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緑のまちづくりフォーラム特別企画「公園経営シンポジウム」(平成24年9月9日)

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このページを印刷する最終更新日:2019年3月19日
シンポジウムの風景です

開催内容

開催日時

平成24年9月9日午前9時30分から正午

場所

名古屋都市センター11階ホール(名古屋市中区金山町1丁目)

参加人数

150人

テーマ:公園から美しく魅力輝く名古屋を創造する

講演

演題:「公園からはじまるコミュニティデザイン」

講師:studio-L代表、京都造形芸術大学教授 山崎 亮さん

トークセッション

テーマ:「名古屋の公園の生かし方について」

コーディネーター:名古屋学院大学経済学部教授 井澤 知旦さん

パネリスト:studio-L代表、京都造形芸術大学教授 山崎 亮さん

パネリスト:一般財団法人公園財団公園管理運営研究所主任研究員 堀江 典子さん

パネリスト:名古屋市立大学大学院経済学研究科教授 向井 清史さん

パネリスト:名古屋市緑政土木局緑地部主幹 岩田 修

名古屋市公園経営基本方針の紹介

平成24年6月策定・公表の「名古屋市公園経営基本方針」について紹介をしました。

公園経営基本方針

講演 「公園からはじまるコミュニティデザイン」

講師:山崎亮さんの画像

講師:山崎 亮さん

公園の経営・マネジメントへ

現代は量的拡大から質的向上に移行しつつある時代と言われています。公園も、今までは一人あたりの公園面積を増やすことに力点が置かれていましたが、近年、人口減少社会に伴い、今ある公園をどういう風に経営していくのか、ということがクローズアップされてきました。2000年以降に、東京都がすべての都立公園を対象に公園の運営、マネジメントのマスタープランを作成することとしてからは、日本の各地でパークマネジメントや公園経営の取り組みが進められています。

 

公園経営に関する私の取り組み

私はもともと公園や建築のデザインを行っていましたが、商店街の銀行が閉まった後にその前で商売を始めにぎわいを生み出している人、住宅横の線路敷ぎりぎりまで緑化してしまう人、植栽帯に野菜を植えて花や緑を増やしている人などを目にするうちに、このような人々は、実はまちの魅力を高めてくれているのではないかと気付き、まちづくりに関わるようになりました。

あるコミュニティが公園で何かし始めると、その活動を見に行きたい、参加したいという人が集まってきます。パークマネジメントや公園経営に関わることになったのは、こういうファンを集めることができるコミュニティが100種類公園で活動するようになったら、来園者が変わっていったり、今まで来なかった層の人たちが公園に来るんじゃないかな、と考え始めたことがきっかけです。

 

有馬富士公園

私が、最初に公園経営に取り組んだのは、兵庫県立有馬富士公園です。その時に、ディズニーランドの仕組みを勉強したのですが、成功している理由の一つとして「キャスト」がいることが重要だということが分かり、有馬富士公園にも、いろいろな活動を通じて来園者を迎えるようなキャストを入れるという発想が出てきました。公園周辺には数多くの活動団体があり、これらの団体をキャストとして迎え入れるための方法を県と繰り返し相談した結果、公のサービスとしての協定書を双方で結び、公園内での活動団体はサービスを提供する代わりに公園内の施設(例えば会議室)を無料で使用できるといった制度ができました。これにより、いろいろな団体が公園へ来ていろんなプロジェクトを行い、ファンになった人たちが繰り返し足を運ぶ、というしくみを2001年につくることができました。

 

泉佐野丘陵緑地

2007年には大阪府営の泉佐野丘陵緑地で、パークマネジメントの依頼がありました。量的拡大の時代は終わっていたので、この公園では、最初からハードを100%作ってしまうのではなく、2割だけ作ったらどうかという提案をしました。全体の整備に10億円かかるところを2億円だけかけて、入口の部分や誰でもいける園路、トイレ、農機具小屋等の拠点をつくり、あとは公園の施設ではなく空間をうまく使うコミュニティを作っていこう、というものです。10haの公園を10億円でハードを整備して毎年2,000万円ずつ維持管理にかけていたら10年で12億円かかりますが、2億円分だけ入口部分を整備して、コミュニティを育成する費用を含め年間3,000万円かけたとしても10年で5億円であり、費用の面でも有利な方法といえます。

コミュニティの育成には、それを担う人材育成の仕組みが大切で、泉佐野丘陵緑地では、全11回からなる「パークレンジャー養成講座」があります。2回以上休むと認定されないのですが、修了者がパーククラブを立ち上げ活躍しています。

 

海外の事例紹介:セントラルパーク

明治維新のときに岩倉具視を筆頭とする使節団が海外を視察しましたが、その時、ニューヨークのセントラルパークの設計協議・コンペが行われており、岩倉使節団は、その民主的なやり方に感心して日本に知らせたということです。しかしながら、セントラルパークには、公園からの距離によって税金を納めるという仕組みがあるのですが、使節団はこういった目に見えない仕組みまでは持ち帰ることが出来ず、日本では公園を国のお金で作り、経営も国のお金で行うということになりました。

セントラルパークのような方法は以前からあり、セントラルパーク自身が手本にした公園はイギリスのバーケンヘッドという公園です。バーケンヘッドは、貴族の狩猟場を公に開放したそれまでの公園と違い、初めて民間のお金で作ったもので、公園の端のほうに住宅地があります。公園とセットで住宅地も設定して、その土地を売ったお金で公園を整備するという仕組みです。

日本でも、ここへきてようやく経営もセットで考えられるようになり、約100年遅れていることになりますが、ちょうど市民参加の時代と一致してきているのでイギリスやアメリカとはまた違ったやり方で日本のパークマネジメントが進んでいるのではないかと思います。

 

海外の事例紹介:ブライアントパーク

アメリカでパークマネジメントが有名な公園に、ニューヨークのPublic libraryにあるブライアントパークがあります。アメリカやイギリスでは、Publicというのは民間や私のものを一般に開放するというニュアンスがあり、日本のPublic=公(おおやけ)、特に官の管理するもの的なイメージとは異なります。日本でもそろそろ本当の意味でPublic=公共という意味になればよいと思います。

ブライアントパークでは、公園の運営を担うNPO法人が、お金儲けをしすぎではないかという批判も出ています。公園を経営する上で、お金の流れの透明性を担保するのは当然のことですが、その上でどれぐらい利益をあげるべきかが、アメリカでは既に問題になりつつあり、日本でもいずれこういった問題が出てくるかもしれません。

 

海外の事例紹介:ハイライン

ニューヨークのチェルシーという地区にハイラインという公園があります。精肉工場があったところに、肉を運ぶためのハイライン、高架になった線路があり、これが廃線になったその上を細長い公園にしたものですが、ここではまず、ソフトの部分が先に進められていました。廃線によりハイラインが解体されることになった時、これを残そうというハイライン友の会ができました。友の会は、廃材を集めてアート作品を作ったり、写真撮影会をしたり、絵を描いたりという活動を展開したのですが、このようなコミュニティの活動がもともとあったところに、あの空間ができたのです。ハイライン友の会はニューヨーク市内100のNPOとネットワークをつくりながら、日替わりでプログラムを行っており、2009年に公園がオープンしました。コミュニティが市民を集めてくるという構図は、有馬富士公園と同じといえます。

 

海外の事例紹介:クリッシーフィールド

サンフランシスコにクリッシーフィールドという公園があります。もともと軍の基地で、コンクリートを剥がして公園をつくったところです。アメリカでは、ある場所の自然を一定面積破壊する場合、ミティゲーション法、つまり自然回復法に基づき、同等の自然を別の場所に回復する必要があり、その際、軍から国立公園局に対し、コンクリートを剥がした土地を提供するので、自然回復をして欲しいという話を持ちかけたことから、国立公園局が指定管理者と一緒に、数多くのプログラムを通じて自然を回復させながら公園の運営を行っています。公園内にはパークショップがあります。 “ここで買い物をすることによって公園をよくすることが出来ます”といった趣旨のことが堂々と掲げられており、購買者としては、自分の出したお金の何割かが公園の管理・運営に使われることはいいことなので、同じものならここで買い物しようという気分にさせられます。

公園の仕組みを作ったのは、国立公園局の局長だったブライアン・オニールと、NPO法人クリッシーフィールドセンターの理事長です。ブライアン・オニールは2年前に亡くなりましたが、彼の死を悼むセレブレーションが公園内で3,000人が参加して行われました。彼の公園づくりは、公園と人々との関わり・結びつきが大事にされていたのです。今は何人かの弟子が引き継いでいますが、ここでわかるのは、行政側に公園経営を強力に推進する人がいて、民間側でそれをきっちり運営する人がいたということです。

 

名古屋市の公園経営に参画を

公園の経営や運営に市民の皆さんが関わることがともても大切です。その際、大事なポイントが3つあるので、最後にお話しさせていただきます。

まず、自分(たち)ができることを見つけてください。2つ目は、自分(たち)がやりたいと思うことであるか?やりたいと思うことでないと長続きはできません。3つ目に、それが地域の人たち、公園を訪れる人たちのために、つまり社会が求めるものになっているかどうかを考えてください。

この3つが重なることが鍵で、公園に来る人たちがみんな楽しむし、皆さんは活動を楽しむことが出来るし、やればやっただけいいことがあると思います。是非公園経営に興味を持っていただき名古屋市の公園を今まで以上に楽しい場所にしていただけたらうれしいです。

 

トークセッション 「名古屋の公園の生かし方について」

トークセッションの様子

パネリストの主な意見-基本方針を踏まえた公園経営の進め方

(以下、敬称略)

堀江

  • 公園の博物館的機能を研究テーマのひとつにしている。公園には身近な自然や歴史文化的資源、エネルギーやリサイクルなどに関する技術的資源、公園を成り立たせているスタッフやコミュニティなどの人的資源といった、市民の財産ともいえる貴重な資源がたくさんある。資源を活かすことは経営の基本。公園の資源は博物館的に活かしていくことができる。

向井

  • 公園経営基本方針は、行政が作成したものであり、網羅的で、市民にとっては堅い印象を与えると思うが、今後、どれだけ柔らかい発想で公園経営を進めていけるかが課題である。

岩田

  • 公園には、公園の施設や敷地などの物理的な資産、歴史・文化的な資産、人的資産の大きく3つの資源・資産がある。このうち、人的資産については、多くの公園には日常的に管理者がいない中で、そこで行われている活動をいかに把握し広げていくかが大きな課題となっている。行政がすべてを把握することは難しいが、それぞれの公園でいろいろな活動が生まれ、継続していくことが、地域の公園の魅力を高めることにつながる。

堀江

  • 公園の博物館的機能を意識することは、公園の価値を高め、大切な資源を将来に引き継ぎ、公園をよくするためのボランティアや寄付、行政への働きかけといった、より良い利用者・支援者を育てることにつながる。そのためには、公園が行政のものでなく、地域の共有財産、自分たちのものであるという意識を高めることが必要である。

向井

  • 公園経営は公園をマネジメントすることであり、公園に対する利用者のニーズをどのように把握し、取り組みの成果をどのように評価してより良い活動につなげていくかが重要であり、名古屋市緑の審議会公園経営部会では、その評価項目をどのように設定するかを議論しているところである。

山崎

  • 公園経営の評価を考える前に、個々の地域や公園の経営の方針を地域に応じて明らかにしていく必要がある。評価というとまず来園者数が思い浮かぶが、単にカウントするのではなく、例えば、通過だけの場合は1、遊んだ場合は2、地域の活動には3といった係数をかけるなど、個々の公園の方針に沿って重みづけを行うことで、公園の特性にあった評価ができるのではないか。

 

会場参加者との質疑

質疑の様子
参加者
  • 中村公園に豊臣秀吉や加藤清正ゆかりの歴史があることはあまり知られていない。また、大正天皇の休憩所にもなったという「中村公園記念館」があるが、歴史的に由緒ある建物もあまり使われておらずもったいない。今日のお話を聞いて、我々高齢者が勉強してレクチャーなどできるようになりたいと思うが、気軽に参加できるような機会をつくることはできないか。

岩田

  • 例えば、ガイドボランティアという制度があり、徳川園などで取り組まれている。公園を生かす意欲のある方々に参加いただけるようなきっかけづくりを考えていきたい。

向井

  • 公園経営基本方針の冊子なぜ分厚くなってしまうかというと、行政というのは、あらゆるケースに対応できるものにする必要があり、特に、行政にとっては市民からのクレームがこわいからである。公園が行政のものと思ってしまうと、市民は上に向かって文句を言うということにつながりやすいが、そうすると、市の職員は貝のように心を閉ざしてしまう。ご意見のように、公園は自分たちのものであり、市民は、行政に「一緒によくしていこう」と賢く言って働きかけをするようにしていただきたい。

参加者

  • 講演にあった、泉佐野の公園整備を市民の活動によって進めたという話について、整備を市民に任せてしまうと一つの公園の中でばらばらのものができてしまうように思えるが、事前に、何か大きな戦略のようなものは示されたのか。
  • 公園経営を進める上で、方針をどうしていくのかといった市民との話し合いを今後も進めていくのか。

山崎

  • 整備を担う団体を養成する講座を重ねる中で、森づくりの考え方や里山の価値、全体の風景像を共有している。このため、全体の森の風景としてはまとまっていて、活動の内容に応じて、林床が少しずつ変化していくような森の姿となっている。

岩田

  • 具体的にどの公園でどのように行うかの展開戦略を検討中である。市民との対話を進めることは公園経営の根本でもあり、地域や公園の特性、利用者のニーズにあった公園づくりを進めていきたい。

 

パネリストの主な意見-市民・企業・行政の協働を進めるための鍵は何か

山崎

  • 協働を進めるためには、市民・企業・行政それぞれが、互いの立場を理解し、それぞれの立ち位置を少しずつ変える必要があると思う。行政はクレームを怖がるのではなく積極的に市民に働きかけていく必要があり、市民は、行政を怒鳴りつけるのではなく時にはほめたりしてスムーズな関係をこころがける。企業はもうけのみ優先する態度を改めるなど、“三方よし”という近江商人の言葉があるが、かしこい市民、かしこい企業、かしこい行政とならないと協働は成り立たない。

堀江

  • 協働の前提として、公園に関わる市民・企業・行政それぞれが、その公園の価値や存在意義を理解していることが重要である。社会情勢が変化していく中で、誰もが自由に利用することができる空間である公園の価値を将来の子供たちにも継承していきたい。その中では、その公園の価値や良さを口コミで広げてくれるガイドボランティアの役割も重要である。地域力を高めることにもつながるものであり、公園経営は公園の中だけでなく、発想を広げて取り組んでいってほしい。

岩田

  • 公園の経営という面ではマーケティング、ニーズの把握が重要であるが、市民の皆様からの苦情を、貴重なニーズとして受け止めることができるよう、行政側も意識改革を行っていきたい。

向井

  • 失われた20年・30年と言われるが、市民にとってはこれからの生活をどうしていくか、企業にとっては利益の拡大を見込みにくい中経営をどうしていくか、行政にとっては税収が減っていく中で今ある資産をどう管理し活用していくかというように、現代はだれもが手探りをしている時代である。一方で、手探りをすることで、市民・企業・行政がそれぞれの考えや行動を少しずつ変え、たがいに手を取り合う可能性が高まっているとも捉えられる。これをチャンスとして、今後の公園経営につながるような協働の場をつくっていきたい。

 

アンケート結果(回答者数104人)

内容はどうでしたか?

内容はどうでしたか

大変良かった 68人
良かった 30人
ふつう 1人
あまり良くなかった 1人
良くなかった 1人
未記入 4人

「公園経営」という言葉や考え方について、理解や関心が深まりましたか?

公園経営の理解や関心が深まりましたか

大変深まった 50人
深まった 50人
あまり変わらない 1人
未記入 3人

公園との関わりや利用を増やしてみたいと思いましたか?

公園との関わりや関心を増やしてみたいか

ぜひ増やしたい 46人
機会があれば増やしたい 54人
増やしたいと思わない 2人
未記入 2人

公園経営の取り組みで重要だと思うことは?

公園経営の取り組みで重要だと思う項目は

美しい景観・歴史・文化の活用 26ポイント
にぎわいの創造 36ポイント
公園の利活用の推進 28ポイント
公園利用サービスの魅力アップ 41ポイント
地域の公園利活用の推進 27ポイント
公園経営を担う市民・事業者の人材育成 53ポイント
自然の恵みを楽しむ機会の拡大 21ポイント
災害対応能力の向上 16ポイント
寄附制度、民間サポーター、協賛スポンサー事業の拡大 20ポイント
その他
 ・使いたい人のニーズ調査
 ・収益事業と還元の仕組みづくり など
(3つまで複数選択可)

公園利用の魅力アップを期待する公園は?

公園利用の魅力アップを期待する公園

久屋大通公園 38ポイント
鶴舞公園 33ポイント
地域の公園 33ポイント
区や学区を代表する公園 32ポイント
名城公園 31ポイント
東山公園 29ポイント
庄内緑地 15ポイント
戸田川緑地 8ポイント
その他
 ・白川公園、平和公園、荒子川公園など
(3つまで選択可)

お住まい・性別・年代

お住まい

名古屋市内 63人
愛知県 24人
他県 5人
未記入 12人

性別

男性 64人
女性 29人
未記入 11人

年代

10代 1人
20代 16人
30代 17人
40代 19人
50代 14人
60代 20人
70代以上 6人
未記入 11人

このページの作成担当

緑政土木局 緑地部 緑地利活用室 公園経営係
電話番号: 052-972-2489
ファックス番号: 052-972-4142
電子メールアドレス: a2808@ryokuseidoboku.city.nagoya.lg.jp

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