第3回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 議事録 令和7年9月29日(月)午後2時00分〜午後4時00分 ○座長 本日はお忙しい中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会を始めさせていただきます。 議事に入る前に報道機関の撮影のため、頭撮りをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 それでは会議の円滑な進行のため、以後は固定位置での撮影をお願いいたします。 それでは進めさせていただきます。本検討会の性質上、これまでの会議と同様、皆様の自由闊達な意見交換を期待しておりますが、人権に関わるデリケートな内容、表現が出てくることも想定されます。皆様には改めて申し上げるまでもございませんが、表現などにはご留意いただきたいと思います。また、委員には視覚障害の委員の方もいらっしゃいますので、発言する際は、お名前を名乗ってから発言していただくようにご配慮をお願いいたします。あわせて、会議時間は2時間ですが、心身の負担なども考慮し、間に休憩を5分程度挟みたいと考えておりますので、あらかじめご了承ください。 それでは議事に入ります。資料1「人権に関する条例(仮称)骨子作成に向けた意見等のまとめ」について事務局より説明をお願いします。なお、委員の皆様には資料の事前送付がなされていること、及び、委員の皆様の発言時間をできるだけ確保する趣旨から、説明は各項目のポイントのみに絞ってお願いします。ではお願いします。 ○事務局 それでは資料1「人権に関する条例(仮称)骨子作成に向けた意見等のまとめ」につきまして、ポイント等を絞りまして、ご説明させていただきます。まず初めに、この資料の構成等についてです。 資料は4列ございまして、一番の右側の列は、「第2回会議資料での意見等まとめ」と書いてありますが、前回会議時に資料でお示しした意見等をそのまま掲載した内容となっております。ひとつ左の列に移りますと、その意見等まとめを前提に、第2回検討会での意見や会議終了後にいただきました「委員意見等」をここに掲載しております。さらに左の列に移りますと、その意見を受けた反映等の「考え方」を記載し、それを受けまして、資 2ページ 料の一番左まで移りまして、「意見等を踏まえたまとめ」として今回第3回検討会開始時における、骨子に向けたまとめの状況を示しております。 1ページの「1 目的に関連する事項」から、いただきました意見に対する反映や、規則以下への運用対応の考え方などお示ししております。 ポイントを絞ってということで、3ページをお願いします。「市の責務」として市職員の人権意識向上や率先した行動など示しております。市職員と言いますと、一般職職員や市長など常勤の特別職などの公務員が想定されますが、学識経験者や医師といった本業が別にあります非常勤特別職もその性質を考慮した検討を行うことで考えております。 続きまして4ページをお願いいたします。「6 差別等に関連する事項」ですが、これまで委員より、具体的な事例を示した方がよいとの趣旨の意見が複数ございましたので、場面ごとの例示列挙を検討することとしました。 別紙をお願いします。「差別等に関連する事項(例示)」と書いてあるものでございます。この資料の冒頭に差別等の内容を@〜Cまで記載しております。さらに、このうち@に「次に掲げる取扱い」として禁止するものを、括弧書きで、福祉サービス・福祉施設利用をはじめ8の場面を例示列挙しております。なお、この場面区分のみではわかりにくいので、参考としまして、資料の下段に【事例ごとの具体的想定】としまして、それぞれの場面で、こういうことがあれば該当しうるという想定の例を掲げさせていただいております。また、このほかの場面も当然にあると考えておりますので、場面例の最後には、「その他権利利益が侵害される場面」と包括的な規定をすることで、漏れなく対応することを考えています。 実際にはこのほかの場面も限りなくあるのかもしれませんが、例示する場合には、一定の範囲で典型的な場面・優先的に周知啓発していく部分を選択する必要が出てまいります。当事者の視点、現場の視点から、これら以外の典型的場面などあればご意見いただければと思っております。 なお、場面区分においては、これまでいただきました意見等を参考にしておりますが、結婚差別においては深刻な状況も伺っております。家族間のことではありますが、日本国憲法の婚姻の自由の根本的な否定にかかる部分に限定して明記することは可能かどうか検討したいと考えております。このあたりは、行政権力が関わることに対しての憲法上の問題などもあり得るかとも思っておりますので、その点の憲法や法律に関する専門的な、現段階でのご意見などもいただければと思っております。 今回初めて場面例を出したばかりですので、必ずしも本日で全て整理できるとは限らないと思っておりますが、まず、例示することそのものに対しては、例示することでよろしいかどうか。例示することによるデメリットや懸念することがあれば、そういったご意見などもいただけたらと存じます。 別紙につきましては以上でございまして、資料1にお戻りください。資料1 3ページ の6ページ「8 紛争解決に関連する事項」における、勧告・公表に関し、特に氏名や事業者名の公表について慎重な意見をいただいております。勧告・公表の位置づけにつきましては、参考資料4ということでつけさせていただいております。「勧告」については行政手続き上、広く人権条例に関わらず行われておりますが、制度上は任意の協力をいただくものであり、勧告に従わない場合にその市民への損害を回避するために必要な情報提供として公表することは不利益処分に該当するものではありませんが、事実、結果として経済的損失など不利益を被ることがあることや、第三者機関の判断であっても人権問題にはグレーなものもあるという指摘もございますので、そういったことも含めて、考えていく必要があると考えております。今回、他の自治体の人権に関する条例の公表の目的につきましても、参考資料5につけさせていただいておりますが、各自治体それぞれ公表の目的については様々な資料で紹介されておりますが、いずれも、いわゆる制裁目的ではないことが明示されていると認識しております。また、本件勧告・公表につきましては、個別人権分野で既に条例が定められておりますので、そうした条例の規定との整合性も必要と考えています。 続きまして、7ページ以降の公共の場所における差別的言動です。ここにつきましては、罰則があったほうがよいという意見と、制裁的な要素の強い規制を行う場合には、それだけ要件の厳格化が求められることになりますので、かえって機能不全になるのではとの意見もございました。まず前提として、市の条例として検討する場合、参考資料7をつけておりますが、人権条例に限らずすべての条例に共通でございますが、現在の本市の状況を立法事実として説明していく必要がありますので、そうした前提で今後ともご意見等いただければということで、ご理解いただきますようお願いいたします。 ヘイトスピーチ対策として、差別や社会的排除が助長され分断が生みだされないようにするために、ヘイトスピーチをする側へのアプローチと、そもそもヘイトスピーチを聞いても影響されない市民との共通意識をつくっていくような市民側へのアプローチの視点とも受け止めておりますが、現在、愛知県が「事実の概要の公表」というものも定めておりますので、その課題などもあわせて考えていきたいと思っております。 なお、この公共の場所における差別的言動の事項におきまして、罰則に関する意見を多くいただいておりますが、これまでいただきました意見の中で、罰則という言葉に関して、その対象を3ついただいております。先ほど説明の不当な差別的取扱いについて罰則という意見と、この後に出てくるインターネット上の差別的言動に対して罰則という話と、今回のいわゆる公共の場所でのヘイトスピーチに対しての罰則、それぞれの場面での意見がありました。 4ページ 罰則につきましては、現状から必要やむを得ないとの立法事実の点で、それぞれ必要性を比較する必要もあるかと考えておりますので、そうした視点でも、もし何かご意見があればお願いできればと思っております。その他、インターネットに関連しまして、インターネット上の発信者が明らかである場合の勧告に加え、公表に対する意見もいただきました。公表されたくない人はそもそも匿名で発信するため、発信者名を明らかにしている方を公表しても削除につながることはなく(注:勧告は、事前に削除要請を行い効果がない場合に行う)、逆に閲覧数が増えて差別の助長になる可能性が高まるとともに、制裁的な意味合いが強くなってまいりますので、先の勧告・公表に関してのさらなる意見聴取もお願いしたいと思っておりますので、この部分も含めて、あわせて整理し、今後この点も考えていければと考えております。 かなり省略しましたが、主要な部分、再確認いただきたいポイントに関する説明は以上でございます。 なお、前回の会議および会議終了後に、直接条文の内容そのものへの意見ではないものについては参考資料1として回答しておりますので、こちらの方もご確認をいただければと思っております。以上でございます。 ○座長 それではまずは4ページからの「6 差別等に関連する事項」と、別紙について、委員の皆様よりご意見などございましたらお願いします。まず、条例そのものに例示を入れた方がいいのか、例示を入れるとちょっと条文的に冗長になるので、下位の規則とかガイドラインで書くとして、条例そのものには例示を入れない方がいいのかについて、まず確認させていただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○委員 ちょっと考え方としてお聞きしたいのは、例示というと、どういうことを具体的に考えていらっしゃるのか。その辺りをもう少しご説明いただけますでしょうか。 ○事務局 仮に、具体例を条文として書く場合には、別紙の方に@ABCとございますが、基本的には、大きな枠として4点、@に不当な差別的取り扱い、Aが、それ以外のあらゆる人権侵害の行為の禁止。Bが、アウティングなど。Cが識別情報の適示の禁止、つまり土地の表示とか、を書くことになります。 具体的にという話は、@の不当な差別の事例ですね、括弧内に書いてございますが、これを実際に条文に書きますと、資料の下の表で、1番に福祉サービス、2番に医療提供の場面、3に教育・療育又は保育の場面とございますが、それぞれが、第1号 福祉サービス、第2号 医療の場面、第 5ページ 3号 教育の場面、そういった場面ごとを出しまして、それぞれに、ア、イということで、利用拒否だとか、制限をつける、条件づけというふうな書き方を検討する形になると思っています。 具体的には、人権分野で先行する障害者の差別解消推進条例にですね、資料の表の左側にあるものに近いような書き方がされていますので、名古屋市の同じような条例の書き方を参考にするイメージでおります。 表の右側は、あくまで想定でございますので、今後おそらく様々な想定事項なんかを、啓発とか周知していく際には、条文の場面ごとに例を書いていくことになります。条文では、左側の場面ですね、こういったものを書くイメージです。 ○委員 ありがとうございます。そういった意味では私は具体的な想定っていうのは入った方がよりわかりやすい条例になっていくんではないかなと考えております。ただ、危惧するのは、まだいろいろ気がつかない場面がたくさんあろうかと思うものですから、そのあたりが、後から新しく課題として出てきた場合に、どういう対応をしていくのかっていう、その辺りも少し考えておかなければいけない点なんではないかなと、そんなふうに思っております。以上です。 ○委員 今、ご説明いただいたんですけど、具体的にこの別紙のうちの@ABCを条文に入れるのか、それともその下の1から9までの辺りが条文になるのか、どちらの説明をされましたか。 ○事務局 説明が不十分で申し訳ございません。 まず条文ですね、差別等の禁止ということで、第1項、第2項、第3項、第4項という大きなくくり、こちらにつきましてはこの@ABCを書くと思っております。そして、この@の中に括弧で各場面が書いてございますが、こちらがですね、第1項の1号ア・イ、2号ア・イという形で、下の表の具体的想定の区分、左側ですね。これが、第1項の中に書かれるという形のイメージです。 ○委員 分かりました。具体的な事例をやらないってなると、この上の@ABCぐらいを書くっていう、そういう意味になりますかね。具体的な例示を載せるべきか載せないほうがいいかって話が今でていると思うんですけど、載せないほうがいいということは、この@ABCも載せないっていうことですか。 ○事務局 @ABCは載せるんですけども、この@の中の括弧ですね、今@でです 6ページ ね、「何人も、正当な理由によりやむを得ない場合を除き、属性を理由として、不当な差別をしてはならない」とだけ書くのか、次に掲げる取り扱いを禁止ということで、これ括弧が書いてございますが、この括弧書きがないほうがいいのか、ある方がいいのかということでございます。 一般的にこういった例示列挙とすると、そこに対しては集中的な啓発ができますけど、逆にここにない場合は、それは差別じゃないんだという誤解が生まれたりといったこともありうるので、場面例を列挙することによるメリット・デメリットというご視点で、何かご意見があればということでございます。 ○委員 説明は分かりました。ありがとうございます。 ○委員 今のお話ですと、条例の条文のイメージが、なかなか湧かないところがあって、これが文字化されて、そしてその事例が載るということで、どんな効果があるのかとか、逆になかったらどうなのかっていうところがあって、また皆さんと議論できるといいのかなというところがひとつと、もうひとつは、4番目の識別情報の適示の禁止っていうところが多分、皆さん読んで何かなっていうところがあると思うんです。で、私もちょっと調べたところ、差別や偏見を助長する目的で、特定の個人や集団の属性に関する情報。例えば、同和地区の出身だったりとか、それから特定の障害だったりをいうというふうに書いてあるので、こちらをもう少し詳しく、わかりやすい文言にしたほうがいいかなと、思いました。 ○事務局 まず最初の、条文の具体化したときのイメージでございます。そうしますと、先ほど少し触れました障害者の差別解消推進条例、こちらの方がすでに例示列挙しているものがございますので、実際に条文として書いた場合にはこんなイメージになるというものを、会議終了後に、皆さんがイメージしやすいようにお送りをさせていただきたいと思っております。 次に、識別情報の適示の禁止についてです。こちらは、資料1の別紙ということですので、本体の資料1の最終12ページの方をご覧いただきたいと思います。「人種等の属性」と言ったことやその他も含めてですね、一定の用語の意味として、ここに書かせていただいております。この一番最後に、「識別情報の適示」ということで、不特定多数の者が当該属性を有することを容易に識別することを可能とする情報ということで、今よく知られているものですと、被差別部落に関する地名の書籍だとかが典型的な例になってくると思っております。この辺りも、実際に条文に書くときに、何回出て くるかによって、例えば定義規定に書くのか、本体の中で括弧書きをして示すのか。詳細は逐条解説とかで書くのかとか、いろんなやり方がござい 7ぺージ ますが、識別情報につきましてはこちらの方に書いてございます。 実際には、条例ができるまでに検討会だとか、パブリックコメントその他ですね、イメージがつきやすい、わかりやすいような説明があれば、ちょっと考えていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○委員 このようなものを作っていただきありがとうございました。 私もこの文を追うのでもう必死で。やっぱり条例ですので、法律用語とか難しい言葉とかたくさんつけて、それこそ識別情報なんか全然知らなくて、言われて、あっここに書いてるんだよねと。で、やはり私達こう、野宿の人たちと出会ってると、学校行きたくてもいけなかった人とか、漢字が読めない人とか、ひらがなすらもまだ読めない人とか、難しい言葉を使ったら理解できないとかあるんですよね。やっぱりこういう条例は、法律用語も入れるんですけれども、どんな方もわかりやすく作っていただきたいなっていうのが、全体的に。で、パッと見たらもう本当大学出てるような人たちしか分かんないような言葉と、そういう人たちだけの条例になってしまうので、小学校行けてない人も、あっこれいけないんだなっていうのが、ここの文だけではなく全体的に、私たちはこれを作るときに、どなたでも分かりやすくしていただきたいなっていうのが私自身の意見です。以上です。 ○事務局 条文そのものや、いろんな周知・啓発の場面でわかりやすい内容を、そういった作り方、要は受け手の視点を持って作っていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○座長 多分、名古屋市の法制課さんですかね。ある程度条文の書き方のフォーマットって多分あると思うんですけども、その範囲で可能な限りわかりやすくするのと同時に、それでもどうしても法令用語って難しいので、市民向けとか、いろんな人向けに、ガイドラインとかパンフレットで、かなり丁寧な説明、これを読んだらわかるよっていうのを作っていただくことなのかなと思っておりまして、その予算もお願いしたいということですけどね。 おそらく、仮に条文に入れなかった場合は、規則とかガイドラインとかで細かく説明を入れることになるとは思うんですけども、じゃあ一般の多くの人は、条例自体もなかなか見ないかもしれないけども、それよりも下の規則とかまで調べるかというと難しいんじゃないのかと思うので、条例に入れたほうがまだいいのかなっていうところがあるのと同時に、入れちゃうと、ちょっと冗長になるので、少し読みづらくなるかなっていうのがあるのと、あと、条例に入れてしまうと、もし新たな変更が必要だった場合に、議会を通さないといけないので、その分ハードルは高くなると。規則とかガイドラインだと、その分ちょっとハードルが下がるので、ある程度柔軟な対応がで 8ページ きるのかなという気はしております。ただ、おそらくは最後の、その他の権利利益が侵害される場面みたいな形で、新しいことがあった場合はカバーするような一文を入れておくとか、あるいは、そもそも大項目のところで、その他の人権の侵害行為の禁止っていうのが入っているので、基本的には、新しい問題が起こったときにはそこでカバーできる仕組みになっているので、その点では条例にいれても問題はあまりないのかなと思います。問題になるのは、多分、ここで挙げていることが、今は人権侵害と思っていても、将来人権侵害ではなくなったみたいな、書いてあること自体を変えないといけないといった場合は、その他でカバーできないので、条例に書いていたら条例改正になるので、そのハードルがあり得るのかなって気はしてます。しかし、かなり普遍性が高い、ここで書いてあることが人権侵害でなくなることはあまり想定は、これ以外のことが増えることはあるとは思うんですけど、ここで書いてあることが人権侵害でなくなるって無さそうな気はしているので、具体的な項目自体は、また意見シートから入れていけばいいんですが、どうでしょうかね。私は入れてもいいかなと個人的には思ってますけど。やっぱりちょっと入れるのは難しいっていうご意見ございますでしょうか。 ○委員 先ほどは質問だけして見解を述べなかったので、ちょっと今の間に少し考えさせていただきました。さっきデメリットのひとつとして、例示をすると例示されていないものについて軽視されるんじゃないかというような、そんな疑義もあったかなとは思うんですけど、しかしですね、全く例示がないと、ないことそのものが全部薄まるというか。ひとつひとつの、これは絶対にやってはいけないことっていうことを具体化してだんだん拡大していくってことが大事だと思いますので、現時点でわかる範囲の、なるべく多くの例示を具体的に記入するっていうことが、人権を守っていくという方向性かなというふうに思っております。意見です。 それからちょっと質問ですけど、一番最後の12ページの、人種等の属性っていうところで、いろいろ網羅的に挙げていただいてるとは思うんですけど、最近の人権問題でいうと、刑期を終えた方への人権の問題とか、あるいは昔からありますけど学歴の問題とか、抜けておるかなと思うので、ここまで網羅するとですね、抜けているとちょっと、大丈夫かなって気がするので、もう少し抜け落ちてるところがないかというのを、ちょっと見ていただいたほうがいいかなと思います。 ○事務局 人種等の属性につきまして、人権条例、非常に多くの自治体で制定されておりまして、またその定義も非常に様々でございます。今、名古屋市が参考にさせていただいておりますのは、多くの方のご意見の中で評価が高 9ページ かった、三重県の人権条例につきまして、一番、結構具体的に多く書いてあったものを置いています。ただですね、必ずしもこれが全てとは思っておりませんので、おっしゃる通り、ここに書いていない部分も出てくるとは思っています。先ほど様々な定義があると言った中で、もっと少ないところのほうが多いんですが、いずれにしても最後のですね、その他の属性というところで、全て含める形になっています。このあたりも、本当に自治体ごとにいろいろばらばらで、例えば政治的意見だとか、そういったこともあったりします。今は大きな柱といいますか、大きな骨格的なところをうかがっておりますが、そういった部分も非常に重要な部分ですので、少しずつ具体化していく中でご意見をうかがっていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○委員 障害当事者として、私が思うこととして、今回文章を、本当に条例っていうことで、なかなか難しい、先ほどのお話ではありませんが、やさしく書いていただけるとわかりやすいのかなと思いながら。資料としては、私の場合はデータでいただいております。テキストデータでいただきましたので、これは大変視覚障害者にとっては重要な提供かなと思っておりますけれど、では、果たしてこの例示をするところで、社会生活、日常生活を送る中で、視覚障害者にとって必要なもの。例えば、こういう会議のテキストデータくださいというと担当者がテキストデータにしていただけます。でも、じゃあ社会の中で、例えば町内会でいろんな紙が回ってきます。点字でください、あるいは音声でください、テキストでくださいって言ったら、まず無理です。あるいは学校の中で、子どもに対しては点字とかそういったものが今ありますけれども、副読本とかはありませんし、逆に、子どもは健常者なんですけど、親御さんが視覚障害の場合は、学校へ行ったりしたときに、資料関係はまずそんな音声とか点字とか、データでくださることはありませんし、最近の連絡はほとんどLINEでやったりと聞いておりますので、LINEのできない視覚障害者はそれについていけない。この例示を、じゃあどこまで書かれるのか。盲導犬を理由の入店拒否とか、あるいは電動車いすの大きなものは市バスに、今は乗れるようになりましたけど、拒否するとか。そういった大きなものに対しての例示はできると思うんですけど、個々のものに対しての例示がどこまでできるか。また、差別っていうか、これは、受け止め方は、私は障害当事者によってもやっぱり違うのかなと。大きなショックもあれば、小さなものもあります。これをこの例示の中でどうやって書かれていくのかなと。僕は例示は書いては欲しいとは思うんですけれど。参考資料にどこまで書かれていくのか、広がれば広がるほど大変かなと思いますし、今ひとつは、そうなると逆に逆差別と言われかねないのではないかという、そういう心配もしております。ちょっとまとまらない 10ページ 意見で申し訳ありませんがそんな感じがしました。以上です。 ○事務局 まず条例ですね、条文化する場合には、別紙の方の具体的場面のほうを書いていくことになりますが、おそらく場面だけ書いてもですね、じゃあその場面でどういうことをしたらいけないのかということも啓発なんかで伝えていくということの中で、今想定ということは、今回の資料で出させていただきました。今回の資料の想定といいますのは、昨年度末に各人権団体にアンケートに記載いただいた内容を列挙したものでございますけれども、こうしたものにつきまして、今実際問題、細かい事実確認等をしているわけではございませんが、これに該当すれば差別になるというものを挙げておりますが、当然ここに書いてないものもあると思います。啓発をしていく上では、それぞれの場面で、例は本当に山のようにあり、どういったニーズが多いのか典型的なことは、実際に現場、窓口で意見を受ける実例として挙がってくるかと思っていますので、そういった啓発の想定の方は、事例を蓄積しながら、やっぱり社会的事情、ニーズとか社会変化によって、多い差別も変わってくると思っていますので、いろいろ意見を受けながら、変えていければなと思っております。 ○座長 おそらくこれまでの議論で独立した人権擁護機関的なものを作ることになっている方向だと思うんですけども、その他の部分とかいろいろな、この例示で足らなかった部分はそこが拾い上げて、当事者の方々の相談とかいろいろ受ける中で拾い上げて、また、そこの機関が、啓発活動なんかも行うことになっているので、そういうところで、その他のところを具体的に広げていくっていうんですかね、新しいものに対応するっていう形が想定されているのかなと思っております。で、そういう点でこの例示に挙げているもの以外のこともきっちりフォローするし、そこを軽く扱われるのではなくきっちりフォローされるために、独立した人権擁護機関的な所がきっちり意見を吸い上げて、啓発もちゃんとやっていくというのがセットであれば良いのかなと、個人的には思っております。そこがなかったらちょっとどうかな、という気はするんですけども。いかがでしょうか。 具体的な例示については、とりあえず会議終了後に意見提出シートで、もし、こういうのもやっぱり入れたほうがいいよっていうことがあればご提出いただいく形で、一旦まとめていただいてという方向でよろしいでしょうか。とりあえずは例示の方向で、具体的なところは皆さんのご意見を聞いて、ブラッシュアップをさせていただきたいと思います。では、休憩の前にもうちょっと行きましょうかね、次に行きたいと思います。 続きまして、8の紛争解決に関連する事項、9の基本施策に関連する事項のうち、(1)公共の場所における不当な差別的言動への対応および(2)イ 11ページ ンターネット上における人権侵害への対応についてご意見を伺いたいと思いますが、ちょっと範囲が広いので分けていきたいと思うんですけども。 まずは、先ほどもちょっと話した通り、この検討会では、独立した人権擁護機関的なものを設置する方向で意見が一致してたと思うんですが、人権擁護機関的なところが何か相談とか、問題を見つけたときに助言、あっせんを、まずはすると。でも、それが不調に終わった場合は、勧告を行うというところまではあったと思うんですけども、その勧告も拒否されて、うまくいかなかった場合、次にどうするのか。もう勧告で止まるのか、もう1歩踏み込んで公表等々、何かがいるのかというところのご意見を、まずうかがいたいと思います。いかがでしょうか。 ○委員 私どもで今、本当に困っているのは、ネット上のアウティングの問題で、非常に苦慮いたしております。最高裁でも憲法13条、14条に違反するという判決が出されて、一応最高裁ですので、確定したというように私ども認識を持っているわけでありますけれども、実際にそういった判決が出されても、当事者はもうわかっておりますが、全く対応しようとしないというか、何が悪いというか、そういうような対応をしています。名古屋市内でもかつて私どもそういった体験がございまして、その時は刑事訴訟法で訴訟を起こしました。 ちょっと長くなって大変恐縮ですが、それは、相手が警察によって逮捕され、アカウントを明らかにされて、懲役1年執行猶予4年という判決を出されて、結果名古屋市内に居住する男性だったんですが、その後は、本当に反省され、私どもとの会話でも、きちっと、反省をするという態度を示されました。本当は訴訟はやりたくなかったけれども、そういった事実がございます。一番困っているのは、最高裁判決が出されてもなおかつ居直っているというか、アウティングを続けて、全国の被差別部落をいまだに回っているという、私たちとしては非常に困っている。そういったことを、何とかならないかっていうのが、私がこの条例のところで強く思っている事案です。ですから勧告に従わない場合、法律を超えることはできないでしょうけれども、何らかの措置ができないかなって思っております。ちょっと法律の分野ではわかりませんので、一応、気持ち的には、法律で罰して欲しいと思うのが自分の気持ちであります。以上、長くなるといけませんのでこれだけにしておきます。以上です。 ○委員 勧告、公表の点ですけれども、公表は、私は原則するということが良いかと思っています。事案について共有をしていくことで、こういうことをしちゃいけないんだなっていうことを理解されるという意義もあると思いますので、差別が起こらないような社会を作っていくために必要だと考えます。 12ページ 多くの場合、差別しようと思っている人もいますけど、そうじゃない人たちも多いと思うので、事案をきちんと共有していくということをやるべきだと思います。一方で、じゃあその名前だとかそういうところまで公表するかどうかってことですけれども、ご心配のご意見もあるようなので、そういう場合は、悪質性だとか内容に応じて裁量を与えるという形でもよいのではないかなと思います。実際にいろんな事例に対応していても、これは悪質だなと思うもので公表はされたくないっていう人たちも一定数いますので、そこがあるからこそ、その差別が解消できていくという実態に繋がっていくかと思います。もちろん、いろんなグレーな話というのは当然あると思うので、そこを悪質性や内容に応じてという形でいいのではないかと思います。 ○座長 ありがとうございます。私の方で進め方がちょっとあれで、状況をちょっと先に整理して分けたほうがいいかなと思いまして。まず広く一般的に人権擁護機関的なところが勧告を出したけどもうまくいかなかった場合を最初に考えて、次にインターネットでの話。最後にデモとかの、公の場での差別的言動の場合という感じで進めていけたらと思っております。今の意見は、広く一般、勧告が出たときのケースですよね。問題となる事実の概要については広く啓発も含めて公表して、個人、団体名については悪質性が高い場合に公表できるようにしておくっていう感じですかね。その場合は、個人、団体名を公表するっていうのは、目的っていうのは、市民に対して情報提供みたいな感じになって、制裁的なものではなくてっていう感じになるっていうことですかね。分かりました、ありがとうございます。 ○委員 先ほどの意見と基本的には同じ立場になるかと思いますが、私も勧告や公表については行うべきだというふうに考えております。弁護士会の方の参考資料として前回お流ししましたけども、基本的にはその考え、行為を特定した上で、最初の違反行為に対しては、氏名とかは公表せずにその概要について公表するという形ですね。それで本人には勧告をすると。で、それが繰り返された場合にはレベルを上げて氏名の公表、それから命令というような形で持もっていくのがいいんではないかと思います。それでも違反をする方については先ほどご意見ありましたけど、罰金を考えるべきではないかと思っております。以上です。 ○座長 それは公の場でのヘイトスピーチでなかったとしても、例えば人権擁護機関がいろいろ相談を受けて、助言、あっせんで、勧告も聞かなかった場合についても罰則まで一緒に入れておくっていう意味ですか。 13ページ ○委員 すみません、言葉が足りませんでした。罰金についてはかなり絞った形。要するに特定人に対する侮辱的な言動か、あとは不特定人に対する攻撃的な差別言動の場合に限定をするというのが一応、弁護士会の方の、この間出した資料になっておりまして、私も基本的にはその立場でどうかと。 ○座長 公の場所でのヘイトスピーチの場合に罰則をつける。 ○委員 そうです。まあ、かなり絞った形で罰則については対応する。そういうことです。 ○委員 個人的にはいろいろ考えた上での勧告、公表それから罰則っていうのは、やはり防止に向けては必要なもののひとつかなというふうには考えてはいるんですけども。ちょっとここは私が詳しくはないので教えていただきたいのが、公表に関しては氏名含むというところで、一部団体名とかって書いてあるんですけども。具体的な公表の内容がどの範囲なのかっていうのが、もし今わかる範囲で教えていただけたらと思います。 また公表の期間ですね、先ほどおっしゃいましたけども、最終的にこう、裁判とかでやっぱり判決が出てしまうと本人も反省してっていう中で、それが一生続くものなのかとか。例えば5年とか10年とか期限があるものなのかについても教えていただきたいと思います。加えて、何らかの形で公表する際に、やはりなんといいますか、二次被害等が広まったり、例えばその、公表された方のご家族とかご親族なんかにも悪影響が及ばないような留意点についても厳しく書いておくことが必要かなと思います。例えば最近であればそういった公表された方のことをまたSNSで広まってしまって、必要ではない方のところにも影響が及ぶってことがないようにする必要があるのかなというふうに思います。まず公表の内容と期間について教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。 ○事務局 まず、公表の内容でございますが、第2回検討会の参考資料2で、人権に関する条例の公表事例という実例を、ここでは愛知県でヘイトスピーチがあった場合に、どういう公表のされ方をしているかとか、三重県で不当な差別が部落差別に関してあったんですが、これがどういうふうに公表されているか。あと川崎市の方で、これもインターネット上のヘイトスピーチ、公表されているこの例、あとは東京都の事例。勧告とか公表される事例というのは、制度はありますが、やはりなかなかそこに行きつく事例っていうのは非常に少なくございます。公表でどの程度具体的に書くかというのも、自治体ごとの条文上は同じような書き方がしてあっても、その公表の具体性は、自治体ごとに異なる形になっていますので、実際に名古屋市が公表 14ページ することになりましても、審議会等の委員のご意見を踏まえながら、どの程度かというのは今後独自に決めていくことになると思いますが、第2回検討会の参考資料2でいくつかパターンをご覧いただいて、イメージをいただければと思っております。 また期間についても自治体がどのように定めるかということになってくるかと思っております。例えば、今、インターネット上で公表されている事例は少ないですが、例えば三重県とか東京都だとか、愛知県も公表された事例は全て公開されております。人権条例ではないんですが、ヘイトスピーチに関する条例がある大阪市、こちらは氏名公表されているんですが、こちらは1年間分しか公表されていないというやり方もあって、おそらくどこまで公表するかで、期間とかも合わせて変えることもできるのかなと思ってはおりますが、特に必ずしも決まった扱いはございませんので、内容に応じて検討していくということになるかと思っています。 ○座長 よろしいでしょうか。そろそろちょうど時間が半ばですので、5分間。3時5分までちょっと休憩という形にしたいと思います。 ○座長 では再開したいと思います。 先ほどの一番広いケースですよね、人権擁護機関的なところが助言、あっせんして、最終的に勧告で、それでも不調だった場合ですけども。多分、人権擁護機関の活動っていうのは、かなり柔軟にやっていくんだろうと思っておりまして、明確に違法なものだけを対象にするのではなくて、人権の理念からすると、違法ではないけども、こういうふうにしたほうがいいよとか、そういうものを含めて助言したり勧告したりしていくということが想定されているのだろうと思っているのと、基本的には建設的な対話の中で、問題をお互い解決していきましょうという姿勢になっていくことを考えたときに、やっぱり罰則っていうと、柔軟にやることを前提とすると構成要件が、こういう場合に犯罪になりますよっていうのを、罰則を作るときはかなり明確にしておかないといけないっていうのがルールになると思うんですけども、それがちょっと作りにくいし、逆に罰則が前提となると、罰則に値するものじゃないと勧告までやりにくくなるっていうこともあるので、その一番広いケースについては、公の場所でのヘイトスピーチとかはともかくとして、広いケースについては、ちょっと罰則は現実的に難しいかと私自身は思っています。ただ、こんな問題が名古屋市で起きているという事実を市民と共有して、みんなで解決していきましょうっていうことは、やっぱり必要だと思いますので、委員がおっしゃったように、それは当然、こんな問 15ページ 題が起きていると事実を公表することは、他者の権利侵害にもならないので、やっていいだろうと。問題になるのは氏名、団体名の公表ですけども、これについてももちろん、もしやるとしたら、例えば市長がかなりこれは悪質性が高いと判断した上で、事前に弁明手続きっていうんですかね、その相手方の意見をちゃんと聞いた上で、かつ、その独立した人権擁護機関の意見を聴取した上で、これはやっぱり市民に情報提供をしたほうがいいと。例えば、すごく差別をするような団体があった場合、やっぱり市民としたら、そうしたところといろんな取引とか契約とか、人権デューデリジェンスを考えたらちょっと困るなとかあるかもしれないし、あるいは施設に入所しようと思う所がそういうところだったら困るということもあるので、かなり悪質性が高いと判断して一定の手続きをしたものについては、氏名、団体名の公表もあり得るという形は置いておくのがいいのかなと、私としては思っておりますが、いかがでしょうか。 では、そこについての大きな方向性としては大体、概ねそんな感じの意見の一致という形で、次に行きたいと思います。 次、インターネットの話ですが、委員も仰ってましたが、近年はインターネット上のことが、すごく問題になっておりまして、これについて、お手元の資料で掲げてあることに加えて、罰則も含めて何か、あったほうがいいというご意見があればお願いいたします。 一応、確認ですけども、インターネット上のモニタリングを行って名古屋市としてすごく問題のある書き込みを見つけた場合、プロバイダに対する削除要請だとか、あるいは削除された後で裁判とかで困ることがないように証拠保全とかいうことについては、あれですかね、B拡散防止措置に含まれているっていう理解でしょうか。 ○事務局 今ご指摘いただいたような削除要請含め、あらゆるインターネット上の問題の書き込みをなくすための措置を、表現活動の拡散防止措置ということで置いております。特に今、インターネット上の問題、国の方でも大きく議論されている状況を確認しております。現在の法律上で、できる対応なども限られておりますが、やはりインターネット上の差別、日々いろいろパターンが変わっていく中で、新たな法規制とか、今はできないけども、今後、新たな対応が示されることもいろいろ想定される中で、幅広く、とにかくそういった差別的なものをなくす、広く手続きも含めまして、拡散防止措置の表現の中で踏まえまして、その中の事例なんかは、柔軟に書き換えられるよう規則だとかガイドラインとかの方で示したいというイメージでございます。 ○座長 愛知県だと法務局に削除要請をしていると思うんですけど、同じようなも 16ページ のが想定されている感じですかね。 ○事務局 削除要請でございますが、今、名古屋市も一部、法務局の方に削除要請をしておりますが、ここについては、これまでいただきましたご意見から、独自に削除要請を、法務局じゃなくて本市独自でやっていく想定をしております。実際に先行して自治体独自でやっているところがありますので、そういったところにいろんなご意見聞きながらとは思っています。市独自と今想定して、削除要請など個別の対応内容については先程言いましたが、ガイドラインだとか規則だとかに書いていく形になるのかなと考えております。 ○座長 つまり法務局を通じなくても、名古屋市が、直接、削除要請を行っていくということですね。 ○事務局 今現在はそのように考えております。 このあたりもですね、法務局がやっても名古屋市がやっても同じであれば、名古屋市が当然やれますが、場合によっては今後の法改正とかで国の方がより効果的な対応がとれるという話であれば、名古屋市がやるよりも結果を重視して法務局にお願いするということも、場合によってはありえるかもしれません。いずれにしましても、より効果的な方法を取るということで、ベースとしては名古屋市を前提にしつつ、効果が一番取れる方法を考えていくことになると思っております。 ○委員 インターネット上の削除の問題とか、そういったことは今すごく動いておりまして、今日法務局の二課長さんもおいでいただいておりますが、日々、変わってるという状況が現実にあります。情報流通プラットホーム対処法が施行(2025年4月1日)されました。この法律に定められたガイドラインは8月末に9社でそろったとのことです。アウティングされた個人が法務局に被害申告したら、今までは教えてもらえなかったのですが、当事者が被害申告したら、削除したかどうかお教えしますよっていうように、法務局の方の回答が変わってきています。 今、決めてしまうと、かなりここ数ヶ月でまたいろいろ動くことが想定されると思われます。ですから、間を置いた方が、私はいいような気がいたします。法務省の動向については、法務局の方がよくご存じなのでしっかりと意見交換していただければと思います。 ○委員 すいません、ちょっと1点、関連で確認したいんですけど、市の方から法務局の方に削除要請をされて、私のいろいろ関わったところで言えば、全 17ページ 部が全部、削除されるわけではないと認識してるんですけども、その認識はそれでよかったのか。現状として、どのぐらいの割合で削除されているかを確認させてください。 ○事務局 今ちょっと手元に資料がございませんが、委員ご指摘の通り、すべてが削除されているわけではなくて、一部まだ現在残っているものもあるということを確認はしております。 ○委員 それは現状ということで、将来的には、先ほど言った動きで変わる可能性があると、そう認識してよろしいんでしょうか。 ○事務局 やり方としては、本市が直接削除要請していく、そういったことも必要であろうというふうには考えております。そのあたりにつきましては、ガイドラインでも第三者、自治体の方で削除要請するということができるということも書いてあったと思いますので、そういったガイドラインに沿って、対応していきたいというふうに考えております。 ○委員 はい、ありがとうございました。 ○委員 今の削除要請の話ですけれども。 誰かがそれを、私たち一般市民が見つけたら、市とかに、これを削除したらどうかっていうことを言ったら、それはやってもらえるということになるんですかね。そういう、国に言うなりして、そういう意味でしょうか。 ○事務局 今、おっしゃっていただいたようなお話があれば、当然対応していくことにもなると思っていますが、言われないとだめなのかという話もこれまでいただいていましたので、資料1の9ページ、(2)の@ではインターネット上でのモニタリングというものがあります。見つけていただいたものについての対応とともに、お話がなくても、こちらの方でそういったものが、この名古屋市に関連したものでないか、というものを調査しながら削除要請をしていくという、両面から対応を考えていくということです。 ○委員 名古屋市に関連したものじゃなくてもそれは、OKなんですか。 ○事務局 まず内容によります。条例そのものについては、この地域、市しか対応できないということになっていますので、ちょっと内容を確認させていただいてというふうになってまいりますが、普遍的なものについてはちょっと難しいかなというふうに思っております。 18ページ ○委員 というのは以前、もう数年前ですけど、神奈川県の津久井やまゆり園事件というのがあって、障害者施設で元職員が、重度の障害で口もきけない、ご飯も一人で食べれない人は生きる意味がないって言って大量に殺人事件を起こしてしまって、もちろんその人が悪いに決まっているけれども、何かその人を擁護するヘイトスピーチがいっぱいインターネット上で起こって、よくやったとか、そんな人、生きている意味がないから俺も応援するとかそんなようなヘイトスピーチがすごい起こって、その時に模倣して同じような事件が起こるんじゃないかって私すごく、知的障害者の関係者はみんなそういうふうに、すごく思ったんですけど。 ああいうふうに、あれは神奈川県の事件で、名古屋市の事件じゃないけれども、そのヘイトスピーチは削除されればいいっていつも思っていたので、質問しました。 ○事務局 条例そのものの性質としまして、属地主義といいまして、基本的に海外から来ようが、名古屋市で起こればそこの条例が適用されますし、名古屋市民でも、外のところに行くとですね、そこでは市条例は適用されないということで、基本的に市の範囲という形になりますが、やはり今インターネット、地域性がないような状況がございます。そうした中で、やはりその属地主義の考え方として、どれだけその地域と関連させれるかということで、例えば、先ほど言いましたヘイトスピーチの中で、それが、名古屋市民が発しているだとか、名古屋市関連の話が出ている中で、そういった話が出れば、名古屋市の施設に関連した発言と言えるだとか、場合によっては発言がなくてもそこに名古屋市の関連する写真をつけるだとか、いずれにしても、やはり条例の限界というものを第1回の会議で説明させていただきましたが、そこの中で、他都市で起こった事件でも、やはりそれが、名古屋市の方で、何らか規制していく必要があるということですと、名古屋市の関連の中で、何らか見つけていくという形になるのかなと思っています。ただ、あらゆるものに対処できるかと言いますと、それはちょっと条例の限界という点もあるということでご理解いただきたいと思います。 ○委員 ちょっとどこで言おうかな、と思っていて、今ここが関連性が高いかなと思いますのでお話をします。どうしても人権問題というと、属性に基づく不当な差別というところが、やっぱりフォーカスされますし、より深刻であります。私もマイノリティの当事者ですので、そのことは非常にあるんですけど、ただ人権侵害っていうともう少し広くなると思いますので、インターネット上における人権侵害っていうと、もちろん、そういった属性に基づく差別がインターネット上に流布されるってのは非常に深刻なんですけれど 19ページ も、それ以外でもですね、例えば、フェイクニュースじゃないですけど、全くやってもいないことをやったというふうに何か言われて、拡散されるとか、そういうことがいろいろあると思うんですね。そうすると、やっぱりマイノリティだけじゃなくてすべての人にとって人権尊重っていうのが必要なんだよってのが市民もやっぱり実感しやすくなるというふうに思うので、ここに入れるのがいいのかどうなのかあれなんですけど。さっきの差別の事例について具体的にあるようにですね、必ずしもそういった属性に基づく差別以外の、暴力とかですね、誹謗中傷だとか、そういったようなことがイメージがつくようなところが、どっかにあるといいんじゃないかなというふうにね。そうするとやっぱり、人権を守るっていうのが何かこう対立的なことではなくて、すべての人にとって必要だしみんなの人権が守られる社会になるといいねっていうのが、より多くの合意になるかなと、そのように思っております。ちょうどインターネットの人権侵害っていうと、みんな身近に感じるんじゃないかなと思うので、そのあたりで、具体的にイメージしやすいような形になるといいかなというのを、希望をしておきます。 ○事務局 ご指摘の点も踏まえまして、ちょっとどういった書き方にとするかというところは引き続き検討とさせていただきたいと思っております。 あと人種等の属性とかですね、そういった定義的なことがございます。例えば人権宣言だとか他都市の人権施策、人権もどこまで対象に明示するかといったところで、国際的な条約などでは、一番狭く表示されているものでいきますと、本当に人種・民族だとか、人の出自でどうにもならないものがまずございます。ただ、人権施策というふうな形でいきますと、政治的意見だとか、犯罪被害者とか刑を受けて更生した方だとか、経済的な差別、職業差別だとか、そういった様々な部分も出てまいります。そういった、どういったところを明示する、とにかくあらゆる人の困りごとに対応するということに繋げる中で、どういった書きぶりしていくかは、ちょっとまた継続的な課題というふうで、引き続き皆様のご意見をうかがいながらと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○座長 ここは、差別的言動じゃなくて人権侵害として、ちょっと広めにとらえているってことですよね。ということと、あと先ほどいろんな他都市、名古屋市のことだったらもちろん対応できるけど、そうじゃない場合でも、多分、例えばマイノリティの人に対して差別を助長するようなことであれば、ここの市長声明っていうんですかね。それは違うんだよっていうことをちゃんと市長からみんなに言ってもらうというところで、対応を、何とかしようっていう仕組みですよね。あと、先ほど委員さんがおっしゃったように、どんどんインターネットに対する対応っていうのは、今、国の方でもだいぶ変わり 20ページ つつあるだろうというところがあるので、具体的には削除要請っていう表現を避けて、ちょっと抽象的な、拡散防止措置という表現を使っていて、国の対応とかにもちゃんと対応できるようにとの意味、ですかね。 ○委員 今、ネット上のことについて、すごく法務省も、総務省も、いろいろ、法律の改定や被害申告に関わることに取り組んでいて、ここ2、3ヶ月前から変わってきています。やっぱりそこの状況を、いいふうに変わってきてるもんですから、それ以上のものになればなおいいと思いますけれども、その辺のことをちゃんと踏まえるために、結論を出すのに1、2ヶ月間を置いたほうがいいのではないかという提案なんです。本当に今までは、私どもが法務局さんに、部落を、自分の地域をアウティングされたからといって削除要請しても、法務省、国の方は全く対応してくれなかった。削除したかどうかも教えてくれなかったというのがあります。しかしながら、今日は変わってきまして、当事者が、例えば私なら私の家がアップされたら、私が削除要請したら、削除したかどうかについては教えましょうというように変えましょうかというところまで来てるんですね。だから、いろいろ、非常に日々動いてるというのが、今日の私自身の実感です。私の説明が十分できなくてすみませんでしたが、そういうことです。 ○座長 わかりました。この資料としては、そうした過渡的な状況だから、ちょっとばくっとした形でまとめたらどうかって提案だったけども、委員さんは、ちょっと具体的な流れが見えてから改めてきっちり議論したほうがいいっていう提案をしているってことですね。つまり、次回、インターネットについてはもうちょっと集中的に議論したいという。確かに、その方がいいかもしれないですよね。 ○委員 委員さんの方が私よりよくご存じだなっていうぐらいの、本当にすばらしい見識を持ってらっしゃるなというふうに思うんですけども。やっぱり今回条例で・・・よく、法務局の方に削除要請お願いしますって地方自治体さんからの要望を受けたりしてます。私、結構県外勤務というか、愛知県だけじゃなくていろんなとこで勤務させてもらっているんですけど。そうすると、やはり自治体さんの方で削除要請してるんですかって聞くと、いや、条例とか、そういう市の規定がないからできませんっていう回答なんで、結局、じゃあ取り残されて最後に法務局だけが削除要請してるのかっていう、そういう実情がある。今回名古屋市さんにおいて、このように削除要請っていうところまで一歩踏み込んだ形の条例案ということですので、大手プロバイダーにとってみると、私たち法務省の人間がやるというよりも、地方公共団体さんの方も併せてやるっていうことも、なんならこれ、重複しても駄 21ページ 目なことではないので、なるべく削除要請をより実効性を高めるためにも、複数の団体からの削除要請っていうのは、私は個人的には必要かなというふうに思っています。以上です。 ○座長 大きな流れとして、名古屋市は削除要請をやらないほうがいいって人は、多分いないと思うので、基本的にはやったほうがいいということですけども、現状ではそうだけども、次回もうちょっと状況を見て、改めて、具体的な国の動きがわかった段階で、きっちり議論するっていう方向でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。インターネットについては、次回、改めて集中的に議論できたらなと思います。 最後、これが多分、非常に難しい話だと思うんですが、公の場所での差別的言動についてということです。愛知県では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動について、事実の概要を公表することで啓発につなげるという仕組みで対応されているということです。今回、名古屋市のこの条例について、そもそも、本邦外出身者に対するものに限定して話をするのか、それ以外の、例えばホームレスの方だとか、いろいろな人に対する差別的言動、公の場所のですね、も含めた議論にするのか、あるいは、その上で、事実の公表にとどめるのか、氏名、団体名の公表までいくのか。あるいは、過ち料ですね、過料とか、あるいは刑事罰としての罰金刑等々をするのかっていうところが、大きな論点になろうかとは思うのですが。このあたりについて、愛知県弁護士会からも、あるいは日弁連からも意見が出ておりますが、そういうことも踏まえた上で、皆さんのご意見をうかがえたらなというふうに思います。いかがでしょうか。 ○委員 ご存じない方もあるかもしれませんが、韓国民団の愛知県本部というのが中村区亀島の方にございまして、名古屋韓国学校と隣接しておりますが、2021年の7月に、排外主義者といいますか、日本から朝鮮人韓国人はいなくなれということを、そういった考えの人によって放火をされるという事件が起きています。全くのヘイトクライムだと思います。犯人はインターネットでのヘイトスピーチに影響されたということで、まず先ほど、インターネット上の話も出ましたが、それが名古屋に関係があったかどうかというのは非常に判断が難しいので、インターネットは難しいなと思いますが、名古屋もですね、そういった事件が起こっているということをまず認識しておいていただきたいと思います。たまたま建物が燃え広がらなかったということで被害が最小限に終わりましたけれども、万が一それが木造であったらどうなっていたのか、ですとか、様々なことを考えるとですね、このまま放置しておくと、いずれ人的な被害も出てしまうんではないかというのを危惧しております。 22ページ 意見も出させていただいて、書いてもらっていますが、川崎の方で罰則のある条例ができたということでして、それによってですね、非常にヘイトスピーチ等が大幅に減少したという実績があると思いますので、やはり差別をさせないためにはそういった罰則も、勧告ですとか、警告ですとか、それでも止まない場合には罰則というものも検討していただけたらというふうに思っております。以上です。 ○委員 私も委員さんの意見と一緒です。私どもも、街頭で同和部落民はばい菌だというような張り紙を、張られて、名古屋城とか、市役所のところとか、栄とかで、そういったことをずっとされてきました。そういったことを名古屋市さんが働きかけて、やめればそれで良いと思うんです。わかってもらえれば。だけれども、そうじゃない。ずっとやり続けるということがありまして、やっぱりそういうことを考えると、最初はやっぱり説示とか、話し合いっていうか、よく聞いて、どうしてそういうことするのかとかいろんなことを話しながら進めていく。しかし、確信的にやる方もいらっしゃるもんですから、そういう方の場合にはやはり何らかの、公表なり罰則なりが、私はやっぱり、していただきたいなと、本当にそれは思っています。本当に、本当に、やられる方は、すごく辛いですし、何ともならないっていうか。私もあんまり腹が立って、男の人だったんですけど、行灯を立ててやってるもんですから、蹴っ飛ばしたら、同和部落民はこういうことやるって大きな声でまた言われまして。それからやることやめましたけれども、本当そのぐらいの思いですので、委員さんの意見に私は賛成です。 ○委員 3つに分けてということもあったんで、私も迷走しているところではあるんですが、今お2人のお話を聞きまして、例えば公表するときに、事実、事象を報告するというようになっていると思うんですけれども。例えばその在日朝鮮人の方たちのヘイトに関しては、実は私高校生と、朝鮮学校の生徒たちと、一緒に月に1回、現代問題について語り合うという場面を設けています。お寺の関係でしてるんですけれども、その在日朝鮮人の高校生の子たちはもう4世とかになってるんですね。なぜ僕たちが4世で、ここに住んでいるのかというお話をすると、高校生の子たちはもちろんその差別はしていないんですけれども、そういった歴史的事実を全く知らないんです。はあっていう感じで。で、もちろん私も知らなかったっていうところはあるんです。その歴史的背景部分なところも、少し、その公表するときに押さえて公表しないと、見る方たちが、その背景がわからないと、この概要に対して、こういったヘイトが起こるのはなぜなんだろうっていうところを考えていただけないんじゃないかなあと思いました。 つまり、人権侵害はもちろん人権侵害なんだけれども、ここでよく言う社会 23ページ 構造的差別というものが、実際には同和問題でもあるわけですし、在日朝鮮人の方たちにもあった。で、その歴史的なものをしっかりとどこかで提示しないと、見ているものは、ただ読んだだけで人権侵害なんだなあで終わってしまっては、ずっとこういったことが続くのではないかなということを危惧しています。本当に委員さんもご苦労されていて、なぜこれが解消しないんだっていうところには、歴史的なものを私たちはしっかりとわかっていないっていうところに問題があって、これは多分、人権教育のところでもやりましょうっていう話にはなってくると思うんですけれども、こういった公表する際にも、こういった歴史的背景があるんだって、そこのところもちょっと押さえないといけないのかなって思いました。 ○座長 はい、ありがとうございます。他いかがでしょうか。 おそらく、公の場所における差別的言動について、本邦外出身者の方に対するものでなかったとしても、例えばホームレスの問題だとか、性的マイノリティの問題、それも含めて、そうした人達に対する差別的言動も含めて、こんなひどいことが名古屋市であったっていうことについて、事実の概要について公表することは、多分、そんなに異論はないのかなと。まず、ファーストステップとしてはあると思いますし。ただ、公表する意味っていうのは、啓発なので、単に公表すればいいってことではなくて、それがみんなの理解に繋がるような形で公表しないといけないし、公表した後も、そういうのにつなげていくっていうことが、ちゃんと条文上わかるようにしなければならないっていうところは、多分、異論はないと思うんですね。 で、その次の段階として、もうちょっと悪質性が高くなった場合。氏名、団体名を公表するかというのが、多分、次の段階にくると思うんですけども、私としては、先ほどの勧告のときと同じですけども、事前に弁明手続きをした上で、それでもやっぱり悪質性が高いと、独立した人権擁護機関的なところでも意見を聞いた上で判断した場合は、氏名、団体名の公表というものは、これは制裁っていう意味合いではなくて、市民に対して情報提供として、そんなひどいことを言う団体ってわかってたらちょっと、そんなつき合わなかったのに、入らなかったのにってこともあると思うので、やっぱりそういうのは出すっていうことは、悪質な場合はあるんだろうとは思ってます。ここまで、氏名、団体名の公表に反対っていう人はいますでしょうか。ここら辺までは、多分、合意ができるのではないかなと思います。 で、問題は次の段階として、過ち料、過料とか刑事罰とかっていう段階をどうするかっていうところがあると思うんですけども、これは、多分、かなり構成要件、先程も言いました、どういう場合に犯罪になるのかきっちり詰めないといけないって気がしていて。日弁連や愛知県弁護士会が出しているケースっていうのは本邦外出身者の方を想定して構成要件を作って 24ページ いると思うんですけども、そういう意味では、それ以外のマイノリティの方に対するものを含めた形で構成要件を作っていくんですけども、それでいいのかどうかとか、もっと広げる場合には、どういうような構成要件を設定し直さないといけないかとか、あと、私もちょっと愛知県弁護士会の提案や日弁連のを見ましたけど、構成要件が違うので、どちらが、どういう形が名古屋の問題について一番過不足なく対応するのかとか、結構難しい問題がちょっとそこら辺はある気がしてまして。だから、これは私の意見ですけども、なんていうのか、それを考え出すと多分かなり詰めた、時間のかかる話になると思うので、例えばですよ、条例を作るときに附則で、この条例施行の経過を見て、罰則について検討するとか。つまり、この今の方向でいくと、独立した人権擁護機関的なものは多分できるので、そこが、名古屋の状況とかもうちょっと調べて検討して、どうするかを決めるみたいな形で、ちょっとそこは切り離したほうが条例としてはまとめる方向になるのかなっていう気が、個人的にはしてます。つまり、構成要件をきっちり組み立てるのが、ちょっと時間がかかるのかなっていう思いがちょっとあるのですが、その辺りいかがでしょうか。 ○委員 この第1回の検討会の後に、私の方からも意見提出させていただいた中に、やはり本邦外出身者に限ってしまうと非常に狭い範囲になってしまうということをお伝えしました。例えば、国籍上は日本であっても、いわゆる国際結婚家庭であったり、もしくは海外での駐在経験のあるご家庭があって、いわゆる帰国子女と呼ばれるような方で、国籍上は日本なんだけども、海外での教育を長らく受けて帰ってこられて、日本語に苦慮される状態で学校に通われてる方もたくさんいらっしゃいます。そういった方々も、これは例えばですけども、日本人なのになぜ日本語ができないんだ、みたいなことを言われるっていうことは、過去にも聞いたことがあります。それから、例えば、今世界中いろいろ、紛争の地域がありますけども、例えば日本に暮らしているある国の方が、母国でそういう紛争があったときに、お前の国は戦争をしている国だ、危ないとかっていうことで、いじめられるような可能性もあるんですね。つまり、出身が本邦外だからということ以外の理由でも、たくさんのそういった、いじめだとか偏見だとかへ繋がる事象は多くありますので、もう少し広くとらえる方がいいと思っています。以上です。 ○委員 先ほど座長の方からですね、愛知県弁護士会のものは、いわゆる本邦外出身の方だけという、ちょっと発言ありましたけれども、愛知県弁護士会は部落差別等も含めて、これは規定を前提としておりますので、その辺だけは誤解がないようにお願いをいたします。 25ページ ○座長 通常、憲法学者は入れろと、入れる方向が多いと思う。国の方が狭い解釈って感じがしますけどね。おそらく、なんていうんですかね。皆さんの意見を聞いての検討なので・・・あ、お願いします。 ○委員 先ほど座長からのお話だと、この罰則規定についてはちょっと後で検討みたいなお話という理解でよかったでしょうか。ただ、やはり罰則っていうものを、私も法律家なので、謙抑的にはすべきと思いつつ、やはりこれまで苦しんできた方がおられるという観点からすると、入れていく方向性なのかなと私は理解をしていました。構成要件についてとか、その立法事実があるかをできる限り調べていただけるとありがたいかなと思っています。それがどうしても駄目だったら附則でということにはなるのかもしれないですけど、附則って書いてあるだけで、なかなか改正されないってことも現実問題としては、ちょっと名古屋市は分からないですけど、国の方は少なくともある状況がありますので、もしこの中で合意がとれるのであれば、できる限り、きちんと調べていただいて、必要であれば構成要件を検討していく方向で考えていかないと、後からでは入れにくくなるかと、個人的には思います。 ○座長 これは、本邦外出身者に限らない形で、ちょっと広めにやっていく。 ○委員 そうですね。今まさにだって、部落のお話を聞いているのに、本邦外出身者だけにするっていう話にはいかないのかなと思うので、やはり先陣切って検討していただく姿勢は見せていただきたいなと思います。 ○座長 ホームレスの方だとか、性的マイノリティとか全部含めた形で、罰則をって感じですかね。 ○委員そうですね。まずは検討の機会は必要かなと思います。ちょっと今だとぼやっとし過ぎてて、皆さん検討は正直しづらいかなと思うので、どういう立法事実があってどこが必要そうでっていう、最低限のところから検討を始めるでもいいと思うんですけれども。立法事実も明確になっておらず、具体的に何が本当につくれそうなのかっていうのもわからないまま、後出しっていうのはなかなか難しいかなと思います。 ○座長 愛知県弁護士会だと罰金の刑事罰で、日弁連だと過ち料でもとりあえずはいいみたい流れだったと思うんですけども。そこら辺は、やっぱり刑事罰が良いっていう感じですか。 26ページ ○委員 私としてはそういうご意見が出てるのかなと理解をしていたので、これまでの… ○座長 過ち料ではなくて、刑事罰。 ○委員 の規定も、最低限度のものは検討するということは必要なのではないかなと思います。 ○座長 なるほど。事務局いかがでしょうか。 ○事務局 今、罰則について様々な方面からご意見をいただきました。いずれにしましても、条文の中で、様々な規定を作っていく中で、一度ですね、座長の方からも、条例を検討している我々の部署と、あとは人権条例に限らず、いわゆる条例全体の体裁だとか、条例上のルール、こういったものは、原課の方で作りたくても、そもそも憲法上のいろんな制約だとかで難しいとか、そういったところを審査する部署もございます。その中で、今回参考資料7というもので、名古屋市のそういった条例を作るときのルールということで、これは各所属に示されているものでございまして、我々人権条例だけではなくて、全ての所属に関係することで、「立法事実の重要性」というところがございます。川崎市のお話もありましたが、今後、実際に我々が条例案を作っていきますが、条例の形を作って市の審査にかける場合には、実際に立法事実として、どういったことがあって、罰則でどういったものをなくしていくのか。これが一般論や川崎市の状況ではなくて、名古屋市の状況、実情、そういったことを示していく必要があります。こちらについて実際に、どういうふうにやっていくかという話になりますと、(第1回検討会の)資料でスケジュールを示している中で、必要に応じてスケジュール期間も変わりますというふうな書き方も資料に書いてあったかと思いますけれども、そういった立法事実としてのいろんな積み上げといいますか、確認だとか、期間を結構取って、やっていく必要が出てくることも念頭に置きながら検討会を進めていく必要がでてくるかなというふうには、今感じております。 ○座長 今後、検討会で、最後、何か提出するとは思うんですけども、そこに、どこまでのことを書くかってことになると思うんですけども、例えば、その罰則を設ける方向で検討して欲しいみたいな形であれば、検討してもらうってことになると思いますし、ただもうちょっと具体的に詰めた形で示さないといけないってことになるのであれば、おそらく、何か小委員会みたいにちょ 27ページ っと作ったり、あるいは外部委員も入れてかなり専門的にやってもらわないと、この場でみんなで議論してもなかなかできないと思うんですけども、その辺り次第かなっていう気はしてるんです。 大きな流れとしては、もう、先ほど言ってくれた立法事実から全部詰めて、設けられるなら設けたほうがいいけども、難しい場合は附則とかで検討を続けてという形になる方向だとは思うんですけども。どこまでここでやらないといけないのか…大きな方向性だけ言えばいいだけなのか、もうちょっと詰めたこと言ってくれないと、そんな、無責任に言われてもっていう感じなのか。どうなんですか。それによって進め方が変わるような気がするんですけど。 ○事務局 今回この検討会、意見聴取ということで、皆さんの意見が揃えばそれに越したことはないと思っておりますが、場合によっては、実際問題、ヘイトに限らずですが、個別の分野ごとに見ていくと、例えばそのマイノリティ間でも利害関係が発生するということは当然想定しえますし、ある程度の大きな方向性は、少なくともいただきたいとは思っておりますが、一方で、条例がなかなかまとまらないということで、それで、どんどんどんどん時間が超過していくということになりますと、それはそれで市民の不利益も時間の経過とともに大きくなりますので、これも可能な限りというふうなところで思っています。確実に、いつまでにどれを、意見の一致を見ないと進まないというわけではないとは思っております。 あと1点、先ほど附則の話もございましたが、私どもで認識しているものにつきましては、やはり附則で必要に応じ検討すると書いてあって、実際に検討して、その必要性がなく改正されなかった場合もあれば、実際に検討し改正されたものもあります。そもそも附則に書いてあってもなくても、必要があれば条例等は改正するものでございますが、よりそこを担保するのも条例上の書き方ですので、ちょっと今この段階で正式なことは言えませんが、例えば、第三者的な立場の審議会を置く形になっていますので、「何年後、審議会で検討する」というような書き方ができるかとか、そういうことも含めて、少なくとも今日の段階でいつまでという期限を切ることもできませんので、そこをまたお示しさせていただければと思っています。ちょっと今お話できるのはこんなような状況でございます。 ○座長 大きな流れとしては、罰則の方向で検討されたいみたいな話があって、ただ、条例制定等々の関係があるので、結構時間がかかるようであれば附則で、特に第三者的なところで検討っていうのを入れるっていうのがセカンドプランとしてあってというところまでは何となく方向があるのかなって気はしていて。どこまで具体的にやるかっていうところは、数ヶ月後、あと 28ページ 何回かわからないけど、まとめる段階でどれぐらいのところまでまとめるかによって、ちょっと進め方を考えないといけないというところですかね。今日のところは。 ○委員 1点だけ教えてください。教えていただきたいのは、罰則っていうのはどういうイメージであるのかっていうところがちょっと私自身、浮かばないもんですから。私ども裁判やったときにはもう完全に相手がわからなくて、もうどうしようもないので、本当はやりたくなかったけれども刑事訴訟法で訴訟を起こしました。それで懲役1年執行猶予4年という判決が出てるんですけども、そういうイメージしかちょっと湧かないもんですから、罰則っていうとどういうようなイメージで考えてるのかだけ、ちょっと教えていただけますでしょうか。それでちょっと考えたいと思います。 ○事務局 罰則について、今、唯一制定されている川崎市さんの事例につきましては、いわゆる過料ではなくて行政刑罰ということで、刑事訴訟法を適用していく、いわゆる犯罪行為、刑罰に該当するような、制裁的な、そういったニュアンス、イメージでおります。 ○委員 例えば、公表されたりしたときに、名古屋市と、いろんな仕事を受けるような事業所さんだったら、そこから外すとかそういうことは大賛成なんですけれどもちょっと、そのあとのところとなるとちょっと法律的なこともあると思うので、ちょっと今、意見求められても、私としては、本当は罰則かけたいけれども、いいのかどうかっていう迷いがあります。 ○委員 私も一応人権擁護委員をやっているので、いわゆる、その人を裁いていい立場なのかどうかっていうところも考えてしまうので、罰則というと、やはりイメージ的に、委員さんも言われたように、どんなものなのかっていうところで、なかなか賛成、反対っていうことが、皆さんも言いづらいんだと思います。この罰則になるには、公表までの、それだけの道のりと、多分その対話で、できればその方が、これからは人権を尊重しようっていうふうになっていただけるのが一番いいというお話が前提にあったわけなので、その罰則になる人は、それを全く本当に解さないというふうであれば罰則がいいのか、と言われると、またそこも私、個人的にそういったものを判断していいのかなっていうところがあって、とても悩んでいるところがあり、皆さん多分同じじゃないのかなあと思っています。 ○座長 かなり難しい問題ですので、次回も検討するということでできたらと思います。お時間もちょっと超過しましたので、私の進め方が悪くて申しわけご 29ページ ざいません。 皆さん、闊達なご意見をありがとうございます。この会議の時間内だけで意見が出し尽くされたわけではございませんので、会議終了後改めて、別添の意見提出シートにご記入いただいて事務局にご提出いただけたらと思います。差別事案の事例とかですね、今日のこの残された罰則の話なども含めて、ご意見をいただけたらと思います。 それでは本日の議題については以上です。事務局に進行をお渡しします。皆様ありがとうございました。 ○事務局 長時間にわたりどうもありがとうございました。 また次回ですけれども、12月の15日、午後2時からを予定しております。 それまでに今日いただいた宿題等も含めまして、まとめてまたご相談、ご意見等賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは本日はどうもありがとうございました。