名古屋市公立保育所のあり方に関する基本方針【概要版】 名古屋市では、これまで保育の受け皿づくりを進めてきましたが、今後は教育・保育の質の向上へと転換していくことが求められています。 そのため、公立保育所の役割を見直し、機能の充実・強化を図っていきます。 令和8年8月名古屋市子ども青少年局 Ⅰ 幼児教育・保育を取り巻く現状と課題 ◆社会環境の変化等 ・国の「保育政策の新たな方向性」に基づき、これまでの「量の拡大」から「質の向上」へと取り組みの重点を移しています。 ・国において、幼稚園・保育所・幼保連携型認定こども園の3要領・指針で「幼児期において育みたい資質・能力」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の共通化が図られました。 ・幼児期からの質の高い教育・保育を充実させることは、子どもの望ましい発達やその後の学びにつながるため、幼児教育の重要性は一層高まっています。 ・医療技術の進歩に伴う医療的ケア児の増加や幼児教育・保育と小学校教育の円滑な接続等新たなニーズへの対応が必要です。 ・行財政改革の推進や施設の老朽化への対応等の課題に対して、子どもにとって望ましい教育環境を維持しながら、持続可能な幼児教育・保育の提供体制を整えていく必要があります。 ◆公立保育所の現状・課題 ・公立保育所では、民間移管や統廃合による集約化を進めるとともに、エリア支援保育所としての機能強化や待機児童対策、未就園児への支援など、多様化する幼児教育・保育ニーズに対応しています。 ・施設の老朽化や災害への備え、市立幼稚園との役割の整理などについて、今後も検討を進めていく必要があります。 Ⅱ 公立幼児教育・保育施設の今後のあり方 ◆公立幼児教育・保育施設に求められていること ・本市が目指す幼児教育・保育の姿を明確化します。 ・待機児童対策のための受入量の確保から質の向上へ 転換します。 ・公立保育所と市立幼稚園が連携し、本市の幼児教育・保育の質を向上させる体制を構築します。 ・多様化する幼児教育・保育ニーズや今日的課題に対応した施設を整備していきます。 Ⅲ 基本方針における展開 ◆公立幼保連携型認定こども園(基幹園)の新設 《趣旨》 ・「エリア支援保育所」の支援体制や活動地域を見直し、新たに「基幹園」として再構築します。 ・基幹園は、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ「幼保連携型認定こども園」として本方針期間内に6園設置し、地域における幼児教育・保育の拠点として整備します。 《主な役割》 ・地域における幼児教育・保育の質を高めるとともに、子育て家庭への支援を充実させます。 ・インクルーシブ教育・保育の実践研究園とし、すべての子どもが健やかに育つことができる環境を整えます。 ・医療的ケアが必要な子どもの受入拠点として、安心して過ごせるバリアフリー環境を整備します。 ・定期的な預かり事業の本格実施を検討するとともに、子育てに不安や負担を抱える保護者の方へ訪問などによる支援を行います。 ◆インクルーシブ教育・保育の実践・研究 《趣旨》  障害や発達、文化の違いに配慮し、すべての子どもが安心して利用できる教育・保育を進めます。基幹園を中心に受入体制や環境を整え、専門機関と連携しながら、取組を地域全体に広げていきます。 《取組内容》 ・子どもの発達や文化の違いに配慮した保育が行えるよう、職員体制の充実と専門機関との連携を進めます。 ・医療的ケアが必要な子どもも安心して利用できるよう、基幹園を拠点とした受入体制とバリアフリー環境の整備を進めます。 ・集団保育と個別支援を一体的に提供するモデルを構築し、インクルーシブ教育・保育の実践を進め、その成果を研修等に生かすことで、民間保育所等における障害児の受入を促進します。 ◆幼児教育・保育支援センター(仮称)の設置 《趣旨》  「幼児教育支援室」の機能強化を図り、本市の幼児教育・保育の質の向上を図る拠点として「幼児教育・保育支援センター(仮称)」を設置し、すべての子どもたちに質の高い乳幼児期及び幼保小接続期の教育・保育の提供を目指します。 《取組内容》 ・名古屋市幼児教育・保育指針(仮称)の策定 ・地域への支援 ・人材育成 ・調査研究 ・幼保小連携・接続の促進 ・情報発信 ◆名古屋市幼児教育・  保育指針(仮称)の策定 《趣旨》  子どもの育ちを支える質の高い幼児教育・保育を提供するため、横の連携と縦の接続を両輪として、国の3要領・指針等の動向を踏まえ、本市が目指す幼児教育・保育の姿を明確にし、質の向上に向けた基本的な考え方を示します。  指針は、幼児教育・保育支援センター(仮称)が中心となり、公私幼保の関係団体及び学校関係者が参画して策定します。 Ⅳ 公立保育所の再編 ◆再編の方向性 ・認定こども園の整備や、すべての子どもが安心して利用できるインクルーシブ教育・保育の取組を進めていきます。 ・将来の保育ニーズの変化を見据え、一部の公立保育所の再編を進めます。 ・教育委員会との連携・協働により、市立幼稚園との統合等を行い、公立幼保連携型認定こども園を新設します。 ・公立幼保連携型認定こども園の整備により、0歳児から小学校就学前まで連続・一貫した質の高い幼児教育・保育を提供します。 ・公立施設間での人材交流により、人材育成・資質向上を進め、市全体の幼児教育・保育の質の向上につなげます。 市立幼稚園との統合による「公立幼保連携型認定こども園(基幹園)」への移行と、一部公立保育所の再編をします ・幼保連携型認定こども園への移行6園 千種区 内山保育園が単独で認定こども園へ移行 東区 砂田橋保育園と大幸幼稚園が統合し認定こども園へ移行 北区 北保育園とおりべ幼稚園が統合し認定こども園へ移行 中川区 富田第二保育園と春田幼稚園が統合し認定こども園へ移行 守山区 守山保育園と二城幼稚園が統合し認定こども園へ移行 緑区 大高保育園と大高幼稚園が統合し認定こども園へ移行 ・存続する公立保育所62園程度 ・移管・統合する公立保育所10園程度 基本方針の位置づけ・計画期間・運用 ◆位置づけ  本方針は、今後の公立保育所のあり方について、その基本的な方向性を示すものとして定めます。 また、「名古屋市教育・保育施策の実施方針」と整合性を図っていくとともに、「第2期名古屋市立幼稚園の今後のあり方に関する実施計画」と密に連携し、運用していきます。 ◆基本方針の運用及び検証 ・今後の就学前児童数の減少や幼児教育・保育ニーズ、社会状況の変化を踏まえ、本方針については、実施期間中おおむね5年を目安に検証し、必要に応じて見直しを行います。 ・公立幼保連携型認定こども園については、あり方懇談会で示された意見を踏まえ、基幹園としての整備の進め方や移行による効果・課題を検証し、今後の更なる公立保育所と市立幼稚園の統合や公立保育所からの移行を検討します。 ・その他の公立保育所については、将来の保育ニーズや社会状況の変化を踏まえ、支援が必要な子どもや家庭を支える役割を大切にしながら、必要に応じた再編を行い、持続可能な公立施設のあり方を検討していきます。 ◆計画期間  令和9年度から令和18年度まで(10年間)