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第7章 田園地帯のあれこれ

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このページを印刷する最終更新日:2016年2月5日

ページID:78346

第7章 田園地帯のあれこれ

南陽の田園風景

(画像:南陽の田園風景)

司会:

南陽にも大型商業施設ができて、便利になったとは思うんですけど、かつては見渡す限り農地だったのに「あれっ?」って思われることはありませんか。

山田さん:

農業で生活ができないので、そういう方向へ行くわけだ。

司会:

「農」がもう少し良い状況になるといいんですけど。まちづくりも一緒ですね。

山田さん:

毎年一回ずつ名古屋市長が来るのだけど、ある時に「名古屋市のゴミも少なくなった」って言ってみえた。でも、都市部はきれいになったかも知れんけど、田んぼの方にはみなさんゴミをポンポン捨てられる。そういうゴミが稲刈りのときに相当な悪影響になる。そういうことはあまり知られてない。

司会:

そうなんですか。

山田さん:

私たちも農地にゴミを捨てられないように緑政土木局に提案しながらやってるんですけど、結局は追っかけっこになる。まあ、最近は比較的少なくなったんだけども、一般の人が道路にゴミを捨てるようになってね。私が昔、区政協力委員と保健委員をやっとったときの経験から言うと、ゴミを捨てる場所は決まってたね。

司会:

それはよく言われますよね。ここにはいつもゴミがたまるって…。

山田さん:

田んぼにゴミが溜まるってことは、カラスなんかの鳥が寄ってきて鳥害につながるんだよね。

寺西さん:

環境が悪くなると人も住みたくなくなるし、そういう意味でも良くないことだね。だからそういうことは自分たちでひとつひとつ変えるしかない。

司会:

そういうことに関しては学区の人たちが草の根のレベルで頑張っていますよね。さっきの話に戻りますけど、僕は子どものころ、田んぼは遊び場の一つで、生活と農が近い感覚があったんです。ところが昔農地だったところが住宅になってたりすると、どこか不安を覚えるんですよ。

山田さん:

私らはね、毎年「田んぼ学校」をやってるんです。名古屋市内の小学校5年生に来てもらって。農の大切さについて発信してます。

司会:

ホームページに載ってましたね。

寺西さん:

だいたい300人くらい来てますね。

司会:

田んぼで稲作の体験ができるところは限られてますし、他の地域だと芋堀りが多いですよね。個人的には「田んぼ」って言えば稲と水がたくさんあって、なんとなく命が息づいている印象だったんですね。僕は用水路が遊び場だったりしましたけど、今考えると水利施設なんですよね。来る日も来る日も用水路で、フナ、ドジョウ、ザリガニなんかを取ったりとか。(笑)

山田さん:

今はドジョウがたくさんおるよ。

司会:

じゃあきれいになってるんですね。

山田さん:

生き物が増えた。水もきれいになってきたしね。ザリガニも少しずつ。

それはやっぱり農薬を使わないようになってからかな。

司会:

農業って日本の情緒的な資源でもあると思うので、どうやってそういった資源を将来に残していくのかということを最近になって考えるようになりました。

  • 南陽に咲く花
  • 南陽でみつけられたザリガニ
  • 南陽に住むかめ
  • 南陽にすむかえる

司会:

南陽地域の都市化について、JAさんとしては何か関与されたのですか?

山田さん:

あの事業は、宅地にするところと、農地にしていくところについて、整理組合の方々一人ひとりに意見を聞いた。農業をやりたいっていう人は、今のアグリパークのあたりに農地を残されることになったんだわ。

そうやって、整理組合と農業をバランスよく分けて、まちづくりに使うところと農業を残してある。

寺西さん:

市政の問題ですので、八事の火葬場がいっぱいで何とかしたいとなると、何とかしなくてはいけないわけです。でも施設を持ってくるところは市の西の方しかない。そうなると、結果として農地をつぶすしかないんだよね。ゴミの焼却場をはじめ全部そうだし、外へ外へ、持ってこざるをえなくて、それがきっかけで市街化しないとできないっていう実情もあるんで、ちょっと複雑な話だけどね。

司会:

そうですね。

山田さん:

藤前はそうだったわね。名古屋市のゴミの処分場ができる予定だったから。

藤前干潟の写真

(画像:藤前干潟)

寺西さん:

都市環境って悪くすればいくらでも悪くなると思う。

日本では、住みやすいまちづくりをしようと思ったら、水と住環境は密接な関係があるじゃないですか。そういう観点からもやっぱり「水辺」っていうのは大事だと思うんだわ。だから、重機入れて公園を作るだけじゃなくて、庄内川をきれいにするだとか、普段からの生活の中に水辺を取り入れるようなゆとりがあるといいと思うんだけどね。

本当は「都市」っていう意味からすると、環境を良くする努力をしないといけないかなって思う。

自分たちも農地を維持して緑を増やす努力はしてるんだけど、他のところもやっぱりきれいにしないと。東京や神奈川はきれいになってきてるじゃないですか、あれはいい事例だと思うよ。周辺のエリアの人たちからも努力しようっていう姿勢が見える。川上から川下まできれいにするっていう意識がないときれいにならない。

司会:

最近は良くなってきたんですね。

寺西さん:

私たちが子どものころは何でも垂れ流しだったんだよ。遊んでた環境も悪かったけど、そのころと比べると見るとだいぶ良くなってきたと思うよ。でも、もうひとまわり良くしようと思えば、もっときれいになるんじゃないか。

司会:

そうですね。意識が大切だと思います。区役所が取り組んでる環境学習の狙いは、まず意識を持たせることなんです。取り組みそのものが環境を変えるのは難しいですけど、いざその場に臨んでみると気づくことがたくさんあります。鮎の話がありましたけど、昔いた魚が戻ってきたりすると変化を感じるんですよ。

寺西さん:

そういうところから良くなって、人が住みたくなるような環境にしないといけないよね。横浜は農地が多いのに人口が300万人を超えてるでしょ。

司会:

えー?横浜って農地が多いんですか?

寺西さん:

多い、多い。名古屋の数倍あるよ。

山田さん:

横浜は港というイメージが強い。まぁ、港って言ったら、名古屋港もどんどんきれいにならないといかんわな。(笑)

寺西さん:

水があるってことは気温が下がるんだから、水辺で遊べるような施設とかを作るとか、そういうことを考えるともっと良くなりそうだよね。あと、植物があるってだけでも都市環境の改善につながる力があると思うよ。

司会:

庄内川もヨシがあるから浄化されるという話がありますね。学習の場があれば目の当たりにすることができる。庄内川の浄化に役立っているのはヨシとシジミだそうですね。

寺西さん:

今、ヨシ笛を作ってるでしょ、当知学区で。

司会:

環境学習の一環で、ヨシで卒業証書を作ったりもされてますね。刈るのがけっこう大変そうですが。(笑)でも、地域の人にとっても、思い入れがあるんですよね。

寺西さん:

ヨシ笛の他にも、いろいろと作る。昔はそういう工場もあった。今はなくなちゃったんだよね。

司会:

ヨシで作ったすだれとか、生活に必要なものを地元で作っていたらしいですね。

こんなに人の思いとか努力があったなんて、米を食べる感覚が変わりますよね。(笑)

 

次章へ続きます。第8章 野菜もありますよ!

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