表紙 なごやか地域福祉2020 第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 名古屋市成年後見制度利用促進計画 令和2年度(2020年度)〜令和6年度(2024年度) 名古屋市・社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 各ページにある四角のコードは、「音声コード」といい、Uni-Voice作成ソフト(JAVIS APPLI)により制作しています。スマートフォンアプリ(Uni-Voice Blind)や視覚障害者用活字文書読み上げ装置により、音声でこの冊子の内容を確認することができます。 はじめに 近年、少子高齢化の進行や単身世帯・核家族世帯の増加等に伴って、暮らしの中で抱える困りごとは、介護、障害、子育て等だけでなく、住まいや就労等、多様化・複雑化し、ときには複数の困りごとを同時に抱えて、1つの分野の福祉サービスだけでは解決できない事例が増えています。また、地域では、人と人とのつながりの希薄化が進み、近所で困りごとを抱えた人の存在に気づくことが難しくなっているとともに、困りごとを抱えた人も、誰にも相談できずに孤立してしまい、必要な支援を受けることができないまま、より深刻な事態に陥ってしまうことが起きています。さらに、これまで地域の行事や助けあい活動を担ってきた方々の高齢化や新たな担い手の不足等により、地域を支える力の弱まりも懸念されています。 私たちは、いま、支える側と支えられる側の垣根を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、助けあいながら暮らしていくことができる地域共生社会の実現を目指し、行動を起こしていかなければなりません。 この「なごやか地域福祉2020」は、そのための方向性と方策を示すものとして、「名古屋市地域福祉計画」と「名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画」を一体的に策定しています。 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害等により、判断能力が十分でない人の権利を守り、生活や財産を法律的に支援する制度です。認知症高齢者の増加等により権利擁護支援を必要とされる方は増加を続けておりますが、成年後見制度の利用者数は微増にとどまっており、制度を必要とする方が必ずしも利用につながっていない状況といえます。このため、支援が必要な人を適切に成年後見制度へつなぎ、人としての尊厳が損なわれることなく、その人らしく暮らし続けていける地域づくりを目指し、「名古屋市成年後見制度利用促進計画」を「なごやか地域福祉2020」と連携して新たに策定しました。 両計画の策定あたり、なごやか地域福祉2020策定懇談会及び成年後見制度利用促進に関する懇談会の皆様をはじめ、多くの方から貴重なご意見をいただきましたことに、心から厚くお礼申し上げます。 令和2年3月 名古屋市長 河村 たかし 本会は、社会福祉法に定められた地域福祉を推進する団体として、使命である「誰もが安心して笑顔で暮らす福祉のまち名古屋の実現」を果たすため、これまで取り組んできた地域福祉の推進に加え、多様な事業展開を図る本会及び区社協の総合力を活かして新たな社会的な課題の解決に向けた取り組みを進めています。 しかし、少子高齢化や単身化、地域・家庭のつながりの希薄化が進むとともに、社会的孤立や近年多発する災害への備えなど、地域の福祉課題は複雑かつ多様化しており、より深刻な状況となっております。こうした中、誰もが地域で安心して暮らしていくためには、地域住民やボランティア、社会福祉法人等の福祉関係者、社会福祉協議会、行政等がより一層連携を強化して地域福祉活動を推進するとともに、分野ごとの縦割りや支え手・受け手の関係を超えて、より多くの皆様が参加するような取り組みを地域ぐるみで展開し、地域への関心を高めていくことがこれまで以上に重要になっています。 「なごやか地域福祉2020」は、このような地域福祉を取り巻く環境の変化等を踏まえ、「なごやか地域福祉2015」に引き続き、市の「地域福祉計画」と本会の「地域福祉活動計画」を一体的に策定したものです。本計画では、地域共生社会の実現を目指し、住民自身が地域の福祉課題を把握し、住民同士のつながりを活かした支えあいの活動により解決していく住民主体の地域福祉活動の推進とともに、住民だけでは解決が難しい課題や、いわゆる8050問題や社会的孤立、制度の狭間から生じる複合的かつ多様化した福祉課題に対応するための包括的な相談支援体制の構築に取り組んでいくこととしました。また、地域福祉の実践活動を行う際のヒントとなるよう地域の多様でユニークな取り組みを「事例」という形で数多く掲載しています。本書をご覧になった皆様が、これらを参考に地域福祉に関心を寄せ、参加いただくことを期待しています。また、すでに地域福祉活動に携わっている皆様については、さらなるお力添えをお願い申しあげます。 最後になりますが、本計画策定にご尽力いただきました座長の長岩先生、小松先生はじめ策定懇談会委員の皆様、多方面からご意見をいただいた方々、アンケートや視察にご協力をいただいた皆様、策定幹事会・ワーキンググループに参加された関係各課の職員の皆様に心から感謝申しあげます。 令和2年3月社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 会長 河内尚明 目次 第一編 なごやか地域福祉2020 第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 第1章 計画策定にあたって …1ページ 1 私たちにとっての地域福祉を考えてみよう!〜地域福祉は身近なもの〜 2 計画の位置付け 3 私たちがつくる地域福祉 第2章 現状と課題 …12ページ 1 私たちの地域をとりまく現状と福祉課題・生活課題 2 私たちの地域における今日的課題 3 連携・協働・ネットワーク体制の問題 4 前計画の評価 第3章 計画が目指すもの …36ページ 1 基本理念 2 基本目標 3 基本目標を実現するために取り組むべき方向性 第4章 課題解決に向けた私たちの取り組みの展開 …40ページ 1 計画の体系 2 具体的な取り組みの展開 ・取り組むべき方向性1 つながり支えあう地域をつくる …42ページ 〜社会的な孤立を生まない地域を目指す〜 ・取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」を支える …60ページ 仕組みをつくる           〜支援を求めている人、手助けが必要な人を支える ・取り組むべき方向性3 地域で活躍する多様な支え手を育む …78ページ 〜「支え手」「受け手」の関係を超えて、誰もが活躍できる 地域を目指す〜             ・3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり …97ページ 第5章 計画の進行管理と評価 …99ページ 参考資料 …101ページ 第二編 名古屋市成年後見制度利用促進計画 …153ページ 第一編 なごやか地域福祉2020 第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 主な略称 この計画では、以下の略称を用います。 名古屋市役所 (略称)市 ※名古屋市と表記した場合は、地名や地域的な範囲を指すものとします。 名古屋市社会福祉協議会 (略称)市社協 区社会福祉協議会 (略称)区社協 アンケート名と説明 この計画で掲載しているアンケート名とその内容は、以下のとおり 市政アンケート 無作為抽出した18歳以上の市民2,000人を対象にしたアンケート調査です。平成30年11月に実施しました。 団体等へのアンケート 地域福祉推進協議会、策定懇談会関係団体、社会福祉法人、NPO法人、ボランティア団体、商店街(名商連会員組合)、企業、市内大学を対象にしたアンケート調査です。平成30年10月〜12月に実施しました。 相談支援機関等へのアンケート 団体等へのアンケートに併せて実施したアンケート調査で、対象は、いきいき支援センター、障害者基幹相談支援センター、地域子育て支援拠点、子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)、エリア支援保育所、民生委員・児童委員です。 1ページ 第1章 計画策定にあたって 1 私たちにとっての地域福祉を考えてみよう! 〜地域福祉は身近なもの〜 (1)「地域福祉」って、なんだろう? 「地域福祉」は、私たちの日常の生活にとても身近なものです。個々の生活環境によって地域との関わり方は異なりますが、誰もが少なからず、生活の拠点として、地域で暮らしを送っています。その普段暮らしているこの地域で、私たちが安心して暮らせるように、一人ひとりがお互いに協力しあうという考え方が「地域福祉」です。ところが、ご近所づきあいが薄れるとともに、地域で課題を解決する力が弱まっていると言われています。このため、かつては家族や親戚、隣近所や知人が助けあって解決していたような困りごとでも、今ではひとりで抱え込んで解決できなくなっている人や世帯があります。このような悩みや不安の一つ一つは、誰もが持ち得るものですが、その数々の問題が積み重なって負担が大きくなることもあります。身近で本当に困っている人がいれば、同じ地域の一員として、その人のことを思いやり、そのうちのいくつかでも、手を差し伸べ、互いに助けあい、支えあって暮らしていくことが大切です。 今、支える側と支えられる側に分かれるのではなく、誰もが役割を持ち、活躍できる地域共生社会の実現が求められています。 地域の誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域社会を目指して、地域の全ての構成員が主体的に関わっていくこと。それが、私たちの目指す「地域福祉」だと考えています。 (2)「地域福祉」を進める主体は誰でしょうか? 地域福祉を進める主体は、私たち地域のすべての構成員です。従前の福祉は、一部の限られた社会的弱者に対して行政及び社会福祉法人が中心となり、経済的な支援や各種の福祉サービスを提供し、セーフティネットとしての機能を果たすことと考えられがちでした。それが時代の変化とともに、普段の暮らしの中にある様々な福祉課題・生活課題を積極的に把握し、地域の問題として対応にあたり、そうした福祉活動を通じて、地域の活性化をも図っていく、福祉をまちづくりと関連付けて積極的に捉えるように変わってきました。 2ページ 近年、「地域のつながりの希薄化」を心配する声が聞かれます。昨今ではさらに高齢者等の「孤立」が社会問題として顕在化しています。加えて、少子高齢化の進展、人口減少、ひとり暮らし世帯の増加、非正規雇用の増加、外国人市民の増加など生活をめぐる環境が大きく変化しています。このような中、各地域や家庭そして、個々人が抱えるニーズ(需要)は多様化しており、その対応は、公的サービス(制度)だけでは十分ではありません。こうした地域の課題に対して、地域を構成する「私たち」全員が手を携えて、互いに役割を分担しながら、解決に当たることが求められており、平成30年4月には、改正社会福祉法が施行されています。 社会福祉法では、以下のように規定されています (地域福祉の推進) 第4条 地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者(以下「地域住民等」という。)は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるように、地域福祉の推進に努めなければならない。 2 地域住民等は、地域福祉の推進に当たっては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護条チア若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止いう。)、保健医療、住まい、就労及び教育に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立その他の福祉サービスを必要とする地域住民が日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保される上での各般の課題(以下「地域生活課題」という。)を把握し、地域生活課題の解決に資する支援を行う関係機関(以下、「支援関係機関」という。)との連携等によりその解決を図るよう特に留意するものとする。 (3)なぜ計画を策定するのでしょうか? これまでに述べてきた地域課題に「私たち」が協力して取り組んでいくためには、先ず現状をしっかり把握するとともに、役割分担を明確にした上で、地域で気づいた課題をともに考え、それぞれが連携・協働しながら主体的に動くというように、地域福祉の方向性を指し示すものが不可欠と言えます。 そこで、本計画は、地域を構成する「私たち」全員を主体として、生活の場である「地域」に着目しながら、私たちが取り組む“連携・協働”の方向性を示すため、市民、地域福祉活動や市民活動の実践者、関係機関・団体等の意見を反映して策定しました。 3ページ 2 計画の位置付け (1)位置づけ 本計画は、市が作成する「地域福祉計画」と市社協が作成する「地域福祉推進計画」とを一体的に策定します。その意義は、地域福祉を推進する上で、市と市社協が果たす役割は極めて重要であり、互いの役割分担を明確にするとともに、計画の策定段階から意見を交換し合うことにより、実現性のある効果的な方針や方策を共有し、連携・協働を図りながら地域福祉を推進していくことにあります。 市社協は、社会福祉法に基づき、地域福祉を推進する役割を担うとともに、様々な福祉関係者による協議体であることを踏まえ、市が実施する地域福祉に関する施策について、幅広い考え方が反映されるよう努め、地域福祉活動がより有効的に取り組まれるよう必要な支援や調整を行います。 市は、こうした市社協の意見や市民、地域福祉に関係する団体等への意見聴取の内容などを踏まえて、地域の実情を取り込みながら、より具体的な支援方策の検討を進めます。 地域福祉計画 地域福祉計画は、市が策定する行政計画であり、地域福祉推進のための市の役割を明確にするとともに、市のあるべき地域福祉の方向性を提示する目的を持っています。平成30年4月の社会福祉法の改正により、第107条第1項第1号及び第5号が加えられ、地域福祉計画の策定にあたっては、これらの事項を盛り込むことになっています。 社会福祉法では、以下のように規定されています (市町村地域福祉計画) 第107条 市町村は、地域福祉の推進に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画(以下「市町村地域福祉計画」という。)を策定するよう努めるものとする。 一 地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組む事項 二 地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項 三 地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項 四 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項 五 包括的な支援体制の整備に関する事項 地域福祉推進計画 名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画は、地域福祉を推進する団体として、市域全体の地域福祉推進の方針や方策を定める目的を持っています。 市社協では、平成6年度に「名古屋市地域福祉推進計画」を策定して以降、第5次計画(平成27年度から31年度までの5か年計画)からは、地域福祉計画と一体的に策定しています。 4ページ (2)計画期間 令和2年度(2020年度)から令和6年度(2024年度)までの5か年とします。 (3)本計画における「地域(圏域)」の考え方 地域福祉を推進する上での「地域(圏域)」は、市・区・中学校区・小学校区(学区)・町内会・自治会、多様な圏域が考えられ、一律に設定できるものではないと考えています。本市では、区政協力委員会、民生委員・児童委員協議会、地域福祉推進協議会等の地域団体が小学校区を基本単位として活動しています。このことから、地域住民を中心に各種の地域団体とともに活動を広げていく場合には、小学校区の範囲を圏域として進めていくことが想定されます。 一方で、町内会・自治会や小学校区等より狭い範囲での活動や、中学校区や区、市といったより広い範囲での活動が適している場合もあり、福祉課題・生活課題の内容や地域の実情に応じて柔軟に重層的な圏域を設定して地域福祉を推進していくことが必要です。活動やサービスが重層的に重なり合う圏域のイメージ図として、市、区、中学校区、小学校区といった圏域において取り組まれている様々な活動を示した円が重層的に重なり合っている図が示されている。 5ページ (4)本計画と他の計画との関係  高齢者、障害者、児童、防災等の個別計画は、それぞれの分野における課題とそれに対応する行政施策の内容や事業量等を設定することに主眼を置いています。一方で、本計画は、市の総合計画となごや人権施策基本方針を基礎として、各福祉分野の個別計画や関係するその他の計画との調和を図りながら策定するとともに、各福祉分野が共通して取り組むべき事項を定めています。このことを前提として、生活の場である「地域」に着目しながら、多様な福祉課題・生活課題、例えば、人と人とのつながりが希薄化し、地域から孤立している人の問題や地域福祉の担い手が不足していることなどの課題に対し、それらの解決を図るための、「私たち」が主体的に関わる地域福祉の基本的方策を示す計画としています。また、本計画では、成年後見制度の利用の促進に関する法律(平成28年法律第29号)に基づく成年後見制度利用促進計画との整合性を図り、連携した取り組みを進めます。本計画と他の計画との関係性を示した図では、各事業ごとに作成されている個別計画、16区地域福祉活動計画や16区役所の区将来ビジョンを下から支えているなごやか地域福祉および名古屋市成年後見制度利用促進計画があり、さらにその基礎となっている総合計画およびなごや人権施策基本方針が示されている。 6ページ (5)SDGsの理念を踏まえた計画の推進 本計画では、本市総合計画と同様に、平成27(2015)年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals。以下「SDGs」という。)の理念を踏まえ、誰ひとり取り残さない持続可能なまちづくりの視点をもって、このSDGsを重要な目標として、市民、企業、NPOなど多様な主体に広く浸透を図り、計画の推進に取り組みます。 (6)人権を尊重した計画の推進 すべての人は、自分らしく人間としての尊厳を持って生きる権利を持っています。しかし、その一方で女性に対する不利益な扱いや暴力、子どもへの虐待やいじめ、高齢者虐待、障害者への偏見や差別等があり、社会的な問題となっています。 また、特定の地域の出身であることやそこに住んでいることなどを理由に、日常生活や社会活動においていわれなき差別や不利益な扱いを受ける等の同和問題(部落差別)も解消されたとは言い難い状況にあります。他にも外国人、自殺者・自死遺族等、HIV感染者やハンセン病患者、刑を終えて出所した人等、ホームレス、犯罪被害者、性的少数者等に対する偏見や差別等の問題もあります。インターネット上では、個人の名誉やプライバシーの侵害等の問題も発生しています。本計画では、特定の人を偏見や差別によって地域社会から排除することのないよう、市民一人ひとりの人権が尊重され、お互いに支えあい助けあえる地域づくりを目指すことを、最も大切な視点に据えて計画を策定しています。 (7)地域ごとの実情に応じた取り組みの推進 各区におけるそれぞれの地域では、年齢構成や地理、生活環境などの違いにより求められているニーズ(需要)が異なり、地域福祉の取り組みもそれぞれに合った内容が望まれます。本計画では、市域全体で推進する地域福祉の方向性を示す一方で、こうした地域ごとの実情に応じた取り組みが重要であると考えています。 各区社協 各区社協では、地域福祉活動計画(以下「活動計画」という。)を策定し、その計画に基づいて、区内における地域福祉の推進を図るための取り組みを進め ており、平成16年度に策定して以降、第4次(令和元年度から5年度までの5か年計画)まで策定しています。この活動計画は、公募した区民や地域の団体・社会福祉事業者等を中心に検討され、区の特性に応じた個性ある地域福祉の推進を目指した内容となっています。 7ページ 事例 各区の特性に応じた地域福祉活動計画の策定 港区では、第4次地域福祉活動計画を策定するにあたり、福祉関係者、専門職、外国籍の人を含めた様々な立場の人が参加し、話し合いが進められました。策定作業は、「高齢者」「子ども」「障害」「多様性」といったテーマを設け、当事者やその分野の専門職からの話を聞くことからスタートし、これによりこれまで他人事に感じていたことが“我が事”に感じられ、分野を超えた連携により解決しようとする“丸ごと”の計画づくりが動き出しました。高齢者や障害者、子ども、国籍にとらわれず、世代や立場を超えて地域で学び、交流し、活躍できる場づくりや、多様な主体が連携して複合的な課題を解決する仕組みづくりを目指す計画が完成し、地域の実情に合わせた取り組みが行われます。 本計画では、こうした区民等の声を反映させるため、16区の活動計画に盛り込まれている目標や方策との整合性を図るとともに、これらを市レベルで支援することを念頭において、全市的な地域福祉の推進策を示す計画として策定しています。また、活動計画の策定及び策定後の取り組みについて、区役所が区社協を支援しながら、引き続き、区役所と区社協が連携・協働することができる体制づくりを進めます。 各区役所 区役所では、最も地域に身近な行政機関として、区民の福祉の向上のために、重要な役割を担っています。区役所では、その役割・方向性を示した「区のあり方基本方針」に基づき、地域の課題解決や区の特性に応じたまちづくりに住民とともに取り組む「住民に身近な総合行政機関」となることを目指すこととしています。また、各区では、「区将来ビジョン」や「区政運営方針」を策定することとし、その中で区の将来像や取組み等について定めていきます。本計画は、こうした各区における取り組みとの整合性を図りつつ、ともに連携して、地域の福祉課題・生活課題を解決するための方策を指し示すものとなることを意図しています。 8ページ 3 私たちがつくる地域福祉 (1)多くの意見を取り入れた計画の策定 社会福祉法が定める地域福祉計画は、市が最終的な責任を負う行政計画ですが、その策定過程において、市民や地域に関わる様々な団体・関係機関の参加や協力がとりわけ欠かせない計画、換言すれば“参加それ自体が地域福祉計画”であると考えています。それは、『社会福祉の基礎となるのは、他人を思いやり、お互いを支え助け合おうとする精神である。その意味で、社会福祉を作り上げ、支えていくのはすべての国民である』(「中央社会福祉審議会社会福祉構造改革について」(中間報告)(平成10年6月))との考えに基づいているからです。このため、本計画の策定にあたっては、より多くの方の意見を反映し、また、協力を得ることができるよう、次記のとおり取り組んできました。 策定段階 アンケート ・無作為抽出による市民の方々へのアンケート調査 ・関係団体や相談支援機関等へのアンケート調査 市民委員の参画 策定委員会の委員として参画し、活発な意見 福祉現場の視察 地域福祉活動を視察し、実情についての意見交換 各区地域福祉活動計画 各区の区民等主体で策定された計画を踏まえた議論 情報公開段階 なごやか地域福祉ニュースの発行 策定状況をお知らせするニュース ホームページでの情報提供 公式ホームページに策定状況を随時掲載 パブリックコメント 幅広い意見を反映させるために実施 地域福祉シンポジウム 計画を周知するためのシンポジウムを開催 これらの段階を通して、市民の意見を取り込みながら計画を策定 9ページ (2)大切な視点 「自助」「互助・近助」「共助」「公助」 地域福祉を推進するためには、「私たち」が、それぞれの役割を果たし、お互いに力を合わせる必要があります。そのためには、次の4つの視点が大切だと考えています。 自助 自分自身や家族でできることは自ら行う。 互助・近助 自助だけでは解決できないことは地域の中の助けあいで解決をする。中でも、「近助」は、より身近なご近所(いわゆる「向こう三軒両隣」)の圏域を前提とした隣近所による助けあいのことをいう。 共助 医療保険・介護保険・年金制度など被保険者による相互扶助で成り立っている制度で解決をする。 公助 セーフティネットである生活保護制度など行政が行う公的なサービスを活用して解決を図る。 この「自助」、「互助・近助」、「共助」、「公助」の4つの視点を福祉課題・生活課題の内容や地域の実情に合った形でバランスよく適切に機能させ、市民をはじめ地域に関わる様々な団体・関係機関、社協、行政等が連携・協働を図り、地域福祉を推進していくことが求められます。 (3)役割分担 地域福祉を推進するためには、「私たち」がそれぞれ置かれた立場や強みを活かした役割を担いながら連携・協働していくことが必要です。 ここでは、「私たち」それぞれの役割について、基本的な考え方をまとめます。 市民の役割 家族や親族、ご近所同士のつながりや思いやりを大切にし、地域で行われる行事や活動に積極的に参加・協力することが大切です。私たちは、地域福祉の成果を享受する受け手になりますが、ときには地域福祉活動に参加することで支え手にもなることができます。日常生活で交わすちょっとした挨拶や活動からの気づき、見守りを通じて、周りで困っている人がいたら、自ら「お互い様」の精神で手を差しのべることが大切です。また、支援が必要になったときのために備えて、日頃から自分自身の生活や健康に目配りをしながら、自分でできることは可能な限り自分で行い、公的サービス(制度)の種類や内容、相談機関等の情報を把握しておくことが必要です。 10ページ 地域活動団体等の役割 地域には、活発に活動している数多くの団体があります。地域住民による地縁的な組織である町内会・自治会や学区連絡協議会、地域福祉推進協議会、老人クラブ、子ども会、女性会、保護司会などが活動しています。また、地域の様々な分野でキーパーソンとして中心的な役割を担っている区政協力委員、民生委員・児童委員、保健環境委員も幅広く活動をしており、地域の身近な存在として、地域に根ざしたきめ細かな活動を進めていくことが期待されます。加えて、身体障害者相談員・知的障害者相談員も障害者の相談に応じ、必要な支援を行っています。また、地域で活動するボランティアグループやNPO、協同組合も地域の構成員として、地域福祉活動の担い手となり、ときには、その専門性を発揮し、これまで以上に活躍が期待されます。 社会福祉法人の役割 社会福祉法人は、高齢者、障害者、児童等の各分野において、優れた専門機能を有し、豊富なノウハウや人材、これまで培われた経験を併せ持つことから、法人が行う既存の福祉サービスに加えて、地域の様々な福祉課題・生活課題の解決に向け、より積極的な関与・実践が期待されます。また、社会福祉法においても、社会福祉法人の地域における公益的な取り組みが求められています。 個々の商店や商店街・事業所・企業・大学等の役割 個々の商店や商店街、喫茶店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等は、地域住民にとって身近な生活利便施設です。また、介護・障害・保育等の各サービスを提供する事業所は、公的保険・福祉制度の一翼を担い、良質なサービスを効率的に提供していく役割を担っています。加えて、地域に拠点を置く企業や大学などの教育機関も、地域を構成する重要な一員です。それぞれが、そのノウハウや専門性を活かし、地域福祉の支え手として、より積極的な関わりが期待されます。 11ページ 社会福祉協議会(社協)の役割 社協は、地域の中の様々な福祉課題・生活課題の解決に向けて、住民と地域にある住民組織、ボランティア団体、社会福祉施設、NPO法人等の関係者及び行政と協力して活動を進めている団体です。全国、都道府県、政令指定都市、市区町村で組織されており、名古屋市にも名古屋市社会福祉協議会と各区に区社会福祉協議会が設置されています。市・区社協は、社会福祉法に「地域福祉の推進を図ること」を目的とする団体として位置づけられていることを踏まえ、地域福祉の「推進役」としての役割を果たします。地域住民の福祉への関心を高め、その自主的な取り組みを基礎とした活動を進めるとともに、公共性・公益性の高い民間団体としての特性を活かし住民のニーズ(需要)に柔軟に対応します。 また、様々な福祉関係者による協議体であることから、そのネットワークを活かした活動を進めるとともに、多様な意見やニーズ(需要)を集約し、地域住民や他の民間団体・企業等と市との「調整役」を果たします。 社会福祉法では、以下のように規定されています (市町村社会福祉協議会) 第109条 市町村社会福祉協議会は、一又は同一都道府県内の二以上の市町村の区域内において次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であって、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が参加し、かつ、指定都市にあってはその区域内における地区社会福祉協議会の過半数及び社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が、指定都市以外の市及び町村にあってはその区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとする。 一  社会福祉を目的とする事業の企画及び実施 二  社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助 三  社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成 四  前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業 市(行政)の役割 市は、基礎的自治体として、住民の生命・財産・暮らしを守り、住民に最も身近な行政機関として、福祉・保険、保健・衛生、教育・文化、環境・ごみ、住宅・街づくり、道路・公園、上下水道、消防・防災、交通など住民の日常生活に直接関わる分野で、良質な行政サービスを提供し、福祉基盤のさらなる充実や地域福祉を推進するための仕組みづくりなど重要な役割を担っています。一方で、行政だけでは解決しえない今日的課題が顕在化しており、社会福祉法第6条の責務を踏まえ、地域住民や社協、関係団体等が積極的に連携して、ともに解決策を考えることができる仕組みづくりに取り組みます。 社会福祉法では、以下のように規定されています (福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務) 第6条 国及び地方公共団体は、社会福祉を目的とする事業を経営する者と協力して、社会福祉を目的とする事業の広範かつ計画的な実施が図られるよう、福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。 2 国及び地方公共団体は、地域住民等が地域生活課題を把握し、支援関係機関との連携等によりその解決を図ることを促進する施策その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めなければならない。 12ページ 第2章 現状と課題 1 私たちの地域をとりまく現状と福祉課題・生活課題 (1)つながりの希薄化と地域からの孤立の問題 いま何が課題となっているのか。 ・地域での住民同士のつながりが薄れてきている、という認識が定着し始め、あらゆる世代において社会的孤立が広がっています。 ・つながりの希薄化や社会的孤立は、孤立死、消費者契約のトラブル、生活困窮、ごみ屋敷、虐待などと結びつき、事態を複雑化、深刻化させる要因として社会問題となっています。 ・地域住民が生活課題に気づき、支え合うことができる住民主体の仕組みづくり、専門職や関係団体との連携が求められています。 地域でのつながりの希薄化が進行 市政アンケートの結果【表1】によると、現状としては8割を超える人が「人と人とのつながりが薄い」という認識を持っています。うち、「以前からつながりは薄い」と回答している人の割合が前回調査(平成25年度)より大幅に増えていることから、地域のつながりの希薄化がますます進行していくことが危惧されます。 【表1】市政アンケート結果 問 あなたは、ご近所(町内程度)の「人と人とのつながり」は、どのようになっていると思いますか。(○は1つだけ) 選択肢 つながりが薄いという認識 今回調査84.2%、前回調査83.0% うち「つながりが薄れてきている」今回調査43.7%、前回調査68.2% 「以前からつながりは薄い」今回調査40.5%、前回調査14.8% 一方で、市政アンケートの結果【表2】によると、「困ったときにお互いに助け合う」程度の近所つきあいが望ましいと回答した割合が最も多く、こうした現状よりもつながりを深めていきたいと考えている人が具体的に行動を起こすことができるように支援していくことが必要です。 13ページ 【表2】市政アンケート結果 問 あなたは、ご近所(町内程度)の人と、どのようなつきあいをしていますか。(○は1つだけ)<現状と望ましい程度の比較> 選択肢「困ったときにお互いに助け合う」現状8.0%、望ましい程度39.3% 選択肢「助け合うまではいかないが、親しく話をする」現状14.2%、望ましい程度21.3% 選択肢「たまに立ち話や世間話をする」現状19.7%、望ましい程度14.8% 選択肢「顔があえばあいさつをする」現状46.3%、望ましい程度20.4% 選択肢「ほとんどつきあいはない」現状9.6%、望ましい程度2.5% 世帯構造の変化と社会的孤立 平成27(2015)年10月1日現在、単身世帯は44万6,311世帯で、令和7(2025)年には、約49万7,000世帯になると推計されています。また、核家族世帯も同じく令和7(2025)年には、約56万3,000世帯と推計されており、全世帯数の推計である約111万7,000世帯のうち、単身世帯と核家族世帯の割合が94.9%と多くの割合を占めることになります。 名古屋市の総人口及び一般世帯数の推移を表すグラフから、2025年に向け今後も単身世帯と核家族世帯の増加が見込まれています。 14ページ 社会的孤立は、世帯構造の変化に起因するだけではなく、差別や偏見があったり、情報が行き届いていないことがあったり、障害特性の理解が不足していることによる社会的障壁によって、障害者の自立や社会参加が制限されることも原因となっています。また、日中の多くを学校で過ごす中高生や長い期間勤めた会社から退職した男性等の中には、日頃地域との関わりが薄く、地域への参加のしづらさを抱えている人もいます。 つながりの希薄化や社会的孤立がもたらす問題 地域でのつながりの希薄化や社会的孤立は、日常生活を支えている家族や近隣などの互助的な助けあいの仕組みからはずれてしまう恐れが高くなり、日常生活を送るのに多くの困難をもたらすことにつながります。介護にまつわる状況が引き起こす孤立やワンオペ育児と呼ばれている子育て世帯の孤立、ニートやひきこもりといった若年層から中高年層に広がる孤立、地域との関わりを拒否する人の存在、生活保護に至る前の経済的に生活が困窮している人等の問題も顕在化しています。 こうした社会的孤立の実態は、虐待、孤立死、消費者被害トラブル、ごみ屋敷、災害発生時の避難行動要支援者支援、生活困窮などの社会的な課題に密接にかかわっており、事態を複雑化、深刻化させる要因ともなっています。 また、単身世帯や高齢の親と子世代等から構成される世帯からの相談も多くなっています。 名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター相談実績から、この3年間の相談件数が増加しており、相談者は単身世帯の人が最も多い。 15ページ 身近な圏域での活動組織による地域に根差した活動の推進 名古屋市内のすべての小学校区に設置されている地域福祉推進協議会は、誰もが安心して暮らせるまちを目指して、住民が主体的に福祉活動を進めていくための組織です。地域のニーズ(需要)を的確に把握し、地域に根差した地域福祉活動を進めるには、住民主体の地域密着型である活動組織が必要です。 地域福祉推進協議会 <主な構成団体> 民生委員・児童委員、区政協力委員、保健環境委員、老人クラブ、女性会、子ども会、ボランティア、その他の福祉団体など <主な活動内容> 住民の福祉に対する意識を高める(広報紙の発行等) 住民の相互理解を深めるための交流(世代間の交流行事、ふれあい給食サービス、ふれあい・いきいきサロン活動等) 住民の困りごとの把握(住民福祉座談会等) さり気ない見守りや身近な場所での相談窓口、手助けを必要とする住民への支援(ふれあいネットワーク活動、地域支えあい事業等) 地域課題を受け止め、取り組むことができる住民主体の仕組みづくりと専門職や関係団体との連携 地域福祉活動を行っているボランティアグループやNPO、民生委員・児童委員などの団体等へのアンケート【表3】によると、社会的孤立を防止するためには、対象となる人の情報の把握、地域住民による日常的な見守りや助け合い活動が求められています。 【表3】団体等(商店街・企業・大学を除く。)アンケート結果 問 地域において社会的孤立を防止するために何が必要だと思われますか。(○は3つまで)(上位3件) 選択肢「閉じこもりがちな人や孤立しがちな人(世帯)の情報の把握」51.5% 選択肢「地域住民による日常的な見守り、助け合い活動」44.8% 選択肢「直接訪問するなどの支援を行う専門職員の配置」38.3% 16ページ 一方で、同アンケート【表4】の社会的孤立を防止する取り組みの障壁として、個人情報保護の高まりやつながりの希薄化により対象者が把握しづらいこと、見守りを拒否する人への対応が難しいことが多く挙げられています。 地域福祉活動の推進のためには、個人情報を適切に共有していくことが大切です。個人情報を取り扱うためのルール作りについて検討する作業過程も地域福祉活動の一環として捉え、個人情報への過剰な反応により、地域住民の安心や命に関わる活動が妨げられないようにすることが大切です。 【表4】団体等(商店街・企業・大学を除く。)アンケート結果 問 社会的孤立を防止するために、見守り活動などの取り組みを行うとしたら、どのような障害や問題点があると思われますか。(○は3つまで)(上位3件) 選択肢「個人情報保護の意識の高まりにより、対象者の把握が難しい」62.0% 選択肢「地域のつながりが薄れ、対象者の把握が難しい」43.4% 選択肢「見守りを拒否する人への対応」33.5% こうした課題を踏まえつつ、地域の困りごとを住民同士が協力して解決する力を高めるには、身近に相談できる人や場所の存在、福祉に関する意識の醸成、元気な高齢者が担い手となる取り組み、といった仕組みが必要とされていることが団体等へのアンケート【表5】から分かります。 【表5】団体等アンケート結果 問 地域の困りごとを住民同士が協力して解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで)(上位5件) 選択肢「身近に相談できる人や場所の存在」43.6% 選択肢「地域住民の福祉意識を高めるための取り組み」35.5% 選択肢「元気な高齢者が担い手となるための取り組み」33.5% 選択肢「地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくり」33.2% 選択肢「地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信」28.2% さらに、住民が安心して地域の生活課題を把握し、地域に根差した地域福祉活動を進めるためには、地域団体やボランティア・NPOとの顔の見える関係づくりや、ニーズに対応する団体の情報を住民が得られることなど、住民だけでは解決が困難な問題に対しては、専門職員の配置や専門機関との連携が求められています。なお、これまでの地域福祉の推進においても、地域の実情により取り組み状況等に差が生じています。こういった状況を踏まえ、住民の主体的な活動の推進においては、地域ごとの差を踏まえてどのように支援していくかが今後の課題となります。 17ページ (2)支援が必要な人と必要な支援が結びついていないことの問題 いま何が課題となっているのか。 ・公的サービスや相談窓口の利用にたどり着くことができない人や必要な支援を受けることを拒否する人がいます。 ・複合的な課題等を抱えている人や世帯に対しては、1つの分野の制度を当てはめただけでは解決できないことが課題となっています。 ・判断能力が不十分な人の意思決定を尊重した支援や虐待や暴力に対する予防、早期発見や相談支援に関する取り組みが求められています。 公的サービスや相談窓口にたどり着けない人への支援 名古屋市には各種多様な公的サービス(制度)がありますが、これらのサービスを適切に提供する体制が整っていたとしても、サービスの利用にたどり着くことができない人がいます。例えば、様々な課題を抱えており、どこに相談してよいかわからない人、利用できるサービスが分からない人などが考えられます。また、閉じこもって誰とも会おうとしない人や自身が抱えている問題を改善する意欲を失い、支援の手を差し伸べようとしてもそれを拒否する人(セルフネグレクト)もいます。 【表6】市政アンケート結果 問 あなたは、今までに自身や家族の福祉に関する困り事について、相談することのできる窓口や機関がわからなかったことがありますか。(○は1つだけ) 選択肢「ある」22.6% 選択肢「ない」23.6% 選択肢「困りごとがなかった」49.5% 【表7】問 あなたは、以下の困り事を抱えたことがありますか。(○はいくつでも) 選択肢「福祉に関する困り事はあるが、相談できる身近な人がいない」4.4% 選択肢「福祉に関する困り事はあるが、誰にも相談する気になれない」3.0% こうした人たちにも支援を届けるには、既存の相談窓口や利用できるサービスを分かりやすく周知するだけではなく、地域に身近な相談窓口を開設するなどの多様な相談体制づくりや、訪問による支援など、解決の糸口がつかめるまで寄り添うことができる支援体制などが求められます。 18ページ 複合的な課題等を抱えている人や世帯への支援 高齢者、障害者、子育てという対象別の枠組みだけでは、解決できない問題として、介護と育児に同時に直面していたり、介護が必要な高齢者と障害児の同居世帯で世帯全体への支援が必要な場合や高齢の親と就労していない子が同居しており、経済的な困窮も重なって状況が複雑化しているなど、1つの分野の制度を当てはめただけでは解決できない問題もあります。 【表8】市政アンケート結果 問 あなたは、以下の困り事を抱えたことがありますか。(○はいくつでも) 選択肢「介護と育児の両方をしなくてはならず負担に感じる」3.5% 選択肢「高齢の親の世話をしており、自身も障害(身体的、精神的等)がある」3.1% 選択肢「障害児(者)の世話をしており、自身も年を重ね対応が難しくなってきている」2.8% 選択肢「上記1〜3に加え、経済的な問題を抱えている」1.9% このため、支援を必要としている人の立場に立って、相談支援機関が連携し状況に応じた適切な支援を届けることや対象別・分野別などの既存の枠組みを超えた問題を包括的に支援する取り組みが求められています。しかし、こうした複合的な課題を抱えている人や世帯を支援するためには、各相談支援機関のアンケート調査の結果【表9】でも、「本来業務の範囲を超える」「対応できるサービス等の情報がない」などの課題が認められており、簡単なことではありません。 【表9】相談支援機関等(いきいき支援センター・障害者基幹相談支援センター、地域子育て支援拠点・子育て総合相談窓口・エリア支援保育所の合算)へのアンケート結果 問 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも)(上位3件) 選択肢「本来業務の範囲を超えるものであること」35.3% 選択肢「対応できるサービス・活動する団体の情報がないこと」33.2% 選択肢「世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないこと」32.1% 19ページ このような課題に対して、複数の相談支援機関が連携しながら、分野を超えた支援を提供するには、「複数の関係機関をコーディネートする機関の設置(人の配置)」「相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置」が必要であるとのアンケート結果【表10】もあり、専門職の配置やネットワーク構築など必要な体制の整備が求められています。 【表10】相談支援機関等(いきいき支援センター・障害者基幹相談支援センター、地域子育て支援拠点・子育て総合相談窓口・エリア支援保育所の合算)へのアンケート結果 問 他分野の相談や複合的な課題に対し、各相談支援機関が連携して支援にあたるために必要なことは何ですか。(○は3つまで)(上位3件) 選択肢「複数の関係機関をコーディネートする機関の設置(人の配置)」67.6% 選択肢「相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置」55.2% 選択肢「複合的な課題や支援につながっていない世帯等に対し積極的な訪問等を行う機関の設置(人の配置)」51.7% また、各区の地域福祉活動計画では、複雑で多様な課題を地域で把握し、地域住民と専門機関である相談支援機関とが話し合いの場を持ちながら、必要な対応につなげることにより、地域の問題解決力を高めていく取り組みが求められています。 20ページ 判断能力が不十分な人などの権利侵害 障害や認知症などの理由により、判断能力が不十分であると、生活上の困りごとが生じても、自分でそれを解決する方法を見出すことが困難な場合が多く、また、財産の侵害などを受けるといったケースも少なくありません。近年、こうした問題に社会的孤立の問題が重なり、高齢者等の消費者被害が増加し、被害額も高額になってきています。また、多重債務など消費者トラブルに巻き込まれる背景には、生活困窮の問題が絡んでいる場合もあります。 高齢者、障害者、児童に対する虐待や配偶者に対する暴力 日頃からの近所づきあいの中で、困ったことを相談し合ったり、相談先の情報を交換したりすることが、虐待や暴力の予防になることもあります。しかし、地域のつながりの希薄化や核家族化の進行に伴い、身近に介護者や子育て中の親をサポートする者が少なくなっている中、高齢者、障害者、児童に対する虐待の危険性が高まっています。また、配偶者からの暴力によって重大な人権侵害が発生している問題も起きています。団体及び相談支援機関等へのアンケート結果【表11】では、虐待の問題を抱えている人や世帯を社会福祉法人・NPO法人や子育て支援機関等、民生委員・児童委員が多くの割合で把握していることが分かります。このような問題を地域で発見した場合には、迅速に適切な相談窓口や支援につなぐことが必要となります。 【表11】団体(商店街・企業・大学を除く。)及び相談支援機関等へのアンケート結果 問 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問Jを抜粋) 選択肢J虐待の問題を抱えている人や世帯、回答割合 社福・NPO 23.3%、子育て支援機関等(※2)22.3%、民生委員・児童委員 20.9% ※1 把握数210のうち主体別の割合 ※2 子育て支援機関等(地域子育て支援拠点、子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)、エリア支援保育所) 21ページ (3)地域福祉活動への参加とキーパーソン等の負担の問題 ・地域福祉活動に参加する人を増やしていく必要があります。 ・地域福祉活動の中心として活躍しているキーパーソンをはじめとした一部の活動者に負担が集中しています。 身近な地域への関心 地域のつながりが薄くなっている中、そのつながりを強め、助けあい支えあえる地域をつくるためには、身近な地域に親しみ、地域での活動に積極的に参加しようといった意識の醸成がこれまで以上に必要とされています。団体等へのアンケートの結果【表12】では、活動メンバーや運営スタッフが不足していたり、固定化している現状が把握されていますが、これに対して、地域のために活動をしたいと思う人を増やすには、身近な地域のことを知るとともに、福祉への関わりや関心の薄い人たちを巻き込み、多様性への理解が広がるような働きかけが必要です。地域で活動をしている様々な団体などや地域の行事、活動の予定・実績等地域のことを知ることで、地域に親しみが持てるようになり、具体的に手助けの必要な人がいることを適切に知ることで、支え手として手を挙げるきっかけが生まれます。また、16ページの団体等へのアンケート結果【表5】では、住民同士が協力して解決する力を高めるためには、「地域住民の福祉意識を高めるための取り組みが必要」という回答割合が35.5%となっており、福祉と接点がない人に関心を持ってもらえるような取り組みが求められています。 【表12】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 活動をするときにどのような障害や問題点がありますか。(複数回答可) 選択肢「活動メンバーや運営スタッフが不足している」全体49.1%、社福・NPO55.6%、ボランティア57.8% 選択肢「活動メンバーや運営スタッフが固定している」全体34.4% 、推進協58.0% 22ページ あらゆる世代・多様な主体への働きかけ  地域福祉の活動に新たに参加する人や団体を呼び込むためには、あらゆる世代・多様な主体から広く参加を募る効果的な仕掛けが必要となります。 【地域住民による助けあい活動への参加促進】 地域で行われている様々な地域活動団体やボランティアグループ、NPOによる多様な助けあい活動に、地域住民が参加するきっかけとなる機会を増やす仕掛けが必要です。 【若者への参加促進】 将来の支え手を育てていく視点から、引き続き若者の活動の促進や大学等学校の理解や協力を得るための積極的なアプローチを行っていく必要があります。 【生涯現役を目指す取り組み】 元気な高齢者を積極的に支え手として位置付けて社会参加を促し、このことを通じて、高齢者の生きがいを高め、介護予防につなげていく取り組みが求められています。高齢者等が地域活動に参加しやすい仕組みづくり・環境づくりが重要な課題となっています。 【社会福祉法人の地域貢献】 平成28年4月1日、「社会福祉法等の一部を改正する法律」が施行され、社会福祉法人の地域における積極的な地域貢献が求められています。こうした国の動向を踏まえ、社会福祉法人は、地域における公益的な取り組みを実施する必要があります。 【個々の商店や商店街、企業、事業所、大学等も支え手に】 計画の策定にあたって実施した団体等(商店街・企業・大学)へのアンケート調査【表13】では、多くの団体が「地域との関わりをつくっていきたい」と回答しており、こうした意向をどう地域福祉の取り組みに活かしていくかが課題です。地域で活動している個々の商店や商店街、企業、介護・障害・保育等の各サービスを提供する事業所、大学などは、同じ地域で暮らす住民の生活にとって欠かすことのできない存在であり、多くの商店街等が子どもや高齢者の見守り活動、地域の防災・防犯活動等に参加・協力しています。地域福祉の重要なパートナーとして、今後どう関わりを深めていくか、検討していく必要があります。 23ページ 【表13】団体等(商店街・企業・大学)へのアンケート結果 問 貴法人(組合)では、地域との関わりについて、どのようにお考えですか。(○はいくつでも)(上位3件) 選択肢「地域で催される祭りなどの行事に参加する等、地域との関わりをつくっていきたい」69.7% 選択肢「地域住民が行う福祉的な活動に、必要な場所や物を提供していきたい」28.1% 選択肢「例えば、配達の最中に見守りを行うなど、日頃の本来業務に付随して貢献できることがあれば、協力をしていきたい」25.8% また、下記団体等へのアンケート結果【表14】から、社会貢献活動等の観点をふまえ、支援を必要としている地域や内容の情報提供が最も必要とされています。そのため、地域の情報を提供することで、地域福祉の関心を高め、活躍する機会づくりにつなげることが求められます。 【表14】団体等(商店街・企業・大学)へのアンケート結果 問 地域活動や社会貢献活動などを行う上で、どのような支援があればよいと思いますか。(○はいくつでも)(上位3件) 選択肢「支援を必要としている地域や内容の情報提供」51.7% 選択肢「活動を行っている法人同士の情報交換会の開催や事例集等の作成」44.9% 選択肢「地域福祉全般のニーズや国の動向等がわかる研修会等の開催」16.9% 参加しやすい活動の参加条件や環境の整備 近年の定年年齢の引き上げや共働き世帯の増加により、これまで地域福祉活動などに中心的に関わっていた支え手(シニア世代や主婦層など)が活動に参加することが難しくなることが想定されます。市政アンケート結果の、地域での活動に関する意向を尋ねた設問では、48.1%が「条件や環境が整えば参加したい」と回答しており、参加条件の工夫や、ボランティア等を必要とする側に関する情報提供のあり方やマッチング方法などの環境整備が課題です。 24ページ キーパーソン(中心となる支え手)等の負担感の問題 地域福祉活動の中心となって取り組んでいる、いわゆるキーパーソンには、町内会・自治会の役員やボランティアグループ、NPOなどのメンバーから、行政が委嘱した区政協力委員、民生委員・児童委員、保健環境委員までその立場は様々です。そのキーパーソンをはじめとした一部の活動者に負担が集中していると言われており、なり手が見つからないなどの問題が指摘されています。また、下記団体等へのアンケート結果【表15】から、活動意欲や活動に対する理解が得られない状況の中、中心となって活動しているキーパーソンに過重な負担が集まってしまうという実態が予想されます。 【表15】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 団体が活動を行う時にどのような障害や問題点があると思いますか。(○は3つまで) 選択肢「活動に対する地域住民の理解が不足している」17.6% 選択肢「活動メンバーや運営スタッフの活動意欲の維持が難しい」12.7% 複雑化・多様化する地域の福祉課題・生活課題への対応が求められる中、下記団体等へのアンケート結果【表16】からは、キーパーソンや活動者を支える専門的な助言や支援を行うことのできる体制づくりが求められています。 【表16】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 選択肢「専門機関(専門職員)のアドバイス」15.8% 選択肢「活動者への研修等の開催」9.0% 25ページ 民生委員・児童委員 民生委員・児童委員は、住民の抱える福祉に関する様々な困りごとに対して、地域の身近な相談役として活動するボランティアで、市内で約4,300 名の方が厚生労働大臣から委嘱されています。民生委員・児童委員は、自らも地域住民の一員として、それぞれが担当する区域において、住民の生活上の様々な相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たすとともに、高齢者、障害者、子育て世帯等の見守りなどにも重要な役割を果たしています。また、自主活動として実施している「ひとり暮らし高齢者をあたたかく見守る運動」では、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯を訪問し、相談などを行っていますなお、民生委員・児童委員の一部は、子どもや子育てに関する支援を専門に担当する者として、厚生労働大臣により「主任児童委員」に指名されています。区域を担当する民生委員・児童委員と連携しながら子育ての支援や児童健全育成活動などに取り組んでいます。 活動の場所や活動資金の問題 地域福祉活動を行うための場所や活動資金を確保することが、キーパーソンや活動者にとって負担の一つになっています。これは、今回、計画の策定作業に伴って視察を行った地域福祉活動の現場や団体等へのアンケート結果からも伺えます。団体等へのアンケートの結果【表17】では、団体の種別によって意識の程度の差はみられますが、活動を行う場所を探したり、活動資金を手立てすることに苦労している団体のキーパーソンがいます。 【表17】団体等(商店街・企業・大学を除く。)へのアンケート結果 問 団体が活動を行う時にどのような障害や問題点があると思いますか。(〇は3つまで) 選択肢「活動資金の調達に苦労している」推進協12.4%、社福法人21.6%、NPO47.8% 選択肢「活動場所の確保が難しい」推進協7.8%、社福法人17.0%、NPO13.7% 26ページ 地域福祉活動等の現場視察より 本計画の策定にあたっては、地域福祉活動等の現場を訪問し、活動者の方々と意見交換を行いました。 住民の地域福祉活動、訪問先:マンナMANNA子ども食堂、45ページ参照 地域防災の取り組み、訪問先:陶生町街角オープンカフェ、57ページ参照 相談支援機関、訪問先:名古屋市仕事・暮らし自立サポートセンター金山、68ページ参照 住民の地域福祉活動、訪問先:平針南学区地域福祉推進協議会、81ページ参照 男性のボランティア、訪問先:ボランティアグループまごの手、85ページ参照 若者のボランティア、訪問先:竹の子ボランティアサークル、84ページ参照 本計画では、活動現場から分かった次の実態を踏まえて策定しています。 「マンナMANNA子ども食堂」においては、子ども食堂の開催を通じて学区や地域団体、企業等とのつながりをつくり、多様な主体と連携・協働しながら運営されていました。引きこもりや障害のある子、外国人の子も含め広く受け入れており、地域の重要な拠点の一つとなっていました。また、「街角オープンカフェ」を実施する陶生町の町内会では、多様な活動を行うことで地域のつながりを深め、新たな支え手の発掘に結びついていることが分かりました。 「仕事・暮らし自立サポートセンター金山」では、様々な課題を複合的に抱えている人や世帯からの相談が増えている実情を伺い、専門機関同士や地域住民と専門職との間を調整する機能や対象世帯に寄り添って伴走するような支援が必要であることなどの議論を行いました。 「平針南学区地域福祉推進協議会」では、学区で行う様々な活動の実績や行事など地域に関する情報を住民に広く周知することにより、地域のことを知る人を増やし、ときには参加を得ながら、活動を広げていく仕組みがつくられていました。また、シニアの男性たちによるボランティアグループ「まごの手」では、これまでの自分の経験や技術を活かした活動を行い、利用者に喜んでもらえることが活動の励みや生きがいとなっていました。一方で、中高生による竹の子ボランティアサークルが主催する「八社ちいきの食卓わいわい食堂」では、中高生も、周囲の大人たちの支援があれば、地域の活動で、十分に活躍できることが確認できました。 27ページ 2 私たちの地域における今日的課題 本項では、前項1で記載した課題以外に、特に取り組むべき今日的な課題である「包括的な相談支援体制の構築」、「多様なニーズへの対応」、「大規模災害」を取り上げます。 (1)包括的な相談支援体制の構築 これまで本市においては、地域住民等による交流活動や助けあい活動を積極的に支援するとともに、高齢者・障害者・子育て世帯等への対象別・分野別に特化した相談支援機関を設置し、それぞれの問題に応じて専門的な対応をしてきました。しかし、18ページの市政アンケートの結果【表8】でも確認された同時に複数の問題が生じて、複雑に絡み合った課題を抱えた人や世帯を支援するためには、各機関がそれぞれの範囲を対応するという仕組みだけでは、中には取り残されてしまう人や世帯があるため、その隙間を埋める仕組みの構築が必要です。本市では、医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、在宅医療・介護連携、認知症施策、介護予防、生活支援、住まいが包括的に確保される体制、すなわち「地域包括ケアシステム」の構築を進めてきました。また、仕事や家計、家族関係など生活上の様々な課題を抱える生活困窮者に対し、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談、就労準備、家計改善などの各種支援を包括的に提供し、生活困窮者の自立に向けた支援を実施してきました。こうした中、複数の困りごとを同時に抱えていたり、多様なニーズが複雑に絡み合って解決が難しくなっている人や世帯を支援する「包括的な相談支援体制の構築」が求められています。これまで進めてきました「地域包括ケアシステム」の理念を普遍化し、「生活困窮者自立支援制度」の取り組みをより一層進めつつ、これらの適用をさらに広げた支援体制の構築を検討していく必要があります。 28ページ (2)地域でともに暮らす人の多様なニーズへの対応 ひとり暮らし世帯の増加、非正規雇用の増加、外国人市民の増加など生活をめぐる環境が大きく変化する中、生活していく上で生じる課題は、介護、障害、子育て等にとどまらず、住まいや就労など「暮らし」の全般に及んでいます。これらの困りごとの一つ一つは、日常生活の全般にわたる種々様々なことですが、ときには深刻な福祉課題につながることもあります。アンケート調査の結果【表18】でも、地域の福祉活動者や相談支援機関等がこうした多様なニーズを抱えた人や世帯を把握した場合、「自ら支援した」り、他の支援者に「つないだ」りしていることが伺えます。一方で、そのうち「支援できなかった」場合も一定みられており、こうしたケースを支援の中につないでいく取り組みが求められています。 【表18】団体(商店街・企業・大学を除く。)及び相談支援機関等へのアンケート結果 問 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問ABDEFGIKMを抜粋) A高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯 把握状況ある218件、ない462件、自ら支援した38.1%、他につないだ68.8%、支援できなかった15.6% B高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人 把握状況ある167件、ない500件、自ら支援した41.9%、他につないだ73.1%、支援できなかった16.2% D支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯 把握状況ある272件、ない397件、自ら支援した31.4%、他につないだ68.6%、支援できなかった25.1% E生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯 把握状況ある273件、ない394件、自ら支援した25.3%、他につないだ87.2%、支援できなかった6.6% F住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯 把握状況ある178件、ない487件、自ら支援した42.1%、他につないだ65.2%、支援できなかった16.3% G精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人 把握状況ある190件、ない476件、自ら支援した44.7%、他につないだ69.5%、支援できなかった16.8% I判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯 把握状況ある150件、ない519件、自ら支援した37.3%、他につないだ82.7%、支援できなかった8.7% K刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人 把握状況ある76件、ない590件、自ら支援した57.9%、他につないだ56.6%、支援できなかった13.2% M外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人 把握状況ある99件、ない566件、自ら支援した57.6%、他につないだ53.5%、支援できなかった16.2% 29ページ (3)大規模災害に備える地域ぐるみの取り組み 南海トラフを震源とする大規模な地震の発生が懸念されており、名古屋市においても人的な被害や建物の被害など大きな被害が想定されています。また、近年、平成30年7月豪雨を始め、全国的に集中豪雨が多発しています。なお、内閣府は、平成30年7月豪雨の教訓を踏まえ、風水害においては、自治体等からの防災情報を5段階の警戒レベルを用いて提供することで、とるべき行動を直感的に理解しやすいものとし、住民が自らの判断で避難行動をとることを行政が支援することを示しました。市では、災害による死者が発生しない、迅速な災害対応により被害が拡大しない、助かった命が守られ、社会経済活動が早期に再開されるという姿をめざし、「名古屋市災害対策実施計画」策定などの施策を進めてきました。 本計画と防災関係計画との関係 市においては、市域における防災対策の基本的な計画として、名古屋市防災会議において「名古屋市地域防災計画」を定めています。その個別計画として、近年の潮流・課題を踏まえ、本市が実施すべき災害対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「名古屋市災害対策実施計画」を策定しています。本計画は、これらの計画の内容をもとに、地域福祉の視点から特に対応や配慮が必要と思われる課題と方策を示しています。 命を守るための助け合いの仕組みづくり 災害が発生し、又は災害が発生するおそれがあるときに、日頃から近隣の住民同士が顔を知りあっていなければ、安否を確認することや声をかけ合って避難することが難しくなり、高齢者や障害者等の支援を要する人たちに手を差し伸べることもできない状況が想定されます。こうした災害への備えには、日常的な地域のつながりや必要な支援を届ける仕組みなど、地域福祉の推進そのものを基礎として、災害が発生したときのための助け合いの仕組みを構築しておくことが必要です。市政アンケートでは、地域で問題になっていることとして、「災害時の対応や防災」と回答した割合が最も多く、地域住民の災害に関する問題意識の高さを明確に表す結果となっています。 30ページ ●避難生活での二次的な被害の発生を防ぐ対応 東日本大震災等の大規模災害では、災害による負傷の悪化又は避難生活等における身体的負担による疾病により死亡する災害関連死が発生しており、こうした二次的な被害をいかに防ぐかが課題とされてきました。災害発生後の避難所生活や在宅避難生活での厳しい生活環境が、その後の健康状態にも影響を及ぼすといわれています。高齢者、障害者、乳幼児等には、より福祉的な配慮が必要とされることの理解を地域ぐるみで進め、避難所等での取り組みに活かしていくことが必要です。また、早期のライフラインの復旧等、避難所等の環境整備・改善が重要であるとともに、刻一刻と変化していく保健・医療・福祉のニーズ(需要)を的確に把握し、支援に迅速に結びつけていく対応が、より強く求められています。 31ページ 3 連携・協働・ネットワーク体制の問題 本章で取り上げたどの課題に関係するものとして、連携・協働・ネットワーク体制をいかに強固なものにしていくかという課題があります。 顔の見えるつながりと地域・分野を超えた連携・協働 18ページの相談支援機関等へのアンケートの結果【表9】では、「援助を求められ、対応できなかった場合の原因は何か」という設問に対し、「対応できるサービス・活動する団体の情報がない」との回答が33.2%と高い割合でした。これは、援助を求められた事柄に対し、周りに適切に対応できるサービスや活動団体が一つも存在しない、そもそも制度が想定していない問題も中にはあるでしょう。しかし一方で、対応できるサービスや活動団体が存在しているにも関わらず、そうした情報や活動団体の存在を知らなかったがゆえに適切な対応ができなかったという意味も含まれていると考えられます。対応が難しいときこそ、アンテナを高くし、多くのつながりの中から必要な情報を得る機会や仕組みが必要となります。昨今、地域住民が主体的に地域課題を把握する取り組みが求められていますが、地域で把握した課題は、住民だけで解決できないものも少なくありません。専門の相談支援機関の関わりが必要なときに、速やかにつながることのできる地域住民や専門職等相互の関係づくりが日頃から大切になります。とりわけ、分野を超えた支援が必要であるケースや対応できる機関が分からないケースでは、各相談支援機関が連携して支援にあたることが必要となりますが、19ページの相談支援機関等へのアンケートの結果【表10】では、「相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置」が必要との回答が55.2%と高い割合になっています。また、同じく相談支援機関等へのアンケートの結果【表19】において、「連絡や連携がスムーズに行われていると感じている」という割合は、全体の平均で53.8%となっている一方で、「感じない」割合も36.6%となっており、相談支援機関の種別によっても意識の差があります。 32ページ 【表19】相談支援機関等(いきいき支援センター・障害者基幹相談支援センター、地域子育て支援拠点・子育て総合相談窓口・エリア支援保育所の合算)へのアンケート結果 問 他の相談機関と連携する必要があるときに、連絡や連携はスムーズに行われていると感じていますか。(○は1つだけ) 選択肢「感じる」全体53.8%、いきいき支援センター76.9%、障害者基幹相談支援センター41.7%、子育て支援拠点44.2% 選択肢「感じない」全体36.6%、いきいき支援センター15.4%、障害者基幹相談支援センター41.7%、子育て支援拠点45.5% では、私たちが連携や協働するためには、どういった課題があるのでしょうか。相談支援機関等へのアンケートの結果【表20】から、他の機関につなぐ際、「つなぎ先が分からない」「相談者の個人情報の取扱いが難しい」などの問題が見えてきます。 【表20】相談支援機関等(いきいき支援センター・障害者基幹相談支援センター、地域子育て支援拠点・子育て総合相談窓口・エリア支援保育所の合算)へのアンケート結果 問 他の相談支援機関等に相談者をつなぐ際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで)(上位3件) 選択肢「相談者のニーズが複雑化・多様化しており、他制度・施策のどの相談支援機関等を紹介すれば良いか分からない」49.7% 選択肢「相談者の個人情報の取扱いが難しい」48.3% 選択肢「連携先の業務に関する知識に乏しいため、何をどのように支援してもらえるかわからない」33.1% 33ページ 4 前計画の評価 なごやか地域福祉2015(第2期名古屋市地域福祉計画・第5次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 計画期間 平成27(2015)年度から平成31(2019)年度までの5年間 評価 「なごやか地域福祉2015」では「地域福祉に関する懇談会」(平成30年度からは「なごやか地域福祉2020策定懇談会」)を開催し、進行管理・評価を行いました。主な成果と課題は次のとおりです。なお、実績値は、平成26年度→平成30年度となっています。取り組むべき方向性1 つながり支え合う地域をつくる 【主な成果】 ふれあい・いきいきサロン、子ども食堂、地域支えあいなど、地域での住民交流・ふれあい・助けあい活動を促進し活性化を図りました。 ・ふれあい・いきいきサロン設置把握数 940か所→1,838か所 ・子ども食堂設置把握数 52か所 ・地域支え合い事業 12区(44学区)→16区(82学区) ・助け合いの仕組みづくり 実施自治会(町内会等) 65.4%→89.1% 地域住民や地域の身近な商店や企業などの協力を得ながら、多様な主体により地域での見守りを進めるとともに、見守り活動に取り組む関係者との連携や情報共有の仕組みの検討に加え、個人情報の取扱いに留意し有益な活動を行うポイントを検討するなど、見守り体制の充実を図りました。 ・ふれあいネットワーク活動 実施学区 73学区→102学区、協力者数 3,264人→9,117人 ・はいかい高齢者おかえり支援事業の協力者 2,221人→3,162人 ・見守り電話(いきいきコール)電話回数 20,922回→28,443回 ・高齢者見守り協力事業者登録数 725件→1,652件 ・災害ボランティアコーディネーター養成講座修了者 1,083人→1,345人 ・福祉避難所の指定か所数    97か所→121か所 【課題】 引き続き、高齢者、障害者、子育て世帯など多様な住民が交流することができる機会の創出や、住民の主体的な地域課題の把握と解決に向けた取り組みが進むよう支援する必要があります。 34nージ 取り組むべき方向性2 地域の「暮らし」に支援を届ける 【主な成果】 専門相談窓口の周知を図るとともに、地域の身近な相談の場として地域支えあい事業の住民相談窓口の開設を支援し、相談窓口や公的サービスの利用促進を図りました。 ・いきいき支援センター相談実績   322,186件→386,530件 ・障害者基幹相談支援センター相談実績 49,804件→ 56,571件 ・子ども・若者総合相談センター相談実績 1,458件→  5,171件 ・地域支えあい事業「住民相談窓口」 44か所→82か所(相談4,106件) 既存の制度の枠組みを超えた支援の仕組みとして、地域の生活支援ニーズや課題を把握し問題解決に向けた実践的な活動を創出することを目的に、生活支援コーディネーター及び各区の生活支援関係者が集う生活支援協議体を全区に設置し、生活支援の取り組みの活性化を図りました。 ・「生活支援協議体」の開催(平成28年度事業開始)75回 生活困窮者の自立支援を行う相談支援機関の整備に加え、地域共生社会の実現に向けて、本市の包括的な相談支援体制の構築に向けた検討を行いました。 ・仕事・暮らし自立サポートセンターの設置(平成27年度事業開始)3か所 相談件数2,146件(平成27年度)→3,101件 判断能力が不十分な人等への権利擁護の取り組みや虐待相談支援を行ったほか、子どもの権利擁護機関の設置について検討しました。 ・障害者・高齢者権利擁護センター相談、金銭管理・財産保全サービス  生活相談件数16,894件→25,595件、新規契約者数257人→335人、継続契約者数1,026人→1,375人 ・市民後見人受任件数 32件→51件 ・高齢者、障害者、児童虐待相談対応件数 2,393→3,872件 権利擁護や虐待に関する相談支援を推進 【課題】 今後は、既存の相談窓口の拡大や周知に加え、複合的な課題を抱える人や制度の狭間にある人を支援するため、相談窓口相互や公的サービスとの連携による支援の充実や、包括的な相談支援の仕組みづくりが必要です。また、市民後見人、法人後見など障害者や高齢者の権利擁護のさらなる推進や、本人の意思を尊重した取り組みを進める必要があります。 35ページ 取り組むべき方向性3 地域で活動する多様な担い手を育む 【主な成果】 地域福祉の啓発のほか、地域支え合い事業や地域における福祉学習の推進役である「福祉学習サポーター」を養成するなど担い手の確保につなげるとともに、若者(学生)の参加を働きかけるため、新たに「なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル」を設置し検討を行いました。 キーパーソンを支える仕組みづくりとして、地域支え合い事業の実施学区における研修のほか、担い手養成入門講座、活動に資する地域福祉活動に対する助成金の交付を行いました。 社会福祉法人の公益的な活動支援である「なごやよりどころサポート事業」を平成28年度から実施しました。 地域福祉に関する研修や情報交換を行いました。 ・地域支えあい事業「ご近所ボランティア」  登録者 4,307人→9,001人 ・福祉学習サポーター(27年度事業開始)延142人 ・なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル(29年度〜)10大学 【課題】 若者や社会福祉法人、企業等、多様な支え手を呼び込むための効果的な働きかけや活躍できる機会づくりが必要です。 36ページ 第3章 計画が目指すもの 1 基本理念 人権が尊重され、誰もがいきいきと暮らし、活躍できるまち、名古屋を目指して この基本理念には、以下の2つの視点が込められています。 @一人ひとりが自分らしくともに過ごせるまち 少子化・高齢化の進行や、社会経済情勢の変化とともに、ひとり暮らしの高齢者、障害者、介護が必要な人、子育て中の人や健康な人など、様々な人が暮らしており、福祉ニーズ(需要)も多様になっています。   また、サービス等の支援の受け手になることもあれば、支え手になることもあります。地域社会が多様化している中で、社会から取り残されることなく、自分らしく健やかに安心して暮らすということは、多くの市民の願いです。そして、多様化する地域社会に向きあい、市民の願いを実現するためには、性別、年齢、社会的身分、門地、国籍、障害の有無や経済状況にかかわらず、人権が尊重され、誰もが自分らしく生活することができることは最も重要なことです。 A誰もが不安なく自立して支えあいながら活躍できるまち この願いをかなえるためには、市民一人ひとりが、地域社会の一員として自覚し、自分でできることは可能な限り自分で行い、福祉について関心を持ち、人と人とのつながりを大切にすることによって、支えあいの関係を築き、誰もがいきいきと暮らし、活躍できるまちにしていくことが必要です。また、この理念は、「名古屋市総合計画2023」においても、めざす都市像として位置づけられています。この理念に基づき、複雑化・多様化する福祉課題・生活課題に的確に対応し、地域の中で多様な主体が、重層的に支援する仕組みを構築することによってあらゆる人を包容する地域社会を形成するための具体的な目標と方策を定めます。 37ページ 2 基本目標 地域共生社会の実現に向けて、市民、地域に関わる様々な団体、社会福祉協議会や行政が互いに手を携えて連携・協働し、地域の誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域社会を目指します。 第1章では、計画を策定するにあたって、「私たち」をキーワードに、計画の目的や主体、他の計画との関係性など計画の基本的な考え方を示すとともに、第2章では、地域には様々な福祉課題や生活課題が存在し、地域での住民同士のつながりの希薄化や社会的な孤立がこうした課題を複雑化、深刻化させていること、公的なサービスや相談窓口の利用につながっていない、あるいは1つの分野の制度を当てはめるだけでは解決できない複合的な課題を抱えている人や世帯のこと、さらには、地域福祉活動に参加する人が不足している現状などを示しました。こうした中で、国においては、制度や分野ごとの縦割りや、支え手と受け手という関係を超えて、地域の住民や多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創る「地域共生社会」の実現を目指すこととしました。この地域共生社会の実現のためには、地域福祉の推進を図り、地域住民同士が支えあう機能を強化するとともに、複合的な課題に対応し、丸ごと受けとめることができる包括的な相談支援体制を構築し、地域課題の解決力を強化していくことが必要になります。また、住民同士が手を取り合い、助けあうことができる地域であることは、地震や風水害等の大規模災害が発生した際においても、大きな支えとなります。こうした現状と課題を自身の問題として再認識するとともに、成熟した社会における自立した個人が主体的に地域と関わり、助けあい支えあう仕組みを構築するとともに、地域住民だけでは解決できない多様で複雑化した課題に対しては、地域住民と専門の相談支援機関相互の連携や協働が求められています。そこで、こうした点を十分踏まえ、計画の基本目標を「地域共生社会の実現に向けて、地域を構成する様々な団体等が互いに手を携えて連携・協働し、地域の誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域社会を目指す」としました。 38ページ 3 基本目標を実現するために取り組むべき方向性 ここでは、基本目標を実現するため、今後取り組むべき基本的な方向性を定めます。第2章では、現状と計画策定の背景について考えてきました。私たちの地域をとりまく現状から浮かび上がった様々な課題を解決し、基本目標を実現するためのキーワードとなる「仕組みづくり」と「人づくり」をベースとして、3つの取り組むべき方向性を示します。また、それを支える土台として、連携・協働の仕組みづくりを推進します。 3つの「取り組むべき方向性」 つながり支えあう地域をつくる 社会的な孤立を生まない地域を目指す 一人ひとりの「暮らし」を支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える 地域で活躍する多様な支え手を育む 「支え手」「受け手」の関係を超えて、誰もが活躍できる地域を目指す 方策を効果的に推進するための取り組み 3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり つながり支えあう地域をつくる 社会的な孤立を生まない地域を目指す 社会経済状況の変化、ますます進行する少子高齢化、地域のつながりの希薄化などにより、あらゆる世代に社会的孤立が広がってきています。これらは、様々な生活課題を引き起こし、事態を複雑化かつ深刻化させる要因ともなっています。一方で、ひとたび大災害が起これば、地域で助けあい、支えあいながら生きていくことの大切さをこれまで各地で起きた災害の経験から学んでいます。私たちは、今一度地域の構成員であることを自覚し、住民と様々な関係団体が連携・協力して「つながり支えあう地域づくり」に努め、社会的な孤立を生まないような地域、困ったときには助けあい支えあえる地域を築くことが大変重要です。 39ページ 一人ひとりの「暮らし」を支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える 公的な福祉サービスは、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉など、その時々に高まったニーズ(需要)に応じ、分野ごとに整備されてきました。そして、介護保険法に基づく介護サービスや障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスなどの分野では、公的な保険・福祉サービスが提供されるとともに、社協やNPO、社会福祉団体等も、地域のニーズに応じた様々な福祉サービスを提供しています。しかしその一方で、昨今では、生活上の困りごとが複雑化・多様化しているのに加えて、様々な問題を同時にいくつも抱えて複合的に絡み合うなど、解決が難しくなっているケースもあります。こういった状況に対応するため、支援を求めている人、手助けが必要な人の様々な声やニーズを把握し、困りごとを丸ごと受け止め、寄り添う支援が求められています。行政や専門機関がより連携を深め、地域住民等と協働することのできる包括的な相談支援の体制の構築が求められています。 地域で活躍する多様な支え手を育む 「支え手」「受け手」の関係を超えて、誰もが活躍できる地域を目指す 地域住民の身近な地域への関心が薄く、地域福祉活動の支え手の不足が課題となっています。キーパーソンである地域の町内会・自治会役員や民生委員・児童委員のなり手不足や負担感の問題もあります。地域福祉活動が「支え手」「受け手」という関係で分け隔てられるのではなく、多様性を互いに認めあい、誰もが活躍し役割がもてる地域を目指し、地域福祉活動に参加しようという意識の醸成がこれまで以上に必要となります。あらゆる世代や学校、商店街、企業などの多様な主体の参加を促すとともに、キーパーソンをはじめとする活動者を支える仕組みや、多様な主体が連携・協働できる効果的な仕掛けも必要です。 40ページ 第4章 課題解決に向けた私たちの取り組みの展開 1 計画の体系 基本理念 人権が尊重され、誰もがいきいきと暮らし、活躍できるまち、名古屋を目指して 基本目標 地域共生社会の実現に向けて、市民、地域に関わる様々な団体、社会福祉協議会や行政が互いに手を携えて連携・協働し、地域の誰もが役割を持って、つながり支えあいながら、自分らしく暮らし活躍できる地域社会を目指します。 福祉課題・生活課題 つながりの希薄化と地域からの孤立の問題、支援が必要な人と必要な支援が結びついていないことの問題、地域福祉活動への参加とキーパーソン等の負担の問題、私たちの地域における今日的課題、連携・協働・ネットワーク体制の問題 方向性 1 つながり支えあう地域をつくる 社会的な孤立を生まない地域を目指す 2 一人ひとりの 「暮らし」を支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える 3 地域で活躍する多様な支え手を育む 「支え手」「受け手」の関係を超えて、誰もが活躍できる地域を目指す 41ページ 方策 @孤立を生まない地域づくり T.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が交流し、ふれあえる機会の創出 U.見守り体制の充実 A困ったときに支えあい助けあえる地域づくり T.住民が主体的に地域課題に取り組むことができる仕組みづくり U.災害に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 V.避難生活における福祉的な配慮 B様々な困りごとを丸ごと受け止め支える仕組みづくり T.相談窓口や公的サービスの利用促進、連携とアウトリーチによる支援の推進 U.丸ごと相談や複合的な課題等を抱える人への包括的な相談支援の推進 V.生活困窮、住まい、自殺対策の取り組みや犯罪をした人の社会復帰に関する支援 C地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) T.判断能力が不十分な人等への本人の意思を尊重した支援 U.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援 D多様な主体の参加促進 T.地域を知ることから始まる地域福祉 U.若者から高齢者までのあらゆる世代、多様な主体への働きかけ V.多様な主体が活躍できる機会づくり E地域福祉の支え手の活動支援 T.地域福祉活動のキーパーソンをはじめとする活動者を支える仕組みづくり U.地域福祉活動を支える社会資源づくり 以上の方策に共通するものとして、3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり 42ページ 2 具体的な取り組みの展開 取り組むべき方向性1 つながり支えあう地域をつくる  社会的な孤立を生まない地域を目指す 方策@ 孤立を生まない地域づくり T.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が交流し、ふれあえる機会の創出 具体的な取り組みの内容 1)小学校区を圏域として福祉活動を進めていくための組織である「地域福祉推進協議会」の周知を図り、その活動を支援します。 2)住民同士のつながりをつくる、住民による活動を支援します。 3)すべての人が安心して生活できる共生型の地域づくりを進めます。 4)同じ悩みを抱えた当事者や家族が出会う場、機会づくりを支援します。 U.見守り体制の充実 1)地域福祉推進協議会による「ふれあいネットワーク活動」等見守り活動の推進を支援します。 2)地域における多様な見守り体制を充実させます。 3)地域の身近な商店や企業、社会福祉法人などに対し働きかけを行い、地域での見守り活動について連携します。 43ページ 主体別の取り組み(方策@) 孤立を生まない地域づくり 市民 挨拶から始まる日頃のご近所との関係を大切にする。 地域とのつながりのない人がいたら、どのように関わっていくことができるのかを皆で考える。 障害及び障害者に対する理解を深め、障害者への不当な差別的取り扱いをなくすとともに、その人に適した情報提供や合理的配慮を行う。 地域で見守り、支えあうためのネットワークづくりに協力する。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等の共通 障害及び障害者に対する理解を深め、障害者への不当な差別的取り扱いをなくすとともに、その人に適した情報提供や合理的配慮を行う。 地域で見守り、支えあうためのネットワークづくりに協力する。 地域活動団体、社会福祉法人の共通 障害者、外国人市民等も含め住民同士が知り合い、交流できる機会をつくる。 商店・商店街・事業所・企業・大学等 住民の地域福祉活動に協力する。 市、社会福祉協議会の共通 地域での住民交流・ふれあいを育む活動を支援する。 共生型の地域づくりに向けた広報・啓発を推進する。 多様な主体による見守り活動を支援する。 地域で見守り、支えあうためのネットワークづくりを推進する。 市の主な関連施策や事業等 高齢者サロン整備等生活支援推進事業、認知症サポーター養成講座、高齢者の孤立防止事業、はいかい高齢者おかえり支援事業、青少年育成市民会議(地域の世話やき活動等の実施)、赤ちゃん訪問事業、市営住宅ふれあい創出事業、高齢者の見守り支援事業、高齢者の見守り協力事業者登録事業、障害者差別相談センター等 社会福祉協議会の主な関連施策や事業等 高齢者サロン整備等生活支援推進事業(運営の受託) ふれあい・いきいきサロン活動の支援、コミュニティワーカーとしての地域支援、子ども食堂推進事業、ふれあい給食サービス事業の支援、福祉教育・福祉学習、ふれあいネットワーク活動の支援、高齢者の見守り支援事業(実施の受託) 、障害者差別相談センター(運営の受託)等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 44ページ T.高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等様々な住民が交流し、ふれあえる機会の創出 具体的な取り組み、現状と課題(12頁) 1)小学校区を圏域として福祉活動を進めていくための組織である「地域福祉推進協議会」の周知を図り、その活動を支援します。 誰もが安心して暮らせるまちを目指して、区政協力委員、民生委員児童委員を始めとする地域住民が主体となって、市内全小学校区に「地域福祉推進協議会」が設置されています。「地域福祉推進協議会」では、ふれあい給食や世代間交流、身近な場所で気軽に集まる「ふれあい・いきいきサロン」、さり気ない見守りを行うふれあいネットワーク活動など地域の特徴に応じた活動を行っています。これらの活動を広く市民に周知し、計画的かつ効果的に取り組まれるようコミュニティワーカー等が専門的な支援をすることで、地域での住民同士の相互理解を深め、互助的な見守りや助けあい活動の推進を図ります。 事例 学区を単位とした計画的な地域福祉活動の推進を支援 昭和区では、学区の実情に合わせて幅広い福祉関係者が話し合いながら地域福祉活動を進めていくことを目的として、全学区で「地域福祉推進協議会」から「学区社会福祉協議会」に移行することを通じ、組織の変化、話し合う機会の増加、活動内容の充実を図っています。昭和区社会福祉協議会では、第4次地域福祉活動計画の策定時(平成30年度)に併せて、学区ごとによいところや地域課題などについてまとめた行動計画を全学区で作成するなど、計画的で効果的な地域福祉活動の推進が図られるよう学区担当者(コミュニティワーカー)を中心として支援を行っています。 事例 ひとり暮らし高齢者等ふれあい給食サービス 守山区の各学区地域福祉推進協議会では、ひとり暮らし高齢者等を対象とした「ボランティア給食サービス事業」が40年以上続いています。民生委員、給食ボランティア、配食業者、社協が連携。食事の配達を通じて近隣のボランティアが見守る取り組みが実施されており、地域包括ケア推進体制等との連携が検討されています。 45ページ 2)住民同士のつながりをつくる、住民による活動を支援します。 高齢者、障害者、子育て世帯、外国人市民等が気軽に集まり、地域住民とともに楽しく過ごすことを通し、地域の関係づくりを進める「ふれあい・いきいきサロン」「子ども食堂」などの住民による地域福祉活動や近隣の仲間が集まり、地域活動に取り組んでいる老人クラブ、子ども会、女性会の活動を支援します。 事例 ふれあい・いきいきサロン 熱田区障害者基幹相談支援センターでは、障害がある人もない人も交流できる場として、月2回「かよういちサロン」が開催されています。「創る」「学ぶ」「動く」「楽しむ」を柱にプログラムが組まれ、地元の大学生が企画する回もあり、参加者の年代も様々です。同時にミニバザー「火曜市」が開かれていて、道を行く人が足を止め買い物される姿が見られます。 事例 共通の関心事に関わる様々な団体・機関の連携・協働による地域のつながり「マンナMANNA子ども食堂」 子どもの孤食を防止するなど、食を通じた地域のつながりの場である「子ども食堂」が増えています。西区のマンナMANNA子ども食堂は、名古屋グレイスキリスト教会の関係者らでつくるNPO法人が、自治会や学校、企業、ボランティア、行政・福祉機関等、多様な主体の協力を得て月1回開催し、毎回100名程の参加者があります。子ども食堂の活動を通じて、住民と地域役職者、教育・福祉・行政の各機関、企業との具体的なつながりができています。 46ページ 事例 つながりをつくる活動に取り組む団体の支援 昭和区の現役ママを中心とした団体「つなぐ子ども未来」(令和元年度に一般社団法人を取得)は、地域で子育てを見守る環境をつくりたいとの思いから、区内の各小学校区を巡回しながら「つなぐ子ども食堂」を月1回開催しています。各開催地域においては住民同士がお互いを知るきっかけにもなっています。子どもたちが一緒に作り食べることや、誰かに褒めてもらう経験を得る貴重な場となっています。そのほか、名古屋市福祉基金を活用し、小学生が仲間と一緒に自分の住んでいる地域のことを調べ、実際に行ってみて、そこで発見したことを発表し合う「昭和区オモシロ探検隊」を開催しました。この企画には、地元の高校や短大・大学に通う学生が子どものサポーターとして活躍。異年齢の子どもや若者とのつながり、学校の先生や親以外の大人と接する機会が盛り込まれました。地域福祉を進める力ともなる、身近な地域や人への関心、愛着を育む取り組みを支援しています。 3)すべての人が安心して生活できる共生型の地域づくりを進めます。 誰もが人としての個性や生き方を認めあいながら、「支え手」「受け手」の関係を超えて、共に生きる地域社会の実現を目指します。地域に居住している期間の長短、国籍や文化、経済的に困窮していることなどの環境の違いがあっても、地域から排除されず、必要な情報がその人に適した形で提供されるとともに、誰もが当事者として共感しながら、個人のその人らしい暮らしを大切にできるように、学習の機会づくりや地域交流、見守り活動等の促進を図ります。 47ページ 障害者 障害者が地域で安心して生活をするためには、社会参加を制約している事物、制度、慣行、観念などの社会的障壁の除去を進め、社会のバリアフリー化を推進し、アクセシビリティ(利用しやすさ)の向上を図ることが重要です。本市では、障害の有無にかかわらず誰もが、かけがえのない個人として尊重され、お互いを思いやる気持ちを持ちながら、安心してともに暮らせる地域社会を目指し、「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」を制定しました。不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供などについて、市民・事業者への啓発を進めるとともに、障害者差別相談センターを設置し、障害者や家族、事業者などを対象に障害者差別に関する相談を受け、内容に応じて関係者間の調整などを行っています。また、「障害者と市民のつどい」などの交流イベントや地域との協働活動の機会を通じ、すべての市民に対して障害や障害者に関する正しい理解の促進を図ります。 「障害者と市民のつどい」などの交流イベント ふれあい広場のつどい 久屋大通公園で、障害者団体のチャリティーバザー、疑似体験コーナー、各種展示等を実施 名古屋シティハンディマラソン 久屋大通公園周辺で、参加者の障害内容により種目、距離を分けて実施(障害のある人とない人が一緒に走る種目もあります。) 障害者週間記念のつどい 12月の障害者週間を記念して、映画上映や講演等を実施 精神保健福祉普及運動 地域社会における精神保健及び精神障害者の福祉に関する理解を深めるため、国、都道府県、市区町村が広報活動を実施します。精神障害のある方が地域で生活する様子を描いた動画の公開 認知症の人 認知症になっても地域で安心して暮らし続けるためには、周囲の認知症への正しい理解が必要となります。こうした理解を広めるため、認知症サポーター養成講座における講師役であるキャラバン・メイトを養成することにより、認知症サポーターの養成体制の強化を図り、認知症の人と家族を地域で支えるつながりづくりを進めます。 認知症サポーターの養成 認知症サポーターは、認知症を理解し、認知症の人と家族を温かく見守る「応援者」です。市内のいきいき支援センター等が実施する認知症サポーター養成講座を受講すると、その証としてオレンジリングが交付されます。 48ページ 外国人市民 地域における外国人市民との交流と相互理解を促進し、誰もが安心・安全に暮らすことができる多文化共生のまちづくりを推進します。また、外国人市民に必要な情報が伝わり、理解されるよう、多様な言語・手段による情報提供や、やさしい日本語やイラストを使用するなど対象に合わせた情報発信の工夫を進めます。 やさしい日本語 「やさしい日本語」とは、普段使われている言葉を外国人にもわかるように配慮した、簡単な日本語のことです。何が「やさしい」のかは、相手によって違います。相手のことを考えて、いろいろ試しながら、お互いコミュニケーションがとれる方法を見つけることが大切です。 4)同じ悩みを抱えた当事者や家族が出会う場、機会づくりを支援します。 本人や家族の社会的孤立が事態を複雑化、深刻化させる要因になることから、同じ課題を抱えた人が出会い、語り合い、学び合えるような場や機会づくりを支援するとともに、当事者の声を発信する機会を応援します。 事例 子育てと介護が同時期に重なる状態(「ダブルケア」)の当事者と支援者の会 ダブルケアパートナーでは、子育てと親などの介護とを同時に行う必要があり、過大な負担がかかりやすいダブルケアをしている人やその経験者、支える専門職などが集まる「ダブルケアカフェ」を大学の協力を得て隔月で開催し、リフレッシュや情報共有等を図っています。 事例 名古屋市若年性認知症本人・家族交流会「あゆみの会」 あゆみの会では、当事者同士の出会いやわかちあいを大切にしながら、当事者の“思い”を出発点に、その思いを会全体で実現しています。例えば「野球がしたい」という人を中心に、近隣の中学校の野球部に声をかけ、「ソフトボール交流」を行いました。事前の認知症サポーター養成講座に当事者も参加し、中学生とともに「どうしたらいっしょに楽しめるか」をテーマにグループワークを行い、ともに楽しむためのルールづくりをしました。学びと交流の機会をともにした経験が、当事者には社会とのつながりとなり、中学生にとっては、なににも勝る福祉教育の機会となりました。 49ページ U.見守り体制の充実 具体的な取り組み、現状と課題(13,14頁) 1)地域福祉推進協議会による「ふれあいネットワーク活動」等見守り活動の推進を支援します。 ひとり暮らし高齢者、障害者や子育て世帯など地域で見守りが必要な人に対し、町内会・自治会やそれよりも狭い近隣エリアなどを圏域として、対象者を複数の地域住民等で見守る活動を支援します。 事例 地域住民による日常的な見守り活動 瑞穂区では、地域住民による見守り活動をすすめるため、ご近所同士の関係性を地図に落とし、可視化することで新たな気づきが生まれる「地域支えあいマップ」づくりが全学区で行われています。平成元年度末までに、239町内においてマップが作成されました。 2)地域における多様な見守り体制を充実させます。 地域福祉推進協議会、民生委員・児童委員、老人クラブや女性会の会員など地域の多様な主体による見守り活動を引き続き支援するとともに、各区役所に配置している高齢者福祉相談員、各いきいき支援センターの見守り支援員との連携を進めます。また、地域で高齢者を見守るための地域支援ネットワークづくりを進める「高齢者の孤立防止事業」、認知症による行方不明者を早期発見するための「はいかい高齢者おかえり支援事業」、児童の登校時の声かけなどを行う「地域の世話やき活動」等や地域の子育て情報の提供などを行う「赤ちゃん訪問事業」等、地域で子どもを見守る取り組みを展開し、地域の力を高めていく取り組みを進めます。さらに、市営住宅では、「市営住宅ふれあい創出事業」における高齢者見守り支援事業により、75歳以上の単身世帯、夫婦世帯等を対象として巡回員が定期的に電話連絡や戸別訪問を実施し、安否確認や簡易な生活相談等の支援を行います。いきいき支援センター、地域住民と連携・協働しながら一体的に取り組みます。 50ページ いきいき支援センターの見守り支援事業 「高齢者の見守り支援事業」では、見守り支援員が孤立しがちな高齢者に対して、福祉・介護サービス等の調整や、見守りのネットワーク構築など、一人ひとりに合わせた丁寧な支援を実施しています。また、ボランティアを養成し、支援が必要な高齢者への安否確認と不安感・孤立感の解消を図るために定期的な電話による見守り活動(いきいきコール)を行っています。 認知症の人を地域で見守る取り組み 徘徊のおそれがある人の情報を登録した上で、その人が行方不明となった場合に、身体的特徴や服装等の情報を「おかえり支援サポーター」及び「協力事業者」に対してメールし、早期発見する仕組みづくりを進めています。なお、「おかえり支援サポーター」及び「協力事業者」とは、捜索協力依頼のメールを受け取った場合に、可能な範囲で捜索のための情報提供に協力いただく方々のことです。平成30年度末現在で、7,909アドレスの登録があります。登録には、okaeri@sg-m.jpまで電子メールを送信してください。 イメージ図として、認知症等の方の家族等が行方不明者届を警察に提出するとともに、名古屋市へ連絡することで、おかえり支援サポーターにメールが配信される仕組みとなっています。 事例 「地域の子どもは地域で守り育てる」地域の世話やき活動 地域のおじさん、おばさんとして、近所の子どもたちに関心をもち、日常的に積極的に声かけなどを行う中で、ときには励まし、ときには注意や助言をしながら、温かく見守る地域ぐるみの活動です。緑区では、より多くの子どもたちにあいさつができるようになってもらうため、地域の大人が子どもたちに積極的に「おはよう」「こんにちは」と声かけをする活動や子どもたちの絵による「おあしす(おはよう、ありがとう、しつれいします、すいません)」ポスターやチラシを作成する取り組みを行っています。 51ページ 3)地域の身近な商店や企業、社会福祉法人などに対し働きかけを行い、地域での見守り活動について連携します。 定期的に住民宅を訪ねることを業務とする、地域の身近な商店や企業などに対し、地域で見守り、支えあうネットワークの一員として協力してもらえるよう働きかけを行い、連携します。また、ひとり暮らし高齢者等の見守り活動に協力する商店や企業等事業者を登録する「高齢者の見守り協力事業者登録事業」では、市内の新聞販売店をはじめ多くの事業者の協力を得ながら、重層的な見守り活動を推進します。高齢者の見守りにかかる協力事業者登録制度平成26年9月から導入した高齢者見守り協力事業者の登録という簡便な手続きによって、より多くの民間事業者にひとり暮らし高齢者の見守り活動に参加していただき、高齢者の孤立防止活動の幅を広げていきます。 事例 中村区「たまカフェ」で見守り 中村区では、区内の高齢者に親しまれている喫茶店を「たまカフェ(たまり場カフェ)」として登録し、社協と連携して地域の高齢者を見守る事業に取り組んでいます。地域に根差す喫茶店は、顔なじみだからこそ相談できる場所となっており、地域で暮らす高齢者にとって身近な存在です。社協からのアプローチでは行き届かない方々の相談も、拾い上げることができます。登録している喫茶店は、お客さんの生活の困っているお話しを聞いたら、社協やいきいき支援センターなどの相談機関につなぎます。社協の提供する福祉の情報紙も店内に置いて、情報提供にも協力します。社協は、参加店をまとめた「たまカフェマップ」を作ってお店を宣伝し、定期的にお店に足を運んで相談にも応じます。地域の高齢者にとって憩いの場である喫茶店と社協が連携することで、地域のつながりを広げていくことを目指しています。 52ページ 方策A 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり 具体的な取り組みの内容 1)住民の困りごとや生活のしづらさなどを住民が把握し、生活支援に結びつけるための仕組みづくりを進めます。 2)地域の生活支援ニーズを把握し、生活支援の基盤整備と充実を図ります。 3)地域の課題を自らの事として考え、地域住民等が支えあうことのできる地域づくりを支援します。 U.災害に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 具体的な取り組みの内容 1)大きな災害が起こったときの安否確認や避難の方法をあらかじめ地域で話し合っておく「助け合いの仕組みづくり」の取り組みを支援します。 2)災害ボランティアの円滑な受け入れと効果的な活動を促進するための体制づくりを行います。 3)防災に関する訓練、研修や啓発において、福祉的な配慮を必要とする人への視点をもって対応します。 V.避難生活における福祉的な配慮 T.住民が主体的に地域課題に取り組むことができる仕組みづくり 具体的な取り組みの内容 1)福祉的な配慮に対応した避難所環境の整備を進めます。 2)在宅避難を支援する仕組みづくりの検討を進めます。 53ページ 主体別の取り組み(方策A) 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり 市民 ご近所に困っている人がいたら、「お互い様」の気持ちで助けあう。 地域の生活課題を把握し、関係機関との連携等によりその解決を図る。 災害が発生したときに備えて、平常時から支えあいの取り組みに参加する。 建物の耐震化や家具の固定を進める。 福祉的配慮を必要とする人への配慮の視点を取り入れ、避難者となった地域住民全員で協力し、避難所運営に取り組む。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等の共通 地域の行事などに参加したり、協力する中で、地域に根ざした活動をする。 災害が発生したときに備えて、平常時から支えあいの取り組みに参加する。 建物の耐震化や棚などの事務用品の固定を進める。 地域活動団体、社会福祉法人の共通 住民同士の助けあい活動を積極的に支援する。 地域の生活課題を把握し、関係機関との連携等によりその解決を図る。 商店・商店街・事業所・企業・大学等 平常時も災害時も可能な範囲で地域の困りごとの解決に協力する。 市、社会福祉協議会の共通 日頃から災害時まで、地域で支えあうための仕組みづくりを推進する。 地域の生活課題を把握し、生活支援のための仕組みづくりを進める。 市 大規模災害発生時に災害ボランティアセンターを設置する。 防災に関する啓発活動を推進する。 災害発生時の避難生活のための環境整備に努める。 主な関連施策や事業等 地域支えあい事業、高齢者サロンの整備等生活支援推進事業、助け合いの仕組みづくり、災害ボランティアコーディネーター養成講座、福祉避難所の指定等 社会福祉協議会 大規模災害発生時に災害ボランティアセンターを運営し、ボランティア活動を支援する。 主な関連施策や事業等 地域支えあい事業(実施の受託)、高齢者サロンの整備等生活支援推進事業(実施の受託)、災害時のボランティア活動支援、コミュニティワーカーとしての地域支援等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 54ページ T.住民が主体的に地域課題に取り組むことができる仕組みづくり 具体的な取り組み、現状と課題(15頁) 1)住民の困りごとや生活のしづらさなどを住民が把握し、生活支援に結びつけるための仕組みづくりを進めます。 住民の生活の困りごとや生活のしづらさを住民が発見・把握し、ボランティア、NPO、専門職などと一緒に課題を共有しながら、連携して課題解決に向けた住民相互の助けあいを進めていけるよう、コミュニティワーカー等による専門的な支援を充実させます。また、令和2年3月現在16区93小学校区で実施している「地域支えあい事業」の実施学区を拡大し、住民が主体的に地域課題に取り組むことができる仕組みづくりを進めます。 地域支えあい事業の概要 各学区で相談や調整を担う「ご近所ボランティアコーディネーター」を核に、ちょっとした困りごとを抱えた高齢者と、手助けをする地域のボランティアをつなぐ仕組みです。活動したボランティアにはボランティアポイントが付与されます。 事例 地域支えあい事業の取り組み 東区矢田学区では、「矢田レンジャー」が地域住民の生活上のちょっとした困りごとに関する相談を受け付けています。5名のコーディネーターが交代で相談を受け付け、対応可能な住民のボランティアの方々につなぎ、困りごとの相談に応じています。活動するボランティアの方々の中には、現役を引退した男性も特技を活かして活躍されています。木の剪定や簡単な電化製品の修理など、登録されているボランティアで可能な限り対応しています。お手伝いの中で、コミュニケーションが生まれ、矢田レンジャーの現場が新たな縁を創り出します。『一人で背負わず、みんなで見守る。援助する側が「ありがとう」の一言でお互いに援助されている』それがこの取り組みの肝であり、レンジャー冥利です。 55ページ 2)地域の生活支援ニーズを把握し、生活支援の基盤整備と充実を図ります。 各区の地域ケア会議を中心に、高齢者を中心とした個人に対する支援の充実とそれを支える社会基盤の整備とを同時に進め、支援が必要な状態となっても高齢者をはじめ地域住民等が住み慣れた地域で安心して生活できる地域づくりを進めます。とりわけ、本計画においては、地域包括ケアシステムにおける生活支援コーディネーターの配置や生活支援協議体の運営を通じて、高齢者等を地域で支えるための住民相互による助けあいの仕組みづくりや活動の支援を進めながら、生活支援の基盤整備と充実を図ります。また、多様化した生活支援ニーズに対応していくためには、地域福祉推進協議会による住民同士の助けあい活動とボランティアグループ・NPO法人等による活動のそれぞれの特長を生かした重層的で相互補完的な取り組みを推進します。 3)地域の課題を自らの事として考え、地域住民等が支えあうことのできる地域づくりを支援します。 地域の会議や集いの場、サロン等の様々な場には、分野を問わず地域の多様な課題に関する情報が寄せられています。そういった地域の課題を地域住民等や様々な団体、専門職が把握しやすくなるよう、地域の人が集まる拠点を多く見つけて、つながっていけるように支援します。また、把握した課題について、地域住民等や様々な団体、専門職が顔の見える関係で話し合うことで、地域の多様なニーズを情報共有し、人と人、人と資源が分野を超えてつながり、一人ひとりを支えることのできる地域づくりを進めます。併せて、課題の解決をもとに、地域住民等の気づきと学びが繰り返されることにより、地域で支えあう力の向上を図ります。 イメージとして、地域の多様な課題を把握し、地域住民等・専門職が一体となって協議し、支援の実施後、支援を踏まえた振り返りを行うことを繰り返していくことにより、地域で支えあう力(気づき力)の向上につながります。 56ページ U.災害に備える日頃からの支えあいの取り組みの推進 具体的な取り組み、現状と課題(29頁) 1)大きな災害が起こったときの安否確認や避難の方法をあらかじめ地域で話し合っておく「助け合いの仕組みづくり」の取り組みを支援します。 災害発生時に助けあうための仕組みを町内会・自治会などの地域ぐるみで構築する取り組みを平常時から進めています。この取り組みは、地域全体の安否確認や、地域住民自らが高齢者や障害者など、災害が発生したときに支援を必要とする避難行動要支援者(以下「要支援者」といいます。)を把握するとともに、一人ひとりの実態に応じた支援が可能となるように個別支援計画を作成し、災害発生時に住民相互による助けあいが円滑に行われるための仕組みを作るものです。この取り組みの実施地域の拡大を進めるとともに、積極的に支援しています。また、避難行動要支援者名簿の作成を進め、取り組みの実施地域に要支援者本人の同意を得た上で提供することにより、「助け合いの仕組みづくり」の活動を支援します。 避難行動要支援者名簿 災害が発生した場合等に自分で避難できない人を把握するための市町村が作成する基礎的な名簿です。この名簿は、健康福祉局がその保有する各施策の対象者情報や受給者情報を活用して作成し、必要な都度最新の情報に更新します。この名簿は、「助け合いの仕組みづくり」の活動を支援する役割を担うとともに、災害発生時には、民生委員・児童委員さらに地域住民等の協力を得ながら行う区役所の安否確認等に活用されます。なお、これらの取り組みの基礎には、日常的な地域のつながりや必要な支援を届ける仕組みなどの地域福祉の推進が不可欠です。災害発生時の助けあいへとつながる地域福祉の推進を図ります。 事例 「ひごろ」も「いざ」も総ぐるみ 名東区では、「めいとう総合見守り支援事業」を展開し、民生委員や区政協力委員をはじめとする地域住民による見守り活動などと「助け合いの仕組みづくり」との連携を図り、支援を必要とする人の情報の共有化を進めています。この取り組みは、多様な主体による平常時からの見守り支援を進めるとともに、災害時のための安否確認訓練を併せて促進する仕組みとなっています。 57ページ 助け合いの仕組みづくりの概要 平常時 地域での話し合い 地域全体の安否確認や要支援者への支援など、取り組みの進め方や個人情報の取り扱いを話し合います。必要に応じて、区役所や消防署の協力を得て、地域で説明会などを開きます。 要支援者の把握 取り組みを行うと決定した地域は、要支援者を把握します。また、必要に応じて市が作成した避難行動要支援者名簿のうち、本人の同意を得た情報の提供を受け、要支援者の把握に役立てます。 個別支援計画作成 要支援者とどのような支援が必要であるかを話し合い、誰がどのように支援をするかといった個別具体的な計画をつくります。 また、助け合いの仕組みが実際に機能するように、普段から    段階に応じた訓練を実施し、見直しを行います。 災害発生時 安否確認等 助け合いの仕組みづくりで作成した個別支援計画に基づいて、必要な安否確認や避難誘導等を行います。なお、災害発生時には、同意の有無にかかわらず、必要と認められる団体に対し、適切な判断のもと、名簿情報の外部提供をすることにしています。 事例 昭和区陶生町の取り組み 昭和区陶生町町内会・自主防災会では、「助け合いの仕組みづくり」に基づき作成した防災対策名簿について、複数名で共有できるよう規約を定めています。また、「黄色いリボン」を掲出することによる安否確認訓練、マンションでの防災訓練の実施や、顔の見える関係づくりを目的とした屋外型サロン、焼き芋大会等を開催しています。 58ページ 2)災害ボランティアの円滑な受け入れと効果的な活動を促進するための体制づくりを行います。 災害発生時には、消防団や自主防災組織などの地域住民の活動に加え、ボランティアやNPOの協力が不可欠です。市内の被害状況が甚大で、必要と判断された場合に設置する市・区災害ボランティアセンターについて、適切な設置運営の方法を検討し、実効性を確保するため、ボランティア・NPO、市・区役所及び市・区社協の三者合同の訓練・研修を行います。 事例 災害ボランティアセンター設置運営研修 大規模災害が発生した際に設置される「災害ボランティアセンター」は、市が設置し、市・区社協、災害ボランティア及び災害救援NPOの協力を受けて運営を行うことになっています。なごや防災ボラネット・社協・市の主催による「災害ボランティアセンター三者合同研修」は、その災害ボランティアセンターの設置・運営に関わる三者が年に1回同じテーブルにつくことで、顔の見える関係づくりをし、情報共有・検討をすることをねらいとしています。 3)防災に関する訓練、研修や啓発において、福祉的な配慮を必要とする人への視点をもって対応します。 地域には、高齢者、障害者、乳幼児等の福祉的な配慮を必要とする人がいます。そのため、福祉的な配慮を必要とする人への対応を想定した防災に関する訓練、研修や啓発を実施することが重要です。こうした視点をもって、指定避難所運営・開設訓練や防災の研修等を支援します。 事例 福祉的な配慮を取り入れた防災訓練 北区では、平成22年度から北区自立支援連絡協議会防災地域づくり部会と連携し、防災と要配慮者の視点を切り口に、誰もが安心して暮らしていける地域づくりをどのように進めていけばよいかをテーマとし、避難所での障害者支援の普及や障害者と地域のつながりづくりの推進に取り組んでいます。平成29年度からは、同協議会が実施する障害者避難所体験訓練を支援しています。要配慮者が参加し、福祉避難スペースの確保やヘルプカード・もしもカードを活用するなど、避難所生活で福祉的な配慮を必要とする人への視点を取り入れた実践的な訓練です。 59ページ V.避難生活における福祉的な配慮 具体的な取り組み、現状と課題(30頁) 1)福祉的な配慮に対応した避難所環境の整備を進めます。 福祉避難スペースや拠点的な福祉避難所などの避難所環境の確保を進めるとともに、避難所の運営を円滑に行うために作成している指定避難所運営マニュアルにおいて、福祉的な配慮を必要とする人の状況とニーズ(需要)を把握し、必要な支援に結び付けるための具体的な対応方法を定めています。併せて、精神的な障害や内部障害を抱えている人などへの対応を適切に行うことができるよう、地域において実施される指定避難所開設・運営訓練の支援などを通じて啓発しています。また、避難所生活で生じる保健・医療・福祉のニーズ(需要)を把握し、必要な援助に結びつけるための支援を行うとともに、医療を必要とする避難者等への対応のため、(一社)名古屋市医師会の協力により、医療救護所の設置をすることとしています。 福祉避難スペース 指定避難所の中に、福祉的な配慮を必要とする人のための場所を確保することにより設置する避難場所をいいます。また、避難所は避難者による自主運営を基本としており、避難者全員で協力し、福祉的な配慮を必要とする人への配慮の視点を取り入れた避難所づくりに取り組みます。 福祉避難所 福祉避難スペースでの避難生活が困難な人が避難する二次的な避難所のことをいいます。引き続き社会福祉施設等における福祉避難所の指定を進めていきます。(令和2年3月31日現在、市内に132か所) 医療救護所 傷病者に応急措置を実施したり、病院への搬送が必要な人を判別する場所です。震度5強以上の地震災害においては、市と協定を締結している(一社)名古屋市医師会により、各市立中学校に医療救護所が開設されるほか、必要に応じて避難所等に設置されます。 2)在宅避難を支援する仕組みづくりの検討を進めます。 高齢者や障害者などの福祉的な配慮が必要となる人にとっては、環境の変化が大変な負担になることもあり、ときには避難所へ避難せずに住み慣れた自宅での生活を続けるための支援が必要となります。在宅避難における在宅へのアウトリーチ(訪問支援)を行うための連携・協働体制の構築を検討します。 60ページ 取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」を支える仕組みをつくる 支援を求めている人、手助けが必要な人を支える 方策B 様々な困りごとを丸ごと受け止め支える仕組みづくり T.相談窓口や公的サービスの利用促進、連携とアウトリーチによる支援の推進 具体的な取り組みの内容 1)多様な相談窓口やサービスなどをわかりやすく市民や支援者に情報提供するとともに、担当分野を超えた相談であっても、適切な機関につなぐことのできる体制づくりを進めます。 2)サービスの評価や内容の開示を進めます。 3)身近な生活の困りごとなどを地域で相談しあえる住民相談窓口の設置を進めます。 4)相談することができない人や世帯へアウトリーチを行うための仕組みづくりを進めます。 U.丸ごと相談や複合的な課題等を抱える人への包括的な相談支援の推進 具体的な取り組みの内容 1)様々な福祉の相談を断らない丸ごと相談や複合的な課題等を抱える人や世帯への包括的な相談支援を推進します。 2)包括的な相談支援を推進するためのネットワークの構築を進めます。 V.生活困窮、住まい、自殺対策の取り組みや犯罪をした人の社会復帰に関する支援 具体的な取り組みの内容 1)生活困窮者の自立に向けた各種支援を実施します。 2)関係機関・他制度による支援との連携を進めます。 3)生活困窮者支援を通じた地域づくりを進めます。 4)住宅の確保に配慮を要する人への民間賃貸住宅における住まいの確保や生活支援等の促進に向けた取り組みを進めます。 5)自殺の危険がある人のサインに気づき、未然に防ぐ取り組みを推進します。 6)犯罪をした人の円滑な社会復帰を支援するため、関係機関の緊密な連携を進めます。 61ページ 主体別の取り組み(方策B)様々な困りごとを丸ごと受け止め支える仕組みづくり 市民 自分自身と家族の自助や地域での助けあいに役立てるため、市や社協などから発信する相談窓口やサービス等の情報を把握するよう努める。 地域活動団体、社会福祉法人 相談窓口やサービス等に関する情報共有や情報交換に努める。 日常的な活動の中で心配な人がいたら、適切な相談窓口やサービス等につなぐなどの支援をする。 様々な課題を抱えた人や世帯を支援するために、多様な相談支援機関や団体等が連携して支援できるよう協力する。 商店・商店街・事業所・企業・大学等 日頃の業務や活動の中で心配な人がいたら、相談窓口やサービス等につなぐなどの協力をする。 市 多様な相談窓口や公的サービス(制度)を必要に応じて設定し、その情報を分かりやすく提供する。 包括的な相談支援の体制を整備する。 主な関連施策や事業等 各相談支援機関の運営、評価に関する各事業、地域支えあい事業、包括的な相談支援の推進、自立相談支援・就労準備支援・家計相談支援事業、就労訓練事業、自殺対策事業の推進、民間賃貸住宅入居相談等 社会福祉協議会 住民のニーズ(需要)を的確に把握し、市の施策に提案を行う。 既存の制度や枠組みでは解決できない問題に対し解決に取り組む。 主な関連施策や事業等 各相談支援機関の運営、地域支えあい事業(実施の受託)、包括的な相談支援の推進、自立相談支援・就労準備支援・家計改善支援事業(実施の受託)等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 62ページ T.相談窓口や公的サービスの利用促進、連携とアウトリーチによる支援の推進 具体的な取り組み、現状と課題(17頁) 1)多様な相談窓口やサービスなどをわかりやすく市民や支援者に情報提供するとともに、担当分野を超えた相談であっても、適切な機関につなぐことのできる体制づくりを進めます。 市内には、区役所、保健センター、市・区社協の他、様々な相談窓口があります。これらの窓口を広く周知するとともに、サービス内容をわかりやすく、その人に適した方法で情報提供します。また、支援者へも情報提供を図ります。 以下の機関は、自らによる支援の必要性を検討するとともに、自らが支援を行うことが困難な課題を把握した場合、必要に応じて適切な機関につなぐよう努めます。 いきいき支援センター(地域包括支援センター)(高齢者) 要支援・要介護状態になるおそれのある高齢者の相談・支援をはじめ、高齢者に対する総合的な相談・支援、高齢者虐待や権利擁護の相談などを行っています。市内に45か所が設置されています。 障害者基幹相談支援センター(障害者) 障害者とその家族の方の地域における生活を支援するため、福祉サービスの利用や各種制度の活用に関することなど、様々な相談に応じる身近な相談窓口です。市内に16か所が設置されています。 地域子育て支援拠点事業(子育て) 地域子育て支援拠点(子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館含む)では、乳幼児及びその保護者が相互の交流を行う場所を開設し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行っています。市内に115か所が設置されています。そのほか、一時預かりや相談支援など、より充実した支援を提供する子育て応援拠点を整備します。 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター) 妊娠中や子育て中の親及び家族等が相談できる窓口として各区保健センターに子育て総合相談窓口を開設しています。市内に16か所が設置されています。 エリア支援保育所 公立保育所をエリア支援保育所と位置づけ、地域における保育の質の向上と子育て支援の充実を図るため、保育所、認定こども園、幼稚園、地域型保育事業所などの職員研修をはじめとする事業の企画・調整や関係機関同士のネットワークを構築するためのコーディネート、地域の子育て家庭への支援のための企画・調整を行っています。市内に29か所が設置されています。 63ページ 社会福祉法では、以下のように規定されています (地域子育て支援拠点事業等を経営する者の責務) 第106条の2 社会福祉を目的とする事業を経営する者のうち、次に掲げる事業を行うもの(市町村の委託を受けてこれらの事業を行う者を含む。)は、当該事業を行うに当たり自らがその解決に資する支援を行うことが困難な地域生活課題を把握したときは、当該地域生活課題を抱える地域住民の心身の状況、その置かれている環境その他の事業を勘案し、支援関係機関による支援の必要性を検討するよう努めるとともに、必要があると認めるときは、支援関係機関に対し、当該地域生活課題の解決に資する支援を求めるよう努めなければならない。 一 児童福祉法第六条の三第六項に規定する地域子育て支援拠点事業又は同法第十条の二に規定する拠点において同条に規定する支援を行う事業 二 母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)第二十二条第一項に規定する母子健康包括支援センターを経営する事業 三 介護保険法第百十五条の四十五第二項第一号に掲げる事業 四 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第七十七第一項第三号に掲げる事業 五 子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第五十九条第一号に掲げる事業 名古屋市には、生活に関する様々な相談を受け付けている相談支援機関があり、ここでは、本計画に関係する機関の一部を紹介します。 高齢者いきいき相談室(高齢者) 高齢者からの相談を身近な場所で受け付け、いきいき支援センターと連携して内容に応じた支援を行います。市内に284か所が設置されています。 子ども・若者総合相談センター(子ども・若者) ニート、ひきこもりなど、様々な悩みを有する子ども・若者(概ね39歳まで)とそのご家族が相談することのできる窓口です。市内2か所に設置されています。 なごや若者サポートステーション(若者) 職業的自立やニート状態からの脱却を目指す若者と家族のために相談や独自プログラム等の支援を行っています。市内1か所に設置されています。 発達障害者支援センターりんくす名古屋(子ども・障害者) 発達障害のある方やその家族、関係機関に対して、発達障害に関する相談支援等を行っています。また、必要に応じて、医療、保健、福祉、教育及び労働など関係機関と連携して支援をしています。市内1か所に設置されています。 ひきこもり地域支援センター ひきこもりのご本人やご家族からの相談等の支援を行います。市内に1か所が設置されています。 仕事・暮らし自立サポートセンター(生活困窮者) 仕事のこと、家計のこと、家族のことなど生活のことで様々な悩みを抱える方が気軽に相談することができる窓口です。市内3か所に設置されています。 64ページ 2)サービスの評価や内容の開示を進めます。 サービスを利用する者の適切な選択が可能となるよう介護サービス事業者自己評価・ユーザー評価事業、介護事業所にかかる情報公表制度等のサービスの選択に資する情報を提供します。障害福祉サービス等にかかる情報公表制度により個々のニーズに応じた良質なサービスの選択に資する情報を提供します。 3)身近な生活の困りごとなどを地域で相談しあえる住民相談窓口の設置を進めます。 住民が主体的に地域課題に取り組む「地域支えあい事業」やサロンなど、地域の身近な場所で住民同士が生活上の困りごとを相談しあい、解決が図られるよう、そのための仕組みづくりを進めます。また、地域におけるその他の自主的な取り組みとの連携を図ります。 専門機関である相談支援機関(相談窓口)と住民相談窓口が連携した相談体制 相談支援機関が地域支えあい事業の住民相談窓口などでは、解決できないニーズも支援しながら、連携します。 地域の身近な相談場所 「地域支えあい事業」の実施地域では、コミュニティセンターなどの拠点に、ボランティアの住民が同じ地域の住民から相談を受けることのできる仕組みをつくっています。困りごとのある住民は、電話相談やコミュニティセンターなどに赴いて相談することができます。 4)相談することができない人や世帯へアウトリーチを行うための仕組みづくりを進めます。 自身が抱えている問題を改善する意欲を失い、支援を受けることを拒む人(セルフネグレクト)は、必要なときに必要な支援を受けることができない可能性が高いため、支援の糸口をつなぐ訪問による支援(アウトリーチ)を行うための仕組みづくりを進めます。 65ページ U.丸ごと相談や複合的な課題等を抱える人への包括的な相談支援の推進 具体的な取り組み、現状と課題(18,28頁) 1)様々な福祉の相談を断らない丸ごと相談や複合的な課題等を抱える人や世帯への包括的な相談支援を推進します。 相談先が分からないような様々な福祉の相談を断らず、丸ごと受け止めるとともに、様々な分野の複合的な課題を抱えていたり、既存の制度の狭間にある人や世帯を支える包括的な相談支援を実施します。この支援は、令和元年度から実施している調査の結果を踏まえ、身近な住民相談窓口や専門の相談支援機関等から支援が必要な人を把握するとともに、地域住民や相談支援機関等の協働の中核を担う機能として、専門職(コミュニティソーシャルワーカー)の配置により、コーディネート業務や継続的に関わる伴走型の支援を提供する仕組みを構築することで、令和3年度からの実施を目指します。また、地域住民による課題解決の取り組みを推進するとともに、相談支援機関等の相互の連携を強化するため、関係する職員のスキルアップに向けた啓発や研修等を実施します。 協働による包括的な相談支援のイメージ図として、協働の中核を担う機能が地域連携の推進と多職種連携の推進を支援しながら進め、複合的な課題を抱えた世帯を支援します。 66ページ 2)包括的な相談支援を推進するためのネットワークの構築を進めます。 分野に関わらず相談支援機関等が集まり、顔の見える関係において、適切な支援と連携の方法を協議するための仕組みづくりを支援します。必要な情報を適切に交換することができるよう会議の持ち方や様式等を検討するとともに、それぞれの相談支援機関等の機能や強みなどを確認し合うことにより、効率的な連携体制をつくります。 事例 南区におけるチーム8050の取り組み 南区では、いわゆる8050問題(親と子どもの同居世帯で、親の介護と子の障害の課題を同時に抱えていたり、高齢の親のもと子の引きこもりが長期化しているなど、支援が必要な世帯で、80代の親と50代の子どもの同居世帯が象徴的であることから8050問題といわれる。)を抱えた世帯支援に特化した個別課題解決型の地域ケア会議として、障害者基幹相談支援センター、仕事・暮らし自立サポートセンター、社会福祉協議会、いきいき支援センター、保健センター、福祉課で、「チーム8050」を結成し、支援の検討を重ねています。「チーム8050」が関わる世帯は、高齢の親と障害等のある子どもが一緒に暮らし、親の介護、子の障害や経済的問題など複合的な問題を抱えています。一方で、当事者の世帯では、問題を抱えている自覚が乏しく、複雑化し解決困難に陥ってしまうことも少なくありません。このような世帯にかかわる介護支援専門員等の支援者は、自分の支援対象だけでなく、世帯自体へ支援せざるを得なくなり、専門性を超えるような対応まで求められているのが現状です。「チーム8050」では世帯が抱えている問題や課題を整理し、参加している機関それぞれができることを考え、支援方法を具体化して主としてかかわっている支援者をサポートする体制がつくれるように話し合いをしています。そして、検討した事例について定期的に振り返り、地域課題を抽出・整理し、南区としてどのような仕組みを作っていく必要があるかを考えています。 67ページ 社会福祉法では、以下のように規定されています (包括的な支援体制の整備) 第106条の3 市町村は、次に掲げる事業の実施その他の各般の措置を通じ、地域住民等及び支援関係機関による、地域福祉の推進のための相互の協力が円滑に行われ、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制を整備するよう努めるものとする。 一 地域福祉に関する活動への地域住民の参加を促す活動を行う者に対する支援、地域住民等が相互の交流を図ることができる拠点の整備、地域住民等に対する研修の実施その他の地域住民等が地域福祉を推進するために必要な環境の整備に関する事業 二 地域住民等が自らの他の地域住民が抱える地域生活課題に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、必要に応じて、支援関係機関に対し、協力を求めることができる体制の整備に関する事業 三 生活困窮者自立支援法第二条第二項に規定する生活困窮者自立相談支援事業を行う者その他の支援関係機関が、地域生活課題を解決するために、相互の有機的な連携の下、その解決に資する支援を一体的かつ計画的に行う体制の整備に関する事業 68ページ V.生活困窮、住まい、自殺対策の取り組みや犯罪をした人の社会復帰に関する支援 具体的な取り組み、現状と課題(28頁) 生活困窮 1)生活困窮者の自立に向けた各種支援を実施します。 総合的な相談支援機関として「仕事・暮らし自立サポートセンター」(以下「サポートセンター」という。)を設置し、生活困窮者自立支援法に基づく「自立相談支援事業」、「住居確保給付金の支給」をはじめ、「就労準備支援事業」、「家計改善支援事業」を一体的に実施します。また、福祉事務所等と連携しながら「一時生活支援事業」や「学習支援事業」を展開します。さらに、直ちに一般就労が困難な人に対し「就労訓練事業」(いわゆる中間的就労)を行う民間事業所を確保し、厚生労働省令に定める基準への適合を図ったうえで市が認定を行います。 2)関係機関・他制度による支援との連携を進めます。 生活困窮者は、複合的な課題をどこに相談してよいのか分からず行動に移せない場合や、地域社会から孤立し自ら支援を求めることができない場合も少なくありません。様々な関係機関(福祉、就労、税務、社会保険、住宅などの関係機関)と連携し、各機関が把握した「気になる方」をサポートセンターにつなぐとともに、関係機関間で相互に情報を共有し、連携して支援するための仕組みづくりを進めます。加えて、サポートセンターに来所することが困難な人や、関係機関からの情報提供や支援協力依頼があった人などに対するアウトリーチ(訪問支援)を積極的に実施し、生活困窮者が制度の狭間に陥いることなく必要な支援を受けられるよう取り組みを進めます。 3)生活困窮者支援を通じた地域づくりを進めます。 生活困窮者を早期に把握し適切な支援に繋ぐために、地域で活動する支え手の人たちを中心に、生活困窮者支援制度への理解を深めていただく取り組みを重ね、地域との連携を推進します。また、社会参加機会の創出や居場所づくりなどを中心に、一人ひとりの多様なニーズ(需要)に対応できるようインフォーマルな支援や地域のネットワークとの連携・協働によるきめ細かい支援に努め、生活困窮者支援を通じた地域づくりを推進します。 69ページ 住まい 4)住宅の確保に配慮を要する人への民間賃貸住宅における住まいの確保や生活支援等の促進に向けた取り組みを進めます。 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づく登録住宅の情報提供を行うとともに、その登録促進を図ります。また、住宅部局と福祉部局とが連携して、地域の各種相談窓口や居住支援法人などによる入居相談や生活支援、入居希望者・大家等への情報提供など居住支援活動のネットワークづくりに向け取り組みを進めます。 自殺対策の取り組み 5)自殺の危険がある人のサインに気づき、未然に防ぐ取り組みを推進します。 周りの人に気になる症状がある場合や複合的な問題を抱え自殺の危険がある場合等に、適切な医療や相談窓口につなげ、地域において見守る人を増やしていくために、ゲートキーパーの認知度向上に向けた普及啓発を推進するとともに研修機会の拡充を図ります。また、自殺は「誰にでも起こり得る危機」であり、「危機に陥った場合に誰かに援助を求めることは恥ずかしいことではない」という共通認識を持てるよう、自殺や精神疾患などの正しい知識の普及啓発や、多様な悩みに対応する各種相談機関の認知度向上のため、ウェブサイト「こころの絆創膏」を活用する等、広報・周知を推進していきます。 ゲートキーパー 「ゲートキーパー」とは、悩んでいる人のサインに気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなげ、見守る人のことで、「いのちの門番」とも言われています。問題を抱えて悩んでいる人は、何らかの悩みのサインを発していることが多いと言われています。そのため、家族や友人、地域住民など周りの人が身近な人の悩みのサインに気づき、適切な支援につないでいくことが重要です。 こころの絆創膏 「こころの絆創膏」とは、本市の様々な自殺対策事業に名付けられているキーワードです。絆創膏の「絆」という字は「きずな」とも読みます。悩みが小さなうちに、人と人との絆で手当てしたいという想いが込められています。また、ウェブサイト「こころの絆創膏」は、約190の相談窓口や自助グループの情報を掲載しているサイトです。うつ病に関する知識や精神科医療機関の情報なども掲載されており、悩みを抱えたときに解決のヒントとなる情報を検索することができます。 70ページ 犯罪をした人の社会復帰 6)犯罪をした人の円滑な社会復帰を支援するため、関係機関の緊密な連携を進めます。 平成28年12月、「再犯の防止等の推進に関する法律」が公布・施行され、市民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を目指すための取り組みが求められています。犯罪をした人が再び犯罪に手を染めることのないように、犯罪をした人を社会から孤立させるのではなく、責任ある社会の一員として再び受け入れながら、必要な福祉などの支援を受けることができるよう、関係機関の緊密な連携を進めます。なお、本計画は、生活困窮、住まい、犯罪をした人の社会復帰、自殺対策等の福祉に関係が深い分野について、高齢者・障害者・子育て世帯等の各福祉分野が共通して取り組むべき事項を定めています。特に、地域・家庭・職場といった生活のさまざまな場において、人と人とのつながりが弱まるなかで孤立し、生活に困難を抱えながらも誰にも相談できない、あるいは、適切な支援に結びつかないことなどにより、課題が深刻化しているケースが増えているため、こうした状況を踏まえ、各福祉分野の個別計画や取り組み等に反映し、それぞれの分野と連携しながら推進します。 71ページ 白紙 72ページ 方策C 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) T.判断能力が不十分な人等への本人の意思を尊重した支援 具体的な取り組みの内容 1)日頃の気づきから必要な権利擁護支援へとつなげるための取り組みを進めます。 2)判断能力が不十分な人が地域で安心して生活が送れるよう金銭管理や財産保全などを行います。 3)判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」の利用促進を図ります。 4)本人の意思に基づいた本人らしい生活を送るための仕組みをつくります。 5)消費者被害のトラブルなどに関する相談支援を行います。 U.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援 具体的な取り組みの内容 1)虐待のない地域社会を目指して、一人ひとりを地域全体で見守る機運を高めます。 2)高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見、相談支援などを行います。 73ページ 主体別の取り組み(方策C) 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) 市民 権利擁護に関する正しい知識を身につけるとともに、ご自身が権利擁護に関する支援を必要とした場合に相談できるよう窓口の把握に努める。 認知症や障害などの当事者特性を理解するよう努める。 虐待を受けたと思われる高齢者、障害者、児童を発見した場合は、関係機関に通告(通報)しなければならない。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等 権利擁護に関する正しい知識を身につけるとともに、日常的な活動の中で権利擁護の支援を必要としている人がいれば、適切な相談窓口につなぐ。 認知症や障害などの当事者特性を理解し、啓発に努める。 虐待を受けたと思われる高齢者、障害者、児童を発見した場合は、関係機関に通告(通報)しなければならない。 市 権利擁護の推進や成年後見制度の利用促進のための広報啓発及び体制の整備を行う。 市民の後見活動への参加を促進するための普及啓発を行う。 後見人等のなり手を確保するための取り組みを行う。 消費者被害トラブルの相談支援を行う。 虐待を防止するための啓発を実施するとともに、虐待の予防、早期発見、相談支援などを行う。 主な関連施策や事業等 成年後見あんしんセンター、法人後見の推進、消費生活センター、高齢者虐待相談センター、障害者虐待相談センター、児童相談所、児童家庭支援センター、配偶者暴力相談支援センター等 社会福祉協議会 権利擁護の推進を図る。 市民後見人を養成・支援する。 法人後見の受任を進める 主な関連施策や事業等 障害者・認知症高齢者権利擁護事業、成年後見あんしんセンター(運営の受託)、法人後見センター、高齢者虐待相談センター(運営の受託)、障害者虐待相談センター(運営の受託)等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 74ページ T.判断能力が不十分な人等への本人の意思を尊重した支援 具体的な取り組み、現状と課題(20頁) 1)日頃の気づきから必要な権利擁護支援へとつなげるための取り組みを進めます。 地域での日常的な見守りや身近な相談活動の中での気づきから、適切な権利擁護支援へとつなげることができるように、市民向けの権利擁護支援に関する必要な啓発に取り組むとともに、相談支援機関や関係機関が連携し、権利擁護を含めた総合的な支援に取り組みます。 2)判断能力が不十分な人が地域で安心して生活が送れるよう金銭管理や財産保全などを行います。 知的障害、精神障害、認知症などで判断能力の不十分な人が、地域で安心して生活を送れるよう日常的な金銭管理、財産保全、福祉サービスの利用援助などを行う障害者・認知症高齢者権利擁護事業の充実を図ります。 3)判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」の利用促進を図ります。 知的障害、精神障害、認知症などで判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」を本人がメリットを実感できる制度として活用するため、本市成年後見制度利用促進計画のとおり、制度の広報・啓発、相談や申立ての支援、市民目線で後見活動を行う市民後見人の養成、支援、監督を行うほか、親族後見人や法人後見など成年後見人になる者の支援やなり手の確保を進め、本人にとって適切な成年後見人等が選任されるための仕組みづくりに取り組みます。 4)本人の意思に基づいた本人らしい生活を送るための仕組みをつくります。 成年後見人等を含む支援者を対象とした意思決定支援に関する研修を行い、本人の意思を尊重した支援を行うスキルを高めるとともに、本人の意思形成・表明・実現を手助けする仕組みを検討します(任意後見の啓発など)。 5)消費者被害のトラブルなどに関する相談支援を行います。 判断能力が衰えがちな高齢者などを狙った悪質商法が増大する中、消費者被害のトラブルなどに関する予防の啓発や相談支援を行います。また、高齢者や障害者を地域で見守り、消費者被害を防止する仕組み(消費者安全確保地域協議会)づくりを進めます。 75ページ 事例 本人の意思を尊重した市民後見人によるひとり暮らし認知症高齢者への支援 あるひとり暮らしの高齢者の方は、障害者・認知症高齢者権利擁護事業を利用していましたが、認知症の進行による判断能力のさらなる低下から、介護サービスの利用契約や入院時の手続きを心配し、市が申立人となり成年後見制度の利用につなげ、市民後見人が選任されました。選任された市民後見人は、週1回本人に面会し、生活費を届けるとともに話し相手となり、ケアマネジャーやヘルパー、医師、大家、本人の友人等と連携し、見守りを中心とした後見業務を行いました。在宅での生活も限界かと何度も支援者たちは考えましたが、本人の「住み慣れた家で暮らし続けたい」との強い意思を尊重し、最期まで自宅での暮らしを支え続けました。病状の悪化で亡くなりましたが、葬儀には遠方のご親族とともに、近隣の町内会、ご友人が多数参列され、多くの方々に見送られることとなりました。 障害者・高齢者権利擁護センター 知的障害者、精神障害者、認知症高齢者などで判断能力が不十分な方が地域で安心して生活が送れるよう、福祉サービス利用援助、金銭管理サービス、財産保全サービスなどの事業を行っています。 成年後見あんしんセンター 成年後見制度の利用を必要とする方を的確に制度につなげるため、成年後見制度に関する専門相談を受けています。また、ボランティアで後見活動を行う市民後見人の養成、支援、家督を行っています。 法人後見センター 認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力の不十分な方が安心して地域で生活し続けられるように、社協が成年後見人等になることにより、成年被後見人等の身上保護、財産管理を行い、その権利を擁護します。 消費生活センター 多様・複雑化する消費者問題に対応するため、消費生活の向上のための指導及び啓発、消費生活に係る情報及び資料の収集・提供、消費生活の相談及び苦情処理、相談及び苦情に係る事業者の指導、消費生活用品等の品質に係る試験、研究及び指導の5つの機能を有する総合的な消費者行政の拠点として、各種の事業を推進しています。 76ページ U.高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見と相談支援 具体的な取り組み、現状と課題(20頁) 1)虐待のない地域社会を目指して、一人ひとりを地域全体で見守る機運を高めます。 日頃の地域での交流や助けあいが養護者(保護者)の安心や負担の軽減につながることがあります。虐待を家庭だけの問題とはせず、地域全体の問題として捉え、一人ひとりを地域で見守る機運を高める啓発等に取り組みます。 事例 オレンジリボンキャンペーンの取り組み 平成25年4月に施行された「名古屋市児童を虐待から守る条例」では、毎年5月と11月を「児童虐待防止推進月間」と定めており、様々な取り組みを実施しています。 2)高齢者、障害者、児童等に対する虐待や配偶者に対する暴力の予防、早期発見、相談支援などを行います。 高齢者虐待相談センター、障害者虐待相談センター、児童相談所、児童家庭支援センター、配偶者暴力相談支援センター、各区役所及びいきいき支援センター等において、相談支援体制を設けています。地域住民等から相談を受け付けるとともに、地域と連携しながら、予防、早期発見、相談支援などを行います。 高齢者虐待相談センター 高齢者虐待の防止及び早期対応を図るため、高齢者本人やその家族、保健福祉関係者等からの高齢者虐待に関する相談を受けています。 障害者虐待相談センター 障害者虐待の防止及び早期対応を図るため、障害者本人やその家族、保健福祉関係者等からの障害者虐待に関する相談を受けています。 児童相談所 18歳未満の子どもについてのあらゆる相談を家庭その他から受け、子どものニーズや置かれた環境に応じて必要な支援を行っています。 児童家庭支援センター 児童・家庭・地域住民からの相談に応じ、保護を要する児童またはその保護者に対する支援を行い、児童相談所や児童福祉施設・関係機関等との調整を行います。 配偶者暴力相談支援センター 配偶者からの暴力被害者から相談を受け、関係機関と連携し支援を行っています。 77ページ 白紙 78ページ 取り組むべき方向性 3 地域で活躍する多様な支え手を育む 「支え手」「受け手」の関係を超えて誰もが活躍できる地域を目指す 方策D 多様な主体の参加促進 T.地域を知ることから始まる地域福祉 具体的な取り組みの内容 1)福祉と接点がない人も福祉に関心を持つきっかけとなる機会をつくります。 2)地域に関する情報や配慮・支援に必要な情報を発信します。 3)私たちの住む地域を学び、地域のために活動をする意欲と技能を高めるための学習機会の提供を進めます。 4)学校や地域における福祉教育・福祉学習の推進を図ります。 U.若者から高齢者までのあらゆる世代、多様な主体への働きかけ 具体的な取り組みの内容 1)地域の課題に対して、地域住民自らが支え手となることを支援します。 2)若者が地域福祉活動等を体験し、継続した活動につなげることができるように支援します。 3)高齢者や退職前の勤労者に対して、地域支えあい事業などの地域福祉活動への参加を働きかけます。 4)社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みを促進します。 5)地域において、商店や企業等が地域活動や社会貢献活動に参画していけるよう支援します。 V.多様な主体が活躍できる機会づくり 具体的な取り組みの内容 1)地域福祉活動やボランティア、NPOの活動の様子を市民に分かりやすく伝え、参加意欲の向上を図ります。 2)多様な主体が参加しやすい活動の条件や環境の整備を検討します。 79ページ 主体別の取り組み(方策D) 多様な主体の参加促進 市民 地域の一員として、自分のできる範囲内で地域活動に参加する。 地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等の共通 構成員が地域の福祉活動に参加しやすい制度や雰囲気づくりに協力する。 地域活動団体 地域の情報を住民に伝え、地域の活動に参加する住民を増やす。 新たな構成員を積極的に受け入れる風土づくりに努める。 社会福祉法人 地域における公益的な取り組みを行う。 商店・商店街・事業所・企業・大学等 地域貢献活動に参画する。 市、社会福祉協議会の共通 支え手を広く募り、育む取り組みを創意工夫のもと進める。 市 地域福祉に関する広報啓発や教育などの環境整備に関する方策を検討・実施する。 主な関連施策や事業等 鯱城学園、生涯学習センタ、市民活動推進センター、地域支えあい事業、なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル、地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業、社会福祉法人の地域における公益的な取り組みの推進等 社会福祉協議会 学校や地域で福祉教育を進める。 ボランティア講座を実施し、グループ化、ネットワーク化を進めるとともに活動を支援する。 地域貢献を検討している社会福祉法人、商店や企業等と地域との橋渡しを行う。 主な関連施策や事業等 鯱城学園(運営の受託)、市・区社協ボランティアセンター、福祉教育・福祉学習、地域支えあい事業(実施の受託)、なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル、地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業、なごや・よりどころサポート事業 等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 80ページ T.地域を知ることから始まる地域福祉 具体的な取り組み、現状と課題(21頁) 1)福祉と接点がない人も福祉に関心を持つきっかけとなる機会をつくります。 福祉と接点がない人も参加したくなる楽しい企画や参加しやすい工夫を行い、様々な方とふれあう中で多様性を認め合い、支え手につながるようなきっかけをつくります。 事例 誰もが楽しめるスポーツ「ボッチャ」を通じた交流の場づくり 市内のシニア、福祉施設、大学、企業へ呼びかけ、「国際福祉健康産業展ウェルフェア2019」内で、障害の有無や性別、国籍、年齢を問わず、誰もが楽しめるスポーツ「ボッチャ」を通じた交流大会を開催しました。ボッチャ体験コーナーや東京パラリンピック出場選手のトークショーを通じて、多様な方が楽しく交流し、障害者理解につながる機会になりました。 事例 南遊メンズクラブ 南区では平成28年7月より、介護予防や男性のつながりづくりを目的に「南遊メンズクラブ」という男性サロンが立ち上がりました。月に1回の活動は、料理教室、歴史ウォーキング、防災講話など男性が楽しみながら学びたい企画の検討・運営を行っています。ボッチャを通じた交流の場づくりや地域のイベントに協力しているメンバーもいます。 事例 大学生によるデザインを活用 千種区では、第4次地域福祉活動計画の概要版冊子のデザインを愛知淑徳大学生と協力して作成しました。より多くの方にみてもらえる、親しみやすい冊子にするため、マスコットキャラクターを作成したり、イラストを多用するなど、学生のアイデアを活かした楽しいデザインにしています。 2)地域に関する情報や配慮・支援に必要な情報を発信します。 地域や人のために何かをしようと思うには、まずは地域のことを知ることが必要です。広報誌やインターネット等情報を発信する取り組みやそのための支援を行います。 81ページ 事例 平針ニュース 天白区平針南学区では、昭和50年から「平針ニュース」を毎月休むことなく発行し、住民への地域情報の提供や関係行政機関への配布、ホームページでも発信しています。紙面には「自治会の産直朝市」「地域団体の高齢者や子育て支援」「地域支えあいのお助け・見守り」など多様な地域活動を紹介し、活動団体間の情報共有にも役立っています。大勢の住民が学区全戸配布3,000部の仕分け・配達に携わり、自治会への加入や行事への参加、地域のゆるやかな見守りにもつながっています。 事例 ヘルプマーク・ヘルプカード 義足・人工関節・内部障害・難病・妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができる「ヘルプマーク」を配布しています。また、外見からは分からない障害・疾患のある方や、コミュニケーションをとることが困難な障害のある方などが、緊急時などに周囲にご自身の障害・疾患への理解や必要な支援を求めることができる「ヘルプカード」も配布しています。 3)私たちの住む地域を学び、地域のために活動をする意欲と技能を高めるための学習機会の提供を進めます。 生涯学習という観点から、「鯱城学園」や各区の「生涯学習センター」において、地域に親しみ、地域に関心を持つことができるよう支援し、学んだ知識や成果を生かして、地域のために活動をする地域福祉の担い手を育むための学習機会の提供と地域での活動体験を充実します。 事例 鯱城学園での学びを地域に活かす取り組み 鯱城学園の学生は市内に在住する60歳以上の方で、健康で学習意欲があり、卒業後も地域活動に参加する意欲がある方です。学園での学びだけではなく、例えば、環境専攻の学生は、名古屋に暮らす人にとってなじみ深い「堀川」の浄化を目指すため、堀川上流から下流の6カ所で水質調査を月2回行っています。学生のクラブ活動では、有志がマジックや手話、コーラスなどを練習し、福祉施設等で披露するなどしています。また、鯱城学園在学中や卒業後に、地域において、区政協力委員、町内会・自治会役員、民生委員・児童委員、老人クラブ役員などとして市政や福祉活動に協力している学生もいます。 82ページ 4)学校や地域における福祉教育・福祉学習の推進を図ります。 地域住民が地域での様々な課題に気づき、多様性を理解しながら、その解決に向けて取り組めるよう福祉教育・福祉学習の内容を充実します。各区社協は、福祉学習サポーターと協働し、学校の授業や地域における住民の集いの場などを利用し、福祉体験学習や障害者・高齢者などの当事者を講師とした交流・学習プログラムを推進していきます。そのために、各区の特色や既存のつながりを活かし、福祉学習サポーターや関係団体などが集まり、地域で多様性の理解を進める企画検討をしていきます。また、商店や企業の従業員教育の中に障害者や高齢者、認知症などへの理解の推進(認知症サポーターの養成など)を図るプログラムを提案するなど、商店や企業の地域福祉に対する意識の醸成を図ります。 福祉学習サポーターの養成 市・区社協では、平成27年度から学校や地域における福祉学習・福祉学習を推進する協力者として、自身の体験・経験から福祉・共生意識の内容を伝えるゲストティーチャーの役割や区社協とともに福祉学習の啓発の企画をする福祉学習サポーターを養成しています。 事例 学区で学校の福祉教育に関わる地域密着型の仕組みづくり 中村区では、福祉学習サポーター定例会を実施し、福祉教育の依頼状況の確認や実施後の反省を行っています。その中の意見から導入した地域密着型の「福祉学習学区サポーター」は、住民自身の学区の福祉教育に協力する役割を担います。実施した福祉教育の中で、児童の見守りや学区の地域福祉活動の話をし、児童、学区サポーターなど参加者全員がご近所同士で、福祉を身近に感じるように取り組んでいます。 事例 福祉教育・福祉学習の多様な支え手による協働の場づくり 港区では、新しい福祉教育・福祉学習のプログラムの作成・普及を進めるため、平成28年から港区内の福祉学習サポーター、ボランティア、障害当事者、施設関係者、学校の先生などが定期的に集まるプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトで、地域でも学べる機会をつくろうという意見があり、児童館の畑で育てたさつまいもで、障害者と一緒に料理や買い物、食事を通して交流する機会をつくりました。多様な人たちが関わり協働することで、創造力(作り出す)・実行力(伝える)・改善力(振り返る)・波及力(広める)が高まります。 83ページ U.若者から高齢者までのあらゆる世代、多様な主体への働きかけ 具体的な取り組み、現状と課題(22頁) 1)地域の課題に対して、地域住民自らが支え手となることを支援します。 支え手と受け手という役割にかかわらない「お互い様」の関係性を大切にしながら、地域福祉活動への参加を働きかけます。また、「地域支えあい事業」、市民活動推進センターにおける各種ボランティア講座、市・区社協ボランティアセンターにおける各種ボランティア講座の開催などにより、地域住民自らが支え手になることができるように支援します。この支援にあたり、NPOなどの団体と協働で講座を開催するなど、講座内容や講座受講後の活動の幅が広がるような工夫をします。併せて、市民活動推進センター及び市・区社協ボランティアセンターでは、ボランティアグループや市民活動団体の活動支援、組織化、NPO法人設立の支援を通じて、地域における市民の自主的な活動を支援します。 市民活動推進センター 市民活動を促進するための総合的な支援拠点です。市民活動についての情報発信・交流・講座などを通じて市民活動のサポートを行っています。 ボランティアセンター(市内17センター) ボランティア活動をしたい人、必要とする人の相談やボランティア団体の運営上での困りごとについても相談にのります。ボランティアに関する情報誌の発行、ホームページでの活動紹介、ボランティア講座等も行っています。 事例 地域の応援団講座を通じた生活支援のボランティア養成 中川区社協では、平成26年度に地域で活動を始めてみたいと思っている方のきっかけづくりの講座として「地域の応援団講座」を開催しました。この講座がきっかけで、生活の中のちょっとした困りごとや不便に感じることのお手伝いをする生活支援のボランティアグループができました。主に部屋の片づけ、掃除、粗大ごみの搬出、庭の草刈り、家具の移動、散歩の付添い等の活動をしています。 84ページ 2)若者が地域福祉活動等を体験し、継続した活動につなげることができるように支援します。 中高生や大学におけるボランティアグループ活動などの連携事例をもとに、若者がボランティアや地域福祉活動にふれる機会をつくり、継続した活動につながるよう支援をします。また、市内の大学における支援について、協議・共有する場である「なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル」を推進します。 なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル 未来を担う若者を育み、地域貢献意欲を高めるため、名古屋市内の大学の地域連携等支援部署の担当者がつながり、若者(大学生)のボランティア活動や地域福祉活動の意義や支援方法等について協議・共有する場「なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブル」を年3回程度実施しています。若者の興味・関心のある「スポーツ」「カフェ」を通じて、多様な方との「出会い・気づき・学びの場」を創出し、若者のボランティアや地域福祉へ関心を高めるきっかけづくりをしています。 事例 西陵高校が開催する「認知症カフェ」への支援 西区社協では平成27年から、西陵高校の生徒が行う認知症カフェ、SSカフェ(西陵スマイルカフェ)のお手伝いをしています。西陵高校は名古屋市で唯一、福祉科のある公立高校です。認知症カフェリーダーの生徒が主体となり、地域の方の意見をもとにクラスで話し合い、企画・運営をしています。教室の懐かしい雰囲気の中での生徒とのおしゃべりや、回ごとに内容の異なるイベントを楽しみに多くの方が参加されています。 事例 竹の子ボランティアサークル 子ども会ジュニアリーダーの卒業生である、中学生以上の学生を中心に組織された竹の子ボランティアは、子ども会活動や児童館行事、地域のイベントへの協力を年間を通して行っています。また、変遷する福祉ニーズに応じた地域交流型子ども食堂「八社ちいきの食卓わいわい食堂」を地域福祉推進協議会と共に主催し、個別支援にも応じるなど、「子ども」を起点として全住民対象の支えあいの地域づくりに取り組んでいます。 85ページ 3)高齢者や退職前の勤労者に対して、「地域支えあい事業」などの地域福祉活動への参加を働きかけます。 地域福祉活動の担い手として、高齢者のマンパワーを活用するため、すでに地域福祉活動に取り組んでいる高齢者や、まだ参加していない高齢者にも幅広く、「地域支えあい事業」などの地域福祉活動への参加を働きかけます。 また、定年退職を迎える勤労者に対し、退職前からの地域福祉活動等への参加を促す取り組みを検討します。 事例 男性による小修繕のボランティアグループまごの手 守山区では、ひとり暮らし高齢者、高齢者夫婦世帯、障害のある方を対象に日常生活の小修繕の困りごとを支援するボランティアグループ「まごの手」が活動しています。男性が持つ特技や技術を活かし、平成30年度は199件、のべ534名が草取りや簾の取付け・取外し、網戸や障子の張替え、扉の修理等、様々なニーズに応えています。 事例 地域デビューの第一歩「60歳の門出を祝う会〜還暦式〜」の開催 名東区では、還暦の区民を祝い、地域とつながるきっかけづくりを目的に、区役所と社会福祉協議会が主催で還暦式を開催しています。約200名の方にご参加いただき、記念講演や演奏、地域活動の紹介などをし、広く地域活動への参加を呼びかける機会となっています。これまで、働いていたり、地域とのつながりがなかったりする方も多く、還暦式をきっかけに、地域での仲間づくりや興味・関心のある活動から参加を促す取り組みを推進していきます。 86ページ 4)社会福祉法人等による地域における公益的な取り組みを促進します。 社会福祉法人は、その高い公益性・非営利性を踏まえ、社会福祉法において地域における公益的な取り組みを実施することが責務とされています。地域の福祉ニーズに応じ、各法人は、創意工夫によって多様な地域貢献活動を積極的に行います。また、社会福祉法人に限らず、介護・障害・保育等の各サービスを提供する社会福祉施設や事業所等は、これまで培ったノウハウを活かし、制度だけでは解決できない地域の福祉課題・生活課題の解決に取り組むなどの地域貢献が求められています。 事例 社会福祉法人の地域貢献活動 子育てや介護の悩みを抱え込み孤立しがちな人を対象に、専門性を生かした下記のような取り組みをしている社会福祉法人(施設)があります。未就園児の保護者の育児相談(保育所)、乳幼児の保護者のリフレッシュを目的とした一時預かり(児童家庭支援センター)、住民を対象とした介護講座(特別養護老人ホーム)、 また、名古屋市社会福祉協議会では、上記のような様々な取り組みを掲載した事例集を作成し、市内の社会福祉法人に対し、地域における公益的な取組の啓発・促進をしています。 なごや・よりどころサポート事業 社会的孤立や虐待、貧困などを原因として生きづらさを感じている人たちの抱えている福祉課題で、既存の制度やサービスでは解決できないところに着目し、社会福祉法人が連携してそれらの課題を解決することを目的とした事業です。施設の機能や特色を活かした「居場所・サロンづくり事業」、児童養護施設等を出て進学や就職する人たちを支援する「若者よりそいサポート事業」、働きたくても事情によりすぐに一般的な仕事に就くことが難しい人たちを支援する「就労支援事業」に取り組んでいます。 事例 なごや・よりどころサポート事業を活用した地域貢献活動 児童養護施設名古屋若松寮は、施設を退所して大学等へ進学した若者に毎月面談をし、「なごや・よりどころサポート事業」の基金から3万円の生活費を手渡ししています。彼らは学業やアルバイトで忙しい中、家事や家計の管理をすべて自分で行わなければなりません。そのため職員は月1回の面談時のみでなく、困った時はいつでも相談できる“よりどころ”であり続けることで、若者の自立を支えています。 87ページ 5)地域において、商店や企業等が地域活動や社会貢献活動に参画していけるよう支援します。 地域にある個々の商店や商店街、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等や地域で活動している企業(以下、商店や企業等)では、通常の営業の中で、支援が必要な人と関わりを持ち、支える役割を担っていることもあります。こうした関わりをもとに、商店や企業等が地域の活動に参画していけるよう支援を必要としている人や地域に関する情報を提供するとともに、一部の地域で行われている連携・協働の事例を「見える化」することによって、各地域で新たな取り組みがなされるよう支援します。また、「SDGs」に取り組む企業等の動向を見据えながら、企業等との連携・協働方法について検討していきます。 事例 商店街と地域の連携・協働 商店街では、地域と連携し、地域住民との交流のもと実施する季節ごとのお祭り等のイベント事業や、少子高齢化等の地域課題に対応する事業、防犯・防災に係るパトロールや啓発をはじめとした地域の安心・安全に係る活動等、地域コミュニティの重要な担い手として、積極的に活動しています。南区にある「柴田商店街」では、地元学区の住民や大学とも協力し、地域のつながりをつくるための様々な活動を行っています。商店街に設置した「279ステーション」では、誰でも参加できるサロンつなぐ会や出張福祉会館の開催、大同大学の学生がダンスを通じて地域の子どもたちとふれあうなど、様々な交流が生まれています。商店街が地域コミュニティの核に、との思いから始まった地域貢献の取り組みです。 事例 地域住民、地元企業、市民活動団体等が協働して行う買い物支援 緑区片平および浦里学区では、高齢者の買い物支援や親睦交流・孤立防止のため、区政協力委員、学区の老人クラブ、民生・児童委員会長、地元企業の平安会館浦里斎場館長等を交えて、企画会議を開催。その結果、地元企業や農家、市民活動団体の協力で、2か月に一度朝市を開催しています。朝市当日(友引の日)は、株式会社平安閣平安会館浦里斎場から会場の提供やモーニングサービス、の協力もあり、買い物後に地域住民が気軽に交流できるスペースもつくる工夫をしています。 88ページ V.多様な主体が活躍できる機会づくり 具体的な取り組み、現状と課題(23頁) 1)地域福祉活動やボランティア、NPOの活動の様子を市民に分かりやすく伝え、参加意欲の向上を図ります。 若者から高齢者までのあらゆる世代、障害のある人、外国人市民等の誰もが地域福祉活動などの活動に参加する意欲を持てるよう、活動に参加するために必要な情報がその人に適した方法で提供されることを目指します。また、広報紙を基本としたPR活動に加え、PRイベントの開催や、ホームページの内容充実、SNS(インターネット上の交流を通してネットワークをつくるソーシャルネットワークサービス)などの新しいメディアを取り入れるなど、市民活動推進センターや市・区社協のボランティアセンターにおける情報発信を進めます。 つながり・支えあおう地域福祉のすゝめ 地域福祉の取り組みに役立つ講演を提供するとともに、地域住民等が主体となって取り組んでいる地域福祉活動の事例を発表する機会を設けることで、助けあいの意義を市民に向けて啓発するとともに、活動者間の学び合いの場を提供しています。 事例 担い手との橋渡しを目的とした取り組み(ぼらマッチ!なごや) 市民活動推進センターと市社協では、大学、企業、NPOとの協働により、「ボランティアをしたい人」と「ボランティアを必要としている団体」を結びつけるボランティア・マッチングイベント「ぼらマッチ!なごや」を開催しています。様々な分野の団体が出展し、直接面談することで、自分のやりたいことや条件にあったボランティアを探すことができ、ボランティア体験や講座などをとおし、ボランティアの知識や経験を深めることもできます。 事例 ボランティア活動者のまなびの場、つながる場 名古屋市ボランティア連絡協議会では、ボランティア同士の情報交換、研修、交流を目的に年1回「まなびの場」を開催しています。各区ボランティア連絡協議会の特色ある実践を報告しあったり、テーマを設けて学習するなど、お互いに学びあう場になっています。 89ページ 2)多様な主体が参加しやすい活動の条件や環境の整備を検討します。 市政アンケートの48.1%が「条件や環境が整えば参加したい」という結果を踏まえ、今後、「実際にどのような条件が整えば参加できるのか」について調査等を実施し、その結果をもとに働きかけるターゲット層に合わせた情報提   供や、個々の状況に応じた活動の提案、参加の機会の提供など参加しやすい条件や環境の整備、参加につながる工夫について検討していきます。また、多様な主体の参加を支援するため、ボランティアセンター機能の充実を図ります。 90ページ 策E 地域福祉の支え手の活動支援 T.地域福祉活動のキーパーソンをはじめとする活動者を支える仕組みづくり 具体的な取り組みの内容 1)一部のキーパーソンや活動者に負担が集中している現状を少しでも軽減する取り組みを実施します。 2)キーパーソンや活動者に対し専門的な助言や支援を行います。 3)キーパーソンを担う人材のための研修を実施します。 4)課題の多様化に対応するため、分野に特定されることなく、様々な活動者が一緒になって取り組んでいく協働の場をつくります。 U.地域福祉活動を支える社会資源づくり 具体的な取り組みの内容 1)地域福祉活動の拠点づくりを進めます。 2)地域福祉活動を行う団体等へ助成や支援を行います。 91ページ 主体別の取り組み(方策E)地域福祉の支え手の活動支援 市民 活動者だけではなく、参加者全員で協力して活動を進める。 地域において活動を重ね、ときには中心的な役割を担う。 地域活動団体 団体内で中心的な役割を担うキーパーソンや活動者を団体として支えあう。 社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等 可能な範囲において、空きスペースを地域福祉活動の場として提供する。 可能な範囲において、地域福祉活動のための資金や物資の提供に協力する。 市、社会福祉協議会の共通 キーパーソンや活動者を支えるための協働の場づくりなど地域における支援体制のあり方を研究する。 地域福祉活動に必要な場やその情報を提供する。 地域に根ざした活動や先進的な地域福祉活動にかかる資金の助成を行う。 市 地域で活動する団体等のキーパーソンや活動者を支えるための施策を検討する。 主な関連施策や事業等 コミュニティセンター、文化センター、地域支えあい事業、高齢者サロンの整備等生活支援推進事業等 社会福祉協議会 地域で活動する団体等のキーパーソンや活動者の意見を集約し、市に必要な対応の提案をする。 福祉基金の使い道を市民に分かりやすく広報し、寄付の募集を進めるとともに、地域福祉活動に対する助成を行う。 コミュニティワーカーとしての専門的なアドバイスや支援(区社協による学区担当制)、在宅サービスセンター、地域支えあい事業(実施の受託)、高齢者サロンの整備等生活支援推進事業、地域の子ども応援事業、福祉基金による助成事業等 主な関連施策や事業等は、令和2年3月時点の内容です。 92ページ T.地域福祉活動のキーパーソンをはじめとする活動者を支える仕組みづくり 具体的な取り組み、現状と課題(24頁) 1)一部のキーパーソンや活動者に負担が集中している現状を少しでも軽減する取り組みを実施します。 キーパーソンや活動者から出される意見に耳を傾け、真摯に取り組むとともに、他都市等の好事例を収集して取り入れることによって、少しでも負担の軽減を図っていきます。また、活動の良かった点等を評価し、感謝する機会をつくるなど、活動者が楽しみややりがいを感じ、モチベーションの継続につながる取り組みを検討していきます。 2)キーパーソンや活動者に対し専門的な助言や支援を行います。 地域の福祉課題・生活課題が複雑化・多様化する中、地域福祉活動を進める上では、専門的な知識が必要になる場合があります。キーパーソンや活動者が地域福祉活動を円滑に行えるよう、地域支援を行うコミュニティワーカーが相談を受け止め、専門的なアドバイスや支援を行います。 事例 地域福祉活動を行うキーパーソンへの支援 千種区では、区社協職員(コミュニティワーカー)が地域のキーパーソンに対し活動に関する助言や支援を行うほか、「ふれあい・いきいきサロン」の運営者や「地域支えあい事業」のボランティア等のスキルアップを目的としたボランティア研修会を開催するなどして、地域福祉の推進を図っています。 3)キーパーソンを担う人材のための研修を実施します。 活動に必要な知識や技能を高めることを目的に、キーパーソンや活動者の様々な役割に応じた研修を行います。「地域支えあい事業」や「高齢者サロンの整備等生活支援推進事業」では、地域でコーディネート役を担う人材やサロン実践者など地域福祉活動を担う人材を育成するための研修を行います。 93ページ 4)課題の多様化に対応するため、分野に特定されることなく、様々な活動者が一緒になって取り組んでいく協働の場をつくります。。 様々な立場の人の社会参加を支援するための活動プログラムづくりを検討するとともに、福祉以外の分野に関わる団体や企業等の幅の広い活動につなげていくため、出会いと学び、協働を生み出す場を提供する場づくりを推進していきます。 事例 様々な分野、団体で協働を生み出す場づくり 北区では、ボランティア団体や障害当事者、福祉事業所、社会福祉協議会などで構成される委員会メンバーで、ボランティア、福祉関係者と地域団体活動者が交流する集い『北区みんなで交流会』を開催しています。交流会では、取り組みの実践報告のほか学区ごとのグループに分かれ、様々な立場の方々が、お互いに地域に対してできることなどを意見交換しています。個々の活動(点)を互いに伝え合い、交流する中で連携の可能性を探り、活動が広く学区規模の活動(面)として発展することを目指しています。 94ページ U.地域福祉活動を支える社会資源づくり 具体的な取り組み、現状と課題(25頁) 1)地域福祉活動の拠点づくりを進めます。 地域福祉活動を行うためには、関係者が集まって相談したり、実際に活動するための拠点となる場所が必要になります。誰もが活動しやすい拠点の環境の整備や情報の発信が重要です。 コミュニティセンター 市では、各小学校区単位でコミュニティセンターを整備しており、例えば、「ふれあい・いきいきサロン」や「子ども食堂」などの地域福祉活動の実施場所として活用されています。コミュニティセンター及び類似施設が未だ整備されていない小学校区については、条件が整ったところから、引き続き整備を進めます。 在宅サービスセンター 各区単位に在宅サービスセンターを整備しています。地域福祉活動の活動拠点として、研修室やボランティアルームなどの部屋の貸出しを行うとともに、福祉に関する情報コーナーの充実など、地域福祉活動の活動拠点としての取り組みを進めます。 社会福祉施設 市内の老人福祉施設、保育所、障害者施設などの社会福祉施設では、空いている会議室を貸し出すなどの地域貢献を行っている施設があります。特に、社会福祉法人では、地域における公益的な取り組みの一環として、このような取り組みを積極的に行ってもらうよう働きかけていきます。 文化センター 西・中文化センターは、地域住民の福祉の向上と人権啓発のための地域交流の促進を目的として設置されています。 事例 文化センターでの地域と協力した様々な事業 西・中文化センターは、地域住民の福祉の向上と人権啓発のための地域交流の促進を目的として設置されています。毎年5月の憲法週間や12月の人権週間には人権尊重の意識の高揚を図るための記念行事として、講演会や映画会、作品展、パネル展示などを実施し、多くの方に来場いただいています。また、保健センターやいきいき支援センターなどとともに、健康相談や介護予防事業をはじめとする各種相談事業や教室・講座を開催することにより、地域福祉の向上に努めています。 95ページ また、ふれあい・いきいきサロンや子ども食堂など新たな地域での交流の場や居場所が増えていますが、空きスペースや調理設備のある施設等の情報がなく、活動場所の確保が立ち上げの際の課題となっています。空きスペースなどの情報収集や、地域福祉活動の場を可能な範囲で提供してもらえるよう商店街・事業所・企業や大学等に働きかけを行います。 事例 社会福祉施設からの地域での交流場所の提供 南区にある「特別養護老人ホームゆうあいの里大同」は、区社協といきいき支援センターが立ち上げを支援した高齢者サロンに、会議室や大広間を提供しています。サロンには、ゆうあいの里大同の利用者が参加することもあり、施設利用者と近隣住民の交流の場にもなっています。 2)地域福祉活動を行う団体等へ助成や支援を行います。 地域福祉活動を積極的に行う地域福祉推進協議会を支援するため、活動費の助成を行います。また、「地域支えあい事業」や地域の子ども応援事業を実施することにより、地域で助けあい支えあうための必要資金や、子どもが地域での交流を通じて主体性や社会性を身につけることができる事業や子育て支援の担い手を養成する事業の一部を手当てし、特定の活動を目的とした地域福祉活動への助成を行います。 事例 子どもの健全育成を目的とした支援 なかがわのまちづくり人を育てる会は、市社協が実施する「地域の子ども応援事業」の「子どもの主体的な活動応援事業」の助成により、企画段階から子どもたちが参画し、仕事や社会の仕組みを体験する「なかがわドリームタウン」を開催しています。事業を通じて、子どもの主体性や創造性、社会性を育むことが期待されています。 福祉基金を活用して、地域のふれあいや交流事業、先駆的な地域福祉の活動などの地域福祉活動に対して助成を行っています。この福祉基金に継続的な積 み立てを行うため、基金への寄付を募る活動を積極的に行うとともに、限られた財源を必要性の高い地域福祉活動に助成できるよう助成の見直しを検討します。 96ページ 福祉基金 福祉基金は、地域ぐるみの福祉活動を応援し、ふれあいのある豊かな福祉風土を市民とともにつくりあげていくことを目的とした基金です。基金により、近隣同士の支えあい・助けあい活動、子育てサロン等のふれあい・交流活動、ボランティア活動の応援、地域の支えあい事業を立ち上げたい人の応援、などの福祉活動が支えられています。 また、これまで、企業や団体の社会貢献活動、香典返し、遺言でご自身の意思を残す遺贈などのご寄付がありました。なお、福祉基金の設置・管理は市社協が行い、基金の運営にあたっては「福祉基金運営委員会」を設置し適正な運営に努めています。 また、活動団体への支援の流れを促進するため、市民や企業からのNPO等への寄付を促進するためのイベントや寄付募集に関する講座、助成金情報の提供等を行います。なお、寄付文化の醸成にあたっては、多様な寄付の在り方や、使い道の広報など寄付者の納得が得られる仕組みを検討していく必要があります。 事例 楽しみながらNPOを支援(ファーストキフ) 市民活動推進センターでは、市民とNPOとの交流イベントを実施するほか、民間事業者と協働し、参加費の一部をNPOに寄付するチャリティイベントとして、ランニングイベントやクラウンショーを開催しています。市民にとっては、イベントなどを楽しみながら、私たちを取り巻く社会課題を知り・考えるきっかけになるとともに、NPOへの寄付(チャリティ)を通じた社会貢献ができる機会を提供しています。参加団体にとっては、単なる資金調達だけでなく、団体の活動を広く市民に発信する機会となることで、支援の輪が広がるチャンスにもなっています。 事例 共同募金運動を通じた地域福祉の推進 共同募金運動は、地域福祉活動の財源確保の取り組みであり、住民参加の促進や活動主体の育成や、その助成を通じて、地域の課題解決を図る地域福祉活動の1つです。昭和区では「赤い羽根チャリティ展覧会」を開催し、イラストレーターや障害のある作家による作品の売上が共同募金に寄付され、区内の福祉活動に役立てられています。 97ページ 方策を効果的に推進するための取り組み、3つの「取り組むべき方向性」を支える連携・協働の仕組みづくり 具体的な取り組み、現状と課題(31頁) 1)相互理解を図り、顔の見えるつながりづくりを支援します。 3つの「取り組むべき方向性」を効果的に進めていくためには、地域福祉に携わる様々な活動者や関係機関、市社協、区社協、行政などが、相互理解を図り、ネットワークを組んで連携・協働を推進するための場が必要です。例えば、小学校区レベルの場では、前述した「地域福祉推進協議会」や「地域支えあい事業」における地域住民を主体とした「地域支えあい活動連絡会議」などが考えられます。区レベルでは、「地域ケア会議」、「自立支援連絡協議会」、「なごやこどもサポート区連絡会議」、市レベルでは、本計画の策定懇談会のような多様な関係機関・団体が集まる場が考えられます。こういった場づくりを行うとともに、その活性化によって相互理解を図り、顔の見えるつながりづくりを支援します。なお、これらの仕組みづくりや支援にあたっては、既存の各種協議体との関係性を整理し、地域住民や専門職等の負担とならないような協議の場の設置や活用を進める必要があります。 地域福祉推進協議会 15ページを参照ください。 地域支えあい活動連絡会議 「地域力の再生による生活支援推進事業(地域支えあい事業)」を実施している小学校区ごとに設置している住民主体の会議です。地域の高齢者が抱えている生活課題の把握とその支援方法の検討を行います。 地域ケア会議 個別ケースの支援内容の検討、ケアマネジメントの支援、地域支援ネットワークの構築、地域課題の把握などについて、多職種で連携・協働するために、介護保険法第105条の48に基づき、区ごとに設置しています。 自立支援連絡協議会 地域における障害福祉に関する関係者による連携及び支援の体制に関する協議を行うため、区ごとに設置しています。 なごやこどもサポート区連絡会議 児童虐待等の問題解決のため、各区において関係機関の連絡調整、情報交換を実施するなごやこどもサポート区連絡会議を設置し、地域の力を生かした虐待防止ネットワークづくりを促進しています。 98ページ 2)地域や分野を超えた連携・協働を進めます。 区などの地域(圏域)や高齢者福祉・障害者福祉・児童福祉などの分野を超えて検討が必要な課題について、市役所内の部局や区役所・保健センター、市・区社協を超えた横断的な対応が必要となることを認識し、「なごやか地域福祉2020推進幹事会・ワーキング」など市役所や市社協内部における部局間の連携、区役所や区社協との連携・協働により対応します。あわせて、市・区社協の協議体としてのネットワークを活かし、行政も含めた地域に関わる様々な団体との連携・協働を引き続き進めます。また、医療と介護の分野においては、地域での生活を支える在宅医療と介護の連携を推進するため、「在宅医療・介護連携推進会議」を設置し、医療機関と介護事業者の連携の仕組みづくりを推進します。 事例 連携・協働による地域福祉の推進を目指して 今回の計画をつくるために、策定懇談会における様々な団体の代表者や市民の方々、市と市・区社協の様々な部署の職員がともに地域福祉を考えてきました。地域福祉の取り組みにあたっては、計画をつくることも大切ですが、そのためにお互いの顔を見ながら話し合うことで生まれる関係が重要なポイントです。 3)地域福祉活動のための個人情報の共有のあり方を引き続き整理します。 地域の助けあい活動や見守り活動といった顔の見える関係づくりや災害発生時の支援活動の中で得られる個人情報は、家族構成や障害の有無といったデリケートな情報が含まれることが想定されるため、その取り扱いに関しては、人権の尊重や人間としての尊厳の観点からも、より一層の管理と配慮が必要です。一方で、こうして得られた情報は、お互いの信頼関係を前提にしながら適切に活用することで、円滑な支援、的確な支援に役立てることができます。地域福祉活動を進めるにあたっては、個人情報の「保護」と支援における「活用」に関する考え方を一定程度整理しておく必要があることから、引き続き地域における個人情報の共有のあり方についての整理を進めます。 99ページ 第5章 計画の進行管理と評価 1 推進体制 本計画の進行管理・評価は、市及び市社協が一体となって設置する進行管理のための幹事会・ワーキング及び市民、各分野の活動関係者及び学識経験者等から意見を聴取するための「地域福祉に関する懇談会(以下「懇談会」という。)」により行います。この懇談会の構成員は固定化せず、その時々の福祉課題に応じて、意見の聴取が必要な団体等に出席を依頼します。 地域福祉に関する懇談会(学識経験者、団体関係者、市民活動関係者、市民委員)となごやか地域福祉2020推進幹事会・ワーキング(関係各課職員)防災危機管理局、市民経済局、健康福祉局、子ども青少年局、住宅都市局、市社協、区社協の関係部署が連携して進めます。 2 進行管理・評価の考え方 本計画では、基本理念及び基本目標の実現に向けて、市総合計画で掲げた成果指標や個別計画で設定した事業量等を踏まえながら、各福祉分野が共通して取り組むべき方策を示すとともに、具体的な取り組みの展開として、市民、地域活動団体、社会福祉法人、商店・商店街・事業所・企業・大学等、市及び社会福祉協議会が取り組むべき方策を掲げています。 この各主体が取り組むべき方策の進捗状況については、毎年度、幹事会・ワーキングにおいて、各事業や取り組みを担当する市及び市社協の各部署が作成する進行管理・評価シートをもとに進行管理を行い、その結果を懇談会に報告するとともに、事業ごとの課題及び今後の方向性に関する意見を聴取することにより、評価を行います。併せて、こうした毎年度の評価を踏まえ、各主体において、さらなる事業の推進や、新たな事業の予算化など具体的な方策の推進を図ります。 また、計画期間終了時には、方策の進捗状況に加え、実地調査やアンケート調査などにより、計画の期間全体の評価を行い、次期計画に反映することとします。 100ページ 3 計画の内容の変更 計画期間の途中であっても社会情勢の変化や国の動向等に応じて、この計画の見直しが必要な場合には、懇談会の意見を参考に、所要の改定を行います。 101ページ 参考資料 目次 1 各施策・事業の一覧、102ページ 2 策定体制・策定の経過、109ページ 3 アンケート結果、112ページ 4 要綱と名簿、141ページ 5 用語解説、146ページ 102ページ 1 各施策・事業の一覧 方策@孤立を生まない地域づくり 以下に、関連施策や事業等とその概要、所管の部署を示します。 ふれあい給食サービス事業の支援は、高齢者等の孤独感の緩和・安否の確認や連帯感を高めるために、ひとり暮らし高齢者等とボランティアが食事を介してふれあいを深めるふれあい給食サービス事業を支援します。所管は、社会福祉協議会 コミュニティワーカーとしての地域支援は、社会福祉協議会の職員がコミュニティワーカー(参考資料の用語解説を参照)として地域支援(参考資料の用語解説を参照)を行います。所管は、社会福祉協議会 ふれあい・いきいきサロン活動の支援は、地域の孤立しがちな高齢者、障害者、親子等が気軽に集まり、地域住民とともに楽しく過ごすことを通し、地域の関係づくりを進める「ふれあい・いきいきサロン」活動を支援します。所管は、社会福祉協議会 高齢者サロン整備等生活支援推進事業は、高齢者等の集いの場(サロン)の整備やサロン運営者の育成、生活支援のネットワークづくりを推進することにより、生活支援の基盤と充実を図っています。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 子ども食堂推進事業は、子ども食堂の実施団体に対し、開設経費を助成するとともに、連絡会やシンポジウム等を開催し、市内の子ども食堂の活動を支援しています。所管は、社会福祉協議会 福祉教育・福祉学習は、子どもたちをはじめとした市民の福祉意識を高めていくことで、地域の様々な課題に市民が関心を持ち、自らが主体的に地域福祉活動を実践していけるように、学校や地域との連携、協働した魅力あるボランティア活動や福祉学習の実践に関する相談に応じるとともに、車いす、点字器、アイマスクといった資材貸出などの支援を行っています。所管は、社会福祉協議会 障害者差別相談センターは、専門の相談員が障害者やその家族、事業者などから障害を理由とする差別に関する相談を受けて、関係者間の調整などを行って解決につなげます。所管は、健康福祉局障害企画課 103ページ ふれあいネットワーク活動の支援は、地域で見守りが必要な方に対して、近隣住民が日常的に見守りや助けあいを行い、必要に応じて福祉サービスへと結びつけるふれあいネットワーク活動を支援します。所管は、社会福祉協議会 高齢者の孤立防止事業は、地域で高齢者を見守り、支えあうため、地域の住民や事業者、関係機関による地域支援ネットワークづくりを推進します。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 はいかい高齢者おかえり支援事業は、徘徊のおそれがある人の情報を登録した上で、その人が行方不明となった場合に、身体的特徴や服装等の情報を「おかえり支援サポーター」等に対してメールで配信し、情報提供を依頼します。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 青少年育成市民会議(地域の世話やき活動等の実施)は、地域の青少年育成団体や関係業界団体などにより青少年育成市民会議を組織し、地域の大人が、登下校時に子どもたちを見守りながらあいさつ運動を行うなどの「地域の世話やき活動」をはじめとする青少年健全育成の取り組みを行います。所管は、子ども青少年局青少年家庭課 赤ちゃん訪問事業は、地域と子育て家庭をつなぐ取り組みとして、主任児童委員等が乳児のいる家庭を訪問します。所管は、子ども青少年局子育て支援課 市営住宅ふれあい創出事業(高齢者見守り支援事業)は、名古屋市内の市営住宅において、75歳以上の単身世帯、夫婦世帯等を対象として巡回員が定期的に電話連絡や戸別訪問を実施し、安否確認や簡易な生活相談等の支援を行います。所管は、住宅都市局住宅管理課 高齢者の見守り支援事業は、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯の方に対して、見守りのネットワークの調整など、一人ひとりの状況にあわせた支援を実施しています。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 高齢者の見守り協力事業者登録事業は、51ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 104ページ 困ったときに支えあい助けあえる地域づくり 地域支えあい事業は、各学区で相談や調整を担う「ご近所ボランティアコーディネーター」を核に、ちょっとした困りごとを抱えた高齢者と、手助けをする地域のボランティアをつなぐ仕組みです。活動したボランティアにはボランティアポイントが付与されます。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 コミュニティワーカーとしての地域支援は、102ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 高齢者サロンの整備等生活支援推進事業は、102ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 助け合いの仕組みづくりは、高齢者や障害者など地域の支援が必要な方々について、大きな災害が起こったときの安否確認や避難の方法をあらかじめ地域で話し合っておくための仕組みづくりです。所管は、防災危機管理局地域防災室、消防局消防課、健康福祉局監査課 災害ボランティアコーディネーター養成講座は、被災者とボランティアの橋渡しを行う災害ボランティアコーディネーターの養成を行います。所管は、市民経済局市民活動推進センター 災害時のボランティア活動支援は、災害時におけるボランティア活動について、行政機関や16区に組織された災害ボランティア団体、NPO法人等で構成する「なごや災害ボランティア連絡会」に参画し、平常時から連携、基盤整備・強化を図るとともに、災害に強いまちづくりに向けた啓発や他地域の災害に対して必要に応じた支援を行います。所管は、社会福祉協議会 福祉避難所の指定は、指定避難所の福祉避難スペースでの避難生活が困難な人が避難する二次的な避難所である福祉避難所の指定をあらかじめ行います。所管は、健康福祉局監査課 105ページ 様々な困りごとを丸ごと受け止め支える仕組みづくり 相談窓口やサービスなどの情報提供。いきいき支援センターの所管は、健康福祉局地域ケア推進課。障害者基幹相談支援センターの所管は、健康福祉局障害者支援課。地域子育て支援拠点事業の所管は、子ども青少年局各課。子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)の所管は、子ども青少年局子育て支援課。エリア支援保育所の所管は、子ども青少年局保育運営課。62ページで記載のとおり。 高齢者いきいき相談室の所管は、健康福祉局地域ケア推進課。子ども・若者総合相談センターの所管は、子ども青少年局青少年家庭課。若者サポートステーションの所管は、子ども青少年局青少年家庭課。発達障害者支援センターりんくす名古屋の所管は、子ども青少年局子ども福祉課。ひきこもり地域支援センターの所管は、健康福祉局障害企画課。仕事・暮らし自立サポートセンターの所管は、健康福祉局保護課。63ページで記載のとおり。 介護サービス事業者自己評価・ユーザー評価事業は、介護サービスの問題点を把握し運営を改善するため、サービスの提供者と利用者がそれぞれ評価する事業を事業者団体と共催で実施します。所管は、健康福祉局介護保険課 介護事業所にかかる情報公表制度は、利用者や家族が適切に介護事業所を選択できるよう、介護事業所から報告されたサービス内容等の情報を公表するとともに、公表内容を確認するための調査を実施します。所管は、健康福祉局介護保険課 障害福祉サービス等にかかる情報公表制度は、利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるよう、障害福祉サービス事業者等から報告されたサービス内容等の情報を公表するとともに、公表内容を確認するための調査を実施します。所管は、健康福祉局障害者支援課 地域支えあい事業は、104ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 106ページ 包括的な支援体制の推進は、地域住民等及び支援関係機関による、地域福祉の推進のための相互の協力が円滑に行われ、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制を推進する。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 自立相談支援・就労準備支援・家計相談支援事業、就労訓練事業は、市内3か所(名駅・金山・大曽根)に設置する仕事・暮らし自立サポートセンターにおいて、下記の事業を一体的に実施しています。 自立相談支援事業は、相談に幅広く対応するとともに、自立に向けて一人ひとりの状況にあわせた支援を実施するための計画の作成などを行います。 住居確保給付金は、離職などにより住居を失った方、または失うおそれのある方に有期で家賃相当額を給付します。 家計改善支援事業は、家計に課題を抱える方に対して、「家計の見える化」などを通じ、家計が計画的に管理できるよう支援を行います。 就労準備支援事業は、直ちに一般就労が困難な方に対して、就労に必要な能力向上のための支援を行います。 就労訓練事業(中間的就労)の推進は、一般就労への移行が困難な方に対して、状態に応じた就労の機会を提供する就労訓練事業の利用を促進するため、事業所の開拓や利用のあっせんなどを行います。 自殺対策事業の推進は、平成30年12月に策定した「いのちの支援なごやプラン(名古屋市自殺対策総合計画)」に基づき、自殺や精神疾患などの正しい知識の普及啓発等の「自殺の予防」、自殺の危険がある人のサインに気づき未然に防ぐ「自殺の防止」、「自死遺族に対する支援」の3つの視点から総合的な自殺対策事業を推進します。所管は、健康福祉局障害企画課 民間賃貸住宅入居相談は、栄住まいの窓口「住まいの相談コーナー」において、住宅探しでお困りの方を対象に居住支援法人と連携し、民間賃貸住宅に関する入居相談を実施しています。所管は、住宅都市局住宅企画課 107ページ 方策C 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進)  障害者・認知症高齢者権利擁護事業の所管は、社会福祉協議会、成年後見あんしんセンターの所管は、健康福祉局地域ケア推進課、法人後見センターの所管は、社会福祉協議会、消費生活センターの所管は、市民経済局消費流通課。75ページで記載のとおり。 高齢者虐待相談センターの所管は、健康福祉局地域ケア推進課、障害者虐待相談センターの所管は、健康福祉局障害企画課、児童相談所の所管は、子ども青少年局児童相談所、児童家庭支援センターの所管は、子ども青少年局子ども福祉課、配偶者暴力相談支援センターの所管は、子ども青少年局子ども福祉課。76ページで記載のとおり。 方策D 多様な主体の参加促進 鯱城学園は、高齢者の生きがいの向上と社会参加の促進を図るため、60歳以上の方を対象に学習の場を提供します。所管は、健康福祉局高齢福祉課 生涯学習センターは、1区に1館設置され、市民の生涯学習活動を支援します。所管は、教育委員会生涯学習課 地域支えあい事業は、103ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 市民活動推進センターは、83ページで記載のとおり。所管は、市民経済局市民活動推進センター 市・区社協ボランティアセンターは、83ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 福祉教育・福祉学習は、102ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 なごやか地域福祉・大学ラウンドテーブルは、84ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課、社会福祉協議会 108ページ 地域福祉活動やボランティア、NPO活動を身近に感じる啓発事業は、地域福祉活動やボランティア、NPO活動が活性化されるように、地域住民等を対象とした啓発事業を実施します。所管は、健康福祉局地域ケア推進課、市民経済局市民活動推進センター、社会福祉協議会 社会福祉法人の地域における公益的な取り組みの推進は、すべての社会福祉法人は、その高い公益性にかんがみ、地域の福祉ニーズ等を踏まえつつ、法人の自主性、創意工夫による多様な地域貢献活動を行います。所管は、健康福祉局子ども青少年局各課 なごや・よりどころサポート事業は、86ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 方策E 地域福祉の多様な支え手の活動支援 コミュニティワーカーとしての専門的なアドバイスや支援は、社会福祉協議会の職員がコミュニティワーカー(参考資料の用語解説を参照)として地域福祉推進にかかるアドバイスや支援を行います。所管は、社会福祉協議会 地域支えあい事業は、104ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 コミュニティセンターは、学習、情報交換のため気軽に集まれる場として、地域福祉活動や防災活動など生活を安定・向上させるための地域の活動の拠点です。所管は、市民経済局地域振興課 在宅サービスセンターは、地域における福祉活動の推進と在宅保健福祉サービスの提供を総合的に推進するための拠点。活用例としては、ボランティアグループの連絡会議やサロンのような交流活動などがあります。所管は、社社会福祉協議会 文化センターは、地域社会全体の中での福祉の向上や、人権啓発の住民交流の拠点となるコミュニティセンターとしての各種事業(生活相談・高齢者相談等の各種相談、人権に関わる啓発事業、保健福祉・教養文化等の各種講座・教室の開催)を実施しています。所管は、市民経済局人権施策推進室 高齢者サロンの整備等生活支援推進事業は、102ページで記載のとおり。所管は、健康福祉局地域ケア推進課 109ページ 子ども応援事業は、次代を担う子どもたちが地域において他者との交流などを通じて主体性や社会性等を身につけることができる事業及び子育て支援の担い手を養成する事業に対して助成を行います。所管は、社会福祉協議会 福祉基金は、96ページで記載のとおり。所管は、社会福祉協議会 2 策定体制・策定の経過 (1)策定体制 「なごやか地域福祉2020(名古屋市地域福祉計画・名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画)」策定懇談会・作業部会 計画案に対する専門的見地からの意見聴取の場 市民の代表として市民委員からの意見聴取の場 「なごやか地域福祉2020」策定幹事会・ワーキンググループ(市と市・区社協職員) 行政内部や社協内部、行政と社協の意見調整 策定懇談会、作業部会との調整 各方面からの意見集約の準備・実施 なごやか地域福祉2020策定懇談会、作業部会及び策定幹事会・ワーキンググループそれぞれが連動して策定作業を進めてきました。 110ページ (2)策定懇談会・作業部会の開催状況 平成30年度 策定懇談会 平成30年8月1日第1回策定懇談会 1 会長及び職務代理者の選任 2 現行の計画について 3 新たな計画の策定について 等 作業部会 平成30年9月12日第1回作業部会 1 部会長及び職務代理者の選任 2 計画策定方針について 3 包括的な相談支援体制のモデル実施の検討 4 市民、関係団体等への意見聴取 方法について等 11〜3月地域福祉活動等の現場視察 平成31年2月18日第2回作業部会 1 市民、関係団体等への意見聴取結果について 2 包括的な相談支援体制構築に向けた調査等 令和元年度 策定懇談会 令和元年9月11日第3回策定懇談会 1 計画の文案等 令和2年3月23日第4回策定懇談会 1 計画の文案 等 作業部会 令和元年5月30日第3回作業部会 1 計画策定のポイント 2 成年後見制度利用促進基本計画について等 令和元年8月21日第4回作業部会 1 計画の文案 2 成年後見制度利用促進基本計画について等 ※令和2年3月に予定していた第4回策定懇談会は中止 111ページ (3)地域福祉活動等の現場視察 地域の先進的な地域福祉活動等を視察し、活動者との意見交換を行うことを目的として、作業部会の委員による現場視察を実施しました。 (4)幹事会・ワーキングループ 本計画の策定にあたっては、市と市・区社協の各部署の職員が一堂に介して、地域福祉に関して議論を行いました。 参加部局 防災危機管理局地域防災室、市民経済局企画経理課、地域商業課、市民活動推進センター、健康福祉局総務課、監査課、高齢福祉課、地域ケア推進課、介護保険課、障害企画課、障害者支援課、保護課、地域医療課、子ども青少年局企画経理課、子育て支援課、子ども福祉課、住宅都市局住宅企画課、住宅管理課、市社協、各区社協 会議 幹事会(各課課長級職員)全6回、ワーキンググループ(各課係長級職員・主事等) 全6回 (5)なごやか地域福祉ニュースの発行 策定の経過をお知らせするため、原則隔月で、各区役所の情報コーナー及び市公式ホームページで配布しました。 112ページ 3 アンケート結果 計画の策定にあたり、地域の福祉課題、ニーズを明らかにすることなどを目的として、市民や各学区で活動している各種団体・相談機関等に対するアンケートを実施しました。 実施時期 平成30年10月下旬から12月下旬 実施結果 各対象別アンケート 1 市民を対象として、市政アンケートを実施し、配布数2,000に対し、回収数935(46%) 2 地域福祉推進協議会を対象として、推進協用を実施し、配布数266に対し、回収数193(73%) 3 策定懇談会関係団体を対象として、関係団体用を実施し、配布数32に対し、回収数27(84%) 4 社会福祉法人を対象として、社会福祉法人・NPO用を実施し、配布数100に対し、回収数64(64%) 5 NPO法人を対象として、社会福祉法人・NPO用を実施し、配布数100に対し、回収数44(44%) 6 ボランティアグループを対象として、ボランティア用を実施し、配布数100に対し、回収数64(64%) 7 商店街を対象として、商店街等用を実施し、配布数96に対し、回収数43(48%) 8 企業を対象として、商店街等用を実施し、配布数100に対し、回収数33(33%) 9 大学を対象として、商店街等用を実施し、配布数31に対し、回収数13(42%) 10 いきいき支援センターを対象として、相談支援機関等用を実施し、配布数29に対し、回収数26(90%) 11 障害者基幹相談支援センターを対象として、相談支援機関等用を実施し、配布数16に対し、回収数12(75%) 12 地域子育て支援拠点を対象として、子育て支援に関する相談支援機関等用を実施し、配布数113に対し、回収数77(71%) 13 子育て総合相談窓口を対象として、子育て支援に関する相談支援機関等用を実施し、配布数16に対し、回収数14(88%) 14 エリア支援保育所を対象として、子育て支援に関する相談支援機関等用を実施し、配布数20に対し、回収数16(80%) 15 民生委員児童委員を対象として、民生委員児童委員用を実施し、配布数266に対し、回収数234(88%) 113ページ 平成30年度市政アンケート調査【結果】 名古屋市では、市民の誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるよう、「なごやか地域福祉2015」を平成27年3月に策定し、地域福祉の推進に取り組んでまいりました。今回の調査では、地域における助け合いや支え合いなどに関することをおたずねし、新たな計画(計画期間:平成32年度〜36年度)を策定するための参考とさせていただきます。 今回のアンケートの結果は、平成30年度に実施しました。前回は、平成25年度に実施しています。 身近な地域に対する意識・近所づきあいについて 問1 あなたが身近に感じる「地域」の範囲は、次のどの範囲ですか。(○は1つだけ) 1 名古屋市全域は、10.6%、2 現在住んでいる区は、25.7%、3 現在住んでいる中学校区は、6.1%、4 現在住んでいる小学校区は、14.5%、5 現在住んでいる町内は、29.8%、6 隣近所は、8.0%、7 その他は、1.5%でした。 問2 あなたは、ご近所(町内程度)の人と、どのようなつきあいをしていますか。(○は1つだけ)問2 あなたは、ご近所(町内程度)の人と、どのようなつきあいをしていますか。(○は1つだけ) 1 困ったときにお互いに助け合っているは、8.0%、前回は8.5%、2 助け合うまではいかないが、親しく話をしているは、14.2%、前回は13.7%、3 たまに立ち話や世間話をしているは、19.7%、前回は23.6%、4 顔があえばあいさつをしているは、46.3%、前回は45.8%、5 ほとんどつきあいはないは、9.6%、前回は7.1%でした。 問3 あなたは、ご近所(町内程度)の「人と人とのつながり」は、どのようになっていると思いますか。(○は1つだけ) 1 つながりが薄れてきていると思うは、43.7%、前回は68.2%、2 以前からつながりは薄いと思うは、40.5%、前回は14.8%、3 以前からつながりは強いと思うは、6.4%、前回は9.3%、4 つながりが強まってきたと思うは、2.7%、0.9%、5 その他4.2%、4.8%でした。 問4 あなたは、ご近所(町内程度)の「人と人とのつながり」について、どのような関係が望ましいとお考えですか。(○は1つだけ) 1 困ったときにお互いに助け合うは、39.3%、前回は28.2%、2 助け合うまではいかないが、親しく話をするは、21.3%、前回は31.5%、3 たまに立ち話や世間話をするは、14.8%、前回は21.7%、4 顔があえばあいさつをする20.4%、前回は16.1%、5 特につながりを持つ必要はない2.5%、前回は1.3%でした。 問5 現在、あなたのご近所(町内程度)で、問題になっていると思うことは何ですか。(○はいくつでも) 1 住民同士の交流する機会の減少は、24.1%、前回は24.3%、2 住民同士の助け合い意識の低下は、20.2%、前回は23.0%、3 地域の治安 (防犯) は、21.2%、前回は28.8%、4 災害時に備えた対応や防災対策は、24.4%、前回は26.5%、5 地域の美化は、15.0%、前回は20.7%、6 高齢者世帯や障害者世帯への(見守りや生活等)支援は、16.8%、前回は20.5%、7 認知症による周辺症状に伴う近隣トラブル(徘徊など)は、4.0%、8 子育て環境(子育ての孤立化など)は、9.9%、前回は16.1%、9 子どもの健全育成(非行やいじめ、子どもの貧困など)は、8.3%、前回は11.1%、10 地域での住みやすさの問題(商業施設の減少や放置された空き家の増加など)は、12.8%、11 その他は、4.6%、前回は4.8%、12 特にないは、17.9%、前回は11.3%、13 分からないは、12.7%、前回は9.9%でした。 問6 あなたは、住民同士の「助け合い」として、何ができると思いますか。(○はいくつでも) 1 見かけたら声をかけるは、68.6%、前回は79.0%、2 訪問して安否確認するは、8.1%、3 電球の交換やごみ出しなど短時間の手助けをするは、12.6%、4 買い物を代わりにするは、4.9%、5 庭の手入れを代わりにするは、2.2%、6 世間話の話し相手になるは、23.0%、前回は47.4%、7 悩みごとや心配ごとの相談にのるは、9.8%、前回は17.1%、8 短時間子どもを預かるは、6.8%、前回は9.0%、9 災害発生時の声かけ・安否確認は、45.1%、10 その他は、1.9%、前回は2.1%、11 何もできないと思うは、11.7%、前回は12.3%でした。 問7 地域の困り事を住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのように変化していると思いますか。(○は1つだけ) 1 高まっているは、0.6%、2 やや高まっているは、5.8%、3 変わらないは、28.6%、4 やや低下しているは、17.2%、5 低下しているは、20.1%、6 分からないは、26.5%でした。 114ページ 困り事と相談窓口について 問8 あなたが知っている相談機関を教えてください。(○はいくつでも) 高齢福祉 1 いきいき支援センター(地域包括支援センター)は36.7%、2 認知症相談支援センターは9.0%でした。 障害福祉 3 名古屋市障害者基幹相談支援センターは10.2%、4 名古屋市障害者差別相談センターは3.0%、5 精神保健福祉センターここらぼは4.7%でした。 児童福祉 6 地域子育て支援拠点(つどいの広場含む。)は11.4%、7 子ども・子育て支援センターは21.7%、8 地域子育て支援センターは13.6%、9 保健センターの子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)は12.1%、10 子ども・若者総合相談センターは2.1%でした。 権利擁護 11 障害者・認知症高齢者権利擁護センターは4.4%、12 成年後見あんしんセンターは4.8%、13 児童相談所は39.6%、14 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターは4.8%でした。 地域福祉その他 15 社会福祉協議会は27.1%、16 仕事・暮らし自立サポートセンターは8.0%でした。 無回答は29.5でした。 問9 あなたは、今までに自身や家族の福祉に関する困り事について、相談することのできる窓口や機関が分からなかったことがありますか。(○は1つだけ) 1 あるは、22.6%、2 ないは、23.6%、3 困り事はなかったは、49.5%でした。 問10 あなたが相談に行きやすい相談窓口は、次のどの範囲までですか。(○は1つだけ) 1 市内は、16.1%、2 区内は、53.7%、3 中学校区内は、5.1%、4 小学校区内は、8.4%、5 町内は、8.4%、6 その他は、2.4%でした。 問11 あなたは、以下の困り事を抱えたことがありますか。(○はいくつでも) 1 介護と育児の両方をしなくてはならず負担に感じるは、3.5%、2 障害児(者)の世話をしており、自身も年を重ね対応が難しくなってきているは、2.8%、3 高齢の親の世話をしており、自身も障害(身体的、精神的等)があるは、3.1%、4 上記1〜3に加え、経済的な問題を抱えているは、1.9%、5 その他複数の福祉に関する困り事を同時に抱えているは、1.7%、6 福祉に関する困り事はあるが、相談できる身近な人がいないは、4.4%、7 福祉に関する困り事はあるが、誰にも相談する気になれないは、3.0%、8 上記の中にはないは、68.3%でした。 地域での活動について 問12 あなたは、現在又はこれまでに地域での活動に、担い手(お手伝い含む。)として参加したことがありますか。(○はいくつでも) 1 子ども会、老人クラブ、消防団、女性会などの地縁活動は、33.7%、前回は24.3%、2 民生委員・児童委員、保健環境委員、区政協力委員の活動は、9.9%、前回は8.1%、3 地域住民同士の交流を目的とした地域のサークルやクラブの活動は、10.6%、前回は10.0%、4 参加や活動をしたことがないは、50.6%、前回は38.9%でした。 問13 あなたは、地域での活動について、どのようにお考えですか(○は1つだけ) 1 参加したいは、5.3%、前回は3.6%、2 参加したくないは、16.3%、前回は10.5%、3 条件が整えば参加したいは、48.1%、前回は47.1%、4 わからないは、25.6%、前回は19.3%でした。 問13で2と答えた方におたずねします。 問14 あなたは、どのような条件であれば、地域での活動に参加しますか。(○はいくつでも) 1 興味のある活動内容であることは、60.7%、前回は34.3%、2 活動に伴う経済的負担がないことは、37.1%、前回は25.7%、3 手伝って欲しいと誘われればは、31.6%、4 一緒に活動する知人・友人がいることは、29.3%、前回は27.0%、5 活動団体や活動内容に関する詳しい情報が提供されていることは、23.6%、前回は15.4%、6 信頼・尊敬できるリーダーがいることは、18.0%、前回は15.7%、7 家族や職場など周囲の理解が得られることは、23.3%、前回は18.2%8 時間的に可能であることは、80.9%、前回は60.3%、9 活動に必要な知識を持っていることは、13.3%、前回は10.0%、10 その他は、0.2、前回は13.9%でした。 115ページ 地域福祉推進協議会アンケート質問票【結果】 今回のアンケートの結果は、平成30年度に実施しました。前回は、平成25年度に実施しています。 T−1.貴推進協の現在の状況についてお尋ねします 問1 貴推進協での、協議の場についてお尋ねします。 日ごろの活動の打合せや地域課題(地域の困りごと)等の解決に向けた話し合いは、どのような場や機会に行っていますか。(○はいくつでも) 1 特に行っていないは、10.4%、2 学区の各種団体の連絡会に合わせて推進協の会議を開催するは、44.6%、前回は56.0%、3 定期的に推進協の会議を開催する(総会含む)は、35.8%、前回は38.5%、4 事業の前後に従事する推進協の構成員が会議を開催するは、42.5%、前回は54.4%、5 地域支えあい事業(※1)の活動連絡会議で行っているは、25.9%、6 その他は、8.8%、前回は9.9%でした。 なお、地域支えあい事業とは、ちょっとした困りごとを、住民ボランティアによるお助け活動により解決することで、地域力の向上をはかることを目的とした事業です。 問1の2〜6に〇をつけた方は、次の質問にお答えください。 問2 問1の打合せや話し合いの場は年に何回ありますか?(上記で複数回答の場合はそれぞれの回数の合計になります)(〇は1つだけ) 1 年間、3回以下は、14.2%、前回は13.4%、2 年間、4回〜8回は、42.6%、前回は30.2%、3 年間、9回〜12回は、25.4%、前回は33.4%、4 年間、13回以上は、14.8%、前回は19.6%、5 その他は、1.2%、前回は0.6%でした。 問3 区社会福祉協議会(区社協)との連携について、どの程度行っていますか。(○はいくつでも) 1 地域で把握された問題について、必要の都度、相談しているは、63.2%、前回は54.4%、 2 年度の事業計画を作る際に相談しているは、25.9%、前回は30.8%、3 必要な場合に、事業の企画・準備をする際に相談しているは、51.8%、前回は55.5%、4 必要な場合に、事業の実施の際に職員に来てもらうは、63.2%、前回は58.8%、5 必要な場合に、事業実施後の反省会に職員に来てもらうは、12.4%、前回は9.9%、   6 研修会等に参加し、それ以外では特に相談することはないは、11.9%、前回は7.1%、7 その他は、2.1%、前回は3.8%でした。 問4 貴推進協で力を入れている活動や特色のある活動についてお尋ねします。(○はいくつでも) 1 福祉ニーズ調査などの地域住民ニーズ把握活動は、3.6%、前回は3.3%、2 広報紙の発行などの広報・啓発活動は、27.5%、前回は14.8%、3 ふれあいネットワーク(ふれあいネットワークとは、日常的に援助を必要とする人を近隣の住民が連携して、日常的に見守り、助け合う活動です。)などの見守り活動は、36.3%、前回は19.8%、4 ふれあい給食サービスなどのふれあい活動は、87.6%、前回は74.2%、5 ふれあいいきいきサロン(ふれあいいきいきサロンとは、地域の身近な場所に高齢者などが気軽に集まり、仲間づくりや生きがいづくりを行う活動です。子育てサロン(子育て中の親子を対象とした活動)については「6」と回答してください。)活動は、73.6%、前回は29.1%、6 子育てサロンなどの子育て支援活動は、81.9%、前回は66.5%、7 学校と協力した福祉教育活動は、33.2%、前回は15.4%、8 障害者・児と住民との交流活動は、7.3%、前回は0.5%、9 ボランティアの育成活動は、8.3%、前回は3.8%、10 地域支えあい事業など日常生活のちょっとした困りごとの相談受付や支援は、40.4%、前回は8.2%、11 防災活動や災害時要援護者支援活動(災害時要援護者支援活動とは、高齢者、障害者、乳幼児、妊婦、傷病者、日本語が不自由な外国人など、災害時の一連の行動に対してハンディを負う方々を支援する活動です。)は、30.6%、前回は11.5%、12 地域支え合いマップづくり(地域支え合いマップづくりとは、白地図にひとり暮らし高齢者等気になる人の家に印をつけ、誰がどのような 関わりをしているかを可視化することで、社会資源や地域課題を共有し、解決策を見出していく取り組みです。)などの地域の実態把握活動は、24.9%、13 専門職との話し合いの場の設置は、6.7%、14 その他は、3.6%、前回は6.6%でした。 116ページ 問5 貴推進協で実施されている取り組みが、どのような効果をあげたと評価していますか。(○は4つまで) 1 広報紙の発行や講座の開催により、住民の福祉に対する理解・関心が高まったは、18.1%、前回は14.85、2 ふれあいネットワーク活動等の見守り活動により、対象となるひとり暮らし高齢者などの不安が少なくなったは、20.2%、前回は24.2%、3 ふれあいネットワーク活動等の見守り活動により、住民相互の連携が良くなったは、20.7%、前回は17.6%、4 ふれあい給食サービスなどのふれあい活動により、以前は閉じこもりがちだった人が、地域と関わりを持つようになったは、65.3%、前回は70.3%、5 ふれあい給食サービスなどのふれあい活動により、新たな住民が地域の福祉活動に参加するきっかけづくりになったは、44.6%、前回は46.2%、6 ふれあいいきいきサロン活動により、以前は閉じこもりがちだった人が、地域と関わりを持つようになったは、55.4%、前回は30.8%、7 ふれあいいきいきサロン活動により、新たな住民が地域の福祉活動に参加するきっかけづくりになったは、38.3%、前回は18.7%、8 高齢者や障害者、子ども等の交流活動の実施により、地域で日常的な交流が行われるようになったは、15.5%、前回は24.2%、9 様々な福祉活動の実施により、地域の福祉課題や困りごとが把握しやすくなったは、16.6%、前回は19.8%、10 様々な福祉活動の実施により、推進協を構成する団体間の連携が良くなったは、13.0%、前回は20.9%、11 ボランティアグループやNPO法人、福祉施設などの他団体と情報交換や協力して事業を実施することにより、他の団体との連携や幅広い事業の実施が可能となったは、4.7%、前回は2.7%、12 その他は4.7でした。 問6 貴推進協が活動を行う時にどのような障害や問題点がありますか。(○は3つまで) 1 活動場所の確保が難しいは、7.8%、前回は11.8%、2 活動資金の調達に苦労しているは、12.4%、前回は24.2%、3 活動メンバーや運営スタッフが不足しているは、37.3%、前回は29.8%、4 活動メンバーや運営スタッフが固定しているは、58.0%、前回は50.3%、5 活動メンバーや運営スタッフの活動意欲の維持が難しいは、14.5%、前回は31.1%、6 活動がマンネリ化して広がらないは、22.8%、前回は29.2%、7 活動に関する助言を求めたいが、相談先がない、もしくは分からないは、0.5%、8 活動に対する地域住民の理解が不足しているは、26.9%、前回は41.0%、9 構成団体間の連携が不十分であるは、9.3%、前回は18.0%、10 構成団体以外の関連団体との連携が不十分であるは、6.7%、前回は9.3%、11 地域住民に対して活動に関する情報の発信が不十分であるは、19.7%、前回は22.4%、12 地域で活動する機会を得るのが難しいは、3.1%、13 その他は、7.8%、前回は9.9%でした。 問7 貴推進協では、災害時における地域の安全や安心などについて、何か実施されていることがありますか。(〇は1つだけ) 1 推進協メンバーや見守り対象者の安否を確認することになっているは、8.3%、2 地域に提供可能な物資や場所の用意があるは、7.3%、3 「助け合いの仕組みづくり」(「助け合いの仕組みづくり」とは、地域の自主的な活動として、災害時に支援が必要な住民を把握し、その方を支援する個別計画を予め決めておくことにより、災害時に迅速な安否確認や避難支援を行えるようにするものです。)の取り組みに協力しているは、13.0%、4 推進協活動を継続させるための計画やマニュアルを作成して、災害時に備えているは、0.5%、前回は1.1%、5 推進協としての活動計画はないが、区政協力委員会や民生委員協議会、自主防災組織等でそれぞれ救助活動をすることになっているは、51.7%、前回は50.6%、6 今後、どのような活動をしていくか検討していきたいは、9.3%、前回は13.7%、7 災害時等は、活動を行わないは、2.6%、前回は0.5%でした。 117ページ 問8 いわゆる社会的に孤立した人や世帯は、生活課題が深刻化する場合が少なくないと言われています。地域において社会的孤立を防止するために何が必要だと思われますか。(○は3つまで) 1 地域住民の理解・関心を高めるための活動は、25.4%、前回は32.4%、2 閉じこもりがちな人や孤立しがちな人(世帯)の情報の把握は、57.0%、前回は58.8%、3 ふれあい・いきいきサロンなど、住民同士の交流を促進する活動は、37.3%、4 地域住民による日常的な見守り、助け合い活動は、52.3%、前回は72.5%、5 地域で見守りや助け合い活動を行う地域住民と区役所や専門機関との連携は、25.9%、前回は50.5%、6 地域で交流づくりの活動を行う地域住民とボランティアグループ・NPOとの連携は、6.2%、前回は2.2%、7 身近に相談できる相談場所の設置、周知は、15.5%、前回は13.2%、8 地域住民だけでは対応が困難な事案について、直接訪問するなどの支援を行う専門職員の配置は、33.2%、前回は22.0%、9 地域の課題や支援が必要な世帯への対応策を話し合う場は、8.8%でした。 問9 社会的孤立を防止するために、貴団体が見守り活動などの取り組みを行うとしたら、どのような障害や問題点があると思われますか。(○は3つまで) 1 見守り活動を行う団体の人員が不足しているは、は、26.9%、前回は15.9%、2 個人情報保護の意識の高まりにより、対象者の把握が難しいは、68.9%、3 団体間の個人情報のやり取りが難しいは、19.2%、4 個人情報を管理することが難しいは、15.5%、5 地域のつながりが薄れ、対象者の把握が難しいは、35.8%、6 見守りを拒否する人への対応は、38.3%、前回は51.1%、7 オートロックのマンションなどセキュリティにより見守り活動が難しいは、37.3%、前回は43.4%、8 地域住民とその活動を支援する専門職員との連携が不十分は、7.8%、9 見守り活動で応答がないなど異常を発見した際の対応など活動のための相談窓口や支援する専門職員が不足しているは、9.3%でした。 T−2.今後の取り組みについて、お尋ねします 問1 貴推進協にとって事業を実施する担い手(スタッフ)の確保が重要だと思われますが、どのように対応をお考えですか。(○はいくつでも) 1 推進協の構成団体の会員から新たな担い手を募る(募っている)は、47.7%、前回は54.9%、2 推進協の構成員に個人ボランティアやボランティアグループを入れる(入っている)は、36.8%、前回は20.3%、3 事業に合わせて、協力者を募集する(募集している)は、50.8%、前回は42.3%、4 ボランティアグループやNPO法人、福祉施設等と協力して事業を実施する(実施している)は、18.1%、前回は10.4%、5 事業を実施する上で、現在の担い手で十分であるは、6.7%、前回は10.4%、6 その他は、7.8%、前回は9.3%でした。 問2 最近は、地域において様々な団体や企業等が福祉に関わっていますが、貴推進協では、どのような団体や企業との協力、情報交換が必要と考えていますか。(○はいくつでも) 1 各学区の地域福祉推進協議会は、52.8%、前回は36.8%、2 ボランティアグループは、30.6%、前回は31.3%、3 NPO法人は、12.4%、前回は9.9%、4 社会福祉法人は、39.4%、5 介護保険サービスや障害者総合支援法は、18.7%、前回は15.9%、6 医療機関に基づくサービスなどに関わる民間業者は、23.8%、7 商店街は、11.9%、8 地元企業は、15.5%、9 スーパーマーケット・コンビニは、11.4%、10 喫茶店は、8.8%、11 新聞販売店は、43.5%、12 趣味の活動を行うグループ(スポーツ、娯楽、文化、歴史、まちづくりなど)は、23.3%、前回は46.5%、13 大学は、8.8%、14 小中学校・高等学校は、37.3%、15 保育園・幼稚園は、19.2%、16 その他は、3.1%、前回は5.5%でした。 問3 他の団体等との協力について課題と思われることがあればお書きください。は、自由記述です。 118ページ 問4 推進協の事業に限らず、住民の参加による地域での取り組みとして、どのような活動が重要と思われますか。(○は3つまで) 1 地域で孤立する人びとを見守る、ふれあいネットワーク活動は、35.2%、前回は45.1%、2 閉じこもりがちな高齢者のための、ふれあいいきいきサロン活動は、37.8%、前回は35.7%、3 障害児・者と地域住民の理解を深める交流活動は、5.2%、前回は7.7%、4 子育て世代のための子育てサロン活動は、は、36.3%、前回は39.0%、5 子どもたちに福祉の理解を深め、福祉の心を育てる活動は、16.6%、前回は%、前回は14.3%、6 傷病等による臨時的な援助が必要な世帯への緊急時の援助活動は、3.6%、前回は2.7%、7 高齢者・親・子などの理解を深める世代間の交流活動は、23.3%、前回は30.2%、8 地域の新しい担い手を育てるボランティアの養成は、31.6%、前回は%、前回は24.7%、9 日常生活のちょっとした困りごとの支援は、22.8%、前回は21.4%、10 防災活動や災害時要援護者支援の活動は、21.8%、前回は45.6%、11 住民同士や住民と専門機関などが話し合える場づくりは、5.7%、12 身近な地域で困りごとなどの相談を受け止める窓口の設置は、10.9%、13 子どもを中心に地域のつながりをつくる子ども食堂活動は、5.2%、14 移動販売などの買い物支援活動は、6.7%、15 その他は、1.0%、前回は1.6%でした。 U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 現在、貴団体の活動地域で問題になっていると思うことは何ですか。(○はいくつでも) 1 住民同士の交流する機会の減少は、34.7%、2 住民同士の助け合い意識の低下は、45.1%、3 地域の治安 (防犯)は、15.0%、4 災害時に備えた対応や防災対策は、45.6%、5 地域の美化は、8.3%、6 高齢者世帯や障害者世帯への(見守りや生活等)支援は、26.9%、7 認知症による周辺症状に伴う近隣トラブル(徘徊など)は、10.9%、8 子育て環境(子育ての孤立化など)は、8.3%、9 子どもの健全育成(非行やいじめ、子どもの貧困など)は、10.9%、10 地域での住みやすさの問題(商業施設の減少や放置された空き家の増加など)は、23.8%、11 その他は、5.7%、12 特にないは、8.8%、13 分からないは、1.6%でした。 問2 地域の困りごとを地域住民の課題として、住民同士が協力して解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まっているは、5.7%、前回は28.6%、2 やや高まっているは、28.5%、3 変わらないは、30.6%、前回は53.9%、4 やや低下しているは、15.0%、5 低下しているは、9.8%、前回は9.9%、6 わからないは、5.2%、前回は4.9%、 問3 地域の困りごとを地域住民の課題として、住民同士が協力して解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、30.1%、2 活動者への研修等の開催は、9.8%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、9.3%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、14.5%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、42.5%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、44.0%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、31.1%、8 社会福祉法人(福祉施設等)、商店や企業等の地域貢献による支援は、5.7%、9 住民が話し合う場は、13.5%、10 地域住民の福祉意識を高めるための取り組みは、41.5%でした。 119ページ 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、19件、ないは、144件、ある場合の対応状況として、自ら支援した15.8%、他機関等へつないだ73.7%、支援できなかった15.8%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、61件、ないは、103件、ある場合の対応状況として、自ら支援した23.0%、他機関等へつないだ57.4%、支援できなかった24.6%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、44件、ないは、116件、ある場合の対応状況として、自ら支援した15.9%、他機関等へつないだ70.5%、支援できなかった13.6%でした。 4 1〜3以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、40件、ないは、119件、ある場合の対応状況として、自ら支援した25.0%、他機関等へつないだ67.5%、支援できなかった15.0%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、68件、ないは、91件、ある場合の対応状況として、自ら支援した14.7%、他機関等へつないだ55.9%、支援できなかった35.3%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、63件、ないは、99件、ある場合の対応状況として、自ら支援した11.1%、他機関等へつないだ88.9%、支援できなかった6.3%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、37件、ないは、124件、ある場合の対応状況として、自ら支援した13.5%、他機関等へつないだ70.3%、支援できなかった18.9%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、35件、ないは、124件、ある場合の対応状況として、自ら支援した25.7%、他機関等へつないだ54.3%、支援できなかった22.9%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、21件、ないは、138件、ある場合の対応状況として、自ら支援した9.5%、他機関等へつないだ71.4%、支援できなかった14.3%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、30件、ないは、128件、ある場合の対応状況として、自ら支援した16.7%、他機関等へつないだ90.0%、支援できなかった3.3%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、31件、ないは、128件、ある場合の対応状況として、自ら支援した16.1%、他機関等へつないだ80.6%、支援できなかった12.9%でした。 12 刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、13件、ないは、146件、ある場合の対応状況として、自ら支援した30.8%、他機関等へつないだ61.5%、支援できなかった23.1%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、34件、ないは、127件、ある場合の対応状況として、自ら支援した23.5%、他機関等へつないだ73.5%、支援できなかった17.6%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、17件、ないは、140件、ある場合の対応状況として、自ら支援した29.4%、他機関等へつないだ47.1%、支援できなかった35.3%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、53.4%、今後連携を期待するは、26.9%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、50.8%、今後連携を期待するは、26.9%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、58.0%、今後連携を期待するは、28.5%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、11.4%、今後連携を期待するは、29.0%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、14.5%、今後連携を期待するは、24.9%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、7.8%、今後連携を期待するは、28.0%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、5.2%、今後連携を期待するは、33.2%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、7.3%、今後連携を期待するは、26.4%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、1.0%、今後連携を期待するは、30.1%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、5.2%、今後連携を期待するは、30.1%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、32.6%、今後連携を期待するは、17.6%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、20.2%、今後連携を期待するは、18.1%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、9.3%、今後連携を期待するは、18.7%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、33.7%、今後連携を期待するは、19.2%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、37.3%、今後連携を期待するは、22.3%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、56.9%、今後連携を期待するは、22.8%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、18.7%、今後連携を期待するは、26.4%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、26.4%、今後連携を期待するは、25.4%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、21.2%、今後連携を期待するは、26.9%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、22.3%、今後連携を期待するは、16.1%でした。 21 その他と連携したことがあるは、1.0%、今後連携を期待するは、2.6%でした。 120ページ 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、7.8%、前回は1.6%、2 少し持っているは、50.7%、前回は51.7%、3 持っていないは、33.7%、前回は34.1%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、29.5%、前回は46.7%、2 相談できる窓口が分からないことは、18.7%、前回は28.6%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、26.9%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、13.5%、前回は23.1%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、15.5%、前回は20.3%、6 対応するための時間がとれなかったことは、10.9%、前回は9.3%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、8.3%、前回は18.1%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、24.9%、9 対応できなかった(又はできそうもない)ことはないは、10.4%でした。 問9 地域における福祉や保健に関する活動のあり方について、日頃の活動を通して感じていることなどをご自由にお書きください。は、自由記述です。 121ページ 関係団体(策定懇談会関係団体、社会福祉法人、NPO法人、ボランティア)アンケート質問票【結果】 今回のアンケートの結果は、平成30年度に実施しました。前回は、平成25年度に実施しています。 T.貴法人の地域における活動についてお尋ねします。 問1 貴団体の活動は、どの範囲の地域住民と関わっていますか。(〇は1つだけ) 1 小学校区内は、18.3%、前回は7.5%、2 中学校区内は、14.7%、3 区内は、20.2%、前回は36.7%、4 名古屋市全体は、19.3%、前回は25.8%、5 愛知県内は、12.8%、6 その他は、7.3%、前回は17.5%、7 特に関わっていないは、9.2%でした。 問2【前のページの問1で「7」が○であった場合は、問3の回答へ移動】貴団体の地域との関わり方は、どのようなものですか。(○はいくつでも) 1 本来業務そのものが地域住民を対象としているは、46.9%、前回は51.7%、2 本来業務の一部が地域住民を対象としているは、18.4%、前回は22.5%、3 地域住民を対象とした行事を開催しているは、32.7%、前回は32.5%、4 地域での行事等に参加しているは、45.9%、前回は52.5%、5 地域住民が行う活動に対し、場所、資金又は物資等の支援をしているは、21.4%、6 その他は、6.1%、前回は18.3%でした。 問3 地域において様々な団体や企業等が福祉に関わっていますが、貴団体では、どのような団体や企業等と協力して事業を実施したり、情報交換を行うことが必要と考えていますか。(○はいくつでも) 1 各学区の地域福祉推進協議会は、50.5%、前回は44.2%、2 区政協力委員会は、31.2%、前回は30.8%、3 民生委員・児童委員協議会は、54.1%、前回は45.0%、  4 保健環境委員会は、16.5) 5 女性会は、12.8%、6 老人クラブは、21.1%、前回は24.2%、7 子ども会は、17.4%、8 消防団は、19.3%、9 町内会・自治会は、55.0%、10 ボランティアグループは、34.2%、前回は47.5%、11 NPOは、31.2%、前回は24.2%、12 社会福祉法人は、44.0%、前回は42.5%、13 介護保険サービスや障害者総合支援法に基づくサービスなどに関わる民間業者は、28.4%、前回は30.0%、14 医療機関は、55.0%、 15 商店街は、18.3%、16 地元企業は、19.3%、17 スーパーマーケット・コンビニは、13.8%、18 喫茶店は、5.5%、 19 新聞販売店は、8.3%、20 趣味の活動を行うグループ(スポーツ、娯楽、文化、歴史、まちづくりなどは、13.8%、前回は23.3%、21 大学は、28.4%、22 小中学校・高等学校は、53.2%、23 保育園・幼稚園は、41.3%、24 PTAは、8.3%、25 その他は、8.3%、前回は11.7%でした。 問4 地域住民や地域の各種団体との関わりを特に意識して活動しておられますか。(〇は1つだけ) 1 強く意識しているは、30.3%、前回は32.5%、2 意識しているは、47.7%、前回は42.5%、3 あまり意識していないは、18.3%、前回は20.8%、4 全く意識していないは、2.8%、前回は2.5%でした。 問4−2 貴法人(組合)では、地域との関わりについて、どのようにお考えですか。(○はいくつでも) 1 地域で催される祭りなどの行事に参加する等、地域との関わりをつくっていきたいは、58.7%、2 例えば、配達の最中に見守りを行うなど、日頃の本来業務に付随して貢献できることがあれば、協力をしていきたいは、16.5%、3 地域住民が行う福祉的な活動に、必要な場所や物を提供していきたいは、38.5%、4 地域住民が行う福祉的な活動に、資金面で支援を行いたいは、6.4%、5 地域住民が行う福祉的な活動に、職員(学生)も一緒に参加させたいは、32.1%、6 特に考えていないは、13.8%でした。 問4−3 貴法人(組合)が地域活動や社会貢献活動などを行う上で、どのような支援があればよいと思いますか。(○は3つまで) 1 活動を行っている法人(組合)同士の情報交換会の開催や事例集等の作成は、37.6%、2 地域福祉全般のニーズや国の動向等がわかる研修会等の開催は、30.3%、3 支援を必要としている地域や内容の情報提供は、61.5%、4 支援を必要としている地域と支援をしたい法人(組合)のマッチングをする相談窓口は、26.6%、5 活動を行った法人(組合)の成果のPRにかかる支援(場の提供など)は、9.2%、6 その他は、7.3%でした。 122ページ 問5 今後の福祉活動は、住民同士の助け合い、支え合いなど住民の意識の啓発や向上が求められます。貴団体ではそのための新たな活動について、どのようにお考えですか。(〇は1つだけ) 1 課題に対応した活動を自ら実施したいは、21.1%、前回は28.3%、2 他団体の取り組みを期待し、側面的に連携していきたいは、9.2%、前回は7.5%、3 新たな活動の財源が確保されれば実施したいは、21.1%、前回は11.7%、4 新たな活動が必要であると思うが、現在の活動で手一杯であり実施は難しいは、41.3%、前回は25.0%、5 団体としての活動は十分実施しており、新たな活動の必要性を感じないは、1.8%、前回は9.2%、6 その他は、4.6%、前回は8.3%でした。 問6 貴団体が地域で活動をする時にどのような障害や問題点がありますか。(○は3つまで)  1 活動場所の確保が難しいは、15.6%、前回は22.5%、2 活動資金の調達に苦労しているは、32.1%、前回は32.5%、3 活動メンバーや運営スタッフが不足しているは、63.3%、前回は38.3%、4 活動メンバーや運営スタッフが固定、人事が硬直化しているは、9.2%、前回は23.3%、5 活動メンバーや運営スタッフの活動意欲の維持が難しいは、11.0%、前回は20.8%、6 活動がマンネリ化して広がらないは、6.4%、前回は13.3%、7 活動に関する助言を求めたいが、相談先がない、もしくは分からないは、7.3%、8 活動に対する周囲の理解が不足しているは、6.4%、前回は23.3%、9 団体内の連携が不十分であるは、5.5%、前回は7.5%、10 関連団体との連携が不十分であるは、13.8%、前回は20.0%、11 地域住民に対して活動に関する情報の発信が不十分であるは、15.6%、前回は39.2%、12 地域の情報や活動する機会を得るのが難しいは、12.8%、前回は14.2%、13 その他は、6.4%、前回は17.5%でした。 問7 団体独自で、災害時における地域の安全や安心などについて、何か実施していることがありますか。(〇はいくつでも) 1 団体活動の利用者や職員等関係者の安否を確認することになっているは、48.6%、2 地域に提供可能な物資や場所の用意があるは、27.5%、3「助け合いの仕組みづくり」(※)の取り組みに協力しているは、5.5%、4 団体活動を継続させるための計画やマニュアルを作成して、災害時に備えているは、29.4%、前回は8.3%、5 今後、どのような活動をしていくか検討していきたいは、32.1%、前回は25.0%、6 災害時等は、活動を行わないは、15.6%、前回は19.2%でした。 なお、「助け合いの仕組みづくり」とは、地域の自主的な活動として、災害時に支援が必要な住民を把握し、その方を支援する個別計画を予め決めておくことにより、災害時に迅速な安否確認や避難支援を行えるようにするものです。 問8 いわゆる社会的に孤立した人や世帯が抱えている課題が深刻化する場合が少なくないと言われています。地域において社会的孤立を防止するために何が必要だと思われますか。(○は3つまで) 1 地域住民の理解を得るための啓発活動は、19.3%、前回は21.7%、2 閉じこもりがちな人や孤立しがちな人(世帯)の情報の把握は、38.5%、前回は46.7%、3 サロンなどの地域住民の交流を促進する活動は、29.4%、4 地域住民による日常的な見守り、助け合い活動は、40.4%、前回は60.0%、5 地域で見守り、助け合い活動などを行う地域住民と区役所や専門機関との連携は、39.4%、前回は30.8%、6 地域で交流づくりの活動などを行う地域住民とボランティアグループ・NPOとの連携は、20.2%、前回は14.2%、7 地域で身近に相談できる相談場所の設置は、26.6%、前回は23.3%、8 地域住民だけでは対応が困難な事案について、直接訪問するなどの支援を行う専門職員の配置は、37.6%、前回は20.8%でした。 問9 社会的孤立を防止するために、貴団体が見守り活動などの取り組みを行うとしたら、どのような障害や問題点があると思われますか。(○は3つまで) 1 見守り活動を行う団体の人員が不足しているは、65.1%、2 個人情報保護の意識の高まりにより、対象者の把握が難しいは、45.9%、3 団体間の個人情報のやり取りが難しいは、8.3%、4 個人情報を管理することが難しいは、18.3%、5 地域のつながりが薄れ、対象者の把握が難しいは、24.8%、6 見守りを拒否する人への対応は、20.2%、前回は42.5%、7 オートロックのマンションなどセキュリティにより見守り活動が難しいは、9.2%、前回は19.2%、8 地域住民とその活動を支援する専門職員との連携が不十分は、15.6%、9 見守り活動で応答がないなど異常を発見した際の対応など活動のための相談窓口や支援する専門職員が不足しているは、20.2%でした。 123ページ <社会福祉法人・NPO、ボランティアグループ> U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 現在、貴学区で問題になっていると思うことは何ですか。(○はいくつでも) 1 住民同士の交流する機会の減少は、24.8%、2 住民同士の助け合い意識の低下は、25.7%、3 地域の治安 (防犯) は、11.0%、4 災害時に備えた対応や防災対策は、25.7%、5 地域の美化は、0.0%、6 高齢者世帯や障害者世帯への(見守りや生活等)支援は、33.9%、7 認知症による周辺症状に伴う近隣トラブル(徘徊など)は、8.3%、8 子育て環境(子育ての孤立化など)は、17.4%、9 子どもの健全育成(非行やいじめ、子どもの貧困などは、15.6%、10 地域での住みやすさの問題(商業施設の減少や放置された空き家の増加などは、9.2%、11 その他は、5.5%、12 特にないは、7.3%、13 分からないは、14.7%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まってきているは、0.0%、前回は20.0%、2 やや高まってきているは、14.7%、3 変わらないは、25.7%、前回は39.1%、4 やや低下しているは、12.8%、5 低下しているは、17.4%、前回は11.7%、6 わからないは、27.6%、前回は25.0%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、22.9%、2 活動者への研修等の開催は、9.2%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、14.7%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、36.7%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、47.7%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、30.3%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、21.1%、8 社会福祉法人、商店や企業等の地域貢献による支援は、7.3%、9 住民が話し合う場は、12.8%、10 地域住民の福祉意識を高めるための啓発は、33.0%でした。 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、29件、ないは、70件、ある場合の対応状況として、自ら支援した72.4%、他機関等へつないだ51.7%、支援できなかった13.8%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、42件、ないは、58件、ある場合の対応状況として、自ら支援した69.0%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった7.1%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、35件、ないは、64件、ある場合の対応状況として、自ら支援した82.9%、他機関等へつないだ68.6%、支援できなかった8.6%でした。 4 @〜B以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、31件、ないは、64件、ある場合の対応状況として、自ら支援した58.1%、他機関等へつないだ61.3%、支援できなかった16.1%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、36件、ないは、64件、ある場合の対応状況として、自ら支援した55.6%、他機関等へつないだ63.9%、支援できなかった16.7%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、43件、ないは、54件、ある場合の対応状況として、自ら支援した48.8%、他機関等へつないだ65.1%、支援できなかった2.3%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、27件、ないは、70件、ある場合の対応状況として、自ら支援した77.8%、他機関等へつないだ55.6%、支援できなかった7.4%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、32件、ないは、67件、ある場合の対応状況として、自ら支援した53.1%、他機関等へつないだ71.9%、支援できなかった12.5%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、35件、ないは、63件、ある場合の対応状況として、自ら支援した60.0%、他機関等へつないだ65.7%、支援できなかった5.7%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、33件、ないは、67件、ある場合の対応状況として、自ら支援した60.6%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった12.1%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、47件、ないは、50件、ある場合の対応状況として、自ら支援した70.2%、他機関等へつないだ72.3%、支援できなかった6.4%でした。 12 刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、15件、ないは、83件、ある場合の対応状況として、自ら支援した73.3%、他機関等へつないだ33.3%、支援できなかった13.3%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、29件、ないは、70件、ある場合の対応状況として、自ら支援した82.8%、他機関等へつないだ55.2%、支援できなかった10.3%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、13件、ないは、85件、ある場合の対応状況として、自ら支援した76.9%、他機関等へつないだ53.8%、支援できなかった7.7%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 124ページ 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、69.7%、今後連携を期待するは、33.9%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、41.3%、今後連携を期待するは、38.5%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、35.8%、今後連携を期待するは、31.2%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、36.7%、今後連携を期待するは、31.2%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、19.3%、今後連携を期待するは、37.6%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、6.4%、今後連携を期待するは、45.0%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、11.0%、今後連携を期待するは、35.8%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、19.3%、今後連携を期待するは、38.5%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、12.8%、今後連携を期待するは、37.6%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、19.3%、今後連携を期待するは、37.6%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、24.8%、今後連携を期待するは、36.7%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、40.4%、今後連携を期待するは、31.2%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、35.8%、今後連携を期待するは、27.5%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、55.1%、今後連携を期待するは、29.4%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、36.7%、今後連携を期待するは、33.9%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、42.2%、今後連携を期待するは、22.9%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、44.9%、今後連携を期待するは、24.8%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、34.9%、今後連携を期待するは、25.4%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、59.7%、今後連携を期待するは、33.0%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、32.1%、今後連携を期待するは、26.6%でした。 21 その他と連携したことがあるは、2.8%、今後連携を期待するは、6.4%でした。 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、11.9%、前回は4.2%、2 少し持っているは、46.8%、前回は49.2%、3 持っていないは、35.8%、前回は30.8%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、36.7%、2 相談できる窓口が分からないことは、29.4%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、36.7%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、6.4%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、23.9%、6 対応するための時間がとれなかったことは、30.3%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、14.7%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、42.2%、9 対応できなかった(又は対応できそうもない)ことはないは、8.3%でした。 125ページ 商店街・企業・大学アンケート質問票【結果】 各選択肢横にある(  )内の数字は回答割合です。 T.貴法人(組合)の地域活動や社会貢献活動についてお尋ねします。 問1 貴法人(組合)の活動は、どの範囲の地域住民と関わっていますか。(〇は1つだけ) 1 小学校区内は、19.1%、2 中学校区内は、12.4%、3 区内は、15.7%、4 名古屋市は、13.5%、5 愛知県内は、15.7%、6 その他は、12.4%、7 特に関わっていないは、9.0%でした。 問2【前の問1で「7」が○であった場合は、問4の回答へ移動】 貴法人(組合)の問1で回答した地域住民との関わり方は、どのようなものですか。(○はいくつでも) 1 本来業務そのものが地域住民を対象としているは、27.8%、2 本来業務の一部が地域住民を対象としているは、16.5%、3 地域住民等を対象とした行事を開催しているは、50.6%、4 地域住民が行う行事等に参加しているは、51.9%、5 地域住民が行う活動に対し、場所、資金又は物資等の支援をしている(他法人や施設への支援を除く。)は、39.2%、6 その他は、5.1%でした。 問3 地域において様々な団体や企業等が福祉に関わっていますが、貴法人(組合)では、どのような団体や企業等と協力して事業を実施したり、情報交換を行うことが必要と考えていますか。(○はいくつでも) 1 各学区の地域福祉推進協議会は、29.1%、2 区政協力委員会は、48.1%、3 民生委員・児童委員協議会は、15.2%、4 保健環境委員は、8.9%、5 女性会は、20.3%、6 老人クラブは、16.5%、7 子ども会は、30.4%、8 消防団は、30.4%、8 町内会・自治会は、68.4%、10 ボランティアグループは、16.5%、11 NPOは、17.7%、12 社会福祉法人は、16.5%、13 介護保険サービスや障害者総合支援法に基づくサービスなどに関わる民間業者は、7.6%、14 医療機関は、16.5%、15 商店街は、53.2%、16 地元企業は、41.8%、17 スーパーマーケット・コンビニは、15.2%、18 喫茶店は、11.4%、19 新聞販売店は、7.6%、20 趣味の活動を行うグループ(スポーツ、娯楽、文化、歴史、まちづくりなど)は、10.1%、21 大学は、41.8%、22 小中学校・高等学校は、41.8%、23 保育園・幼稚園は、27.8%、24 PTAは、16.5%、25 その他は、8.9%でした。 問4 地域住民や地域の各種団体との関わりを特に意識して活動しておられますか。(〇は1つだけ) 1 強く意識しているは、33.7%、2 意識しているは、43.8%、3 あまり意識していないは、22.5%、4 全く意識していないは、0.0%でした。 問4−2 貴法人(組合)では、地域との関わりについて、どのようにお考えですか。(○はいくつでも) 1 地域で催される祭りなどの行事に参加する等、地域との関わりをつくっていきたいは、69.7%、2 例えば、配達の最中に見守りを行うなど、日頃の本来業務に付随して貢献できることがあれば、協力をしていきたいは、25.8%、3 地域住民が行う福祉的な活動に、必要な場所や物を提供していきたいは、28.1%、4 地域住民が行う福祉的な活動に、資金面で支援を行いたいは、13.5%、5 地域住民が行う福祉的な活動に、職員(学生)も一緒に参加させたいは、19.1%、6 特に考えていないは、9.0%でした。 問4−3 貴法人(組合)が地域活動や社会貢献活動などを行う上で、どのような支援があればよいと思いますか。(○は3つまで) 1 活動を行っている法人(組合)同士の情報交換会の開催や事例集等の作成は、44.9%、2 地域福祉全般のニーズや国の動向等がわかる研修会等の開催は、16.9%、3 支援を必要としている地域や内容の情報提供は、51.7%、4 支援を必要としている地域と支援をしたい法人(組合)のマッチングをする相談窓口は、14.6%、5 活動を行った法人(組合)の成果のPRにかかる支援(場の提供など)は、15.7%、6 その他は、3.4%でした。 126ページ U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 現在、貴法人(組合)の活動地域で問題になっていると思うことは何ですか。(○はいくつでも) 1 住民同士の交流する機会の減少は、41.6%、2 住民同士の助け合い意識の低下は、28.1%、3 地域の治安 (防犯) は、20.2%、4 災害時に備えた対応や防災対策は、48.3%、5 地域の美化は、23.6%、6 高齢者世帯や障害者世帯への(見守りや生活等)支援は、27.0%、7 認知症による周辺症状に伴う近隣トラブル(徘徊など)は、6.7%、8 子育て環境(子育ての孤立化など)は、14.6%、9 子どもの健全育成(非行やいじめ、子どもの貧困など)は、12.4%、10 地域での住みやすさの問題(商業施設の減少や放置された空き家の増加など)は、28.1%、11 その他は、2.2%、12 特にないは、9.0%、13 分からないは、4.5%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まっているは、2.2%、2 やや高まっているは、24.7%、3 変わらないは、28.2%、4 やや低下しているは、16.9%、5 低下しているは、5.6%、6 分からないは、21.3%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、32.6%、2 活動者への研修等の開催は、5.6%、3 専門機関のアドバイスは、16.9%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、32.6%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、39.3%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、22.5%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、22.5%、8 社会福祉法人(福祉施設等)、商店や企業等の地域貢献による支援は、16.9%、9 住民が話し合う場は、20.2%、10 地域住民の福祉意識を高めるための取り組みは、21.3%でした。 問4 地域における福祉に関する活動のあり方について、日頃感じていることがございましたら自由にご記入ください。は、自由記述です。 127ページ 地域の福祉ニーズ調査票(いきいき支援センター)【結果】 各選択肢横にある(  )内の数字は回答割合です。 T.介護保険法・障害者総合支援法の制度外サービス 問1 高齢者や障害者等で日常生活に支障のある人やそのご家族からの相談に応じて、介護保険や障害者総合支援法等既存の公的制度やサービスでは対応できなくて困ったことはありますか。 1.あるは、92.3%、 2.ないは、0.0%でした。 問2 それは、どのような内容のものでしたか。(○はいくつでも)また、どのように対応されましたか。なお、対応方法の集計は省略しています。 1.外出支援(通院含む)は、95.5%、2.買い物の手伝いは、63.6%、3.ゴミ出しや掃除は、90.9%、4.入院時・入院中のお手伝いは、81.8%、5.話し相手は、77.3%、6.電化製品の修理、使用方法の説明は、54.5%、7.家の小修繕は、59.1%、8.ペットの世話は、86.4%、9.生きがいのための趣味活動は、40.9%、10.集いの場(サロン)は、9.1%、11.隣人トラブルは、81.8%、12.医療的ケアが必要な人の就学・就労は、22.7%、13.医療同意は、45.5%でした。14.保証人探し(入院手続き、賃貸契約等)  …(81.8)15.経済的支援               …(95.5)16.就労支援                …(68.2) 17.社会的孤立               …(68.2)18.その他(             )  …(13.6) U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 地域との関係づくりのために、日頃の業務の中で実施していることは何ですか。(○は3つまで) 1.地域福祉活動への参加・協力は、26.9%、2.地域の行事等への参加・協力は、57.7%、3.地域住民との協議の場への参加は、26.9%、4.地域住民等との協働による取組の実施(サロン等における専門相談の実施等)は、26.9%、5.本人への支援を行う際に、地域住民等に対しケース会議への参加を依頼するは、26.9%、6.区社会福祉協議会との連携・協力は、34.6%、7.民生委員・児童委員、主任児童委員等との連携・協力は、88.5%、8.その他は、3.8%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まっているは、7.7%、2 やや高まっているは、69.2%、3 変わらないは、15.4%、4 やや低下しているは、0.0%、5 低下しているは、7.7%、6 わからないは、0.0%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、15.4%、2 活動者への研修等の開催は、3.8%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、15.4%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、53.8%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、53.8%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、38.5%、8 社会福祉法人、商店や企業等の地域貢献による支援は、19.2%、9 住民が話し合う場は、42.3%、10 地域住民の福祉意識を高めるための啓発は、34.6%でした。 128ページ 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、16件、ないは、9件、ある場合の対応状況として、自ら支援した91.7%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった50.0%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、25件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した56.7%、他機関等へつないだ100%、支援できなかった12.0%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、23件、ないは、3件、ある場合の対応状況として、自ら支援した56.5%、他機関等へつないだ100%、支援できなかった17.4%でした。 4 @〜B以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、24件、ないは、2件、ある場合の対応状況として、自ら支援した65.2%、他機関等へつないだ100%、支援できなかった17.4%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、25件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した79.2%、他機関等へつないだ79.2%、支援できなかった37.5%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、25件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した54.2%、他機関等へつないだ100%、支援できなかった12.5%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、23件、ないは、2件、ある場合の対応状況として、自ら支援した52.2%、他機関等へつないだ95.7%、支援できなかった13.0%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、25件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した68.0%、他機関等へつないだ88.0%、支援できなかった24.0%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、20件、ないは、5件、ある場合の対応状況として、自ら支援した70.0%、他機関等へつないだ90.0%、支援できなかった25.0%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、25件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した68.0%、他機関等へつないだ88.0%、支援できなかった16.0%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した68.0%、他機関等へつないだ88.0%、支援できなかった0%でした。 12 刑務所から出所した人などであって福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、21件、ないは、4件、ある場合の対応状況として、自ら支援した70.0%、他機関等へつないだ70.0%、支援できなかった15.0%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、9件、ないは、3件、ある場合の対応状況として、自ら支援した85.7%、他機関等へつないだ90.5%、支援できなかった4.8%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、8件、ないは、17件、ある場合の対応状況として、自ら支援した37.5%、他機関等へつないだ62.5%、支援できなかった25.0%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、96.2%、今後連携を期待するは、26.9%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、61.5%、今後連携を期待するは、11.5%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、19.2%、今後連携を期待するは、65.4%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、11.5%、今後連携を期待するは、69.2%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、34.6%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、92.3%、今後連携を期待するは、34.6%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、88.5%、今後連携を期待するは、38.5%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、96.2%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、92.3%、今後連携を期待するは、32.3%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、100%、今後連携を期待するは、30.8%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、92.3%、今後連携を期待するは、39.5%でした。 21 その他と連携したことがあるは、42.3%、今後連携を期待するは、15.4%でした。 129ページ 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、30.8%、2 少し持っているは、61.5%、3 持っていないは、7.7%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、65.4%、2 相談できる窓口が分からないことは、57.7%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、65.4%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、38.5%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、80.8%、6 対応するための時間がとれなかったことは、23.1%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、38.5%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、65.4%、9 対応できなかった(又は対応できそうもない)ことはないは、3.8%でした。 問9 他の相談支援機関等と個別ケース会議を実施する際に課題となっていることはありますか。(○はいくつでも) 1.個人情報の取扱いが難しいため、必要な情報を共有できないは、42.3%、2.役割分担ができていないは、50.0%、3.継続的にケース会議を開催する等の体制を構築できない(調整に手間や時間がかかる)は、57.7%、4.支援目標が統一できないは、50.0%、5.他の相談支援機関との関係づくりができていないため開催を呼びかけづらいは、26.9%、6.個別ケース会議を開催したことがないは、0.0%、7.課題はないは、0.0%、8.その他は、26.9%でした。 問10 他分野の相談や複合的な課題に対し、各相談支援機関が連携して支援にあたるために必要なことは何ですか。(○は3つまで) 1.相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置は、53.8%、 2.複数の関係機関をコーディネートする機関の設置(人の配置)は、65.4%、 3.複合的な課題や支援につながっていない世帯等に対し積極的な訪問等を行う機関の設置(人の配置)は、73.1%、 4.他制度や各相談支援機関の役割等を把握するための研修の実施は、19.2%、 5.関係機関との間で、支援を標準化するためのマニュアル・様式(経過を確実にやり取りするための連絡票等)の作成は、23.1%、 6.必要な情報を共有するための個人情報に関する取り決めは、19.2%、 7.その他は、11.5%でした。 V.他分野の相談や複合的な課題への対応 問1 他の相談機関と連携する必要があるときに、連絡や連携はスムーズに行われていると感じていますか。(○は1つだけ) 1.感じるは、76.9%、2.感じないは、15.4%でした。 問2 他の相談支援機関等に相談者をつなぐ際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1.相談者の個人情報の取扱いが難しいは、57.7%、2.どのように相談支援機関を探したらよいか分からないは、11.5%、3.連携先の業務に関する知識に乏しいため、何をどのように支援してもらえるかわからないは、50.0%、4.顔の見える関係性を構築しておらず、相談しづらいは、19.2%、5.相談者のニーズが複雑化・多様化しており、他制度・施策のどの相談支援機関等を紹介すれば良いか分からないは、65.4%、6.つなぐことがほとんどないは、0.0%、7.特に課題はないは、0.0%、8.その他は、26.9%でした。 問3 他の相談支援機関等から相談者を紹介される際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1.相談者の個人情報等、支援に必要な情報を収集することが難しいは、46.2%、2.他の相談支援機関等から連絡なしで紹介される(相談者への情報提供のみは、46.2%、3.他の相談支援機関等で対応する必要がある相談者を紹介されるは、65.4%、4.貴機関に対する誤った役割・機能等の情報が相談者に伝わっているは、53.8%、5.紹介された際の相談者に関する情報と相談者本人の話が異なるは、19.2%、6.紹介されることがほとんどないは、0.0%、7.特に課題はないは、11.5%、8.その他は、7.7%でした。 130ページ 地域の福祉ニーズ調査票(障害者基幹相談支援センター)【結果】 各選択肢横にある(  )内の数字は回答割合です。 T.介護保険法・障害者総合支援法の制度外サービス 問1 高齢者や障害者等で日常生活に支障のある人やそのご家族からの相談に応じて、介護保険や障害者総合支援法等既存の公的制度やサービスでは対応できなくて困ったことはありますか。 1.あるは、83.3%、2.ないは、0.0%でした。 問2 それは、どのような内容のものでしたか。(○はいくつでも)また、どのように対応されましたか。 対応方法の集計は省略しています。 1.外出支援(通院含む)は、58.3%、2.買い物の手伝いは、33.3%、3.ゴミ出しや掃除は、50.0%、4.入院時・入院中のお手伝いは、58.3%、5.話し相手は、25.0%、6.電化製品の修理、使用方法の説明は、58.3%、7.家の小修繕は、25.0%、8.ペットの世話は、25.0%、9.生きがいのための趣味活動は、33.3%、10.集いの場(サロン)は、25.0%、11.隣人トラブルは、50.0%、12.医療的ケアが必要な人の就学・就労は、25.0%、13.医療同意は、25.0%、14.保証人探し(入院手続き、賃貸契約等)は、66.7%、15.経済的支援は、41.7%、16.就労支援は、25.0%、 17.社会的孤立は、41.7%、18.その他は、8.3%でした。 U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 地域との関係づくりのために、日頃の業務の中で実施していることは何ですか。(○は3つまで) 1.地域福祉活動への参加・協力は、41.7%、2.地域の行事等への参加・協力は、50.0%、3.地域住民との協議の場への参加は、16.7%、4.地域住民等との協働による取組の実施(サロン等における専門相談の実施等)は、25.0%、5.本人への支援を行う際に、地域住民等に対しケース会議への参加を依頼するは、0.0%、6.区社会福祉協議会との連携・協力は、58.3%、7.民生委員・児童委員、主任児童委員等との連携・協力は、41.7%、8.その他は、8.3%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まっているは、0.0%、2 やや高まっているは、41.7%、3 変わらないは、33.3%、4 やや低下しているは、0.0%、5 低下しているは、0.0%、6 わからないは、16.7%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、16.7%、2 活動者への研修等の開催は、0.0%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、16.7%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、83.3%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、33.3%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、25.0%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、16.7%、8 社会福祉法人、商店や企業等の地域貢献による支援は、8.3%、9 住民が話し合う場は、16.7%、10 地域住民の福祉意識を高めるための啓発は、25.0%でした。 131ページ 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、8件、ないは、3件、ある場合の対応状況として、自ら支援した16.7%、他機関等へつないだ58.3%、支援できなかった50.0%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、11件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した41.7%、他機関等へつないだ75.0%、支援できなかった0.0%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した66.7%、他機関等へつないだ58.3%、支援できなかった0.0%でした。 4 @〜B以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、11件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した41.7%、他機関等へつないだ75.0%、支援できなかった0.0%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、11件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した33.3%、他機関等へつないだ50.0%、支援できなかった33.3%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、11件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した8.3%、他機関等へつないだ83.3%、支援できなかった8.3%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した66.7%、他機関等へつないだ50.0%、支援できなかった0.0%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した50.0%、他機関等へつないだ58.3%、支援できなかった8.3%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した58.3%、他機関等へつないだ58.3%、支援できなかった0.0%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した33.3%、他機関等へつないだ91.7%、支援できなかった0.0%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、12件、ないは、0件、ある場合の対応状況として、自ら支援した50.0%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった8.3%でした。 12 刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、11件、ないは、1件、ある場合の対応状況として、自ら支援した66.7%、他機関等へつないだ33.3%、支援できなかった8.3%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、9件、ないは、3件、ある場合の対応状況として、自ら支援した50.0%、他機関等へつないだ41.7%、支援できなかった0.0%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、7件、ないは、5件、ある場合の対応状況として、自ら支援した33.3%、他機関等へつないだ33.3%、支援できなかった8.3%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、58.3%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、58.3%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、66.7%、今後連携を期待するは、41.7%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、25.0%、今後連携を期待するは、66.7%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、25.0%、今後連携を期待するは、69.2%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、75.0%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、50.0%、今後連携を期待するは、66.7%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、75.0%、今後連携を期待するは、75.0%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、75.0%、今後連携を期待するは、58.3%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、58.3%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、58.3%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、83.3%、今後連携を期待するは、50.0%でした。 21 その他と連携したことがあるは、25.0%、今後連携を期待するは、41.7%でした。 132ページ 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、8.3%、2 少し持っているは、91.7%、3 持っていないは、0.0%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、41.7%、2 相談できる窓口が分からないことは、8.3%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、25.0%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、8.3%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、41.7%、6 対応するための時間がとれなかったことは、0.0%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、16.7%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、33.3%、9 対応できなかった(又は対応できそうもない)ことはないは、16.7%でした。 問9 他の相談支援機関等と個別ケース会議を実施する際に課題となっていることはありますか。(○はいくつでも) 1.個人情報の取扱いが難しいため、必要な情報を共有できないは、25.0%、2.役割分担ができていないは、16.7%、3.継続的にケース会議を開催する等の体制を構築できない(調整に手間や時間がかかる)は、58.3%、4.支援目標が統一できないは、33.3%、5.他の相談支援機関との関係づくりができていないため開催を呼びかけづらい。は、0.0%、6.個別ケース会議を開催したことがないは、0.0%、7.課題はないは、0.0%、8.その他は、25.0%でした。 問10 他分野の相談や複合的な課題に対し、各相談支援機関が連携して支援にあたるために必要なことは何ですか。(○は3つまで) 1.相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置は、41.7%、2.複数の関係機関をコーディネートする機関の設置(人の配置)は、33.3%、3.複合的な課題や支援につながっていない世帯等に対し積極的な訪問等を行う機関の設置(人の配置)は、41.7%、4.他制度や各相談支援機関の役割等を把握するための研修の実施は、16.7%、5.関係機関との間で、支援を標準化するためのマニュアル・様式(経過を確実にやり取りするための連絡票等)の作成は、16.7%、6.必要な情報を共有するための個人情報に関する取り決めは、8.3%、7.その他は、25.0%でした。 V.他分野の相談や複合的な課題への対応 問1 他の相談機関と連携する必要があるときに、連絡や連携はスムーズに行われていると感じていますか。(○は1つだけ) 1.感じるは、41.7%、2.感じないは、41.7%でした。 問2 他の相談支援機関等に相談者をつなぐ際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1.相談者の個人情報の取扱いが難しいは、25.0%、2.どのように相談支援機関を探したらよいか分からないは、0.0%、3.連携先の業務に関する知識に乏しいため、何をどのように支援してもらえるかわからないは、8.3%、4.顔の見える関係性を構築しておらず、相談しづらいは、33.3%、5.相談者のニーズが複雑化・多様化しており、他制度・施策のどの相談支援機関等を紹介すれば良いか分からないは、50.0%、6.つなぐことがほとんどないは、0.0%、7.特に課題はないは、8.3%、8.その他は、25.0%でした。 問3 他の相談支援機関等から相談者を紹介される際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1.相談者の個人情報等、支援に必要な情報を収集することが難しいは、33.3%、2.他の相談支援機関等から連絡なしで紹介される(相談者への情報提供のみ)は、41.7%、3.他の相談支援機関等で対応する必要がある相談者を紹介されるは、25.0%、4.貴機関に対する誤った役割・機能等の情報が相談者に伝わっているは、33.3%、5.紹介された際の相談者に関する情報と相談者本人の話が異なるは、50.0%、6.紹介されることがほとんどないは、0.0%、7.特に課題はないは、8.3%、8.その他は、8.3%でした。 133ページ 地域の福祉ニーズ調査票(地域子育て支援拠点・子育て総合相談窓口・エリア支援保育所)【結果】 各選択肢横にある(  )内の数字は回答割合です。 T.子育て世帯の支援 問1 子育て世帯からの相談に応じていて既存の公的制度やサービスでは対応できなくて困ったことはありますか。 1.あるは、43.0%、2.ないは、56.1%でした。 問2 それは、どのような内容のものでしたか。(○はいくつでも)また、どのように対応されましたか。なお、対応方法の集計は省略しています。 1 しつけなど子育ての仕方は、17.4%、2 親同士の交流・仲間づくりは、15.2%、3 乳幼児との関わり方は、13.0%、4 急用の際の一時預かりは、52.2%、5 リフレッシュの際の一時預かりは、34.8%、6 共働きによる子どもの世話は、23.9%、7 ひとり親家庭における子どもとの接し方は、8.7%、8 子どもの発達への不安は、41.3%、9 発達に遅れのある子どもへの対応は、47.8%、10 経済的支援は、23.9%、11 まわりから子育てへの援助がないことは、41.3%、12 その他は、30.4%でした。 問3 ボランティアや地域の人が子育て世帯を援助する場合、どんな活動が必要だと思いますか。(○はいくつでも) 1 集いの場(サロン)は、72.0%、2 相談・話し相手は、78.5%、3 子どもの外出時の付き添いは、17.8%、4 一時的な子どもの預かりは、65.4%、5 子ども同士が交流できる環境づくりは、48.6%、6 登下校時の見守りは、48.6%、     7 非行防止パトロールは、24.3%、8 伝承遊びなど高齢者との交流(33.6)9 子どもの遊び相手・スポーツ指導は、27.1%、10 家事援助は、40.2%、11 家庭訪問活動は、29.0%、12 その他は、8.4%でした。 U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 地域との関係づくりのために、日頃の業務の中で実施していることは何ですか。(○は3つまで) 1 地域福祉活動への参加・協力は、23.4%、2 地域の行事等への参加・協力は、46.7%、3 地域住民との協議の場への参加は、14.0%、4 地域住民等との協働による取組の実施(サロン等における専門相談の実施等)は、44.9%、5 本人への支援を行う際に、地域住民等に対しケース会議への参加を依頼するは、4.7%、6 区社会福祉協議会との連携・協力は、40.2%、7 民生委員・児童委員、主任児童委員等との連携・協力は、72.0%、8 その他は、4.7%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まっているは、5.6%、2 やや高まっているは、19.9%、3 変わらないは、27.1%、4 やや低下しているは、21.5%、5 低下しているは、4.7%、6 わからないは、20.6%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、33.6%、2 活動者への研修等の開催は、17.8%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、26.2%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、61.7%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、55.1%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、12.1%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、14.0%、8 社会福祉法人、商店や企業等の地域貢献による支援は、15.0%、9 住民が話し合う場は、19.6%、10 地域住民の福祉意識を高めるための啓発は、18.7%でした。 134ページ 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、20件、ないは、86件、ある場合の対応状況として、自ら支援した60.0%、他機関等へつないだ65.0%、支援できなかった0.0%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、9件、ないは、96件、ある場合の対応状況として、自ら支援した55.6%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった11.1%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、5件、ないは、99件、ある場合の対応状況として、自ら支援した60.0%、他機関等へつないだ100.0%、支援できなかった0.0%でした。 4 @〜B以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、32件、ないは、71件、ある場合の対応状況として、自ら支援した65.6%、他機関等へつないだ84.4%、支援できなかった6.3%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、28件、ないは、76件、ある場合の対応状況として、自ら支援した60.7%、他機関等へつないだ75.0%、支援できなかった14.3%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、36件、ないは、68件、ある場合の対応状況として、自ら支援した36.1%、他機関等へつないだ88.9%、支援できなかった11.1%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、20件、ないは、85件、ある場合の対応状況として、自ら支援した35.0%、他機関等へつないだ85.0%、支援できなかった15.0%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、38件、ないは、67件、ある場合の対応状況として、自ら支援した55.3%、他機関等へつないだ71.1%、支援できなかった13.2%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、24件、ないは、81件、ある場合の対応状況として、自ら支援した58.3%、他機関等へつないだ70.8%、支援できなかった4.2%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、7件、ないは、98件、ある場合の対応状況として、自ら支援した42.9%、他機関等へつないだ85.7%、支援できなかった0.0%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、47件、ないは、58件、ある場合の対応状況として、自ら支援した53.2%、他機関等へつないだ89.4%、支援できなかった4.3%でした。 12 刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、4件、ないは、101件、ある場合の対応状況として、自ら支援した75.0%、他機関等へつないだ100.0%、支援できなかった0.0%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、8件、ないは、96件、ある場合の対応状況として、自ら支援した87.5%、他機関等へつないだ100.0%、支援できなかった0.0%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、38件、ないは、67件、ある場合の対応状況として、自ら支援した68.4%、他機関等へつないだ65.8%、支援できなかった5.3%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、78.5%、今後連携を期待するは、41.1%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、38.3%、今後連携を期待するは、36.4%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、11.2%、今後連携を期待するは、32.7%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、19.6%、今後連携を期待するは、35.5%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、64.5%、今後連携を期待するは、33.6%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、30.8%、今後連携を期待するは、47.7%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、14.0%、今後連携を期待するは、34.6%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、4.7%、今後連携を期待するは、21.5%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、4.7%、今後連携を期待するは、29.0%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、3.7%、今後連携を期待するは、24.3%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、26.2%、今後連携を期待するは、41.1%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、36.4%、今後連携を期待するは、38.3%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、40.2%、今後連携を期待するは、33.6%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、40.2%、今後連携を期待するは、33.6%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、24.3%、今後連携を期待するは、29.9%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、63.5%、今後連携を期待するは、43.0%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、8.4%、今後連携を期待するは、22.4%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、12.1%、今後連携を期待するは、24.3%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、33.6%、今後連携を期待するは、50.4%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、30.8%、今後連携を期待するは、22.4%でした。 21 その他と連携したことがあるは、7.5%、今後連携を期待するは、5.6%でした。 135ページ 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、8.4%、2 少し持っているは、73.9%、3 持っていないは、16.8%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、45.8%、2 相談できる窓口が分からないことは、33.6%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、47.7%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、8.4%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、24.3%、6 対応するための時間がとれなかったことは、15.0%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、19.6%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、40.2%、9 対応できなかった(又は対応できそうもない)ことはないは、11.2%でした。 問9 他の相談支援機関等と個別ケース会議を実施する際に課題となっていることはありますか。(○はいくつでも) 1 個人情報の取扱いが難しいため、必要な情報を共有できないは、31.8%、2 役割分担ができていないは、19.6%、3 継続的にケース会議を開催する等の体制を構築できない(調整に手間や時間がかかる)は、43.0%、4 支援目標が統一できないは、13.1%、5 他の相談支援機関との関係づくりができていないため開催を呼びかけづらい。は、15.9%、6 個別ケース会議を開催したことがないは、21.5%、7 課題はないは、9.3%、8 その他は、6.5%でした。 問10 他分野の相談や複合的な課題に対し、各相談支援機関が連携して支援にあたるために必要なことは何ですか。(○は3つまで) 1 相談や協議ができたり、他機関とつながることができる場の設置は、57.0%、2 複数の関係機関をコーディネートする機関の設置(人の配置)は、72.0%、3 複合的な課題や支援につながっていない世帯等に対し積極的な訪問等を行う機関の設置(人の配置)は、47.7%、4 他制度や各相談支援機関の役割等を把握するための研修の実施は、21.5%、5 関係機関との間で、支援を標準化するためのマニュアル・様式(経過を確実にやり取りするための連絡票等)の作成は、28.0%、6 必要な情報を共有するための個人情報に関する取り決めは、23.4%、7 その他は、2.8%でした。 V.他分野の相談や複合的な課題への対応 問1 他の相談機関と連携する必要があるときに、連絡や連携はスムーズに行われていると感じていますか。(○は1つだけ) 1 感じるは、49.6%、2 感じないは、41.1%でした。 問2 他の相談支援機関等に相談者をつなぐ際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1 相談者の個人情報の取扱いが難しいは、48.6%、2 どのように相談支援機関を探したらよいか分からないは、14.0%、3 連携先の業務に関する知識に乏しいため、何をどのように支援してもらえるかわからないは、31.8%、4 相談者のニーズが複雑化・多様化しており、他制度・施策のどの相談支援機関等を紹介すれば良いか分からないは、45.8%、5 つなぐことがほとんどないは、9.3%、6 特に課題はないは、9.3%、7 その他は、7.5%でした。 136ページ 問3 他の相談支援機関等から相談者を紹介される際に課題と感じることはありますか。該当する項目を選択してください。(○は3つまで) 1 相談者の個人情報等、支援に必要な情報を収集することが難しいは、30.8%、2 他の相談支援機関等から連絡なしで紹介される(相談者への情報提供のみ)は、15.0%、3 他の相談支援機関等で対応する必要がある相談者を紹介されるは、6.5%、4 貴機関に対する誤った役割・機能等の情報が相談者に伝わっているは、8.4%、5 紹介された際の相談者に関する情報と相談者本人の話が異なるは、7.5%、6 紹介されることがほとんどないは、29.9%、7 特に課題はないは、21.5%、8 その他は、5.6%でした。 137ページ 地域の福祉ニーズ調査票(民生委員児童委員)【結果】 各選択肢横にある(  )内の数字は回答割合です。 T.地域における活動についてお尋ねします。 (介護保険法・障害者総合支援法の制度外サービス) 問1 高齢者や障害者等で日常生活に支障のある人やそのご家族からの相談に応じて、介護保険や障害者総合支援法等既存の公的制度やサービスでは対応できなくて困ったことはありますか。 1 あるは、45.7%、2 ないは、53.0%でした。 問2 それは、どのような内容のものでしたか。(○はいくつでも)また、どのように対応されましたか。なお、対応方法の集計は省略しています。 1 外出支援(通院含む)は、17.9%、2 買い物の手伝いは、16.2%、3 ゴミ出しや掃除は、17.5%、4 入院時・入院中のお手伝いは、15.4%、5 話し相手は、12.8%、6 電化製品の修理、使用方法の説明は、9.8%、7 家の小修繕は、11.5%、8 ペットの世話は、4.3%、9 生きがいのための趣味活動は、4.3%、10 集いの場(サロン)は、9.4%、11 隣人トラブルは、27.1%、12 医療的ケアが必要な人の就学・就労は、2.1%、13 医療同意は、6.4%、14 保証人探し(入院手続き、賃貸契約等)は、7.3%、15 経済的支援は、6.4%、16 就労支援は、1.3%、17 社会的孤立は、6.4%、18 その他は、6.0%でした。 (子育て世帯の支援) 問3 子育て世帯からの相談に応じていて既存の公的制度やサービスでは対応できなくて困ったことはありますか。 1 あるは、18.8%、2 ないは、81.2%でした。 問4 それは、どのような内容のものでしたか。(○はいくつでも)また、どのように対応されましたか。なお、対応方法の集計は、速報版では、省略しています。 1 しつけなど子育ての仕方は、25.0%、2 親同士の交流・仲間づくりは、40.9%、3 乳幼児との関わり方は、13.6%、4 急用の際の一時預かりは、22.7%、5 リフレッシュの際の一時預かりは、11.4%、6 共働きによる子どもの世話は、15.9%、7 ひとり親家庭における子どもとの接し方は、15.9%、8 子どもの発達への不安は、25.0%、9 発達に遅れのある子どもへの対応は、38.6%、10 経済的支援は、15.9%、11 まわりから子育てへの援助がないことは、11.4%、12 その他は、13.6%でした。 問5 ボランティアや地域の人が子育て世帯を援助する場合、どんな活動が必要だと思いますか。(○はいくつでも) 1 集いの場(サロン)は、73.1%、2 相談・話し相手は、65.4%、3 子どもの外出時の付き添いは、2.6) 4 一時的な子どもの預かりは、29.1%、5 子ども同士が交流できる環境づくりは、56.4%、6 登下校時の見守りは、54.3%、7 非行防止パトロールは、23.1%、8 伝承遊びなど高齢者との交流は、39.3%、9 子どもの遊び相手・スポーツ指導は、23.9%、10 家事援助は、5.6%、11 家庭訪問活動は、15.0%、12 その他は、3.8%でした。 138ページ 問6 いわゆる社会的に孤立した人や世帯が抱えている課題が深刻化する場合が少なくないと言われています。地域において社会的孤立を防止するために何が必要だと思われますか。(○は3つまで) 1 地域住民の理解を得るための啓発活動は、17.9%、2 閉じこもりがちな人や孤立しがちな人(世帯)の情報の把握は、60.7%、3 サロンなどの地域住民の交流を促進する活動は、34.2%、4 地域住民による日常的な見守り、助け合い活動は、42.7%、5 地域で見守り、助け合い活動などを行う地域住民と区役所や専門機関との連携は、46.2%、6 地域で交流づくりの活動などを行う地域住民とボランティアグループ・NPOとの連携は、7.7%、7 地域で身近に相談できる相談場所の設置は、20.9%、8 地域住民だけでは対応が困難な事案について、直接訪問するなどの支援を行う専門職員の配置は、49.6%でした。 問7 社会的孤立を防止するために、どのような障害や問題点があると思われますか。(○は3つまで) 1 見守り活動を行う団体の人員が不足しているは、15.4%、2 個人情報保護の意識の高まりにより、対象者の把握が難しいは、71.4%、3 団体間の個人情報のやり取りが難しいは、12.0%、4 個人情報を管理することが難しいは、7.7%、5 地域のつながりが薄れ、対象者の把握が難しいは、59.8%、6 見守りを拒否する人への対応は、43.2%、7 オートロックのマンションなどセキュリティにより見守り活動が難しいは、36.2%、8 地域住民とその活動を支援する専門職員との連携が不十分は、10.3%、9 見守り活動で応答がないなど異常を発見した際の対応など活動のための相談窓口や支援する専門職員が不足しているは、17.1%でした。 U.地域の困り事について、お尋ねします 問1 現在、貴学区で問題になっていると思うことは何ですか。(○はいくつでも) 1 住民同士の交流する機会の減少は、40.6%、2 住民同士の助け合い意識の低下は、50.0%、3 地域の治安 (防犯) は、14.5%、4 災害時に備えた対応や防災対策は、45.3%、5 地域の美化は、5.6%、6 高齢者世帯や障害者世帯への(見守りや生活等)支援は、31.2%、7 認知症による周辺症状に伴う近隣トラブル(徘徊など)は、18.8%、8 子育て環境(子育ての孤立化など)は、9.0%、9 子どもの健全育成(非行やいじめ、子どもの貧困など)は、5.6%、10 地域での住みやすさの問題(商業施設の減少や放置された空き家の増加など)は、18.8%、11 その他は、13.2%、12 特にないは、9.4%、13 分からないは、1.7%でした。 問2 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力は、ここ数年でどのようになっていると思いますか。(〇は1つだけ) 1 高まってきているは、5.1%、2 やや高まってきているは、26.1%、3 変わらないは、33.8%、4 やや低下しているは、19.2%、5 低下しているは、9.8%、6 わからないは、4.3%でした。 問3 地域の困り事を地域住民の課題として、住民同士が協力して問題解決する力を高めるためには、何が必要だと思いますか。(○は3つまで) 1 地域福祉ニーズに対応する団体の情報の地域への発信は、26.5%、2 活動者への研修等の開催は、8.5%、3 専門機関(専門職員)のアドバイスは、18.8%、4 地域団体やボランティア・NPOと顔の見える関係づくりは、25.6%、5 身近に相談できる人や場所の存在は、42.7%、6 元気な高齢者が担い手となるための取り組みは、42.3%、7 学生などの若者が担い手として参加するための取り組みは、23.5%、8 社会福祉法人、商店や企業等の地域貢献による支援は、7.3%、9 住民が話し合う場は、21.8%、10 地域住民の福祉意識を高めるための啓発は、48.3%でした。 139ページ 問4 以下の事項の課題を抱える人や世帯を把握し、支援した又は他の機関等へのつなぎを行ったことはありますか。(問@〜Mすべての項目について回答してください。) なお、自ら(の機関等)のみで支援したケースは、「自ら支援した」に〇をつけてください。他の機関等につないで自らも連携に参加した場合、「他機関等へつないだ」に含めます。複数の対応したケースがある場合は、該当する対応結果のすべてに〇をつけてください。 1 介護と子育てを同時にしており、介護・育児負担を感じている人や世帯(いわゆるダブルケア)の把握があるは、20件、ないは、200件、ある場合の対応状況として、自ら支援した5.0%、他機関等へつないだ90.0%、支援できなかった10.0%でした。 2 高齢者と障害者の同居世帯で複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、65件、ないは、155件、ある場合の対応状況として、自ら支援した20.0%、他機関等へつないだ72.3%、支援できなかった15.4%でした。 3 高齢の親が障害のある子どもの介護をしており、支援が必要と思われる人の把握があるは、44件、ないは、170件、ある場合の対応状況として、自ら支援した18.2%、他機関等へつないだ70.5%、支援できなかった27.3%でした。 4 @〜B以外で、複数の課題を抱えている人や世帯の把握があるは、45件、ないは、163件、ある場合の対応状況として、自ら支援した31.1%、他機関等へつないだ82.2%、支援できなかった4.4%でした。 5 支援拒否や自ら相談や利用申請等ができない人や世帯の把握があるは、100件、ないは、117件、ある場合の対応状況として、自ら支援した15.0%、他機関等へつないだ78.0%、支援できなかった19.0%でした。 6 生活に困窮しており、支援が必要と思われる人や世帯の把握があるは、93件、ないは、122件、ある場合の対応状況として、自ら支援した12.9%、他機関等へつないだ92.5%、支援できなかった5.4%でした。 7 住まいの確保など居住に課題を抱えた人や世帯の把握があるは、57件、ないは、158件、ある場合の対応状況として、自ら支援した36.8%、他機関等へつないだ52.6%、支援できなかった22.8%でした。 8 精神疾患を抱えている人又は抱えていると思われるが、どこにも相談していない人の把握があるは、48件、ないは、168件、ある場合の対応状況として、自ら支援した31.3%、他機関等へつないだ70.8%、支援できなかった14.6%でした。 9 支援が必要な障害がある又はあると思われるが、障害者手帳を取得していない人の把握があるは、28件、ないは、184件、ある場合の対応状況として、自ら支援した14.3%、他機関等へつないだ78.6%、支援できなかった14.3%でした。 10 判断能力が不十分であることにより成年後見などの権利擁護を必要としている人や世帯(消費者被害など)の把握があるは、43件、ないは、173件、ある場合の対応状況として、自ら支援した16.3%、他機関等へつないだ81.4%、支援できなかった9.3%でした。 11 虐待の問題を抱えている人や世帯の把握があるは、44件、ないは、170件、ある場合の対応状況として、自ら支援した11.4%、他機関等へつないだ86.4%、支援できなかった6.8%でした。 12 刑務所から出所した人などであって、福祉的な支援を必要としている人の把握があるは、12件、ないは、203件、ある場合の対応状況として、自ら支援した33.3%、他機関等へつないだ66.7%、支援できなかった8.3%でした。 13 入所施設や病院等から退所・退院した人であって、地域から孤立している人の把握があるは、38件、ないは、175件、ある場合の対応状況として、自ら支援した18.4%、他機関等へつないだ86.8%、支援できなかった15.8%でした。 14 外国人であって、地域とのつながりが持てず、地域から孤立している人の把握があるは、13件、ないは、202件、ある場合の対応状況として、自ら支援した46.2%、他機関等へつないだ30.8%、支援できなかった30.8%でした。 問5 前のページの問4のほか、複合的な課題や現状の制度の中で対応が困難な課題を抱えているケースがありましたら、ご記入ください、は、自由記述です。 問6 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、誰もしくはどういう機関・団体に連携をしましたか。または、連携を期待しますか。(○はいくつでも) 1 公的機関(区役所・保健センター、児童相談所など)と連携したことがあるは、72.3%、今後連携を期待するは、32.5%でした。 2 社会福祉協議会と連携したことがあるは、66.3%、今後連携を期待するは、32.5%でした。 3 いきいき支援センターと連携したことがあるは、80.8%、今後連携を期待するは、32.9%でした。 4 障害者基幹相談支援センターと連携したことがあるは、12.0%、今後連携を期待するは、52.1%でした。 5 地域子育て支援拠点(つどいの広場、子ども・子育て支援センター、地域子育て支援センター、児童館)と連携したことがあるは、23.5%、今後連携を期待するは、46.2%でした。 6 子育て総合相談窓口(子育て世代包括支援センター)と連携したことがあるは、9.4%、今後連携を期待するは、56.0%でした。 7 仕事・暮らし自立サポートセンターと連携したことがあるは、7.3%、今後連携を期待するは、50.9%でした。 8 成年後見あんしんセンターと連携したことがあるは、5.1%、今後連携を期待するは、49.5%でした。 9 高齢者虐待相談センター・障害者虐待相談センターと連携したことがあるは、3.0%、今後連携を期待するは、49.6%でした。 10 障害者・認知症高齢者権利擁護センターと連携したことがあるは、7.7%、今後連携を期待するは、50.9%でした。 11 地域団体(地域福祉推進協議会など)と連携したことがあるは、48.7%、今後連携を期待するは、32.5%でした。 12 ボランティアと連携したことがあるは、27.4%、今後連携を期待するは、29.5%でした。 13 NPOと連携したことがあるは、9.0%、今後連携を期待するは、36.8%でした。 14 家族・親族と連携したことがあるは、57.7%、今後連携を期待するは、30.3%でした。 15 隣近所の人と連携したことがあるは、60.7%、今後連携を期待するは、33.3%でした。 16 民生委員・児童委員(主任児童委員)と連携したことがあるは、76.0%、今後連携を期待するは、29.1%でした。 17 居宅介護支援事業所・相談支援事業所等と連携したことがあるは、33.8%、今後連携を期待するは、39.8%でした。 18 訪問介護や通所介護等のサービス事業所と連携したことがあるは、39.8%、今後連携を期待するは、40.6%でした。 19 医療機関(病院など)と連携したことがあるは、32.1%、今後連携を期待するは、41.9%でした。 20 知人・友人と連携したことがあるは、31.2%、今後連携を期待するは、27.4%でした。 21 その他と連携したことがあるは、2.1%、今後連携を期待するは、7.7%でした。 140ページ 問7 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、対応できる専門機関や地域団体、ボランティア・NPOなど必要な機関等の十分な情報を持っていますか。(〇は1つだけ) 1 十分持っているは、7.7%、2 少し持っているは、63.3%、3 持っていないは、25.2%でした。 問8 複合的な課題を抱えた人や世帯又は支援を拒否している人や世帯について、援助を求められ、対応できなかった(又は対応できそうもない)場合、その原因は何だと思いますか。(○はいくつでも) 1 対応できるサービス・活動する団体の情報がないことは、26.9%、2 相談できる窓口が分からないことは、14.1%、3 世帯全体への支援を包括的に進行管理する機関等がないことは、27.4%、4 地域住民の協力が得られなかったことは、12.8%、5 対応できるサービス・活動する団体がないことは、15.0%、6 対応するための時間がとれなかったことは、13.2%、7 関係機関との連携がとれなかったことは、9.4%、8 本来業務の範囲を超えるものであることは、38.9%、9 対応できなかった(又は対応できそうもない)ことはないは、11.5%でした。 141ページ 4 要綱と名簿 名古屋市地域福祉計画及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 策定懇談会開催要綱 (趣旨) 第1条 名古屋市地域福祉計画及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画(以下「地域福祉に関する計画」という。)の策定にあたり、関係機関・団体及び住民等の意見を聴取し、地域の実情に応じた計画を策定するため、計画策定懇談会(以下「懇談会」という。)を開催する。 (定義) 第2条 この要綱における用語は、以下のとおりとする。 (1)名古屋市地域福祉計画は、社会福祉法第107条に基づき名古屋市が策定する計画をいう。 (2)名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画は、社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会(以下「市社協」という。)が地域福祉の計画的な取組みを進めるために策定する計画をいう。 (構成) 第3条 懇談会は、次に掲げる者により構成し、次の各号に掲げる者のうちから名古屋市健康福祉局長及び市社協会長が依頼する。 (1)関係団体から推薦された者 (2)学識経験者 (3)市民代表者等 2 懇談会への出席に対し、報償として、原則1回あたり金11,600円を支給する。 3 懇談会の座長は、構成員の互選により決定する。 4 座長は、懇談会の議事を進行する。 (役割) 第4条 懇談会は、次の各号に掲げる事項について意見を聴取する。 (1)名古屋市地域福祉計画の策定に関すること。 (2)名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画の策定に関すること。 (3)現行の地域福祉に関する計画の進行管理・評価に関すること。 (4)その他関係すること。 (会議の公開) 第5条 原則として公開する。ただし、名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課長及び市社協地域福祉推進部長が必要と認めるときは、非公開とすることができる。 142ページ (作業部会) 第6条 懇談会のほか、作業部会を開催する。 2 作業部会は、地域福祉に関する計画に盛り込むべき重要な事項に関する意見を聴取し、その経過及び結果を懇談会に報告する。 3 作業部会の構成及び運営その他必要な事項は、別に定める。 (庶務) 第7条 懇談会の庶務は、名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課及び市社協地域福祉推進部において処理する。 (委任) 第9条 この要綱に定めるもののほか、懇談会の運営その他必要な事項は、座長が別に定める。 附 則 この要綱は、平成30年8月1日から施行する。 143ページ 名古屋市地域福祉計画及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 策定懇談会作業部会開催要領 (趣旨) 第1条 名古屋市地域福祉計画及び名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画  策定懇談会開催要綱第6条第3項の規定に基づき、策定懇談会作業部会(以下「作業部会」という。)を開催する。 (構成) 第2条 作業部会の委員は、策定懇談会の委員の中から選出する。 2 作業部会には、第3条各号の事項に必要となる地域の活動者や各種の専門機関の職員を出席させることができる。 3 作業部会への出席に対し、報償として、原則1回あたり金11,600円を支給する。 4 作業部会の座長は、構成員の互選により決定する。 5 座長は、作業部会の議事を進行する。  (役割) 第3条 作業部会は、次の各号に掲げる事項について取り扱う。 (1)名古屋市地域福祉計画の策定に係る住民意見聴取及び素案、成案の作成に関すること。 (2)名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画の策定に係る住民意見聴取及び素案、成案の作成に関すること。 (3)その他関係すること (会議の公開) 第4条 原則として公開する。ただし、名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課長及び市社協地域福祉推進部長が必要と認めるときは、非公開とすることができる。 (庶務) 第5条 作業部会の庶務は、名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課及び市社協地域福祉推進部において処理する。 (委任) 第6条 この要領に定めるもののほか、作業部会の運営その他必要な事項は、座長が別に定める。 附 則 この要領は、平成30年8月1日から施行する。 144ページ なごやか地域福祉2020策定懇談会 委員名簿 学識経験者は、日本福祉大学の小松理佐子、日本福祉大学中央福祉専門学校の長岩嘉文 地域福祉関係団体は、社会福祉法人名古屋市南区社会福祉協議会の相原邑子、社会福祉法人名古屋市瑞穂区社会福祉協議会の浅井慶弌 地域活動団体は、名古屋市区政協力委員議長協議会の後藤弘康、名古屋市保健環境委員会の中村剛、名古屋市民生委員児童委員連盟の山嵜梅治(平成31年11月まで)、水野 武男 名古屋市民生委員児童委員連盟(平成31年12月から)、名古屋市保護区保護司会連絡協議会の福谷 直正 社会教育関係団体社会教育関係団体は、名古屋市地域女性団体連絡協議会の河合襠子 高齢者福祉関係団体は、名古屋市老人福祉施設協議会の古川忠利、名古屋市老人クラブ連合会の三溝芳隆 障害者福祉関係団体は、愛知県精神障がい者福祉協会の王子田剛、名古屋市知的障害者福祉施設連絡協議会の北村榮章、名古屋市障害者団体連絡会の橋井正喜 児童福祉関係団体は、名古屋市児童養護連絡協議会の梅村麻美子、名古屋市子ども会連合会の木戸秀典、名古屋民間保育園連盟の藤岡省吾 教育関係団体は、名古屋市立小中学校長会の相川保敏、名古屋市立小中学校PTA協議会の下方丈司、名古屋学院大学社会連携センターの杉山晃一 保健医療関係団体は、名古屋市歯科医師会(令和元年5月まで)の安藤正晃及び名古屋市歯科医師会(令和元年6月から)の東浦司、名古屋市薬剤師会の野田雄二、名古屋市医師会の山根則夫 市民活動関係団体は、特定非営利活動法人ボラみみより情報局の織田元樹、特定非営利活動法人レスキューストックヤードの栗田暢之、名古屋市ボランティア連絡協議会の田代京美、特定非営利活動法人ボランタリーネイバーズの遠山涼子、特定非営利活動法人ICDSの深谷潤一 企業・商店・組合等関係団体は、名古屋市商店街振興組合連合会の社本謙、日本フランチャイズチェーン協会(令和元年5月まで)の花崎顕仁、日本フランチャイズチェーン協会(令和元年6月から)の堤博信、名古屋商工会議所の馬場宏之、愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合の舟橋左門、名古屋市住宅供給公社(平成31年3月まで)の松本直樹、名古屋市住宅供給公社(平成31年4月から)の杉岡博之 145ページ 村瀬 友総 名古屋市新聞販売店地域安全協議会(令和2年1月まで)、鳥居 孝智 名古屋市新聞販売店地域安全協議会(令和2年2月から)、愛知県生活協同組合連合会(令和元年5月まで)の山本哲夫、愛知県生活協同組合連合会(令和元年6月から)の加藤昭夫、日本チェーンストア協会中部支部(令和元年2月まで)の渡辺恭、日本チェーンストア協会中部支部(令和元年3月から)の岡山正浩 市民公募委員は、伊藤裕通、杉江勇夫、永田尚子、村松万友美 「区分」ごとに各委員のご氏名の五十音順(敬称省略) なごやか地域福祉2020策定懇談会作業部会 委員名簿 学識経験者は、日本福祉大学の小松理佐子、日本福祉大学中央福祉専門学校の長岩嘉文 市民活動関係団体は、特定非営利活動法人ボラみみより情報局の織田元樹、特定非営利活動法人レスキューストックヤードの栗田暢之、特定非営利活動法人ボランタリーネイバーズの遠山涼子 市民公募委員は、伊藤裕通、杉江勇夫、永田尚子、村松万友美 出席を求める関係者 包括的な支援体制に関係する専門機関等 名古屋市民生委員児童委員連盟の青木敬子、名古屋市子ども・子育て支援センター(令和元年5月まで)の小川智子、名古屋市子ども・子育て支援センター(令和元年6月から)の水谷有志、熱田区障害者基幹相談支援センターの久野寿枝、千種区東部いきいき支援センターの中根容子、仕事・暮らし自立サポートセンター金山の平坂義則 「区分」ごとに各委員のご氏名の五十音順(敬称省略) 146ページ 5 用語解説 アクセシビリティ(P47) 高齢者・障害者を含む誰もが、さまざまな製品や建物やサービスなどを支障なく利用できるかどうか、あるいはその度合いをいいます。 意思決定支援(P74) 認知症や障害などで判断能力が不十分な人について、本人らしい生活を実現するため、必要な情報を提供し、本人の意思や考えを引き出すなど、本人が自ら意思決定をするために必要な支援をすることをいいます。 SDGs(P6) 世界共通の目標として、健康や教育、経済成長、気候変動に関するものなど、多岐にわたる17の持続可能な開発目標と169のターゲットが設定されており、いずれも令和12年までの達成を目指すものです。 外国人市民(P48) 市内に住所を有する外国籍の人のほか、日本国籍を取得した人や国際結婚によって生まれた子どもなど外国の文化を背景に持つ人など、外国にルーツを持つ人のことをいいます。 学区連絡協議会(P10等) 住民相互の交流を図り、連帯を高めることを目的として、学区内の様々な団体の代表等で構成された協議組織です。小学校区単位(=学区)に設置され、学区におけるコミュニティ活動の中心的役割を担っています。 区将来ビジョン(P7) 区を取り巻く社会状況の変化を踏まえ、めざすべき区の姿を明らかにし、その実現に向けた中長期の取り組みを各区において体系化した計画です。 区政運営方針(P7) 区将来ビジョンの方向性に基づき、地域の課題や要望を踏まえて行政サービスや区民生活の向上を図るため、年度ごとに区役所が主体的に取り組む事業をまとめたものです。 区政協力委員(P10等) 町内会・自治会単位に選出され、住民と行政とのパイプ役として市長から委嘱されています。行政からの情報を住民に伝達し、住民の市区に対する意見を行政に反映させるための名古屋市独自の制度であり、市内で約5,500名の委員が、安心安全で快適なまちづくりをはじめとした市民活動の推進役としても活動しています。 147ページ 区のあり方基本方針(P7) 区の役割の拡充、住民自治の強化を趣旨とする地方自治法の改正や、これまでの区役所改革の取り組みを踏まえつつ、10年後の地域社会をみすえ、「住民に身近な総合行政機関」としての区役所の果たす役割・方向性を示すものです。 権利擁護支援(P74) 認知症や障害などで判断能力が不十分な人がひとりの個人として尊重され、自分らしい生活を実現するために必要な支援を受けることいいます。 高齢者福祉相談員(P49) ひとり暮らしの高齢者の方などの生活や福祉、一身上の問題などの相談を行うため、各区役所・支所に相談員を配置し、訪問活動を行っています。 子ども会(P10等) 遊びを中心とした異年齢の子ども同士の集団活動を通じて、子どもの自主性・創造性・協調性を養い、心身の健全な育成を目的とする地域団体です。 子ども食堂(P45等) 子どもの孤食を防止し、子どもが安心して食事ができる機会を提供することを通じて、子どもの健やかな育ちを支援する取り組み。地域における「子どもから高齢者まで誰でも集える場」としての役割も期待されています。 コミュニティワーカー(P44) 一定の地域社会で生じる地域住民の生活問題を地域社会自らが主体的・組織的・計画的に解決していけるよう、側面的援助を行う人のことをいいます。 コミュニティソーシャルワーカー(P65) 生活課題を抱える各人の相談支援を地域の中で展開しつつ、さらには地域ぐるみの支援の仕組みをつくっていくことを目指す役割を持った人のことをいいます。 合理的配慮(P43) 障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合に、負担が大きすぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために、その人に合わせた必要な配慮を行うこと。 148ページ 再犯の防止等の推進に関する法律(P70) 再犯の防止等に関する施策に関し、基本理念を定め,国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定めたものです。 社会福祉協議会(本文中は「社協」と表記している箇所もあります)(P10等) 10ページを参照ください。 社会福祉法(P2等) 福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(地域福祉)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るための法律です。 社会福祉法人(P10等) 社会福祉事業を行うことを目的に、社会福祉法に基づき設立された法人です。 社会的障壁(P47) 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいいます。 社会的孤立(P12等) 家族・地域社会との交流が客観的にみて著しく乏しい状態をいいます。(『平成22年度版高齢社会白書(内閣府)』から抜粋) 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(P69) 高齢者などの住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、国による基本方針の策定、地方自治体による供給促進計画の作成、要配慮者の入居を受入れる賃貸住宅の登録制度等について定めるなど、要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する施策を総合的に推進するための法律です。 消防団(P58) 火災や地震、風水害などの様々な災害から地域を守るために、災害現場での活動や火災予防の運動などを行っている組織です。団長は市長から、団員は団長から任命されており、地域を守りたいという有志により成り立っています。 149ページ 女性会(P10等) 地域の女性たちが力を合わせて安心・安全で快適なまちづくりを行っている社会教育関係団体です。「地域 いきいき世話やきおばさん」として、青少年健全育成、福祉、環境、防災などの地域の課題を学習し、それぞれの地域にあった方法で、課題の解決や地域の絆づくりに取り組んでいます。 身体障害者相談員(P10) 身体障害児・者の更生援護の相談に応じ、必要な指導を行うとともに、区役所など関係機関の業務に対する協力などを行っています。 生活困窮者自立支援制度(P27) 仕事のこと、家計のこと、家族のことなど生活上の様々な困りごとを抱える方(生活困窮者)に対して、一人ひとりの状況にあわせた包括的な支援を行う制度です。 生活支援協議体(P55) 生活支援の充実を目的として、各区の生活支援関係者が集い、定期的な情報共有や連携強化等を行うための協議体です。 生活支援コーディネーター(P55) 地域における生活支援の提供体制の整備に向けた取組みを推進するために、生活支援の担い手の養成、資源開発や関係者のネットワーク化等のコーディネート業務を実施します。 成年後見制度(P74) 認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分ではない方(以下、「本人」という)について、本人の権利を守る援助者(「成年後見人」等)を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。(パンフレット「成年後見制度 詳しく知っていただくために」平成25年9月 最高裁判所 から抜粋) 地域共生社会(P37) 社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものです。 地域包括ケアシステム(P27) 2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制を構築するものです。 150ページ 地域福祉推進協議会(P10等) 15ページを参照ください。 知的障害者相談員(P10) 知的障害者の家族等からなる相談員が、区役所など関係機関との連携を保ちながら、知的障害児・者の抱える生活上の問題などについて、相談・助言を行っています。 なごやか地域福祉2015(P33) 33ページを参照ください。 名古屋市総合計画(P5等) 市のまちづくりの方向性を明確化するとともに、市のめざす都市像を実現するために取り組む施策等を明示することを目的として策定した計画です。名古屋市総合計画2023(計画期間令和元年度〜5年度)では、関連する主な成果指標として「困った時に相談できる人が隣近所や地域にいる高齢者の割合(現状値63.7%)」の令和5年度目標を70%、12年度目標を75%と掲げているほか、「地域活動やボランティア・NPO活動に参加している市民の割合(現状値26.0%)」の令和5年度目標を33%、12年度目標を35%と掲げています。 なごや人権施策基本方針(P5) 市政運営の基本理念である「人間性豊かなまち・名古屋」の実現に向けて人権施策を総合的・計画的に推進していくための指針となるものです。 保健環境委員(P10等) 公衆衛生に対する正しい知識の普及、実践などを通じて公衆衛生を向上増進し、地区衛生活動の進展を図るため、市長から委嘱されています。近年においては、ごみの減量対策や環境保全活動などの新たな課題にも取り組んでおり、約7,500 名の委員が、地域の公衆衛生活動のリーダーとして活躍しています。 保護司会(P10) 犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアであり、保護司法に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員です。保護区ごとに保護司会を組織することとなっています。 民生委員・児童委員、主任児童委員(民生委員・児童委員協議会)(P10等) 25ページを参照ください。 151ページ 門地(P36) いわゆる家柄や生れなど人の出生によって当然に生じる社会的地位のことをいいます。 老人クラブ(P10等) 同一地域に暮らす高齢者が集い、会員自らの生きがいと健康づくり、仲間づくり、地域を豊かにすることを目的に「健康・友愛・奉仕」を柱とした活動を行っている自主的な組織です。 ワンオペ育児(P14) 「ワンオペ」とは「ワンオペレーション」の略語で、飲食店等での1人勤務による過酷な状況が社会問題となったことから派生した言葉。育児に加え、仕事や家事を同時に一人で行わなければならない状態をいいます。身体的のみでなく孤独感を感じることによる精神的な負担も強くなる状況があります。 152ページ 白紙 153ページ 第二編 名古屋市成年後見制度利用促進計画 154ページ 目 次 第1章 計画の策定にあたって                 1 計画策定の背景 155ページ 2 計画の位置づけ 155ページ 3 計画期間    155ページ 4 計画の策定体制 155ページ 第2章 現状と課題 1 本市における現在の取り組み 158ページ 2 本市における成年後見制度の現状と利用促進に向けた課題 159ページ 第3章 計画が目指すもの                1 基本理念 167ページ 2 基本目標 167ページ 第4章 取り組みの方策                 1 権利擁護支援の地域連携ネットワークの仕組みづくり 168ページ 2 中核機関の設置 168ページ 3 協議会の設置 172ページ 第5章 計画の進行管理と評価                1 推進体制 173ページ  2 計画内容の変更 173ページ 参考資料 175ページ 155ページ 第1章 計画の策定にあたって 1 計画策定の背景 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない人の権利を守り、生活や財産を法律的に支援する制度です。 認知症高齢者の増加等に伴い、認知症高齢者及び障害のある人の意思決定支援の重要性が高まる中、判断能力が十分でなくても、人としての尊厳が損なわれることなく、その人らしく暮らし続けていくことを支援する成年後見制度は重要な役割を果たすものと考えられます。 しかしながら、現在の成年後見制度の利用状況を見ると、成年後見制度の利用者数は近年、増加傾向にあるものの、その利用者数は認知症高齢者等の数と比較して著しく少ない状況といえます。 こうした中、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、平成28年5月に施行された「成年後見制度の利用の促進に関する法律(以下「成年後見制度利用促進法」という。)」では、市町村は、国の定める「成年後見制度利用促進基本計画」を勘案して、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるものとされています。 これらを踏まえ、支援が必要な人を適切に成年後見制度へつなぎ、その人の権利が守られる地域づくりを目指し、「名古屋市成年後見制度利用促進計画」を策定するものです。 2 計画の位置づけ 本計画は成年後見制度利用促進法第14条に基づく本市の成年後見制度の利用促進に関する基本的な計画です。 また、住民や行政、社会福祉協議会、地域の様々な活動主体がともに連携・協働しながら、地域の福祉課題等を解決するための地域福祉の基本的な方向性と方策を示す計画である「なごやか地域福祉2020(第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画)」との整合性を図り、連携した取り組みを進めます。 3 計画期間 令和2年度から令和6年度までの5年間とします。 4 計画の策定体制 本計画は、法律・福祉の専門職団体、相談支援機関、家族会等の代表者で構成する、「成年後見制度利用促進に関する懇談会」の意見などを踏まえ策定しました。 156ページ 国の成年後見制度利用促進基本計画のポイント (1)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善 財産管理のみならず、意思決定支援・身上保護も重視 適切な後見人等の選任、後見開始後の柔軟な後見人等の交代等 診断書の在り方の検討 (2)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり 権利擁護支援が必要な人の発見と早期からの相談 後見人等を含めた「チーム」による本人の見守り 「協議会」等によるチームの支援 地域連携ネットワークの整備・運営の中核となる機関の必要性 ・広報機能(権利擁護が必要な人の発見、周知、啓発等) ・相談機能(相談対応、後見ニーズの精査、見守り体制の調整等) ・利用促進(マッチング)機能 ・後見人支援機能(チームによる支援、本人の意思を尊重した柔軟な対応等) ・不正防止効果 (3)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和 後見制度支援信託に並立・代替する新たな方策の検討 (預貯金の払戻しについての後見監督人等の関与を可能とする仕組み) 成年後見制度の概要 成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。 法定後見制度は、本人の判断能力が不十分となった後に、家庭裁判所によって成年後見人が選ばれる制度です。本人の判断能力に応じて、「補助」、「保佐」、「後見」の3つの類型があります。 補助 判断能力が不十分な人  保佐 判断能力が著しく不十分な人  後見 常に判断能力を欠いている人 成年後見人等は、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、本人に代わり、財産を管理したり必要な契約を結んだりすることによって、本人を保護・支援します。 成年後見人等の職務は、財産管理(本人の財産の管理に関する事務)と身上保護(本人の生活、療養看護に関する事務)です。 任意後見人制度は、本人に十分な判断能力があるうちに、あらかじめ本人が選んだ人(任意後見人)に判断能力が低下した場合に代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度です。 157ページ 成年後見制度の利用状況(全国) 成年後見制度の利用状況の推移(平成25年〜平成30年) 平成25年12月末日 成年後見 143,661人 保佐 22,891人 補助 8,013人 任意後見 1,999人 合計 176,564人 平成26年12月末日 成年後見 149,021人 保佐 25,189人 補助 8,341人 任意後見 2,119人 合計 184,670人 平成27年12月末日 成年後見 152,681人 保佐 27,655人 補助 8,754人 任意後見 2,245人 合計 191,335人 平成28年12月末日 成年後見 161,307人 保佐 30,549人 補助 9,234人 任意後見 2,461人 合計 203,551人 平成29年12月末日 成年後見 165,211人 保佐 32,970人 補助 9,593人 任意後見 2,516人 合計 210,290人 平成30年12月末日 成年後見 169,583人 保佐 35,884人 補助 10,064人 任意後見 2,611人 合計 218,142人 成年後見制度の各事件類型における利用者はいずれも増加傾向にある。 平成30年12月末日時点の利用者数については、成年後見の割合が約77.7%、保佐の割合が約16.4%、補助の割合が約4.6%、任意後見の割合が約1.2%となっている。 158ページ 第2章 現状と課題 1 本市における現在の取り組み (1)成年後見あんしんセンターの運営 成年後見制度に関する専門相談・申立支援や市民後見人の養成などを実施し、制度の利用を必要としている人を的確に制度につなげたり、後見活動の新たな担い手を養成・支援することで、成年後見制度の利用促進に取り組んでいます。 成年後見あんしんセンターの主な事業内容 成年後見制度に関する専門相談・申立支援 センター職員や弁護士・司法書士による相談を実施 成年後見制度に関する広報・啓発 広報媒体を活用した情報発信及び講演会などのイベント開催 市民後見人候補者養成研修 一般市民を成年後見人として養成するための研修の実施 市民後見人候補者バンクの設置・運営 市民後見人養成研修修了者のバンク登録及びバンク登録者へのフォローアップの実施 市民後見人の受任調整 市民後見人での受任が可能な事案について、市民後見人候補者の推進に係る調整 市民後見人の活動支援及び監督 後見活動を行う市民後見人に対する支援や監督の実施 成年後見制度法人後見支援事業 法人が後見等の業務を適正に行うことができるよう、法人後見実施団体への活動支援 (2)成年後見制度利用支援事業の実施  親族による申立てが期待できない人や低所得の人に対して、成年後見制度の利用を支援することで、成年後見制度の利用促進に取り組んでいます。 市長申立事務 成年後見制度の利用が必要であると認められるものの親族による申立てが期待できない場合に、市長が後見開始等の審判請求を実施 助成事業 一定の要件に該当する低所得の人に対して、審判請求費用や後見業務等の報酬を助成 (3)相談支援機関による権利擁護支援の実施  いきいき支援センターや障害者基幹相談支援センター等の相談支援機関において、成年後見制度をはじめとする権利擁護に関する相談に対応しています。 159ページ 2 本市における成年後見制度の現状と利用促進に向けた課題 (1)成年後見制度に関するアンケート調査の概要 本計画の策定にあたり、本市における成年後見制度のニーズや課題等を把握するため、支援者向け、ご家族向け、受任者向けの3種類のアンケート調査を実施 1 アンケート種別 (1)支援者向けアンケート  調査対象 いきいき支援センター、居宅介護支援事業所などの関係機関  調査方法 対象事業所あて郵送又はメールで調査票を送付  (2)ご家族向けアンケート  調査対象 認知症高齢者のご家族、知的障害者のご家族、精神障害者のご家族  調査方法 各家族会を通じて調査票を配布 (3)受任者向けアンケート  調査対象 後見等を受任している弁護士、司法書士、社会福祉士等専門職、法人後見実施団体  調査方法 各専門職団体を通じて調査票を配布、法人後見実施団体は郵送で調査票を送付 2 調査期間  平成30年9月〜11月 3 配布・回収状況 支援者向け 配布数 1,520 回収数 940 回収率 61.8% ご家族向け 配布数 1,601 回収数 549 回収率 34.3% 受任者向け 配布数 1,556 回収数 280 回収率 18.0% ※受任者向けについては、名古屋市内で後見活動を行っている専門職を特定することができないため、各専門職団体を通じて協力可能な範囲で依頼したものであり、名古屋市外で活動している方や後見活動を行っていない方も配布対象者に含む。 160ページ (2)アンケート調査の結果 @成年後見制度の必要性 成年後見制度を必要とする理由は、支援者では、「金銭管理などが適切にできない」が最も高く、「不動産の処分など日常的な金銭管理を超える法律行為が行えない」、「診療契約などが理解できない」の順に続いています。 ご家族では、「金銭管理への不安」が最も高く、「契約内容が分からず、契約できない」、「親族の高齢化による不安」の順に続いています。 特に知的障害者や精神障害者などのご家族が、ご自身の高齢化により支援ができなくなった場合を心配している状況が見受けられます。 また、「消費者被害」、「経済的虐待」といった重大な権利侵害も、数としては多くないものの一定存在し、積極的な権利擁護支援が必要と考えられます。 支援者向け 成年後見制度の検討が必要だと思われる方の理由(複数回答可) 診療契約やサービス利用契約を理解できず、支援が進まない。 50.2% 不動産の処分など、日常的な金銭管理を超える法律行為を行えない。 59.7% 消費者被害にあったことがある、又は現に悪徳業者につきまとわれている。 4.7% 金銭管理や資産管理(土地や建物など)が適切にできない。 78.0% 税金や施設利用料等を現に滞納しているが、適切に対応できていない。11.1%  商品を次々と購入する等、収入に見合った適切な支出ができない。 13.6% 預金や年金を取り上げられる等、虐待を受けている又は疑いがある。 3.9% 必要な医療・介護の全部又は一部を拒否している。(セルフネグレクト) 5.3% その他困難な状況があるが、適切に対応できていない。 14.0% ご家族向け 判断能力が不十分なことに伴う支援が必要だと感じたこと。(複数回答可)  契約内容が分からず、契約できない。 47.3% 遺産分割協議をする必要がある。 16.2% 利用料などを滞納している、支払いができない。 7.8% 必要な医療・サービスを拒否している。 5.4% 悪質な訪問販売の被害に遭った。 7.2% 他の親族等から、財産侵害・経済的虐待を受けている。 2.7% 不動産などの重要財産の処分ができない。 27.5% 銀行でのお金の出し入れやお金の管理に不安がある。 67.1% 支援している親族が高齢になり、将来が不安になった。 43.1% その他 1.2% 回答なし 2.4% 161ページ A申立支援での苦労 支援者では、「申立に関わったことがない」を除くと、「本人や親族への説明」、「誰を申立人にするか悩んだ」、「親族が非協力的などで支援を行うのに苦労した」、「申立資料の書類が煩雑」の順に割合が高くなっています。 ご家族では、「申立資料の書類が煩雑」が最も高く、「本人への説明」、「誰を成年後見人等候補者とすればよいのか」の順に続いています。 また、「相談や申請機関が分からない」との回答が、支援者、ご家族ともに1割程度あり、支援者や親族等への個別の相談支援や、相談窓口に関する広報が必要と考えられます。 支援者向け 申立て支援を行うにあたり、どのような点で苦労したか。(複数回答可) 申立に関わったことがない。 35.7% 誰に申立を行ってもらうか悩んだ。 18.2% 本人や親族に、成年後見制度の必要性を説明するのに苦労した。 23.6% 申立資料の書類が煩雑で、本人や親族ではできず、苦労した。 14.9% 市長申立をするのに苦労した。 8.5% 誰を後見人等候補者とすればよいか分からず、苦労した。 7.9% 診断書を作成する医師へ、本人の生活状況がうまく伝えられず、苦労した。 3.6% 親族が非協力的又はトラブルがあり、支援を行うのに苦労した。 15.0% 相談や申請機関などがよく分からない。 8.0% その他 7.1% 回答なし 16.5% ご家族向け 申立て支援を行うにあたり、どのような点で苦労したか。(複数回答可) 誰が申立をするか悩んだ。 13.3% 本人に、成年後見制度の必要性を説明するのに苦労した。 20.0% 申立資料の作成が煩雑で、苦労した。 50.0% 誰を後見人等候補者とすればよいのか分からず、苦労した。 16.7% 診断書を作成する医師へ、本人の生活状況がうまく伝えられず、苦労した。 10.0% 申立費用や後見報酬の負担をどうするか悩んだ。 6.7% 他の親族が非協力的又はトラブルがあり、話を進めるのに苦労した。 6.7% 相談や申請機関などがよく分からない。 10.0% その他 20.0% 回答なし 13.3% 162ページ B申立しない理由 支援者では、「身元保証団体への紹介で対応している」が最も高く、「後見報酬の支払いが負担」、「制度利用の必要性の判断ができない」の順に続いています。 ご家族では、「後見人が本人に寄り添った身上保護をしてくれるか不安」をはじめとする、制度を利用することに対する不安が多く見受けられます。 成年後見制度を分かりやすく伝えるための研修や、個別相談に対する専門的支援が必要と考えられます。 支援者向け 申立てをしない又は躊躇する理由はどのようなことか。(複数回答可) 対象となる方を担当したことがない。 18.1% 本人にとって成年後見制度の利用が適切かどうか判断できない。 27.0% 後見人等が選任されるまで時間がかかる。 22.0% 誰が後見人になるか分からないことに不安がある。 16.3% 後見人が本人の意思や希望を反映した支援をしてくれるか不安がある。 20.7% 後見人は一度選任されたら、判断能力が回復しない限り、本人が亡くなるまで続く。 9.0% 後見報酬の支払いが、本人への負担になる。 30.1% 権利擁護センターの日常生活自立支援事業(金銭管理・財産管理)で、対応できる。 24.8% いわゆる「身元保証団体」を紹介することで、対応している。 32.1% その他 7.8% 回答なし 10.2% ご家族向け 申立てをしない又は躊躇する理由はどのようなことか。(複数回答可) 本人が申立に同意しない。 6.0% 本人にとって成年後見が必要か判断できない。 24.7% 申立の費用負担が困難。 9.7% どのように申立準備したらいいか分からない。 19.7% 後見報酬が必要になるから。 16.4% 後見人が決まるまで時間がかかる。 5.0% 誰が後見人になるか分からないことに不安がある。 30.1% 後見人が本人の意思や希望を反映した支援をしてくれるか不安がある。 38.1% 後見人が本人に寄り添った身上保護をしてくれるか不安がある。 38.5% 後見人は一度頼んだら、断ることができない。 27.4% 本人の財産を有効に活用できなくなる。 17.1% 検討の結果、家族の支援で対応できると判断した。 26.1% 権利擁護センターの日常生活自立支援事業(金銭管理・財産管理)の利用で、対応できた。 1.0% その他 10.4% 回答なし 14.4% 163ページ C親族後見人となって困ったこと 親族後見人のご家族では、「本人財産からの支出が制約される。(家族のために使えないなど)」、「家庭裁判所への報告書作成が煩雑」が高い割合を占めており、成年後見制度への理解や資料作成等に関する相談支援が必要と考えられます。 ご家族向け 後見人になって困ったことはどのようなことか。(複数回答可) 後見人として何をやればよいか、分からない。 11.8% 成年後見制度についての相談窓口が分からない。 11.8% 後見監督人とうまく連携できない。 11.8% 家庭裁判所に提出すべき報告書作成が煩雑で、一人では難しい。 35.3% 本人財産からの支出が制約される。 41.2% その他 35.3% 回答なし 23.5% D後見等の受任が困難な理由 ご家族以外の受任者では、「受任が困難と感じたことがある」が約半数を占めており、理由としては「本人の身上保護の課題が多い」、「親族間に複雑なトラブルを抱えている」、「本人の財産管理上の課題が多い」といったことにより、受任者が一人で対応しきれないとの回答が多く見受けられます。 受任調整機能として複数後見等の活用や、チーム支援を含めた後見人支援が必要と考えられます。 受任者向け 後見人等の就任依頼があった際、受任が困難と思ったことはあるか。 ある 45.7% ない 45.7% 回答なし 8.6% 受任者向け 受任が困難と思った理由はどのようなことか。(複数回答可) 既に複数受任しており、これ以上受任できない。 19.5% 報酬が見込めない。 33.6% 本人の財産管理上の課題が多く、一人では対応しきれない。 31.3% 本人の身上保護上の課題が多く、一人では対応しきれない。 42.2% 親族間に複雑なトラブルを抱えており、一人では対応しきれない。 35.2% 支援者間で対立があり、どの支援者と連携すればよいか分からない。 8.6% その他 30.5% 164ページ E後見業務についての課題 支援者では、後見人と一緒に支援をして困ったことについて、「どこまで、何をお願いできるのかが分からない」、「財産管理以外は福祉関係者に委ねられ、関心がない」、「後見人の仕事ではないと断られることがある」の順に高くなっています。 受任者では、「後見人の業務範囲を超えた役割を期待され、対応できない」との回答が最も多く、「他の業務で忙しく、家族や支援者との話し合いに参加する時間が持てない」、「本人の意思を確認するのが難しい」の順に続いており、支援者と後見人の連携した支援ができていない状況もあることが見受けられます。 支援者への研修等の中で、後見人の業務について理解できる内容を盛り込むことや、支援者や後見人への個別の相談支援が必要と考えられます。 支援者向け 後見人と一緒に支援をして困ったことはどういうことか。(複数回答可) 連絡が取れない。 10.7% 本人に会いに来ない。 20.3% 支援の方針決定について、本人や他の支援者の意見が反映されない。 7.8% 申立理由とした課題が、なかなか解決しない。 3.6% 財産の管理以外は、福祉関係者に委ねられ、関心がない。 28.8% 後見人の仕事ではないと断られることがある。 23.9% どこまで、何をお願いできるか、分からない。 34.6% 後見人の活動に疑問があるが、相談先が分からない。 7.8% その他 18.9% 回答なし 19.9% 受任者向け 後見業務を行う上で難しいと感じることはどのようなことか。(複数回答可) 他の業務で忙しく、家族や支援者との話し合いに参加する時間が持てない。 30.7% 支援者と意見が合わず、支援方針を共有することができない。 11.8% 後見人の業務の範囲を超えた役割を期待され、対応できない。 41.4% 連携先が分からない。 6.1% 本人の意思を確認するのが難しい。 23.2% 本人との信頼関係を構築するのが難しい。 14.3% 難しいと感じることはない。 4.6% その他 17.5% 回答なし 13.2% 165ページ (3)成年後見制度の現状 成年後見制度の利用者数は認知症高齢者等の数と比較して著しく少なく、また、身上保護等の福祉的な視点に乏しい運用がなされているものもあると指摘されています。 本市においては、平成22年10月に成年後見あんしんセンターを開設し、成年後見制度に関する相談や普及啓発、市民後見人の養成等に取り組むとともに、低所得の人等に対する成年後見制度利用支援事業の実施などにより、成年後見制度の利用促進に取り組んできました。 こうした取り組みにより、市民後見人候補者や成年後見制度利用支援事業の利用者は増加傾向にあるものの、市民後見人の受任件数が候補者に比べ少ない等、更なる取り組みが必要な状況も見受けられます。 アンケート調査の結果では、成年後見制度の利用が必要と感じていながらも、制度に関する理解が十分でないことや、相談窓口や申請機関が分かりにくいことなどから、成年後見制度が市民にとって利用しづらい面があると考えられます。 また、申立等に必要な書類の作成が煩雑であることや、制度利用の判断の難しさなども、成年後見制度を利用する上でのハードルとなっていると考えられます。 このほか、財産管理以外のメリットを感じにくいことや、本人に寄り添った身上保護に対する不安があることも、成年後見制度の普及が進まない要因の一つと考えられます。 本市における成年後見制度の利用者数 名古屋家庭裁判所が管理している市内居住者(平成30年12月末現在) 後見 2,325人 保佐 416人 補助 157人 任意後見 60人 合計 2,958人 市民後見人養成・受任状況 平成30年度末現在 養成者数 188人 候補者バンク登録者数 124人 受任件数 33件 166ページ 本市の認知症高齢者等の状況 認知症高齢者数(認知症高齢者の日常生活自立度U以上の要介護認定者) 61,471人 知的障害者数(18歳以上の愛護手帳所持者) 12,487人 精神障害者数(精神障害者保健福祉手帳所持者) 25,695人 合計 99,653人 (4)今後の成年後見制度利用促進に向けた課題  成年後見制度を取り巻く状況やアンケート調査の結果から、以下の3点が今後の成年後見制度の利用促進にあたっての課題と考えます。 1 成年後見制度の正しい理解の促進 2 制度利用に係る専門的支援の充実 3 身上保護を重視した支援の仕組みづくり これらの課題を踏まえ、成年後見制度の周知や相談窓口の広報に引き続き努めるとともに、支援者や親族等への個別の相談支援や研修等の充実を図る必要があります。 また、適切に身上保護を行うための後見人等候補者の推薦に関する仕組みや、後見人が支援者の輪に加わるなど、チームとして連携した支援を行う必要があります。 167ページ 第3章 計画が目指すもの 本市の地域福祉計画の基本理念や、成年後見制度の利用促進に関する現状と課題を踏まえ、本計画の基本理念、基本目標を以下のように定めます。 1 基本理念 人権が尊重され、誰もがいきいきと暮らし、活躍できるまち、名古屋を目指して 2 基本目標 認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人が必要な支援を受けながら、一人ひとりの意思が尊重され、自分らしく生きていくために、地域における連携した支援の仕組みづくりを推進します。 「なごやか地域福祉2020」との関連 本計画は、「なごやか地域福祉2020」との整合性を図り、連携した取り組みを進めることとしています。「なごやか地域福祉2020」では、判断能力が不十分な人等への本人の意思を尊重した支援のため、以下の取り組みを行うこととしています。 「なごやか地域福祉2020」第4章 課題解決に向けた私たちの取り組みの展開 取り組むべき方向性2 一人ひとりの「暮らし」を支える仕組みをつくる            〜支援を求めている人、手助けが必要な人を支える〜 方策C 地域で安心して暮らし続けるための支援の仕組みづくり(権利擁護の推進) T.判断能力が不十分な人等への本人の意思を尊重した支援 具体的な取り組みの内容 1 日頃の気付きから必要な権利擁護支援へとつなげるための取り組みを進めます。 2 判断能力が不十分な人が地域で安心して生活が送れるよう金銭管理や財産保全などを行います。 3 判断能力が不十分な人の権利や財産を守る「成年後見制度」の利用促進を図ります。 4 本人の意思に基づいた本人らしい生活を送るための仕組みをつくります。   5 消費者被害のトラブルなどに関する相談支援を行います。  168ページ 第4章 取り組みの方策 権利擁護支援が必要な人の意思が尊重され、成年後見制度を自分らしい生活を実現するための制度として利用できるよう、現在の取り組みを引き続き実施するとともに、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築を図ります。 また、その中核となる機関(以下「中核機関」という。)を設置し、成年後見制度の利用促進に関する取り組みや、地域課題の検討等を行う協議会の運営を担います。 1 権利擁護支援の地域連携ネットワークの仕組みづくり 権利擁護支援の必要な人を早期に発見し、適切な支援につなげるとともに身上保護を重視した支援を行っていくためには、後見人と地域の関係者等が協力し、チームとして日常的に本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握することが重要です。「権利擁護支援の必要な人の発見・支援」、「早期の段階からの相談・対応体制の整備」、「意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する支援体制の構築」という3つの役割を念頭に、地域における既存のネットワークも活用しながら、地域のチーム、中核機関、協議会が有機的に連携し権利擁護が必要な人を地域全体で支援する仕組みづくりを進めます。 2 中核機関の設置 中核機関は地域連携ネットワーク全体のコーディネートを担うとともに、広報・啓発をはじめとする様々な事業の実施により、成年後見制度の利用促進に取り組みます。 現在、成年後見制度に関する広報・啓発、専門相談、市民後見人の養成等を実施している成年後見あんしんセンターの取り組みの充実を図るとともに中核機関に位置付け、地域連携ネットワークの中核機能を担うこととします。 中核機関が行う取り組み (1)広報・啓発 @市民向け広報・啓発 研修・講演会などによる広報・啓発(法定後見・任意後見) 成年後見制度に関する相談窓口(中核機関)の広報 市民後見人バンク登録者による広報 A地域での早期発見のための広報・啓発 つなぎの役割を担う地域の関係者への周知・啓発(福祉、医療、金融、不動産関係者等) 行政関係者向け研修会の開催 169ページ (2)相談受付・アセスメント・支援策の検討 @個別相談 市民からの成年後見制度に関する相談について、一般相談と専門職による専門相談を実施 A地域の相談支援機関及びチーム会議に対するバックアップ支援 権利擁護支援の必要性の有無、支援内容、申立者等を判断するための各種ツールの活用促進 相談支援機関からの相談対応 チーム会議等への専門職派遣(法律・福祉) 支援者向け研修の開催(意思決定支援の普及を含む) 170ページ (3)成年後見制度の利用促進 @利用者のニーズに合った候補者推薦のための仕組みづくり 家族・福祉関係者向けに申立に関する研修会を開催するなど、申立方法など学べる機会を提供するとともに、個別相談の中で申立支援を実施 候補者推薦ガイドラインの策定 候補者推薦ガイドラインだけでは推薦できないケースや、協議が必要なケースについて、専門家による会議の開催 家庭裁判所へ本人の生活状況等の情報が適切に伝わる仕組みを、家庭裁判所とともに検討 A担い手の養成と支援 より多くの市民が後見活動に参加できる取り組みの推進(広報・啓発、市民後見人養成研修の内容見直し、後見活動の負担軽減の検討など、参加しやすい環境整備) 家庭裁判所との協議を通じた市民後見人の受任者増加に向けた取り組みの推進(本人、親族申立案件への候補者の推薦や、家庭裁判所からの推薦依頼に基づく候補者推薦) 後見活動を適正に行うことができる法人の確保と支援に関する取組の充実(法人後見を担う団体が抱える課題や法人後見の担い手となり得る団体の参入意向等の実態把握と、実態を踏まえた活動支援の実施) 市民後見人養成研修と連携した法人後見の担い手の養成支援 B日常生活自立支援事業等関連制度との連携 日常生活自立支援事業利用者の移行支援 171ページ (4)後見人等への支援 @研修会・相談会の開催 親族後見人向け研修会・相談会の開催 A個別相談 親族後見人・専門職後見人からの相談対応 親族・支援者等からの相談対応 B個別支援 チーム会議への参加やモニタリング支援などの実施 C市民後見人への支援・監督 成年後見監督人への就任による重層的な支援・監督の実施 市民後見人受任者に対する受任者研修や受任者サロンの開催 D法人後見支援事業の実施 専門職による専門相談や支援員向けの研修会などの実施 172ページ 3 協議会の設置 中核機関が主体となり、専門職団体・関係機関等による協議会を設置し、構成団体間の連携強化を図るとともに、中核機関の取り組み等に対する協議や、地域の「チーム」への支援等を通じて把握した地域課題の情報共有や支援策の検討等を行います。 協議会の主な役割 (1)中核機関の取り組みや課題等に対する協議 @後見人候補者推薦の仕組みづくり A各専門職団体の協力体制の整備 B成年後見制度では対応できない支援の事例検証 (2)家庭裁判所との情報交換・調整 173ページ 第5章 計画の進行管理と評価 1 推進体制 本計画の進行管理・評価は、法律・福祉の専門職団体、相談支援機関、家族会等の代表者で構成する「成年後見制度利用促進に関する懇談会」から意見を聴取することにより行います。 2 計画内容の変更 計画期間の途中であっても社会情勢の変化や国の動向等に応じて、計画の見直しが必要な場合には、懇談会の意見を参考に、所要の改定を行います。 174ページ 白紙 175ページ 参考資料 目次 1 策定体制・策定の経過 176ページ 2 アンケート結果 177ページ 3 要綱と名簿 189ページ 4 成年後見制度の利用の促進に関する法律  191ページ 5 用語解説 196ページ 176ページ 1 策定体制・策定の経過 (1)策定体制  「成年後見制度利用促進に関する懇談会」  名古屋市における成年後見制度の一層の利用促進に活用するため、成年後見制度に関する有識者の意見を聴取する場 (2)策定の経過 平成30年6月11日 平成30年度第1回懇談会 成年後見制度の利用促進について 平成30年8月28日 平成30年度第2回懇談会 成年後見制度実態調査の実施について アンケート(案)中核機関等が担うべき具体的機能について 広報機能 相談機能 平成30年9月14日〜11月2日 支援者向け、家族向け、受任者向けの3つのアンケートを実施 平成30年12月18日 平成30年度第3回懇談会 成年後見制度実態調査について アンケート調査 実施結果(速報) 中核機関等が担うべき具体的機能について 成年後見利用促進機能 平成31年3月25日 平成30年度第4回懇談会 中核機関等が担うべき具体的機能について 後見人支援機能 地域連携ネットワークの仕組み 成年後見制度利用促進基本計画の骨子(案)について 令和元年6月10日 令和元年度第1回懇談会 成年後見制度利用促進計画の素案について 令和元年9月10日 令和元年度第2回懇談会 成年後見制度利用促進計画(案)について 令和2年1月〜2月 パブリックコメントによる意見募集 令和2年3月 令和元年度第3回懇談会 177ページ 2 アンケート結果 計画策定にあたり、本市における成年後見制度のニーズや課題等を把握するため、関係者向けに調査を行いました。 支援者、家族、受任者がそれぞれの立場において、成年後見制度のニーズや課題等をどのように捉えているかを調査するため、支援者向け、家族向け、受任者向けの3つのアンケートを実施しました。 実施時期 平成30年9月14日〜11月2日 調査対象者 支援者向け いきいき支援センター、居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症グループホーム、介護付有料老人ホーム、障害者基幹相談支援センター、特定相談支援事業所、障害者支援施設、病院・診療所 ご家族向け 認知症の人と家族の会愛知県支部 会員(名古屋市在住)、名古屋手をつなぐ育成会 会員、名古屋市精神障害者家族会連合会 会員、蒼の会 会員、愛知県自閉症協会・つぼみの会 会員 受任者向け 弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士、税理士、社会保険労務士、法人後見実施団体 配布・回収状況 支援者向け 配布数 1,520 回答数 940 回収率 61.8% ご家族向け 配布数 1,601 回答数 549 回収率 34.3% 受任者向け 配布数 1,556 回答数 280 回収率 18.0% 受任者向けについては、名古屋市内で後見活動を行っている専門職を特定することが出来ないため、各専門職団体を通じて協力可能な範囲で依頼したものであり、名古屋市外で活動している方や後見活動を行っていない方も配布対象者に含みます。 178ページ 成年後見制度に関するアンケート結果(支援者向け) @ 貴事業所は次のどれに該当しますか。 いきいき支援センター 回答数26 回答割合2.8% 居宅介護支援事業所 回答数467 回答割合49.6% 特別養護老人ホーム 回答数 84 回答割合8.9% 介護老人保健施設 回答数 52 回答割合5.5% 認知症高齢者グループホーム 回答数123 回答割合13.1% 介護付有料老人ホーム 回答数 60 回答割合 6.4% 障害者基幹相談支援センター 回答数16  回答割合1.7% 特定相談支援事業所 回答数 71  回答割合7.6% 障害者支援施設 回答数15 回答割合1.6% 病院・診療所 回答数16 回答割合 1.7% 回答なし  回答数10 回答割合 1.1% 合計 回答数940 回答割合 100% A 成年後見制度について相談があった場合、制度の説明をすることができますか。 できる 回答数189 回答割合20.1 多少はできる 回答数626 回答割合66.6% できない 回答数80 回答割合8.5% 回答なし 回答数 45 回答割合4.8% 合計 回答数940 回答割合100% B 平成30年8月末現在、利用者(名古屋市内)は何人ですか。 回答合計 53,130人 C Bのうち、判断能力が不十分なため、下表の項目に該当し、成年後見制度の検討が必要だと思われる方は何人いますか。 既に、成年後見制度を利用している方を除きます。 回答合計 4,165人 該当する方がいる場合 どの項目に当てはまりますか。(複数回答可) 診療契約やサービス利用契約を理解できず、支援が進まない。 2,091人 不動産の処分や遺産分割協議など、日常的な金銭管理を超える法律行為を行えない。 2,487人 過去に消費者被害に遭ったことがある、又は現に悪徳業者につきまとわれている。 195人 金銭管理や資産管理(土地や建物・有価証券など)が適切にできない。 3,248人 税金や施設利用料・その他借金等を現に滞納しているが、適切に対応できていない。 462人 商品を次々購入する等、収入に見合った適切な支出ができない。 566人 預金や年金を取り上げられる等、虐待を受けている又は疑いがある。 164人 必要な医療・介護・福祉サービスの全部又は一部を拒否している。(セルフネグレクト) 221人 その他困難な状況があるが、適切に対応できていない。 583人 179ページ D Cのうち、本人の意向等を踏まえて、成年後見制度の申立を準備・検討している方はいますか。 いる 回答数165 回答割合17.5% いない 回答数606 回答割合64.5% 回答なし 回答数169 回答割合18.0% 合計 回答数940 回答割合100% いる場合 何人いますか。 回答合計245人 1人〜3人 回答数155 回答割合94.0% 4人〜6人 回答数5 回答割合3.0% 7人〜9人 回答数1 回答割合0.6% 10人以上 回答数1 回答割合0.6% 回答なし 回答数3 回答割合1.8% 合計 回答数165 回答割合100% E 成年後見の申立支援を行うにあたり、どのような点で苦労したことがありますか。(複数回答可) 申立に関わったことがない。 回答数336 回答割合35.7% 誰に申立を行ってもらうのか悩んだ。 回答数171 回答割合18.2% 本人や親族に、成年後見制度の必要性について説明するのに苦労した。 回答数222 回答割合23.6% 申立資料の書類が煩雑で、本人や親族ではできず、苦労した。 回答数140 回答割合14.9% 市長申立をするのに苦労した。 回答数80 回答割合 8.5% 誰を成年後見人等候補者とすればよいのか分からず、苦労した。 回答数74 回答割合7.9% 診断書を作成する医師へ、本人の生活状況がうまく伝えられず、苦労した。 回答数34 回答割合 3.6% 親族が非協力的又はトラブルがあり、支援を行うのに苦労した。 回答数141 回答割合15.0% 相談や申請機関などがよく分からない。 回答数75 8.0% その他(主な回答 診断書の作成など、お金がかかった。選任までに時間がかかった。) 回答数67 回答割合 7.1% 回答なし 回答数155 回答割合16.5% F 成年後見の申立をしない又は躊躇する理由はどのようなことがありますか。(複数回答可) 対象となる方を担当したことがない。 回答数170 回答割合18.1% 本人にとって成年後見制度の利用が適切かどうか判断できない。 回答数254 回答割合27.0% 後見人(保佐人、補助人を含む。以下、同じ。)が選任されるまで時間がかかる。 回答数207 回答割合22.0% 誰が後見人になるか分からないことに不安がある。 回答数153 回答割合16.3% 後見人が本人の意思や希望を反映した支援をしてくれるか不安がある。 回答数195 回答割合20.7% 後見人は一度選任されたら、判断能力が回復しない限り、本人が亡くなるまで続く。 回答数85 回答割合 9.0% 後見報酬の支払いが、本人への負担になる。 回答数283 回答割合30.1% 権利擁護センターの日常生活自立支援事業(金銭管理・財産保全)で、対応できる。 回答数233 回答割合24.8% いわゆる「身元保証団体」を紹介することで、対応している。 回答数302 回答割合32.1% その他(主な回答 家族が代理することができるから 本人が拒否するため回答数)73 回答割合7.8% 回答なし 回答数96 回答割合10.2% 180ページ 後見人(保佐人、補助人を含む。以下、同じ。)と一緒に利用者の支援に関わったことがありますか。 ある 回答数497 回答割合52.9% ない 回答数415 回答割合44.1% 回答なし 回答数 28 回答割合3.0% 合計 回答数940 回答割合100% 「ある」と回答された方は、H、Iの設問にお答えください。 「ない」と回答された方は、Jの設問にお進みください。 H 後見人と一緒に支援ができて良かったことはどういうことですか。(複数回答可) 安心して契約ができた。 回答数270 回答割合54.3% 利用料などの滞納の心配がない。 回答数305 回答割合61.4% 債務整理や遺産分割協議をすることができ、本人の生活が安定した。回答数99 回答割合19.9% 悪徳商法や親族等からの権利侵害から守ることができた。 回答数123 回答割合24.7% 本人の支援について相談できる。回答数253 回答割合50.9% 本人の意思を尊重したサービス利用等の提案があった。 回答数89 回答割合17.9% 入院など、緊急時の対応をしてくれる。 回答数243 回答割合48.9% 亡くなった後の相談ができる。 回答数152 回答割合30.6% その他(主な回答:金銭管理や料金支払が適切にできる。) 回答数19 回答割合 3.8% 回答なし 回答数6 回答割合1.2% 189ページ 3 要綱と名簿 成年後見制度利用促進に関する懇談会開催要綱 (趣旨) 第1条 成年後見制度に関する有識者の意見を聴取し、名古屋市における成年後見制度の一層の利用促進に活用するため、「成年後見制度利用促進に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)を開催する。  (構成) 第2条 懇談会は、次に掲げるもののうちから健康福祉局長が指名するものにより構成する。 (1)成年後見人等の活動に関して高度な知識及び経験を有する者 (2)高齢者・障害者の相談支援に関して高度な知識及び経験を有する者 (3)福祉団体関係者 (座長) 第3条 懇談会の座長は、構成員の互選により決定する。 2 座長は、懇談会の議事を進行する。 (会議の公開) 第4条 原則として公開する。ただし、健康福祉局長が必要と認めるときは、非公開とすることができる。 (謝金) 第5条 懇談会への出席に対する謝金の額は、1回11,600円とする。 (守秘義務) 第6条 構成員は、懇談会において知り得た秘密を他に漏らしてはならない。 (庶務) 第7条 懇談会の庶務は、健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課において処理する。 (雑則) 第8条 この要綱に定めるもののほか、懇談会の運営に関して必要な事項は、健康福祉局長が定める。 附則 この要綱は、決裁の日から施行する。 190ページ 成年後見制度利用促進に関する懇談会委員名簿 愛知県弁護士会熊田均、愛知県司法書士会奥村倫子、愛知県社会福祉士会宮崎靖、愛知県行政書士会増田ちづ子、名古屋税理士会※令和元年8月まで井上新、名古屋税理士会※令和元年9月から小林直樹、愛知県社会保険労務士会伊藤光江、特定非営利活動法人蒼の会岡田ひろみ、名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進部平野和彦、北区障害者基幹相談支援センター羽田明史、名古屋市介護サービス事業者連絡研究会近藤芳江、愛知県医療ソーシャルワーカー協会小林哲朗、認知症の人と家族の会愛知県支部尾之内直美、名古屋手をつなぐ育成会永田さよ子、名古屋市精神障害者家族会連合会堀田明(敬称省略)【オブザーバー】名古屋家庭裁判所 191ページ 4 成年後見制度の利用の促進に関する法律 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めること等により、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「成年後見人等」とは、次に掲げる者をいう。 一 成年後見人及び成年後見監督人 二 保佐人及び保佐監督人 三 補助人及び補助監督人 四 任意後見人及び任意後見監督人 2 この法律において「成年被後見人等」とは、次に掲げる者をいう。 一 成年被後見人 二 被保佐人 三 被補助人 四 任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された後における任意後見契約の委任者 3 この法律において「成年後見等実施機関」とは、自ら成年後見人等となり、又は成年後見人等若しくはその候補者の育成及び支援等に関する活動を行う団体をいう。 4 この法律において「成年後見関連事業者」とは、介護、医療又は金融に係る事業その他の成年後見制度の利用に関連する事業を行う者をいう。 (基本理念) 第三条 成年後見制度の利用の促進は、成年被後見人等が、成年被後見人等でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきこと、成年被後見人等の意思決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人等の自発的意思が尊重されるべきこと及び成年被後見人等の財産の管理のみならず身上の保護が適切に行われるべきこと等の成年後見制度の理念を踏まえて行われるものとする。 2 成年後見制度の利用の促進は、成年後見制度の利用に係る需要を適切に把握すること、市民の中から成年後見人等の候補者を育成しその活用を図ることを通じて成年後見人等となる人材を十分に確保すること等により、地域における需要に的確に対応することを旨として行われるものとする。 192ページ 3 成年後見制度の利用の促進は、家庭裁判所、関係行政機関(法務省、厚生労働省、総務省その他の関係行政機関をいう。以下同じ。)、地方公共団体、民間の団体等の相互の協力及び適切な役割分担の下に、成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の権利利益を適切かつ確実に保護するために必要な体制を整備することを旨として行われるものとする。 (国の責務) 第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) 第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、成年後見制度の利用の促進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。 (関係者の努力) 第六条 成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、基本理念にのっとり、その業務を行うとともに、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。 (国民の努力) 第七条 国民は、成年後見制度の重要性に関する関心と理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する成年後見制度の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。 (関係機関等の相互の連携) 第八条 国及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、相互の緊密な連携の確保に努めるものとする。 2 地方公共団体は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施に当たっては、特に、その地方公共団体の区域を管轄する家庭裁判所及び関係行政機関の地方支分部局並びにその地方公共団体の区域に所在する成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者その他の関係者との適切な連携を図るよう、留意するものとする。 (法制上の措置等) 第九条 政府は、第十一条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を速やかに講じなければならない。この場合において、成年被後見人等の権利の制限に係る関係法律の改正その他の同条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上の措置については、この法律の施行後三年以内を目途として講ずるものとする。 193ページ (施策の実施の状況の公表) 第十条 政府は、毎年一回、成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施の状況をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。 第二章 基本方針 第十一条 成年後見制度の利用の促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえるとともに、高齢者、障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。 一 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の能力に応じたきめ細かな対応を可能とする観点から、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずること。 二 成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを行うこと。 三 成年被後見人等であって医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難なものが円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方について、成年後見人等の事務の範囲を含め検討を加え、必要な措置を講ずること。 四 成年被後見人等の死亡後における事務が適切に処理されるよう、成年後見人等の事務の範囲について検討を加え、必要な見直しを行うこと。 五 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の自発的意思を尊重する観点から、任意後見制度が積極的に活用されるよう、その利用状況を検証し、任意後見制度が適切にかつ安心して利用されるために必要な制度の整備その他の必要な措置を講ずること。 六 成年後見制度に関し国民の関心と理解を深めるとともに、成年後見制度がその利用を必要とする者に十分に利用されるようにするため、国民に対する周知及び啓発のために必要な措置を講ずること。 七 成年後見制度の利用に係る地域住民の需要に的確に対応するため、地域における成年後見制度の利用に係る需要の把握、地域住民に対する必要な情報の提供、相談の実施及び助言、市町村長による後見開始、保佐開始又は補助開始の審判の請求の積極的な活用その他の必要な措置を講ずること。 八 地域において成年後見人等となる人材を確保するため、成年後見人等又はその候補者に対する研修の機会の確保並びに必要な情報の提供、相談の実施及び助言、成年後見人等に対する報酬の支払の助成その他の成年後見人等又はその候補者に対する支援の充実を図るために必要な措置を講ずること。 九 前二号の措置を有効かつ適切に実施するため、成年後見人等又はその候補者の育成及び支援等を行う成年後見等実施機関の育成、成年後見制度の利用において成年後見等実施機関が積極的に活用されるための仕組みの整備その他の成年後見等実施機関の活動に対する支援のために必要な措置を講ずること。 十 成年後見人等の事務の監督並びに成年後見人等に対する相談の実施及び助言その他の支援に係る機能を強化するため、家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体における必要な人的体制の整備その他の必要な措置を講ずること。 194ページ 十一 家庭裁判所、関係行政機関及び地方公共団体並びに成年後見人等、成年後見等実施機関及び成年後見関連事業者の相互の緊密な連携を確保するため、成年後見制度の利用に関する指針の策定その他の必要な措置を講ずること。 第三章 成年後見制度利用促進基本計画 第十二条 政府は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画(以下「成年後見制度利用促進基本計画」という。)を定めなければならない。 2 成年後見制度利用促進基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 成年後見制度の利用の促進に関する目標 二 成年後見制度の利用の促進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策 三 前二号に掲げるもののほか、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 3 法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、成年後見制度利用促進基本計画を変更しようとするときは、成年後見制度利用促進基本計画の変更の案につき閣議の決定を求めなければならない。 4 法務大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、変更後の成年後見制度利用促進基本計画をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。 第四章 成年後見制度利用促進会議 第十三条 政府は、関係行政機関相互の調整を行うことにより、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度利用促進会議を設けるものとする。 2 関係行政機関は、成年後見制度の利用の促進に関し専門的知識を有する者によって構成する成年後見制度利用促進専門家会議を設け、前項の調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。 3 成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議の庶務は、厚生労働省において処理する。 第五章 地方公共団体の講ずる措置 (市町村の講ずる措置) 第十四条 市町村は、成年後見制度利用促進基本計画を勘案して、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるとともに、成年後見等実施機関の設立等に係る支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 2 市町村は、当該市町村の区域における成年後見制度の利用の促進に関して、基本的な事項を調査審議させる等のため、当該市町村の条例で定めるところにより、審議会その他の合議制の機関を置くよう努めるものとする。 195ページ (都道府県の講ずる措置) 第十五条 都道府県は、市町村が講ずる前条の措置を推進するため、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、成年後見人等となる人材の育成、必要な助言その他の援助を行うよう努めるものとする。 附 則 抄 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第五条の規定は、同日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (検討) 第二条 認知症である高齢者、知的障害者その他医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難な者が円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方については、第十一条第三号の規定による検討との整合性に十分に留意しつつ、今後検討が加えられ、その結果に基づき所要の措置が講ぜられるものとする。 196ページ 5 用語解説 意思決定支援(P155等)  認知症や障害などで判断能力が不十分な人について、本人らしい生活を実現するため、必要な情報を提供し、本人の意思や考えを引き出すなどして、本人が自ら意思決定するために必要な支援をすることです。 虐待防止ネットワーク支援会議(P173)  高齢者虐待や障害者虐待の処遇困難ケースについて、行政関係者、居宅介護支援事業者、介護サービス事業者、障害福祉サービス事業者等で構成する会議に、状況に応じて弁護士等のスーパーバイザーの助言を得ながら介入・支援策の検討を行います。 権利擁護支援(P158)  認知症や障害などで判断能力が不十分な人について、個人としての権利を擁護し、本人らしい生活を実現するために必要な支援をすることです。 後見制度支援信託(P156)  被後見人の財産を適切に管理するため、被後見人の財産のうち、日常的な支払に必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みです。信託財産の払い戻し等には家庭裁判所の指示書が必要です。 後見報酬(P162)  成年後見制度を利用した場合、後見人等に支払われる報酬です。後見人等が家庭裁判所に報酬付与の申立を行い、家庭裁判所がその後見事務内容や被後見人等の財産を総合的に考慮し、相当と判断した額が被後見人等の財産から支払われます。 サービス調整会議(P173)  介護保険法や障害者総合支援法にかかる居宅サービスのケアプラン作成に当たり、ケアマネジャーやコーディネーターを中心として、利用者に関わる医療・保健・福祉などのサービス提供者を集め、利用者のサービス提供について話し合い、調整を行います。 197ページ 障害者自立支援連絡協議会(P173)  地域における相談支援事業をはじめとする障害者福祉に関するシステムづくりに関し中核的な役割を果たす協議の場です。 市民後見人(P165等)  自治体等が行う養成研修を受講するなどして成年後見人等として必要な知識を得た一般市民のうち、家庭裁判所から成年後見人等に選任されたものです。 親族後見人(P163等)  本人の配偶者、親、子、兄弟姉妹その他親族が家庭裁判所から成年後見人等に選任されたものです。 専門職後見人(P171)  家庭裁判所から成年後見人等に選任された法律や福祉の専門職。弁護士、司法書士、社会福祉士、税理士、行政書士、精神保健福祉士等です。 地域ケア会議(P173)  各区の地域包括ケアシステム構築の推進母体として、高齢者への適切な支援を図るために必要な検討を行うとともに、高齢者が地域において自立した日常生活を営むために必要な支援体制に関する検討を行います。個別ケース検討会議では、サービス担当者会議等で解決困難な個別ケース事例を多職種で検討し、地域支援ネットワークの構築、高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援 地域課題の把握等を行います。 日常生活自立支援事業(P170)  知的障害者、精神障害者、認知症高齢者などの判断能力が不十分な人が、地域で安心した生活が送れるように、本人との契約に基づき金銭管理や財産保全、福祉サービス利用契約の援助を行います。名古屋市では、障害者・高齢者権利擁護センター南部・北部・東部事務所において実施しています。 法人後見(P158等)  社会福祉法人や社団法人、NPO法人などの法人が家庭裁判所から成年後見人等に選任され、後見業務を行うことです。長期間の継続支援、チーム対応による複合的課題への対応などのメリットがあります。 198ページ なごやか地域福祉2020 第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 名古屋市成年後見制度利用促進計画 発行年月  令和2年3月 発行・編集 【なごやか地域福祉2020】 名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課地域福祉係 〒460−8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1 号 電話:052−972−2548 ファクシミリ:052−955−3367 社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進部 〒462−8558 名古屋市北区清水四丁目17の1 名古屋市総合社会福祉会館5階 電話:052−911−3193 ファクシミリ:052−917−0702 【名古屋市成年後見制度利用促進計画】 名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課地域支援係 〒460−8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電 話:052−972−2549 ファクシミリ:052−955−3367 デザイン 株式会社カミヤマ 印刷 社会福祉法人名古屋ライトハウス明和寮 音声コード JAVIS Appli.(特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会) 名古屋市公式ホームページは、なごやか地域福祉2020で検索してください。 この冊子は、古紙パルプを含む再生紙を使用しています。 199ページ 白紙 裏表紙 なごやか地域福祉2020 第3期名古屋市地域福祉計画・第6次名古屋市社会福祉協議会地域福祉推進計画 名古屋市成年後見制度利用促進計画