復興は工事が完了して終わりではなく、昔の賑わいが戻ってきてこそだと思いますので、将来の陸前高田市が震災前のように住民にとって住みやすい街になるように願っています。

平成30年3月の中心市街地の様子
平成31年2月の中心市街地の様子

 配水管布設工事の発注・設計や施工管理以外にも水道施設の定期点検等維持管理も行ってきました。毎週1回は水道事業所のメンバー交代で各水道施設を巡回して異常がないかを確認しています。水道施設は市内各所に点在しており、着任した当初は場所を覚えるのに苦労したのを覚えています。

 下の写真は、陸前高田市の水道施設の一部です。上の写真は高田配水池で下の写真は気仙配水池です。

高田配水池の水道施設
気仙配水池の水道施設

 私自身、名古屋市に入庁してからずっと水道事業に携わってきたため、いつかは水道事業で復興に携わりたいと考えていました。そして、今回の機会をいただき、名古屋市で学んだことを基に、微力ながら1年間陸前高田市の職員として仕事をさせていただきました。このような貴重な経験を与えていただいたことに大変感謝しています。

 私の任期は残りわずかですが、少しでも陸前高田市の水道事業に貢献できるように、かつ、来年度の後任に上手くバトンタッチできるように最後まで頑張ります。そして、今後、今回の経験をこれからの水道事業の業務に役立てていきたいです。

 引き続き、ご支援よろしくお願いいたします。

このページの作成担当

名古屋市被災地域支援本部(防災危機管理局危機対策室)
電話番号: 052-972-3585
ファックス番号: 052-962-4030
電子メールアドレス: a3585@bosaikikikanri.city.nagoya.lg.jp

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