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緑のまちづくりフォーラム(平成24年10月27日)

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このページを印刷する最終更新日:2012年11月9日
緑のまちづくりフォーラムの写真です

開催内容

開催日時

平成24年10月27日午後1時から4時

場所

名古屋市公会堂4階ホール(名古屋市昭和区鶴舞)

参加人数

250人

テーマ:緑環境の新たな役割を探る

  • 基調講演
    演題:「心の豊かさと自然」
    講師:女優 中野良子さん
  • パネルディスカッション
    演題:「緑が私たちにもたらす豊かな生活」
    コーディネーター:中日新聞論説委員 飯尾歩さん
    パネリスト:女優 中野良子さん
    パネリスト:中京大学教授 奥野信宏さん
    パネリスト:千葉大学大学院教授 池邊このみさん
    パネリスト:NPO法人日本園芸福祉普及協会理事 田村亨さん

基調講演 中野良子さん

中野良子さんの写真です

名古屋のまちについて

 名古屋駅から鶴舞公園に来る時に感じたことですが、名古屋は明るくて、落ち着いていて、生活が安定していると感じました。みなさん幸せそうな顔をしているのが印象的でした。

 名古屋市には多くの公園があるとのことですが、市役所の方からは「公園を身近なものとしてみんなで愛し育てるアイデアを出していただきたい」と話しを受けました。多くの人にどんどん公園を活用してもらいたいという意識が、行政の方に強くあるようです。

 みなさんには、今日の講演を機会に公園の活用アイデアをどんどん考えていただき、積極的に公園に関わっていただきたく思っています。みなさんが公園に積極的に関わることで、子どもがたくましく育ち、いじめが少なくなり、親子がお互いについて新しい発見できるような、いいことにつながると思います。

 

夢広場での取り組み(地域の交流)

 何年も前のことになりますが、ある町で講演したご縁で、新しい交流の広場をつくるプロジェクトに参加する機会がありました。

 交流広場は「夢広場」とネーミングされていました。その名前は、二人のお子さんを持った20代のお母さんが提案したものでした。そのお母さんに話を聞くと、家の中ばかりでなく、子ども達と一緒に「もっと町の人と交流したい」という思いを込めているとのことでした。

 私たちは、いろんな立場の方が参加する実行委員会を作り、みんなが楽しみ・こども達が育つ広場のプランをたてました。海外の人との交流にも取り組みました。

 「夢広場」の最初の取り組みは、子どもを中心に植物を育ててもらうことでした。自然にふれあう体験を共有すると、お互いにゆったりとしたやわらかな心が育まれます。自分が育てたという意識が心の中で循環すると深く聞く力が育ちます。

 2番目の取り組みは、いろんな世代の悩みを聞くことから始めました。特に80代の方の悩みを聞くと、孫と会話する時間が減ってきたという悩みを持たれていました。昔は大家族で、地域社会との交流の場もたくさんありました。子ども達は、家庭内・地域社会の中で喜怒哀楽を表現する場がたくさんあり、喜怒哀楽の循環がありました。それが心の基盤になっていました。

 「夢広場」の取り組みは、自分で育てた植物で和紙を作ったり、ハンカチの草木染めをしたり、また地域のみんなで一緒に料理を作ったりしました。また、近くの川を掃除したり、水質を調べたりすることで、生まれ育ったまちの再発見をしました。子ども達は、「夢広場」の取り組みを通じて目の輝きが変わり、地域のことをより深く知ることができました。我々が生きていくには、心の豊かさと自然との交流、地域社会との交流が必要ではないかと思います。

 地震や火山の噴火など、いつ何がおきてもおかしくない日本ですが、楽しい交流の中で地域のことを深く知り、何かあった時に地域に協力を求め、身を守る力を養っておくことが大変重要だと思います。

 

夢広場での取り組み(世界との交流)

 「夢広場」では、世界のいろんな言葉であいさつすることにも取り組みました。あいさつは、「親しくなりたい」という気持ちが相手に対し最も伝わるものです。あいさつから愛情の循環が生まれます。

 子どものうちから海外の人と親しくする心を育てると、海外の人と交流する自信がつきます。自分のふるさとを人に伝える力がつくと、海外の人をふるさとに案内することができます。同時に、自分も相手のふるさとを訪ねるなど交流が生まれます。公園の催しを通じて知り合った海外の人と、相手のふるさとの公園を訪ねることもできます。

 また、子ども達が育てた植物から和紙をつくり、手作りの地球儀を作りました。地球儀には、世界中の都市の名前を書きこみ、作業を通じて世界の都市のことを公園で雑談しながら学びました。

 取り組みの最後は、日本に住んでいる海外の人を「夢広場」に招き、テントで寝泊まりして交流しました。最初は大人のかげにかくれていた子どもたちは、キャンプ最終日には堂々と海外の人と会話していました。

 これからの子どもたちは、海外の人と交流しながら成長しなければいけません。大人になってビジネスの場で初めて交流するより、子どもの内から交流の練習をはじめた方が絶対に有利です。交流は何でもいいのです。一緒に1本の木を育てたり、一緒に歌を歌ったり、体験を共有することが大事です。体験を通じて相手の習慣・文化に対し理解を持つことができます。戦争のない世界を実現するためには、公園で海外の人と交流することが必要だと思います。

 

日々の生活の中で

 朝ご飯の準備で台所に立ち、土のついたゴボウを手にとると、なぜかほっとし、1日の生活のやる気が出てきます。

 私の友人が10坪の畑で楽しそうに家庭菜園をしており、時々お野菜のおすそ分けをいただきます。私は地元の名産をお返しします。そのやり取りが楽しくて、普段感じることのできない喜びがわき、「心の豊かさ」につながります。また、地域のゴミを拾ったり、川の水質をよくすることも、「心の豊かさ」に通じます。

 今後、地域の助け合い・海外の人との交流・日々の生活での自然とのつながりは、都市に住む我々にますます必要不可欠なものになると思われます。

 

質疑

参加者

 紹介していただいた事例は、どちらの県の事例か教えてもらいたい。

中野

 岡山県の事例です。ダム事業はあるが、何かが足りないと町の方々が考え、交流広場の話になったと聞いています。私は、交流広場のプロジェクトに参加する際、何が足りないのか徹底的にリサーチしました。自転車で町を回って、いろいろな人と話をしました。何をするにもリサーチが最も重要だと思います。

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションの写真です

コーディネーター:飯尾歩さん

飯尾歩さんの写真です

 中野良子さんの基調講演で、木を植える話があった。木を植える→人が集まる→イベントの開催→海外の人との交流、とつながった。ただ、誰かが木を植えないと、何もスタートできない。公園も同じであると思う。
 今回は、公園に深く関わっているパネリストの方々に集まっていただいた。公園の多面的な機能をそれぞれ紹介いただき、会場の皆さんと一緒に、これからの公園について考えたい。

パネリスト:奥野信宏さん

奥野信宏さんの写真です

 名古屋市公会堂の4階のテラスから鶴舞公園を見た。すごくきれいでニューヨークのセントラルパークのようだった。まちづくりで大事なことは、歴史と文化を感じられる緑と水である。
 名古屋は、鶴舞公園、名古屋城、堀川・中川運河、八事興正寺、徳川園、文化の道、東山公園、久屋大通など豊富にあげられる。堀川でみられる市民参加の活動は素晴らしいものである。都市のソーシャルキャピタル(社会関係資本)の代表例である。
 日本は今新しい発展のサイクルをはじめる時期にある。それを引っ張るのは大都市圏、それも名古屋である。歴史と文化を感じられる緑と水の名古屋をつくることが一番大事なポイントであり、それをつくるのは市民のみなさんである。

パネリスト:池邊このみさん

池邊このみさんの写真です

 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は出生率と関係がある。子どもを産む際、地域への安心感は大きな要素となる。
 アメリカでは、公園は周辺の住宅地の不動産価値を高めている。セントラルパークは一時管理されずに荒れた時があったが、多くのNPO、市民、周辺の住宅地の住民が基金により再生し、美しい公園に戻った。公園が地域の人に愛されることで、コミュニティの再生につながった。日本では、市民の方々は「公園は行政のものだ」という意識が強い。行政も「自分たちが管理している」という意識が強い。ここをまず変えないといけない。
 「景観は地域の鏡・もてなしの心」という言葉がある。アメリカでは住宅のフロントヤードを管理せずにほうっておくと、30日で勧告、60日で費用請求され、90日放置しておくと立ち退き命令が出される。自分達の不動産価値が下がる、責任を果たさないような人とは一緒に住みたくないという住民の意思表示である。
 自分の家の玄関先はみんなきれいにする。それでは公園はどうだろうか。地域の歴史・生活文化が活かされた風格のある美しいまちにしていくことに、緑が寄与できればと思う。

パネリスト:田村亨さん

田村亨さんの写真です

 園芸福祉士として活動している。高齢者や障害を持った方々から子どもたち、全ての人が、植物の世話を通して「からだ」の健康と「こころ」のゆとりや豊かさを育む手伝いをしている。普段、やってはダメということばかり言われている障害を持った子どもが、公園で花の手入れをしていると通りすがりの人にほめられ、非常にうれしく感じる。また足が不自由で普段車いすを利用している高齢者が、花をいじっていると、知らないうちに立ちあがっている。そういう力が花や緑にある。
 最近増加している精神障害の人も、園芸活動によって改善することがある。園芸と福祉をつなげるには福祉の知識が必要。どういうふうに花を福祉に使うか。そういう活動をしているのが園芸福祉士である。
 名古屋市では、鶴舞公園、荒子川公園で活動している。森林公園でも活動している。東山植物園では、障害者の就労支援をやらせてもらった。知的や精神に障害のある方々の就労は難しいが、公園管理や農園芸など緑の仕事には就労の余地がある。行政の役割は大きいので、一層のご理解と支援をお願いしたい。
 愛知県の知多市では、園芸福祉をとりいれた緑と花のまちづくり計画が作られており、緑と花のまちづくりサポーターが育っている。「緑の活動をどうまちづくりに活かすか」という本日のテーマは、園芸福祉の活動目標そのものである。

パネリスト:中野良子さん

中野良子さんの写真です

 海外の公園では、リスがいたり、音楽堂があったり、非常に印象に残っている。
 京都の公園では、夜に源氏物語の朗読会を開催したことがある。園内の照明を全て消して、月明かりだけで1万人もの人が同じ時間を共有でき、非常に楽しかった。また、地域の商店街もうるおうだろう。京都は年間約4000万人の観光客が来る。景観や公園に力をいれ、加茂川沿いも地元の人がきれいに掃除している。行政側も、大文字山がどこからでも見えるよう行政側が高いビルを規制している。行政にしかできないことがある。

ディスカッション(以下敬称略)

公園の担い手について

飯尾

  • 「水つくらざるもの水つかうべからず」という言葉がある。緑もそこにあって当然、誰かが維持管理して当然というものではない。日本人は、内側はきれいにするが、外側への意識が低い。「公」というのをどのようにとらえればよいのだろうか。
  • パネリストの方からは、「行政から恵んでもらうものではない」という話と「行政しかできない」いう話があった。その接点をどうみつけていくかだが、公園の担い手は、今後誰がどう担っていくべきだろうか。

 

奥野

  • 「新しい公共」とは、「公共心を持って社会で必要とされるサービスを提供する活動、活動の主体、そういうことが大事だと認める価値観」と私は定義している。
  • 少し遠回りの話になるが、中野さんの話にあった「交流」は国土政策の基本で、ハードの整備から人の交流・連携に移ってきている。昔は地域コミュニティの中で人のつながりがあったが、経済成長の中で壊れてしまった。「新しい公共」とは、人のつながりを再構築しようということである。
  • 公園の担い手については、市民・NPOと行政の関係の構築が難しい。市民・NPOを活動が活発になると、行政はそれをコントロールしようとしたがるが、これはやってはいけない。適度な距離感で市民・NPO側に任せることが大事で、名古屋市はその点うまいと思う。

 

池邊

  • 事例を2点紹介したい。
  • 江東区の駅前広場の事例では、企業のCSR活動(企業の社会的責任の一環で行う地域貢献活動)として、企業の社員の立案により駅前広場をハーブガーデンする構想が持ち上がった。企業と住民、そこにNPOがコーディネーターとして参加した。ハーブの乾燥とリース製作をみんなで協力して実施した。ハーブの収穫には付近の保育園児も参加した。行政側については、水道料金を江東区が負担した。住民・企業・NPO・保育園・行政が一緒になって広場を再生した事例である。
  • 亀戸のマンション開発の事例では、マンション建設予定地に隣接する公園の改修を開発業者が主体に取り組んだ。改修にあたっては、マンション居住者や地域住民が参加した。NPOは住民の参加のコーディネートと、公園改修後の公園維持管理作業を住民に指導するコンサルタントを受け持った。コンサル料は開発業者が負担した。マンションと公園が変わることによって地域全体がよくなった注目すべき事例である。
  • 住民と行政の協働、更に企業も巻き込んで、全体をコーディネートできる人材が育っていくことが大事だと思う。

 

多様な主体のコーディネート

飯尾

  • コーディネーターとはどうあるべきか伺いたい。

 

田村

  • 園芸福祉士は、先生ではなくパートナーである。一方的に何かをしてあげるのではなく、貰いあっこする。私たちも元気や楽しさをもらうからである。ボランティア活動とは生きがいづくりだと思う。コーディネーターといっても特別な能力は必要ない。相手を思いやる心があれば通じる。ハートのコミュニケーションができればよいと思っている。
  • 園芸福祉の活動は、行政組織の分担では、健康福祉系、農林系、土木系と3部門が関係する。行政側には、総合的に対応できる窓口を用意し、たらいまわしにしないような理解と対応を求めたい。

 

奥野

  • NPOなどで中心になっておられる方は志が高く立派なことが多い。しかしこの人がいなくなるとどうなるかといった問題があると、行政は長い付き合いが必要な事業での協働にしり込みする。NPOなども、活動を継続していくという安心感を行政側に与えていくことが大事だと思う。

 

池邊

  • 先ほど紹介した事例のポイントは、NPOがずっと世話をするのではなく、最後は住民だけで自立できるよう、お手伝いしすぎないこと。一般の住民のできるレベルにおさえている。
  • 緑の基本計画などでコミュニティガーデンを運営していくような人材を育てていく仕組みをつくるとよい。

 

今後の公園について

奥野

  • 本日の話をまとめると、第一に「歴史文化が感じられる緑と水をつくる」、第二に「市民のみなさんがつくる」、第三に「行政の姿勢が大事」となる。中野さんの話にあったように、人と人の交流・連携が大事で、ひとり一人が「心の豊かさ」を感じられる社会をつくることが大事だと思う。

 

飯尾

  • 最後に皆さんにはひとつお願いをしたい。鶴舞公園をちょっと遠回りして帰ってほしい。その中で、今までに気付かなかったいいものを見つけほしい。そして、そのいいものを守っていくために自分にできることは何かということを考えながら帰ってほしい。
  • 今回をきっかけに、これからも公園について気にかけ、公園のそばに寄り添い続けてもらいたい、あるいは公園を自分のものにし続けてもらいたい。

 

質疑

参加者

 ドイツでは公園の中に教育施設がつくられ、動物や植物にふれあえる機会を積極的に創出している。

 

パネリスト

中野

  • 基調講演で紹介した岡山の事例では、全国にない「企画活性課」という課がある。企画から実践に移る時に背中を押す役目で、まちの人と仲がよい。まちの人とのやりとりをマネジメントしている。

 

池邊

  • ドイツには森の幼稚園というのがある。園舎を持たず森の中で学ぶ教育システムである。日本でもそれを進めているところもある。また、ドイツでも校庭の芝生化をやっているが、生徒の手で教員と一緒に自らの手でやっている。日本で進める場合、至れり尽くせりで芝生化をするのではなく、やりたいところに支援費だけを与え、子どもと親が参加してやるようなことも必要かと思う。

 

参加者

 公園愛護会の活動をしているが、市の予算の縮小に伴い花の提供がなくなったら、いままで一生懸命やっていた愛護会の活動が活発でなくなった。愛護会を自治会がもっとバックアップするとすばらしくなるのではないか。

 

パネリスト

田村

  • 活動の継続ということを考えると、行政は市民団体との信頼関係を築き、管理し過ぎず、ある程度、市民の方々に活動をまかせることが大事である。行政側は高所大所から見守り、しっかりサポートをしていただきたい。
  • また、市民の方々も、積極的に活動に参加していただきたい。特に皆さまが暮らす身近な公園は、地域の交流の場であるので、普段の暮らしの中で気軽にボランティア活動ができる格好の場所である。

 

アンケート結果(回答者数133人)

お住まい・性別・年代

参加者の住まいについてのグラフです

名古屋市内 109人
愛知県内 21人
他県 1人
無回答 2人

参加者の性別についてのグラフです

男性 85人
女性 44人
無回答 5人

参加者の年代についてのグラフです

20代 4人
30代 3人
40代 5人
50代 28人
60代 51人
70代以上 40人
無回答 2人

緑のまちづくりフォーラムの開催について、何でお知りになりましたか

フォーラム開催を知った手段についてのグラフです

チラシ 40人
広報なごや 30人
知人・友人・家族など 23人
名古屋市ホームページ 5人
その他 33人
無回答 2人

内容はどうでしたか?

講演の満足度についてのグラフです

満足している 38人
おおむね満足している 63人
少しもの足りない 3人
もの足りない 0人
無回答 29人

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