図表部分は省略した音声変換用テキストデータです。 表紙 地域に身近な公園再生指針(案) 令和8(2026)年1月 名古屋市 目次 はじめに … 1 第1章 現状と課題 … 2 1 沿革 … 2 2 整備状況等 … 4 3 市民意識 … 8 4 課題 … 14 第2章 基本的な考え方と方針 … 16 1 指針の位置づけ … 16 2 指針の対象 … 17 3 再生により目指す姿 … 18 4 再生の進め方 … 22 第3章 再生の取組み … 24 1 ポテンシャルの把握 … 24 2 公園の特色を伸ばす再整備 … 25 3 維持管理 … 32 4 運営管理 … 35 5 総合的なマネジメント … 36 参考資料 … 37 公園を取り巻く状況 … 37 客観的な指標を用いた公園のポテンシャル評価 … 40 1ページ はじめに  名古屋市(以下、本市とする)は、都市計画や土地区画整理事業により、まちの社会基盤の整備とともに、公園の整備を進めてきました。  現在は、総合公園、地区公園、近隣公園、街区公園等の公園が市内に整備され、1,502か所、市域面積の約5%に相当する約1,643haの公園ストックとなっています。  一方、市の公園(注)の約6割が開園から40年以上経過しており、まちの変化に対応できていない公園もみられます。令和5年12月に、名古屋市緑の審議会に「これからの公園緑地のあり方」について諮問し、専門部会において既設の公園の再生について調査審議を重ね、令和7年2月に中間報告がなされました。 市の公園数の9割以上を占める街区・近隣・地区公園など、地域に身近な公園を地域に求められる姿に変えていくために、基本的な考え方や事業の進め方を定めることとし、ここに「地域に身近な公園再生指針(以下、本指針とする)」を策定します。 (注)特に記載のない場合、本市が管理する都市公園のこと(県営公園は含まない)。 2ページ 第1章 現状と課題  名古屋市の公園の現状を把握し、地域に身近な公園の再生を進めるにあたって解決すべき課題について整理します。 1 沿革  本市における最初の公園として、明治12(1879)年、浪越公園(現在の那古野山古墳公園)が開園しました。大正8(1919)年には(旧)都市計画法が制定され、大正15(1926)年に東山公園や志賀公園など24か所、550haを初めて都市計画決定しました。戦後、昭和21(1946)年から復興土地区画整理事業を開始し、市街地内において公園の計画的な配置を進めました。  昭和47(1972)年、都市公園等整備緊急措置法が制定され、国の重点事業として都市公園整備を計画的に進めることが打ち出されました。これに基づき第1次都市公園等整備五箇年計画(第1次から第6次まで。第6次は七箇年)がスタートし、急速に公園が整備されました。  現在は、新規の公園整備として、街区公園の適正配置、長期未整備公園緑地の事業推進に取り組んでいます。 3ページ  本市においては、緑に係る行政計画に公園整備を位置づけ、地域に身近な公園の整備を進めてきました。昭和60年代以降は「ユニーク公園づくり」「花の名所公園づくり」「みんなのアイデア公園づくり」により特色ある公園整備を行ってきました。また、平成元年からは老朽化した公園の再生をはかる「公園リフレッシュ事業」、近年では国のストック再編事業による再生を進めてきました。  令和3年に策定した「名古屋市みどりの基本計画 2030」では、目指すみどりの都市像に「みどりと人がきらめく 自然共生都市・なごや」を掲げ、みどりにより高めていきたい3つの力(都市力、地域力、持続力)のうち地域力を高めるプロジェクトの中で、地域に身近な公園の再整備を進めていくこととしています。 4ページ 2 整備状況等  公園の開園後の経過年数や施設整備・維持管理・運営管理の状況について整理します。 開園後の経過年数  これまでの着実な整備により、市の公園面積は一定程度確保されてきた一方、開園から40年以上経過している公園が全体の約6割で、その中でも40年以上50年未満の公園の箇所数が最も多くなっています。 街区公園の面積規模  地域に身近な公園の中でも、より市民生活に密接に関わる街区公園の面積規模は様々です。面積0.1ha未満の公園は357か所あり、市の公園数全体の約24%を占めていますが、狭小な公園においては、公園に求められる地域の憩いの場、子育て支援、健康増進など、あらゆる機能を確保することは難しい状況です。 5ページ 遊具等施設の整備状況  ブランコ、鉄棒、砂場の設置数は、市の公園全体でそれぞれ1,000基を超えています。また、ブランコ、すべり台、砂場については、公園の三種の神器といわれ、数多くの公園に整備されてきました。 トイレの整備状況  トイレは、市の公園全体で834か所あり、バリアフリー化率は約20%となっています。老朽化したトイレから順に建替えを進めており、建替えの際には、「名古屋市福祉都市環境整備指針」に基づき、バリアフリー化や洋式化を進めています。 6ページ 駐車場の整備状況  駐車場は、市の公園のうち85公園に138か所あり、野球場、テニスコートなどの有料のスポーツ施設の利用者や、その他の一般利用者が自家用車で来園する際に利用しています。有料・無料の区分や管理方法は、公園ごとに異なっている状況です。  一般利用者用駐車場については、公園利用者以外の方の駐車や、長時間の駐車などの課題が継続的に生じています。  また、有料のスポーツ施設利用者用駐車場については、施設利用率が低い平日の昼間を中心に、空き駐車場を利用したいとの要望を受けている一方で、休日等は、駐車場が満車になることで周辺に路上駐車が発生するなど、管理上の課題があります。 有料のスポーツ施設の整備状況  昭和50年代に入り、有料のスポーツ施設として、テニスコート、野球場を重点的に整備してきました。一方、サッカーやフットサル等のスポーツができる施設については、数が限られています。市民が気軽に様々なスポーツを楽しめるようにしていくことが求められます。 7ページ  これらのスポーツ施設の7割以上が設置から40年以上経過しており、老朽化が課題となっています。スポーツに対するニーズが多様化していることから、施設の利用率を勘案しながら、再整備の機会を捉えて多用途に利用できる施設にすることも考えられます。 維持管理の状況  施設を安全な状態に保つため、年2回の定期点検、月2回以上の巡視点検により不具合が確認された場合は、施設修繕を行っています。また、樹木の剪定・刈込みや除草・清掃を行っています。  運営管理の状況  緑のまちづくり条例に基づく制度により、公園愛護会をはじめとする1,168団体が公園で活動しています。  公園は、原則誰でも自由に利用できます。催事、撮影等で独占的な利用をする場合は、公園管理者が許可をしています。 8ページ 3 市民意識  現状の公園に対して感じていることなどを把握するとともに、近くに狭小な公園が複数ある場合に機能を分担することついて、市民の意向を確認しました。 (1)令和6年度 ネット・モニターアンケート 調査内容 名古屋の「公園」についてのアンケート 調査期間 令和6(2024)年6月28日(金)から7月8日(月)まで 調査対象 市内在住の満18歳以上で、市政に関心のある方(公募)500人 有効回収数 470人(回収率94.0%) 9ページ  小規模な公園では、ベンチや屋根のある休憩場所、子供向けの遊具、くつろぐことのできる広場などの施設が求められています。  中規模な公園では、小規模な公園と同様に休憩場所やトイレが求められていることに加え、防災施設やボール遊びができる広場といった、面積を生かした施設が期待されており、多くの機能を有することが求められています。 10ページ  公園で不満に思うことについては、公園施設の老朽化への対応、防犯面や安全面への対策、公園の使いにくさへの対応が求められています。また、どの公園も同じような施設があり代り映えしないという画一的な整備に対する不満も見られます。また、その他の不満なこととして、除草・清掃などが不十分であることなどが挙げられ、適切な維持管理が求められています。  さらに、近くにある狭小な公園間で機能を分担し、一定の用途に特化した公園づくりを進めていくことに対して、多くの市民がよいと感じています。 11ページ Column 公園の機能分担の取組について  地域に身近な公園の再整備にあたり、近接する公園間で機能を分担し、地域全体として公園の機能を確保している自治体の事例もあります。 北海道札幌市「札幌市公園整備方針」(令和2(2020)年3月)  施設の老朽化、地域間における公園数の偏りや公園機能の重複といった課題を抱えていることから、公園整備に関する考え方を具体的に整理し、既存公園の再整備に加えて、身近な公園が不足する地域への新規整備や、狭小公園の拡張、公園が密集する地域における機能分担・統合についてまとめています。  公園の整備については、公園種別ごとに視点を整理しており、このうち、街区公園については、立地状況や面積等に応じて、「地域の核となる公園」、「機能特化公園」、「その他の街区公園」の3つに区分されています。  機能分担の必要性など事業の背景について市職員だけでなく市民にも理解得るように努め、方針を原則としつつも、地域のニーズを把握しながら整備内容の検討を行うこととしています。 東京都足立区「第三次足立区緑の基本計画」(令和2(2020)年12月)  「目的に合わせて選べる公園整備」の流れとして、地域ごとのバランスを把握しながら、公園の役割では「にぎわいの公園」と「やすらぎの公園」に大きく分類し、公園ごとに「児童の遊び」、「休憩・憩い」など機能を割り当てることで公園のテーマを決めて特色や個性をイメージしやすい公園に改修することが示されています。 12ページ (2)令和6年度 子どもアンケート 調査内容 名古屋の「公園」についてのアンケート 調査期間 令和6(2024)年9月9日(月)から9月30日(月)まで 調査対象 市内の市立学校に通学する小学生・中学生・高校生 有効回収数 3,049人(小学校低学年800人、高学年1,519人、中学生685人、高校生45人)  平日の終業後に過ごす場所では、習い事の場所に次いで「公園」と答えた人が多く、公園は子どもたちにとって身近なサードプレイスとして重要な居場所といえます。 また、公園での楽しい過ごし方として、広場で遊ぶ、遊具で遊ぶと、友だちとしゃべるなどして過ごすという回答が半数ほどを占めました。あったらよいと思うものについては、やりたいことに関連した広場、遊具、休憩場所、トイレなどが求められています。 13ページ Column 保育園や学童保育施設による公園利用   地域に身近な公園は、歩いていけるような場所にあり、特に子どもたちにとっては生活の一部ともいえます。公園は個人や友人、家族などで利用されることもありますが、保育園や学童保育施設による利用もされています。さらに近年では、園庭のない保育園も増えている中、保育園や学童保育施設、子育て支援施設にとって、公園がどのようにとらえられているか個別にヒアリングを行いました。 ヒアリングの概要 ・ヒアリング先:西区の子育て応援拠点、保育園、学童保育施設 合計10施設 ・ヒアリング時期:令和6年2月〜3月 ヒアリングの項目 ・基本属性(定員、保育者数、園庭の有無等) ・公園の利用か所 ・公園の利用頻度 ・公園での滞在時間 ・公園での遊びの内容 等 ヒアリングの結果 ・園庭のある保育園では週1〜2回程度、園庭のない保育園では週3〜5回程度、保育園の周辺にある公園やどんぐり広場、神社などを利用する実態がありました。 ・学童保育施設においては、近くにある公園を定期的に利用されていることが、複数の施設において確認されました。 ・公園での遊びの内容については、3歳未満は、植物を見たり広場ではしゃいだり、幼児から小学校低学年ぐらいまでは、アスレチックやグローブジャングルのような遊具でよく遊ぶ一方、小学生高学年ぐらいは広場でドッジボールやサッカーなど、ボール遊びをして過ごしている印象が多いということでした。また、保育者等にとっては、屋根があって日差しを避けられるようなスペースがあるとよいといった声もありました。 ・さらに、子育て応援拠点では、公園で遊べるようになるのは大体1歳後半ぐらいからで、保護者は天候にも左右されず、おもちゃがある屋内の遊び場を選ばれる方も多くいるのではないかというお話しがあり、屋内の遊び場の存在も子育てしやすい社会環境づくりにとって重要な場所であることがわかりました。 ・今回のヒアリングは、あくまで一部ですが、保育園や学童保育施設にとって公園はなくてはならない存在であることがわかりました。また、保育園や学童保育施設の近くに公園があれば日常的により多くの人に公園を利用してもらえる可能性が高まるものと考えられます。 14ページ 4 課題  公園の開園後の経過年数や施設整備・維持管理・運営管理の状況、市民アンケートの結果から、地域に身近な公園の課題を整理します。 まちの変化への対応  開園から長い年月が経過する中で、市街化が進展したことによる地域の人口や年齢構成、地域コミュニティ、交通網の変化、公共施設や住宅、商業施設、保育施設、小学校、学童保育施設等の子育て関連施設の有無など、公園を取り巻く環境は大きく変化しています。  まちの課題解決に寄与できるよう、画一的な整備でなく、地域に求められるあり方に公園を変えていく、地域や関係者が柔軟に公園を使いこなせるようにする、などの対応が必要となっています。 Column まちづくりにおける公園への期待  公園には多くの人と新たに連携する、コミュニティを広げる、次世代につなぐ誇りと愛着を地域の方々と育んでいくなど、様々なチャンスがあります。チャンスを活かすことによって公園利用の可能性が広がり、まちが元気になった事例を紹介します。 東京都武蔵国分寺公園  公園に「あったらいいな」とワクワクすることをみんなで考え・つくり・楽しむ市民企画プロジェクトが行われています。Sunday Park Cafeは、交流しながら楽しく過ごしたいという声から生まれ、地元のキッチンカーが出店し、ワークショップやライブが行われています。この他、ウクレレを楽しむ「うくフェス」、地域のアーティストによる「てのわ市」など多彩なプログラムが、公園に常駐するパークコーディネーターの伴走支援により実現しています。 公園での活動が地域ににじみ出て、まちを変えていく原動力にもなっています。 東京都豊島区南池袋公園  東京電力の変電所移転をきっかけに6年半公園を閉鎖しその間、公園の再整備を検討しカフェの導入や夜間閉鎖、自転車駐輪場の建設、備蓄倉庫の整備等を行いました。  その結果、常に賑い、人の目があること、また芝生の整備によりオープンかつ魅力的な空間になったことで、来園者の内容が大きく変化しました。(子育て世代・若者・区外からの来園者増加)周辺の不法駐輪は無くなり、災害時には帰宅困難者対応も可能な防災拠点のひとつとなりました。公園がエリア全体の価値を向上させたことで、その後の豊島区の「公園がまちを変える」政策の発端となりました。    15ページ 限られた空間の活用  公園自体が狭い、レイアウトが利用しにくいといったアンケート結果にあるように、公園の使いにくさが課題となっています。公園の利用目的や用途を特化することで限られた空間を有効に活用し、地域のやりたいことが実現できる公園に変えていくことが必要となっています。 公園全体の老朽化への対応  開園から40年以上経過している公園が全体の約6割(921か所)となっている中、リフレッシュ事業やストック再編事業による面的な再整備(部分再整備・全面再整備)では対応できる公園数が限られており、ここ10年では年平均2公園しか再整備できていません。そのため、計画的に再整備を進める必要があります。 限られた予算への対応  現状の公園ストックに対し再整備や公園を安全・安心に利用してもらうための、除草・清掃、樹木管理、施設管理など、様々な維持管理にかけられる予算が限られており、公園施設の量の適正化や省メンテナンスなどを考慮する必要があります。 16ページ 第2章 基本的な考え方と方針  地域に身近な公園の再生を進めるため、目指す姿、再生の進め方を整理します。 1 指針の位置づけ  地域に身近な公園再生指針は、「名古屋市みどりの基本計画 2030」を上位計画とし、公園施設維持管理計画、公園経営基本方針などに並ぶものとなります。  関連計画等と調整をはかりながら、地域に身近な公園の再生をハード(再整備・維持管理)とソフト(運営管理)の両輪で進めていきます。 17ページ 2 指針の対象  市の公園数の9割以上を占める街区・近隣・地区公園など、地域に身近な公園を対象とします。 18ページ 3 再生により目指す姿  開園から長い年月が経過する中で公園を取り巻く環境は変化し、生活に身近な存在である公園に対するニーズも変化しています。年齢を問わず多くの人が公園を利用しており、特に小中高生にとっては、学校と家に続くサードプレイスとして公園が利用されています。公園を再生することで新たな価値が生まれ、まちづくり活動においては、公園が変わるとまちが変わる、と大きな期待が寄せられています。  地域に身近な公園の再生を進めることで、まちの変化に対応し、これまで以上に公園が利用され、少子化・高齢化による人口構造の変化に対応しつつ、コミュニティ形成や子育て支援、健康増進、自然とふれあう場となるなど、まちの課題解決に寄与する可能性があります。  個々の公園の特性を活かしながら、再整備、維持管理、運営管理といったあらゆる面から、公園の再生の取組みを進め、地域に身近な公園が暮らしの質を高める魅力的なまちを目指します。 19ページ (1)地域に身近な公園に必要な6つの機能  公園の周辺環境等に応じ必要と考えられる機能について、地域に身近な公園に必要とされる6つの機能(賑い活力、地域憩い、子育て遊び、健康運動、環境共生、防災)として設定します。地域に身近な公園の再生により6つの機能を組み合わせて効果的に発揮させることで、公園が暮らしの質を高める魅力的なまちとします。 Column みどりにより高める3つの力と多面的な効果  本市のみどりに関する総合的な計画である「名古屋市みどりの基本計画 2030」では、3つ の力とみどりの多面的な効果(8K)を設定しています。地域に身近な公園の再生により、特に地域力、持続力を高め「みどりと人がきらめく 自然共生都市・なごや」の実現を目指します。 20ページ (2)6つの機能が発揮された公園が暮らしの質を高めるイメージ  それぞれの機能を重視した公園再生を行った場合、どのような効果が期待されるかのイメージを機能ごとに示します。 ア 賑い活力 ・他の地域からも人が集まり公園が賑い、活気あふれる場となることが期待されます。 イ 地域憩い ・多世代の交流が生まれ、地域の「○○したい」が実現できる憩いとくつろぎの場となることが期待されます。 ウ 子育て遊び ・幼い子どもが保護者や保育者等に見守られ安心して遊べる場となることが期待されます。 21ページ エ 健康運動 ・健康遊具の利用や、散策・ボール遊びなどの運動ができる健康増進の場となることが期待されます。 オ 環境共生 ・健全な公園樹木による緑陰が確保され、鳥や虫を呼び込めるような緑化による生物多様性の向上、雨水浸透機能の確保など、環境共生の場となることが期待されます。 カ 防災 ・オープンスペース確保、災害対応型施設の設置等により防災上の役割を果たす場となることが期待されます。 (3)重視する機能と個別最適化  再生にあたっては、6つの機能のどれを重視するか意識して、公園ごとに重視する機能と簡素化する機能を設定し個別最適化をはかり再生します。なお、公園がもつべき機能は公園ごとに1つとは限らず複数の機能やすべての機能をもつべき公園も多く存在します。また、近接する公園の状況も把握し、公園間で機能を分担する考えにも留意します。 22ページ 4 再生の進め方  目指す姿を実現するための基本方針と進め方を定めます。 まちの変化にあわせて、公園を地域に求められる姿に変えていく 画一から個別最適化した公園に再生  これまでは、市街地の拡大に合わせて、いわゆる三種の神器(ブランコ、すべり台、砂場)に代表されるような画一的な公園の整備により、地域に身近な公園の量的拡大に努めてきました。  これからは、重視する機能と簡素化する機能を設定するなど、まちの変化に対応して個別最適化した公園として、再整備・維持管理・運営管理により再生することを目指します。  公園をまちの変化に対応させるため、公園周辺の現在・将来人口、周辺の各種施設やまとまった緑の有無、防災上の位置づけなどの各種データから、公園のまわりのまちの変化を公園がもつポテンシャルとして把握し再生を進めます。  6つの機能の視点から、公園間での機能分担も念頭に、公園の特色を伸ばしながら、地域の「〇〇したい」を実現する場所、見通しが良く木陰があり居心地が良い場所、のびのびとボール遊びができる場所、子どもも大人も安心して過ごせる場所、健康増進の場所、鳥や虫が呼び込める場所などを創出し、公園を地域に求められる姿に変えていきます。 23ぺージ  また、施設配置の見直し、施設運用の見直し(野球場を野球目的以外でも利用できるようにするなど)や、有料公園施設の利用率の向上、様々な手法による財源確保(駐車場の有料化、受益者負担の視点による料金見直し、ネーミングライツによる収入の増加など)、効率的な維持管理により公園を良好な状態に保ちます。  公園は誰でも自由に使える空間であるという視点に立ち、地域や関係者が公園を使いこなせるような運営管理にも取組んでいきます。 24ページ 第3章 再生の取組み  地域に身近な公園の再生に向けて、ポテンシャルを把握したうえで、地域の「〇〇したい」を実現するために地域等と調整しながら再整備を行い、維持管理・運営管理につなげていきます。  また、再生を進めるために行政コストの最適化と公園ストックの最適化による総合的なマネジメントを行います。 1 ポテンシャルの把握  客観的な指標(公園周辺の現在・将来人口、行政計画、周辺の各種施設、まとまった緑の有無や災害リスクなど)から、各公園がもつポテンシャルについて、点数化して把握することとします。  地域に身近な公園は、都市公園の種別としては、地区公園、近隣公園、街区公園などに分けられます。街区公園については、面積規模として狭小な公園もあれば、標準面積(2,500u)を大きく超えるような公園もあります。大きな公園も小さな公園も同じように再生を進めるために、面積規模に応じた2つの公園タイプに区分し、区の公園数のバランスを踏まえ特定の区に再整備が偏らないように配慮しつつ、2つのタイプにおいてそれぞれ、ポテンシャルが高い公園から特色を伸ばす再整備を行っていきます。 25ページ 2 公園の特色を伸ばす再整備  地域や関係者に公園のポテンシャルを示したうえで、地域の声を聞きながら公園の特色を伸ばす再整備を行います。 (1)地域等との調整  地域に身近な公園の再生に向けては、地域の声を聞きながら現在の公園の利用状況を把握するとともに、再生後の公園がどのように使われるかを想定することが必要です。地域団体に加え、考えられるステークホルダー(注)にコンタクトし、幅広く声を聞きます。  地域等との調整にあたっては、公園の周辺環境等から客観的に把握した公園のポテンシャルを示しながらアンケートやワークショップなどを行い、公園に期待される機能が十分発揮されるような再整備につなげていきます。 (注)組織やプロジェクトにおいて、その組織等が行うことの意思決定に関与しているか、または活動に直接・間接的に利害(ステーク)を受けるすべての個人・グループのこと。公園のステークホルダーには、公園に強い関心を示す市民、事業者等の多様な主体が想定される。 26ページ Column 公園におけるルールの合意形成について  地域に身近な公園は、いつでも・誰でも利用できるオープンスペースです。そのため、面積が小さい公園は、周辺に住宅等が隣接していることから公園利用に伴う騒音などへの対応について、地域からの要望をいただくことが多かったり、ゆずりあって利用していただくことが原則であっても利用者間のトラブルが発生したりすることがあります。  そのため、他都市の取組み事例として、東京都世田谷区では、公園に関係する人達がお互いの立場を思いやれる看板表示の作成・設置を目標としたガイドラインを作成し、公園に設置する看板内容の背景を利用者の方々に理解してもらうとともに、禁止事項をただ列挙するのではなく「できること」を示すなどの工夫をしています。  本市においても、公園の使い方をわかりやすく伝える看板の雛形を作成し、公園を管理する各区の土木事務所間で共有を進めています。  一方で、看板を設置するということは、公園の使い方やルールを決めることにもなります。現在、本市の公園に設置している看板は、公園周辺の住民の方々や利用者からの要望に応じて設置してきたものです。設置された経緯を振り返りつつ住民の方々や利用者の声を聞き、それぞれの公園の個性を尊重しながら、利用マナーの向上をはかり、公園が誰にとっても気持ちの良い空間になるようにしていきたいと考えています。 27ページ (2)整備範囲の設定  地域に身近な公園の再整備にあたっては、地域に親しまれてきた花の名所や野鳥観察のできる池、並木道の景観、プレイマウント(富士山すべり台)などは、再整備の範囲から除外し、必要十分な整備範囲において、使いやすい公園に向けた工夫、まちの変化に合わせた対応を進めます。 (3)再整備の内容 ア 賑いのコーナー  「賑い活力機能」の発揮が求められている公園を中心に、学区内外からの公園利用を想定して、まちとつながった広場(オフィス街や駅、商店街、歴史観光資源などとのつながり)を確保することで、地域活性や地域の誇りとなる場としての特色を伸ばします。 ・見通しがよくアクセスしやすい広場を確保することや隣接する民間施設との相互利用ができるようにすることで、まちと公園がシームレスにつながり公園が便利に利用できる環境を整える。 ・舗装の広場を整備することで、マルシェ等のイベント、キッチンカー設置がより行いやすい環境を整える。 28ページ ・公民連携による賑いコーナー(設置管理許可制度を活用した飲食施設等)の整備を促進する。 ・地域や関係者が公園を使いこなせるように、コミュニティサポーター(注1)や地域まちづくりアドバイザー(注2)とも連携し、サポートできる環境を整える。          イ 憩いのコーナー  「地域憩い機能」の発揮が求められている公園を中心に、コミュニティセンター、児童館、図書館、福祉施設などとの相互利用を想定して、地域の「○○したい」が実現できる交流の広場を確保することで、地域コミュニティの場としての特色を伸ばします。                       ・日射や突然の雨などに対応できるような屋根付き休憩所、テーブル付きベンチが配置されており、気軽におしゃべりできる環境を整える。 ・多目的に利用できる広場を確保することで、多世代との交流促進や、他分野(移動児童館、移動図書館や子ども食堂など)との連携による交流促進が生まれる環境を整える。 ・地域や関係者が公園を使いこなせるように、コミュニティサポーターや地域まちづくりアドバイザーとも連携し、サポートできる環境を整える。 (注1):地域コミュニティの活性化を目的に、学区連絡協議会や町内会・自治会など地域団体の活動を支援する職員のこと。地域団体の相談を受け、地域が主体となって取組む事業や団体運営についてアドバイスを行い地域コミュニティの活性化を図っています。 (注2):都市センターが派遣する都市計画・建築・まちづくり活動などの専門家のこと。地域まちづくり団体の組織づくりや計画づくり、運営にアドバイスを行い、地域まちづくり(地域がよりよくなるために地域の力で地域を育てること)を支援しています。 29ページ Column 整備後の公園をもっと楽しむために  瑞穂区駒場公園では、地域と行政が一緒になって公園の整備計画を検討し地域のやりたいコトを反映した公園づくりを行いました。公園の完成に合わせて、公園づくりに参加した地域の人たちが愛護会を結成し、公園をきれいにする活動とともに、様々なイベントの企画を行うなど、名古屋市との協定により、これまでできなかったコトや公園の新しい利用の仕方などを実現し、公園を地域の庭として楽しく利用しています。 30ページ ウ 子育て支援コーナー  「子育て遊び機能」の発揮が求められている公園を中心に、近所の未就学児の親子、保育園等の園庭利用など、乳幼児の重要な外遊びの場としての特色を伸ばします。 ・利用年齢を想定したゾーニングを行い移動動線が交錯し事故が起こらないような遊び場環境を整える。 ・大人の目が届きやすい範囲に遊具等が配置されており、安心して子どもを遊ばせ見守ることができる環境を整える。 エ ボール遊びコーナー・健康運動コーナー  「健康運動機能」の発揮が求められている公園を中心に、小中学生の放課後利用、コミュニティセンターとの相互利用を想定して、小学生等がボール遊びを元気いっぱい楽しめる場、だれもが安心して気軽な運動ができる環境を確保することで、身近な健康増進の場としての特色を伸ばします。 ・公園に隣接する住宅等と適切な距離を確保した位置に飛び出し防止のためのフェンス付き広場を設けることで、安心してボール遊びができる環境を整える。 ・公園内を安心して周回できる園路、ストレッチ系の健康遊具を配置することで、誰もが気軽に軽い運動ができる環境を整える。 ・ラジオ体操やグランドゴルフなどに活用できる広場を確保し、他分野との連携により地域の健康づくりの場となるような環境を整える。 31ページ オ 自然ふれあいコーナー  「環境共生機能」の発揮が求められている公園を中心に、周辺の他の公園、樹林地、河川、農地などとの緑の連続性に留意し、公園内の既存の樹林地等の保全と健全化に努めることで、ヒートアイランド現象の緩和や生物多様性の向上、雨水浸透などの機能発揮の場としての特色を伸ばします。 ・季節の草花を楽しめる場を整える。  企業と協賛しスポンサー花壇の展開を図る。 ・過度に手を入れず原っぱとして昆虫など身近な生きものの生息空間として管理していくことも検討する。 ・緑のまちづくり活動団体との協働により自然観察会などのイベントを行い、自然とふれあうきっかけ作りや担い手確保をするなど、緑のまちづくり活動のすそ野を広げる。また、学校や地域と連携しながら活動へのサポートを進める。 カ 災害対応型施設  「震災に強いまちづくり方針」において、広域避難地、一次避難地として位置づけられている公園を中心に、地域特性を踏まえたうえで、十分なオープンスペースを確保しつつ、災害対応型施設の導入を進めることで、応急的な救助活動のための空間として活用できるよう機能を高めていきます。 ・災害時に炊き出しができるかまどベンチや救護テントとなる防災パーゴラ、停電時にも点灯するソーラー式公園灯などの施設を整備することで、公園の防災機能が発揮される環境を整える。 ・トイレの更新時には、災害対応型トイレへの建て替え、給排水管の耐震化などを図る。 32ページ 3 維持管理  遊具、トイレ、駐車場、有料のスポーツ施設の更新等の機会を捉えて、限られた空間を有効に活用できるように施設の見直しや更新等を進め、施設の有料化等による収益は公園の整備・維持管理に還元し、公園を良好な状態に保っていきます。 ア 遊具等の更新等(長寿命化)  公園利用者が安全に遊具等を利用できるように、「公園施設維持管理計画」に基づき、ライフサイクルコストの縮減や経費の平準化を図りながら予防保全型管理による遊具等の再生を進めます。施設更新の機会を捉え、施設総量の抑制を図るとともに使い勝手のよい遊具配置を目指します。 ・遊具等の長寿命化を図るため耐久性の高い施設への更新を進める。施設更新の機会を捉え年齢層によるゾーニングを考慮しながら、公園内の遊具配置を整える。 ・施設のダウンスケール(砂場を小さくする、複数の遊具を複合遊具1基にまとめるなど)や、公園間での役割分担(広場を重視する公園は遊具を減らすなど)を検討する。 イ トイレの更新等  公園利用者が快適にトイレを利用できるように、「福祉都市環境整備指針」に基づき、建替え時にはバリアフリー化を進めます。トイレの更新の機会を捉え、利用状況に応じて施設総量の抑制を図ります。 ・築年数や公園の位置づけ(避難場所指定、スポーツ施設の有無など)をふまえ、トイレの建替えや改修を進める。 ・施設総量の抑制の観点から統廃合(同一公園内の複数のトイレを1棟にまとめる、近接する公園にもトイレがある場合は廃止するなど)についても検討する。 ウ 広場の更新等  公園利用者が快適に広場を利用できるように、雑草の繁茂、排水不良がある広場については、表層を改良します。また機会を捉え、「福祉都市環境整備指針」に基づき、公園施設のバリアフリー化、利用状況に応じた広場の拡張も検討します。 ・広場再生にあたっては、維持管理が容易な構造の検討(雑草が繁茂しにくい表層)、雨水排水施設の改修などを進める。 ・公園出入口の段差解消、主要公園施設までのアクセスルートの確保を進める。 ・利用を勘案し、ニーズと乖離した施設(草が繁茂した砂場、利用が見られない遊具など)の撤去・移設などにより広場の拡張を検討する。 33ページ エ 緑陰空間の更新等(公園樹木の健全化)  公園樹木が健全で美しい状態となり、公園利用者が安心して過ごせるように、「公園樹木健全化指針・公園樹木健全化なごやプラン」に基づき、公園樹木を再生・保全・育成します。快適な公園空間の創出、安全・安心の確保、管理コストの縮減をはかります。 ・身近な自然や四季を感じることができる快適で魅力的な空間とする。 ・樹木の事故を未然に防止するとともに、公園内の見通しを確保し遊具等の施設が安全に利用できるよう、公園を安全・安心に利用できる空間とする。 ・樹木の配置、間隔、密度の適正化により、管理する樹木の総数や隣接地への越境等を減らす。 オ 駐車場の更新等  幅広い公園利用者が適切に利用できるように、「公園経営基本方針」に基づき、公園利用にかかる公平性の確保や行政財産の有効活用の観点から駐車場の有料化や需給バランスの最適化を検討します。有料化に伴う収益については、公園の整備・維持管理に還元します。 ・すべての公園駐車場について、原則有料化を検討する。 ・需要が高い駐車場の料金見直し、施設利用率が高い駐車場における台数不足の解消を進める。 34ページ カ 有料のスポーツ施設の更新等  公園利用者が安全に施設を利用できるように、「公園施設維持管理計画」に基づき、ライフサイクルコストの縮減や経費の平準化を図りながら予防保全型管理による施設の再生を進めます。施設更新の機会を捉え、施設の利用状況やスポーツレクリエーションに対するニーズを把握し、施設運用面での工夫をすることで利用率向上を目指します。受益者負担の原則に基づく料金見直しなどの収益については、公園の整備・維持管理に還元します。ニーズが低い場合は施設の廃止、ボール遊び広場や遊具広場などへの機能転換を検討します。 ・施設利用率、競技者人口の変化、多様なスポーツにふれあう機会の提供といった点を踏まえ、他施設への転換や、施設運用面での工夫(野球場を野球目的以外でも利用できるようにするなど)を検討する。 Column 広域の拠点となる公園で検討する再整備内容 本市には地域に身近な公園以外に総合公園、運動公園などの広域の拠点となる公園があります。以下のような施設は、主にそのような公園で整備を検討します。 ドッグラン ・鳴き声等の課題があり、地域や公園利用者の理解が不可欠になります。設置、運営にあたっては、犬が走り回れる一定の広さの確保や、犬に関する専門的知識を持った管理者の常駐、駐車場の確保等が必要となります。 ・公園内にドッグランを設置する場合には様々な課題があることから、総合公園などの規模が大きな公園を中心に検討を進めます。    アーバンスポーツ(注)広場 ・騒音や利用マナー等の課題があり、地域や公園利用者の理解が不可欠になります。夜間閉鎖を基本とし、受益者負担による維持管理(簡便な方法で使用料徴収できない場合は無料も選択肢となる)の検討が必要です。 (注)本市の総合計画では「広い場所を必要としない、個人が気軽に始められるなど、都市住民が参加しやすい都市型スポーツ」として定義され、ボルダリング、BMX、スラックライン、パルクール、スケートボード、3×3バスケなどがあげられています。 35ページ 4 運営管理  これからの公園は、まちの変化に対応し暮らしの質を高める場となることが期待されます。これまでの「つくり、守る」という視点に「育て、活かす」という視点を加え、地域に身近な公園が、誰でも自由に、もっと使いやすく、もっとやりたいことを実現できるような場となるように、ステークホルダーとの協力関係の構築を進めます。 ・遊び場を利用する子どもを地域が主体となって公園利用を見守る体制を整える。 ・ピクトグラムを用いるなど、公園でできることをわかりやすく表現した看板の設置等を地域の協力を得ながら進めていく。 ・地域や関係者が公園を使いこなせるように、コミュニティサポーターや地域まちづくりアドバイザーとも連携し、地域コミュニティの活性化や地域まちづくりの推進につながる公園の利活用をサポートするなど、関係者との協力関係を構築する。 Column 公園がつなぐコミュニティ  天白区にある細口池公園では、池の周囲にウォーキングコースが整備され、広場、テニスコートなどの運動施設が充実していることに加えて、コミュニティセンター、公園の北東には学童保育施設が立地しています。公園をフィールドとする様々なステークホルダーが公園を中心につながることで、地域コミュニティ形成の場となっています。 36ページ 5 総合的なマネジメント  地域に身近な公園の再生にあたっては、公園の整備、維持管理、運営管理に係る全体の行政コストを最適化していくことが必要です。 ・公園の整備については、本市の公園整備費として割合が高い新規公園整備の事業推進の見直しを行い、既設公園の再整備を拡充することについて検討する。  また、既設公園の再整備により、公園の機能を個別最適化し、施設総量を抑制するなど、公園ストックの最適化の取組みも必要です。公園の状況によって地域のニーズと乖離し全く活用されていないなどの場合は、他用途の公共施設等とすることも考えられます。  行政コストの最適化と公園ストックの最適化による総合的なマネジメントを進めていきます。 37ページ 参考資料 公園を取り巻く状況 (1)都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会提言  国土交通省では、公園が時代の変化や多様化するニーズに対して、十分にそのポテンシャルを活かしきれていないという課題意識から、令和3年度から4年度にかけて、「都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会」を設置・開催し、令和4年10月に「都市公園の柔軟な管理運営のあり方検討会 提言」をとりまとめ・公表しました。本提言では「都市公園新時代 〜公園が活きる、人がつながる、まちが変わる〜」を基本的な考え方に据え、従来の都市公園の整理・管理運営から、「都市アセットとしての利活用」、「画一からの脱却」、「多様なステークホルダーの参画」の3つの変革が求められることを示しています。  同提言の中でも、柔軟な管理運営の基盤となる、整備に関連の深い重点戦略[1]施策の方向性A「居心地が良く、誰もが安全・安心で、快適に過ごせる空間づくり」においては以下のような取組を推進する必要があるとされています。 公園の利活用状況の点検と点検結果を踏まえた公園再生 公園利用者の安全・安心の確保(防災・減災、バリアフリー、老朽化対策、防犯、暑熱対策等) 政策間連携による社会課題対応型の機能向上(健康、福祉、子育て、教育、地域経済等) 38ページ (2)都市公園の質の向上に向けた利活用の推進  平成29(2017)年の都市公園法改正により、飲食店、売店等の公園利用者の利便の向上に資する公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場と整備、改修等を一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度(Park-PFI)」が新たに設けられ、都市公園に民間の優良な投資を誘導し、公園管理者の財政負担を軽減しつつ、都市公園の質の向上、公園利用者の利便の向上をはかることが期待されています。  本市においては、久屋大通公園や鶴舞公園でこの制度を活用した公園整備を進めており、今後は他の公園でも取組みを進めていくことが求められます。 (3)都市公園におけるバリアフリー化  子ども・子供連れから高齢者まで幅広い年齢層の公園利用者が障害の有無やその他の事情に関わらず、安心・安全で快適に利用できる都市公園の実現に向け、ハード・ソフトの両面から都市公園におけるバリアフリー化をより一層推進するため、「都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン【改訂第2版】(R4.3)国土交通省」が策定されています。  本市においても、「福祉都市環境整備指針(R4.3)名古屋市」に沿った公園整備を進めています。同指針では、園路広場、出入口、階段、駐車場、ベンチ、水飲み、トイレ、情報・案内など、施設ごとの整備の基本的な考え方、整備や配慮が必要な内容を示しています。 (4)子どもまんなか公園づくり  地域に身近な公園は、子どもが気軽に花や自然とふれあったり、スポーツを楽しんだり、遊具や広場でのびのびと遊んだりすることができる場所です。また、地域のイベントなど、賑い活動により多様な世代が交流できる場にもなっています。  公園を子どもや子育てをされる方々が安心して過ごせる環境として整えることは、少子化対策の観点からも重要であると考えられます。  都市公園を所管する国土交通省においても、安心してこどもを産み、育てやすい環境整備を進めていくことを大変重要なものとしており(令和5年4月国土交通大臣会見)、「子ども・子育て政策」として、公園等の子どもの遊び場の確保や、公共施設のバリアフリー化を挙げています。また、令和6年度より、こどもや子育て世帯からニーズの高い身近にある都市公園の計画策定・整備等を支援する「こどもまんなか公園づくり支援事業」を創設しています。  本市においても、子育てしやすいまちとなるよう取組みを加速させていくことが求められており、令和7年3月に策定の「なごや子ども・子育てわくわくプラン2029 名古屋市子どもに関する総合計画」においても、「地域に身近な公園の再生」が事業として位置づけられています。 39ページ (5)持続可能な都市を支えるグリーンインフラとなる公園  公園は、地域のオープンスペースや緑地空間としての機能を果たすことが期待されています。国土交通省の「地方公共団体等のための「グリーンインフラ実践ガイド」(令和5(2023)年」では、公園の計画・設計段階から地域住民や民間事業者など多様な主体と連携し、公園の活用方策や維持管理・運営の方法を検討することで、公園が地域の賑いの拠点としての多面的な機能を発揮できるとされています。  さらに、周辺の環境に配慮し、防災や生物多様性の保全など地域課題の解決につながる整備を行うことによって、価値を高めることが期待されています。例えば、雨水の貯留・浸透機能を有する基盤材の導入や、地域の自然をモデルにした植栽を取り入れるといった取組みが紹介されています。  本市でも、今後の公園の整備にあたっては、グリーンインフラの視点を加え、賑いの形成や防災機能の向上、生物多様性の保全といった都市の魅力向上を図りつつ持続可能な都市を実現するための公園づくりが求められています。 40ページ 客観的な指標を用いた公園のポテンシャル評価  地域に身近な公園の再生に向けて、下表の評価の視点を用いて公園ごとにポテンシャルを点数化し、特定の区に再整備が集中しないように配慮しつつ、特色を伸ばすための再整備を行う優先順位を設定します。また、公園の整備状況や地域の実情についても考慮します。