表紙 みなさまのご意見をお寄せください。 これからの時代へ向けた道路づくりの方向性を示す「名古屋市道路ビジョン(案)」を作成しました。 近年、社会・経済情勢の変化や新技術の登場に伴い、道路空間に対するニーズが多様化し、従来の通行機能に加え、にぎわい空間、安全・安心、新たなモビリティの通行に対応した機能などのニーズが高まっています。 こうした背景を踏まえ、「名古屋市道路ビジョン」は、20年から30年先を見据えた長期的な視点のもと、道路の機能や魅力を向上し、まちの個性を引き立て、価値を高めることを目的に、道路施策の指針として策定するものです。 将来にわたり魅力ある道路づくりを皆さまとともに進めていくため、「名古屋市道路ビジョン(案)」に対するご意見をお寄せください。 名古屋市道路ビジョン(案) 【概要版】 令和8年9月 名古屋市 意見募集対象  名古屋市道路ビジョン(案) 意見募集期間  令和8年9月14日(月曜日)から令和8年10月13日(火曜日)まで 本編の閲覧及び概要版の配布  以下の場所で、本編の閲覧、概要版の配布を行っています。  また、名古屋市公式ウェブサイトでもご覧いただけます。  ・市民情報センター(市役所西庁舎1階)、各区役所情報コーナー・支所、図書館、土木事務所、緑政土木局路政部道路利活用課(市役所西庁舎6階)など  ・名古屋市公式ウェブサイト(http://www.city.nagoya.jp/)内、パブリックコメントページ 意見の提出方法  ご意見は「ご意見提出用紙」(任意様式可)に、住所・氏名・意見をご記入いただき、郵送、ファクス、電子メール、直接持参のいずれかの方法によりご提出ください。 なお、任意様式による場合は、「名古屋市道路ビジョン(案)」に対するご意見であることを明記してください。 (注)郵送の場合は、令和8年10月13日(火曜日)必着です。    ファクスの場合は、送信後にお電話で到着をご確認ください。    電子メールの場合は、件名を「名古屋市道路ビジョン(案)への意見」としてください。    直接持参いただく場合は、月曜日から金曜日(祝日除く)の午前8時45分から午後5時15分までにお持ちください。 (注)電話または来庁による口頭でのお申し出につきましては、受付できませんのでご了承願います。 (注)皆さまのご意見につきましては、後日、本市の考え方とあわせて公表する予定です。    個別に回答は致しませんのでご了承ください。 提出先・問合せ先  名古屋市 緑政土木局 路政部 道路利活用課(市役所西庁舎6階)  〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号  ファクス:052-972-4185 電話:052-972-4336   電子メール:a4336@ryokuseidoboku.city.nagoya.lg.jp (注)個人情報の取扱いについて  ・意見公表の際は、個人情報が特定できるような内容は掲載しません。  ・名古屋市個人情報保護条例に基づき、他の目的に利用・提供しないとともに適正に管理します。 1ページ 1.道路ビジョンの策定にあたって 1.背景  近年、社会・経済情勢の変化や新技術の登場に伴い、道路空間に対するニーズが多様化しています。従来の通行機能に加え、にぎわい空間の創出、安全・安心、新たなモビリティの通行に対応した機能などのニーズが高まっています。  将来的には、リニア中央新幹線の開業が予定されており、名古屋大都市圏は交通・経済・都市構造の面でターニングポイントを迎えることとなり、都市機能の一層の向上が求められています。  これらの状況を踏まえ、多様化する道路空間のニーズに対応した今後の道路施策の指針となるビジョンの策定が必要となっています。 2.目的  道路ビジョンは、本市の道路の機能や魅力を向上し、まちの個性を引き立て、価値を高めることを目的に策定し、長期的な視点で本市がめざすべき道路の将来像を描き、今後の道路施策の指針とします。  道路の将来像を市民と共有することで、今後の道路のあり方に対して理解を深めていただくとともに、地域まちづくりに広く活用されることを期待しています。  本市職員に対しても、道路の多様な使い方や可能性を示し、道路に関わる全ての職員が意識を共有することで、今後の道路事業の取組をより一層柔軟で適切なものにしていきたいと考えています。 3.見据える年次  見据える年次は20年から30年先(概ね2050年頃)とします。  長期的な視点で本市がめざすべき道路の将来像を描き、今後の道路施策の指針とします。 4.位置づけ  「道路ビジョン」では、国土交通省の道路政策ビジョン、道路法における基本理念の創設などを参考としながら、本市の上位計画である「名古屋市総合計画2028」や、「名古屋市都市計画マスタープラン2030」をはじめとする関連計画と整合・連携を図ります。  名古屋市道路ビジョンと本市の上位計画、道路に関する主な個別計画、国の動きとの関係を図で示しています。 2ページ 2.道路を取り巻く環境の変化 1.本市の道路の成り立ちと現状  名古屋城の築城と城下町の整備により、礎が築かれた本市は、明治期の鉄道・道路網を始めとした近代的なインフラ整備や、戦後迅速に行われた復興計画などを経て現在に至っています。  土地区画整理組合による区画整理は、本市全体の道路延長の1/3以上、都市計画道路の1/4以上を整備し、戦災復興とあわせて、本市の道路ネットワーク形成に大きな役割を果たしています。  都市計画道路の整備率は95.4%(令和7(2025)年)、道路率は約18.6%(令和7(2025)年)と、いずれも政令指定都市の中で最も高い水準であり、2本の100m道路をはじめとした、豊かな道路基盤が整備されています。 2.これからの道路に必要な視点  人口減少や少子化・高齢化、SDGsの理念、観光需要の高まりなどを見据え、全ての道路利用者がより一層スムーズに移動することができるよう常に改善を図るとともに、老朽化した施設の効率的な維持管理に努める必要があります。  また、頻発する集中豪雨や大地震への備え、脱炭素化や猛暑対策、ウォーカブルなまちなか、自動運転を始めとした先端技術やグリーンインフラの活用も求められています。  こうした状況を踏まえ、将来の道路像を構成する要素として、「魅力」「にぎわい」「通行」「防災」「交通安全」「環境」の6つが重要であると整理しています。  将来の道路空間には、多様化する交通モードへの対応や居心地の良い空間の形成、災害に強く、脱炭素化に配慮した持続可能な空間への転換が求められており、本市の道路空間は「車中心の広い道路」から、誰にとっても優しい「人中心の豊かな空間」への転換点に立っています。  「これまでの道路」が有する機能や道路における取組と6つの重要な要素から構成される「これからの道路」に必要な視点を図で示しています。 3ページ 3.将来の道路空間における理念と未来像 1.基本理念  「みんなが道でつながる、豊かでやさしい名古屋」  名古屋らしい豊かな道路空間や自然豊かな景観が市民の暮らしに豊かさをもたらし、またバリアを感じることなく快適に移動できることで、誰にとっても名古屋が心から楽しめるやさしい街になるよう、道路が支え続けていきたいという想いをまとめました。  理念の先に見える道路の未来像(ビジョン)として、「道路の3つの未来像」をイメージ図とともに示しています。  「人を惹きつける道路」は、先進性と伝統が融合し、まちの魅力と価値を高める、行きたくなる、居たくなる、開かれた空間  新しいもの・歴史あるものそれぞれを尊重し、まちの価値を高められるような行きたくなる、居たくなる、開かれた空間をめざします。  未来像を構成する主な要素は、「魅力」「にぎわい」「通行」  「いつでも自由に移動できる道路」は、人・物・サービスの自由で円滑な移動を確保し、災害時にも安心できる空間  人・物・サービスの自由で円滑な移動を確保し、災害時にも、安心できる空間を今後も引き続き提供し続けるとともに、常日頃からの適切な維持管理で安心・安全が守られます。  未来像を構成する主な要素は、「通行」「防災」  「安全で心地よい道路」は、脱炭素化に配慮し、自然や景観と調和した、安全で快適な移動と滞在ができる空間  自然や景観と調和し、移動にも滞在にも、安全性と快適性をもたらすような空間を創出することで暮らしを支え、まちの風情や風格など文化的な景観の観点にも目を向けていきます。  未来像を構成する主な要素は、「交通安全」「環境」 4ページ 4.道路の目指す姿 1.道路に求められるニーズの捉え方  道路は、それぞれ周辺のまちの特性や利用のされ方が異なるため、一律に整備するのではなく、道路ごとの役割や機能を踏まえた空間づくりが求められます。このため、道路規格を中心としてきた「これまでの道路」を基盤として、そこに脱炭素化やウォーカブル、先進技術などの「近年のニーズ」が加わることで、「これからの道路」として適切なアップデートを図っていくことを想定しています。  また、「これからの道路」の機能や性格付けを分かりやすく見える化するため、「リンク(通行)機能」と「プレイス(滞在)機能」の2軸で表現したマトリクスを用いて、道路の特性を把握する「リンク&プレイスの考え方」を用いて表現します。  通行機能と滞在機能の定義を図で示しています。縦軸の通行機能は、移動の速さに着目し、「Ⅰゆっくりな交通の軸」、「Ⅱ移動と乗り換えの両立軸」、「Ⅲはやい交通の軸」、横軸の滞在機能は、活動の多様さに着目し、「ⅰ通過・移動主体型空間(滞在機能が限定的)」、「ⅱ地域生活・交流型空間(日常的な滞留・滞在機能)」、「ⅲ活動・にぎわい創出型空間(多種多様な滞在機能)」と定義し、この中で、通行機能では、「Ⅰゆっくりな交通の軸」に、滞在機能では、「ⅱ地域生活・交流型空間(日常的な滞留・滞在機能)」、「ⅲ活動・にぎわい創出型空間(多種多様な滞在機能)」に新しいニーズがあることを表しています。 2.多様化するニーズへの対応  通行機能と滞在機能の2軸の考え方をもとにニーズを空間に表現すると、これまで主に求められてきたニーズは下図の淡色部にありますが、今後はより濃色部に新しいニーズが生まれると考えられます。  これまで培ってきた道路の根本的な機能を継承したうえで、新しいニーズにも目を向けて、道路空間を適切にアップデートしていくことが、多様化するニーズに対応するための基礎となる考え方であり、ひいては、まちの個性を引き立て、価値を高めていくことにつながります。  はやさを示す通行機能と多様さを示す滞在機能の2軸のマトリクス上で、「これまで主に求められてきた機能」と「新たなニーズ」、またそれらを包含した「多様化するニーズ」を図で示しています。 5ページ 4.道路の目指す姿 3.道路の目指す姿  本市における道路の特性に応じた「道路の目指す姿」を次ページ以降に提示します。  「道路の目指す姿」はイメージパースで表しており、リンク&プレイス上の位置づけを下図に示します。  各イメージパース(AからO)は、特徴を分かりやすく示すためのアイデア事例として表現しており、その地域の特性やニーズなど、さまざまな場面や状況に応じて、要素を抜き出したり、組み合わせたりして道路の将来像を描くといった活用を想定しています。  「通行機能」と「滞在機能」の2軸で表現したマトリクス上で、各イメージパース(AからO)がどのあたりに位置するかを図で示しています。 6から8ページ イメージパース 「道路の目指す姿」のAからOについて、それぞれタイトル、イメージパース、コンセプトを示しています。 A.都市の骨格を成すあらゆる移動を支える強靱な主要幹線道路(平時と災害時)  コンセプトは、あらゆる移動を支え、災害時も止まらない、速達性と強靱性を兼ね備えた広域幹線軸 B.生活の質を高める地区幹線道路  コンセプトは、日々のくらしが便利で、安全で快適に過ごせる地区幹線 C.交通モードの切り替えの役割を持つ道路  コンセプトは、多様な交通と先進技術が集約し、シームレスな移動を実現する次世代モビリティハブ D.移動と生活を結ぶ補助幹線道路  コンセプトは、生活環境を守り、日々の安全で快適な移動を支えるアクセス軸 E.安心して通勤・通学が出来る道路  コンセプトは、歩行者優先が定着した、子どもから高齢者まで、誰もが安心して歩ける生活道路 F.自然と共生する散策路  コンセプトは、健康的で安らぎのある、自然と一体となった、環境にも配慮した散策路 G.地域住民にやさしい生活道路  多世代を優しく包み込む、閑静で緑あふれる暮らしの場 H.移動と滞在の機能を併せ持つ多機能道路  コンセプトは、車はスムーズに流れ、人の時間はゆったりとした、緑とゆとりあふれる豊かな多機能空間 I.にぎわいと円滑な移動を両立する都心のシンボル道路  コンセプトは、都市高速道路と他車線道路が立体的に共存し、人の活動空間と車の大容量移動空間をあわせ持ったシンボル道路 J.フレキシブルに使える道路空間(日常の使い方とイベント時の使い方)  コンセプトは、まちの活動や時間の変化に合わせ、移動と滞在を自在に切り替える可変空間 K.公共交通が活躍する歩いて楽しい道路  コンセプトは、スムーズな公共交通とやさしい歩行空間が織りなす、移動も滞在も楽しめるスマートな回遊空間 L.憩いや交流の空間となる人中心の道路  コンセプトは、緑とデザインが包み込む、ひとりでもみんなでも居心地よいウォーカブルなまちなか M.歴史と調和した風格のある道路空間  コンセプトは、新しい物と歴史ある物がそれぞれ尊重され、にぎわいが生まれる、風格のある道路空間 N.地域の歴史や文化を継承する道路  コンセプトは、歴史・文化と調和し、人々の交流や新たな価値を創出する歩者共存の文化回廊 O.様々なシーンに活用できる魅力的な広場型道路(平時と災害時)  コンセプトは、イベント時のにぎわいあふれる集客空間や、災害時の一時退避場所などの活用ができる多目的広場 9ページ 5.実現に向けて 1.今後の進め方  本市の道路は量的に充足し、今後は質的に向上する「成長」段階へ移行していくと考えられます。  今後は、既存の道路ストックを適切に維持管理し、効率的な長寿命化を進めるとともに、自転車などの走行性の向上や、無電柱化による災害対策・景観性の向上、車線の減少や歩行者空間の拡充などの道路空間再編によるにぎわい空間の創出まで、付加していく機能を問わず、道路の目指す姿を指針として社会課題に応え、沿道利用や地域特性にフィットした適切な道路へと成長させていきます。  この機能や魅力を向上させる概念を「道路リノベーション」と呼ぶこととしました。  道路空間の適切なアップデートを図る道路リノベーションの「成長曲線」を、まちと一体となって描くことで、まちの個性を引き立て、価値を高める一助となることをめざして、今後の道路行政に取り組んでいきます。  「これまでの道路」が有する機能や道路における取組を含め、「これからの道路」に必要な視点を図で示しています。  道路リノベーションにより成長し続けるイメージの概念を図で示しています。 10ページ 5.実現に向けて 2.各プロセスにおけるポイント  「道路リノベーション」は、前ページで述べたような多種多様なものを想定しておりますが、その進め方の基本的な流れは共通しています。下図では「道路リノベーション」を進めるうえで参考となるポイントを網羅的に示しています。  道路の特性や直面している課題、沿道の状況などを踏まえ、各事業で必要となる検討内容に応じて、これらのポイントを活用することで、より良い空間検討につながっていくものと考えています。  道路リノベーションの本質は、単に空間の形を変えることではなく、「課題解決とあわせて個性を引き出し、価値を高めること」にあります。これを実現するためには、行政(道路管理者、まちづくり部局、交通管理者など)と地域(住民、まちづくり団体、商店街、民間事業者など)が意思疎通を図り、構想から運用までよく話し合いながら進めていく必要があります。  エリアマネジメントにおける例として、①構想から②計画、③運用に至るまでの「道路リノベーション」での各プロセスにおけるポイントを網羅的に図で示しています。